JPH0775507A - 動物性プランクトン培養用飼料 - Google Patents

動物性プランクトン培養用飼料

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JPH0775507A
JPH0775507A JP5248851A JP24885193A JPH0775507A JP H0775507 A JPH0775507 A JP H0775507A JP 5248851 A JP5248851 A JP 5248851A JP 24885193 A JP24885193 A JP 24885193A JP H0775507 A JPH0775507 A JP H0775507A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 クリプセコディニウム コーニー等の、従属
栄養で生育し、ドコサヘキサエン酸(DHA)を含有す
る極性脂質を含み、かつ総脂肪酸中のDHA含量が10
重量%以上である藻類を原料としてなる動物性プランク
トン培養用飼料。 【効果】 本飼料は、安価に製造でき、動物性プランク
トンに対してDHAを効率的に栄養強化せしめ、その含
量を総脂肪酸中約20〜30重量%に高めることがで
き、また高い携卵率、活力を付与せしめることが可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、栽培漁業・養殖におけ
る水産種苗の生産において必要不可欠なシオミズツボワ
ムシ、アルテミア等の動物性プランクトンを培養するた
めの飼料に関する。さらに詳しくは、栄養面でドコサヘ
キサエン酸を強化できる動物性プランクトン培養用飼料
に関する。
【0002】
【従来の技術】水産分野の魚類および甲殻類の種苗生産
すなわち稚仔魚介類(以下、単に稚仔魚という)の生産
において、シオミズツボワムシ、アルテミア等の動物性
プランクトンは生物餌料として有用であり、必要不可欠
のものである。そして稚仔魚にとっては、エイコサペン
タエン酸(以下、EPAと略す)に代表されるω−3系
高度不飽和脂肪酸が必須脂肪酸であることが知られてい
る。しかるに稚仔魚の餌料となる動物性プランクトン自
体はω−3系高度不飽和脂肪酸をほとんど含有しない。
【0003】このため動物性プランクトンにω−3系高
度不飽和脂肪酸を強化し、その生体内に蓄積せしめる試
みがこれまでに行われてきた。例えば、海産クロレラと
通称され広く知られているナンノクロロプシス(Nannoc
hloropsis )属の藻類は、その藻体中にEPAを含み、
シオミズツボワムシやアルテミアを培養する際の好適な
飼料として利用されている。そしてこれを用いて培養し
た動物性プランクトンはEPAが強化され、稚仔魚の生
産においては成長率の向上、死亡率の低下等の点で効果
を発揮している。(「油脂」、第42巻、NO. 12、第
242〜246頁、1989年等)
【0004】ところで、近年、マダイやシマアジ等の海
産稚仔魚に対する必須脂肪酸としての効果は、EPAよ
りもドコサヘキサエン酸(以下、DHAと略す)の方が
大きいことが報告されている。(平成元年度日本水産学
会春季大会講演要旨集、第39頁および平成2年度日本
水産学会春季大会講演要旨集、第44頁)すなわち、人
工配合飼料中のEPAおよびDHA含量を変えて飼育し
た稚仔魚において、DHA添加区に成長促進効果を認め
ている。
【0005】したがって、稚仔魚を飼育するための動物
性プランクトンはDHAを含有するものが好ましく、こ
れを用いれば、稚仔魚に必須脂肪酸としてのDHAを容
易に摂餌させることができるのみならず、油分をはじめ
とする飼料成分が水中で分散し、水底にたい積して汚染
源となり、ひいては稚仔魚の生育を阻害することにもな
りかねない人工配合飼料に比べて、飼育効率の良い生物
餌料となる可能性がある。
【0006】そこでDHAを産生する藻類についてみて
みると、例えばJ.Protozoal 、第117巻(2)、第2
13〜219頁、1970年には、アムフィディニウム
(Amphidinium )属等のDHA含有藻類が報告されてい
る。また特開平4−346760号公報では、DHA含
有藻類としてのイソクリシス(Isochrysis)属の藻体を
動物プランクトン用飼料として利用することが開示され
ている。しかしながら、これらの藻類はいずれもその培
養において光の照射を必須条件とする独立栄養で生育す
るものであり、かかる藻類を動物プランクトン用飼料と
して用いようとすれば製造コストが極めて高価になり、
実用的でない。
【0007】これに対し、従属栄養で生育するDHA産
生藻類として、Phytochemistry、第27巻(6)、第1
679〜1683頁、1988年にはクリプセコディニ
ウム(Crypthecodinium )属の藻類が記載されている。
この先行文献によれば、クリプセコディニウム コーニ
ー(Crypthecodinium cohnii)は、その培養藻体中の脂
質のうち約72%がトリアシルグリセリドを主体とする
中性脂質であり、約28%がホスファチジルコリン等の
リン脂質を主体とする極性脂質である。そして総脂質の
構成脂肪酸のうち8.8%がDHAである。
【0008】しかしながら、かかる従属栄養で生育する
DHA産生藻類の産業的用途開発の検討はこれまでほと
んどなされていなかった。また動物性プランクトンを培
養してDHAを栄養強化するためにDHAを多量に含有
する藻類が有効であることは前記のとおり公知である
が、動物性プランクトンを効率よく培養するためのその
脂質形態については知られていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明者らは、水産種苗の生産において稚仔魚用生物餌料
として有用な動物性プランクトンを培養するための飼料
について鋭意検討を行い、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の目的は、前期動物性プランクトンに対
して稚仔魚の必須脂肪酸の1種であるDHAを栄養強化
でき、前記動物性プランクトンの生産効率が良い、安価
な飼料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的に対して、本発
明は、従属栄養で生育し、DHA含有極性脂質を含み、
かつ総脂肪酸中のDHA含量が10重量%以上である藻
類を原料としてなる動物性プランクトン培養用飼料、を
その要旨とする。まず、本発明において対象とする動物
性プランクトンとは、稚仔魚の生物餌料となるものであ
ればよく、具体的にはシオミズツボワムシ、アルテミ
ア、ミジンコ等を例示できる。
【0011】次に本発明の飼料に係わる藻類について説
明する。本発明で用いる藻類は、従属栄養で培養が可能
な、DHA産生能のある藻類であれば、特にその種ある
いは株などを限定するものではない。この条件に該当す
る藻類としては、例えば「微生物学辞典1992年度
版」(技報堂出版)によれば、有色藻門、渦鞭毛藻綱、
ペリディニウム目、クリプセコディニウム属に属するク
リプセコディニウム コーニー(Crypthecodinium cohn
ii)、また褐色植物門、二毛菌綱、ミズカビ目のトラウ
ストキトリウム アウレウム(Thraustochytrium aureu
m )等があげられる。これらは American Type Culture
Collection(米国、略称ATCC)等の藻類研究機関
より容易に入手でき、前者の例としてATCC3002
1、同30334、同30336、同50052等、ま
た後者の例としてATCC34304、同28211等
がある。
【0012】本発明の飼料の原料として適する藻類は、
例えば前記藻類を培養したものであるが、その藻体中に
蓄積される脂質としてDHAを含有するリン脂質、糖脂
質等の極性脂質を含み、かつ脂質を構成する総脂肪酸の
うちDHAが10重量%以上を占めることを必須とす
る。動物性プランクトンを培養するための飼料原料とす
る藻類は、DHAをトリアシルグリセリド等の中性脂質
よりむしろ前記極性脂質の形態で藻体中に蓄積すること
が重要であり、かかるDHA含有極性脂質の全脂質中の
含有量は30重量%以上であることが望ましい。また藻
体中の脂質の総脂肪酸のうちDHA含有量が10重量%
以上であることを必要とし、好ましくは30重量%以上
である。10重量%未満であると、動物性プランクトン
にDHAを強化しにくくなる。
【0013】本発明に係わる藻類を培養するには、次の
ように行なえばよい。すなわち食塩濃度が12〜25重
量%である天然もしくは人工海水培地、あるいはこれに
グルコース、ショ糖等の炭素源、アンモニウム塩、酵母
エキス、アミノ酸またはその塩等の窒素源、各種ビタミ
ン類およびミネラル類等を含む培地を用い、pHを5〜
7とし、20〜40℃で2〜10日間、通気培養する。
培養終了時期は必要とする藻体量が確保される任意の時
期でよいが、藻体細胞径は対数増殖中期前後では5〜1
5μm、定常期では10〜25μmとなり、これを適用
する動物性プランクトンの大きさに応じて培養を停止さ
せてもよい。
【0014】なお前記培養にあたり、藻類の増殖曲線に
おける指数増殖中期以降の任意の培養時期、好ましくは
対数増殖期から定常期に至る時期に、培地中の食塩濃度
を当該藻類の生育に好適な食塩濃度すなわち12〜25
重量%より0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜3
重量%高い値に設定し、その食塩濃度で培養をさらに3
〜50時間程度行うことにより、DHA含有極性脂質が
30重量%以上、より実用的には50〜65重量%程
度、また総脂肪酸中のDHA含量が30重量%以上、よ
り実用的には45〜50重量%程度の藻体を得ることが
できる。
【0015】このようにして得られる藻体は、培養終了
後、遠心分離、精密ないし限外濾過等の適当な手段で濃
縮し、要すれば水洗、減圧または噴霧乾燥、細胞破砕等
の処理を施し、これを単独もしくは他の公知の餌料成分
と混合して前記の動物性プランクトンの飼料とする。か
かる飼料で好ましくは12〜100時間培養し養成した
動物性プランクトンや2次培養をした動物性プランクト
ンは活力がよく、その総脂肪酸中のDHA含量は強化さ
れて10〜30重量%となる。
【0016】
【実施例】
参考例1 クリプセコディニウム コーニー(ATCC3033
6)を、表1に示した組成の培地3リットルに植えつけ
30℃にて、pHを6.8に調整しながらジャーファー
メンターで通気培養した。培養中は定期的にサンプリン
グし、O.D.660nmの濁度を測定した。その濁度
より増殖曲線を描き、対数増殖中期(85時間目)に培
養藻体を遠心分離して集め、さらに凍結乾燥して乾燥藻
体を32g得た。
【0017】
【表1】
【0018】 *ビタミンミックス水溶液 ビオチン : 0.003g/リットル−溶液 チアミン : 1.000 〃 **メタルミックス水溶液 Na2 EDTA : 1.00 g/リットル−溶液 FeCl2 ・6H2 O : 0.05 〃 H3 BO3 : 1.00 〃 MnCl2 ・4H2 O : 0.15 〃 ZnCl2 : 0.01 〃 CoCl・6H2 O : 0.005 〃
【0019】この乾燥藻体3.2gをクロロホルム/メ
タノール=1:1(重量)混合溶媒中でヒスコトロンに
より細胞破砕後、抽出し、0.3gの油分を得た。抽出
油分を、シリカゲルプレートを用いた薄層クロマトグラ
フィー(TLC)でクロロホルム/メタノール/酢酸混
合溶媒にて展開し、極性脂質画分と中性脂質画分とに分
離した。このシリカゲルプレートより、それぞれのスポ
ットをかき取り、クロロホルム/メタノール=1:1
(重量)混合溶媒にて再抽出したところ、極性脂質含量
が60重量%、中性脂質含量が40重量%であった。
【0020】また、抽出油分200mgに硫酸/メタノー
ル混液約5mlを加えて湯浴中で1.5時間還流し、メチ
ルエステル化した後、これにヘキサンおよび水各5mlを
加えて抽出し、脂肪酸組成をガスクロマトグラフィー
(GLC)で分析したところ、総脂肪酸中のDHA含量
は42重量%であった。さらに上記極性脂質画分を同様
に処理し構成脂肪酸組成をGLC分析した結果、極性脂
質中のDHA含量は50重量%であった。
【0021】参考例2 クリプセコディニウム コーニー(ATCC3033
6)を、培養時間を定常期(124時間)とする以外は
参考例1と同じ条件で培養した。乾燥藻体の収量は50
gであった。この乾燥藻体5.0gを用いて参考例1と
同様に油分抽出、TLCおよびGLC分析した結果、油
分収量:0.7g、極性脂質含量:25重量%、中性脂
質含量:75重量%、油分の総脂肪酸中のDHA含量:
18重量%、極性脂質中のDHA含量:50重量%であ
った。
【0022】参考例3 トラウストキトリウム アウレウム(ATCC3430
4)を参考例1と同様に培養した。ただし、培養中、培
養液の濁度から求めた増殖曲線において、対数増殖中期
に相当する培養開始後120時間目に、食塩20g/リ
ットルを添加して培養液の食塩濃度を2重量%上昇さ
せ、さらに24時間培養した。乾燥藻体の収量は65g
であった。この乾燥藻体6.5gを用いて参考例1と同
様に油分抽出、TLCおよびGLC分析した結果、油分
収量=0.7g、極性脂質含量:58重量%、中性脂質
含量:42重量%、油分の総脂肪酸中のDHA含量:5
0重量%、極性脂質中のDHA含量:65重量%であっ
た。
【0023】実施例1 参考例1および2の方法で得た藻体を用いてシオミズツ
ボワムシを培養した。70%海水を入れた20リットル
水槽2個を20℃に調節し、通気量を0.3V/V/M
(培養液1リットル当りの毎分の空気吹込量(リット
ル))に設定した後、シオミズツボワムシ(S型および
L型の混合)を培養開始時100個体/mlになるように
セットした。ついで各水槽に、参考例1および2で得た
培養藻体(それぞれ藻体およびという)を0.1g
(湿藻体重量)/リットルとなるように投与し、経時的
に1mlあたりのシオミズツボワムシの個体数を計測し
た。その結果を図1に示す。
【0024】また、72時間培養したシオミズツボワム
シをナイロンネットで回収し、水洗して前記藻体を除去
し、シオミズツボワムシ中の脂質の脂肪酸組成を参考例
1と同様の方法で分析したところ、総脂肪酸中のDHA
含量は藻体を用いたとき28重%、藻体を用いたと
き18重量%であった。この両値の差から極性脂質の有
効性が示された。また、シオミズツボワムシの携卵率
は、藻体を飼料とした場合に50%、藻体を飼料と
した場合には45%となり、いずれも高い活力を有して
いた。
【0025】実施例2 米国産アルテミア耐久卵を水温25〜27℃の75〜1
00%海水中に入れ、卵が沈降しない程度に強力に空気
を吹込み、24時間後、孵化したアルテミアノープリウ
スと卵殻とを分離した。海水を満たした5リットル水槽
を27℃に維持し、0.3V/V/Mで空気を通気しな
がら、前記アルテミアノープリウスを100個体/mlの
初発濃度になるようにセットした。これに参考例1の方
法で得た生藻体を0.2g(湿藻体重量)/リットルと
なるように投与し、24時間培養し摂餌させた。参考例
1の方法に準拠し、アルテミア中の脂質の脂肪酸組成を
分析したところ、孵化直後すなわち藻類での培養開始前
では総脂肪酸中のDHA含量が1重量%以下であった
が、藻類で24時間培養したものでは29重量%に上昇
していた。
【0026】実施例3 50%海水を満たした5リットル水槽を25℃に維持
し、0.3V/V/Mで空気を通気しながら、汽水ミジ
ンコを50個体/mlの初発濃度になるようにセットし
た。これに参考例3の方法で得た乾燥藻体を0.1g
(乾燥藻体重量)/リットルとなるように投入し、60
時間培養し摂餌させた。参考例1の方法に準拠し、ミジ
ンコ中の脂質の脂肪酸組成を分析したところ、当初の総
脂肪酸中のDHA含量は0.8重量%であり、ほとんど
含有されていなかったが、藻類で培養したものでは25
重量%まで強化されていた。
【0027】実施例4 クリプセコディニウム コーニー(ATCC3033
6)を参考例1と同条件で培養し、湿藻体を得た。この
湿藻体の一部を−20℃で凍結し、また常法により凍結
乾燥した。実施例1に記載のシオミズツボワムシの培養
方法を用い、培養開始時のシオミズツボワムシの濃度を
100個体/mlに調整し、前記の湿藻体、凍結藻体また
は凍結乾燥藻体を各0.1g(乾燥藻体重量換算)/リ
ットルとなるように投入し、それぞれ同様に培養した。
その結果、シオミズツボワムシの増殖速度はいずれもほ
ぼ同程度であり、72時間培養後のシオミズツボワムシ
の脂質の総脂肪酸中のDHA含量は25〜28重量%
(湿藻体のとき28重量%、凍結藻体のとき26重量
%、凍結乾燥藻体のとき25重量%)であり、携卵率も
45〜50%であった。
【0028】比較例1 実施例1のシオミズツボワムシの培養方法において、本
発明に係わる藻体0.1g/リットルを油脂酵母(協和
発酵(株)製、製品名「油脂酵母」:魚油を資化させた
酵母)0.5g/リットルに置き換え、他の条件を同一
にして培養した。72時間培養後のシオミズツボワムシ
の脂質における総脂肪酸中のDHA含量は2.5重量%
にすぎず、携卵率は35%であった。
【0029】比較例2 実施例1のシオミズツボワムシの培養方法において、本
発明に係わる藻体0.1g/リットルを淡水産クロレラ
(日本クロレラ(株)製、製品名「フレッシュグリーン
600」:従属栄養で培養した淡水産クロレラの生藻
体)0.3g/リットルに置き換え、他の条件を同一に
して培養した。シオミズツボワムシの増殖速度および携
卵率は実施例1の結果とほぼ同程度であったが、シオミ
ズツボワムシの脂質における総脂肪酸中のDHA含量
は、120時間培養後でも0.5重量%以下であった。
【0030】比較例3 実施例1のシオミズツボワムシの培養方法において、本
発明に係わる藻体0.1g/リットルを粉末精製魚油
(キユーピー(株)製、製品名「シーオイルパウダ
ー」:DHA含量15重量%の魚油を卵白ペプチドに吸
着させたもの)0.5g/リットルに置き換え、他の条
件を同一にして培養した。72時間培養後のシオミズツ
ボワムシの脂質における総脂肪酸中のDHA含量は5重
量%にすぎず、携卵率は30%であった。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、水産種苗生産における
稚仔魚の生物餌料である動物性プランクトンを養成する
ための有用な飼料が提供される。本発明の飼料は、従属
栄養で培養できる藻類を用いるため安価に製造でき、動
物性プランクトンにDHAを効率的に栄養強化でき、そ
の含有量は動物性プランクトンの脂質の総脂肪酸のうち
約20〜30重量%に達する。また携卵率が高く、活力
の高い動物性プランクトンを安定的に養成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 単位培養液あたりのシオミズツボワムシの個
体数と培養時間との関係を表す図である。藻体は参考
例1の方法で、藻体は参考例2の方法でそれぞれ得た
藻体を意味する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 従属栄養で生育し、ドコサヘキサエン酸
    含有極性脂質を含み、かつ総脂肪酸中のドコサヘキサエ
    ン酸含量が10重量%以上である藻類を原料としてなる
    動物性プランクトン培養用飼料。
  2. 【請求項2】 藻類の脂質中、前記極性脂質の含有量が
    30重量%以上である請求項1に記載の飼料。
  3. 【請求項3】 藻類の脂質中、前記極性脂質の構成脂肪
    酸のうちドコサヘキサエン酸含有量が30重量%以上で
    ある請求項1または2に記載の飼料。
  4. 【請求項4】 藻類がクリプセコディニウム(Crypthec
    odinium )属に属する単細胞藻類である請求項1〜3の
    いずれかに記載の飼料。
  5. 【請求項5】 藻類が、その培養における指数増殖中期
    以降に、生育に好適な食塩濃度より0.1〜10重量%
    高い食塩濃度で培養されたものである請求項1〜4のい
    ずれかに記載の飼料。
  6. 【請求項6】 動物性プランクトンがシオミズツボワム
    シ、アルテミア、ミジンコである請求項1〜5のいずれ
    かに記載の飼料。
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