JPH0775543A - 改良食酢の製造法およびその改良食酢を用いた食品 - Google Patents

改良食酢の製造法およびその改良食酢を用いた食品

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JPH0775543A
JPH0775543A JP5247359A JP24735993A JPH0775543A JP H0775543 A JPH0775543 A JP H0775543A JP 5247359 A JP5247359 A JP 5247359A JP 24735993 A JP24735993 A JP 24735993A JP H0775543 A JPH0775543 A JP H0775543A
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vinegar
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acetic acid
ethyl acetate
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JP5247359A
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Yoshihisa Kitakura
芳久 北倉
Jun Ishii
潤 石井
Hikotaka Hashimoto
彦尭 橋本
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Kikkoman Corp
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 不快な酢酸エチル臭がなく、原料食酢と酢酸
濃度が実質上同じである改良食酢を製造し、それを用い
て、高品質の食品を製造する。 【構成】 品温40〜70℃原料食酢を、加熱すること
なく、60〜160mmHgの減圧気相に接触させて蒸
発物を除去する改良食酢の製造法およびその改良食酢を
用いた食品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改良食酢の製造法、詳
しくは酢酸エチル臭のしない改良食酢の製造法およびそ
の改良食酢を用いた食品に関する。
【0002】
【従来の技術】製造直後の食酢は一般に不快な酢酸エチ
ル臭をもっている。酢酸エチル臭を除くために、原料食
酢を品温40〜60℃に加熱しながら、730mmHg
以下の気相に接触させる方法が開示されている(特開昭
57−105184)。しかし、この方法は、酢酸エチ
ルと共に原料食酢の主成分である酢酸の一部も蒸発除去
されるという欠点をもっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、実質
的に酢酸を蒸発除去することなく、原料食酢から酢酸エ
チル臭だけを選択的に蒸発除去する改良食酢の製造法お
よびその改良食酢を用いた食品を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、品温4
0〜70℃の原料食酢を60〜160mmHgの減圧気
相に接触させると、酢酸エチル臭は蒸発するが、酢酸、
さらには水は蒸発しないこと、そしてこの蒸発物を除去
すれば香気の改良された食酢がえられることの知見を得
て本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明は品温40〜70℃の原
料食酢を、加熱することなく、60〜160mmHgの
減圧気相に接触させて、蒸発物を除去することを特徴と
する改良食酢の製造法、およびその改良食酢を用いた食
品に関する。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いる原料食酢は、食品として使用可能な通常の食酢で
あればよい。例えば、常法により、穀類、芋類、各種糖
類、廃糖蜜類、果汁類をアルコール発酵後、酢酸菌で酸
化発酵して得られる醸造酢、石油や石灰岩を原料として
合成される氷酢酸に醸造酢を混合して得られる合成酢等
が挙げられる。
【0007】この原料食酢を、通常の方法、例えば熱交
換器などを用いて加熱し、その品温を40〜70℃、好
ましくは45〜65℃とする。次いで、この範囲の品温
の原料食酢を60〜160mmHg、好ましくは70〜
150mmHgの減圧気相に接触させるのであるが、こ
の接触に際しては、加熱してはならない。熱を供給しな
がら接触させた場合には、酢酸など迄も蒸発してしまう
ため目的が達成せられない。
【0008】また、原料食酢を、品温40〜70℃で、
かつ60〜160mmHgの減圧気相との接触条件以外
の条件で処理した場合には、酢酸エチル臭の蒸発除去が
十分でなっかたり、あるいは酢酸など迄が、蒸発除去さ
れてしまうため、本発明の目的が達成できない。さら
に、該減圧気相との接触時間は、蒸発器の設計に依存す
る。例えば、通常瞬間的接触ないし60分位の接触で、
酢酸エチル臭は蒸発除去される。
【0009】次に、原料食酢を前記減圧気相に接触させ
る方法としては、回分式、連続式のいずれでもよいが、
後者が好ましく、例えば、以下のような方法が採用され
る。熱交換器で連続的に前記所定の品温とした原料食酢
は、前記減圧気相に連続的に導入され、蒸発物は吸引さ
れた蒸発器外に排出される。一方、酢酸エチル臭が除か
れた改良食酢は、蒸発器より連続的に改良食酢貯槽に送
られる。このとき用いられる好適な蒸発器としては、例
えば、パイレックスガラスなどの強化硬質ガラス製のも
の、耐腐食性とするためにセラミックス処理された金属
製のものなどが挙げられる。また、蒸発器内を減圧とす
るには、真空オイルポンプ、水流ポンプなどが用いられ
る。
【0010】そしてまた、原料食酢の蒸発器への導入に
はチュ−ブポンプなどが用いれ、このときの流量は、前
記の減圧が維持できるように設定される。このようにし
て、原料食酢を前記減圧気相に接触させることにより、
原料食酢中の酢酸エチル臭は速やかに蒸発気化し、その
際、原料食酢から気化潜熱が奪われるため該食酢が、約
35℃以下に低下する。このことにより原料食酢から酢
酸、さらには水などの蒸発が防止される。
【0011】上記のようにして製造された酢酸エチル臭
のない改良食酢を用ることにより、高品質の食酢混和食
品、例えば、ぽんず醤油類、サラダ油類、ドレシッング
類、酢味噌類、マヨネーズ類、焼肉のたれ類、中華そば
用つけ汁類、寿司酢類などを得ることができる。
【0012】
【発明の効果】本発明の方法によれば、減圧気相との接
触による酢酸などの蒸発が防止され、不快な酢酸エチル
臭が選択的に除去された改良食酢を製造することができ
る。そしてまた該改良食酢を用いることにより、高品質
の食酢混和の食品を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 実施例1 ドイツ・フリングス社製のアセテッター発酵槽で、アル
コールを原料とし、酢酸菌を用いて、酸化発酵(特開昭
62−51976号公報)を行い、得た醸造食酢(酢酸
濃度9.8%)を原料食酢とし、次のごとくして改良食
酢を製造した。
【0014】ロータリーエバポレーターに1000ml
容のナス型フラスコ(蒸発器)をセットし、これに、別
の密閉した容器で加熱して品温を50℃とした原料食酢
500mlを入れ、真空ポンプにより上記フラスコ内を
100mmHgの減圧気相とした。上記フラスコを加熱
することなく、30rpmで回転させながら、原料食酢
を上記気相と30分間接触させ、蒸発物を除去し、次い
で、上記フラスコより内容物、すなわち改良食酢(本発
明)を取り出した。このときの改良食酢の品温は33℃
であった。一方、上記ナス型フラスコを湯浴で加熱して
原料食酢の品温を50℃に維持しながら、減圧気相と接
触させる以外は上記と同様に食酢(対照)を得た。
【0015】こうして得られた各食酢につき、その容
量、酢酸濃度の測定および酢酸エチル臭の有無に関する
官能検査を行った。その結果を表1に示す。酢酸濃度の
測定は、食酢日本農林規格のそれに従った。また官能検
査は、各食酢を水で3倍に希釈したものの酢酸エチル臭
の有無について、熟練した24名のパネラーを使って行
った。
【0016】 表1 ───────────────────────────── 容量 酢酸濃度 酢酸エチル臭無しと (ml) (%) したパネラー数 ───────────────────────────── 本発明 499 9.8 24 対照 462 10.3 24 原料食酢 500 9.8 0 ─────────────────────────────
【0017】表1から、本発明の改良食酢は、酢酸エチ
ル臭がなく、原料食酢と酢酸濃度および容量は実質上同
じであることがわかる。他方、加熱しながら前記気相と
原料食酢を接触させて得た対照の食酢は水と酢酸の蒸発
により容量が減少し、かつ水の蒸発が大であったために
酢酸濃度が0.5%高くなっている。また酢酸の蒸発に
よる酢酸の損失は{1−(462×10.3/500×
9.8)}×100=2.9(%)と計算された。よっ
て対照の食酢を原料食酢と同じ酢酸濃度および容量の改
良食酢にするには、水と酢酸を用いて再調整しなければ
ならなかった。
【0018】実施例2 本発明改良食酢の製造装置の一例を試作し、実施例1で
使用した原料食酢を用いて改良食酢を製造した。図1は
本実施例の改良食酢製造装置の全体系統図である。図1
において、4は原料食酢を減圧気相に接触させるための
蒸発器であり、その下部は減圧度に相当する水柱に等し
い高さ(約10m)の改良食酢の排出管5を設ける。該
排出管5の下部には貯留槽10を有してて、貯留槽の出
口からあふれた改良食酢は製品タンク6に貯えられる。
【0019】蒸発器4と真空ポンプ9はマノメーター8
と減圧気相調整弁13付きの中継タンク(トラップ)7
を具備する連通部(管)11を介して連結されている。
さらに、蒸発器4と原料食酢タンク1は、途中にチュー
ブポンプ3と熱交換器2を具備する連通部(管)12を
介して連結されている。操作は、まず、改良食酢の貯留
槽10の出口を閉じ、チューブポンプ3を動かし、改良
食酢の排出管5および貯留槽10の内部を原料食酢で充
たす。次いで、真空ポンプ9を稼働し、マノメーター8
を見ながら減圧気相調整弁13により気相を所定減圧気
相に調整する。その後、チューブポンプ3を動かし、原
料の食酢を所定減圧気相になっている蒸発容器4内に投
入すると同時に改良食酢の貯留槽の出口を開く。
【0020】排出管5の改良食酢の液面14が、大気圧
と容器4内の所定減圧気相の差圧に対応して、ある決ま
った高さに保持されるため、原料食酢を連続的に供給す
ると、その分だけ改良食酢が貯留槽10からあふれ、製
品タンク6に留まる。最初にあふれる食酢は装置の運転
開始時に投入した原料食酢であるので、装置を十分稼働
して、得られる食酢が改良食酢に置換されてから製品と
なる。上記構成からなり、蒸発器4が約50mlの装置
を用い、そしてチューブポンプの流量を13ml/分に
設定し、表2に示す品温および減圧気相の各種条件で接
触処理した。正常稼働となったのち、30分間サンプリ
ングし、このときの流量減少(30分間の供試量−製品
量)及び接触処理された食酢の酢酸濃度の測定及び実施
例1と同様の官能検査を行った。その結果を表2に示
す。
【0021】 表2 ──────────────────────────────────── 区分 品度 減圧気相 容量減少 酢酸濃度 酢酸エチル臭無しと (℃) (mmHg) (ml) (%) したパネラー数 ──────────────────────────────────── 比較例1 50 25 19 10.0 24 本発明1 50 70 3 9.8 24 本発明2 50 100 0 9.8 24 本発明3 50 160 0 9.8 24 比較例2 50 200 0 9.8 0 ────────────────────────────── 比較例3 35 100 0 9.8 0 本発明4 40 100 0 9.8 24 本発明5 50 100 0 9.8 24 本発明6 65 100 2 9.8 24 比較例4 75 100 19 10.0 24 ───────────────────────────────────
【0022】表2から本発明の方法により、酢酸エチル
臭のない、かつ、酢酸濃度、および容量に実質上変化の
ない改良食酢が得られることが分る。なお、比較例1お
よび4では酢酸エチル臭がないが、蒸発による酢酸の損
失量が各々3%もあるので、これらより本発明の方が有
利である。
【0023】実施例3 実施例2で得られた、本発明2の改良食酢と、無処理の
原料食酢それぞれの100mlに、濃口醤油500m
l、砂糖100g、水300gを混ぜて、食酢混和食
品、すなわち「ぽんず酢醤油」を試作し、鍋もののつけ
だれとして、熟練の15人のパネラーで試食を行った。
その結果、パネラー全員が、本発明2の改良食酢を用い
た「ぽんず酢醤油」は官能的に好ましいつけだれであ
り、無処理の原料食酢でを用いたものは酢酸エチル臭が
あって、つけだれとして好ましくないと評価した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための装置の全体系統図
【符号の説明】
1 原料食酢タンク 2 熱交換器 3 チューブポンプ 4 蒸発器 5 排出管 6 製品のタンク 7 中継タンク(トラップ) 8 マノメーター 9 真空ポンプ 10 貯留槽 11 連通部(管) 12 連通部(管) 13 減圧気相調整弁 14 改良食酢の液面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 品温40〜70℃の原料食酢を、加熱す
    ることなく、60〜160mmHgの減圧気相に接触さ
    せて蒸発物を除去することを特徴とする改良食酢の製造
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の改良食酢を用いた食品
JP5247359A 1993-09-09 1993-09-09 改良食酢の製造法およびその改良食酢を用いた食品 Pending JPH0775543A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010528640A (ja) * 2007-06-07 2010-08-26 ピュラック バイオケム ビー.ブイ. 酢からにおいを除去する方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010528640A (ja) * 2007-06-07 2010-08-26 ピュラック バイオケム ビー.ブイ. 酢からにおいを除去する方法
US8158178B2 (en) 2007-06-07 2012-04-17 Purac Biochem B.V. Method for removing odor from vinegar

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