JPH077539B2 - リール台 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ビデオテープレコーダ等の磁気記録再生装置
に用いられるリール台に関するものである。

従来の技術 近年、ビデオテープレコーダとして各種のものが開発さ
れているが、その中で特に据置型として録画再生に使用
されている機種においては一層の操作性の向上が図られ
ている。そのためテープの高速サーチ機能等においても
テープ走行過渡期に過テンションがテープに加わらない
ようにテンションサーボを行うことが要求されており、
それに伴ってテープリールを回転駆動するリール台もよ
り応答性の高いテンションサーボを可能とする機構が要
求されている。

以下従来のリール台の第１の例について説明する。

第３図は従来の第１の例のリール台へのテープリールの
装置を示す横断面図を示すものであり、第４図は同縦断
面図を示すものである。第３図および第４図において、
１はリール台である。２は円盤上のリール台本体であ
る。３は中心軸部であり、リール台本体２の中心に垂直
に一体に形成されている。４は複数（本従来例では３
個）の駆動爪であり、中心軸部３の外周に等間隔に配置
されていて、それぞれ中心軸部３の半径方向に一定スト
ローク（Ｓ）だけ出入り自在となっており、通常はばね
５により付勢されて中心軸部３の外周に突出している。
６はリールモータ（図示せず）のモータ軸であり、リー
ル台本体２と中心軸部３と複数の駆動爪４とばね５とか
らなるリール台１を回転駆動する。７はリール台１に装
着されるテープカセット、８はテープカセット７内のテ
ープリール、９はテープリール８の中心孔、10は中心孔
９の内周に等間隔に形成されている複数（本従来例では
９個）のリール溝、11はリール溝10を形成する複数の被
駆動爪である。

なお、これら複数のリール溝10の数はリール台１の複数
の駆動爪４の数の整数倍になっている。また、12はテー
プリール８の下面に形成されている環状凸部、13はテー
プリール８に巻装されている磁気テープ、14はカセット
７の上ハーフ、15は上ハーフ14に設けられた板ばねであ
り、テープリール８をリール台本体２あるいは下ハーフ
16に押圧している。

以上のように構成された従来のリール台の第１の例につ
いて、以下その動作について説明する。

リール台１にテープカセット７が装着されると、テープ
リール８の中心孔９が台１の中心軸部３に挿入され、第
３図に示すように中心軸部３の外周に配置された複数の
駆動爪４はばね５によって外周方向に付勢されているこ
とにより、中心孔９の内周に形成された複数のリール溝
10内で突出する。それと共に、第４図に示すようにテー
プリール８の下面に形成された環状凸部12がリール台本
体２の上面に板ばね15のばね力によって圧着される。こ
のリール台１へのテープリール８の装着の際、リール台
本体２の上面にテープリール８の下面の環状凸部12が当
接した後、さらに一定量下ハーフ16の下面がストッパー
（図示せず）に当接するまでのテープカセット７が下降
することにより、テープリール８は板ばね15に抗して下
ハーフ16の上方に一定量浮上し、下ハーフ16とテープリ
ール８は接触することなく回転可能となる。そして、リ
ール台１がリールモータ（図示せず）のモータ軸６によ
って回転されると、テープリール８の複数のリール溝10
内で突出している複数の駆動爪４によってテープリール
８はリール台１と一体となって回転駆動される。

一方、リール台１の中心軸部３にテープリール８の中心
孔９が挿入される時に、第３図に一点鎖線で示すように
複数のリール溝10と複数の駆動爪４との位相がずれる
と、複数の被駆動爪11によって複数の駆動爪４がばね５
に抗して中心軸部３内に押し込まれ、この状態でテープ
リール８の環状凸部12がリール台本体２の上面に密着さ
れる。そして、リール台１がモータ軸６によって回転さ
れると、テープリール８の環状凸部12がリール台本体２
上で相対的に滑り、複数の駆動爪４は複数のリール溝10
の間で突出する。

次に従来のリール台の第２の例に次いて説明する。

第５図はこの従来の第１の例のリール台へのテープリー
ルの装着を示す縦断面図を示すものであり、同横断面図
は第１の例の同横断面図を示す第３図と同様である。従
来のリール台の第１の例との相違点は、リール台本体２
の上面の外周部にゴム等からなる環状の高摩擦部材17を
固着している点であり、その他は従来のリール台の第１
の例と同様である。

以上のように構成された従来のリール台の第２の例につ
いて、以下その動作について説明する。

リール台１にテープカセット７が装着されると、従来の
リール台の第１の例の動作と同様にテープリール８の中
心孔９がリール台１の中心軸部３に挿入され、中心軸部
３の外周に配置された複数の駆動爪４は中心孔９の内周
に形成された複数のリール溝10内で突出する。それと共
に、第５図に示すように、テープリール８の下面に形成
された環状凸部12がリール台本体２の上面の外周部に固
着されている高摩擦部在17に板ばね15のばね力によって
圧着される。このリール台１へのテープリール８の装着
の際、高摩擦部材17の上面にテープリール８の下面の環
状凸部12が当接した後、さらに一定量下ハーフ16の下面
がストッパー（図示せず）に当接するまでテープカセッ
ト７が下降することにより、テープリール８は板ばね15
に抗して下ハーフ16の上方に一定量浮上し、下ハーフ16
とテープリール８は接触することなく回転可能となる。
そして、リール台１がリールモータ（図示せず）のモー
タ軸６によって回転されると、テープリール８の複数の
リール溝10内で突出している複数の駆動爪４と高摩擦部
材17によってテープリール８はリール台１と一体となっ
て回転駆動される。

発明が解決しようとする課題 しかしながら上記従来の構成では、第１の例において
は、リールモータ（図示せず）のトルクをテープリール
８の複数のリール溝10内で突出しているリール台１の複
数の駆動爪４によってテープリール８に伝達するのであ
るが、複数の駆動爪４が複数のリール溝10内にスムーズ
に入り込めるように、複数の駆動爪４の幅１と複数のリ
ール溝10の幅Ｌは寸法公差の関係上Ｌ−１＝0.8mm前後
のクリアランスを有する寸法にしている。

そのため、テープリール８の下面の環状凸部12とリール
台本体２の上面との間の摩擦力以上の力をリールモータ
（図示せず）からテープリール８に伝達しようとする
と、リール台１とテープリール８との間で滑りが生じ、
複数の駆動爪４が複数のリール溝10内でクリアランス
（Ｌ−１）の範囲を自由に移動できる状態となり、リー
ルモータ（図示せず）に発生するトルクをリール台１か
らテープリール８へ確実に伝達することができず、リー
ルモータ（図示せず）による走行テープの応答性の高い
テンションサーボを行うことができないという問題点を
有していた。

また、第２の例においては、リール台１とテープリール
８との間で滑りが生じないように、リール台本体２の上
面の外周部にゴム等からなる環状の高摩擦部在17を固着
することにより、リールモータ（図示せず）のトルクを
リール台１の複数の駆動爪４と高摩擦部剤17によってテ
ープリール８に伝達するのであるが、この場合には、リ
ール台本体２の上面に高摩擦部材17を固着する必要があ
り、しかも、リール台１の中心軸部３に対するテープリ
ール８の中心孔９の嵌合時に、第３図に一点鎖線で示す
ように複数のリール溝10と複数の駆動爪４との位相がず
れると、複数の被駆動爪11によって複数の駆動爪４がば
ね５に抗して中心軸部３内に押し込まれ、この状態でテ
ープリール８の環状凸部12がリール台本体２の上面に固
着された高摩擦部剤17に密着される。そのため、リール
台１を回転させて環状凸部12を高摩擦部剤17で相対的に
摩擦力に抗して滑らせることによって、複数の駆動爪４
を複数のリール溝10内で突出させることが困難になり、
リール台１からテープリール８へのトルク伝達を高摩擦
部材17だけによって行うことになるという問題点を有し
ていた。

本発明は上記従来の問題点に鑑み、リールモータのトル
クをリール台からテープリールへ確実に伝達し、リール
モータによる走行テープの応答性の高いテンションサー
ボを行うことができるリール台を提供することを目的と
する。

課題を解決するための手段 この目的を達成するために本発明のリール台は、リール
台本体の中心軸部の外周に設けた複数の駆動爪とテープ
リールの中心孔の内周に設けた複数のリール溝の少なく
ともどちらか一方を、中心軸部に垂直な面上で外周方向
に先細りとなるテーパ部を有する形状とし、複数のリー
ル溝内に突出した複数の駆動爪がテーパ部において複数
のリール溝に当接することにより、テープリールをリー
ル台本体上に嵌着するように構成している。

作用 本発明は上記した構成により、複数の駆動爪と複数のリ
ール溝の少なくともどちらか一方を、中心軸に垂直な面
上で外周方向に先細りとなるテーパ部を有する形状と
し、複数のリール溝内で突出した複数の駆動爪がテーパ
部において複数のリール溝に当接することにより、リー
ル台上にテープリールをクリアランスなく嵌着し、リー
ル台とテープリールとの間に滑りが生じないようにし
て、リールモータのトルクをリール台からテープリール
へ確実に伝達し、リールモータによる走行テープの応答
性の高いテンションサーボを行うことができる。

実施例 以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら説
明する。

第１図は本発明の一実施例におけるリール台へのテープ
リールの装着を示す横断面図を示すものであり、第２図
は同縦断面図を示すものである。

なお、従来例と同一構成部分については同一番号を付す
ることによってその詳細な説明を省略する。

第１図および第２図において、21は複数（本実施例では
３個）の駆動爪であり、一定ストローク（Ｓ′）だけ出
入り自在となっており、通常はばね５により付勢されて
外周方向に突出している。22は複数の駆動爪21の中心軸
部３に垂直な面上で外周方向に先細りとなるように形成
されたテーパ部であり、23は複数（本実施例では９個）
のりーＲ溝であり、24は複数のリール溝23を形成する複
数の被駆動爪であり、25は複数のリール溝23内で複数の
駆動爪21が突出する時にテーパ部22と当接する複数のリ
ール溝23の入口角部である。

以上のように構成された本実施例のリール台について、
以下その動作について説明する。

リール台１にテープカセット７が装着されると、テープ
リール８の中心孔９がリール台１の中心軸部３に挿入さ
れ、第１図に示すように中心軸部３の外周に配置された
複数の駆動爪21が中心孔９の内周に形成された複数のリ
ール溝23内で突出する。その時、複数の駆動爪21は中心
軸部３に垂直な面上で外周方向に先細りとなるテーパ部
22を有しており、複数の駆動爪21のテーパ部22の先端に
おける幅l₁と、テーパ部22の根本における幅l₂と複数の
リール溝23の幅Ｌの関係がl₁＜Ｌ＜l₂となっている。

従って、ばね５によって中心軸部３の外周方向に突出す
るように付勢している複数の駆動爪21は、テーパ部22が
複数のリール溝23の入口角部25に当接した状態で複数の
リール溝23内に突出する。それと共に、第１図に示すよ
うにテープリール８の下面に形成された環状凸部12がリ
ール台本体２の上面に板ばね15のばね力によって圧着さ
れる。このリール台１へのテープリール８の装着の際
に、テープリール８は板ばね15に抗して下ハーフ16の上
方に一定量浮上し、回転可能になる。そしてリール台１
がリールモータ（図示せず）のモータ軸６によって回転
されると、テープリール８は複数の駆動爪21によってリ
ール台本体２上にクリアランスなく嵌着されているた
め、リール台１との間で滑りが生じることなくリール台
と一体となって回転駆動される。

一方、リール台１の中心軸部３に対するテープリール８
の中心孔９の嵌合時に、第１図に一点鎖線で示すように
複数のリール溝23と複数の駆動爪21との位相がずれた場
合においては、複数の被駆動爪24によって複数の駆動爪
21がばね５に抗して中心軸部３内に押し込まれ、この状
態でテープリール８の環状凸部12がリール台本体２の上
面に密着される。そして、リール台１がモータ軸６によ
って回転されると、テープリール８の環状凸部12がリー
ル台本体２上で相対的に滑り、複数の駆動爪21はテーパ
部22が複数のリール溝23の入口角部25に当接した状態で
複数のリール溝23内に突出する。

以上のように本実施例によれば、複数の駆動爪21を中心
軸部３に垂直な面上で外周方向に先細りとなるテーパ部
22を有する形状とし、複数の駆動爪21のテーパ部22が複
数のリール溝23の入口角部25に当接した状態で複数の駆
動爪21が複数のリール溝23内に突出することにより、テ
ープリール８をリール台本体２上にクリアランスなく嵌
着する構成とすることにより、テープリール８の環状凸
部12とリール台本体２の上面との間の摩擦を大きくする
ために、リール台本体２の上面の外周部にゴム等からな
る高摩擦部材17を固着する必要なく、リール台１とテー
プリール８との間で滑りが生じないようにすることがで
き、リールモータ（図示せず）のトルクをリール台１か
らテープリール８へ確実に伝達し、リールモータによる
走行テープの応答性の高いテンションサーボを行うこと
ができ、しかも、リール台１の中心軸部３に対するテー
プリール８の中心孔９の嵌合時に、複数の駆動爪21と複
数のリール溝23の位相がずれて、複数の駆動爪21が中心
軸部３内に押し込まれた場合でも、リール台１が回転す
ることによりテープリール８の環状凸部12がリール台本
体２上で相対的に滑り、複数の駆動爪21のテーパ部22が
複数のリール溝23の入口角部25に当接した状態で複数の
駆動爪21が複数のリール溝23内に突出することができ
る。

以上、本発明の一実施例につき述べたが、本発明は実施
例に限定されることなく、本発明の技術的思想に基づい
て各種の有効な変更が可能である。

例えば、本実施例では、中心軸部の外周に出入り自在で
外周方向に付勢した複数の駆動爪を設け、テープリール
の中心孔の内周に複数のリール溝を設けたが、逆にテー
プリールの中心孔の内周に出入り自在で内周方向に付勢
した複数の駆動爪を設け、中心軸部の外周に複数のリー
ル溝を設けて、複数の駆動爪と複数のリール溝の少なく
ともどちらか一方を、中心軸部に垂直な面上で内周方向
に先細りとなるテーパ部を有する形状とし、複数のリー
ル溝内に突出した複数の駆動爪がテーパ部において複数
のリール溝に当接することにより、リール台本体上にテ
ープリールが嵌着されるように構成しても同様の効果が
えられる。

発明の効果 以上のように本発明は、リール台本体の中心軸部の外周
に等間隔でかつ半径方向に一定ストローク出入り自在に
設けた上、外周方向に付勢された複数の駆動爪と、テー
プリールの中心孔の内周に等間隔に設けた複数のリール
溝との少なくともどちらか一方を、中心軸部に垂直な面
上で外周方向に先細りとなるテーパ部を有する形状と
し、複数のリール溝内に突出した複数の駆動爪がテーパ
部において複数のリール溝に当接することにより、テー
プリールをリール台本体上に嵌着するように構成するこ
とにより、リール台とテープリールとの間で滑りが生じ
ることなくテープリールをリール台と一体となって複数
の駆動爪によって回転駆動することができ、リールモー
タのトルクをリール台からテープリールへ確実に伝達し
て、リールモータによる走行テープの応答性の高いテン
ションサーボを尾個なぅことができ、しかも、リール台
の中心軸部に対するテープリールの中心孔の嵌合時に、
複数のリール溝と複数の駆動爪との位相がずれて複数の
駆動爪が中心軸部内に押し込まれた場合でも、リール台
が回転することによりテープリールがリール台本体上で
相対的に滑り、複数の駆動爪が複数のリール溝内に突出
することができ、その実用的効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例におけるリール台へのテープリ
ールの装着を示す横断面図、第２図は同縦断面図、第３
図は従来の第１の例のリール台へのテープリールの装着
を示す横断面図、第４図は同縦断面図、第５図は従来の
第２の例のリール台へのテープリールの装着を示す縦断
面図である。 １……リール台、２……リール台本体、３……中心軸
部、８……テープリール、９……中心孔、21……複数の
駆動爪、22……テーパ部、23……複数のリール溝。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】テープリールの下面と当接するリール台本
   体と、前記リール台本体の中心に垂直に設け、前記テー
   プリールの中心孔を挿入させて前記リール台本体と前記
   テープリールの回転中心となる中心軸部と、前記中心軸
   部に半径方向に対して進退自在に設け、かつ外周方向に
   付勢された複数の駆動爪を有し、前記複数の駆動爪が前
   記中心孔の内周に設けた複数のリール溝内に突出するこ
   とにより前記テープリールを回転駆動するように構成し
   たリール台であって、前記複数の駆動爪と前記複数のリ
   ール溝の少なくともどちらか一方が前記中心軸部に垂直
   な面上で外周方向に先細りとなるテーパ部を有し、前記
   複数のリール溝内に突出した前記複数の駆動爪が前記テ
   ーパ部において前記複数のリール溝に当接することによ
   り前記テープリールを前記リール台本体上に嵌着するよ
   うに構成したことを特徴とするリール台。