JPH0775545B2 - B型肝炎表面抗原をコ−ドするベクタ− - Google Patents
B型肝炎表面抗原をコ−ドするベクタ−Info
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- JPH0775545B2 JPH0775545B2 JP60027516A JP2751685A JPH0775545B2 JP H0775545 B2 JPH0775545 B2 JP H0775545B2 JP 60027516 A JP60027516 A JP 60027516A JP 2751685 A JP2751685 A JP 2751685A JP H0775545 B2 JPH0775545 B2 JP H0775545B2
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- hepatitis
- cell
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Description
【発明の詳細な説明】 本発明はB型肝炎表面抗原(HBsAg)を製造するためのD
NA組換え技術の利用に関する。
NA組換え技術の利用に関する。
B型肝炎ウイルス(HBV)は、血清肝炎の感染因子であ
る。このウイルスによる感染は世界的問題である、:HBV
の保持者(キヤリヤー)は急性または慢性の感染症に苦
しみ、慢性の場合は肝臓癌へ移行する可能性もある。こ
のHBV感染因子は42nmのデーン(Dane)粒子であること
がつきとめられており、これはDNAポリメラーゼ及び320
0塩基対(bp)のNDA遺伝子よりなる内部コア粒子を囲む
肝炎表面抗原のリポ蛋白コートを有する。HBsAgはHBV保
持者の血清中に主として22nmの球形粒子またはフイラメ
ントとして見出され、HBV抗体の主要な標的であること
が観察されている。この22nm粒子は、見掛け分子量22,0
00および27,000ダルトンの二つのポリペプチドを含有す
る。これらのポリペプチドは恐らく同一のものであり、
大型の方のペピチドではグリコシル化が存在する点のみ
で異なつている。HBsAgにたいするワクチン開発の臨床
学的重要性から、多くの研究者によつてHBsAg蛋白質の
単離の試みがなされている。
る。このウイルスによる感染は世界的問題である、:HBV
の保持者(キヤリヤー)は急性または慢性の感染症に苦
しみ、慢性の場合は肝臓癌へ移行する可能性もある。こ
のHBV感染因子は42nmのデーン(Dane)粒子であること
がつきとめられており、これはDNAポリメラーゼ及び320
0塩基対(bp)のNDA遺伝子よりなる内部コア粒子を囲む
肝炎表面抗原のリポ蛋白コートを有する。HBsAgはHBV保
持者の血清中に主として22nmの球形粒子またはフイラメ
ントとして見出され、HBV抗体の主要な標的であること
が観察されている。この22nm粒子は、見掛け分子量22,0
00および27,000ダルトンの二つのポリペプチドを含有す
る。これらのポリペプチドは恐らく同一のものであり、
大型の方のペピチドではグリコシル化が存在する点のみ
で異なつている。HBsAgにたいするワクチン開発の臨床
学的重要性から、多くの研究者によつてHBsAg蛋白質の
単離の試みがなされている。
HBV遺伝子は大腸菌(Escherischia coli)中にクローン
化されており、完全なヌクレオチド配列は、例えばBurr
elら(1979)Nature279,43によつて決定されている。HB
VのDNAは、一方のストランド(L)に一重鎖ギヤツプを
有し、第二のストランドは種々の長さを有する部分的二
重鎖分子である。このHBsAg遺伝子は大腸菌中にクロー
ン化されており、介在配列のない680bpの開いた読み取
り枠(open reading frame)を有することが示されてい
る。HBsAgのDNA配列を宿主細胞に形質転換し、HBsAgの
発現をえるために種々の系が採用されている。種々のて
いどのHBsAgの発現がSV40およびレトロウイルスなどの
ウイルスベクターで形質転換された酵母およびほ乳動物
細胞中で検出されている。例えば、Moriartyら、Proc.N
atl.Acad.Sci.78,2606−2610,1981及びLiuら、DNA
(1)213−221,1982にはHBsAg遺伝子を含み培養ほ乳動
物細胞を形質転換することの出来るSV40ベクターが記載
されている。
化されており、完全なヌクレオチド配列は、例えばBurr
elら(1979)Nature279,43によつて決定されている。HB
VのDNAは、一方のストランド(L)に一重鎖ギヤツプを
有し、第二のストランドは種々の長さを有する部分的二
重鎖分子である。このHBsAg遺伝子は大腸菌中にクロー
ン化されており、介在配列のない680bpの開いた読み取
り枠(open reading frame)を有することが示されてい
る。HBsAgのDNA配列を宿主細胞に形質転換し、HBsAgの
発現をえるために種々の系が採用されている。種々のて
いどのHBsAgの発現がSV40およびレトロウイルスなどの
ウイルスベクターで形質転換された酵母およびほ乳動物
細胞中で検出されている。例えば、Moriartyら、Proc.N
atl.Acad.Sci.78,2606−2610,1981及びLiuら、DNA
(1)213−221,1982にはHBsAg遺伝子を含み培養ほ乳動
物細胞を形質転換することの出来るSV40ベクターが記載
されている。
Hamerらの米国出願(1982年12月23日出願:発明の名称
“Human Growth Hormone Produced by Recombinant DNA
in Mouse Cells"には、うしパピローマウイルス(BP
V)ベクターにクローン化したマウスメタロチオネイン
(MT)−ヒト成長ホルモン雑種遺伝子が開示されてい
る。ヒト成長ホルモンの発現はカドミウムまたは他の重
金属、例えば亜鉛によつて誘発されている。Hamerらは
その第5頁で「このベクターは培養細胞に他の非選択性
遺伝子、例えばワクチンとして使用可能なウイルス遺伝
子調製物(例えばB型肝炎表面抗原)…の遺伝子を導入
するために有用である」と記載している。
“Human Growth Hormone Produced by Recombinant DNA
in Mouse Cells"には、うしパピローマウイルス(BP
V)ベクターにクローン化したマウスメタロチオネイン
(MT)−ヒト成長ホルモン雑種遺伝子が開示されてい
る。ヒト成長ホルモンの発現はカドミウムまたは他の重
金属、例えば亜鉛によつて誘発されている。Hamerらは
その第5頁で「このベクターは培養細胞に他の非選択性
遺伝子、例えばワクチンとして使用可能なウイルス遺伝
子調製物(例えばB型肝炎表面抗原)…の遺伝子を導入
するために有用である」と記載している。
Sarverらは、ほ乳動物細胞の形質転換に使用したとき、
それぞれラツトプレプロインシユリン、ヒトベータグロ
ビン及びヒトベーターインターフエロンを発現するBPV
ベクターを記載している〔Sarverら(1981)Mol.and Ce
ll.Biol.1,486−496;DiMaio(1982)P.N.A.S.USA79,403
0−4034及びZinnら(1982)P.N.A.S.USA79,4897−490
1〕。
それぞれラツトプレプロインシユリン、ヒトベータグロ
ビン及びヒトベーターインターフエロンを発現するBPV
ベクターを記載している〔Sarverら(1981)Mol.and Ce
ll.Biol.1,486−496;DiMaio(1982)P.N.A.S.USA79,403
0−4034及びZinnら(1982)P.N.A.S.USA79,4897−490
1〕。
本発明は一般に、a)ヒトB型肝炎の表面抗原をコード
する遺伝子配列に連結させた真核動物メタロチオネイン
遺伝子のプロモーター、及びb)ウシパピローマウイル
スゲノムの形質転換領域の少なくとも69%よりなり、該
B型肝炎表面抗原をコードする遺伝子配列の発現が該メ
タロチオネインプロモーターの支配下にある、組換えDN
Aベクターに関する。
する遺伝子配列に連結させた真核動物メタロチオネイン
遺伝子のプロモーター、及びb)ウシパピローマウイル
スゲノムの形質転換領域の少なくとも69%よりなり、該
B型肝炎表面抗原をコードする遺伝子配列の発現が該メ
タロチオネインプロモーターの支配下にある、組換えDN
Aベクターに関する。
好ましい態様においては、該ベクターで形質転換された
マウスC127細胞は、連続して(継代することなく)B型
肝炎の表面抗原を少なくとも60日間、最も好ましくは少
なくとも80日間生産可能であり、該ベクターはマウスC1
27細胞中の染色体外に多数のコピーで保持可能であり、
該ベクターで形質転換されたマウスC127細胞はB型肝炎
表面抗原を重金属による誘発なしに少なくとも5mg/L
(培養培地のリツトル量)/24時間、最も好ましくは10m
g/L/24時間生産することができるものであり、この重金
属による誘発なしのB型肝炎表面抗原の生産は、カドミ
ウム存在下での同じ系におけるB型肝炎表面抗原の生産
量と少なくとも同程度以上であり、該ベクターはメチロ
チオネイン遺伝子の全てをふくむものであり、該メタロ
チオネイン遺伝子はマウスのメタロチオネイン遺伝子で
あり、そして宿主細胞はげつ菌類の線維芽細胞であり、
最も好ましくはマウスC127細胞またはNIH 3T3細胞であ
る。
マウスC127細胞は、連続して(継代することなく)B型
肝炎の表面抗原を少なくとも60日間、最も好ましくは少
なくとも80日間生産可能であり、該ベクターはマウスC1
27細胞中の染色体外に多数のコピーで保持可能であり、
該ベクターで形質転換されたマウスC127細胞はB型肝炎
表面抗原を重金属による誘発なしに少なくとも5mg/L
(培養培地のリツトル量)/24時間、最も好ましくは10m
g/L/24時間生産することができるものであり、この重金
属による誘発なしのB型肝炎表面抗原の生産は、カドミ
ウム存在下での同じ系におけるB型肝炎表面抗原の生産
量と少なくとも同程度以上であり、該ベクターはメチロ
チオネイン遺伝子の全てをふくむものであり、該メタロ
チオネイン遺伝子はマウスのメタロチオネイン遺伝子で
あり、そして宿主細胞はげつ菌類の線維芽細胞であり、
最も好ましくはマウスC127細胞またはNIH 3T3細胞であ
る。
本発明のベクターで形質転換されたほ乳動物細胞は、継
代の必要または細胞の死滅なしに連続して長期間培養可
能であり、したがつて収穫を行うたびごとに培養を再開
することなくHBsAgの連続的収穫を可能ならしめる。従
つて、連続的方法によつて抗原の回収を好適ならしめ、
新たな培養開始の回数を減少させる。更に本発明のプラ
スミドは培養細胞中に高いコピー数で保持して、HBsAg
遺伝子を増幅することが可能である。HBsAgはMTプロモ
ーターの支配下に発現される。本発明の形質転換された
細胞ラインによるHBsAgの生産率は大であり、5mg/Lない
し10mg/L/24時間におよぶ。この高レベルのHBsAgの発現
は形質転換細胞をカドミウムまたは他の重金属、例えば
亜鉛で誘発することなしに得ることが出来る。従つて、
細胞培養は毒性物質の取扱の必要なく調製でき、B型肝
炎表面抗原の精製が培養培地中の毒性物質の存在によつ
て複雑化することはない。
代の必要または細胞の死滅なしに連続して長期間培養可
能であり、したがつて収穫を行うたびごとに培養を再開
することなくHBsAgの連続的収穫を可能ならしめる。従
つて、連続的方法によつて抗原の回収を好適ならしめ、
新たな培養開始の回数を減少させる。更に本発明のプラ
スミドは培養細胞中に高いコピー数で保持して、HBsAg
遺伝子を増幅することが可能である。HBsAgはMTプロモ
ーターの支配下に発現される。本発明の形質転換された
細胞ラインによるHBsAgの生産率は大であり、5mg/Lない
し10mg/L/24時間におよぶ。この高レベルのHBsAgの発現
は形質転換細胞をカドミウムまたは他の重金属、例えば
亜鉛で誘発することなしに得ることが出来る。従つて、
細胞培養は毒性物質の取扱の必要なく調製でき、B型肝
炎表面抗原の精製が培養培地中の毒性物質の存在によつ
て複雑化することはない。
本発明の他の態様及び利点は、以下の好ましい態様の記
載ならびに特許請求の範囲から明確になる。
載ならびに特許請求の範囲から明確になる。
図は本発明の好ましい態様を説明するためのものであ
り、プラスミドpRF300及びpRB−1の製造を示す工程図
である。
り、プラスミドpRF300及びpRB−1の製造を示す工程図
である。
図中pRB−1として示されるプラスミドは、マウスMT遺
伝子のMTプロモーターとMT構造遺伝子の間にHBsAgをコ
ードする遺伝子を挿入することによつて生産された雑種
遺伝子を含んでいる。プラスミドpRB−1はBPVの完全遺
伝子をも含み、このため、このベクターはほ乳動物細胞
を形質転換出来る。
伝子のMTプロモーターとMT構造遺伝子の間にHBsAgをコ
ードする遺伝子を挿入することによつて生産された雑種
遺伝子を含んでいる。プラスミドpRB−1はBPVの完全遺
伝子をも含み、このため、このベクターはほ乳動物細胞
を形質転換出来る。
本発明のベクターは、当業者に公知のDNA組換え技術に
よつて構成できる。MT遺伝子および溶解性ウイルス遺伝
子を含有するプラスミドをエンドヌクレアーゼ制限酵素
をもちいて消化する。次いで、ヒトHBsAgをコードする
遺伝子を、前記MT遺伝子のMTプロモーターとMT構造遺伝
子との間に挿入する。このMT−HBsAg及び溶解性ウイル
ス遺伝子を含有する中間体プラスミドを、溶解性ウイル
ス遺伝子を削除するため消化し、BPV遺伝子に置き換え
る。こうして得られたプラスミドはMT−HBsAg雑種遺伝
子とBPV遺伝子とを含む。
よつて構成できる。MT遺伝子および溶解性ウイルス遺伝
子を含有するプラスミドをエンドヌクレアーゼ制限酵素
をもちいて消化する。次いで、ヒトHBsAgをコードする
遺伝子を、前記MT遺伝子のMTプロモーターとMT構造遺伝
子との間に挿入する。このMT−HBsAg及び溶解性ウイル
ス遺伝子を含有する中間体プラスミドを、溶解性ウイル
ス遺伝子を削除するため消化し、BPV遺伝子に置き換え
る。こうして得られたプラスミドはMT−HBsAg雑種遺伝
子とBPV遺伝子とを含む。
pRB−1の構成 全てのプラスミドはE.Coli MC 1061株中に形質転換さ
れ、保持されているものである。図において、マウスMT
遺伝子およびSV40遺伝子を含有するプラスミドCL28〔Ha
merら、(1983)J.Mol.Applied Gen.1,273においてPJYM
MTC(E)と記載されている〕を、Bgl IIエンドヌクレ
アーゼ制限酵素で消化し、プラスミドをプロモーター領
域とMT遺伝子の構造配列の間で開裂させた。プラスミド
SuAM115からのヒトHBsAg遺伝子を含有する1.35kb Bam H
I断片〔Moriartyら(1981)P.N.A.S.USA 78,2605に記載
されているpBR−SV40−HBsAgプラスミド〕を切断して取
り出し、CL28のBgl IIサイトに挿入して、pRF300を形成
した。pRF300のSV40およびpBR配列の一部を次いでBam H
I消化で除去し、Sal I酵素でさらに消化してBam HIおよ
びSal I末端を有する線状分子をえた。
れ、保持されているものである。図において、マウスMT
遺伝子およびSV40遺伝子を含有するプラスミドCL28〔Ha
merら、(1983)J.Mol.Applied Gen.1,273においてPJYM
MTC(E)と記載されている〕を、Bgl IIエンドヌクレ
アーゼ制限酵素で消化し、プラスミドをプロモーター領
域とMT遺伝子の構造配列の間で開裂させた。プラスミド
SuAM115からのヒトHBsAg遺伝子を含有する1.35kb Bam H
I断片〔Moriartyら(1981)P.N.A.S.USA 78,2605に記載
されているpBR−SV40−HBsAgプラスミド〕を切断して取
り出し、CL28のBgl IIサイトに挿入して、pRF300を形成
した。pRF300のSV40およびpBR配列の一部を次いでBam H
I消化で除去し、Sal I酵素でさらに消化してBam HIおよ
びSal I末端を有する線状分子をえた。
BPVの完全遺伝子を含むプラスミドB−2(図示せず)
をBam HIおよびSal I酵素で消化する(BPV遺伝子の任意
の由来ものが使用でき、例えば本例ではNew England Bi
olabsから得たB2−2を使用したが、これは単に好適なS
al Iサイトを持つためである)。削除処理されたBPV−
含有断片(pBR DNAも含む)を前記HBsAg−MT雑種遺伝子
を含有する線状Bam HI−Sal I断片に連結させた。こう
して得られたプラスミド、pRB−1、は完全BPV遺伝子お
よびMT遺伝子のプロモーターとMT遺伝子の残部との間に
挿入されたHBsAg配列遺伝子よりなる。
をBam HIおよびSal I酵素で消化する(BPV遺伝子の任意
の由来ものが使用でき、例えば本例ではNew England Bi
olabsから得たB2−2を使用したが、これは単に好適なS
al Iサイトを持つためである)。削除処理されたBPV−
含有断片(pBR DNAも含む)を前記HBsAg−MT雑種遺伝子
を含有する線状Bam HI−Sal I断片に連結させた。こう
して得られたプラスミド、pRB−1、は完全BPV遺伝子お
よびMT遺伝子のプロモーターとMT遺伝子の残部との間に
挿入されたHBsAg配列遺伝子よりなる。
ほ乳動物細胞の形質転換 マウスC127細胞にpRB−1プラスミドDNAを導入するた
め、Wiglarら1977)Cell 11,233のトランスフエクシヨ
ン技術を次の通り変形した。鮭精子DNA10μgを担体と
して含有する240mM CaCl2溶液0.5mlにpRB−1DNAを5μ
g添加した。この溶液をpH7.1の2×HBS(280mM NaCl,5
0mM ヘペス、および1.5mMリン酸ナトリウム)等量中に
泡立てながら添加した。室温で30分間リン酸カルシウム
を形成させ、トランスフエクシヨンの24時間前に5×10
5のC127細胞を播種した。リン酸カルシウムの沈殿が形
成しつつあるうちに、細胞増殖培地を交換した。このリ
ン酸カルシウムの沈殿を細胞に添加し、37℃で6−8時
間インキユベートした。DNAを除去し、細胞をpH7のリン
酸緩衝塩類液(PBS)中の20%グリセロールに室温で1
−2分間暴露した。細胞をPBSで洗浄し、10%牛胎児血
清(MA Biologicals製)、ペニシリン/ストレプトマイ
シンおよびグルタミン(GIBCO製)10mMを含有するダル
ベツコ修正培地10mlを添加した。24時間後およびその後
3−4日置に培地を交換した。細胞の集落は10−14日後
に検出され、21日後にクローニングリング法で単離され
た。この集落を分析のために増大させた。pRB−1で形
質転換されたマウスC127細胞はRockville,MDのアメリカ
ン・タイプ・カルチヤー・コレクシヨンに寄託され、AT
CC寄託番号No.CRL8399が与えられている。
め、Wiglarら1977)Cell 11,233のトランスフエクシヨ
ン技術を次の通り変形した。鮭精子DNA10μgを担体と
して含有する240mM CaCl2溶液0.5mlにpRB−1DNAを5μ
g添加した。この溶液をpH7.1の2×HBS(280mM NaCl,5
0mM ヘペス、および1.5mMリン酸ナトリウム)等量中に
泡立てながら添加した。室温で30分間リン酸カルシウム
を形成させ、トランスフエクシヨンの24時間前に5×10
5のC127細胞を播種した。リン酸カルシウムの沈殿が形
成しつつあるうちに、細胞増殖培地を交換した。このリ
ン酸カルシウムの沈殿を細胞に添加し、37℃で6−8時
間インキユベートした。DNAを除去し、細胞をpH7のリン
酸緩衝塩類液(PBS)中の20%グリセロールに室温で1
−2分間暴露した。細胞をPBSで洗浄し、10%牛胎児血
清(MA Biologicals製)、ペニシリン/ストレプトマイ
シンおよびグルタミン(GIBCO製)10mMを含有するダル
ベツコ修正培地10mlを添加した。24時間後およびその後
3−4日置に培地を交換した。細胞の集落は10−14日後
に検出され、21日後にクローニングリング法で単離され
た。この集落を分析のために増大させた。pRB−1で形
質転換されたマウスC127細胞はRockville,MDのアメリカ
ン・タイプ・カルチヤー・コレクシヨンに寄託され、AT
CC寄託番号No.CRL8399が与えられている。
有用性 形質転換された細胞は慣用技術によつて培養出来、培養
培地から慣用の手段を使用して、連続的にHBsAgを収穫
出来、B型肝炎ワクチンの調製に用いまたは生化学的ア
ツセイに同じく公知の技術により使用できる。
培地から慣用の手段を使用して、連続的にHBsAgを収穫
出来、B型肝炎ワクチンの調製に用いまたは生化学的ア
ツセイに同じく公知の技術により使用できる。
HBsAgは22nm粒子として培養培地中に分泌され、これは
培地の電子顕微鏡により観察できる。
培地の電子顕微鏡により観察できる。
pRB−1で形質転換されたマウスC127細胞は、培地を24
−48時間ごとに交換すれば85日まではコンフルエント状
態で生存可能である。細胞はフラスコまたはローラーボ
トル中で連続的に培増し、トランスフオーム細胞として
の増殖性を示す。本発明者らは、BPVベクター中でHBsAg
生産を調節する強力なメタロチオネインプロモーター
(これは増幅されたDNAコピー数を可能にする)とBPV形
質転換細胞の連続増殖性との組み合わせが、HBsAgの大
規模生産の最適システムを提供したものと結論した。
−48時間ごとに交換すれば85日まではコンフルエント状
態で生存可能である。細胞はフラスコまたはローラーボ
トル中で連続的に培増し、トランスフオーム細胞として
の増殖性を示す。本発明者らは、BPVベクター中でHBsAg
生産を調節する強力なメタロチオネインプロモーター
(これは増幅されたDNAコピー数を可能にする)とBPV形
質転換細胞の連続増殖性との組み合わせが、HBsAgの大
規模生産の最適システムを提供したものと結論した。
他の態様 本発明の範囲には他の態様も含まれる。例えば、BPVの
完全遺伝子の使用が好ましいが、形質転換領域の69%の
みを使用することも可能である。しかしながら、69%の
領域のみを使用したときは、プラスミドと宿主細胞の染
色体との間に好ましいからぬ相互作用が生じる可能性が
あり、例えばプラスミドDNAの多くの部分が残部エピソ
ームではなく染色体に組み込まれ、このためプラスミド
を細胞から回収するのが非常に困難にあることは有り得
る。また、BPVの不完全遺伝子を使用した時はトランス
フエクシヨンに先立つて、しばしばBPVに結合しているp
BR領域(BPVは通常pBR322から誘導されたプラスミドの
一部として提供されるから)を除去する必要がある。な
ぜならば、完全BPVを使用したときは起こらないが、不
完全BPV断片中のpBR領域はトランスフエクシヨンに阻害
的に作用する可能性もあるからである。69%領域のみを
使用したときは、好ましからぬ再結合が生ずる可能性も
ある。
完全遺伝子の使用が好ましいが、形質転換領域の69%の
みを使用することも可能である。しかしながら、69%の
領域のみを使用したときは、プラスミドと宿主細胞の染
色体との間に好ましいからぬ相互作用が生じる可能性が
あり、例えばプラスミドDNAの多くの部分が残部エピソ
ームではなく染色体に組み込まれ、このためプラスミド
を細胞から回収するのが非常に困難にあることは有り得
る。また、BPVの不完全遺伝子を使用した時はトランス
フエクシヨンに先立つて、しばしばBPVに結合しているp
BR領域(BPVは通常pBR322から誘導されたプラスミドの
一部として提供されるから)を除去する必要がある。な
ぜならば、完全BPVを使用したときは起こらないが、不
完全BPV断片中のpBR領域はトランスフエクシヨンに阻害
的に作用する可能性もあるからである。69%領域のみを
使用したときは、好ましからぬ再結合が生ずる可能性も
ある。
真核動物メタロチオネインプロモーターはほ乳動物のも
のが好ましく、最も好ましくはネヅミのものであるが、
任意の適当なメタロチオネインプロモーターを使用でき
る(メタロチオネインを生産する各ほ乳動物は構造的に
異なる遺伝子によつて生産しているようにみえる)。
のが好ましく、最も好ましくはネヅミのものであるが、
任意の適当なメタロチオネインプロモーターを使用でき
る(メタロチオネインを生産する各ほ乳動物は構造的に
異なる遺伝子によつて生産しているようにみえる)。
本発明のベクターを製造するためには、pRB−1の代わ
りに細胞ラインDNAをMTプロモーター及び構造遺伝子の
供給源として使用し、HBsAg遺伝子及びBPV遺伝子ならび
に上記供給源からの遺伝子要素を慣用の組換えDNA技術
を使用して所望のベクターに挿入できる。
りに細胞ラインDNAをMTプロモーター及び構造遺伝子の
供給源として使用し、HBsAg遺伝子及びBPV遺伝子ならび
に上記供給源からの遺伝子要素を慣用の組換えDNA技術
を使用して所望のベクターに挿入できる。
適当な任意の宿主細胞を使用してよい。例えばBPVに感
染性の他のげつ歯類の線維芽細胞ライン、たとえばNIH
3T3細胞(ATCC CCL 92)を使用出来る。
染性の他のげつ歯類の線維芽細胞ライン、たとえばNIH
3T3細胞(ATCC CCL 92)を使用出来る。
図はプラスミドpRF 300及びpRB−1の製造を示す工程図
である。
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 5/10 C12R 1:91) //(C12N 5/00 B C12R 1:91) (72)発明者 デイーン・エツチ・ハマー アメリカ合衆国ワシントン・デイーシー, ノースウエスト,カルヴアート・ストリー ト1828
Claims (18)
- 【請求項1】a)ヒトB型肝炎の表面抗原をコードする
遺伝子配列に連結させた真核動物メタロチオネイン(me
tallothionein)遺伝子のプロモーター、及びb)ウシ
パピローマウイルスゲノムの形質転換領域の少なくとも
69%よりなり、該B型肝炎表面抗原をコードする遺伝子
配列の発現が該メタロチオネインプロモーターの支配下
にある、組換えDNAベクター。 - 【請求項2】前記ベクターで形質転換されたマウスC127
細胞が、前記B型肝炎表面抗原を少なくとも60日間連続
生産可能な特許請求の範囲第1項記載のベクター。 - 【請求項3】前記ベクターで形質転換されたマウスC127
細胞が、前記B型肝炎表面抗原を少なくとも5mg/L/24時
間の率で生産可能である特許請求の範囲第1項記載のベ
クター。 - 【請求項4】前記ベクターで形質転換されたマウスC127
細胞が、前記B型肝炎表面抗原を重金属での誘発なしに
生産可能である特許請求の範囲第1項記載のベクター。 - 【請求項5】前記ベクターで前記ウシパピローマウイル
スゲノムの全てを含む特許請求の範囲第1項記載のベク
ター。 - 【請求項6】前記ベクターが形質転換されたマウスC127
細胞内において染色体外に高コピー数で保持されうる特
許請求の範囲第1項記載のベクター。 - 【請求項7】前記細胞が少なくとも80日間B型肝炎表面
抗原を連続生産可能な特許請求の範囲第2項記載のベク
ター。 - 【請求項8】前記ベクターで形質転換されたマウスC127
細胞が、重金属による誘発なしにB型肝炎表面抗原を少
なくとも5mg/L/24時間の率で生産可能な特許請求の範囲
第4項記載のベクター。 - 【請求項9】前記細胞が重金属による誘発なしに、B型
肝炎表面抗原を少なくとも10mg/L/24時間の率で生産可
能である特許請求の範囲第8項記載のベクター。 - 【請求項10】前記細胞がB型肝炎表面抗原を重金属に
よる誘発なしに、カドミウムの存在する同様な系におけ
るB型肝炎表面抗原の生産量と同等の高率で生産するこ
とが可能である特許請求の範囲第4項記載のベクター。 - 【請求項11】前記ベクターが前記メタロチオネインの
全遺伝子を含み、B型肝炎表面抗原をコードする遺伝子
配列が前記メタロチオネイン遺伝子の前記プロモーター
と該メタロチオネイン遺伝子の残部との間に挿入されて
いる特許請求の範囲第1項記載のベクター。 - 【請求項12】ATCC CRL 8399細胞に組み込まれた形
質転換プラスミドの性質を有する特許請求の範囲第1項
に記載のベクター。 - 【請求項13】a)ヒトB型肝炎の表面抗原をコードす
る遺伝子配列に連結させた真核動物メタロチオネイン
(metallothionein)遺伝子のプロモーター、及びb)
ウシパピローマウイルスゲノムの形質転換領域の少なく
とも69%よりなり、該B型肝炎表面抗原をコードする遺
伝子配列の発現が該メタロチオネインプロモーターの支
配下にある、組換えDNAベクターで形質転換された哺乳
動物細胞。 - 【請求項14】前記細胞がげっ歯類線維芽細胞である特
許請求の範囲第13項記載の細胞。 - 【請求項15】前記細胞がマウスC127細胞である特許請
求の範囲第13項記載の細胞。 - 【請求項16】前記細胞がNIH 3T3細胞である特許請求
の範囲第13項記載の細胞。 - 【請求項17】前記メタロチオネイン遺伝子がマウスメ
タロチオネイン遺伝子である特許請求の範囲第13項記載
の細胞。 - 【請求項18】ATCC CRL 8399の性質を有する特許請
求の範囲第13項に記載の細胞。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60027516A JPH0775545B2 (ja) | 1985-02-14 | 1985-02-14 | B型肝炎表面抗原をコ−ドするベクタ− |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60027516A JPH0775545B2 (ja) | 1985-02-14 | 1985-02-14 | B型肝炎表面抗原をコ−ドするベクタ− |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61187794A JPS61187794A (ja) | 1986-08-21 |
JPH0775545B2 true JPH0775545B2 (ja) | 1995-08-16 |
Family
ID=12223288
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60027516A Expired - Lifetime JPH0775545B2 (ja) | 1985-02-14 | 1985-02-14 | B型肝炎表面抗原をコ−ドするベクタ− |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0775545B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11851643B2 (en) | 2018-05-03 | 2023-12-26 | 3M Innovative Properties Company | Selective thin-film culture device for enumerating microorganisms |
-
1985
- 1985-02-14 JP JP60027516A patent/JPH0775545B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11851643B2 (en) | 2018-05-03 | 2023-12-26 | 3M Innovative Properties Company | Selective thin-film culture device for enumerating microorganisms |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61187794A (ja) | 1986-08-21 |
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