JPH0773759A - 安定化層を備えた酸化物超電導テープの製造方法 - Google Patents

安定化層を備えた酸化物超電導テープの製造方法

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JPH0773759A
JPH0773759A JP5221468A JP22146893A JPH0773759A JP H0773759 A JPH0773759 A JP H0773759A JP 5221468 A JP5221468 A JP 5221468A JP 22146893 A JP22146893 A JP 22146893A JP H0773759 A JPH0773759 A JP H0773759A
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伸行 定方
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宰 河野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、長尺ものにおいても十分な厚さの
安定化層を短時間で形成でき、製造途中に酸化物超電導
層に十分な酸素を供給して製造途中に酸化物超電導層を
劣化させることがない製造方法を提供することを目的と
する。 【構成】 本発明はテープ状の基材1上に成膜法で中間
層2と酸化物超電導層3を形成し、この酸化物超電導層
3上に成膜法によりAgなどの貴金属またはその合金か
らなる良導電性の下地安定化薄膜4を形成して素導体5
を構成し、次にこの素導体5を酸素雰囲気中で1次熱処
理して雰囲気中の酸素を下地安定化薄膜4を介して酸化
物超電導層3に供給し、酸化物超電導層3と下地安定化
薄膜4の界面抵抗を下げ、続いて下地安定化薄膜4上に
メッキ法によりCuあるいはAlなどの良導電性金属材
料の安定化層6を形成し、この後に不活性ガス雰囲気中
で最終熱処理して下地安定化薄膜4と安定化層6との界
面抵抗を下げるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、安定化材を備えた酸
化物系超電導テープの製造方法に関するもので、この超
電導テープは、超電導発電機、エネルギー貯蔵、電力輸
送などへの応用開発が進められているものである。
【0002】
【従来の技術】一般に超電導テープなどの超電導体にあ
っては、臨界温度と臨界電流と臨界磁界の3つのパラメ
ータで規定される臨界条件の範囲内において超電導状態
を維持することができる。よって、超電導体の使用条件
によっては、超電導体の一部の領域に常電導の芽が発生
して発熱を引き起こし、この領域が伝播して広がると、
超電導体の全体が常電導状態に転移するクエンチを引き
起こすおそれがある。そこで一般的に、前記超電導体の
クエンチ現象を阻止するために、超電導体に良導電性の
金属製の安定化材を複合して設け、通電中に前記常電導
の芽を生じた場合において、前記の安定化材に電流を流
すことができるような構成を採用し、超電導体の安定化
を図ることがなされている。
【0003】ところで、このような安定化材を複合した
酸化物系超電導テープの一構成例として、テープ状の基
材上に酸化物超電導層を形成し、この酸化物超電導層上
に、Agからなる安定化層をスパッタリングあるいは蒸
着などの成膜法により形成することが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スパッ
タリングや蒸着法によれば、Agの安定化層の形成速度
が数μm〜数10μm程度であって、形成速度が極めて
遅いがために、これらの方法で安定化層を長尺の超電導
テープに形成すると、超電導テープの製造に時間がかか
り過ぎる問題がある。また、超電導特性の安定性を高め
るためには、数10〜100μm以上の十分な厚さの安
定化材が必要なために、前記の成膜法を用いたのでは製
造効率を上げることができない問題がある。
【0005】一方、酸化物超電導体が発見される以前に
知られていた金属系あるいは金属間化合物系の超電導体
用の安定化材として、金属系材料のCuやAlが知られ
ているが、これらを単に酸化物超電導体用の安定化材と
して使用すると以下に説明する問題を生じる。それは、
CuやAlからなる安定化材を直接酸化物超電導層の上
に形成すると酸化物超電導体を熱処理する際に、安定化
材と酸化物超電導層との間で元素の拡散反応が生じ、超
電導層の一部の元素が拡散移動して組成がくずれたり、
安定化材の元素の一部が超電導層側に侵入して組成がく
ずれることになり、超電導特性が著しく低下する問題が
あった。このような背景からこの種の酸化物超電導体用
の安定化材をAgから構成することが一般的であるが、
Agの安定化材を用いた場合に前記の如く製造時間が長
く、製造効率が悪くなる問題がある。
【0006】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
あり、安定化層を備える長尺の超電導テープを製造する
場合に、長尺ものにおいても十分な厚さの安定化層を短
時間で形成できるとともに、製造途中に酸化物超電導層
に十分な酸素を供給することができ、製造途中に酸化物
超電導層を劣化させることがない酸化物超電導テープの
製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は前
記課題を解決するために、テープ状の基材上に成膜法に
より中間層と酸化物超電導層を形成し、次いでこの酸化
物超電導層上に成膜法によりAgなどの貴金属またはそ
の合金からなる良導電性の下地安定化薄膜を形成して素
導体を構成し、次いでこの素導体を酸素雰囲気中におい
て1次熱処理して雰囲気中の酸素を下地安定化薄膜を介
して酸化物超電導層に供給するとともに酸化物超電導層
と下地安定化薄膜との界面抵抗を下げ、続いて前記下地
安定化薄膜上にメッキ法によりCuあるいはAlなどの
良導電性金属材料からなる安定化層を形成し、この後に
不活性ガス雰囲気中において最終熱処理して下地安定化
薄膜と安定化層との界面抵抗を下げるものである。
【0008】
【作用】本発明においては、基材上に中間層を介して酸
化物超電導層を形成し、その上に貴金属またはその合金
からなる下地安定化薄膜を介してメッキ法により良導電
性金属材料の安定化層を形成し、熱処理を施すので、メ
ッキ法により厚い安定化層を容易に短時間で形成でき
る。よって、十分な厚さの安定化層を具備する長尺の超
電導テープを製造でき、超電導特性の安定性に優れた長
尺の超電導テープが得られる。
【0009】また、酸化物超電導層を中間層上に形成
し、その後に貴金属またはその合金からなる下地安定化
薄膜を形成した後に酸素雰囲気中で1次熱処理し、酸素
拡散係数の高い薄い下地安定化薄膜を介して酸化物超電
導層に雰囲気中の酸素を供給するので、この熱処理によ
り酸化物超電導体に十分な酸素を補給することができ、
超電導特性の向上に寄与する。更に、安定化層と酸化物
超電導層との間に貴金属またはその合金からなる下地安
定化薄膜を形成するので、最終熱処理時に安定化層の元
素と酸化物超電導層の元素が相互拡散することを下地安
定化薄膜で防止することができ、超電導特性が劣化して
いない状態の酸化物超電導層を有する超電導テープが得
られる。
【0010】更にまた、酸化物超電導層上に下地安定化
薄膜を形成した後に1次熱処理を施し、下地安定化薄膜
上に安定化層を形成した後に最終熱処理するので、1次
熱処理により酸化物超電導層と下地安定化薄膜の界面の
接触電気抵抗を低減できるとともに、最終熱処理により
下地安定化薄膜と安定化層の界面の接触電気抵抗を低減
できるので、酸化物超電導層と下地安定化薄膜と安定化
層のそれぞれが、低い接触電気抵抗を介して連続され
る。よって、酸化物超電導層に対する通電中に酸化物超
電導層の一部領域に常電導の芽の部分を生じようとした
場合、この部分に流れる電流を下地安定化薄膜を介して
安定化層に円滑に流すことができ、これにより酸化物超
電導層の安定性が高まる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。本発明方法を実施して酸化物超電導テープ
を製造するには、まず、図1に示すようなテープ状の基
材1を用意する。この基材1は、ステンレス鋼、銅、ハ
ステロイ(ハステロイC-276等)などのニッケル合
金などに代表される各種金属材料から、あるいは、各種
のガラスまたはセラミックスなどから構成されるものの
いずれを用いても良い。
【0012】前記基材1を用意したならば、図1に示す
ように、この基材1上に拡散バリアとしての中間層2を
成膜法により形成する。この中間層2は、後に中間層2
の上に形成される酸化物超電導層の結晶に近い結晶組織
を有し、酸化物超電導層の熱膨張率に近い熱膨張率を有
するものが好ましい。よって、中間層2を構成する材料
は、YSZ(イットリウム安定化ジルコニア)、SrT
iO3、MgOなどのセラミックス系の材料が好まし
い。この中間層2を形成する具体的方法は、スパッタ
法、真空蒸着法、レーザ蒸着法、化学気相成長法(CV
D)などのいずれの成膜法を用いても良い。基材1とし
て長尺のものを用いる場合は、使用する成膜装置の真空
チャンバの内部にテープの送出装置と巻取装置を設け、
送出装置から送り出した基材を真空チャンバの内部で連
続的に所定の速度で移動させながら巻取装置で巻き取
り、移動中の基材に連続成膜処理を行なえば良い。な
お、ここで行なう成膜処理においては長尺の基材1を用
いることを想定しているので、均質な膜を連続的に長時
間成膜することが可能なレーザ蒸着法を用いることが好
ましい。
【0013】基材1上に中間層2を形成したならば、次
に中間層2上に酸化物超電導層3を図2に示すように形
成する。ここで形成する酸化物超電導層3は、Y1Ba2
Cu37-x、Y2Ba4Cu8x、Y3Ba3Cu6Oxなる組
成、あるいは(Bi,Pb)2Ca2Sr2Cu3x、(B
i,Pb)2Ca2Sr3Cu4xなる組成、あるいは、T
2Ba2Ca2Cu3x、Tl1Ba2Ca2Cu3x、T
1Ba2Ca3Cu4xなる組成などに代表される臨界
温度の高い酸化物超電導体のいずれからなるものでも良
い。
【0014】この酸化物超電導層3の成膜においても前
記と同様の種々の成膜法を用いることができるが、均質
な膜を連続的に長時間成膜することが可能なレーザ蒸着
法を用いることが好ましい。このレーザ蒸着を行なうに
は、ターゲットとして例えばY1Ba2Cu37-xなる組
成の酸化物あるいは酸化物超電導体ターゲットを使用
し、基材を500〜800℃程度の所望の温度に加熱
し、真空チャンバの内部を酸素を含む減圧雰囲気とし、
基材1を1時間に数10cm程度の速度で移動させなが
ら成膜処理を行えば良い。この処理によって数時間〜数
10時間の処理で1〜数μm程度の厚さの酸化物超電導
層3を長さ数10cm〜数mにわたり形成することがで
きる。
【0015】次に前記の酸化物超電導層3の上に下地安
定化薄膜4を形成して図2に示す素導体5を形成する。
前記下地安定化薄膜4は銀、金、白金などの貴金属ある
いはそれらの合金からなり、厚さ数μm〜数10μm程
度のものである。ここで用いる下地安定化薄膜4の構成
材料として酸素の拡散係数が高い銀あるいは白金などを
用いることが特に好ましい。この下地安定化薄膜4は、
後述する酸素雰囲気中で行なう熱処理時において、雰囲
気中の酸素を酸化物超電導層3側に導く必要があるので
必要以上に厚く形成する必要はない。また、この下地安
定化薄膜4は酸化物超電導層3を保護し、後述する最終
熱処理時に酸化物超電導層3の元素が外部に拡散しない
ように保護する役割をはたすので、薄く形成し過ぎるこ
とも好ましくない。よって数μm〜20μm程度の厚さ
にすることが好ましい。
【0016】下地安定化薄膜4を形成する方法は、前述
の各種成膜法のいずれを用いても良い。この下地安定化
薄膜4の厚さは、前述のように数μm〜20μm程度で
あるので、前述のいずれの成膜法を用いても前記の範囲
の厚さで支障なく十分な厚さの下地安定化薄膜4を長尺
の酸化物超電導層3上に形成することができる。よって
この下地安定化薄膜4の形成のために長い時間を要する
ことはない。
【0017】素導体5を形成したならば、これを酸素ガ
スを含む雰囲気中において500〜600℃の温度で数
時間加熱する熱処理を施す。この熱処理により雰囲気中
の酸素を下地安定化薄膜4を介して酸化物超電導層3に
供給し、酸素不足を補う処理を施す。この熱処理によ
り、酸化超電導層3の酸素不足を補なって結晶構造を整
え、超電導特性の向上を図ると同時に、酸化物超電導層
3と銀などからなる下地安定化薄膜4との界面抵抗値を
低減する。
【0018】次に、前記下地安定化薄膜4の上にメッキ
法により良導電性の金属材料からなる厚さ数10〜数1
00μm程度の安定化層6を形成して酸化物超電導テー
プ7を得る。前記のメッキ法によれば、長尺の基材1上
の下地安定化薄膜4の上にも厚い層を容易に被覆できる
ので、超電導特性の安定化のための層として十分な厚さ
を有する安定化層6を容易に形成できる。
【0019】安定化層6を形成したならば、全体をN2
あるいはArガスなどの不活性ガス雰囲気中において5
00〜600℃の温度において数時間加熱する最終熱処
理を施す。この最終熱処理は、下地安定化薄膜4と安定
化層6との界面の抵抗値を下げるために行なう。また、
不活性ガス雰囲気中で行なうのは、安定化層6を構成す
る金属元素の酸化を防止するためである。なお、この最
終熱処理を行なう場合に、安定化層6の構成元素が酸化
物超電導層3側に拡散するおそれがあるが、それらの間
に下地安定化薄膜4を設けているので、酸化物超電導層
3に対する不用元素の拡散を抑制できる。よって最終熱
処理により酸化物超電導層3の特性が劣化することはな
い。
【0020】以上の方法を実施することで十分な厚さを
有する良導電性の安定化層6を備えた超電導特性に優れ
た酸化物超電導テープ7を得ることができる。
【0021】
【実施例】ハステロイC-276からなる金属テープ基
材(幅5mm、厚さ0.1mm、長さ2000mm)を
用い、この金属テープ基材上に、拡散バリアとしてのY
SZの中間層をRFスパッタ法により形成した。中間層
を形成するには、2×10-3Torrに減圧した真空チ
ャンバの内部で金属テープ基材を0.2m/時間の割合
で移動させて室温にて30ccMのArガスを導入し、
RFパワー300Wで成膜する方法を行なった。次に、
エキシマレーザをターゲットに照射するレーザ蒸着法を
用いて中間層上にY1Ba2Cu37-xなる組成の酸化部
超電導層を形成した。この際のターゲット組成とレーザ
蒸着条件は、以下の表1の通りである。
【0022】
【表1】
【0023】真空チャンバの内部で中間層付きの金属テ
ープ基材を0.2m/時間の割合で移動させて表1の条
件でレーザ蒸着を行ない、厚さ0.8〜1.0μmの酸化
物超電導層を形成した。次に、スパッタリングにより前
記の酸化物超電導層上に厚さ10μmの銀の下地安定化
薄膜を2時間かけて形成した。この際に、スパッタ装置
の真空チャンバの内部を2×10-3Torrに減圧し、
銀のターゲットを用いた。次いで全体を500℃で2時
間加熱する1次熱処理を施し、下地安定化薄膜と酸化物
超電導層の界面抵抗を低減する1次熱処理を施した。
【0024】続いて全体をメッキ液に浸漬した後に引き
上げるメッキ処理を施して下地安定化薄膜上に厚さ10
0μmの銅の安定化層を形成した。この際に、メッキ液
としてシアン系の組成のものを用い、電流密度10A/
dm2として1時間の処理を行なった。最後に、N2ガス
雰囲気において500℃で2時間加熱する最終熱処理を
施した。
【0025】得られた酸化物超電導テープを液体窒素で
冷却してその臨界電流密度(Jc)を測定したところ、
Jc=1×104A/cm2(77K、0T)の優れた特
性を得ることができた。これにより、Y1Ba2Cu3
7-xなる組成の酸化物超電導層上に銀の下地安定化薄膜
と銅の安定化層を形成した超電導テープは、優れた超電
導特性を発揮することを確認できた。
【0026】「比較例」前記の工程において、1次熱処
理を省略して超電導テープを製造すると、得られた超電
導テープの超電導層に酸素が導入されていないため、超
電導特性を示さなかった。また、下地安定化金属層なし
で直接Cuの安定化層(100μm)を形成した場合、
500℃×2時間の最終熱処理によりCuとBCOとの
間の相互拡散反応が生じ、得られた超電導テープの臨界
温度が77Kよりも低下し、超電導特性が劣化した。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、基
材上に中間層を介して酸化物超電導層を形成し、その上
に貴金属からなる下地安定化薄膜を介してメッキ法によ
り良導電性金属材料の安定化層を形成し、熱処理を施す
ものであるので、メッキ法により厚い安定化層を容易に
短時間で形成できる。よって、十分な厚さの安定化層を
具備する長尺の超電導テープを容易に製造できるので、
超電導特性の安定性に優れた長尺の超電導テープを従来
の成膜法による場合に比べて短時間で容易に製造するこ
とができる。
【0028】また、酸化物超電導層を中間層上に形成
し、その後に貴金属またはその合金からなる下地安定化
薄膜を形成した後に酸素雰囲気中で1次熱処理し、酸素
拡散係数が高く、薄い下地安定化薄膜を介して酸化物超
電導層に雰囲気中の酸素を供給するので、この熱処理に
より酸化物超電導体に十分な酸素を補給して酸素不足を
補うことができ、超電導特性を向上させる効果を得るこ
とができる。更に、安定化層と酸化物超電導層との間に
貴金属またはその合金からなる下地安定化薄膜を形成す
るので、熱処理時に安定化層の元素と酸化物超電導層の
元素が相互拡散することを下地安定化薄膜で防止するこ
とができ、熱処理を施しても超電導特性が劣化しない酸
化物超電導テープを得ることができる。
【0029】更にまた、酸化物超電導層上に下地安定化
薄膜を形成した後に1次熱処理を施し、下地安定化薄膜
上に安定化層を形成した後に最終熱処理するので、1次
熱処理により酸化物超電導層と下地安定化薄膜の界面の
接触電気抵抗を低減できるとともに、最終熱処理により
下地安定化薄膜と安定化層の界面の接触電気抵抗を低減
できるので、酸化物超電導層と下地安定化薄膜と安定化
層がそれらの界面の低い接触電気抵抗を介して連続され
ることになる。よって酸化物超電導層に通電中に酸化物
超電導層の一部領域に常電導の芽の部分を生じてもこの
部分に流れる電流を下地安定化薄膜を介して安定化層に
円滑に流すことができ、これにより酸化物超電導層の安
定性を高めることができる。よって、安定化層付きの臨
界電流特性の優れた酸化物超電導テープを製造できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は基材上に中間層を形成した状態を示す断
面図である。
【図2】図2は図1に示す中間層上に酸化物超電導層を
形成した状態を示す断面図である。
【図3】図3は図2に示す酸化物超電導層上に下地安定
化薄膜を形成した状態を示す断面図である。
【図4】図4は得られた酸化物超電導テープを示す断面
図である。
【符号の説明】
1…基材、 2…中間層、 3…酸化物超
電導層、4…下地安定化薄膜、 5…素導体、 6…
安定化層、7…酸化物超電導テープ、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 隆 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内 (72)発明者 河野 宰 東京都江東区木場1丁目5番1号 株式会 社フジクラ内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープ状の基材上に成膜法により中間層
    と酸化物超電導層を形成し、次いでこの酸化物超電導層
    上に成膜法によりAgなどの貴金属またはその合金から
    なる良導電性の下地安定化薄膜を形成して素導体を構成
    し、次いでこの素導体を酸素雰囲気中において1次熱処
    理して雰囲気中の酸素を下地安定化薄膜を介して酸化物
    超電導層に供給するとともに酸化物超電導層と下地安定
    化薄膜との界面抵抗を下げ、続いて前記下地安定化薄膜
    上にメッキ法によりCuあるいはAlなどの良導電性金
    属材料からなる安定化層を形成し、この後に不活性ガス
    雰囲気中において最終熱処理して下地安定化薄膜と安定
    化層との界面抵抗を下げることを特徴とする安定化層を
    備えた酸化物超電導テープの製造方法。
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