JPH0774632A - 周波数シンセサイザ及び無線通信装置 - Google Patents

周波数シンセサイザ及び無線通信装置

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JPH0774632A
JPH0774632A JP6048466A JP4846694A JPH0774632A JP H0774632 A JPH0774632 A JP H0774632A JP 6048466 A JP6048466 A JP 6048466A JP 4846694 A JP4846694 A JP 4846694A JP H0774632 A JPH0774632 A JP H0774632A
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signal
frequency
frequency synthesizer
oscillation
oscillation signal
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JP6048466A
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Tsutomu Hida
努 飛田
Hiroshi Horie
弘 堀江
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置規模が増大せずに、周波数チャネルの高
速切り替えを行い、かつ、逓倍後の所定帯域信号を抽出
して分周する際の帯域通過フィルタに、特別な帯域特性
が要求されず、汎用品の使用を可能にする。 【構成】 位相比較器91は、基準信号発振器90から
の基準発振信号と、分周器98からの分周信号との位相
を比較する。この比較による位相誤差信号をLPF92
を通じて周波数制御電圧に生成してVCO94に印加す
る。VCO94からの発振信号を逓倍器96で逓倍す
る。さらに逓倍した出力発振信号SOを分周器98で分
周して位相比較器91に出力する。逓倍した出力発振信
号SOを受信回路43及び送信回路45に送出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無線通信機における送
信部の発振器、受信部の周波数変換回路内の局部発振器
などに使用し、PLL(Phase Locked LooP) で周波数を
安定化した発振信号を逓倍して送信系及び受信系などに
供給する周波数シンセサイザに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の周波数シンセサイザは水
晶発振子を用いた発振器、位相比較器、分周器(プログ
ラマブルデバイダ)、電圧制御発振器(VCO)等を備
えるPLLで構成されている。この周波数シンセサイザ
では発振器からの基準発振信号と、出力発振信号との位
相誤差に基づいてVCOをロックし、かつ、分周器を用
いて一定周波数間隔の発振信号を生成して出力してい
る。
【0003】図5は従来の周波数シンセサイザを用いた
無線送信機の構成を示すブロック図である。図5におい
て、この無線送信機には安定かつ一定周波数間隔の出力
発振信号SAを出力する周波数シンセサイザ1と、この
周波数シンセサイザ1からの出力発振信号SAに、位相
角変調信号(I信号、Q信号)でQPSK(Quadrature
Phase Shift Keying)、QAM(Quadrature Amplitude
Modulation) 等の変調を施す直交変調器2と、この直交
変調器2からの変調高周波信号SMを増幅して送出する
電力増幅器3と、この電力増幅器3からの高周波電力S
Pを電波として放射するアンテナ4とが設けられてい
る。
【0004】また、周波数シンセサイザ1には、基準信
号を発振する基準信号発振器5と、この基準信号発振器
5からの基準発振信号と、分周信号との位相比較を行う
位相比較器6とが設けられている。さらに、位相比較器
6からの位相誤差信号中の不要高調波及び雑音を除去
し、かつ、直流電圧を出力する低域通過フィルタ(LP
F)7と、このLPF7からの直流電圧で周波数をロッ
クし、出力発振信号SAを送出する電圧制御発振器(V
CO)8と、出力発振信号SAを一定周波数間隔が得ら
れるように分周して位相比較器6に出力する分周器9と
を備えている。
【0005】次に、この従来例の無線送信機の動作につ
いて説明する。周波数シンセサイザ1内の位相比較器6
は、基準信号発振器5からの基準発振信号と、分周器9
からの分周信号との位相を比較する。この比較による位
相誤差信号をLPF7を通じて直流電圧に生成し、この
周波数制御電圧をVCO8の制御端に印加する。この場
合、LPF7で位相比較器6からの位相誤差信号に含ま
れる不要高調波や雑音を除去して直流電圧を生成する。
このLPF7の振幅特性及び位相特性によって、当該周
波数シンセサイザ1におけるPLLの応答特性、同期特
性が決定される。すなわち、LPF7のインダクタン
ス、静電容量等を選択して、分周器9による周波数切り
替えの時間特性などを設定する。
【0006】この周波数シンセサイザ1からの、安定か
つ一定周波数間隔の出力発振信号SAが直交変調器2に
入力される。この直交変調器2では出力発振信号SAに
位相角変調信号(I信号、Q信号)でQPSK,QAM
方式等の変調を施して出力する。この変調高周波信号S
Mが電力増幅器3で増幅され、この増幅した高周波電力
SPをアンテナ4から電波として放射する。
【0007】このような無線送信機では、電力増幅器3
からの高周波電力SPが、比較的大電力である。したが
って、周波数シンセサイザ1を含む他の回路は、電力増
幅器3からの高周波電力SPが漏れた不要輻射や、アン
テナ4から放射した電波が回り込むのを阻止するため、
金属遮蔽筐体(シールドケース)などで覆う遮蔽(シー
ルド)が施される。この遮蔽にもかかわらず周波数シン
セサイザ1内のVCO8には、発振周波数を決定する共
振器、例えば、誘電体共振素子に、不要輻射や放射電波
が回り込む場合がある。この回り込みによってVCO8
の発振信号が位相変調されてしまい、共振周波数が変動
する。したがって、直交変調器2でQPSK方式などの
変調を施した電波を、受信側で復調する際の復調誤り率
(エラーレート)が高くなってしまう。
【0008】図6は変調高周波信号SMを受信側で復調
してIQ軸上に示した図であり、図7は周波数が変動し
た際の変調高周波信号SMを受信側で復調してIQ軸上
に示した図である。図6において、この例は周波数変動
のない理想的な状態の変調高周波信号SMを復調してI
Q軸上に表しており、4位相(4点)の位置になる。こ
の理想的な状態ではIQ軸上のそれぞれの位置点の相互
の距離が十分に離間しているため、受信側での復調デー
タの誤り率(エラーレート)が小さい。
【0009】一方、図7に示すように周波数が変動した
変調高周波信号SM、に変動がある場合、換言すれば、
周波数シンセサイザ1からの出力発振信号SAに周波数
変動がある場合、出力発振信号SAの位相が変化し、こ
の場合の復調データをIQ軸上に示すと、図7に示すよ
うに円周上に広がってしまう。この際、復調データがI
Q軸を横切ってしまうことがあり、受信側での復調デー
タの誤り率が極めて高くなる。また、復調データがIQ
軸を横切らない場合でも、復調時の位相変動で復調デー
タの誤り率が高くなることがある。
【0010】このような周波数シンセサイザ1からの出
力発振信号SAの周波数変動は、PLL処理によって補
正されるが、直交変調器2で変調が施されるため、位相
及び振幅は位相角変調信号の周波数に対応した速さで時
間とともに変化する。さらに、周波数利用効率の向上な
どから、より高い変調速度で処理される。したがって、
出力発振信号SAの周波数変動は、高速で時間的に変動
しているため、周波数シンセサイザ1からの出力発振信
号SAの周波数変動をPLL処理で抑圧できないことが
多い。この周波数変動の改善を図る送信周波数と周波数
シンセサイザの発振周波数とが異なる構成の無線通信機
の提案が行われている。
【0011】図8は、このような送信周波数と周波数シ
ンセサイザの発振周波数とが異なる無線送信装置の構成
を示すブロック図である。図8において、この例には二
つの周波数シンセサイザ10a,10bと、この周波数
シンセサイザ10a,10bからの二つの出力発振信号
SC,SDを加算又は減算して混合した和周波数又は差
周波数である安定かつ一定周波数間隔の出力発振信号S
Eを出力する周波数混合器11とが設けられている。さ
らに、出力発振信号SEに位相角変調信号(I信号、Q
信号)でQPSK,QAM方式等の変調を施す直交変調
器12と、変調高周波信号SMを増幅して送出する電力
増幅器13と、この電力増幅器13からの高周波電力S
Pを電波として放射するアンテナ14とが設けられてい
る。
【0012】次に、この従来例の動作について説明す
る。二つの周波数シンセサイザ10a,10bからの出
力発振信号SC,SDを周波数混合器11で混合し、そ
の和周波数又は差周波数である、安定かつ一定周波数間
隔の出力発振信号SEを出力する。この出力発振信号S
Eが直交変調器12に位相角変調信号(I信号、Q信
号)とともに入力されてQPSK,QAM方式等の変調
が施される。この変調高周波信号SMを電力増幅器13
で増幅した高周波電力SPがアンテナ14から電波とし
て放射される。この動作では高周波電力SPの周波数
と、出力発振信号SC及びSDの周波数とが相違するた
め、電力増幅器13からの高周波電力SPが漏れた不要
輻射や、アンテナ14から放射した電波がVCOに回り
込んだ際の妨害を避けることが出来る。
【0013】したがって、周波数シンセサイザ10a,
10b内のVCOの周波数変動が小さくなる。この構成
では、二つの周波数シンセサイザ10a,10bが必要
なため、回路構成が複雑化する。すなわち、部品点数が
増加して装置の小形化が妨げられ、特に携帯移動用の無
線機に用いる際に不都合がある。さらに、周波数混合器
11を用いて和周波数及び差周波数を得るため、高調波
の不要輻射(スプリアス)が発生し易く、受信部に不要
輻射が混入して受信不能になる受信チャネルが発生する
ことがある。この場合、不要輻射(スプリアス)を除去
するために帯域通過フィルタが必要になり、その特性も
急峻なスカート特性が要求されるなどの面倒な処理が必
要になる。この改善のために周波数シンセサイザからの
出力発振信号を逓倍する無線通信機が知られている(例
えば、実開平2ー1930号公報)。
【0014】図9は、従来の周波数シンセサイザからの
出力発振信号を逓倍する無線通信機の構成を示すブロッ
ク図である。図9において、この例には出力発振信号S
Aを出力する周波数シンセサイザ16と、この周波数シ
ンセサイザ16からの出力発振信号SAを逓倍する逓倍
器17と、この逓倍器17からの逓倍信号に位相角変調
信号(I信号、Q信号)でQPSK,QAM方式等の変
調を施す直交変調器18と、変調高周波信号SMを増幅
して送出する電力増幅器19と、この電力増幅器19か
らの高周波電力SPを放射するアンテナ20とが設けら
れている。
【0015】次に、この従来例の動作について説明す
る。周波数シンセサイザ16からの出力発振信号SAを
逓倍器17で逓倍して、直交変調器18で変調を施す。
この変調高周波信号SMを電力増幅器19で増幅し、こ
の増幅した高周波電力SPをアンテナ20を通じ、電波
として放射する。この場合、高周波電力SPの周波数
(送信周波数)と、周波数シンセサイザ16からの出力
発振信号SAの周波数が相違するため、電力増幅器19
からの高周波電力SPが漏れた不要輻射や、アンテナ2
0から放射した電波が周波数シンセサイザ16内のVC
Oに回り込んでも、周波数シンセサイザ16内のVCO
での周波数変動が生じなくなる。
【0016】しかしながら、この構成の無線通信機にあ
って、周波数シンセサイザ16の伝達関数は近似的には
線形であり、固有周波数によって表わせる周波数切り替
えの速さは、逓倍器17を設けた場合と、設けない場合
とで同一値にする必要がある。すなわち、この構成の無
線通信機では逓倍器17を設けない場合と同一の周波数
切り替え速度が可能な周波数シンセサイザを用い、その
線形的な伝達関数のいずれか必要な特性部分を用いるこ
とになる。
【0017】周波数シンセサイザ16では、分周器(プ
ログラマブルデバイダ)の分周数を1ステップごと増減
して一定間隔の無線チャネルを生成している。一方、周
波数シンセサイザ16内の位相比較器は、集積器(I
C)化に適しており、論理器を用いて構成するのが一般
的である。このため実際の位相比較器は入力信号を方形
波に波形整形し、この波形の立ち上がり、立ち下がりの
タイミングで位相比較を行っている。すなわち、位相誤
差信号は位相比較器に入力される信号の一周期ごとに、
一回づつ検出している。
【0018】固有周波数を位相比較周波数よりも高くす
ることができない。周波数シンセサイザ16では、実際
に位相比較器から位相比較周期ごとに出力されるパルス
成分を除去して、固有周波数より低い成分のみをVCO
の制御電圧として印加する必要がある。このため固有周
波数は位相比較周波数より十分小さくする必要がある。
さらに、出力発振信号SAの逓倍を考慮して、位相比較
周波数は無線チャネル間隔の1/Mに設定する必要があ
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】したがって、上記の従
来例の周波数シンセサイザでは、同一の間隔の無線チャ
ネルを実現する場合、周波数シンセサイザ16の実現可
能な固有周波数の上限は、例えば、図5に示した構成の
周波数シンセサイザの実現可能な固有周波数の上限の1
/Mに低くなってしまう。一方、周波数シンセサイザが
デジタル通信に適用されるTDMAバースト間での無線
チャネルの切り替えは、より高速の切り替えが必要とな
る。したがって、図9に示した構成の場合、高周波電力
SPが漏れた不要輻射や、アンテナ20から放射した電
波がVCOに回り込む妨害による周波数変動に対処でき
るものの、無線チャネルの高速切り替えに対応できない
という不都合がある。
【0020】本発明は、このような従来の技術における
欠点を解決するものであり、装置規模が増大することな
く、周波数チャネルの高速切り替えが可能になるととも
に、逓倍後の所定帯域信号を抽出して分周する際の帯域
通過フィルタに、特別な帯域特性が要求されず、汎用品
の使用が可能になって、コストを低減できる周波数シン
セサイザ及び無線通信装置の提供を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】この目的を解決するため
に請求項1記載の周波数シンセサイザは、基準発振信号
を出力する基準発振手段と、基準発振信号と分周信号と
の位相誤差信号を出力する位相比較手段と、位相誤差信
号から制御電圧を生成して出力するループフィルタと、
制御電圧値に対応する周波数の発振信号を出力する電圧
制御発振手段と、発振信号を逓倍した逓倍信号を送出す
る逓倍手段と、逓倍手段で逓倍された逓倍信号を分周し
て位相比較手段に出力する分周手段とを備える構成であ
る。
【0022】請求項2記載の周波数シンセサイザは、逓
倍手段の出力端から取り出した逓倍信号が、分周手段に
供給される構成としている。
【0023】請求項3記載の周波数シンセサイザは、出
力発振信号は逓倍手段の出力端に、当該出力発振信号を
供給する高周波信号処理回路が接続されるとともに、こ
の高周波信号処理回路の入力端から取り出した信号を分
周手段へ出力する構成としている。
【0024】請求項4記載の周波数シンセサイザは、基
準発振信号を出力する基準発振手段と、基準発振信号と
分周信号との位相誤差信号を出力する位相比較手段と、
位相誤差信号から制御電圧に生成して出力するループフ
ィルタと、制御電圧値に対応した周波数の発振信号を出
力する電圧制御発振手段と、発振信号を逓倍した逓倍信
号を出力する逓倍手段と、逓倍信号を分周して位相比較
手段に出力する分周手段と、逓倍信号の所定帯域を通過
させる帯域通過フィルタとを備える構成としている。
【0025】請求項5記載の周波数シンセサイザは、帯
域通過フィルタの入力端に供給される逓倍信号を出力す
る構成としている。
【0026】請求項6記載の周波数シンセサイザは、逓
倍手段の出力端と帯域通過フィルタの入力端との間から
逓倍信号を出力発振信号として出力する構成としてい
る。
【0027】請求項7記載の周波数シンセサイザは、逓
倍手段は、電圧制御発振手段からの発振信号と同一の周
波数の入力側共振回路と、この入力側共振回路からの発
振信号を増幅かつ逓倍する増幅・逓倍回路とが設けられ
る構成としている。
【0028】請求項8記載の周波数シンセサイザは、逓
倍手段は、発振信号を増幅かつ逓倍する増幅・逓倍回路
と、逓倍数の周波数に共振する出力側共振回路とを備え
る構成としている。
【0029】請求項9記載の周波数シンセサイザは、増
幅・逓倍回路にトランジスタを用いる構成である。
【0030】請求項10記載の周波数シンセサイザは、
逓倍手段は、入力側に設けられる電圧制御発振手段から
の発振信号と同一の周波数の共振回路と、この共振回路
からの信号を歪ませる半導体素子とが設けられる構成で
ある。
【0031】請求項11記載の周波数シンセサイザは、
逓倍手段は、電圧制御発振手段からの発振信号を歪ませ
る半導体素子と、この半導体素子の出力側に接続され、
逓倍数の周波数に共振する出力側共振回路とを備える構
成である。
【0032】請求項12記載の周波数シンセサイザは、
逓倍信号を歪ませる半導体素子に可変容量ダイオードを
用いる構成である。
【0033】請求項13記載の周波数シンセサイザは、
共振回路はインダクタとコンデンサを用いた直列共振回
路又は並列共振回路を用いる構成である。
【0034】請求項14記載の周波数シンセサイザは、
コンデンサに、回路の分布静電容量を用いる構成であ
る。
【0035】請求項15記載の周波数シンセサイザは、
分周手段は電圧制御発振手段からの発振信号を一定間隔
の複数の周波数に分周する構成である。
【0036】請求項16記載の周波数シンセサイザは、
分周手段は電圧制御発振手段からの発振信号を一定間隔
の複数の周波数に分周する設定手段を備える構成であ
る。
【0037】請求項17記載の発明は、送信する信号を
入力する信号入力手段と、信号入力手段から入力された
信号を変調する変調手段と、局部発振信号を発生する周
波数シンセサイザと、局部発振信号により変調手段で変
調された信号を無線周波数信号に変換して送信する送信
手段とを備える無線送信装置において、周波数シンセサ
イザは、基準発振信号を出力する基準発振手段と、基準
発振信号と分周信号との位相誤差信号を出力する位相比
較手段と、位相誤差信号から制御電圧を生成して出力す
るループフィルタと、制御電圧値に対応する周波数の発
振信号を出力する電圧制御発振手段と、発信信号を逓倍
した逓倍信号を局部発振信号として送出する逓倍手段
と、逓倍手段で逓倍された信号を分周して位相比較手段
に出力する分周手段とを備える構成である。
【0038】
【作用】この構成によって、請求項1から請求項3及び
請求項4から請求項17記載の周波数シンセサイザ及び
無線通信装置は、基準発振信号と分周信号との位相誤差
信号から制御電圧を生成し、この制御電圧に対応する周
波数の発振信号を逓倍した出力発振信号を送出してい
る。また逓倍した出力発振信号を分周して基準発振信号
と位相比較を行っている。したがって、位相比較周波数
が無線チャネル間隔と同一になり、慣用的な周波数シン
セサイザと同程度の無線チャネルの高速切り替えが行わ
れる。また、電圧制御発振手段の発振信号と高周波電力
が漏れた不要輻射や、アンテナから放射した電波の周波
数が異なるため、電圧制御発振手段での回り込みによる
妨害が発生し難くなり、電圧制御発振手段の発振信号の
周波数変動が小さくなる。加えて逓倍手段の構成も簡単
であり、装置規模の増加を抑えることが出来る。
【0039】さらに、請求項4から請求項17記載の周
波数シンセサイザ及び無線通信装置は、逓倍信号を帯域
通過フィルタを通過させ、この信号を無線通信機の変調
器などに供給している。したがって、逓倍後の所定帯域
信号を抽出して分周する際の帯域通過フィルタに、特別
な帯域特性が要求されず、汎用品の使用が可能になる。
【0040】
【実施例】次に、本発明の周波数シンセサイザ及び無線
通信装置の実施例を図面を参照して詳細に説明する。図
1は本発明の周波数シンセサイザを無線送信機に適用し
た第1の実施例の構成を示すブロック図である。この無
線通信機はアナログモードとデジタルモードとを併用し
たデュアルモードである。アナログモードでは搬送波
を、例えば、FMで変調して送信し、受信装置で送信装
置から送信された変調波を受信してFM復調することに
よりアナログ音声信号及びデータを再生している。デジ
タルモードは送信装置で音声信号及びデータを符号化し
て、この符号化された信号により搬送波を、例えば、π
/4シフトDQPSKπ/4シフトDQPSK(π/4 s
hifted, Differentially encoded Quadrature Phase Sh
ift Keying)方式を用いてデジタル変調を施して送信す
る。この送信電波を受信装置で受信し、受信信号からデ
ジタル復調した後に、この復調信号を復号することによ
って音声信号及びデータを再生している。
【0041】図1において、デジタルモードの受信系に
は、図示しない基地局との無線回線を通じて送受信電波
を送受信するアンテナ41と、アンテナ共用器42と、
受信信号を周波数変換して中間周波信号を出力する受信
回路43とが設けられている。さらに、受信回路43に
局部発振信号を送出し、かつ、送信回路に送信信号を送
出する周波数シンセサイザ44と、中間周波信号をデジ
タル化するA/D変換器46と、A/D変換器46から
のデジタル化した中間周波信号をデジタルベースバンド
信号に変換するデジタル復調回路47とが設けられてい
る。
【0042】また、誤り訂正復号化処理を行う誤り訂正
符号復号回路48と、デジタル受話信号の音声復号化処
理を行う音声符号復号回路49と、アナログモードとデ
ジタルモードとを切り替える切替回路50,57と、切
替回路50からのデジタル受話信号RSに含まれる音響
エコーを打ち消すための処理が行なわれるエコーキャン
セラ60とが設けられている。さらに、デジタルモード
の受信系は、エコーキャンセラ60からのデジタル受話
信号をアナログ化するD/A変換器51と、このアナロ
グ受話信号を増幅する増幅器52と、増幅器52からの
アナログ受話信号を音声出力するスピーカ53とが設け
られている。
【0043】デジタルモードの送信系は マイクロホン
54と、送話信号を増幅する増幅器55と、送話信号を
デジタル化するA/D変換器56と、A/D変換器56
からのデジタル送話信号がエコーキャンセラ60、切替
回路57、音声符号復号回路49、誤り訂正符号復号回
路48を通じて符号化されたデジタル送話信号をπ/4
シフトDQPSK方式の変調信号に変換するデジタル変
調回路58とが設けられている。また、デジタル変調回
路58からの変調信号をアナログ化するD/A変換器5
9と、D/A変換器59からの変調信号で変調を施した
高周波電力を送出する送信回路45とが設けられてい
る。アナログモードの受信系は、受信回路43からの中
間周波信号をFM復調するアナログ音声回路70と、F
M復調信号をデジタル化して切替回路50を通じてアナ
ログ受話信号(RS)をエコーキャンセラ60に出力す
るA/D変換器61とが設けられている。エコーキャン
セラ60からはデジタルモードの受信系と同様にD/A
変換器51、増幅器52、スピーカ53を通じて音声出
力される。
【0044】アナログモードの送信系は、マイクロホン
54、増幅器55、A/D変換器56、エコーキャンセ
ラ60、切替回路57を通じた送話信号をアナログ化し
てアナログ音声回路70に供給するD/A変換器62が
設けられている。アナログ音声回路70からの変調信号
が送信回路45、アンテナ共用器42、アンテナ41を
通じて送信される。
【0045】さらに、この無線通信機には、デジタルモ
ード、アナログモードの送受信系の各部を制御する制御
回路80と、コンソールユニット83と、バッテリ81
の出力電圧を所定の動作電圧Vccに生成して各回路に
供給する電源回路82とが設けられている。コンソール
ユニット83には、キースイッチ群と、ディスプレイと
が設けられている。ディスプレイは、例えば、液晶表示
器が用いられている。次に、周波数シンセサイザ44の
詳細な構成を説明する。
【0046】図2は周波数シンセサイザ44の構成を示
すブロック図である。図2において、周波数シンセサイ
ザ44は、基準信号を発振する基準信号発振器90と、
この基準信号発振器90からの基準発振信号と分周した
分周信号との位相を比較する位相比較器91とが設けら
れている。さらに位相比較器91からの位相誤差信号に
おける不要高調波及び雑音を除去し、かつ、直流電圧を
出力する低域通過フィルタ(LPF)92と、このLP
F92からの直流電圧で周波数をロックし、一定周波数
間隔の発振信号を出力する電圧制御発振器(VCO)9
4と、さらにVCO94からの発振信号をM逓倍した出
力発振信号SOを出力する逓倍器96と、出力発振信号
SOが入力されて、一定周波数間隔が得られるように分
周した分周信号を位相比較器91に出力する分周器98
を備えている。
【0047】図3は逓倍器96の詳細な構成を示す回路
図である。図3において、この逓倍器96にはVCO9
4の発振信号と同一の共振周波数である入力側共振回路
(L1,C1)と、トランジスタQ1と、このトランジ
スタQ1のベースにバイアス電圧を設定する抵抗器R
1,R2と、トランジスタQ1のコレクタに接続され、
逓倍した周波数で共振する出力共振回路(L2,C2)
とが設けられている。さらに、トランジスタQ1のコレ
クタからの共振信号を逓倍信号STとして出力するカッ
プリングコンデンサC3及び出力インピーダンス整合用
のコンデンサC4とが設けられている。
【0048】なお、トランジスタQ1でVCO94の発
振信号を増幅し、かつ、逓倍しているが、このトランジ
スタQ1に代えて、可変容量ダイオード(バラクタ)を
用いても良い。この場合、非直線入出力特性部分を利用
して入力信号を歪ませて逓倍する。さらに入力側共振回
路(L1,C1)に代えて、入出力特性インピーダンス
を整合させた並列共振回路を用いても良く、同様に出力
共振回路(L2,C2)に直列共振回路を用いても良
い。さらに、入力側共振回路(L1,C1)、出力共振
回路(L2,C2)は、それぞれのL1,L2をコイル
又は回路基板の配線パターンを用いたインダクタとし、
C1,C2に、分布静電容量を用いても良い。
【0049】次に、この第1の実施例の動作を説明す
る。図1において、デジタルモードの設定状態では、図
示しない基地局からデジタル通話チャネルを通じて送信
された電波は、アンテナ41で受信された後にアンテナ
共用器42を通じて受信回路43に入力される。この受
信回路43ではアンテナ共用器42からの受信信号が周
波数シンセサイザ44から出力された局部発振信号と混
合されて中間周波信号に変換される。なお、周波数シン
セサイザ44から発生される局部発振信号の周波数は、
制御回路80から出力される制御信号SYCによって設
定される。中間周波信号は、A/D変換器46でデジタ
ル信号に変換された後に、デジタル復調回路47に入力
される。デジタル復調回路47では中間周波信号がデジ
タル復調されてデジタルベースバンド信号に変換され
る。このデジタル復調回路47から出力されたデジタル
ベースバンド信号には、デジタル受話信号とデジタル制
御信号とがある。このデジタル制御信号DCSが、制御
回路80に取り込まれて識別される。
【0050】これに対しデジタル受話信号は、誤り訂正
符号復号回路48に入力される。この誤り訂正符号復号
回路48では、デジタル復調回路47から供給されたデ
ジタル受話信号の誤り訂正復号化処理が行なわれ、この
誤り訂正復号化されたデジタル受話信号は音声符号復号
回路49に入力される。音声符号復号回路49では、デ
ジタル受話信号の音声復号化処理が行なわれる。
【0051】この音声符号復号回路49から出力された
デジタル受話信号RSは、切替回路50を通じてエコー
キャンセラ60に入力される。このエコーキャンセラ6
0を通過したデジタル受話信号は、D/A変換器51で
アナログ受話信号に変換された後に、増幅器52で増幅
されてスピーカ53に供給され、このスピーカ53から
拡声出力される。
【0052】一方、マイクロホン54からの送話信号
は、増幅器55で増幅された後にA/D変換器56でデ
ジタル送話信号に変換され、さらに、エコーキャンセラ
60に入力される。このエコーキャンセラ60では、デ
ジタル送話信号に含まれる音響エコーを打ち消すための
処理が行なわれる。このエコーキャンセラ60から出力
されたデジタル送話信号TSは、切替回路57を通じて
音声符号復号回路49に入力される。この音声符号復号
回路49では、デジタル送話信号の音声符号化処理が行
なわれる。この音声符号復号回路49から出力されたデ
ジタル送話信号は、制御回路80から出力されるデジタ
ル制御信号とともに誤り訂正符号復号回路48に入力さ
れる。
【0053】この誤り訂正符号復号回路48では、デジ
タル送話信号及びデジタル制御信号の誤り訂正符号化処
理が行なわれる。この符号化後のデジタル送話信号はデ
ジタル復調回路58に入力される。デジタル復調回路5
8では、デジタル送話信号に応じてπ/4シフトDQP
SK方式で変調を施し、その変調信号はD/A変換器5
9でアナログ信号に変換された後に送信回路45に入力
される。送信回路45では、変調信号が周波数シンセサ
イザ44から出力されるデジタル通話チャネルの無線周
波数に対応した送信局部発振信号と合成されて無線送信
信号に変換され、さらに高周波増幅される。そして、こ
の送信回路45から出力された無線送信信号ではアンテ
ナ共用器42を通じてアンテナ41に供給され、このア
ンテナ41から図示しない基地局に送信される。なお、
切替回路50,57は、制御回路80から出力される切
替制御信号SWCによって、それぞれ切替えが制御され
る。
【0054】次に、アナログモードが設定された状態に
おいて、図示しない基地局からアナログ通話チャネルを
通じて送信された電波は、アンテナ41で受信された後
に共用器42を通じて受信回路43に入力され、この受
信回路43で低い周波数の中間周波信号に変換される。
この受信回路43から出力された中間周波信号は、アナ
ログ音声回路70に入力される。このアナログ音声回路
70では、中間周波信号がFM復調された後に音声増幅
される。このアナログ音声回路70から出力されたベー
スバンドのアナログ通話信号は、A/D変換器61でデ
ジタル信号に変換された後に、切替回路50を通じてエ
コーキャンセラ60に入力される。
【0055】そして、このエコーキャンセラ60を通過
したデジタル受話信号は、D/A変換器51でアナログ
受話信号に変換された後に、増幅器52で増幅されてス
ピーカ53に供給され、このスピーカ53から音声出力
される。マイクロホン54から出力された送話信号は、
増幅器55で増幅された後にA/D変換器56でデジタ
ル化されてエコーキャンセラ60に入力される。このエ
コーキャンセラ60では、デジタル送話信号に含まれる
音響エコーを打ち消すための処理が行なわれる。このエ
コーキャンセラ60から出力されたデジタル送話信号T
Sは、切替回路57を通じてD/A変換器62に入力さ
れ、ここでアナログ信号に変換された後にアナログ音声
回路70に入力される。
【0056】アナログ音声回路70では、送話信号に応
じて周波数変調(FM)された変調信号が生成され、こ
の変調信号は送信回路45に入力される。送信回路45
では、変調信号が周波数シンセサイザ44から発生され
たアナログ通話チャネルの無線周波数に応じた送信局部
発振信号と混合されて送信周波数に変換され、さらに増
幅される。そして、この送信回路45から出力された高
周波電力はアンテナ共用器42を通じてアンテナ41に
供給され、このアンテナ41から図示しない基地局に送
信される。制御回路80はコンソールユニット83の操
作に基づいてデジタルモード、アナログモードの送受信
などを制御している。
【0057】次に、周波数シンセサイザ44の動作につ
いて説明する。図2において、周波数シンセサイザ44
内の位相比較器91は、基準信号発振器90が出力する
基準発振信号と、分周器98で分周して分周信号との位
相を比較する。この比較による位相誤差信号をLPF9
2を通じて直流電圧に生成し、この直流電圧である周波
数制御電圧をVCO94の制御端に印加する。この場
合、位相比較器91とVCO94との間のLPF92
で、位相比較器91からの位相誤差信号に含まれる不要
高調波や雑音を除去した直流電圧を出力する。このLP
F92の振幅及び位相特性によって、当該周波数シンセ
サイザ44におけるPLLの応答特性、同期特性を決定
する。
【0058】LPF92の、例えばインタグタンス、静
電容量を選択して分周器98による周波数切り替えの時
間などの特性を設定する。VCO94からの発振信号を
逓倍器96で逓倍する。この逓倍によって、所定周波数
に生成されて受信回路43及び送信回路45に入力され
る。逓倍器96では、図3に示すようにVCO94の発
振信号が入力側共振回路(L1,C1)に入力され、発
振信号を入力側共振回路(L1,C1)でQ倍に昇圧し
てトランジスタQ1で増幅する。そして、出力共振回路
(L2,C2)の共振周波数で逓倍された逓倍信号ST
をコンデンサC3,C4を通じて直流電圧をカットする
とともに、後段との接続のインピーダンスを整合させて
出力する。
【0059】このようにして生成した周波数シンセサイ
ザ44からの、安定かつ一定周波数間隔の出力発振信号
SOが受信回路43及び送信回路45に入力される。こ
の場合、周波数シンセサイザ44からの出力発振信号S
Oは制御回路80の制御によって、受信時に受信回路4
3に供給し、かつ、送信回路45への送出を停止する。
また、送信時に送信回路45に送出し、かつ、受信回路
43への供給を停止し、特に、受信時に送信回路45か
らの信号が回り込んだり、不要輻射(スプリアス)で受
信不能チャネルの発生を阻止する。
【0060】この際、分周器98に無線送信周波数と同
一の出力発振信号SOが入力される。分周器98は無線
送信周波数と同一の出力発振信号SOを分周して位相比
較器91に出力する。したがって、位相比較周波数が無
線チャネル周波数と同一になり、慣用的な周波数シンセ
サイザであるVCOの発振信号と無線送信周波数とが同
一の構成、すなわち、VCOの発振信号の逓倍を行わな
い場合と、同程度の無線チャネルの高速切り替えが可能
になる。
【0061】さらにVCO94の発振信号の周波数と、
送信回路45からの高周波電力が漏れた不要輻射や、ア
ンテナ41から放射した電波の周波数とが異なることに
なる。したがって、周波数シンセサイザ44内のVCO
94に不要輻射や電波が回り込んだ際の妨害(外乱)が
発生し難くなり、VCO94の発振信号の周波数変動が
極めて小さくなる。また、この構成での逓倍器96はト
ランジスタ又は可変容量ダイオードと共振回路等で構成
できるため、その装置規模の増加も小さくてすむことに
なる。
【0062】次に、第2の実施例における周波数シンセ
サイザ44について説明する。図4は第2の実施例にお
ける周波数シンセサイザ44の構成を示すブロック図で
ある。図4において、この周波数シンセサイザ44は、
図1に示した第1の実施例の構成における逓倍器96の
後に逓倍信号の高域及び低域を除去した出力発振信号S
Oを、図1中の受信回路43及び送信回路45に供給す
る帯域通過フィルタ(BPF)97とが設けれている。
他の構成は第1の実施例と同様である。
【0063】次に、この第2の実施例の動作について説
明する。基準信号発振器90〜逓倍器96間の動作は第
1の実施例と同様である。逓倍器96からの逓倍信号S
Tが分周器98に出力されるとともに、BPF97にも
入力される。BPF97は逓倍信号STから逓倍器96
で発生した高調波の高域信号とともに、ノイズなどの低
域信号を除去して、図1中の受信回路43及び送信回路
45に供給する。さらに、分周器98に送信周波数と同
一の逓倍信号STが入力され、無線送信周波数と同一周
波数の逓倍信号STを分周して位相比較器91に出力す
る。
【0064】したがって、第1の実施例と同様に無線チ
ャネルの高速切り替えが可能になる。また、不要輻射や
電波が回り込んだ際の妨害(外乱)が発生し難くなる。
さらに、逓倍信号STから所定の帯域信号を抽出するB
PF97に特別な帯域特性が要求されなくなる。すなわ
ち、BPF57には通過帯域内での低リップル及び低挿
入損失のフラットな周波数特性が特別に要求されなくな
り、逓倍信号のレベルが低下し、また変動せずに、分周
器98から位相比較器91までのPLL(閉ループ制
御)が正常に動作する。これによって、汎用品のBPF
を使用しても、分周器98から位相比較器91のPLL
(閉ループ制御)が正常に動作するようになり、BPF
57を特別に製作する必要がなくなって、コストが低減
できる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように請求項1から請求項
3及び請求項4から請求項17記載の周波数シンセサイ
ザ及び無線通信装置は、位相比較周波数が無線チャネル
周波数と同一になり、慣用的な周波数シンセサイザと同
程度の無線チャネルの高速切り替えが可能になるという
効果を有する。またVCOの発振信号と高周波電力が漏
れた不要輻射や、アンテナから放射した電波の周波数が
異なるため、VCOに回り込んだ際の妨害が発生し難く
なり、VCOの発振信号の周波数変動を極めて小さく出
来るという効果を有する。加えて逓倍器の構成も簡単で
あり、装置規模の増大化を抑えることが出来るという効
果を有する。
【0066】さらに、請求項4から請求項17記載の周
波数シンセサイザ及び無線通信装置は、逓倍信号を帯域
通過フィルタを通過させ、この信号を無線通信機の変調
器などに供給しているため、第1の実施例と同様に高速
切り替えが可能になり、かつ、不要輻射や放射電波の回
り込みによる周波数変動が阻止できるとともに、逓倍後
の所定帯域信号を抽出して分周する際の帯域通過フィル
タに、特別な帯域特性が要求されず、汎用品の使用が可
能になって、コストを低減できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の周波数シンセサイザ及び無線通信装置
を無線送信機に適用した第1の実施例の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】図1中の周波数シンセサイザの構成を示すブロ
ック図である。
【図3】図2中の逓倍器の詳細な構成を示す回路図であ
る。
【図4】第2の実施例の周波数シンセサイザの構成を示
すブロック図である。
【図5】従来の周波数シンセサイザを用いた無線送信機
の構成を示すブロック図である。
【図6】変調高周波信号を受信側で復調してIQ軸上に
示した図である。
【図7】周波数が変動した際の変調高周波信号SMを受
信側で復調してIQ軸上に示した図である。
【図8】従来の送信周波数と周波数シンセサイザの発振
周波数とが異なる無線送信装置の構成を示すブロック図
である。
【図9】従来の周波数シンセサイザからの出力発振信号
を逓倍する無線通信機の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
44…周波数シンセサイザ 90…基準信号
発振器 91…位相比較器 92…低域通過
フィルタ(LPF) 94…電圧制御発振器(VCO) 96…逓倍器 98…分周器 97…帯域通過
フィルタ(BPF)

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基準発振信号を出力する基準発振手段と、
    前記基準発振信号と分周信号との位相誤差信号を出力す
    る位相比較手段と、前記位相誤差信号から制御電圧を生
    成して出力するループフィルタと、前記制御電圧値に対
    応する周波数の発振信号を出力する電圧制御発振手段
    と、前記発振信号を逓倍した逓倍信号を送出する逓倍手
    段と、前記逓倍手段で逓倍された逓倍信号を分周して前
    記位相比較手段に出力する分周手段とを備える周波数シ
    ンセサイザ。
  2. 【請求項2】前記逓倍手段の出力端から取り出した逓倍
    信号が、前記分周手段に供給されることを特徴とする請
    求項1記載の周波数シンセサイザ。
  3. 【請求項3】前記出力発振信号は逓倍手段の出力端に、
    当該出力発振信号を供給する高周波信号処理回路が接続
    されるとともに、この高周波信号処理回路の入力端から
    取り出した信号を前記分周手段へ出力すること特徴とす
    る請求項1記載の周波数シンセサイザ。
  4. 【請求項4】基準発振信号を出力する基準発振手段と、
    前記基準発振信号と分周信号との位相誤差信号を出力す
    る位相比較手段と、前記位相誤差信号から制御電圧に生
    成して出力するループフィルタと、前記制御電圧値に対
    応した周波数の発振信号を出力する電圧制御発振手段
    と、前記発振信号を逓倍した逓倍信号を出力する逓倍手
    段と、前記逓倍信号を分周して前記位相比較手段に出力
    する分周手段と、前記逓倍信号の所定帯域を通過させる
    帯域通過フィルタとを備える周波数シンセサイザ。
  5. 【請求項5】帯域通過フィルタの入力端に供給される逓
    倍信号を出力することを特徴とする請求項4記載の周波
    数シンセサイザ。
  6. 【請求項6】逓倍手段の出力端と帯域通過フィルタの入
    力端との間から逓倍信号を出力発振信号として出力する
    ことを特徴とする請求項4記載の周波数シンセサイザ。
  7. 【請求項7】逓倍手段は、電圧制御発振手段からの発振
    信号と同一の周波数の入力側共振回路と、この入力側共
    振回路からの発振信号を増幅かつ逓倍する増幅・逓倍回
    路とが設けられることを特徴とする請求項1又は4記載
    の周波数シンセサイザ。
  8. 【請求項8】逓倍手段は、発振信号を増幅かつ逓倍する
    増幅・逓倍回路と、逓倍数の周波数に共振する出力側共
    振回路とを備えることを特徴とする請求項1又は4記載
    の周波数シンセサイザ。
  9. 【請求項9】増幅・逓倍回路にトランジスタを用いるこ
    とを特徴とする請求項7又は8記載の周波数シンセサイ
    ザ。
  10. 【請求項10】逓倍手段は、入力側に設けられる電圧制
    御発振手段からの発振信号と同一の周波数の共振回路
    と、この共振回路からの信号を歪ませる半導体素子とが
    設けられることを特徴とする請求項1又は4記載の周波
    数シンセサイザ。
  11. 【請求項11】逓倍手段は、電圧制御発振手段からの発
    振信号を歪ませる半導体素子と、この半導体素子の出力
    側に接続され、逓倍数の周波数に共振する出力側共振回
    路とを備えることを特徴とする請求項1又は4記載の周
    波数シンセサイザ。
  12. 【請求項12】逓倍信号を歪ませる半導体素子に可変容
    量ダイオードを用いることを特徴とする請求項10又は
    11記載の周波数シンセサイザ。
  13. 【請求項13】共振回路はインダクタとコンデンサを用
    いた直列共振回路又は並列共振回路を用いることを特徴
    とする請求項7,8,10又は11記載の周波数シンセ
    サイザ。
  14. 【請求項14】コンデンサに、回路の分布静電容量を用
    いることを特徴とする請求項13の周波数シンセサイ
    ザ。
  15. 【請求項15】分周手段は電圧制御発振手段からの発振
    信号を一定間隔の複数の周波数に分周することを特徴と
    する請求項1又は4記載の周波数シンセサイザ。
  16. 【請求項16】分周手段は電圧制御発振手段からの発振
    信号を一定間隔の複数の周波数に分周する設定手段を備
    えることを特徴とする請求項1又は4記載の周波数シン
    セサイザ。
  17. 【請求項17】送信する信号を入力する信号入力手段
    と、前記信号入力手段から入力された信号を変調する変
    調手段と、局部発振信号を発生する周波数シンセサイザ
    と、前記局部発振信号により前記変調手段で変調された
    信号を無線周波数信号に変換して送信する送信手段とを
    備える無線送信装置において、前記周波数シンセサイザ
    は、基準発振信号を出力する基準発振手段と、前記基準
    発振信号と分周信号との位相誤差信号を出力する位相比
    較手段と、前記位相誤差信号から制御電圧を生成して出
    力するループフィルタと、前記制御電圧値に対応する周
    波数の発振信号を出力する電圧制御発振手段と、前記発
    信信号を逓倍した逓倍信号を前記局部発振信号として送
    出する逓倍手段と、前記逓倍手段で逓倍された信号を分
    周して前記位相比較手段に出力する分周手段とを備える
    無線送信装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003174360A (ja) * 2001-12-05 2003-06-20 Rohm Co Ltd 局部発振器及びこれを用いた送信装置並びに受信装置
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