JPH0774030B2 - 水中構造物点検用ロボット - Google Patents

水中構造物点検用ロボット

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JPH0774030B2
JPH0774030B2 JP63011063A JP1106388A JPH0774030B2 JP H0774030 B2 JPH0774030 B2 JP H0774030B2 JP 63011063 A JP63011063 A JP 63011063A JP 1106388 A JP1106388 A JP 1106388A JP H0774030 B2 JPH0774030 B2 JP H0774030B2
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幾雄 中村
勝彌 中津川
覚 野村
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Kansai Electric Power Co Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、水中構造物点検用ロボットに関し、例えばダ
ムや放水路のゲート及び除塵用スクリーンの点検等に利
用されるものである。
従来の技術 ダムや放水路のゲート及び除塵用スクリーンは、定期的
に点検を行い、損傷個所の早期発見とその補修を行う必
要があり、これらは、ダムの規模にもよるが水中深く
(深度60m以上の場合もある)に位置し、従来では、上
記点検作業等を専門のダイバーが潜水して行っているの
が実情である。
発明が解決しようとする問題点 従来、水中作業用の各種ロボットが提供されているが、
これらは、流れのある海中等で使用されるもので、流れ
に打ち勝つ速力を要し、それだけ重装備となり、大型大
重量となるため、山間部のダムには適用し難く、やむを
得ず、専門のダイバーによる作業に依存していたもの
で、これでは、長時間連続して潜水作業をすることはで
きず、危険性が伴うと共に、作業能率が低く、必要なデ
ータを定量的に入手することも困難である等の問題点が
あった。
また、従来、水中ロボットを地上から遠隔制御して、該
水中ロボットに搭載した1台のIVTカメラで点検個所を
撮影し、VTRに記録するようにした提案が特開昭61-2000
89号公報で公知であるが、この提案は、水垢等が付着し
ているダムゲート等の水中構造物の防錆塗膜の厚さや腐
食の程度を正確に点検できないし、また、除塵用スクリ
ーンのバーピッチの変化も正確に点検し難い。即ち、1
台のITVカメラで除塵用スクリーン全体を撮影し、正常
ピッチか異常ピッチかを一目で判定することは可能であ
るが、そうすると、カメラと被写体までの距離を大きく
しなければならず、水中では濁りの程度や流れの状態に
もよるが、映像が不鮮明となり易く、映像の歪みも生じ
易いため、正確は計測ができない。従って、被写体にで
きるだけ接近して撮影する必要があるが、そうすると、
全体像を捕捉することができず、部分的な映像しか得ら
れないため、正常ピッチか異常ピッチかを一目で判定す
ることは出来ない。この場合、ロボットが被写体に対し
て一定位置に保持されておれば、除塵用スクリーンの一
端から順に撮影してその都度バーピッチを比較すれば、
正常か異常かを判定することは可能であるが、水中でロ
ボットを定位置に停止保持させておくことが困難である
ため、この方法では、正確な計測ができない。
問題点を解決するための手段 本発明は、従来技術の上記問題点に鑑み開発されたもの
で、浮力体及び前後進用、上昇下降用、横進用の水中推
進機を備えた枠状フレーム構造のロボット本体と、ロボ
ット本体の前面に搭載された点検個所観察記録用撮影手
段と、地上から水中でのロボット本体の位置を検知する
位置認識装置と、地上からロボット本体の航行制御、撮
影手段の動作制御を行なう地上制御装置とを具備する水
中構造物点検用ロボットにおいて、地上制御装置によっ
て動作制御され、ダムゲート等の対象物の膜厚計測に先
立って、点検個所を局部的に清掃する回転ブラシと、こ
の回転ブラシで清掃された個所に向けて突出退入可能に
設置され、対象物の膜厚を計測する膜厚計測センサーと
をロボット本体の前面に搭載し、かつ、地上制御装置に
よって動作制御され、ダム等の取水口に取付けられた格
子状をなす除塵用スクリーンを撮影し、画像処理して三
角測量の原理で除塵用スクリーンのバーピッチを計測す
る2台のITVカメラからなる除塵用スクリーンのバーピ
ッチ計測手段をロボット本体の前面に搭載したものであ
る。
作用 水中での位置を位置認識装置で検知し乍ら、地上制御装
置でロボット本体の航行制御をなし、ダムゲートの塗膜
の状態及び除塵用スクリーンのバーピッチの変化の有無
を自動的に点検する。即ち、ゲートの塗膜は、流木その
他の固形流動物の衝突等で剥離や損傷を生じ、その結果
鉄板部分を腐食させる。このことは除塵用スクリーンに
ついても同様であり、特に、スクリーンの流木その他の
固形流動物の衝突はバーの変形や取付ボルトの折損を引
越し、これにによってバーピッチが変化し、粗大流動物
を通過させ、このことが重大事故の発生につながる恐れ
がある。本発明になる水中ロボットではこれらを防止す
るために、点検を行うが、塗膜厚さを測定、観察するゲ
ートには、水垢等のスライムと称される付着物が付着し
ており、これを除去しないと正確な観察や塗膜厚さの計
測はできない。
そこで、回転ブラシにより、点検個所のスライムを掃除
除去し、膜厚計を当接して塗膜厚を計測する。
塗膜厚の計測点は1つのゲートに対して、複数点を行う
もので、ロボット本体に搭載したITV(工業用テレビ)
カメラ等の撮影手段でゲートを観察し乍ら行う。大きい
損傷個所は、ITVカメラで発見でき、目視発見の困難な
場合でも膜厚計によって定量的に検出し記録する。
また、除塵用スクリーンのバーピッチの計測は2台のIT
Vカメラの映像の画像処理によって行い、原理的には三
角測量の原理でバーピッチを計測させるものである。
実施例 第1図は本発明の適用例を示す概略斜視図であって、
(A)はロボット本体、(B)は位置認識装置、(C)
は地上制御装置を示している。
ロボット本体(A)は、第2図〜第4図に示す様に橇型
の枠状フレーム(1)に、回転ブラシ付き膜厚計(D)
と、点検個所観察記録用撮影手段(E)と、バーピッチ
計測手段(F)と、浮力体(G)と、前後進用推進機
(H)と、上昇下降用推進機(I)と、横進用推進機
(J)と、回路ケース(K)と、光カプラ箱(L)と、
膜厚計箱(M)と、トランスポンダ(N)とを搭載して
いる。
回転ブラシ付き膜厚計(D)は、ロボット本体(A)の
前面一側に配置され、第5図及び第6図に示す様に、1
対の回転ブラシ(2)(3)と膜厚計測センサ(4)と
を有し、回転ブラシ(2)(3)の回転軸(2a)(3a)
は、密閉ケース(5)内の駆動モータ(図示省略)によ
り回転駆動され、常に定位置制御される。
膜厚計測センサ(4)は、密閉ケース(5)内の駆動モ
ータ(図示省略)により、回転ブラシ(2)(3)の間
から前後方向に突出退入するもので、電磁膜厚計が使用
され、ロボット本体(A)の上部に設置した膜厚計箱
(M)内のアンプを通して回路ケース(K)内の制御部
に接続されている。
点検個所記録用撮影手段(E)は、ロボット本体(A)
の前面他側に配置されたオートフォーカス型のスチール
カメラ(6)と、前面中央に配置されたITVカメラ
(7)とを備え、スチールカメラ(6)は、第7図〜第
9図に示す様に、密閉ケース(6a)内に収容され、一部
に一体にストロボ(6b)を有し、該密閉ケース(6a)は
内蔵したチルト機構(図示省略)によりチルト軸(6c)
を中心に上下方向にチルトでき、このチルト軸(6c)を
支持する取付台(6d)は、旋回軸(6e)を中心に旋回可
能とされ、パン回転用モータ(6f)により、伝動ベルト
(6g)を介して旋回駆動され、これによって任意の位置
の写真撮影を可能としている。
ITVカメラ(7)は、第10図に示す様に、前面を球形の
透明ガラス(7a)とした密閉ケース(7b)内に内蔵した
チルト機構(図示省略)によりチルト軸(7c)を中心に
チルトでき、かつ、旋回機構(7d)により中心点(7e)
を中心に旋回可能とされており、これによって任意の位
置の撮影を可能としている。
バーピッチ計測手段(F)は、第2図〜第4図に示す様
に、ロボット本体(A)の前面一側上部に設置された2
台のITVカメラ(8a)(8b)からなり、両カメラ(8a)
(8b)で捕らえたスクリーンの画像から三角測量の原理
でバーピッチ及びロボット本体(A)とスクリーンまで
の距離を計測するもので、この計測は、地上制御装置
(C)に付属するスクリーンバーピッチ計測装置(8c)
の画像処理により実施され、画像表示及び記録するもの
である。
浮力体(G)は、ロボット本体(A)を水中で水平に浮
遊させるためのもので、全重量と略等しい浮力をもつよ
うに考慮している。
前後進用推進機(H)は、ロボット本体(A)の重心位
置(O)より若干後方位置の左右両側に対照的に配置し
てあり、密閉型モータとプロペラとよりなっている。
上昇下降用推進機(I)は、ロボット本体(A)の重心
位置(O)を通る垂直軸線上に貫通状態で配置してあり
密閉型のモータとプロペラとよりなっている。
横進用推進機(J)は、ロボット本体(A)の重心位置
(O)の若干前方位置の左右方向に貫通状態で配置して
あり、密閉型モータとプロペラとよりなっている。
回路ケース(K)は、第2図〜第4図に示す様に、ロボ
ット本体(A)の後部中央に配置してあり、内部に、回
転ブラシの駆動制御機器、膜厚計の駆動制御機器、スチ
ールカメラ及びITVカメラの駆動制御機器、各方向推進
機の駆動制御機器を内蔵しており、光カプラ箱(L)を
介して地上制御装置(C)に光ファイバー動力複合ケー
ブル(P)で接続してある。
光カプラ箱(L)は、ロボット本体(A)の他端、即ち
バーピッチ計測手段(F)の配置位置と反対側の前面上
部に配置してある。
膜厚計箱(M)は、膜厚計のアンプを収納しており、こ
のアンプは、計測時、調整が必要なため、ロボット本体
(A)の後部上面に設置してある。
トランスポンダ(N)は、ロボット本体(A)の最後尾
上面に設置してあり、位置認識装置(B)との間で音響
による通信を行うものである。
位置認識装置(B)は、第1図に示す様に、水面に浮か
べた三角状の筏(9)の各頂点に音響送受波器(10a)
(10b)(10c)を設け、これとロボット本体(A)のト
ランスポンダ(N)間で音響による通信を行い、三角測
量の原理で任意の演算を行うもので、演算された位置
は、地上制御装置(C)に付属のCRT画面をもつ水中位
置表示装置(11)に表示される。
地上制御装置(C)は、第1図に示す様に、ロボット本
体(A)の航行制御を行うジョイスティックコントロー
ラ(12)、水中位置表示装置(11)、スクリーンバーピ
ッチ計測装置(8c)、各VTR装置、送受信インターフェ
ース(13)、電源制御箱(14)、発電機(15)等で構成
されている。
ジョイスティックコントローラ(12)は、ロボット本体
(A)の操縦の外、自動方位保持操作、テレビカメラ、
スチールカメラの操作を行うようにしている。
本発明の実施例は以上の構成からなり、次に動作を説明
する。
ロボット本体(A)及び三角状の筏(9)をクレーン
(16)等でダムの水上に下し、地上制御装置(C)及び
位置認識装置(B)でロボット本体(A)の航行を制御
し乍ら、ダムゲートに向かわせ、ダムゲートの塗膜の状
態および除塵用スクリーンのバーピッチの変化の有無を
点検する。
先ず、ダムゲートの点検は、回転ブラシ(2)(3)で
点検個所に付着しているスライム等を除去した上で膜厚
計測センサ(4)を圧接し、該センサ(4)から発射さ
れる電磁波が塗膜を透過し、鉄板面に達する時の磁束の
変化から間接的に塗膜厚さを計測するものである。
除塵用スクリーンのバーピッチの計測は、2台のIVTカ
メラ(8a)(8b)の映像から地上制御装置(C)に付属
のスクリーンバーピッチ計測装置(8c)により三角測量
の原理でバーピッチを計測する。
これらの点検作業で損傷個所や要補修個所が発見された
場合には、補修を行うものである。
発明の効果 本発明によれば、単に、撮影手段で撮影した映像だけで
は判断し難い損傷の程度や腐食の進行具合等を、定量的
な実測データに基いて判定して、損傷個所の早期発見と
その補修を行なうことができる。即ち、ダムゲート等の
対象物の塗膜厚さを計測する際、水垢等の付着物を回転
ブラシで清掃除去し、その上で計測することができ、こ
れによって、防錆塗膜や保護塗膜等の塗膜厚さを正確に
計測することができる。特に、膜厚の計測個所は、点検
個所観察記録用撮影手段によって対象物全体を観察し
て、適宜選定され、その選定された点検個所に回転ブラ
シを当接してその個所の付着物を局部的に清掃除去する
ため、小型軽量の回転ブラシ機構を装備させればよく、
ロボット全体の小型軽量化を図る上で極めて有効であ
り、しかも、付着物の清掃除去を非点検個所まで行なう
ような無駄がなく、必要最小限の範囲だけ清掃除去させ
るものであるから、短時間で効率よく清掃除去させるこ
とができ、膜厚の計測所要時間の短縮を図ることができ
る。また、膜厚計測センサーは、突出退入可能に設置し
てあるため、回転ブラシと干渉することがないと共に、
膜厚計測時以外では、退入させて膜厚計測センサーの損
傷を防止し、長期使用を可能とすることができる。
一方、ダム等の取水口に取付けられた格子状をなす除塵
用スクリーンの点検を行なう際、1台のIVTカメラ等で
撮影しただけでは、格子状のスクリーンを構成している
個々のバーピッチの変化を定量的に正確に計測すること
は困難であるが、本願発明では、2台のIVTカメラを使
用して三角測量の原理で計測しているため、個々のバー
ピッチの変化を定量的に正確に計測することができる。
これによって、バーピッチに変化があった場合、早期発
見、早期補修が図れ、粗大流動物が取水口から流入して
発電機のブレードを破損させる事故を未然に防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の適用例を示す概略斜視図、第2図はロ
ボット本体の側面図、第3図はその平面図、第4図はそ
の正面図、第5図は回転ブラシ付き膜厚計の拡大側面
図、第6図はその正面図、第7図はスチールカメラ部分
の側面図、第8図はその平面図、第9図はその正面図、
第10図はITVカメラ部分の横断平面図である。 (A)……ロボット本体、(B)……位置認識装置、
(C)……地上制御装置、(D)……回転ブラシ付き膜
厚計、(E)……点検個所観察記録用撮影手段、(F)
……バーピッチ計測手段、(G)……浮力体、(H)…
…前後進用推進機、(I)……上昇下降用推進機、
(J)……横進用推進機、(K)……回路ケース、
(N)……トランスポンダ、(1)……枠状ケース、
(2)(3)……回転ブラシ、(4)……膜厚計測セン
サ、(6)……スチールカメラ、(7)……ITVカメ
ラ、(8a)(8b)……ITVカメラ、(9)……三角状の
筏、(10a)(10b)(10c)……音響送受波器、(11)
……水中位置表示装置、(12)……ジョイスティックコ
ントローラ、(8c)……スクリーンバーピッチ計測装
置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浮力体及び前後進用、上昇下降用、横進用
    の水中推進機を備えた枠状フレーム構造のロボット本体
    と、ロボット本体の前面に搭載された点検個所観察記録
    用撮影手段と、地上から水中でのロボット本体の位置を
    検知する位置認識装置と、地上からロボット本体の航行
    制御、撮影手段の動作制御を行なう地上制御装置とを具
    備する水中構造物点検用ロボットにおいて、 地上制御装置によって動作制御され、ダムゲート等の対
    象物の膜厚計測に先立って、点検個所を局部的に清掃す
    る回転ブラシと、この回転ブラシで清掃された個所に向
    けて突出退入可能に設置され、対象物の膜厚を計測する
    膜厚計測センサーとをロボット本体の前面に搭載し、か
    つ、地上制御装置によって動作制御され、ダム等の取水
    口に取付けられた格子状をなす除塵用スクリーンを撮影
    し、画像処理して三角測量の原理で除塵用スクリーンの
    バーピッチを計測する2台のITVカメラからなる除塵用
    スクリーンのバーピッチ計測手段をロボット本体の前面
    に搭載したことを特徴とする水中構造物点検用ロボッ
    ト。
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