JPH0772277A - プラズマ制御装置 - Google Patents

プラズマ制御装置

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JPH0772277A
JPH0772277A JP5349006A JP34900693A JPH0772277A JP H0772277 A JPH0772277 A JP H0772277A JP 5349006 A JP5349006 A JP 5349006A JP 34900693 A JP34900693 A JP 34900693A JP H0772277 A JPH0772277 A JP H0772277A
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JP
Japan
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plasma position
plasma
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value vector
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JP5349006A
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English (en)
Inventor
Shokichi Matsutomi
章吉 松富
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】コイル電流計測値に基づいてプラズマ位置形状
を推定してプラズマ位置形状推定値20を出力するプラ
ズマ位置形状推定手段18と、プラズマ位置形状観測手
段19によってプラズマ位置形状計測値15が異常と観
測されたときプラズマ位置形状推定値20をプラズマ位
置形状制御手段12へプラズマ位置形状帰還値23とし
て出力する信号切換手段22を備えた。 【効果】プラズマ位置形状計測値が異常となってもプラ
ズマ制御を継続できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トカマク型核融合装置
における磁場を制御するプラズマ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、トカマク型核融合装置のプラズ
マ位置形状制御系制御ブロックを図26に示す。
【0003】図中、プラズマ制御装置は、コイル電流負
帰還によるコイル電流制御部分(第1の制御ループ)
と、その外側に形成されるプラズマ位置形状負帰還によ
るプラズマ位置形状制御部分(第2の制御ループ)とで
構成される。この第1の制御ループと第2の制御ループ
とは共に、フィードバック制御を行うが、前者は後者よ
り速い制御追従性を持つ。すなわち、プラズマ100の
変化に比べて第1の制御ループは十分に速い制御を行
う。それに比べて、第2の制御ループは、プラズマ10
0の変化と同程度の速さで制御を行う。
【0004】プラズマ位置形状目標値14は、プラズマ
計測プローブ17a〜17mとプラズマ位置形状算出手
段16とによって求められるプラズマ位置形状計測値1
5を負帰還信号として加算器40で差をとった後、プラ
ズマ位置形状制御手段12に入力される。プラズマ位置
形状制御手段12は、入力信号に基づいて所要のプラズ
マ位置形状を維持するためのプラズマ位置形状指令値1
1を計算し、プラズマ位置形状・コイル電流変換手段1
0によって電流目標値9に変換して出力する。
【0005】電流目標値9は、電流検出器2と電流計測
器8とによって求められる電流計測値7を負帰還信号と
して加算器41で差をとった後、コイル電流制御手段5
に入力される。コイル電流制御手段5は、入力信号に基
づいて所要の電流値を維持するための各々のコイル1a
〜1nに対する電圧指令値4a〜4nを計算し出力す
る。
【0006】電源3a〜3nは、各々の電圧指令値4a
〜4nに従って所要の電圧値を出力し各々のコイル1a
〜1nに電流を供給する。プラズマ100は、複数個の
コイル1a〜1nによって形成される磁場に従いその位
置形状を変化させる。
【0007】図26に示す従来装置の制御ブロックを数
学モデルで示すと、図27のようになる。
【0008】ここで、プラズマ位置形状はm個のデータ
で特定されると仮定する。この場合、これに付随して、
プラズマ位置形状目標値ベクトルYref14、プラズ
マ位置形状偏差ベクトルYdef13、プラズマ位置形
状指令値ベクトルYcom11、プラズマ位置形状計測
値ベクトルYms15は、次の式(1)〜(4)で示す
m次のベクトルとなる。
【0009】
【数1】
【0010】次に、コイル1の数をn個とすると、それ
に対応して電源3、電流検出器2、電流計測器8それぞ
れの数もn個となる。また、電圧指令値ベクトルVco
m4、電流偏差ベクトルIdef6、電流目標値ベクト
ルIref9、電流計測値ベクトルIms7、コイル電
流値ベクトルI31、電源出力電圧ベクトルV32は、
次の式(5)〜(10)に示すn次のベクトルとなる。
【0011】
【数2】
【0012】プラズマ位置形状目標値ベクトルYref
14は、プラズマ計測プローブ17とプラズマ位置形状
算出手段16とによって求められたプラズマ位置形状計
測値ベクトルYms15を帰還信号として差をとった
後、プラズマ位置形状偏差ベクトルYdef13がプラ
ズマ位置形状制御手段12に入力される。プラズマ位置
形状制御手段12では、数学モデル上ではベクトルFp
で表され、プラズマ位置形状指令値ベクトルYcom1
1を計算し出力する。
【0013】以上のプラズマ位置形状偏差ベクトルYd
ef13とプラズマ位置形状指令値ベクトルYcom1
1とは次の式(11)と式(12)に示される。
【0014】
【数3】
【0015】次に、プラズマ位置形状指令値ベクトルY
com11は、プラズマ位置形状・コイル電流変換手段
10により電流目標値ベクトルIref9に変換され
る。ここで、プラズマ位置形状・コイル電流変換手段1
0は、次のような役割を持つ。
【0016】すなわち、制御モデル上で想定しているプ
ラズマについて、ある位置形状を与えた場合、当該形状
を実現するためのコイル電流値ベクトルI31は必ず存
在し、しかも、プラズマ位置形状の変動範囲が微小であ
るならば、プラズマ位置形状とコイル電流との関係は線
形になる。
【0017】このような関係をプラズマ位置形状・コイ
ル電流変換手段10によって、行列ベクトルHinvで
表され、次の式(13)で示される。
【0018】
【数4】
【0019】電流目標値ベクトルIref9は、電流検
出器2と電流計測器8とによって求められた電流計測値
ベクトルIms7を帰還信号として加算器41で差をと
った後、コイル電流制御手段5に電流偏差ベクトルId
ef6が入力される。さらに、コイル電流制御手段5
は、入力信号に基づいて所要の電流値を維持するための
電圧指令値ベクトルVcom4を計算する。
【0020】以上の電流計測値ベクトルIms7とベク
トルFcで表される電圧指令値ベクトルVcom4は、
次の式(14)、(15)で示される。
【0021】
【数5】
【0022】電源3は、ベクトルKtで表示され、前記
電圧指令値ベクトルVcom4に従って、所要の電圧値
を出力し、コイル1に電流を供給し、図27のベクトル
Aは、複数のコイルとプラズマとから形成される電気回
路を表され、入力を電圧、出力を電流とし両者を関係づ
けるものである。
【0023】また、ベクトルKdは電流検出器2と電流
計測器8とからなる計測系の伝達特性を表すものであ
る。
【0024】上記した電源出力電圧ベクトルV32、コ
イル電流値ベクトルI31、電流計測値ベクトルIms
7は、次の式(16)〜(18)で示される。
【0025】
【数6】
【0026】プラズマ100は、複数のコイル1によっ
て形成される磁場に従い、その位置形状を変化させ平衡
状態に至る。図27中のベクトルHは、あるコイル電流
を与えた場合に平衡状態となるプラズマのプラズマ位置
形状を算出するものである。コイル電流の想定範囲が微
小な領域であるならば、コイル電流とプラズマ位置形状
とは線形な関係で表される。
【0027】なお、図27中のベクトルHは、プラズマ
位置形状そのものではなく、プラズマ位置形状計測値と
コイル電流とを関係づけるものとして表現し、プラズマ
位置形状計測値ベクトルYmsは、次の式(19)で示
される。
【0028】
【数7】
【0029】ところで、従来装置では、コイル電流制御
手段5はコイル電流について非干渉制御を行うことを前
提条件としている。すなわち、電流目標値ベクトルIr
ef9に対してコイル同志の相互インダクタンスが、あ
たかも消滅したかのようにコイル電流値ベクトルI31
が流れるような制御を行うことを想定している。
【0030】この場合、図27に示す数学モデルは、図
28のように置き換えられる。
【0031】ここで、ベクトルUは、理想的には単位行
列となるが、現実には1次遅れ対角行列となるようにコ
イル電流制御手段5は設計され、コイル電流値ベクトル
I31、ベクトルUは次の式(20)、(21)に示さ
れる。
【0032】
【数8】
【0033】式(20)は、ラプラス変換形で表現され
ているが、微分方程式により時間領域であらわすと次の
式(22)に示される。
【0034】
【数9】
【0035】従って、図28を時間領域で表すと、上記
式(22)から図29のように表すことができる。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の装置では、プラズマ位置形状制御が不能となっ
たり、円滑な制御ができない場合があるという問題があ
る。
【0037】まず、第一には、プラズマ計測プローブ1
7は、高温の環境下で、しかも、強力な放射線および電
磁波にさらされるため故障する可能性が極めて高い。こ
のため、一度プラズマ計測プローブ17が故障すると、
プラズマ計測が不能となり、プラズマ位置形状計測値1
5が得られず、結果的に、プラズマ制御ができなくなる
という問題がある。このことは、核融合システム全体の
運転が不可能となることを意味し、システム全体の信頼
性に影響を与えることとなっていた。
【0038】第二には、プラズマ計測プローブ17は、
上記のように過酷な環境で用いるためプラズマ位置形状
計測値15には、雑音等の妨害要素が多く含まれてい
る。従って、正確なプラズマ位置形状計測値15が得ら
れないため、円滑なプラズマ制御ができないという問題
がある。
【0039】そこで、本発明は、プラズマ位置形状が計
測不可能となったときにもプラズマ制御を可能とすると
共に、雑音等に妨害されることなく円滑なプラズマ制御
を可能とするプラズマ制御装置を提供することを目的と
する。
【0040】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、トカマク
型核融合装置内のプラズマ位置形状がその目標値となる
ように前記トカマク型核融合装置内の磁場を複数個のコ
イルに流れる電流を調節して制御するプラズマ制御装置
において、トカマク型核融合装置内で計測された複数の
プラズマ位置形状計測値をプラズマ位置形状計測値負帰
還値としてそれぞれ負帰還し、そのプラズマ位置形状目
標値との偏差に基づいてプラズマ位置形状がプラズマ位
置目標値となるようにプラズマ位置形状指令値を出力す
るプラズマ位置形状制御手段と、トカマク型核融合装置
内の磁場を発生させる複数個のコイル電流計測値をそれ
ぞれ負帰還しプラズマ位置形状指令値に基づくコイル電
流目標値との偏差に基づいて複数個のコイルの電流がそ
のコイル電流目標値になるように制御するコイル電流制
御手段と、プラズマ位置形状計測値が異常か否かを観測
するプラズマ位置形状観測手段と、コイル電流計測値に
基づいてプラズマ位置形状を推定してプラズマ位置形状
推定値を出力するプラズマ位置形状推定手段と、プラズ
マ位置形状観測手段による観測結果に応じてプラズマ位
置形状計測値の代わりにプラズマ位置形状推定値をプラ
ズマ位置形状負帰還値として出力する信号切換手段とを
設けるようにしたものである。
【0041】第2の発明は、トカマク型核融合装置内の
プラズマ位置形状がその目標値となるようにトカマク型
核融合装置内の磁場を複数個のコイルに流れる電流を調
節して制御するプラズマ制御装置において、トカマク型
核融合装置内で計測された複数のプラズマ位置形状計測
値をプラズマ位置形状計測値負帰還値としてそれぞれ負
帰還し、そのプラズマ位置形状目標値との偏差に基づい
てプラズマ位置形状がプラズマ位置目標値となるように
プラズマ位置形状指令値を出力するプラズマ位置形状制
御手段と、トカマク型核融合装置内の磁場を発生させる
複数個のコイル電流計測値をそれぞれ負帰還しプラズマ
位置形状指令値に基づくコイル電流目標値との偏差に基
づいて複数個のコイルの電流がそのコイル電流目標値に
なるように制御するコイル電流制御手段と、プラズマ位
置形状計測値が異常か否かを観測するプラズマ位置形状
観測手段と、コイル電流計測値とプラズマ位置形状指令
値とに基づいてプラズマ位置形状を推定してプラズマ位
置形状推定値を出力するプラズマ位置形状推定手段と、
プラズマ位置形状観測手段による観測結果に応じてプラ
ズマ位置形状計測値に代えて、プラズマ位置形状推定値
をプラズマ位置形状負帰還値として出力する信号切換手
段とを設けるようにしたものである。
【0042】第3の発明は、トカマク型核融合装置内の
プラズマ位置形状がその目標値となるようにトカマク型
核融合装置内の磁場を複数個のコイルに流れる電流を調
節して制御するプラズマ制御装置において、トカマク型
核融合装置内で計測された複数のプラズマ位置形状計測
値をプラズマ位置形状計測値負帰還値としてそれぞれ負
帰還し、そのプラズマ位置形状目標値との偏差に基づい
てプラズマ位置形状がプラズマ位置目標値となるように
プラズマ位置形状指令値を出力するプラズマ位置形状制
御手段と、トカマク型核融合装置内の磁場を発生させる
複数個のコイル電流計測値をそれぞれ負帰還しプラズマ
位置形状指令値に基づくコイル電流目標値との偏差に基
づいて複数個のコイルの電流がそのコイル電流目標値に
なるように制御するコイル電流制御手段と、プラズマ位
置形状計測値のそれぞれについて異常か否かを観測する
プラズマ位置形状観測手段と、このプラズマ位置形状観
測手段によりいずれかが異常とされたとき対応するプラ
ズマ位置形状計測値を除外して残りの正常とされたプラ
ズマ位置形状計測値とプラズマ位置形状指令値とに基づ
いてプラズマ位置形状を推定してプラズマ位置形状推定
値を出力するプラズマ位置形状推定手段と、プラズマ位
置形状観測手段による観測結果に応じてプラズマ位置形
状計測値に代えて、プラズマ位置形状推定値をプラズマ
位置形状負帰還値として出力する信号切換手段とを設け
るようにしたものである。
【0043】第4の発明は、トカマク型核融合装置内の
プラズマ位置形状がその目標値となるようにトカマク型
核融合装置内の磁場を複数個のコイルに流れる電流を調
節して制御するプラズマ制御装置において、トカマク型
核融合装置内で計測された複数のプラズマ位置形状計測
値をプラズマ位置形状計測値負帰還値としてそれぞれ負
帰還し、そのプラズマ位置形状目標値との偏差に基づい
てプラズマ位置形状がプラズマ位置目標値となるように
プラズマ位置形状指令値を出力するプラズマ位置形状制
御手段と、トカマク型核融合装置内の磁場を発生させる
複数個のコイル電流計測値をそれぞれ負帰還しプラズマ
位置形状指令値に基づくコイル電流目標値との偏差に基
づいて複数個のコイルの電流がそのコイル電流目標値に
なるように制御するコイル電流制御手段と、プラズマ位
置形状計測値のそれぞれについて異常か否かを観測する
プラズマ位置形状観測手段と、このプラズマ位置形状観
測手段によりいずれかが異常とされたとき対応するプラ
ズマ位置形状計測値を除外して残りの正常とされたプラ
ズマ位置形状計測値とプラズマ位置形状指令値とに基づ
いてプラズマ位置形状を推定してプラズマ電流計測値と
位置形状推定値を出力するプラズマ位置形状推定手段
と、プラズマ位置形状観測手段による観測結果に応じて
プラズマ位置形状計測値に代えてプラズマ位置形状推定
値をプラズマ位置形状負帰還値として出力する信号切換
手段とを設けるようにしたものである。
【0044】第5の発明は、トカマク型核融合装置内の
プラズマ位置形状がその目標値となるようにトカマク型
核融合装置内の磁場を複数個のコイルに流れる電流を調
節して制御するプラズマ制御装置において、トカマク型
核融合装置内で計測された複数のプラズマ位置形状計測
値をプラズマ位置形状計測値負帰還値としてそれぞれ負
帰還し、そのプラズマ位置形状目標値との偏差に基づい
てプラズマ位置形状がプラズマ位置目標値となるように
プラズマ位置形状指令値を出力するプラズマ位置形状制
御手段と、トカマク型核融合装置内の磁場を発生させる
前記複数個のコイル電流計測値をそれぞれ負帰還し前記
プラズマ位置形状指令値に基づくコイル電流目標値との
偏差に基づいて複数個のコイルの電流がそのコイル電流
目標値になるように制御するコイル電流制御手段と、プ
ラズマ位置形状計測値に重畳する雑音を濾波すると共
に、プラズマ位置形状を推定してプラズマ位置形状推定
値をプラズマ位置形状制御手段へプラズマ位置形状負帰
還値として出力するプラズマ位置形状推定手段とを設け
るようにしたものである。
【0045】第6の発明は、トカマク型核融合装置内の
プラズマ位置形状がその目標値となるようにトカマク型
核融合装置内の磁場を複数個のコイルに流れる電流を調
節して制御するプラズマ制御装置において、トカマク型
核融合装置内で計測された複数のプラズマ位置形状計測
値をプラズマ位置形状計測値負帰還値として負帰還し、
そのプラズマ位置形状目標値との偏差に基づいてプラズ
マ位置形状がプラズマ位置目標値となるようにプラズマ
位置形状指令値を出力するプラズマ位置形状制御手段
と、トカマク型核融合装置内の磁場を発生させる複数個
のコイル電流計測値をそれぞれ負帰還しプラズマ位置形
状指令値に基づくコイル電流目標値との偏差に基づいて
複数個のコイルの電流がそのコイル電流目標値になるよ
うに制御するコイル電流制御手段と、プラズマ位置形状
計測値のそれぞれについて異常か否かを観測するプラズ
マ位置形状観測手段と、このプラズマ位置形状観測手段
によりいずれかが異常とされたとき対応するプラズマ位
置形状計測値を除外して残りの正常とされたプラズマ位
置形状計測値に重畳する雑音を濾波すると共に、プラズ
マ位置形状を推定してプラズマ位置形状推定値をプラズ
マ位置形状計測値の代わりにプラズマ位置形状負帰還値
として出力するプラズマ位置形状推定手段とを設けるよ
うにしたものである。
【0046】
【作用】第1の発明は、プラズマ位置形状推定手段によ
り、コイル電流計測値に基づいてプラズマ位置形状が推
定されプラズマ位置形状推定値が出力される。プラズマ
位置形状計測値が異常と観測されたときプラズマ位置形
状計測値に代えてプラズマ位置形状推定手段により推定
されたプラズマ位置形状推定値がプラズマ位置形状制御
手段へプラズマ位置形状負帰還値として出力される。こ
の場合、一部の異常のプラズマ位置形状計測値のみを前
記プラズマ位置形状推定値で代替することもできるため
に全体としてプラズマ位置形状負帰還値の誤差を減少さ
せることができる。従って、プラズマ位置形状計測値が
異常の場合や計測不能の場合でも代替のプラズマ位置形
状推定値よってプラズマ制御を継続するでき、プラズマ
制御の中断を回避することができる。
【0047】第2の発明は、プラズマ位置形状推定手段
によってコイル電流計測値とプラズマ位置形状指令値と
に基づいてプラズマ位置形状が推定されプラズマ位置形
状推定値が出力される。プラズマ位置形状計測値が異常
と観測されたとき、プラズマ位置形状計測値に代えてプ
ラズマ位置形状推定手段により推定されたプラズマ位置
形状推定値がプラズマ位置形状制御手段へプラズマ位置
形状負帰還値として出力される。この場合、一部の異常
のプラズマ位置形状計測値のみを前記プラズマ位置形状
推定値で代替し、他は正常なプラズマ位置形状計測値を
用いることもできるために全体としてプラズマ位置形状
負帰還値の誤差を減少させることができる。しかも、コ
イル電流計測値だけでなくプラズマ位置形状指令値と一
緒にして、プラズマ位置形状推定値が求められるため精
度が高い。従って、プラズマ位置形状計測値が異常の場
合でも、精度の高いプラズマ位置形状推定値が得られる
ためプラズマ制御を停止することなく、継続制御するこ
とができる。
【0048】第3の発明は、プラズマ位置形状観測手段
によりいずれかが異常とされたとき対応するプラズマ位
置形状計測値を除外して残りの正常とされたプラズマ位
置形状計測値とプラズマ位置形状指令値とに基づいてプ
ラズマ位置形状が推定されプラズマ位置形状推定値がプ
ラズマ位置形状計測値の代わりにプラズマ位置形状制御
手段へプラズマ位置形状負帰還値として出力される。こ
の場合、一部の異常のプラズマ位置形状計測値のみをプ
ラズマ位置形状推定値の代替として他の正常なプラズマ
位置形状計測値を用いることもできるために全体として
プラズマ位置形状負帰還値の精度が良い。従って、プラ
ズマ位置形状計測値の一部が異常の場合でもプラズマ位
置形状指令値を用いてプラズマ位置形状推定値が得られ
るためプラズマ制御を停止することなく、継続制御する
ことができる。
【0049】第4の発明は、プラズマ位置形状観測手段
によりいずれかが異常とされたとき対応するプラズマ位
置形状計測値を除外して残りの正常とされたプラズマ位
置形状計測値とプラズマ位置形状指令値と電流計測値と
に基づいてプラズマ位置形状が推定されプラズマ位置形
状推定値がプラズマ位置形状計測値の代わりにプラズマ
位置形状制御手段へプラズマ位置形状負帰還値として出
力される。この場合、一部の異常のプラズマ位置形状計
測値のみをプラズマ位置形状推定値の代替として他の正
常なプラズマ位置形状計測値が用いることもできるため
に全体としてプラズマ位置形状負帰還値の精度が良い。
従って、プラズマ位置形状計測値の一部が異常の場合で
もプラズマ位置形状指令値を用いてプラズマ位置形状推
定値が得られるためプラズマ制御を停止することなく、
継続制御することができる。
【0050】第5の発明は、プラズマ位置形状推定手段
によりプラズマ位置形状計測値に重畳する雑音が濾波さ
れる共に、プラズマ位置形状が推定されプラズマ位置形
状推定値がプラズマ位置形状制御手段へプラズマ位置形
状負帰還値として出力される。これにより、プラズマ位
置形状計測値に重畳する雑音が濾波されてプラズマ位置
形状推定値が得られるから従来装置に比べ安定した制御
ができる。
【0051】第6の発明は、プラズマ位置形状観測手段
によりいずれかが異常とされたとき対応するプラズマ位
置形状計測値を除外して残りの正常とされたプラズマ位
置形状計測値に重畳する雑音が濾波されてプラズマ位置
形状が推定されプラズマ位置形状推定値がプラズマ位置
形状制御手段へプラズマ位置形状負帰還値として出力さ
れる。従って、プラズマ位置形状計測値の一部が異常の
場合でもプラズマ位置形状指令値を用いてプラズマ位置
形状推定値が得られるためプラズマ制御を停止すること
なく、継続制御することができる。しかも、従来装置に
比べ安定した制御ができる。
【0052】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0053】図1は、本発明の第1実施例を示すプラズ
マ制御装置の構成図であり、従来例を示す図13と同一
符号は、同一部分または相当部分を示している。
【0054】図において、複数個からなるコイル1a〜
1nは、本実施例において、14組が配置され、これに
対応して電流検出器2が設けられている。電源3は、コ
イル1a〜1nを駆動するもので、対応して配置されて
いる。
【0055】コイル電流制御手段5は、14組ある電源
3に対してそれぞれ独立に電圧指令値ベクトルVcom
4として出力するものである。電流計測器8は、電流検
出器2に対応して設けられ電流計測値ベクトルIms7
を出力するものである。
【0056】加算器41は、電流目標値ベクトルIre
f9と負帰還信号としての電流計測値ベクトルIms7
との偏差を求め、この偏差を電流偏差ベクトルIdef
6としてコイル電流制御手段5に入力するものである。
【0057】以上、コイル電流の負帰還により構成され
る制御ループ(第1の制御ループ)では、コイル電流の
非干渉制御を行っている。すなわち、第1の制御ループ
内において、コイル電流制御手段5は電流目標値ベクト
ルIref9に対して14組のコイル同志のインダクタ
ンスがあたかも消滅したかのようにコイル電流を流すよ
うな制御を行う。
【0058】なお、電流目標値ベクトルIref9と電
流計測値ベクトルIms7と電流偏差ベクトルIdef
6とは、それぞれ14次のベクトルである。また、電圧
指令値ベクトルVcom4も14次のベクトルで、ベク
トルVcomのi番目の要素は、電源3のi番目のもの
に対する電圧指令である。
【0059】プラズマ位置形状・コイル電流変換手段1
0は、プラズマ位置形状指令値ベクトルYcom11を
電流目標値ベクトルIref9に変換するものである。
プラズマ位置形状制御手段12は、プラズマ位置形状の
指令をプラズマ位置形状指令値ベクトルYcom11と
して出力するものである。
【0060】プラズマ位置形状算出手段16は、プラズ
マ計測プローブ17の計測値を入力してプラズマ位置形
状計測値ベクトルYms15を出力するものである。加
算器40は、プラズマ位置形状目標値ベクトルYref
と後述するプラズマ位置形状帰還値23との偏差を求
め、これをプラズマ位置形状偏差ベクトルYdef13
としてプラズマ位置形状制御手段12に出力するもので
ある。
【0061】以上説明した部分は、図27に示した従来
装置とほぼ同等であり、第1実施例では、プラズマ位置
形状推定手段18とプラズマ位置形状観測手段19と信
号切換手段22とを付加している。
【0062】ここで、プラズマ位置形状推定手段18
は、電流計測値ベクトルIms7からプラズマ位置形状
を推定し、プラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20
として出力するものである。プラズマ位置形状観測手段
19は、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15を
観測し当該値が正常か否かを判定し、その結果をプラズ
マ位置形状観測結果21として出力するものである。信
号切換手段22は、プラズマ位置形状観測結果21に従
って一括して切替えて、プラズマ位置形状計測値ベクト
ルYms15またはプラズマ位置形状推定値ベクトル
[Y]20のいずれか一方のみをプラズマ位置形状帰還
値ベクトルYfb23として出力するものである。
【0063】次に、プラズマ位置形状推定手段18につ
いて詳細に説明する。
【0064】プラズマ位置形状の推定は、系を構成する
物理系よりコイル電流からプラズマ位置形状が一意に決
定するという事実を利用している。すなわち、従来装置
の数学モデルである図29において、コイル電流とプラ
ズマ位置形状計測値15との物理的関係は、行列ベクト
ルHで表わされる。従って、上記物理的関係を模擬する
ため、行列ベクトルHあるいは、その近似な行列を使用
した数値計算を外部で行わせる。
【0065】プラズマ位置形状推定手段18は、上記し
た物理的関係を模擬してプラズマ位置形状推定値ベクト
ル[Y]20を推定する。
【0066】これによって、図29に示す従来装置の数
学モデルに対応して第1実施例の数学モデルは図2に示
される。
【0067】なお、本実施例のプラズマ位置形状は、次
の5種類の値、つまり、円柱環状のプラズマの内径Zi
n、円柱環状のプラズマの外径Zout、垂直方向の位
置Zp、プラズマ電流Ip、ポロイダルベータ値βpと
した。
【0068】従って、プラズマ位置形状に関係するベク
トル、すなわち、プラズマ位置形状目標値ベクトルYr
ef14、プラズマ位置形状偏差ベクトルYdef1
3、プラズマ位置形状指令値ベクトルYcom11、プ
ラズマ位置形状計測値ベクトルYms15、プラズマ位
置形状推定値ベクトル[Y]20、プラズマ位置形状帰
還値ベクトルYfb23は5次ベクトルである。
【0069】次に、第1実施例の作用を図1に基づいて
説明する。
【0070】まず、プラズマ位置形状観測手段19で
は、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15を時々
刻々観測する。この観測で観測結果が正常な場合には、
プラズマ位置形状観測結果21が正常として信号切換手
段22に通知される。
【0071】この場合、信号切換手段22は、プラズマ
位置形状計測値ベクトルYms15をそのまま、プラズ
マ位置形状帰還値ベクトルYfb23として出力する。
従って、制御系の動作は、図26に示す従来装置と同等
となり、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15に
よる制御ループが形成される。
【0072】一方、プラズマ位置形状観測手段19の観
測結果が異常な場合には、プラズマ位置形状観測結果2
1が異常として信号切換手段22に通知される。
【0073】この場合、当該信号切換手段22では、プ
ラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20をプラズマ位
置形状帰還値ベクトルYfb23として出力する。制御
系の動作は、従来装置とは異なり、プラズマ位置形状推
定値ベクトル[Y]20による制御ループが形成され
る。
【0074】ここで、プラズマ位置形状観測手段19に
よる処理を図3を参照して説明する。
【0075】まず、プラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15の各要素について、それぞれ上限値、下限値を
予め決めておき、次の式(23)が成立するか否かをチ
ェックする(処理301)。
【0076】
【数10】
【0077】上記式(23)がすべて成立する時は正常
とする。一つでも成立しないものが存在する時は異常と
判断する(判断302)。この判断で正常とされた場合
は、プラズマ位置形状観測結果21は正常とする(処理
303)。この判断で異常とされた場合は、プラズマ位
置形状観測結果21は異常とする(処理304)。
【0078】プラズマ位置形状観測手段19は、以上の
処理を時々刻々繰り返す(301)〜(304)。
【0079】なお、プラズマ位置形状推定手段18は、
制御対象が動作している間は、必要、不必要にかかわら
ず、常に、プラズマ位置形状を推定し、プラズマ位置形
状推定値ベクトル[Y]20として値を算出する。
【0080】以上第1実施例によれば、プラズマ位置形
状計測値ベクトルYms15が異常な場合でも、制御対
象の物理系を模擬し、プラズマ位置形状を推定し制御系
を維持することができるため、プラズマ制御を続けるこ
とが可能である。
【0081】なお、第1実施例では、コイル電流制御手
段5、プラズマ位置形状・コイル電流変換手段10、プ
ラズマ位置形状制御手段12、プラズマ位置形状算出手
段16、プラズマ位置形状観測手段19、信号切換手段
22は電子計算機と機能プログラムにより実現したが、
専用ハードウエアによって実現することも可能である。
【0082】また、第1実施例では、プラズマ位置形状
計測値ベクトルYms15が異常な場合すべてプラズマ
位置形状推定値ベクトル[Y]20に置き換えるように
したが、正常なものは計測値を使い異常なもののみ推定
値を使うようにしてもよい。
【0083】次に、図4は本発明の第2実施例を示すプ
ラズマ制御装置の構成図である。
【0084】従来例を示す図26と異なる点は、プラズ
マ位置形状推定手段18Aとプラズマ位置形状観測手段
19と信号切換手段22を追設していることで、第1実
施例と異なる点は、プラズマ位置形状推定手段18の構
成を異にし、プラズマ位置形状推定手段18Aとしたこ
とである。
【0085】プラズマ位置形状推定手段18Aは、第1
実施例においては、電流計測値ベクトルIms7のみで
推定したが、第2実施例においては、電流計測値ベクト
ルIms7とプラズマ位置形状指令値ベクトルYcom
11とからプラズマ位置形状を推定し、プラズマ位置形
状推定値ベクトル[Y]20として出力するものであ
る。プラズマ位置形状観測手段19は、プラズマ位置形
状計測値ベクトルYms15を観測し、当該値が正常か
否かを判定し、その結果をプラズマ位置形状観測結果2
1として出力するものである。信号切換手段22は、プ
ラズマ位置形状観測結果21に従って一括切替え、プラ
ズマ位置形状計測値ベクトルYms15またはプラズマ
位置形状推定値ベクトル[Y]20のいずれか一方のみ
をプラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23として出
力するものである。
【0086】次に、プラズマ位置形状推定手段18Aの
構成について詳細に説明する。
【0087】プラズマ位置形状推定手段18Aは、従来
装置の数学モデルである図29において、ルーエンバー
ガ(Luenberger)の状態観測器を追加したも
のである。すなわち、本実施例の数学モデルである図5
に示す通り、制御対象を模擬することにより、制御対象
の状態であるコイル電流値ベクトルI31の推定と、制
御対象の出力であるプラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15の推定とを行い、最終的にプラズマ位置形状推
定値ベクトルY20を出力する。図5の行列ベクトルG
は、推定誤差を減衰させるためのゲインを表わし、解析
的、実験的に数値は求められる。
【0088】なお、第2実施例のプラズマ位置形状は、
第1実施例と同様に下記の5種類の値、すなわち、円柱
環状のプラズマの内径Zin、円柱環状のプラズマの外
径Zout、垂直方向の位置Zp、プラズマ電流Ip、
ポロイダルベータ値βpとした。従って、プラズマ位置
形状に関係するベクトル、すなわち、プラズマ位置形状
目標値ベクトルYref14、プラズマ位置形状偏差ベ
クトルYdef13、プラズマ位置形状指令値ベクトル
Ycom11、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms
15、プラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20、プ
ラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23は5次のベク
トルである。
【0089】次に、第2実施例の作用を図4に基づいて
説明する。
【0090】まず、プラズマ位置形状観測手段19で
は、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15を時々
刻々観測する。この観測結果が正常な場合には、プラズ
マ位置形状観測結果21が正常として信号切換手段22
に通知される。
【0091】この場合、当該信号切換手段22は、プラ
ズマ位置形状計測値ベクトルYms15をそのまま、プ
ラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23として出力す
る。この場合の制御系の動作は、図26に示す従来装置
に同等となり、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms
15による制御ループが形成される。
【0092】一方、プラズマ位置形状観測手段19の観
測結果が異常な場合には、プラズマ位置形状観測結果2
1が異常として信号切換手段22に通知される。
【0093】この場合、当該信号切換手段22では、プ
ラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20プラズマ位置
形状帰還値ベクトルYfb23として出力する。この場
合、従来装置とは異なり、プラズマ位置形状推定値ベク
トル[Y]20による制御ループが形成される。
【0094】以上のプラズマ位置形状観測手段19によ
る処理は、前述した第1実施例とほぼ同様である。
【0095】すなわち、図3を参照して説明すると、ま
ず、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15の各要
素について、それぞれ上限値、下限値を予め決めてお
き、次の式(24)が成立するか否かチェックする(処
理301)。
【0096】
【数11】
【0097】上記式(24)がすべて成立する時は正常
とし、一つでも成立しないものが存在する時は異常と判
断する(判断302)。この判断で正常とされた場合
は、プラズマ位置形状観測結果21は正常とする(処理
303)。この判断で異常とされた場合は、プラズマ位
置形状観測結果21は異常とする(処理304)。プラ
ズマ位置形状観測手段19は以上の処理を時々刻々繰り
返す(301)〜(304)。
【0098】なお、プラズマ位置形状推定手段18は、
第1実施例と同様に制御対象が動作している間は、必
要、不必要にかかわらず、常に、プラズマ位置形状を推
定し、プラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20とし
て値を算出する。
【0099】以上第2実施例では、プラズマ位置形状計
測値ベクトルYms15の一部分が異常な場合でも、正
常な計測値を使ってルーエンバーガの状態観測器を動作
させ、プラズマ位置形状を推定し制御系を維持すること
ができるため、プラズマ位置形状制御運転を続けること
が可能である。
【0100】なお、第2実施例では、第1実施例と同様
にコイル電流制御手段5、プラズマ位置形状・コイル電
流変換手段10、プラズマ位置形状制御手段12、プラ
ズマ位置形状算出手段16、プラズマ位置形状観測手段
19、信号切換手段22は電子計算機と機能プログラム
により実現したが、専用ハードウエアによって実現する
ことも可能である。
【0101】また、第2実施例では、プラズマ位置形状
計測値ベクトルYms15が異常な場合すべてプラズマ
位置形状推定値ベクトル[Y]20に置き換えるように
したが、正常なものは計測値を使い異常なもののみ推定
値を使うようにしてもよい。
【0102】次に、図6は本発明の第3実施例を示すプ
ラズマ制御装置の構成図である。
【0103】従来例を示す図26と異なる点は、プラズ
マ位置形状推定手段18Bとプラズマ位置形状観測手段
19Aと信号切換手段22を追設していることであり、
第1実施例と異なる点は、プラズマ位置形状推定手段1
8とプラズマ位置形状観測手段19との構成を異にして
プラズマ位置形状推定手段18Bとプラズマ位置形状観
測手段19Aとしたことである。
【0104】プラズマ位置形状推定手段18Bは、異常
のプラズマ位置形状計測値ベクトルYms15を除外し
て、プラズマ位置形状指令値ベクトルYcom11と正
常なプラズマ位置形状計測値ベクトルYms15とから
プラズマ位置形状を推定し、プラズマ位置形状推定値ベ
クトル[Y]20として出力するものである。プラズマ
位置形状観測手段19Aは、プラズマ位置形状計測値1
5を観測し、当該値が正常か否かを判定すると共に、正
常なものとを区別するために、異常のものを特定をして
その結果をプラズマ位置形状観測結果21として出力さ
れるものである。信号切換手段22は、プラズマ位置形
状観測結果21に従って一括して切替え、プラズマ位置
形状計測値ベクトルYms15またはプラズマ位置形状
推定値ベクトル[Y]20のいずれか一方のみをプラズ
マ位置形状帰還値ベクトルYfb23として出力するも
のである。
【0105】次に、プラズマ位置形状推定手段18Bの
処理について説明する。
【0106】プラズマ位置形状推定手段18Bは、従来
装置の数学モデルである図29において、ルーエンバー
ガ(Luenberger)の状態観測器を追加したも
のである。第3実施例では、数学モデルである図7に示
す通り、制御対象を模擬することにより、制御対象の状
態であるコイル電流値ベクトルI31の推定と、制御対
象の出力であるプラズマ位置形状計測値ベクトルYms
15の推定とを行い、最終的にプラズマ位置形状推定値
ベクトル[Y]20を出力する。図7に示す行列ベクト
ルGは、推定誤差を減衰させるためのゲインをあらわ
し、解析的、実験的に数値は求められる。
【0107】また、図7に示す行列Pは、プラズマ位置
形状観測結果21に従ってプラズマ位置形状計測値ベク
トルYms15の正常なものを残し異常なものを除外す
るものである。
【0108】なお、第3実施例のプラズマ位置形状は、
第1実施例と同様の下記の5種類の値、すなわち、円柱
環状のプラズマの内径Zin、円柱環状のプラズマの外
径Zout、垂直方向の位置Zp、プラズマ電流Ip、
ポロイダルベータ値βpとした。従って、プラズマ位置
形状に関係するベクトル、すなわち、プラズマ位置形状
目標値ベクトルYref14、プラズマ位置形状偏差ベ
クトルYdef13、プラズマ位置形状指令値ベクトル
Ycom11、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms
15、プラズマ位置形状推定値ベクトルY20、プラズ
マ位置形状帰還値ベクトルYfb23は5次のベクトル
である。
【0109】次に、第3実施例の作用を図6に基づいて
説明する。
【0110】まず、プラズマ位置形状観測手段19Aで
は、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15を時々
刻々観測する。この観測結果が正常な場合には、プラズ
マ位置形状観測結果21が正常として信号切換手段22
とプラズマ位置形状推定手段18Bとに通知される。
【0111】この場合、当該信号切換手段22は、プラ
ズマ位置形状計測値ベクトルYms15をそのまま、プ
ラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23として出力す
る。この場合、図26に示す従来装置に同等となり、プ
ラズマ位置形状計測値ベクトルYms15による制御ル
ープが形成される。
【0112】プラズマ位置形状推定手段18Bは、行列
Pの内容を次の式(25)で示す5×5の単位行列とす
る。
【0113】
【数12】
【0114】この場合、プラズマ位置形状推定手段18
Bは、次の式(26)で示すプラズマ位置形状計測値ベ
クトルYms15の全ての要素についてプラズマ位置形
状指令値ベクトルYcom11に基づいて真の推定をす
る。
【0115】
【数13】
【0116】一方、プラズマ位置形状観測手段19Aの
観測結果が異常な場合には、プラズマ位置形状観測結果
21が信号切換手段22とプラズマ位置形状推定手段1
8Bとに通知される。
【0117】この場合、プラズマ位置形状推定手段18
Bは、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15の要
素のうち異常なものを零とするために行列P内容を作り
変える。
【0118】すなわち、次の式(27)で示す行列Pを
5×5の対角行列(対角成分以外は零)を次の処理をす
る。
【0119】
【数14】
【0120】例えば、2番目の要素が異常で他は正常の
とき、行列PはP22が零となり、次の式(28)に示
される。
【0121】
【数15】
【0122】この場合、プラズマ位置形状推定手段18
Bは、異常な計測値を除去し残りの正常な計測値とプラ
ズマ位置形状指令値ベクトルYcom11とを用いて除
去した計測値を含めて、全ての要素について真の値の推
定を行う。
【0123】このようにプラズマ位置形状観測手段19
Aからのプラズマ位置形状観測結果21に対応してプラ
ズマ位置形状推定手段18Bは、内部の構成を変化さ
せ、常に、最適な推定を行うことが可能である。また、
信号切換手段22は、プラズマ位置形状推定値ベクトル
[Y]20をプラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb2
3として出力する。この場合、従来装置と異なり、プラ
ズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20による制御ルー
プが形成される。
【0124】次に、プラズマ位置形状観測手段19Aの
観測結果算出論理と処理について図8を参照して説明す
る。
【0125】まず、プラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15の各要素について、それぞれ上限値、下限値を
予め決めておき、次の式(29)についてチェックをす
る(処理401)。
【0126】
【数16】
【0127】上記式(29)の各要素のすべてが成立す
る時は正常とし、一つでも成立しないものが存在する時
は異常と判断する(判断402)。この判断で正常と判
断された場合は、プラズマ位置形状観測結果21は正常
とする(処理403)。
【0128】この判断で異常とされた場合は、プラズマ
位置形状観測結果21は異常とし、いずれが異常なのか
を特定し通知する(処理404)。
【0129】プラズマ位置形状観測手段19Aは、以上
の処理を時々刻々繰り返す(401)〜(404)。
【0130】なお、プラズマ位置形状推定手段18B
は、制御対象が動作している間は、必要、不必要にかか
わらず常にプラズマ位置形状を推定し、プラズマ位置形
状推定値ベクトル[Y]20として値を算出するものと
した。
【0131】以上第3実施例によれば、プラズマ位置形
状計測値ベクトルYms15の一部分が異常な場合で
も、ルーエンバーガの状態観測器の構成を変化させ正常
な計測値のみでルーエンバーガの状態観測器を動作させ
る。そして、プラズマ位置形状を推定し制御系を維持す
ることができるため、プラズマ位置形状制御運転を続け
ることが可能である。
【0132】なお、第3実施例では、第1実施例と同様
に、コイル電流制御手段5、プラズマ位置形状・コイル
電流変換手段10、プラズマ位置形状制御手段12、プ
ラズマ位置形状算出手段16、プラズマ位置形状観測手
段19、信号切換手段22は電子計算機と機能プログラ
ムにより実現したが、専用ハードウエアによって実現す
ることも可能である。
【0133】また、第3実施例では、プラズマ位置形状
計測値ベクトルYms15が異常な場合すべてプラズマ
位置形状推定値ベクトルY20に置き換えるようにした
が、正常なものは計測値を使い異常なもののみ推定値を
使うようにしても良い。
【0134】次に、図9は本発明の第4実施例を示すプ
ラズマ制御装置の構成図である。
【0135】従来例を示す図26と異なる点は、プラズ
マ位置形状推定手段18Cを追設している点である。
【0136】プラズマ位置形状推定手段18Cは、雑音
の重畳しているプラズマ位置形状計測値ベクトルYms
15から雑音を濾波し、プラズマ位置形状を推定し、プ
ラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20として出力す
るものである。
【0137】次に、プラズマ位置形状推定手段18Cの
構造について、具体的に説明すると、プラズマ位置形状
推定手段18Cは、従来装置の数学モデルである図29
において、いわゆるカルマンフィルタを追設するように
している。すなわち、第4実施例の数学モデルである図
10に示すように、プラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15に含まれる雑音ベクトルW35を濾波し、プラ
ズマ位置形状の推定を行い最終的にプラズマ位置形状推
定値ベクトル[Y]20を出力する。
【0138】ここで、ベクトルGはゲインを表し、次の
式(30)で求められる行列であり、関連して次の式
(31)が成立つ。
【0139】
【数17】
【0140】なお、第4実施例でのプラズマ位置形状
は、第1実施例と同様で下記の5種類の値、すなわち、
円柱環状のプラズマの内径Zin、円柱環状のプラズマ
の外径Zout、垂直方向の位置Zp、プラズマ電流I
p、ポロイダルベータ値βpとした。従って、プラズマ
位置形状に関係するベクトル、すなわち、プラズマ位置
形状目標値ベクトルYref14、プラズマ位置形状偏
差ベクトルYdef13、プラズマ位置形状指令値ベク
トルYcom11、プラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15、プラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]2
0、は5次のベクトルである。
【0141】次に、第4実施例の作用を図9に基づいて
説明する。
【0142】まず、プラズマ位置形状推定手段18Cで
は、雑音の重畳したプラズマ位置形状計測値15を使用
して、プラズマ位置形状が推定されると共に、雑音の濾
波とプラズマ位置形状値の推定とが同時に行われる。こ
れにより、常に雑音を濾波した状態のプラズマ位置形状
値が帰還される。従って、安定したプラズマ位置形状制
御がされる。
【0143】以上第4実施例によれば、プラズマ位置形
状計測値ベクトルYms15に重畳している雑音をカル
マンフィルタにより濾波しプラズマ位置形状を推定し帰
還値とすることができるため従来装置に比べて安定した
プラズマ位置形状制御を行うことが可能となる。
【0144】なお、本実施例では、第1実施例と同様に
コイル電流制御手段5、プラズマ位置形状・コイル電流
変換手段10、プラズマ位置形状制御手段12、プラズ
マ位置形状算出手段16は電子計算機と機能プログラム
により実現したが、専用ハードウエアによって実現する
ことも可能である。
【0145】次に、図11は本発明の第5実施例を示す
プラズマ制御装置の構成図である。
【0146】従来例を示す図26と異なる点は、プラズ
マ位置形状観測手段19Aとプラズマ位置形状推定手段
18Dとを追設している点であり、第5実施例が第4実
施例と異なる点はプラズマ位置形状観測手段19Aを追
設し、プラズマ位置形状推定手段18Cの代わりにプラ
ズマ位置形状推定手段18Dを設けたことである。
【0147】プラズマ位置形状推定手段18Dは、異常
なものを除外して正常な雑音の重畳しているプラズマ位
置形状計測値ベクトルYms15から雑音を濾波し、プ
ラズマ位置形状を推定し、プラズマ位置形状推定値ベク
トル[Y]20として出力するものである。プラズマ位
置形状観測手段19Aは、プラズマ位置形状計測値15
を観測し、当該値が正常か否かを判定すると共に、正常
な値と異常なものと区別するために、異常なものを特定
をしてその通知がプラズマ位置形状観測結果21として
出力するものである。
【0148】プラズマ位置形状推定手段18Dの構成に
ついて具体的に説明すると、第4実施例と同様に従来装
置の数学モデルである図29において、いわゆるカルマ
ンフィルタを追加するようにしている。本実施例の数学
モデルである図12に示すように、プラズマ位置形状計
測値ベクトルYms15に含まれる雑音ベクトルW35
を濾波し、プラズマ位置形状の推定を行い、最終的にプ
ラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20を出力する。
【0149】ここで、行列Gは、ゲインを表し、次の式
(32)で求められる行列であり、関連して次の式(3
3)が成立つ。
【0150】
【数18】
【0151】また、行列Pは、プラズマ位置形状観測結
果21に従ってプラズマ位置形状計測値ベクトルYms
15の正常なものを残し異常なものを除外する行列であ
る。なお、実施例でのプラズマ位置形状は、第1実施例
と同様に下記の5種類の値、すなわち、円柱環状のプラ
ズマの内径Zin、円柱環状のプラズマの外径Zou
t、垂直方向の位置Zp、プラズマ電流Ip、ポロイダ
ルベータ値βpとした。従って、プラズマ位置形状に関
係するベクトル、すなわち、プラズマ位置形状目標値ベ
クトルYref14、プラズマ位置形状偏差ベクトルY
def13、プラズマ位置形状指令値ベクトルYcom
11、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15、プ
ラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20は5次のベク
トルである。
【0152】次に、第5実施例の作用を図11に基づい
て説明する。
【0153】まず、プラズマ位置形状推定手段18Dで
は、雑音の重畳したプラズマ位置形状計測値15を使用
して、プラズマ位置形状が推定されると共に、雑音の濾
波とプラズマ位置形状値の推定とが同時に行われる。こ
れにより、常に雑音を濾波した状態のプラズマ位置形状
値が帰還される。すなわち、プラズマ位置形状推定手段
18Dを設けることにより安定したプラズマ位置形状制
御がされる。
【0154】プラズマ位置形状観測手段19Aでは、プ
ラズマ位置形状計測値ベクトルYms15が時々刻々観
測される。このとき観測結果が正常な場合には、プラズ
マ位置形状観測結果21がプラズマ位置形状推定手段1
8Dに通知される。
【0155】この場合、プラズマ位置形状推定手段18
Dは、行列Pの内容を次の式(34)の5×5の単位と
する。
【0156】
【数19】
【0157】この場合、プラズマ位置形状推定手段18
Dは、次の式(35)で示されるプラズマ位置形状計測
値ベクトルYms15のうちの全ての要素について雑音
の濾波を行い真の値の測定を行う。
【0158】
【数20】
【0159】プラズマ位置形状観測手段19Aの観測結
果が異常な場合には、プラズマ位置形状観測結果21が
プラズマ位置形状推定手段18Dに通知される。この場
合、プラズマ位置形状推定手段18Dは、プラズマ位置
形状計測値ベクトルYms15の要素のうち異常なもの
を零とするため、行列P内容を作り変える。
【0160】すなわち、次の式(36)で示されるベク
トルPは、5×5の対角行列(対角成分以外は零)とす
る。
【0161】
【数21】
【0162】例えば、要素の2番目が異常で他は正常の
とき行列Pは、P22が零となり、次の式(37)とな
る。
【0163】
【数22】
【0164】この場合、プラズマ位置形状推定手段18
Dは、異常な計測値を除去し、残りの正常な計測値につ
いて濾波を行い、さらに、除去した計測値も含めて全て
について真の値の推定を行う。
【0165】なお、プラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15の要素すべてが異常となった場合、行列Pは零
行列となり、その結果、プラズマ位置形状推定手段18
Dが正常な動作を行うことができなくなる。このとき、
プラズマ位置形状観測手段19Aから通知されるプラズ
マ位置形状観測結果21に基づいてプラズマ位置形状推
定手段18Dでは、状況に合わせて内部の構成を変化さ
せ、常に最適な濾波と推定とが行われる。
【0166】ここで、プラズマ位置形状観測手段19A
の処理は図8に示すように第3実施例とほぼ同様であ
る。
【0167】すなわち、プラズマ位置形状計測値ベクト
ルYms15の各要素について、それぞれ上限値、下限
値を予め決めておき、次の式(38)が成立するか否か
チェックする(処理401)。
【0168】
【数23】
【0169】上記式(38)がすべて成立する時は正常
とし、一つでも成立しないものが存在するときは異常と
判断する(判断402)。この判断で正常とされた場合
は、プラズマ位置形状観測結果21は正常とする(処理
403)。この判断で異常とされた場合は、プラズマ位
置形状観測結果21は異常とし、各要素のうちいずれか
が異常なのかを特定し通知する(処理404)。プラズ
マ位置形状観測手段19は、以上の処理を時々刻々繰り
返す(401)〜(404)。
【0170】以上第5実施例によれば、プラズマ位置形
状計測値ベクトルYms15に重畳している雑音をカル
マンフィルタにより濾波し、プラズマ位置形状を推定し
帰還値とすることができるため、従来装置に比べて安定
したプラズマ位置形状制御を行うことが可能となる。
【0171】また、プラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15の一部分が異常な場合でも、カルマンフィルタ
の構成を変化させ、正常な計測値のみでカルマンフィル
タを動作させプラズマ位置形状を推定し、制御系を維持
することができるため、プラズマ位置形状制御運転を続
けることが可能である。
【0172】なお、第5実施例では、第1実施例と同様
にコイル電流制御手段5、プラズマ位置形状・コイル電
流変換手段10、プラズマ位置形状制御手段12、プラ
ズマ位置形状算出手段16、プラズマ位置形状観測手段
19は電子計算機と機能プログラムにより実現したが、
専用ハードウエアによって実現することも可能である。
【0173】次に、図13は本発明の第6実施例を示す
プラズマ制御装置の構成図である。
【0174】第6実施例が従来例を示す図26と異なる
点は、プラズマ位置形状推定手段18とプラズマ位置形
状観測手段19Aと信号切換手段22Aとを追設したこ
とであり、第6実施例が第1実施例と異なる点は、信号
切換手段22とプラズマ位置形状観測手段19との構成
と異にして信号切換手段22Aとプラズマ位置形状観測
手段19Aとしたことである。
【0175】ここで、プラズマ位置形状推定手段18
は、第1実施例と同様に電流計測値ベクトルIms7か
らプラズマ位置形状を推定し、プラズマ位置形状推定値
ベクトル[Y]20として出力するものである。プラズ
マ位置形状観測手段19Aは、プラズマ位置形状計測値
ベクトルYms15を観測し当該値が正常か否かを判定
し、その結果をプラズマ位置形状観測結果21として出
力するものである。信号切換手段22Aは、プラズマ位
置形状観測結果21の正常または異常に応じて、プラズ
マ位置形状計測値ベクトルYms15またはプラズマ位
置形状推定値ベクトル[Y]20のいずれかをベクトル
の要素それぞれに対してプラズマ位置形状帰還値ベクト
ルYfb23として出力するものである。
【0176】次に、信号切換手段22Aについて詳細に
説明する。
【0177】信号切換手段22Aは、図15に示すよう
にプラズマ位置形状計測値ベクトルYms15とプラズ
マ位置形状推定値ベクトル[Y]20とを入力し、それ
ぞれに対応する要素毎にいずれか一方を選択スイッチ2
5により選択可能となるように構成されている。この選
択スイッチ25は、プラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15またはプラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]
20の次数分だけ存在し、その選択結果をプラズマ位置
形状帰還値ベクトルYfb23として出力する。
【0178】選択スイッチ25の切換は、信号切換判断
部24からの信号で行われ、この信号切換判断部24
は、プラズマ位置形状観測結果21を受けた後、その内
容を読み取り、プラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb
23を構成する要素毎にそれぞれ独立に、プラズマ位置
形状計測値ベクトルYms15とプラズマ位置形状推定
値ベクトル[Y]20とのいずれを選択するのかを決定
した後に選択スイッチ25を操作する。
【0179】図14では、m個の要素のうち、2番目の
要素のみ推定値を選択し、残りは計測値を選択している
様子を表している。
【0180】なお、プラズマ位置形状推定手段18は、
第1実施例で説明したと同様に物理的関係を模擬してプ
ラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20を推定し、図
29に示す従来装置の数学モデルに対応して第6実施例
の数学モデルは図14に示すようになっている。
【0181】また、第6実施例のプラズマ位置形状は、
次の5種類の値、つまり、円柱環状のプラズマの内径Z
in、円柱環状のプラズマの外径Zout、垂直方向の
位置Zp、プラズマ電流Ip、ポロイダルベータ値βp
とした。
【0182】従って、プラズマ位置形状に関係するベク
トル、すなわち、プラズマ位置形状目標値ベクトルYr
ef14、プラズマ位置形状偏差ベクトルYdef1
3、プラズマ位置形状指令値ベクトルYcom11、プ
ラズマ位置形状計測値ベクトルYms15、プラズマ位
置形状推定値ベクトル[Y]20、プラズマ位置形状帰
還値ベクトルYfb23は5次ベクトルである。
【0183】次に、第6実施例の作用を図13に基づい
て説明する。
【0184】まず、プラズマ位置形状観測手段19で
は、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15を時々
刻々観測する。この観測では、Ymsのすべてについて
正常か否かを判定し、この判定結果がプラズマ位置形状
観測結果21として信号切換手段22Aに通知される。
【0185】上記判定でプラズマ位置形状計測値ベクト
ルYms15の要素の全てが正常の場合、信号切換手段
22Aは、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15
をそのまま、プラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb2
3として出力する。従って、制御系の動作は、図26に
示す従来装置とほぼ同等となり、プラズマ位置形状計測
値ベクトルYms15による制御ループが形成される。
【0186】一方、プラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15の要素のうち異常なものが存在する場合、信号
切換手段22Aは、前記異常な要素を除外すると共に、
プラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20を選択利用
して、出力ベクトルであるところのプラズマ位置形状帰
還値ベクトルYfb23を成立させ負帰還制御ループを
形成する。上記のプラズマ位置形状計測値ベクトルYm
s15とプラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20と
の信号選択論理は、図15に示した信号切換判断部24
内に存在する。
【0187】次に、信号切換判断部24の処理を図16
を参照して説明する。
【0188】まず、信号切換判断部24では、プラズマ
位置形状観測手段19からプラズマ位置形状観測結果2
1を通知として受け取り、その内容を読み取る(処理5
01)。
【0189】次に、プラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15の各要素を次の式(39)とプラズマ位置形状
推定値ベクトル[Y]20の各要素を次の式(40)と
プラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23の各要素を
次の式(41)で表すとする。
【0190】
【数24】
【0191】そして、プラズマ位置形状計測値ベクトル
Yms15が正常か否かを各要素毎に判断する(処理5
02,判断503)。この判断で正常の場合次の式(4
2)のように処理する(処理504)。
【0192】
【数25】
【0193】逆に、異常の場合には、次の式(43)の
ように処理する(処理505)。
【0194】
【数26】
【0195】以上の処理がm個全てについて関連づけが
終了したら、上記関連づけに従ってm個の選択スイッチ
が切換えられる(処理506〜処理507)。
【0196】次に、プラズマ位置形状観測手段19Aの
処理を図17を参照して説明する。
【0197】まず、プラズマ位置形状観測手段19A
は、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15の各要
素を読み取る(処理601)
【0198】次に、順次各要素について次の式(44)
が成立するか判断する(処理602,処理603)。
【0199】
【数27】
【0200】上記式(44)が成立すれば、正常とし、
式(44)が不成立のとき異常とする(処理604,処
理605)。全ての要素について正常か異常かの判断が
終了した後、その結果をプラズマ位置形状観測結果21
として外部へ通知する(処理606〜処理608)。プ
ラズマ位置形状観測手段19Aは、以上の処理を時々刻
々繰り返す。
【0201】なお、プラズマ位置形状推定手段18は、
制御対象が動作している間は、必要、不必要に係わら
ず、常にプラズマ位置形状を推定し、プラズマ位置形状
推定値ベクトル[Y]20として値を算出するものとす
る。
【0202】以上、第6実施例によれば、プラズマ位置
形状計測値ベクトルYms15が異常な場合でも、制御
対象の物理系を模擬し、プラズマ位置形状を推定し、そ
の推定値を計測値の代替とすることにより、プラズマ位
置形状の負帰還制御系を維持することが可能となる。す
なわち、プラズマ位置形状制御運転を続行することがで
きる。
【0203】なお、第6実施例では、コイル電流制御手
段5、プラズマ位置形状・コイル電流変換手段10、プ
ラズマ位置形状制御手段12、プラズマ位置形状算出手
段16、プラズマ位置形状推定手段18、プラズマ位置
形状観測手段19A、信号切換手段22Aは電子計算機
と機能プログラムにより実現したが、専用ハードウェア
によって実現することも可能である。
【0204】また。第6実施例では、信号切換手段22
Aに設ける信号切換判断部24の信号選択論理は、図1
6に示すように、プラズマ位置形状推定値ベクトル
[Y]20よりもプラズマ位置形状計測値ベクトルYm
s15を優先して選択するようにしたが、必ずしもこれ
に拘束されない。ある条件のもとでは、推定値を優先さ
せたほうが良い場合もあり、この部分の推論は様々な形
態のものが可能である。
【0205】また、プラズマ位置形状観測手段19Aで
の観測結果算出論理は、第6実施例ではプラズマ位置形
状計測値ベクトルYms15の各要素毎にその大きさに
よって正常か異常かを判断するようにしたが、これ以外
の算出論理も可能で、複数の要素から総合的に判断する
ような方法もある。
【0206】さらに、第6実施例では、プラズマ位置形
状計測値ベクトルYms15が正常な場合でも、プラズ
マ位置形状推定手段18を動作させるようにしたが、こ
の場合は必ずしも当該推定値が必要とは限らないので、
場合によっては推定値の計算を休止することも可能であ
る。
【0207】次に、図18は本発明の第7実施例を示す
プラズマ制御装置の構成図である。
【0208】第7実施例が従来例を示す図26と異なる
点は、プラズマ位置形状推定手段18Eとプラズマ位置
形状観測手段19Aと信号切換手段22Aとを追設した
ことであり、第7実施例が第2実施例と異なる点は、プ
ラズマ位置形状推定手段18Aの構成を異にしてプラズ
マ位置形状推定手段18Eとしたことである。
【0209】ここで、プラズマ位置形状推定手段18E
は、第2実施例と異なる数学モデルによって電流計測値
ベクトルIms7とプラズマ位置形状指令値ベクトルY
com11とからプラズマ位置形状を推定し、プラズマ
位置形状推定値ベクトル[Y]20として出力するもの
である。プラズマ位置形状観測手段19Aは、プラズマ
位置形状計測値ベクトルYms15を観測し当該値が正
常か否かを判定し、その結果をプラズマ位置形状観測結
果21として出力するものである。信号切換手段22A
は、プラズマ位置形状観測結果21の正常または異常に
応じて、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15ま
たはプラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20のいず
れか一方をベクトルの要素それぞれに対してプラズマ位
置形状帰還値ベクトルYfb23として出力するもので
ある。
【0210】次に、プラズマ位置形状推定手段18E
は、従来装置の数学モデルである図29において、ルー
エンバーガ(Luenberger)の状態観測器を追
加し、プラズマ位置形状推定手段18Eとする。第7実
施例の数学モデルは図19に示すように、制御モデル上
の状態を表わすコイル電流値ベクトルI31の推定と、
制御モデル上の出力を表わすプラズマ位置形状計測値ベ
クトルYms15の推定とを行い、最終的にプラズマ位
置形状推定値ベクトル[Y]20を出力する。ここで、
行列Gは推定誤差を減衰させるためのゲインを表わし、
解析的、実験的に数値は求められる。
【0211】
【0212】選択スイッチ25の切換は、信号切換判断
部24の信号で行われ、この信号切換判断部24は、プ
ラズマ位置形状観測結果21を受けた後、その内容を読
み取り、プラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23を
構成する要素毎にそれぞれ独立に、プラズマ位置形状計
測値ベクトルYms15とプラズマ位置形状推定値ベク
トル[Y]20とのいずれを選択するのかを決定した後
に選択スイッチ25を操作する。図14では、m個の要
素のうち、2番目の要素のみ推定値を選択し、残りは計
測値を選択している様子を表している。
【0213】また、第7実施例のプラズマ位置形状は、
次の5種類の値、つまり、円柱環状のプラズマの内径Z
in、円柱環状のプラズマの外径Zout、垂直方向の
位置Zp、プラズマ電流Ip、ポロイダルベータ値βp
とした。
【0214】従って、プラズマ位置形状に関係するベク
トル、すなわち、プラズマ位置形状目標値ベクトルYr
ef14、プラズマ位置形状偏差ベクトルYdef1
3、プラズマ位置形状指令値ベクトルYcom11、プ
ラズマ位置形状計測値ベクトルYms15、プラズマ位
置形状推定値ベクトル[Y]20、プラズマ位置形状帰
還値ベクトルYfb23は5次ベクトルである。
【0215】次に、第7実施例の作用を図18に基づい
て説明する。
【0216】まず、プラズマ位置形状観測手段19Aで
は、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15を時々
刻々観測する。この観測では、Ymsのすべてについて
正常か否かを判定し、この判定結果がプラズマ位置形状
観測結果21として信号切換手段22Aに通知される。
【0217】一方、プラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15の要素のうち異常なものが存在する場合、信号
切換手段22Aは、前記異常な要素を除外すると共に、
プラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20を選択利用
して、出力ベクトルであるところのプラズマ位置形状帰
還値ベクトルYfb23を成立させ負帰還制御ループを
形成する。上記のプラズマ位置形状計測値ベクトルYm
s15とプラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20と
の信号選択論理は、図15に示した信号切換判断部24
内に存在する。
【0218】次に、信号切換判断部24の処理を図16
を参照して説明する。
【0219】まず、信号切換判断部24では、プラズマ
位置形状観測手段19からプラズマ位置形状観測結果2
1を通知として受け取り、その内容を読み取る(処理5
01)。
【0220】次に、プラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15の各要素を次の式(45)とプラズマ位置形状
推定値ベクトル[Y]20の各要素を次の式(46)と
プラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23の各要素を
次の式(47)で表すとする。
【0221】
【数28】
【0222】そして、プラズマ位置形状計測値ベクトル
Yms15が正常か否かを各要素毎に判断する(処理5
02,判断503)。この判断で正常の場合次の式(4
8)のように処理する(処理504)。
【0223】
【数29】
【0224】逆に、異常の場合には、次の式(49)の
ように処理する(処理505)。
【0225】
【数30】
【0226】以上の処理がm個全てについて関連づけが
終了したら、上記関連づけに従ってm個の選択スイッチ
が切換えられる(処理506〜処理508)。
【0227】次に、プラズマ位置形状観測手段19Aの
処理を図17を参照して説明する。
【0228】次に、プラズマ位置形状観測手段19A
は、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15の各要
素を読み取る(処理601)
【0229】次に、順次各要素について次の式(50)
が成立するか判断する(処理602,処理603)。
【0230】
【数31】
【0231】上記式(50)が成立すると正常とし、式
(50)が不成立のとき異常とする(処理604,処理
605)。全ての要素について正常か異常かの判断が終
了した後、その結果をプラズマ位置形状観測結果21と
して外部へ通知する(処理606〜処理608)。プラ
ズマ位置形状観測手段19Aは、以上の処理を時々刻々
繰り返す。
【0232】なお、プラズマ位置形状推定手段18E
は、制御対象が動作している間は、必要、不必要に係わ
らず、常にプラズマ位置形状を推定し、プラズマ位置形
状推定値ベクトル[Y]20として値を算出するものと
する。
【0233】以上、第7実施例によれば、プラズマ位置
形状計測値ベクトルYms15が異常な場合でも、制御
対象の物理系を模擬し、プラズマ位置形状を推定し、そ
の推定値を計測値の代替とすることにより、プラズマ位
置形状の負帰還制御系を維持することが可能となる。す
なわち、プラズマ位置形状制御運転を続行することがで
きる。
【0234】なお、第7実施例では、コイル電流制御手
段5、プラズマ位置形状・コイル電流変換手段10、プ
ラズマ位置形状制御手段12、プラズマ位置形状算出手
段16、プラズマ位置形状推定手段18E、プラズマ位
置形状観測手段19A、信号切換手段22Aは電子計算
機と機能プログラムにより実現したが、専用ハードウェ
アによって実現することも可能である。
【0235】また。第7実施例では、信号切換手段22
Aに設ける信号切換判断部24の信号選択論理は図16
に示すように、プラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]
20よりもプラズマ位置形状計測値ベクトルYms15
を優先して選択するようにしたが、必ずしもこれに拘束
されない。ある条件のもとでは、推定値を優先させたほ
うが良い場合もあり、この部分の推論は様々な形態のも
のが可能である。
【0236】また、プラズマ位置形状観測手段19Aで
の観測結果算出論理は、第7実施例ではプラズマ位置形
状計測値ベクトルYms15の各要素毎にその大きさに
より正常か異常かを判断するようにしたが、これ以外の
算出論理も可能で、複数の要素から総合的に判断するよ
うな方法もある。
【0237】さらに、第7実施例では、プラズマ位置形
状計測値ベクトルYms15が正常な場合でも、プラズ
マ位置形状推定手段18Eを動作させるようにしたが、
この場合は必ずしも当該推定値が必要とは限らないの
で、場合によっては推定値の計算を休止することも可能
である。
【0238】次に、図20は本発明の第8実施例を示す
プラズマ制御装置の構成図である。
【0239】第8実施例が従来例を示す図26と異なる
点は、プラズマ位置形状推定手段18Aとプラズマ位置
形状観測手段19Aと信号切換手段22Aとを追設した
ことであり、第8実施例が第2実施例と異なる点は、信
号切換手段22の構成を異にして信号切換手段22Aと
したことである。
【0240】ここで、プラズマ位置形状推定手段18A
は、電流計測値ベクトルIms7とプラズマ位置形状指
令値ベクトルYcom11とからプラズマ位置形状を推
定し、プラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20とし
て出力するものである。プラズマ位置形状観測手段19
Aは、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15を観
測し当該値が正常か否かを判定し、その結果をプラズマ
位置形状観測結果21として出力するものである。信号
切換手段22Aは、プラズマ位置形状観測結果21の異
常と正常に応じて、プラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15またはプラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]
20のいずれか一方をベクトルの要素それぞれに対して
プラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23として出力
するものである。
【0241】次に、プラズマ位置形状推定手段18A
は、従来装置の数学モデルである図29において、ルー
エンバーガ(Luenberger)の状態観測器を追
加し、プラズマ位置形状推定手段18Aとする。第8実
施例の数学モデルは、図21に示すように、制御対象を
模擬することにより、制御モデル上の状態を表わすコイ
ル電流値ベクトルI31の推定と、制御モデル上の出力
を表わすプラズマ位置形状計測値ベクトルYms15の
推定とを行い、最終的にプラズマ位置形状推定値ベクト
ル[Y]20を出力する。ここで、行列Gは推定誤差を
減衰させるためのゲインを表わし、解析的、実験的に数
値は求められる。
【0242】次に、信号切換手段22Aは、第6実施例
と同様であり、信号切換手段22Aは図15に示すよう
にプラズマ位置形状計測値ベクトルYms15とプラズ
マ位置形状推定値ベクトル[Y]20とを入力し、それ
ぞれ対応する要素毎にいずれか一方を選択スイッチ25
により選択可能となるように構成されている。
【0243】この選択スイッチ25はプラズマ位置形状
計測値ベクトルYms15またはプラズマ位置形状推定
値ベクトル[Y]20の次数分だけ存在し、その選択結
果をプラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23として
出力する。選択スイッチ25の切換は信号切換判断部2
4からの信号で行われ、この信号切換判断部24は、プ
ラズマ位置形状観測結果21を受けた後、その内容を読
み取り、プラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23を
構成する要素毎に独立に、プラズマ位置形状計測値ベク
トルYms15とプラズマ位置形状推定値ベクトル
[Y]20とのいずれかを選択するのかを決定した後に
選択スイッチ25を操作する。図14ではm個の要素の
うち、2番目の要素のみ推定値を選択し、残りは計測値
を選択している様子を表している。
【0244】また、第8実施例のプラズマ位置形状は、
次の5種類の値、つまり、円柱環状のプラズマの内径Z
in、円柱環状のプラズマの外径Zout、垂直方向の
位置Zp、プラズマ電流Ip、ポロイダルベータ値βp
とした。
【0245】従って、プラズマ位置形状に関係するベク
トル、すなわち、プラズマ位置形状目標値ベクトルYr
ef14、プラズマ位置形状偏差ベクトルYdef1
3、プラズマ位置形状指令値ベクトルYcom11、プ
ラズマ位置形状計測値ベクトルYms15、プラズマ位
置形状推定値ベクトル[Y]20、プラズマ位置形状帰
還値ベクトルYfb23は5次ベクトルである。
【0246】次に、第8実施例の作用を図20に基づい
て説明する。
【0247】まず、プラズマ位置形状観測手段19Aで
は、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15を時々
刻々観測する。この観測では、Ymsのすべてについて
正常か否かを判定し、この判定結果がプラズマ位置形状
観測結果21として信号切換手段22Aに通知される。
【0248】プラズマ位置形状計測値ベクトルYms1
5の要素のうち異常なものが存在する場合、信号切換手
段22Aは、前記異常な要素を除外すると共に、プラズ
マ位置形状推定値ベクトル[Y]20を選択利用して、
出力ベクトルであるところのプラズマ位置形状帰還値ベ
クトルYfb23を成立させ負帰還制御ループを形成す
る。上記の、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms1
5とプラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20との信
号選択論理は、図15に示した信号切換判断部24内に
存在する。
【0249】次に、信号切換判断部24の処理を図16
を参照して説明する。
【0250】まず、信号切換判断部24では、プラズマ
位置形状観測手段19Aからプラズマ位置形状観測結果
21を通知として受け取り、その内容を読み取る(処理
511)。
【0251】次に、プラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15の各要素を次の式(51)とプラズマ位置形状
推定値ベクトル[Y]20の各要素を次の式(52)と
プラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23の各要素を
次の式(53)で表すとする。
【0252】
【数32】
【0253】そして、プラズマ位置形状計測値ベクトル
Yms15が正常か否かを各要素毎に判断する(処理5
02,判断503)。この判断で正常の場合次の式(5
4)のように処理する(処理504)。
【0254】
【数33】
【0255】逆に、異常の場合には、次の式(55)の
ように処理する(処理505)。
【0256】
【数34】
【0257】以上の処理がm個全てについて関連づけが
終了したら、上記関連づけに従ってm個の選択スイッチ
が切換えられる(処理506〜処理508)。
【0258】次に、プラズマ位置形状観測手段19Aの
処理を図17を参照して説明する。
【0259】まず、プラズマ位置形状観測手段19A
は、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15の各要
素を読み取る(処理601)
【0260】次に、順次各要素について次の式(56)
が成立するか判断する(処理602,処理603)。
【0261】
【数35】
【0262】上記式(56)が成立すると正常とし、式
(56)が不成立のとき異常とする(処理604,処理
605)。全ての要素について正常か異常かの判断が終
了した後、その結果をプラズマ位置形状観測結果21と
して外部へ通知する(処理606〜処理608)。プラ
ズマ位置形状観測手段19Aは、以上の処理を時々刻々
繰り返す。
【0263】なお、プラズマ位置形状推定手段18A
は、制御対象が動作している間は、必要、不必要に係わ
らず、常にプラズマ位置形状を推定し、プラズマ位置形
状推定値ベクトル[Y]20として値を算出するものと
する。
【0264】以上、第8実施例によれば、プラズマ位置
形状計測値ベクトルYms15が異常な場合でも、制御
対象の物理系を模擬し、プラズマ位置形状を推定し、そ
の推定値を計測値の代替とすることにより、プラズマ位
置形状の負帰還制御系を維持することが可能となる。す
なわち、プラズマ位置形状制御運転を続行することがで
きる。
【0265】なお、第8実施例では、コイル電流制御手
段5、プラズマ位置形状・コイル電流変換手段10、プ
ラズマ位置形状制御手段12、プラズマ位置形状算出手
段16、プラズマ位置形状推定手段18A、プラズマ位
置形状観測手段19A、信号切換手段22Aは電子計算
機と機能プログラムにより実現したが、専用ハードウェ
アによって実現することも可能である。
【0266】また、第8実施例では、信号切換手段22
Aに設ける信号切換判断部24の信号選択論理は図16
に示すように、プラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]
20よりもプラズマ位置形状計測値ベクトルYms15
を優先して選択するようにしたが、必ずしもこれに拘束
されない。ある条件のもとでは、推定値を優先させた方
が良い場合もあり、この部分の推論は様々な形態のもの
が可能である。
【0267】また、プラズマ位置形状観測手段19Aで
の観測結果算出論理は、第8実施例ではプラズマ位置形
状計測値ベクトルYms15の各要素毎にその大きさに
より正常か異常かを判断するようにしたが、これ以外の
算出論理も可能で、複数の要素から総合的に判断するよ
うな方法もある。
【0268】さらに、実施例では、プラズマ位置形状計
測値ベクトルYms15が正常な場合でも、プラズマ位
置形状推定手段18Aを動作させるようにしたが、この
場合は必ずしも当該推定値が必要とは限らないので、場
合によっては推定値の計算を休止することも可能であ
る。
【0269】次に、図22は本発明の第9実施例を示す
プラズマ制御装置の構成図である。
【0270】第9実施例が従来例を示す図26と異なる
点は、プラズマ位置形状推定手段18Bとプラズマ位置
形状観測手段19Aと信号切換手段22Aとを追設した
ことであり、第9実施例が第3実施例と異なる点は、信
号切換手段22の構成と異にして信号切換手段22Aと
したことである。
【0271】ここで、プラズマ位置形状推定手段18B
は、第3実施例と同様にプラズマ位置形状指令値ベクト
ルYcom11とプラズマ位置形状計測値ベクトルYm
s15とからプラズマ位置形状を推定し、プラズマ位置
形状推定値ベクトル[Y]20として出力するものであ
る。プラズマ位置形状観測手段19Aは、プラズマ位置
形状計測値ベクトルYms15を観測し当該値が正常か
否かを判定し、その結果をプラズマ位置形状観測結果2
1として出力するものである。信号切換手段22Aは、
プラズマ位置形状観測結果21の正常または異常に応じ
て、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15または
プラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20のいずれか
一方をベクトルの要素それぞれに対してプラズマ位置形
状帰還値ベクトルYfb23として出力するものであ
る。
【0272】次に、プラズマ位置形状推定手段18Bの
処理は、第3実施例と同様でプラズマ位置形状推定手段
18Bは、従来装置の数学モデルである図29におい
て、ルーエンバーガ(Luenberger)の状態観
測器を追加したものである。本実施例では、数学モデル
が図23に示す通り、制御対象を模擬することにより、
制御対象の状態であるコイル電流値ベクトルI31の推
定と、制御対象の出力であるプラズマ位置形状計測値ベ
クトルYms15の推定とを行い、最終的にプラズマ位
置形状推定値ベクトル[Y]20を出力する。図23に
示す行列Gは、推定誤差を減衰させるためのゲインをあ
らわし、解析的、実験的に数値は求められる。
【0273】また、図23に示す行列Pは、プラズマ位
置形状観測結果21に従ってプラズマ位置形状計測値ベ
クトルYms15の正常なものを残し異常なものを除外
するものである。
【0274】次に、信号切換手段22Aは、第6実施例
と同様で、信号切換手段22Aは図15に示すようにプ
ラズマ位置形状計測値ベクトルYms15とプラズマ位
置形状推定値ベクトル[Y]20とを入力し、それぞれ
対応する要素毎にいずれか一方を選択スイッチ25によ
り選択可能となるように構成されている。
【0275】この選択スイッチ25はプラズマ位置形状
計測値ベクトルYms15またはプラズマ位置形状推定
値ベクトル[Y]20の次数分だけ存在し、その選択結
果をプラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23として
出力する。
【0276】選択スイッチ25の切換は、信号切換判断
部24からの信号で行われ、この信号切換判断部24
は、プラズマ位置形状観測結果21を受けた後、その内
容を読み取り、プラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb
23を構成する要素毎に独立に、プラズマ位置形状計測
値ベクトルYms15とプラズマ位置形状推定値ベクト
ル[Y]20とのいずれを選択するのかを決定した後に
選択スイッチ25を操作する。図14では、m個の要素
のうち、2番目の要素のみ推定値を選択し、残りは計測
値を選択している様子を表している。
【0277】また、第9実施例のプラズマ位置形状は、
次の5種類の値、つまり、円柱環状のプラズマの内径Z
in、円柱環状のプラズマの外径Zout、垂直方向の
位置Zp、プラズマ電流Ip、ポロイダルベータ値βp
とした。
【0278】従って、プラズマ位置形状に関係するベク
トル、すなわち、プラズマ位置形状目標値ベクトルYr
ef14、プラズマ位置形状偏差ベクトルYdef1
3、プラズマ位置形状指令値ベクトルYcom11、プ
ラズマ位置形状計測値ベクトルYms15、プラズマ位
置形状推定値ベクトル[Y]20、プラズマ位置形状帰
還値ベクトルYfb23は5次ベクトルである。
【0279】次に、第9実施例の作用を図22に基づい
て説明する。
【0280】まず、プラズマ位置形状観測手段19Aで
は、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15を時々
刻々観測し、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms1
5の要素全てについて正常か異常かを判定し、その判定
結果をプラズマ位置形状観測結果21として信号切換手
段22Aとプラズマ位置形状推定手段18Bとに通知さ
れる。
【0281】プラズマ位置形状計測値ベクトルYms1
5の要素全てが正常の場合に、当該信号切換手段22A
は、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15をその
まま、プラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23とし
て出力する。この場合、図26に示す従来装置とほぼ同
等となり、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15
による制御ループが形成される。
【0282】プラズマ位置形状推定手段18Bは、行列
Pの内容を次の式(57)で示す5×5の単位行列とす
る。
【0283】
【数36】
【0284】この場合、プラズマ位置形状推定手段18
Bは、次の式(58)で示すプラズマ位置形状計測値ベ
クトルYms15の全ての要素についてプラズマ位置形
状指令値ベクトルYcom11に基づいて真の推定をす
る。
【0285】
【数37】
【0286】一方、プラズマ位置形状観測手段19Aの
観測結果が異常なものを含む場合には、プラズマ位置形
状観測結果21が信号切換手段22Aとプラズマ位置形
状推定手段18Bとに通知される。
【0287】この場合、プラズマ位置形状推定手段18
Bは、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15の要
素のうち異常なものを零するために行列Pの内容を作り
変える。
【0288】すなわち、次の式(59)で示す行列Pを
5×5の対角行列(対角成分以外は零)を次の処理をす
る。
【0289】
【数38】
【0290】例えば、2番目の要素が異常で他は正常の
とき、行列PはP22が零となり、次の式(60)に示
される。
【0291】
【数39】
【0292】この場合、プラズマ位置形状推定手段18
Bは、異常な計測値を除去し残りの正常な計測値とプラ
ズマ位置形状指令値ベクトルYcom11とを用いて除
去した計測値を含めて、全ての要素について真の値の推
定を行う。
【0293】このようにプラズマ位置形状観測手段19
Aからのプラズマ位置形状観測結果21に対応してプラ
ズマ位置形状推定手段18Bは、内部の構成を変化さ
せ、常に、最適な推定を行うことが可能である。また、
信号切換手段22Aは、前記異常な要素を除外すると共
に、プラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20を利用
して、出力ベクトルであるプラズマ位置形状帰還値ベク
トルYfb23を成立させ負帰還制御ループを形成す
る。
【0294】上記のプラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15とプラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20
との信号選択論理は、図15に示した信号切換判断部2
4内に存在する。
【0295】次に、信号切換判断部24の処理を図16
を参照して説明する。
【0296】まず、信号切換判断部24では、プラズマ
位置形状観測手段19Aからプラズマ位置形状観測結果
21を通知として受け取り、その内容を読み取る(処理
501)。
【0297】次に、プラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15の各要素を次の式(61)とプラズマ位置形状
推定値ベクトル[Y]20の各要素を次の式(62)と
プラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23の各要素を
次の式(63)で表すとする。
【0298】
【数40】
【0299】そして、プラズマ位置形状計測値ベクトル
Yms15が正常か否かを各要素毎に判断する(処理5
02,判断503)。この判断で正常の場合次の式(6
4)のように処理する(処理504)。
【0300】
【数41】
【0301】逆に、異常の場合には、次の式(65)の
ように処理する(処理505)。
【0302】
【数42】
【0303】以上の処理がm個全てについて関連づけが
終了したら、上記関連づけに従ってm個の選択スイッチ
が切換えられる(処理506〜処理508)。
【0304】次に、プラズマ位置形状観測手段19Aの
処理を図17を参照して説明する。
【0305】まず、プラズマ位置形状観測手段19A
は、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15の各要
素を読み取る(処理601)
【0306】次に、順次各要素について次の式(66)
が成立するか判断する(処理602,処理603)。
【0307】
【数43】
【0308】上記式(66)が成立すると正常とし、式
(66)が不成立のとき異常とする(処理604,処理
605)。全ての要素について正常か異常かの判断が終
了した後、その結果をプラズマ位置形状観測結果21と
して外部へ通知する(処理606〜処理608)。プラ
ズマ位置形状観測手段19は、以上の処理を時々刻々繰
り返す。
【0309】なお、プラズマ位置形状推定手段18B
は、制御対象が動作している間は、必要、不必要に係わ
らず、常にプラズマ位置形状を推定し、プラズマ位置形
状推定値ベクトル[Y]20として値を算出するものと
する。
【0310】以上、第9実施例によれば、プラズマ位置
形状計測値ベクトルYms15が異常な場合でも、制御
対象の物理系を模擬し、プラズマ位置形状を推定し、そ
の推定値を計測値の代替とすることにより、プラズマ位
置形状の負帰還制御系を維持することが可能となる。す
なわち、プラズマ位置形状制御運転を続行することがで
きる。
【0311】なお、第9実施例では、コイル電流制御手
段5、プラズマ位置形状・コイル電流変換手段10、プ
ラズマ位置形状制御手段12、プラズマ位置形状算出手
段16、プラズマ位置形状推定手段18B、プラズマ位
置形状観測手段19A、信号切換手段22Aは電子計算
機と機能プログラムにより実現したが、専用ハードウェ
アによって実現することも可能である。
【0312】また、第9実施例では、信号切換手段22
Aに設ける信号切換判断部24の信号選択論理は図16
に示すように、プラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]
20よりもプラズマ位置形状計測値ベクトルYms15
を優先して選択するようにしたが、必ずしもこれに拘束
されない。ある条件のもとでは、推定値を優先させたほ
うが良い場合もあり、この部分の推論は様々な形態のも
のが可能である。
【0313】また、プラズマ位置形状観測手段19Aで
の観測結果算出論理は、第9実施例ではプラズマ位置形
状計測値ベクトルYms15の各要素毎にその大きさに
よって正常か異常かを判断するようにしたが、これ以外
の算出論理も可能で、複数の要素から総合的に判断する
ような方法もある。
【0314】さらに、第9実施例では、プラズマ位置形
状計測値ベクトルYms15が正常な場合でも、プラズ
マ位置形状推定手段18Bを動作させるようにしたが、
この場合は必ずしも当該推定値が必要とは限らないの
で、場合によっては推定値の計算を休止することも可能
である。
【0315】また、第9本実施例では、プラズマ位置形
状推定手段18Bは、プラズマ位置形状計測値ベクトル
Yms15の各要素の健全性に応じて内部構成、すなわ
ち、図23に記載した行列Pのみを変化させたが、場合
によっては推定誤差の減衰ゲインを表わす行列Gも変化
させたほうが良い場合がある。
【0316】次に、図24は本発明の第10実施例を示
すプラズマ制御装置の構成図である。
【0317】第10実施例が従来例を示す図26と異な
る点は、プラズマ位置形状推定手段18Fとプラズマ位
置形状観測手段19Aと信号切換手段22Aとを追設し
たことであり、第10実施例が第3実施例と異なる点
は、信号切換手段22とプラズマ位置形状推定手段18
Bとの構成と異にして信号切換手段22Aとプラズマ位
置形状推定手段18Eとしたことである。
【0318】ここで、プラズマ位置形状推定手段18F
は、第3実施例と異なる数学モデルによって電流計測値
ベクトルIms7とプラズマ位置形状指令値ベクトルY
com11とプラズマ位置形状計測値ベクトルYms1
5とからプラズマ位置形状を推定し、プラズマ位置形状
推定値ベクトル[Y]20として出力するものである。
プラズマ位置形状観測手段19Aは、プラズマ位置形状
計測値ベクトルYms15を観測し当該値が正常か否か
を判定し、その結果をプラズマ位置形状観測結果21と
して出力するものである。信号切換手段22Aは、プラ
ズマ位置形状観測結果21の正常または異常に応じて、
プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15またはプラ
ズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20のいずれか一方
をベクトルの要素それぞれに対してプラズマ位置形状帰
還値ベクトルYfb23として出力するものである。
【0319】次に、プラズマ位置形状推定手段18Fの
処理は、従来装置の数学モデルを示す図29において、
ルーエンバーガ(Luenberger)の状態観測器
を追加し、プラズマ位置形状推定手段18Fとする。第
10実施例の数学モデルは図25に示すように制御対象
を模擬することにより、制御モデル上の状態をあらわす
コイル電流値ベクトルI31の推定と、制御モデル上の
出力を表わすプラズマ位置形状計測値ベクトルYms1
5の推定とを行い、最終的にプラズマ位置形状推定値ベ
クトル[Y]20を出力する。ここで、行列G1,G2
は、推定誤差を減衰させるためのゲインを表わし、解析
的、実験的に数値は求められる。
【0320】第10実施例では、推定誤差を減衰させる
ための経路が電流計測値ベクトルIms7とプラズマ位
置形状計測値ベクトルYms15とあり、この点が第1
0実施例のプラズマ位置形状推定手段18Fの特徴の一
つである。
【0321】行列Pは、プラズマ位置形状観測結果21
に従ってプラズマ位置形状計測値ベクトルYms15の
要素のうち、正常なものを残し異常なものを零とするこ
とを目的とした行列で、要素が0または1の対角行列で
ある。
【0322】次に、信号切換手段22Aは、第6実施例
と同様で、信号切換手段22Aは図15に示すようにプ
ラズマ位置形状計測値ベクトルYms15とプラズマ位
置形状推定値ベクトル[Y]20とを入力し、それぞれ
対応する要素毎にいずれか一方を選択スイッチ25によ
り選択可能となるように構成されている。
【0323】この選択スイッチ25はプラズマ位置形状
計測値ベクトルYms15またはプラズマ位置形状推定
値ベクトル[Y]20の次数分だけ存在し、その選択結
果をプラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23として
出力する。
【0324】選択スイッチ25の切換は、信号切換判断
部24の信号で行われ、この信号切換判断部24は、プ
ラズマ位置形状観測結果21を受けた後、その内容を読
み取り、プラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23を
構成する要素毎に独立に、プラズマ位置形状計測値ベク
トルYms15とプラズマ位置形状推定値ベクトル
[Y]20とのいずれを選択するのかを決定した後に選
択スイッチ25を操作する。
【0325】また、第10実施例のプラズマ位置形状
は、次の5種類の値、つまり、円柱環状のプラズマの内
径Zin、円柱環状のプラズマの外径Zout、垂直方
向の位置Zp、プラズマ電流Ip、ポロイダルベータ値
βpとした。
【0326】従って、プラズマ位置形状に関係するベク
トル、すなわち、プラズマ位置形状目標値ベクトルYr
ef14、プラズマ位置形状偏差ベクトルYdef1
3、プラズマ位置形状指令値ベクトルYcom11、プ
ラズマ位置形状計測値ベクトルYms15、プラズマ位
置形状推定値ベクトル[Y]20、プラズマ位置形状帰
還値ベクトルYfb23は5次ベクトルである。
【0327】次に、第10実施例の作用を図24に基づ
いて説明する。
【0328】まず、プラズマ位置形状観測手段19Aで
は、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15を時々
刻々観測し、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms1
5の要素全てについて正常か異常かを判定し、その結果
がプラズマ位置形状観測結果21として信号切換手段2
2Aとプラズマ位置形状推定手段18Fとに通知され
る。
【0329】プラズマ位置形状計測値ベクトルYms1
5の要素全てが正常の場合、当該信号切換手段22A
は、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15をその
まま、プラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23とし
て出力する。この場合、図26に示す従来装置にほぼ同
等となり、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15
による制御ループが形成される。
【0330】プラズマ位置形状推定手段18Fは、行列
Pの内容を次の式(67)で示す5×5の単位行列とす
る。
【0331】
【数44】
【0332】この場合、プラズマ位置形状推定手段18
Fは、次の式(68)で示すプラズマ位置形状計測値ベ
クトルYms15の全ての要素についてプラズマ位置形
状指令値ベクトルYcom11に基づいて真の推定をす
る。
【0333】
【数45】
【0334】一方、プラズマ位置形状観測手段19Aの
観測結果が異常なものを含む場合には、プラズマ位置形
状観測結果21が信号切換手段22Aとプラズマ位置形
状推定手段18Fとに通知される。
【0335】この場合、プラズマ位置形状推定手段18
Fは、プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15の要
素のうち異常なものを零するために行列P内容を作り変
える。
【0336】すなわち、次の式(69)で示す行列Pを
5×5の対角行列(対角成分以外は零)を次の処理をす
る。
【0337】
【数46】
【0338】例えば、2番目の要素が異常で他は正常の
とき、行列PはP22が零となり、次の式(70)に示
される。
【0339】
【数47】
【0340】この場合、プラズマ位置形状推定手段18
Fは、異常な計測値を除去し残りの正常な計測値とプラ
ズマ位置形状指令値ベクトルYcom11とを用いて除
去した計測値を含めて、全ての要素について真の値の推
定を行う。
【0341】このようにプラズマ位置形状観測手段19
Aからのプラズマ位置形状観測結果21に対応してプラ
ズマ位置形状推定手段18Fは、内部の構成を変化さ
せ、常に、最適な推定を行うことが可能である。また、
信号切換手段22Aは、前記異常な要素を除外すると共
に、プラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20を利用
して、出力ベクトルであるプラズマ位置形状帰還値ベク
トルYfb23を成立させ負帰還制御ループを形成す
る。
【0342】上記のプラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15とプラズマ位置形状推定値ベクトル[Y]20
との信号選択論理は、図15に示した信号切換判断部2
4内に存在する。
【0343】次に、信号切換判断部24の処理を図16
を参照して説明する。
【0344】まず、信号切換判断部24では、プラズマ
位置形状観測手段19Aからプラズマ位置形状観測結果
21を通知として受け取り、その内容を読み取る(処理
501)。
【0345】次に、プラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15の各要素を次の式(71)とプラズマ位置形状
推定値ベクトル[Y]20の各要素を次の式(72)と
プラズマ位置形状帰還値ベクトルYfb23の各要素を
次の式(73)で表すとする。
【0346】
【数48】
【0347】そして、プラズマ位置形状計測値ベクトル
Yms15が正常か否かを各要素毎に判断する(処理5
02,判断503)。この判断で正常の場合次の式(7
4)のように処理する(処理504)。
【0348】
【数49】
【0349】逆に、異常の場合には、次の式(75)の
ように処理する(処理505)。
【0350】
【数50】
【0351】以上の処理がm個全てについて関連づけが
終了したら、上記関連づけに従ってm個の選択スイッチ
が切換えられる(処理506〜処理507)。
【0352】次に、プラズマ位置形状観測手段19Aの
処理を図17を参照して説明する。
【0353】まず、プラズマ位置形状観測手段19Aは
プラズマ位置形状計測値ベクトルYms15の各要素を
読み取る(処理601)
【0354】次に、順次各要素について次の式(76)
が成立するか判断する(処理602,処理603)。
【0355】
【数51】
【0356】上記式(76)が成立すると正常とし、式
(76)が不成立のとき異常とする(処理604,処理
605)。全ての要素について正常か異常かの判断が終
了した後、その結果をプラズマ位置形状観測結果21と
して外部へ通知する(処理606〜処理608)。プラ
ズマ位置形状観測手段19は、以上の処理を時々刻々繰
り返す。
【0357】なお、プラズマ位置形状推定手段18F
は、制御対象が動作している間は、必要、不必要に係わ
らず、常にプラズマ位置形状を推定し、プラズマ位置形
状推定値ベクトル[Y]20として値を算出するものと
する。
【0358】以上、第10実施例によれば、プラズマ位
置形状計測値ベクトルYms15が異常な場合でも、制
御対象の物理系を模擬し、プラズマ位置形状を推定し、
その推定値を計測値の代替とすることにより、プラズマ
位置形状の負帰還制御系を維持することが可能となる。
すなわち、プラズマ位置形状制御運転を続行することが
できる。
【0359】なお、第10実施例では、コイル電流制御
手段5、プラズマ位置形状・コイル電流変換手段10、
プラズマ位置形状制御手段12、プラズマ位置形状算出
手段16、プラズマ位置形状推定手段18F、プラズマ
位置形状観測手段19A、信号切換手段22Aは電子計
算機と機能プログラムにより実現したが、専用ハードウ
ェアによって実現することも可能である。
【0360】また。第10実施例では、信号切換手段2
2Aに設ける信号切換判断部24の信号選択論理は図1
6に示すように、プラズマ位置形状推定値ベクトル
[Y]20よりもプラズマ位置形状計測値ベクトルYm
s15を優先して選択するようにしたが、必ずしもこれ
に拘束されない。ある条件のもとでは、推定値を優先さ
せたほうが良い場合もあり、この部分の推論は様々な形
態のものが可能である。
【0361】また、プラズマ位置形状観測手段19Aで
の観測結果算出論理は、第10実施例ではプラズマ位置
形状計測値ベクトルYms15の各要素毎にその大きさ
により正常か異常かを判断するようにしたが、これ以外
の算出論理も可能で、複数の要素から総合的に判断する
ような方法もある。
【0362】また、第10実施例では、プラズマ位置形
状推定手段18Fがプラズマ位置形状計測値ベクトルY
ms15の各要素の健全性に応じて内部構成、すなわ
ち、図25に記載した行列Pのみを変化させたが、場合
によっては推定誤差の減衰ゲインを表わす行列G1,G
2も変化させた方が良い場合もある。
【0363】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明によれ
ば、コイル電流計測値に基づいてプラズマ位置形状推定
手段により、プラズマ位置形状を推定するようにしたた
めにプラズマ位置形状計測値が異常と観測されたときプ
ラズマ位置形状計測値に代えてプラズマ位置形状推定値
をプラズマ位置形状負帰還値として出力することができ
る。しかも、一部の異常のプラズマ位置形状計測値のみ
をプラズマ位置形状推定値で代替することもできるため
に全体としてプラズマ位置形状負帰還値の誤差を減少さ
せることができる。従って、プラズマ位置形状計測値が
異常の場合や計測不能の場合でも代替のプラズマ位置形
状推定値よってプラズマ制御を継続するでき、プラズマ
制御の中断を回避することができる。
【0364】また、第2の発明は、コイル電流計測値と
プラズマ位置形状指令値とに基づいてプラズマ位置形状
推定手段によってプラズマ位置形状を推定するようにし
たためにプラズマ位置形状計測値が異常と観測されたと
き、プラズマ位置形状計測値に代えてプラズマ位置形状
推定値をプラズマ位置形状負帰還値として出力すること
ができる。この場合、一部の異常のプラズマ位置形状計
測値のみをプラズマ位置形状推定値で代替し、他は正常
なプラズマ位置形状計測値を用いることもできるために
全体としてプラズマ位置形状負帰還値の誤差を減少させ
ることができる。しかも、コイル電流計測値だけでなく
プラズマ位置形状指令値と一緒にして、プラズマ位置形
状推定値を求めるために精度が高く、プラズマ位置形状
計測値が異常の場合でも、精度の高い代替でプラズマ制
御を停止することなく、継続制御することができる。
【0365】また、第3の発明は、いずれかが異常とさ
れたとき対応するプラズマ位置形状計測値を除外して残
りの正常とされたプラズマ位置形状計測値とプラズマ位
置形状指令値とに基づいてプラズマ位置形状を推定する
ようにしたために精度が高いプラズマ位置形状推定値を
プラズマ位置形状計測値の代わりにプラズマ位置形状負
帰還値として出力することができる。しかも、一部の異
常のプラズマ位置形状計測値のみをプラズマ位置形状推
定値の代替として他の正常なプラズマ位置形状計測値を
用いることもできるために全体としてプラズマ位置形状
負帰還値の精度が良く、プラズマ制御を停止することな
く、継続制御することができる。
【0366】また、第4の発明は、いずれかが異常とさ
れたとき対応するプラズマ位置形状計測値を除外して残
りの正常とされたプラズマ位置形状計測値とプラズマ位
置形状指令値と電流計測値とに基づいてプラズマ位置形
状を推定するようにしたためにプラズマ位置形状推定値
をプラズマ位置形状計測値の代わりにプラズマ位置形状
負帰還値として出力することができる。しかも、一部の
異常のプラズマ位置形状計測値のみをプラズマ位置形状
推定値の代替として他の正常なプラズマ位置形状計測値
が用いることもできるために全体としてプラズマ位置形
状負帰還値の精度が良く、プラズマ位置形状計測値の一
部が異常の場合でもプラズマ制御を停止することなく、
継続制御することができる。
【0367】また、第5の発明は、プラズマ位置形状推
定手段によりプラズマ位置形状計測値に重畳する雑音を
濾波する共に、プラズマ位置形状が推定されプラズマ位
置形状推定値がプラズマ位置形状負帰還値として出力す
ることができる。従って、プラズマ位置形状計測値に重
畳する雑音が濾波されてプラズマ位置形状推定値が得ら
れるから従来装置に比べ安定した制御ができる。
【0368】第6の発明は、プラズマ位置形状観測手段
によりいずれかが異常とされたとき対応するプラズマ位
置形状計測値を除外して残りの正常とされたプラズマ位
置形状計測値に重畳する雑音が濾波されてプラズマ位置
形状が推定されプラズマ位置形状推定値がプラズマ位置
形状負帰還値として出力することができる。従って、プ
ラズマ位置形状計測値の一部が異常の場合でもプラズマ
位置形状推定値が得られるためプラズマ制御を停止する
ことなく、継続制御することができ、しかも、従来装置
に比べ安定した制御ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すプラズマ制御装置の
構成図である。
【図2】図1の第1実施例の制御系数学モデルを示すブ
ロック図である。
【図3】図1の第1実施例におけるプラズマ位置形状観
測手段の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施例を示すプラズマ制御装置の
構成図である。
【図5】図4の第2実施例の制御系数学モデルを示すブ
ロック図である。
【図6】本発明の第3実施例を示すプラズマ制御装置の
構成図である。
【図7】図6の第3実施例の制御系数学モデルを示すブ
ロック図である。
【図8】図6の第3実施例におけるプラズマ位置形状観
測手段の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第4実施例を示すプラズマ制御装置の
構成図である。
【図10】図9の第4実施例の制御系数学モデルを示す
ブロック図である。
【図11】本発明の第5実施例を示すプラズマ制御装置
の構成図である。
【図12】図11の第5実施例の制御系数学モデルを示
すブロック図である。
【図13】本発明の第6実施例を示すプラズマ制御装置
の構成図である。
【図14】同第6実施例の制御系数字モデルを示すブロ
ック図である。
【図15】同第6実施例の信号切換手段を示す構成図で
ある。
【図16】同第6実施例の信号切換手段に備える信号切
換判断部の処理を示すフローチャートである。
【図17】同第6実施例のプラズマ位置形状観測手段の
処理手順を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第7実施例を示すプラズマ制御装置
の構成図である。
【図19】同第7実施例の制御系数字モデルを示すブロ
ック図である。
【図20】本発明の第8実施例を示すプラズマ制御装置
の構成図である。
【図21】同第8実施例の制御系数字モデルを示すブロ
ック図である。
【図22】本発明の第9実施例を示すプラズマ制御装置
の構成図である。
【図23】同第9実施例の制御系数字モデルを示すブロ
ック図である。
【図24】本発明の第10実施例を示すプラズマ制御装
置の構成図である。
【図25】同第10実施例の制御系数字モデルを示すブ
ロック図である。
【図26】従来例を示すプラズマ制御装置の構成図であ
る。
【図27】図26の従来例に対応する第1の制御ブロッ
ク図である。
【図28】図26の従来例に対応する第2の制御ブロッ
ク図である。
【図29】図26の従来例の制御系数字モデルを示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
1 コイル 2 電流検出器 3 電源 5 コイル電流制御手段 8 電流計測器 10 プラズマ位置形状・コイル電流変換手段 12 プラズマ位置形状制御手段 16 プラズマ位置形状算出手段 18A,B,C,D,E,F プラズマ位置形状推定
手段 19,19A プラズマ位置形状観測手段 22,22A 信号切換手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トカマク型核融合装置内のプラズマ位置
    形状がその目標値となるように前記トカマク型核融合装
    置内の磁場を複数個のコイルに流れる電流を調節して制
    御するプラズマ制御装置において、 前記トカマク型核融合装置内で計測された複数のプラズ
    マ位置形状計測値をプラズマ位置形状計測値負帰還値と
    してそれぞれ負帰還し、そのプラズマ位置形状目標値と
    の偏差に基づいて前記プラズマ位置形状が前記プラズマ
    位置目標値となるようにプラズマ位置形状指令値を出力
    するプラズマ位置形状制御手段と、 前記トカマク型核融合装置内の磁場を発生させる前記複
    数個のコイル電流計測値をそれぞれ負帰還し前記プラズ
    マ位置形状指令値に基づくコイル電流目標値との偏差に
    基づいて前記複数個のコイルの電流がそのコイル電流目
    標値になるように制御するコイル電流制御手段と、 前記プラズマ位置形状計測値が異常か否かを観測するプ
    ラズマ位置形状観測手段と、 前記コイル電流計測値に基づいて前記プラズマ位置形状
    を推定してプラズマ位置形状推定値を出力するプラズマ
    位置形状推定手段と、 前記プラズマ位置形状観測手段による観測結果に応じて
    前記プラズマ位置形状計測値の代わりにプラズマ位置形
    状推定値を前記プラズマ位置形状負帰還値として出力す
    る信号切換手段とを備えたことを特徴とするプラズマ制
    御装置。
  2. 【請求項2】 トカマク型核融合装置内のプラズマ位置
    形状がその目標値となるように前記トカマク型核融合装
    置内の磁場を複数個のコイルに流れる電流を調節して制
    御するプラズマ制御装置において、 前記トカマク型核融合装置内で計測された複数のプラズ
    マ位置形状計測値をプラズマ位置形状計測値負帰還値と
    してそれぞれ負帰還し、そのプラズマ位置形状目標値と
    の偏差に基づいて前記プラズマ位置形状が前記プラズマ
    位置目標値となるようにプラズマ位置形状指令値を出力
    するプラズマ位置形状制御手段と、 前記トカマク型核融合装置内の磁場を発生させる前記複
    数個のコイル電流計測値をそれぞれ負帰還し前記プラズ
    マ位置形状指令値に基づくコイル電流目標値との偏差に
    基づいて前記複数個のコイルの電流がそのコイル電流目
    標値になるように制御するコイル電流制御手段と、 前記プラズマ位置形状計測値が異常か否かを観測するプ
    ラズマ位置形状観測手段と、 前記コイル電流計測値と前記プラズマ位置形状指令値と
    に基づいて前記プラズマ位置形状を推定してプラズマ位
    置形状推定値を出力するプラズマ位置形状推定手段と、 前記プラズマ位置形状観測手段による観測結果に応じて
    前記プラズマ位置形状計測値に代えて前記プラズマ位置
    形状推定値を前記プラズマ位置形状負帰還値として出力
    する信号切換手段とを備えたことを特徴とするプラズマ
    制御装置。
  3. 【請求項3】 前記プラズマ位置形状観測手段は、前記
    プラズマ位置形状計測値のいずれか一つでも異常のと
    き、異常と観測する一方、前記信号切換手段は、前記異
    常と観測されたとき前記プラズマ位置形状計測値の全て
    の代わりに前記プラズマ位置形状推定値を前記プラズマ
    位置形状計測値負帰還値として出力するように切換える
    ことを特徴とする請求項1記載または請求項2記載のプ
    ラズマ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記プラズマ位置形状観測手段は、前記
    プラズマ位置形状計測値それぞれを観測して異常と正常
    とのそれぞれに区別すると共に、前記信号切換手段は、
    前記複数のプラズマ位置形状計測値に対応してそれぞれ
    切換えられ、前記正常と観測された前記プラズマ位置形
    状計測値を前記プラズマ位置形状計測値負帰還値として
    出力するように切換える一方、前記異常と観測された前
    記プラズマ位置形状計測値については、対応するプラズ
    マ位置形状計測値に代えて前記プラズマ位置形状推定値
    を前記プラズマ位置形状計測値負帰還値として出力する
    ように切換えることを特徴とする請求項1記載または請
    求項2記載のプラズマ制御装置。
  5. 【請求項5】 トカマク型核融合装置内のプラズマ位置
    形状がその目標値となるように前記トカマク型核融合装
    置内の磁場を複数個のコイルに流れる電流を調節して制
    御するプラズマ制御装置において、 前記トカマク型核融合装置内で計測された複数のプラズ
    マ位置形状計測値をプラズマ位置形状計測値負帰還値と
    してそれぞれ負帰還し、そのプラズマ位置形状目標値と
    の偏差に基づいて前記プラズマ位置形状が前記プラズマ
    位置目標値となるようにプラズマ位置形状指令値を出力
    するプラズマ位置形状制御手段と、 前記トカマク型核融合装置内の磁場を発生させる前記複
    数個のコイル電流計測値をそれぞれ負帰還し前記プラズ
    マ位置形状指令値に基づくコイル電流目標値との偏差に
    基づいて前記複数個のコイルの電流がそのコイル電流目
    標値になるように制御するコイル電流制御手段と、 前記プラズマ位置形状計測値のそれぞれについて異常か
    否かを観測するプラズマ位置形状観測手段と、 このプラズマ位置形状観測手段によりいずれかが異常と
    されたとき対応するプラズマ位置形状計測値を除外して
    残りの正常とされたプラズマ位置形状計測値とプラズマ
    位置形状指令値とに基づいて前記プラズマ位置形状を推
    定してプラズマ位置形状推定値を出力するプラズマ位置
    形状推定手段と、 前記プラズマ位置形状観測手段による観測結果に応じて
    前記プラズマ位置形状計測値に代えて前記プラズマ位置
    形状推定値を前記プラズマ位置形状負帰還値として出力
    する信号切換手段とを備えたことを特徴とするプラズマ
    制御装置。
  6. 【請求項6】 トカマク型核融合装置内のプラズマ位置
    形状がその目標値となるように前記トカマク型核融合装
    置内の磁場を複数個のコイルに流れる電流を調節して制
    御するプラズマ制御装置において、 前記トカマク型核融合装置内で計測された複数のプラズ
    マ位置形状計測値をプラズマ位置形状計測値負帰還値と
    してそれぞれ負帰還し、そのプラズマ位置形状目標値と
    の偏差に基づいて前記プラズマ位置形状が前記プラズマ
    位置目標値となるようにプラズマ位置形状指令値を出力
    するプラズマ位置形状制御手段と、 前記トカマク型核融合装置内の磁場を発生させる前記複
    数個のコイル電流計測値をそれぞれ負帰還し前記プラズ
    マ位置形状指令値に基づくコイル電流目標値との偏差に
    基づいて前記複数個のコイルの電流がそのコイル電流目
    標値になるように制御するコイル電流制御手段と、 前記プラズマ位置形状計測値のそれぞれについて異常か
    否かを観測するプラズマ位置形状観測手段と、 このプラズマ位置形状観測手段によりいずれかが異常と
    されたとき対応するプラズマ位置形状計測値を除外して
    残りの正常とされたプラズマ位置形状計測値とプラズマ
    位置形状指令値とに基づいて前記プラズマ位置形状を推
    定してプラズマ電流計測値と位置形状推定値を出力する
    プラズマ位置形状推定手段と、 前記プラズマ位置形状観測手段による観測結果に応じて
    前記プラズマ位置形状計測値に代えて前記プラズマ位置
    形状推定値を前記プラズマ位置形状負帰還値として出力
    する信号切換手段とを備えたことを特徴とするプラズマ
    制御装置。
  7. 【請求項7】 前記信号切換手段は、前記プラズマ位置
    形状計測値のいずれかが異常と観測されたとき、前記プ
    ラズマ位置形状計測値の全てに代えて前記プラズマ位置
    形状推定値を前記プラズマ位置形状負帰還値として出力
    するように切換えることを特徴とする請求項5記載また
    は請求項6記載のプラズマ制御装置。
  8. 【請求項8】 前記信号切換手段は、前記正常と観測さ
    れた前記プラズマ位置形状計測値を前記プラズマ位置形
    状負帰還値として出力するように切換える一方、前記異
    常と観測された前記プラズマ位置形状計測値については
    前記プラズマ位置形状推定値を前記プラズマ位置形状負
    帰還値として出力するように切換えることを特徴とする
    請求項5記載または請求項6記載のプラズマ制御装置。
  9. 【請求項9】 トカマク型核融合装置内のプラズマ位置
    形状がその目標値となるように前記トカマク型核融合装
    置内の磁場を複数個のコイルに流れる電流を調節して制
    御するプラズマ制御装置において、 前記トカマク型核融合装置内で計測された複数のプラズ
    マ位置形状計測値をプラズマ位置形状計測値負帰還値と
    してそれぞれ負帰還し、そのプラズマ位置形状目標値と
    の偏差に基づいて前記プラズマ位置形状が前記プラズマ
    位置目標値となるようにプラズマ位置形状指令値を出力
    するプラズマ位置形状制御手段と、 前記トカマク型核融合装置内の磁場を発生させる前記複
    数個のコイル電流計測値をそれぞれ負帰還し前記プラズ
    マ位置形状指令値に基づくコイル電流目標値との偏差に
    基づいて前記複数個のコイルの電流がそのコイル電流目
    標値になるように制御するコイル電流制御手段と、 前記プラズマ位置形状計測値に重畳する雑音を濾波する
    と共に、前記プラズマ位置形状を推定してプラズマ位置
    形状推定値を前記プラズマ位置形状負帰還値として出力
    するプラズマ位置形状推定手段とを備えたことを特徴と
    するプラズマ制御装置。
  10. 【請求項10】 トカマク型核融合装置内のプラズマ位
    置形状がその目標値となるように前記トカマク型核融合
    装置内の磁場を複数個のコイルに流れる電流を調節して
    制御するプラズマ制御装置において、 前記トカマク型核融合装置内で計測された複数のプラズ
    マ位置形状計測値をプラズマ位置形状計測値負帰還値と
    して負帰還し、そのプラズマ位置形状目標値との偏差に
    基づいて前記プラズマ位置形状が前記プラズマ位置目標
    値となるようにプラズマ位置形状指令値を出力するプラ
    ズマ位置形状制御手段と、 前記トカマク型核融合装置内の磁場を発生させる前記複
    数個のコイル電流計測値をそれぞれ負帰還し前記プラズ
    マ位置形状指令値に基づくコイル電流目標値との偏差に
    基づいて前記複数個のコイルの電流がそのコイル電流目
    標値になるように制御するコイル電流制御手段と、 前記プラズマ位置形状計測値のそれぞれについて異常か
    否かを観測するプラズマ位置形状観測手段と、 このプラズマ位置形状観測手段によりいずれかが異常と
    されたとき対応するプラズマ位置形状計測値を除外して
    残りの正常とされたプラズマ位置形状計測値に重畳する
    雑音を濾波すると共に、前記プラズマ位置形状を推定し
    てプラズマ位置形状推定値を前記プラズマ位置形状計測
    値の代わりに前記プラズマ位置形状負帰還値として出力
    するプラズマ位置形状推定手段とを備えたことを特徴と
    するプラズマ制御装置。
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