JPH0628930A - 酸化物超伝導体線材及びその製造方法 - Google Patents
酸化物超伝導体線材及びその製造方法Info
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- JPH0628930A JPH0628930A JP4182355A JP18235592A JPH0628930A JP H0628930 A JPH0628930 A JP H0628930A JP 4182355 A JP4182355 A JP 4182355A JP 18235592 A JP18235592 A JP 18235592A JP H0628930 A JPH0628930 A JP H0628930A
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- Japan
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- oxide superconductor
- layer
- metal
- wire
- oxide
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E40/00—Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
- Y02E40/60—Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment
Landscapes
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 大電流を流すことが可能で、しかも電流リー
ドとして用いた場合熱侵入の少ない酸化物超伝導体線材
及びその製造方法を提供する。 【構成】 酸化物超伝導体層と金属層が交互に積層され
て構成されたものであり、且つ最外層に金属層を有する
酸化物超伝導体線材。また、前記線材を製造するにあた
っては、酸化物超伝導体の前駆体と金属層とを積層し、
熱処理によって該前駆体を酸化物超伝導体層とする。
ドとして用いた場合熱侵入の少ない酸化物超伝導体線材
及びその製造方法を提供する。 【構成】 酸化物超伝導体層と金属層が交互に積層され
て構成されたものであり、且つ最外層に金属層を有する
酸化物超伝導体線材。また、前記線材を製造するにあた
っては、酸化物超伝導体の前駆体と金属層とを積層し、
熱処理によって該前駆体を酸化物超伝導体層とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大電流を流すことが可
能でしかも電流リード等として用いた場合熱侵入の少な
い酸化物超伝導体線材及びその製造方法に関するもので
ある。
能でしかも電流リード等として用いた場合熱侵入の少な
い酸化物超伝導体線材及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】酸化物超伝導体線材の製造方法は大別し
て下記の2種類が知られている。
て下記の2種類が知られている。
【0003】 酸化物超伝導体或はその前駆体を銀パ
イプに詰め塑性加工を行うパウダー・イン・チューブ法
によって棒状又はテープ状の線材を作製し、それに熱処
理を施す方法で、最もよく汎用されている。
イプに詰め塑性加工を行うパウダー・イン・チューブ法
によって棒状又はテープ状の線材を作製し、それに熱処
理を施す方法で、最もよく汎用されている。
【0004】 ディップコート法やドクターブレード
法を用いてテープ状線材を製造する方法。
法を用いてテープ状線材を製造する方法。
【0005】戸叶等は、ディップコート法やドクターブ
レード法により作製したテープ状線材を部分溶融温度で
熱処理することにより、良好な配向と弱結合を有する高
いJcを持つ線材を開発した。特に超伝導粒子を配向さ
せるには基盤にAgを用いることが最も良いことが知ら
れている(Jpn. J. Appl. Phys.V
ol.29(1990)L1096)。その製造方法は
Agのテープにディップコート法又はドクターブレード
法を用いてその片面若しくは両面に酸化物超伝導体物質
或はその前駆体をコーティングした後、熱処理を行うも
のである。通電量を増やす場合はテープの幅を大きくし
たりテープを積層することにより対応している。
レード法により作製したテープ状線材を部分溶融温度で
熱処理することにより、良好な配向と弱結合を有する高
いJcを持つ線材を開発した。特に超伝導粒子を配向さ
せるには基盤にAgを用いることが最も良いことが知ら
れている(Jpn. J. Appl. Phys.V
ol.29(1990)L1096)。その製造方法は
Agのテープにディップコート法又はドクターブレード
法を用いてその片面若しくは両面に酸化物超伝導体物質
或はその前駆体をコーティングした後、熱処理を行うも
のである。通電量を増やす場合はテープの幅を大きくし
たりテープを積層することにより対応している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】超伝導線材を送電ケー
ブルや超伝導マグネットに応用する場合、線材(Ag+
超伝導体物質)の単位断面積当たりの臨界電流値即ち臨
界電流密度(以下「Jc」という)を出来るだけ大きく
する必要がある。この値を向上させるには酸化物超伝導
体自体でのJc値を上げるか、或は線材中のAgの比率
を下げなければならない。しかしながらパウダー・イン
・チューブ法においてAgの比率を下げると塑性加工時
にシース材にひび割れが生じる為、加工後のAgシース
の厚さを20μm以下にすることは困難である。一方、
パウダー・イン・チューブ法以外の化学反応法或は物理
蒸着法を用いれば薄いAgテープ基盤上に酸化物超伝導
体物質或はその前駆体をコーティングでき、Agの比率
の低いテープ線材の作製が可能であるが、酸化物超伝導
体層が1層しかない為Jc値は大きくても通電量の小さ
い線材しか作製できなかった。また、テープ線材を薄く
すると機械強度が低下し、取扱い時の折れ曲がり等によ
ってJcの劣化が著しいという欠点があった。従って上
記の方法でJc値が大きく且つ通電量の大きな線材の製
造は困難であった。更にAgシース線材を超伝導マグネ
ットの電流リードに応用する場合、電流リードを伝わっ
て侵入する熱量が問題となり、金属であるAgの比率が
高いと侵入する熱量が大きくなる為液体ヘリウムの蒸発
量が大きくなってしまうという問題点もある。図2に従
来のパウダー・イン・チューブ法で作製した線材の断面
を示す。
ブルや超伝導マグネットに応用する場合、線材(Ag+
超伝導体物質)の単位断面積当たりの臨界電流値即ち臨
界電流密度(以下「Jc」という)を出来るだけ大きく
する必要がある。この値を向上させるには酸化物超伝導
体自体でのJc値を上げるか、或は線材中のAgの比率
を下げなければならない。しかしながらパウダー・イン
・チューブ法においてAgの比率を下げると塑性加工時
にシース材にひび割れが生じる為、加工後のAgシース
の厚さを20μm以下にすることは困難である。一方、
パウダー・イン・チューブ法以外の化学反応法或は物理
蒸着法を用いれば薄いAgテープ基盤上に酸化物超伝導
体物質或はその前駆体をコーティングでき、Agの比率
の低いテープ線材の作製が可能であるが、酸化物超伝導
体層が1層しかない為Jc値は大きくても通電量の小さ
い線材しか作製できなかった。また、テープ線材を薄く
すると機械強度が低下し、取扱い時の折れ曲がり等によ
ってJcの劣化が著しいという欠点があった。従って上
記の方法でJc値が大きく且つ通電量の大きな線材の製
造は困難であった。更にAgシース線材を超伝導マグネ
ットの電流リードに応用する場合、電流リードを伝わっ
て侵入する熱量が問題となり、金属であるAgの比率が
高いと侵入する熱量が大きくなる為液体ヘリウムの蒸発
量が大きくなってしまうという問題点もある。図2に従
来のパウダー・イン・チューブ法で作製した線材の断面
を示す。
【0007】図3に従来のドクターブレード法で作製し
たテープ線材の断面を示すが、この方法で作られた線材
をコイル化する際には、図4に示すように各線材間に絶
縁材を挟む必要があり、この為酸化物超伝導体自体の占
有率が低下して発生する磁場の向上の障害となってい
た。
たテープ線材の断面を示すが、この方法で作られた線材
をコイル化する際には、図4に示すように各線材間に絶
縁材を挟む必要があり、この為酸化物超伝導体自体の占
有率が低下して発生する磁場の向上の障害となってい
た。
【0008】本発明は以上のような状況に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、Jc値が高く大電流を流
すことが可能で、しかも電流リード等に使用した場合の
侵入熱量が少なく、更に物理的強度に優れてJc劣化の
少ない超伝導体線材及びその線材を安価で効率よく製造
する方法を提供することにある。
たものであって、その目的は、Jc値が高く大電流を流
すことが可能で、しかも電流リード等に使用した場合の
侵入熱量が少なく、更に物理的強度に優れてJc劣化の
少ない超伝導体線材及びその線材を安価で効率よく製造
する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
の出来た本発明の酸化物超伝導体線材は、金属基板の片
側もしくは両側に酸化物超伝導体層と金属層とが交互に
積層して構成されたものであり、且つ最外層に金属層を
有することに要旨を有する。またその製造にあたって
は、酸化物超伝導体の前駆体と金属層とを積層し、熱処
理によって該前駆体を酸化物超伝導体層とすればよい。
の出来た本発明の酸化物超伝導体線材は、金属基板の片
側もしくは両側に酸化物超伝導体層と金属層とが交互に
積層して構成されたものであり、且つ最外層に金属層を
有することに要旨を有する。またその製造にあたって
は、酸化物超伝導体の前駆体と金属層とを積層し、熱処
理によって該前駆体を酸化物超伝導体層とすればよい。
【0010】
【作用】本発明者等はJc値が高くしかも物理的強度が
高くて侵入熱量の少ない超伝導線材の構造について種々
検討した結果、酸化物超伝導体と金属が積層した構造の
線材が上記した要求特性を満たすことを見出した。パウ
ダー・イン・チューブ法を用いて線材を作製した場合、
Agの占有率を下げることは困難であるが、Agの薄い
テープにスリップキャスティング法等を用いて酸化物超
伝導体或はその前駆体(以下「酸化物超伝導体」で代表
する)をコーティングして作製した線材はパウダー・イ
ン・チューブ法で作製した線材と比較してAgの占有率
が約3分の1の線材が作製できる。そこで、酸化物超伝
導体層と薄い金属層を積層することにより、Ag(若し
くは他の金属)の占有率が低く従ってJc値が高く、し
かも大電流を流すことが可能な超伝導線材が得られるこ
とを見出した。
高くて侵入熱量の少ない超伝導線材の構造について種々
検討した結果、酸化物超伝導体と金属が積層した構造の
線材が上記した要求特性を満たすことを見出した。パウ
ダー・イン・チューブ法を用いて線材を作製した場合、
Agの占有率を下げることは困難であるが、Agの薄い
テープにスリップキャスティング法等を用いて酸化物超
伝導体或はその前駆体(以下「酸化物超伝導体」で代表
する)をコーティングして作製した線材はパウダー・イ
ン・チューブ法で作製した線材と比較してAgの占有率
が約3分の1の線材が作製できる。そこで、酸化物超伝
導体層と薄い金属層を積層することにより、Ag(若し
くは他の金属)の占有率が低く従ってJc値が高く、し
かも大電流を流すことが可能な超伝導線材が得られるこ
とを見出した。
【0011】本発明に係る酸化物超伝導体としてはその
種類及び組成は特に限定されず、Bi系,Y系等が例示
される。また酸化物超伝導層を形成する場合、酸化物超
伝導体物質そのものをコーティングしても良いが、その
前駆体をコーティングした後に公知の技術に従い熱処理
を施して酸化物超伝導体層としても勿論構わない。
種類及び組成は特に限定されず、Bi系,Y系等が例示
される。また酸化物超伝導層を形成する場合、酸化物超
伝導体物質そのものをコーティングしても良いが、その
前駆体をコーティングした後に公知の技術に従い熱処理
を施して酸化物超伝導体層としても勿論構わない。
【0012】酸化物超伝導体層を形成する方法としては
特に限定されず、スリップキャスティング法の他、CV
D法,化学輸送法,スプレー法等の化学反応法或は真空
蒸着法,スパッタリング法,イオンプレーティング法,
プラズマスプレー法等の物理蒸着法などが挙げられる。
またコーティングする酸化物超伝導体層の各々の層の厚
さは、熱処理後の厚さとして30〜40μmになるよう
にすることが望ましい。層厚が薄すぎると、十分なJc
値が確保できず、一方、層厚が厚すぎると十分な物理的
強度が得られない為である。
特に限定されず、スリップキャスティング法の他、CV
D法,化学輸送法,スプレー法等の化学反応法或は真空
蒸着法,スパッタリング法,イオンプレーティング法,
プラズマスプレー法等の物理蒸着法などが挙げられる。
またコーティングする酸化物超伝導体層の各々の層の厚
さは、熱処理後の厚さとして30〜40μmになるよう
にすることが望ましい。層厚が薄すぎると、十分なJc
値が確保できず、一方、層厚が厚すぎると十分な物理的
強度が得られない為である。
【0013】金属層の構成は、超伝導粒子の配向性を考
慮してAgのみ、或は図7に示すようにAg−Ag以外
の金属−Agとすることが好ましい。後者の場合Ag以
外の金属としては、伝導性等の点からCu,Ni等が好
ましい。
慮してAgのみ、或は図7に示すようにAg−Ag以外
の金属−Agとすることが好ましい。後者の場合Ag以
外の金属としては、伝導性等の点からCu,Ni等が好
ましい。
【0014】金属層を形成する方法としては特に限定さ
れず、例えば電解メッキ法,無電解メッキ法等の湿式
法或は化学蒸着,物理蒸着,溶射法等の乾式法等の中
から適宜選択すれば良い。金属層の厚さも特に限定され
ないが、Jc値や熱侵入を考慮すると出来るだけ薄いこ
とが望ましい。積層後の機械強度の点も考慮して100
〜100μm以下の範囲が好ましい。
れず、例えば電解メッキ法,無電解メッキ法等の湿式
法或は化学蒸着,物理蒸着,溶射法等の乾式法等の中
から適宜選択すれば良い。金属層の厚さも特に限定され
ないが、Jc値や熱侵入を考慮すると出来るだけ薄いこ
とが望ましい。積層後の機械強度の点も考慮して100
〜100μm以下の範囲が好ましい。
【0015】次に図5に示すようにスリップキャスティ
ング法と金属メッキ法を組み合せた方法を用いて本発明
の超伝導線材を製造する方法を具体例として挙げて本発
明を更に詳細に説明する。尚、図5はあくまで本発明の
超伝導線材を製造する方法の一例を示すものであって本
発明を制限するものではない。先ずAg基板の両面にス
リップキャスティング法を用いて酸化物超伝導体をコー
ティングし加熱,乾燥する。尚、Ag以外の金属を基板
に用いる場合はその金属の表面に先ずAgをコーティン
グしてから使用する(図6(a))。その後表面に金属
層をコーティングする(図6(b))。次にコーティン
グした金属層上に再び酸化物超伝導体をコーティングす
る(図6(c))。この作業を繰り返し積層テープ線材
を作製する(図6(d))。この時積層する層数は、線
材の用途や要求される特性に応じて適宜決定すれば良
い。また積層の構成としては、図1に示すように最外層
を金属層にする必要がある。熱処理前の線材の表面は酸
化物超伝導体層、若しくはAg層とすれば良い。線材の
表面にAg以外の金属を使用する場合、熱処理前の線材
の表面は酸化物超伝導体層にしておき、熱処理後に金属
をコーティングすることが好ましい。かくして作製した
積層テープ線材に所定の熱処理を施すことにより本発明
の酸化物超伝導体線材が得られる。
ング法と金属メッキ法を組み合せた方法を用いて本発明
の超伝導線材を製造する方法を具体例として挙げて本発
明を更に詳細に説明する。尚、図5はあくまで本発明の
超伝導線材を製造する方法の一例を示すものであって本
発明を制限するものではない。先ずAg基板の両面にス
リップキャスティング法を用いて酸化物超伝導体をコー
ティングし加熱,乾燥する。尚、Ag以外の金属を基板
に用いる場合はその金属の表面に先ずAgをコーティン
グしてから使用する(図6(a))。その後表面に金属
層をコーティングする(図6(b))。次にコーティン
グした金属層上に再び酸化物超伝導体をコーティングす
る(図6(c))。この作業を繰り返し積層テープ線材
を作製する(図6(d))。この時積層する層数は、線
材の用途や要求される特性に応じて適宜決定すれば良
い。また積層の構成としては、図1に示すように最外層
を金属層にする必要がある。熱処理前の線材の表面は酸
化物超伝導体層、若しくはAg層とすれば良い。線材の
表面にAg以外の金属を使用する場合、熱処理前の線材
の表面は酸化物超伝導体層にしておき、熱処理後に金属
をコーティングすることが好ましい。かくして作製した
積層テープ線材に所定の熱処理を施すことにより本発明
の酸化物超伝導体線材が得られる。
【0016】本発明では、酸化物超伝導体層間の金属層
が薄いため、Jc値が向上した。更にAgの占有率が低
い為、電流リード等として用いた場合侵入熱量を減少さ
せることが出来た。また薄い金属層を介在させて積層す
る為十分な機械強度が得られJc値の劣化も少ない。
が薄いため、Jc値が向上した。更にAgの占有率が低
い為、電流リード等として用いた場合侵入熱量を減少さ
せることが出来た。また薄い金属層を介在させて積層す
る為十分な機械強度が得られJc値の劣化も少ない。
【0017】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0018】実施例1 厚さ15μm×幅10mm×長さ10mのAgテープを
用意し、一方各元素のモル比がBi:Sr:Ca:Cu
=2:2:1:2となるように調整して固相反応法で作
製したBi系−2212型粉末を有機系増粘剤(ポリビ
ニルブチラール)及び有機溶媒(ブタノール)と混合し
たスラリーを用意した。次に図5に示す装置を用いてA
gテープをスラリー中に浸積,引き上げ,乾燥すること
により両面に各々厚さ100μmの厚膜を形成した。こ
のものを空気中で500℃まで徐々に加熱して脱媒し
た。次に電着メッキ法にてAgを約15μm電着した。
これを再びスラリーに浸積し、引き上げ、乾燥した後A
gを約15μm電着した。この作業を更に3回繰り返し
た。得られた積層テープを885℃まで加熱しBi系−
2212相を部分溶融させ、更に、徐冷することによ
り、Ag基盤に平行にBi系−2212相結晶が緻密に
積層した組織を有する積層テープ線材が得られた。
用意し、一方各元素のモル比がBi:Sr:Ca:Cu
=2:2:1:2となるように調整して固相反応法で作
製したBi系−2212型粉末を有機系増粘剤(ポリビ
ニルブチラール)及び有機溶媒(ブタノール)と混合し
たスラリーを用意した。次に図5に示す装置を用いてA
gテープをスラリー中に浸積,引き上げ,乾燥すること
により両面に各々厚さ100μmの厚膜を形成した。こ
のものを空気中で500℃まで徐々に加熱して脱媒し
た。次に電着メッキ法にてAgを約15μm電着した。
これを再びスラリーに浸積し、引き上げ、乾燥した後A
gを約15μm電着した。この作業を更に3回繰り返し
た。得られた積層テープを885℃まで加熱しBi系−
2212相を部分溶融させ、更に、徐冷することによ
り、Ag基盤に平行にBi系−2212相結晶が緻密に
積層した組織を有する積層テープ線材が得られた。
【0019】表1に得られた積層テープ線材のJc値
(4.2K,2T)と液体Heの蒸発量を示す。尚、液
体Heの蒸発量は得られた積層テープ線材をNbTi超
伝導マグネットに接続し、4.2K,3T,30Aの条
件で運転し、運転中の液体Heの蒸発量を測定したもの
である。尚、積層テープ線材は20K以下の温度で使用
し、それ以上の温度ではCuを電流リードとして使用し
た。液体Heの蒸発量は電流リードを接続していない時
の自然蒸発量を差し引いて示している。比較材として、
CuとNbTi超伝導線材を接続した従来の電流リード
及びパウダー・イン・チューブ法によるAgシース線材
で作製した電流リードについても同様の測定を行った。
表1に結果を示す。
(4.2K,2T)と液体Heの蒸発量を示す。尚、液
体Heの蒸発量は得られた積層テープ線材をNbTi超
伝導マグネットに接続し、4.2K,3T,30Aの条
件で運転し、運転中の液体Heの蒸発量を測定したもの
である。尚、積層テープ線材は20K以下の温度で使用
し、それ以上の温度ではCuを電流リードとして使用し
た。液体Heの蒸発量は電流リードを接続していない時
の自然蒸発量を差し引いて示している。比較材として、
CuとNbTi超伝導線材を接続した従来の電流リード
及びパウダー・イン・チューブ法によるAgシース線材
で作製した電流リードについても同様の測定を行った。
表1に結果を示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1からも明らかなように、本発明の積層
テープ線材の単位断面積当たりの電流値は、NbTi超
伝導線材に次いで高く、しかも熱侵入は最も少ない。ま
た液体He中と室温間でのヒートサイクルを10回繰り
返しても臨界電流密度の低下はほとんど観察されなかっ
た。
テープ線材の単位断面積当たりの電流値は、NbTi超
伝導線材に次いで高く、しかも熱侵入は最も少ない。ま
た液体He中と室温間でのヒートサイクルを10回繰り
返しても臨界電流密度の低下はほとんど観察されなかっ
た。
【0022】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
Jc値が高くて大電流を流すことが可能で、物理的強度
に優れてJc値の劣化が少なく、しかも電流リード等と
して使用する場合熱侵入の少ない酸化物超伝導線材を提
供できるようになった。
Jc値が高くて大電流を流すことが可能で、物理的強度
に優れてJc値の劣化が少なく、しかも電流リード等と
して使用する場合熱侵入の少ない酸化物超伝導線材を提
供できるようになった。
【図1】本発明の酸化物超伝導線材の構造の一例を示す
断面図。
断面図。
【図2】パウダー・イン・チューブ法により製造したA
gシース線材の構造を示す断面図。
gシース線材の構造を示す断面図。
【図3】ドクターブレード法により製造した酸化物超伝
導線材の構造を示す断面図。
導線材の構造を示す断面図。
【図4】ディップコート法により製造したマグネットの
断面図。
断面図。
【図5】本発明の酸化物超伝導体線材の製造方法の一例
を示す図。
を示す図。
【図6】(a)〜(d)は本発明の酸化物超伝導体線材
の各製造工程での構造を示す断面図。
の各製造工程での構造を示す断面図。
【図7】本発明の金属層の構造の一例を示す断面図。
1…金属基板 2…金属層 3…酸化物超伝導体層若しくはその前駆体層 4…Ag 5…絶縁体 6…電流端子 7…Agテープ 8…スラリー 9…Agメッキ浴 10…乾燥用加熱炉 11…熱処理炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋谷 和幸 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 小川 陸郎 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 金属基板の片側もしくは両側に酸化物超
伝導体層と金属層とが交互に積層して構成されたもので
あり、且つ最外層に金属層を有することを特徴とする酸
化物超伝導体線材。 - 【請求項2】 前記金属層がAg基合金、Cu基合金及
びNi基合金からなる群のうち1種以上からなるもので
ある請求項1に記載の酸化物超伝導線材。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の酸化物超伝導線
材の製造にあたり、酸化物超伝導体の前駆体と金属層と
を積層し、熱処理によって該前駆体を酸化物超伝導体層
とすることを特徴とする酸化物超伝導線材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4182355A JPH0628930A (ja) | 1992-07-09 | 1992-07-09 | 酸化物超伝導体線材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4182355A JPH0628930A (ja) | 1992-07-09 | 1992-07-09 | 酸化物超伝導体線材及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0628930A true JPH0628930A (ja) | 1994-02-04 |
Family
ID=16116868
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4182355A Withdrawn JPH0628930A (ja) | 1992-07-09 | 1992-07-09 | 酸化物超伝導体線材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0628930A (ja) |
-
1992
- 1992-07-09 JP JP4182355A patent/JPH0628930A/ja not_active Withdrawn
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