JPH0774240B2 - ポリペプチド - Google Patents

ポリペプチド

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JPH0774240B2
JPH0774240B2 JP62240962A JP24096287A JPH0774240B2 JP H0774240 B2 JPH0774240 B2 JP H0774240B2 JP 62240962 A JP62240962 A JP 62240962A JP 24096287 A JP24096287 A JP 24096287A JP H0774240 B2 JPH0774240 B2 JP H0774240B2
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政彦 片山
文嗣 日野
郁之進 加藤
義人 矢追
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寳酒造株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はインスリン結合活性を有するポリペプチドに関
する。
〔従来の技術〕
従来、インスリンを結合する蛋白としては、細胞表面に
存在するインスリンレセプターが知られており、非レセ
プター性蛋白については全く検討されていなかつた。一
方、インスリンと非常に構造の良く似たインスリン様成
長因子I(IGF−I:ソルトメジンC)及びIGF-IIについ
ては古くから非レセプター性結合蛋白であるIGF結合蛋
白が血中等から抽出され、近年、単離精製されている。
IGFはインスリンとは異なり、血中では結合蛋白と高分
子複合体を形成しており、生物学的に不活性の状態で大
多数存在している。そして、複合体となることでインビ
ボ(in vivo)における半減期は増大し、安定化し、生
体内でのIGFのホメオスタシスに関与している。
〔発明が解決しよとする問題点〕
本発明は上記現状にかんがみてなされたものであり、そ
の目的はインスリンのホメオスタシスを調節可能な、非
レセプター性のインスリン結合活性を有するポリペプチ
ドを提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明を概説すれば、本発明はインスリン結合活性を有
するポリペプチドに関する発明であつて、ビトロネクチ
ンをブロムシアン分解した結果生じる、アミノ末端から
のアミノ酸配列がAla-Pro-Arg-Proであるポリペプチド
に含有されるインスリン結合活性部位を有するポリペプ
チドである(ただし、ビトロネクチンを除く)ことを特
徴とする。
本発明者らは、インスリン結合活性、あるいはキヤリヤ
ー性を有するポリペプチドがあるのではないかと考え
た。しかして、そのような性質を持つポリペプチドが存
在すれば、成長因子活性、及びホルモン活性を有するイ
ンスリンのホメオスタシスを調節することが可能であ
り、糖尿病患者に代表される種々の疾患々者にインスリ
ンを投与する時インスリンの作用部位へのターゲテイン
グや持続時間の長い、安全で、免疫原性のない、医薬品
を作ることができ、インスリンの効果を最大限に発揮さ
せ、かつ、副作用のない新しい製剤及びドラツグデリバ
リーシステムを構築することが可能となる。例えば、生
化学的研究における、インスリン依存性の細胞を培養す
る時に有効な増殖促進試薬が提供され、表皮細胞の増殖
を高め、皮膚の老化を防ぐ有用な化粧品が提供され、更
に外傷や、外科手術後の創傷治癒を促進する経皮薬及び
治療薬が提供され、糖尿病の治療に用いる、持続性の高
い、副作用のないインスリン製剤が提供される。
本発明者らは上記課題を解明する研究を行い、生体成分
であるビトロネクチン〔「化学と生物」第24巻、第5号
第303〜313頁(1986)〕が、インスリン結合活性部位を
有することを見出した。
以下、本発明について詳細に説明する。
インスリン結合活性を有する蛋白の検索には、インスリ
ンを担体に固定化した固定化インスリンカラムが用いら
れる。担体としてはセフアロース4B(フアルマシア社
製)が最も適している。固定化方法といてはCNBr活性化
法が最も適している。このようにして作成された固定化
インスリンカラムに生体成分及びその抽出物を付し、吸
着された画分を強イオン強度、又は尿素存在下で溶出さ
せ、吸着画分を得、これを免疫学的に、及び電気泳動的
に同定することで検索した。
その結果、ビトロネクチンが強いインスリン結合活性を
有することを見出した。
更に、得られたビトロネクチンを、化学的に断片化し、
これを先の固定化インスリンカラムに付し、同様にして
インスリン結合活性部位を含有するポリペプチドを特定
した。
その結果、ビトロネクチンをブロムシアン分解した結果
生じる、アミン末端からのアミン酸配列がAla-Pro-Arg-
Proであるポリペプチド中にインスリン結合活性部位が
含有されることを初めて見出し本発明を完成した。
ビトロネクチンのアミノ酸配列は既にEMBOジヤーナル
(EMBO Journal)第4巻、第2519〜2524頁(1985)に報
告されている。ブロムシアン分解によりポリペプチド中
のMet(メチオニン)のC末側のアミド結合が分解され
ることより、上記アミノ酸配列を有するポリペプチド
は、アミノ末端アミノ酸残基から教えて、第340残基よ
り始まるポリペプチドに相当する。
前記ポリペプチドはSDS−ポリアクリルアミド電気泳動
により約6Kの分子量を示した。該ポリペプチド中にはビ
トロネクチンのヘパリン結合活性部位(第342〜第375残
基)が含まれる。
本発明のポリペプチドは前記約6Kのポリペプチドに含有
されるインスリン結合活性部位を有するポリペプチドで
あればいかなるものでもよく、ビトロネクチンのブロム
シアン分解のほか、化学合成法、遺伝子工学的方法によ
つても製造することができる。
本発明によつて提供されるインスリン結合活性を有する
ポリペプチドは、それ自体で、あるいはそれを通常の薬
剤の投与形態、例えば液体、ローシヨン、軟膏、ゲル、
錠剤若しくはカプセルの形で、又は固体基質、経皮器
具、移植片等に付着、結合若しくは包合した形で使用さ
れる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されない。
実施例1 (1) ヒト血漿よりビトロネクチンの精製 ヒト血漿100ml(終濃度2mMのフエニルメチルスルホニル
フルオライド及び終濃度8Mの尿素を含有する)を、あら
かじめ8M尿素を含むリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.
2)で平衡化しておいたヘパリン−セフアロースカラム
(フアルマシア社製)に通過させ、吸着したビトロネク
チンを1M NaCl及び8M尿素を含むPBSで溶出し約15mgのビ
トロネクチンを得た。
(2) インスリン固定化カラムによるアフイニテイー
クロマトグラフイー (1)で得られたビトロネクチン500μgを300μlのPB
Sに溶解し、あらかじめPBSで平衡化しておいたインスリ
ン固定化セフアロース4Bカラム(1.0×8.0cm)にかけ
て、0.5M NaCl溶液にてカラムを洗浄した後、4M尿素を
含むPBSで溶出した結果、ビトロネクチンが固定化イン
スリンカラムに吸着されることが示された(第1図)。
すなわち第1図はビトロネクチンのインスリンセフアロ
ースカラムによるアフイニテイークロマトグラフイーの
結果を、280nmにおける吸光度(縦軸)と分画数(横
軸)との関係で示す図である。この時、固定化インスリ
ン1mg当りの結合量は約100μgであつた。
(3) ビトロネクチンのブロムシアン分解による断片
化 25mg/mlブロムシアンを含む70%ギ酸溶液に終濃度2.5mg
/mlとなるようにビトロネクチンを溶解し、室温で24時
間反応させ、断片化した。
(4) インスリン結合ビトロネクチンフラグメントの
検出 前述(3)の方法によりブロムシアン分解したビトロネ
クチンフラグメント500μgを300μlのPBSに溶解し、
あらかじめPSBで平衡化しておいたインスリン固定化セ
フアロース4Bカラム(1.0×8.0cm)にかけて、0.5M NaC
l溶液にて洗浄した後、4M尿素を含むPBSで溶出した結
果、ビトロネクチンフラグメントの一部が固定化インス
リンカラムに吸着されることが示された。溶出されたビ
トロネクチンフラグメントを逆層高速液体クロマトグラ
フイーにより尿素を除き、エドマン分解自動分析装置
(ABI製)によつて、アミノ末端から4サイクルのアミ
ノ酸配列分析を行つた。その結果該ビトロネクチンフラ
グメントのアミノ末端よりのアミノ酸配列はAla-Pro-Ar
g-Proであることが認められた。
(5) ニトロセルロース膜上でのビトロネクチンフラ
グメントとパーオキシダーゼ標識インスリンとの結合 (4)で得られたビトロネクチンフラグメントを1mg/ml
となるようにPBSに溶解しこの溶液10μlを10〜20%SDS
ポリアクリルアミド電気泳動により分離しウエスタンプ
ロット法によりニトロセルロース膜に転写した後、100
μg/mlパーオキシダーゼ標識インスリン〔シグマ(Sigm
a)社製〕ツイーン(Tween)‐PBS溶液中で4℃にて一
晩反応させた。ニトロセルロース膜に結合したパーオキ
シダーゼ活性を4−クロロ−1−ナフトールと過酸化水
素を基質として検出した。
この結果、パーオキシダーゼ標識インスリンはビトロネ
クチンフラグメントに対して結合することが観察され
た。結果を第2図に示す。すなわち第2図は、SDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動により分離したビトロネ
クチンフラグメント(約6K)の蛋白染色パーオキシダー
ゼ標識インスリンによるを示した図である。
〔発明の効果〕
以上の説明より明らかなごとく、本発明のインスリン結
合活性を有するポリペプチドは、インスリンと結合する
という新規な活性を有するものであり、インスリンを用
いることに生化学的ないし医学的意義が見出せる分野に
有用な作用、効果を示すものである。特にインスリンの
新しい製剤及びドラツグデリバリーシステムに応用され
るものである。また、インスリンを成長因子とするガン
細胞を含む細胞の増殖抑制にも使用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図はビトロネクチンのインスリンセフアロースカラ
ムによるアフイニテイークロマトグラフイーの結果を示
す図、第2図はインスリン結合活性を有するブロムシア
ン分解ビトロネクチンフラグメントを特定したウエスタ
ンブロツテイングを表わす図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビトロネクチンをブロムシアン分解した結
    果生じる、アミノ末端からのアミノ酸配列がAla-Pro-Ar
    g-Proであるポリペプチドに含有されるインスリン結合
    活性部位を有するポリペプチドである(ただし、ビトロ
    ネクチンを除く)ことを特徴とするポリペプチド。
  2. 【請求項2】該ポリペプチドが、ビトロネクチンに含有
    されるポリペプチドである特許請求の範囲第1項記載の
    ポリペプチド。
  3. 【請求項3】該ポリペプチドが、ビトロネクチンのブロ
    ムシアン分解物であり、かつポリペプチドのアミノ末端
    からのアミノ酸配列がAla-Pro-Arg-Proである特許請求
    の範囲第1項又は第2項記載のポリペプチド。
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