JP2017084563A - 電磁石制御装置および電磁石システム - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマ処理装置において再現性の低下や装置の固体差の要因となり得る現象が許容差内に収まるように電磁石を制御できる技術を提供する。
【解決手段】電磁石制御装置は、磁束密度指令値、または、磁束密度指令値を特定可能な情報を取得するように構成された指令値取得部と、磁束密度指令値に基づいてコイルに流す電流の値を決定する電流値決定部と、を備えている。電流値決定部は、継鉄の消磁状態から磁束密度の絶対値を増加させる場合に、第1の関数に基づいてコイルに流す電流の値を決定する第1の処理と、継鉄の着磁状態から磁束密度の絶対値を減少させる場合に、第2の関数に基づいてコイルに流す電流の値を決定する第2の処理と、継鉄の着磁状態から磁束密度の絶対値を増加させる場合に、第3の関数に基づいてコイルに流す電流の値を決定する第3の処理と、を実行するように構成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、継鉄とコイルとを有する電磁石のコイルに流す電流を制御するための技術に関する。
従来、プラズマ処理装置(例えば、プラズマエッチング装置等)において、マグネトロン放電を利用したエッチング方法が実用化されている。これは、エッチングガスが導入されたチャンバ内において、互いに直行する方向の電場および磁場を印加し、その際に生じる電子のドリフト運動を利用してウエハ表面を高効率にエッチングする方法である。
かかるエッチング装置では、チャンバ内のプラズマ密度の分布を制御するために、チャンバの外部に配置された磁石によって発生される磁場が制御される。磁場を制御する方法として、例えば、永久磁石を機械的に移動させることや、電磁石に印加する電流を制御することが知られている。永久磁石を機械的に移動させる方法では、永久磁石によって発生される磁場強度が固定されるので、プラズマ密度分布を微調整することが困難である。このため、従来は、電磁石に印加する電流を制御する方法が採用されている(例えば、下記の特許文献1)。
一方、電磁石に関して、電磁石に印加する制御電流と、発生する磁束密度と、の間に磁気ヒステリシス(以下、単に、ヒステリシスとも呼ぶ)が存在することが知られている。すなわち、電磁石に印加した電流に対して得られる磁束密度は、残留磁場の影響を受けるので、同じ印加電流に対して毎回同じ磁束密度値が再現されるとは限らない。
このような残留磁気の影響を低減する方法の1つは、ヒステリシス損が非常に小さい軟磁性材料(例えば、純鉄系材料や電磁鋼板など)を継鉄として用いることである。このような材料を用いれば、同じ印加電流に対して一定の許容差内の磁束密度を安定して得ることができる。残留磁気の影響を低減する他の方法は、ヒステリシス特性を考慮して電流値を補正することである(例えば、下記の特許文献2)。
特開2012−74972号公報 特開2007−132902号公報
しかしながら、継鉄に軟磁性材料を用いる方法では、軟磁性材料は、性能の良いものを選ぶほど高価になり、しかも、加工形状や母材の大きさに制限がある場合が多い。このため、入手先の少なさや加工コスト増大の問題を避けることができない。
また、ヒステリシス特性を考慮して電流値を補正する従来の方法は、プラズマ処理装置への適用が難しい。例えば、上記の引用文献2では、電流は、予め定められた最大値と最小値との間をサイクリックに変化するように制御される。そして、このような制御において、ヒステリシス特性を考慮した関数を用いて電流値が補正される。一方、プラズマ処理装置では、処理状況に応じた所望の磁束密度を得るために、電流値が不規則に制御される。このことは、状況に応じて、考慮すべき残留磁気の量が異なることを意味している。つまり、特許文献2の技術をプラズマ制御装置にそのまま適用することはできない。
このようなことから、プラズマ処理装置において再現性の低下や装置の固体差の要因となり得る現象が許容差内に収まるように電磁石を制御できる技術が開発されることが望ましい。また、そのような技術において、演算負荷を低減できること、低コスト化すること、および、電磁石制御装置の発注から納品までに要する時間を低減することの少なくとも1つが達成されることが望ましい。あるいは、同じ継鉄材料を用いた場合、磁束密度出力制御をより高精度化できることが望ましい。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の第1の形態によれば、継鉄とコイルとを有する電磁石のコイルに流す電流を制御するための電磁石制御装置が提供される。この電磁石制御装置は、コイルに電流を流すことによって得られる磁束密度の目標値に相当する磁束密度指令値、または、磁束密度指令値を特定可能な情報を取得するように構成された指令値取得部と、磁束密度指令値に基づいて、コイルに流す電流の値を決定する電流値決定部と、を備えている。電流値決定部は、継鉄の消磁状態から磁束密度の絶対値を増加させる場合に、第1の関数に基づいてコイルに流す電流の値を決定する第1の処理と、継鉄の着磁状態から磁束密度の絶対値を減少させる場合に、第2の関数に基づいてコイルに流す電流の値を決定する第2の処理と、継鉄の着磁状態から磁束密度の絶対値を増加させる場合に、第3の関数に基づいてコイルに流す電流の値を決定する第3の処理と、を実行するように構成される。
かかる電磁石制御装置によれば、3つの関数を電流印加の履歴に応じて使い分けて、コイルに流す電流を制御することによって、電流印加の履歴に関わらず、ヒステリシスに起因する残留磁気の影響を低減して、磁束密度指令値と、コイルに電流を流すことによって実際に得られる磁束密度値と、を従来よりも精度良く一致させることができる。その結果、当該電磁石制御装置を備えるプラズマ処理装置において、同一のプラズマ処理装置におけるプロセス使用条件の再現性の向上、または、同一仕様のプラズマ処理装置同士間の個体差を低減することができる。しかも、継鉄が有するヒステリシスの大きさに関わらず、磁束密度指令値と、実際に得られる磁束密度値と、を精度良く一致させることができる。このため、継鉄にヒステリシスの小さい材料を使用しなくてもよい。その結果、容易に入手できる安価な材料を継鉄に用いることができる。つまり、電磁石制御装置のコスト、および、電磁石制御装置の発注から納品までに要する時間を低減することができる。
本発明の第2の形態によれば、第1の形態において、第1の関数、第2の関数および第3の関数は、磁束密度と電流との関係を表す関数である。かかる形態によれば、他のパラメータへの変換を必要とすることなく、所望の磁束密度から、コイルに流す電流を直接的に決定することができる。したがって、電磁石制御装置における演算負荷を低減することができる。
本発明の第3の形態によれば、第1または第2の形態において、第1の関数、第2の関数および第3の関数は、線形関数である。かかる形態によれば、ヒステリシス特性の線形近似に基づいて、ヒステリシス特性を考慮した電流値を決定することができる。したがって、マイナーループ計算のための大規模な数値解析を行うことなく、磁束密度を許容範囲内の精度で制御することができる。
本発明の第4の形態によれば、第3の形態において、線形関数は、区分線形関数である。かかる形態によれば、大規模な数値解析を行うことなく、磁束密度の制御精度を第3の形態よりも高めることができる。
本発明の第5の形態によれば、第1ないし第4のいずれかの形態において、電磁石制御装置は、さらに、継鉄に対して消磁を行う消磁部を備える。かかる形態によれば、消磁を行った後に第1の関数に基づいてコイルに流す電流を決定する頻度を増加させることができる。消磁状態における電流値の決定は、着磁状態における電流値の決定よりも単純に行うことができるので、電磁石制御装置における演算負荷を低減することができる。
本発明の第6の形態によれば、第1ないし第5のいずれかの形態において、電流値決定部は、コイルに流す電流の値を決定するための処理の内容を、第1の処理から第2の処理、第2の処理から第3の処理、または、3の処理から第2の処理に切り替える場合に、切替時の電流値に応じて、第1の関数、第2の関数および第3の関数のうちの切替後の処理に対応する関数の各項の少なくとも1つに所定の係数を乗じた関数を用いてコイルに流す電流の値を決定するように構成される。かかる形態によれば、簡易的な手法によって、電流印加の履歴に応じて、磁束密度指令値と、コイルに電流を流すことによって実際に得られる磁束密度値と、を所定の精度で一致させることができる。したがって、電磁石制御装置における演算負荷を低減することができる。
本発明の第7の形態によれば、第1ないし第6のいずれかの形態において、電流値決定部は、指令値取得部が新たな磁束密度指令値を取得した場合に、前回取得した磁束密度指令値と、新たに取得した磁束密度指令値と、の変化幅に応じて、第1の関数、第2の関数または第3の関数の各項の少なくとも1つに所定の係数を乗じた関数を用いてコイルに流す電流の値を決定するように構成される、残留磁気は、磁束密度値(換言すれば、電流値)の変化幅に応じて変化するが、かかる形態によれば、このような変化を反映できるように所定の係数を設定することによって、磁束密度を精度良く制御することができる。
本発明の第8の形態によれば、第1ないし第7のいずれかの形態において、コイルは、複数のコイルを有している。電流値決定部は、複数のコイルの各々によって発生する磁界の影響を反映して、コイルに流す電流の値を決定するように構成される。かかる形態によれば、電磁石が複数のコイルを備えている場合であっても、磁束密度を精度良く制御することができる。複数のコイルは、同一の磁路を形成してもよく、あるいは、それぞれ異なる磁路を形成してもよい。
本発明の第9の形態によれば、第8の形態において、電流値決定部は、指令値取得部が新たな磁束密度指令値を取得した場合に、前回取得した磁束密度指令値と、新たに取得した磁束密度指令値と、の変化幅に応じて、第1の関数、第2の関数または第3の関数の各項の少なくとも1つに所定の係数を乗じた関数を用いて、または、第1の関数、第2の関数または第3の関数に対して、所定の関数の乗算および加算のうちの少なくとも一方を施した関数を用いて、コイルに流す電流の値を決定するように構成される。かかる形態によれば、電磁石が複数のコイルを備えている場合においても、第7の形態と同様の効果を奏する。
本発明の第10の形態によれば、第8または第9の形態において、電流値決定部は、複数のコイルのうちの少なくとも2つが同一の磁路を形成する場合に、第1の関数、第2の関数または第3の関数に基づいて決定された電流値に対して所定の関数または係数を乗じることによって、コイルに流す電流を補正するように構成される。かかる形態によれば、複数のコイルのうちの少なくとも2つが同一の磁路を形成することによる相互干渉を反映して、磁束密度を精度良く制御することができる。
本発明の第11の形態によれば、電磁石システムが提供される。この電磁石システムは、第1ないし第10のいずれかの形態の電磁石制御装置と、電磁石と、を備えている。か
かる電磁石システムによれば、第1ないし第10のいずれかの形態と同様の効果を奏する。
本発明の第12の形態によれば、第11の形態の電磁石システムは、コイルによって発生する磁場の磁束密度を検出するセンサと、センサによって検出された磁束密度値と、指令磁束密度値と、の差分に基づいて、該差分が小さくなるようにコイルに流す電流を補償する補償部と、を備えている。かかる形態によれば、フィードバック制御によって、磁束密度をさらに精度良く制御することができる。
本発明は、上述した形態に限らず、電磁石の制御方法、電磁石制御用プログラム、当該プログラムがコンピュータによって読み取り可能に記録された記憶媒体など、種々の形態で実現可能である。
本発明の一実施例としてのプラズマエッチングシステムの概略構成を示すブロック図である。 電磁石の概略構成を示す部分断面図である。 関数に基づいて電流値を決定する概念を示す説明図である。 電流値決定処理の流れを示すフローチャートである。 消磁状態から磁束密度を増加させる場合に電流値を決定する概念を示す模式図である。 図5の状態からさらに磁束密度を増加させる場合に電流値を決定する概念を示す模式図である。 着磁状態から磁束密度を減少させる場合に電流値を決定する概念を示す模式図である。 着磁状態から磁束密度を減少させる場合に電流値を決定する他の概念を示す模式図である。 着磁状態から磁束密度を増加させる場合に電流値を決定する概念を示す模式図である。 着磁状態から磁束密度を増加させる場合に電流値を決定する他の概念を示す模式図である。 第2実施例としての電磁石の概略構成を示す部分断面図である。 測定点M1における磁束密度の補正例を示す概念図である。 測定点M2における磁束密度の補正例を示す概念図である。 測定点M3における磁束密度の補正例を示す概念図である。 測定点M4における磁束密度の補正例を示す概念図である。 第3実施例としての、各コイルの相互干渉を反映する方法の一例を示す説明図である。 第3実施例としての、各コイルの相互干渉を反映する方法の一例を示す説明図である。 第4実施例としてのプラズマエッチングシステムの概略構成を示すブロック図である。
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例としてのプラズマ処理システム20の概略構成を示すブロック図である。プラズマ処理システム20は、本実施例では、プラズマエッチングを行うためのシステムであり、例えば、半導体製造工程において基板(例えば、ウェハ)をエッチングするために使用される。図1に示すように、プラズマ処理システム20は、プラズマエッチング装置21と指令部22と電磁石システム30と、を備えている。プラズマエッ
チング装置21は、チャンバ(図示省略)を備えている。チャンバ内でプラズマが発生させられ、それによって生成されるイオンやラジカルによって処理対象物がエッチングされる。指令部22は、本実施例では、パーソナルコンピュータであり、電磁石システム30(より具体的には、後述する電磁石制御装置50)に通信可能に接続されている。指令部22は、電磁石システム30に指令を与える任意の装置とすることができ、例えば、シーケンサなどであってもよい。
電磁石システム30は、電磁石40と、電磁石制御装置50と、を備えている。電磁石40は、電磁石40によって発生される磁場によってプラズマエッチング装置21におけるプラズマ密度分布を制御するために、上述のチャンバの外部にチャンバに隣接して設けられる。電磁石制御装置50は、指令部22からの指令を受け付けて、所望の磁束密度が得られるように電磁石40に流す電流を制御する。電磁石制御装置50は、プラズマエッチング装置21での処理状況に応じてプラズマ密度分布を制御できるように、予め定められた最大(または最小)の電流値(換言すれば、磁束密度値)に達する前に、電流(換言すれば、磁束密度)を減少(または減少)させるように制御可能に構成される。
図2は、電磁石40の概略構成を示す断面図である。電磁石40は、コイル41と、継鉄42と、を備えている。本実施例は、説明を単純化するために、電磁石40が1つのコイル41を備えているものとして説明される。ただし、電磁石40は、任意の数のコイル41を備えていてもよい。コイル41は、上面視で円形状に配置されているが、図2では、円の中心に対して片側のみを示している。電磁石40では、コイル41から所定距離だけ離れた測定点M1(チャンバ内の点)において所望の磁束密度が得られるように、コイル41に流す電流が制御される。
しかしながら、磁性材料によって形成される継鉄42は、磁気ヒステリシスを有している。このため、所望の磁束密度(本実施例では、指令部22から入力される磁束密度指令値)に基づいて、コイル41に流す電流を単純に演算すると、所望の磁束密度と、測定点M1で測定される磁束密度と、の間に、コイル41に印加される電流の履歴に応じて差異が生じる。電磁石制御装置50は、このようなヒステリシスの影響(つまり、所望の磁束密度と、測定点M1で測定される磁束密度と、の不一致)を低減する機能を有している。
図1に示すように、電磁石制御装置50は、指令値取得部60と、電流値決定部70と、ドライバ80と、消磁部85と、記憶部90と、を備えている。指令値取得部60は、指令部22から磁束密度指令値を受け付ける。また、指令値取得部60は、受け付けた磁束密度指令値を、ヒステリシスが存在しないと仮定した場合(すなわち、コイル41に流す電流と、測定点M1で測定される磁束密度と、が正比例すると仮定した場合)のコイル41に流す電流の電流値に換算する。こうして換算される電流値を電流指令値Iとも呼ぶ。指令値取得部60は、算出した電流指令値Iを電流値決定部70に出力する。
電流値決定部70は、電磁石40のヒステリシスを考慮して、電流指令値Iを補正し、コイル41に実際に流す電流値(制御電流値I’とも呼ぶ)を決定する。この処理は、第1の関数91、第2の関数92および第3の関数93に基づいて行われる。これらの関数は、記憶部90に予め記憶されている。ただし、これらの関数は、外部(例えば、指令部22)から通信によって取得されてもよい。また、後述するように、第2の関数92および第3の関数93は、状況に応じて変換されることがあるが、電流値決定部70は、通信によって外部から変換後の関数を取得してもよい。これらの関数の詳細については後述する。
そして、電流値決定部70は、決定した制御電流値I’をドライバ80に出力する。ドライバ80は、コイル41への電流供給を制御する。すなわち、ドライバ80は、入力さ
れた制御電流値I’の電流を電磁石40のコイル41に流す。消磁部85は、継鉄42に対して消磁を行う。具体的には、本実施例では、消磁部85は、指令部22から消磁指令を受け付けると、記憶部90から消磁のパラメータ(例えば、交流消磁の振幅、周波数など)を取得する。そして、消磁部85は、取得したパラメータに応じた指令をドライバ80に出力する。ドライバ80は、入力された指令に基づいて、電流を所望の波形に変換して出力する。
図3は、第1の関数91、第2の関数92および第3の関数93に基づいて制御電流値I’を決定する概念の説明図である。理想直線F0は、コイル41に流す電流と、それによって得られる磁束密度と、の理想的な関係(すなわち、ヒステリシスが存在しない場合の関係)を示している。理想直線F0では、電流と磁束密度とは、原点を通る比例関係にある。これに対して、第1の関数ラインF1、第2の関数ラインF2および第3の関数ラインF3は、ヒステリシスの影響を考慮して補正された後の、電流と磁束密度との関係を概念的に表している。図3に図示される第1の関数ラインF1、第2の関数ラインF2および第3の関数ラインF3は、第1の関数91、第2の関数92および第3の関数93をそれぞれそのままグラフ化したものではなく、これらの関数によって電流指令値Iが理想直線F0に対してどのように補正されるかを概念的に示していることに留意されたい。第1の関数ラインF1は、理想直線F0よりも上方に位置している。第2の関数ラインF2は、理想直線F0よりも下方に位置しており、第3の関数ラインF3は、第2の関数ラインF2よりも上方に位置している。図3に示す例では、第3の関数ラインF3の全体が理想直線F0よりも下方に位置しているが、継鉄42の材質によっては、第3の関数ラインF3の一部分は、理想直線F0よりも上方に位置することもある。
関数ラインF1〜F3は、電磁石40のヒステリシス特性を予め実測し、その結果に基づいて、近似的に定められる。第1の関数91、第2の関数92および第3の関数93は、定められた関数ラインF1〜F3上の電流値が制御電流値I’として得られるように近似的に定められる。本実施例では、第1の関数91、第2の関数92および第3の関数93の各々は、区間線形関数として定義されている。つまり、第1の関数91、第2の関数92および第3の関数93の各々は、グラフ化した場合、複数の線形が折れ点で接続された形状を有している。ただし、第1の関数91、第2の関数92および第3の関数93は、区間が定義されていない単純な線形関数として定義されてもよいし、あるいは、任意の関数として定義されてもよい。
第1の関数91は、継鉄42の消磁状態から磁束密度の絶対値を増加させる場合に使用される。第1の関数91に対応する図3の第1の関数ラインF1は、原点と、磁束密度の最大値Bmaxと、の間で定義されている。すなわち、図示される第1の関数ラインF1は、電流値ゼロから最大値Bmaxに相当する電流値(電流値Imax)まで電流を一定の幅で増加させる場合における、コイル41に流れる電流値と、測定点M1において得られる磁束密度と、の関係を近似的に表している。
第2の関数92は、継鉄42の着磁状態から磁束密度の絶対値を減少させる場合に使用される。第2の関数92に対応する図3の第2の関数ラインF2は、最大値Bmaxと、x軸上の点(電流値ゼロ)と、の間で定義されている。つまり、図示される第2の関数ラインF2は、最大値Bmaxに相当する電流値から電流値ゼロまで電流を一定の幅で減少させる場合における、コイル41に流れる電流値と、測定点M1において得られる磁束密度と、の関係を近似的に表している。
第3の関数93は、継鉄42の着磁状態から磁束密度の絶対値を増加させる場合に使用される。第3の関数93に対応する図3の第3の関数ラインF3は、x軸上の点(電流値ゼロ)と、最大値Bmaxと、の間で定義されている。つまり、図示される第3の関数ラ
インF3は、最大値Bmaxに対応する電流値から電流値ゼロまで電流を低下させた後に、再度、最大値Bmaxに対応する電流値まで電流を一定の幅で増加させる場合における、コイル41に流れる電流値と、測定点M1において得られる磁束密度と、の関係を近似的に表している。
図3では、第1象限のみを示しているが、第2ないし第4象限の各々においても、図3に示す線形と原点対象のグラフを得ることができ、また、それに対応するように第1の関数91、第2の関数92および第3の関数93が定義されることに留意されたい。
図4は、電磁石制御装置50によって実行される電流値決定処理の一例の流れを示すフローチャートである。電流値決定処理は、指令部22から入力される指令値に基づいて、コイル41に流す電流の電流値を決定する処理である。電流値決定処理は、指令部22から電磁石制御装置50に指令値が入力される度に繰り返し実行される。図4では、説明を単純化するために、電流値および磁束密度値の各々が、ゼロ以上の範囲(すなわち、図3に示された第1象限の範囲内)で制御される場合を示している。電流値決定処理が開始されると、まず、指令値取得部60は、指令部22から入力された磁束密度指令値を受け付けて、電流指令値Inを算出する(ステップS110)。電流指令値Iの添え字「n」は、n番目に入力された磁束密度指令値に対応していることを表している。この電流指令値Inは、図3に示された理想直線F0に基づいて算出される。
電流指令値Inを算出すると、指令値取得部60は、算出された電流指令値Inを記憶部90に記憶し(ステップS120)、当該電流指令値Inを電流値決定部70に出力する。本実施例では、記憶部90に記憶された電流指令値Inは、次回実行される電流値決定処理が終了する際に消去される。
電流値決定部70は、入力された電流指令値Inが消磁状態からの磁束密度の増加の指令を表しているか否かを判断する(ステップS130)。ここでの「消磁状態からの磁束密度の増加の指令」には、初期状態(すなわち、残留磁気なし)からの初めて磁束密度の増加の指令と、初期状態から、一度も磁束密度を減少させることなく、段階的に磁束密度を増加させる場合の、途中の段階の磁束密度の増加の指令と、が含まれる。この判断は、本実施例では、前回実行された電流値決定処理のステップS120によって電流指令値In−1が記憶されているか否かと、後述する関数フラグと、に基づいて行われる。初めて電流値決定処理が実行される場合、電流指令値In−1は、当然に記憶されていない。また、本実施例では、n回目の電流値決定処理の後に消磁部85によって消磁が実行された場合、記憶部90に記憶された電流指令値Inは消去される。このため、電流値決定部70は、電流指令値In−1が記憶部90に記憶されているか否かに基づいて、入力された電流指令値Inが初期状態からの初めての磁束密度の増加を表すか否かを判断することができる。入力された電流指令値Inが途中の段階での磁束密度の増加を表すか否かについては、後述する関数フラグによって判断することができる。この判断については、後述する。
判断の結果、電流指令値Inが消磁状態からの磁束密度の増加の指令を表している場合(ステップS130:YES)、電流値決定部70は、第1の関数91を選択し、関数フラグを値1に設定する(ステップS140)。関数フラグは、記憶部90に確保されたフラグ領域に書き込まれる。この関数フラグの使用方法については後述する。次いで、電流値決定部70は、第1の関数91を用いて電流補正量Icを決定する(ステップS150)。本実施例では、第1の関数91は、電流指令値Iと電流補正量Icとの対応関係を表す関数である。この点は、第2の関数92および第3の関数93についても同様である。ここでの電流補正量Icの決定方法は後述する。次いで、電流値決定部70は、上記ステップS110で算出した電流指令値Inに電流補正量Icを加算して、制御電流値In’
を算出する(ステップS210)。そして、電流値決定部70は、制御電流値In’を記憶部90に記憶する(ステップS220)とともに、制御電流値In’をドライバ80に出力し(ステップS230)、電流値決定処理を終了する。
一方、電流指令値Inが消磁状態からの磁束密度の増加の指令を表していない場合(ステップS130:NO)、すなわち、継鉄42が着磁状態にある場合、電流値決定部70は、電流指令値Inが電流指令値In−1よりも小さいか否かを判断する(ステップS160)。電流指令値In−1は、前回実行された電流値決定処理の上記ステップS120において、記憶部90に記憶されている。判断の結果、電流指令値Inが電流指令値In−1よりも小さい場合(ステップS160:YES)、すなわち、磁束密度を減少させる指令が入力されている場合、電流値決定部70は、第2の関数92を選択し、関数フラグを値2に設定する(ステップS170)。次いで、電流値決定部70は、第2の関数92に基づいて電流補正量Icを決定する(ステップS180)。ここでの電流補正量Icの決定方法は後述する。そして、電流値決定部70は、処理を上記ステップS210に進める。
判断の結果、電流指令値Inが電流指令値In−1よりも大きい場合(ステップS160:NO)、すなわち、磁束密度を増加させる指令が入力されている場合、電流値決定部70は、第3の関数93を選択し、関数フラグを値3に設定する(ステップS190)。次いで、電流値決定部70は、第3の関数93に基づいて電流補正量Icを決定する(ステップS200)。ここでの電流補正量Icの決定方法は後述する。そして、電流値決定部70は、処理を上記ステップS210に進める。
図5〜図10は、上記ステップS150,S180,S200における電流補正量Icの決定方法の具体例を概念的に示している。図5は、消磁状態から磁束密度を増加させる場合に電流値を決定する概念を示しており、上記ステップS150に対応している。図5に示すように、最大値Bmaxよりも小さい磁束密度指令値B1が入力されると、電磁石制御装置50は、理想直線F0を用いて電流指令値I1を算出する(ステップS110)。図5において、点P1は、最大値Bmaxに相当する理想直線F0上の点である。点P2は、磁束密度指令値B1によって定まる理想直線F0上の点であり、電流指令値I1に対応している。そして、電磁石制御装置50は、第1の関数91を用いて、電流補正量IC1を決定し(ステップS150)、これに電流指令値I1を加算して、制御電流値I’1を算出する。点P3は、第1の関数ラインF1上の点であり、磁束密度指令値B1および制御電流値I’1に対応している。つまり、消磁状態から磁束密度指令値B1まで磁束密度を増加させる場合、電流値は、ゼロから、第1の関数ラインF1上の点P3に対応する制御電流値I’1まで増加される。第1の関数91では、このような結果が得られるように、電流指令値Iと電流補正量Icとの対応関係が定義されている。
図6は、図5の状態からさらに磁束密度を増加させる場合に電流値を決定する概念を示している。磁束密度指令値B2(B2>B1)が入力されると、電磁石制御装置50は、理想直線F0を用いて電流指令値I2(点P4に対応)を算出する(ステップS110)。そして、電磁石制御装置50は、第1の関数91を用いて電流補正量IC2を決定し(ステップS150)、これに電流指令値I2を加算して、制御電流値I’2(点P5に対応)を算出する。つまり、入力される磁束密度指令値が消磁状態から増加し続ける限り、制御電流値I’は、第1の関数91を継続的に使用して、第1の関数ラインF1上の点に対応する値として決定される。入力される磁束密度指令値が消磁状態から増加し続けるか否かは、関数フラグを参照して判断することができる。具体的には、関数フラグが値1に設定されている状態で、前回よりも大きな磁束密度指令値が入力された場合は、入力される磁束密度指令値が消磁状態から増加し続けると判断できる。
図7は、着磁状態から磁束密度を減少させる場合に電流値を決定する概念を示している。図6に示す状態から磁束密度指令値B3(B3<B2)が入力されると、つまり、磁束密度指令値が増加から減少に切り替わると、電磁石制御装置50は、理想直線F0を用いて電流指令値I3(点P6に対応)を算出する(ステップS110)。そして、電磁石制御装置50は、第2の関数92に基づいて電流補正量IC3を決定し(ステップS150)、これに電流指令値I3を加算して、制御電流値I’3(点P7に対応)を算出する。点P7は、第2の関数変換ラインF2’上の点である。第2の関数変換ラインF2’が理想直線F0よりも下方に位置することから、電流補正量IC3は、マイナスの値として算出される。
第2の関数変換ラインF2’は、第2の関数ラインF2が変換されたラインである。具体的には、第2の関数変換ラインF2’は、第2の関数ラインF2と理想直線F0との間に位置するように変換されたラインである。例えば、第2の関数変換ラインF2’は、以下のようにして得ることができる。まず、第2の関数ラインF2が、点P1(第2の関数ラインF2の原点と反対側の端点)が、点P4(磁束密度(換言すれば、電流)が増加から減少に転じる際の電流指令値Iに対応する理想直線F0上の点)に位置するように平行移動される。そして、図7に示すように、平行移動された第2の関数ラインF2が縮小される。この際の縮小率はB2/Bmaxである。
電流補正量IC3は、制御電流値I’3がこのような第2の関数変換ラインF2’上に位置するように決定される。換言すれば、第2の関数92は、このような結果が得られるように変換された後に使用される。このような第2の関数92の変換は、第2の関数の各項(例えば、一次関数の場合は、一次項および定数項)の少なくとも1つに所定の係数を乗じることによって行うことができる。本実施例のように、第2の関数92が区間ごとに定義される場合には、この区間も縮小される。
図8は、着磁状態から磁束密度を減少させる場合に電流値を決定する概念の他の例を示している。この例では、図7に示した第2の関数変換ラインF2’に代えて、第2の関数変換ラインF2’’が使用される。第2の関数変換ラインF2’’は以下のようにして得られる。まず、第2の関数ラインF2が、点P1が点P5(磁束密度が増加から減少に転じる際の磁束密度B2に対応する第1の関数ラインF1上の点)に位置するように平行移動される。そして、平行移動された第2の関数ラインF2が縮小される。ここでの縮小率はB2/Bmaxである。このように、磁束密度が増加から減少に転じる際の磁束密度B2に対応する第1の関数ラインF1上の点に一端が位置する第2の関数変換ラインF2’’を使用することによって、磁束密度の補正精度を向上できる。
図7(または図8)に示した状態の後、入力される磁束密度指令値が減少し続ける限り、制御電流値I’は、同一の関数(上述の変換された第2の関数92)を使用して、第2の関数変換ラインF2’(または、第2の関数変換ラインF2’’)上の点に対応する値として決定される。入力される磁束密度指令値が着磁状態から減少し続けるか否かは、関数フラグを参照して判断することができる。具体的には、関数フラグが値2に設定されている状態で、前回よりも小さな磁束密度指令値が入力された場合は、入力される磁束密度指令値が着磁状態から減少し続けると判断できる。なお、磁束密度指令値が点P1に達した後で磁束密度指令値が増加から減少に切り替わる場合には、第2の関数変換ラインF2’ (または、第2の関数変換ラインF2’’)ではなく、第2の関数ラインF2上に制御電流値I’が位置するように、制御電流値I’が決定される。
図9は、着磁状態から磁束密度を増加させる場合に電流値を決定する概念を示している。図7に示す状態から磁束密度指令値B4(B4>B3)が入力されると、つまり、着磁状態において磁束密度指令値が減少から増加に再度切り替わると、電磁石制御装置50は
、理想直線F0を用いて電流指令値I4(点P8に対応)を算出する(ステップS110)。着磁状態において磁束密度指令値が減少から増加に再度切り替わるか否かは、関数フラグを参照して判断することができる。具体的には、関数フラグが値2に設定されている状態で、前回よりも大きな磁束密度指令値が入力された場合は、着磁状態において磁束密度指令値が減少から増加に再度切り替わると判断することができる。
そして、電磁石制御装置50は、第3の関数93に基づいて電流補正量IC4を決定し(ステップS150)、これに電流指令値I4を加算して、制御電流値I’4(点P9に対応)を算出する。点P9は、第3の関数変換ラインF3’上の点である。第3の関数変換ラインF3’が理想直線F0よりも下方に位置することから、電流補正量IC4は、マイナスの値として算出される。
第3の関数変換ラインF3’は、第3の関数ラインF3が変換されたラインである。例えば、第3の関数変換ラインF3’は、以下のようにして得ることができる。まず、第1の関数ラインF1および第3の関数ラインF3が、第1の関数ラインF1の原点側の端点が、点P6(磁束密度(換言すれば、電流)が減少から増加に転じる際の電流指令値Iに対応する理想直線F0上の点)に位置するように平行移動される。そして、図9に示すように、平行移動された第1の関数ラインF1および第3の関数ラインF3が縮小される。ここでの縮小率は、(Bmax−B3)/Bmaxである。こうして縮小された第1の関数ラインF1および第3の関数ラインF3のうちの、縮小された第3の関数ラインF3が第3の関数変換ラインF3’である。なお、図9に示す例では、第3の関数変換ラインF3’の全体が理想直線F0よりも下方に位置しているが、第3の関数ラインF3の形状によっては、第3の関数変換ラインF3’の一部分は、理想直線F0よりも上方に位置することもある。
電流補正量IC4は、制御電流値I’4がこのような第3の関数変換ラインF3’上に位置するように決定される。換言すれば、第3の関数93は、このような結果が得られるように変換された後に使用される。このような第3の関数93の変換は、第3の関数の各項の少なくとも1つに所定の係数を乗じることによって行うことができる。本実施例のように、第3の関数93が区間ごとに定義される場合には、この区間も縮小される。
図10は、着磁状態から磁束密度を増加させる場合に電流値を決定する概念の他の例を示している。この例では、図9に示した第3の関数変換ラインF3’に代えて、第3の関数変換ラインF3’’が使用される。また、図10では、図8に示した点P7において、磁束密度が減少から増加に転じる場合を示している。第3の関数変換ラインF3’’は以下のようにして得られる。まず、第3の関数ラインF3の原点側の端点が点P7(磁束密度が減少から増加に転じる際の第2の関数変換ラインF2’’上の点)に位置するように第3の関数ラインF3が平行移動される。そして、平行移動された第3の関数ラインF3が縮小される。ここでの縮小率は(Bmax−B3)/Bmaxである。このように、磁束密度が減少から増加に転じる際の磁束密度B3に対応する第2の関数変換ラインF2’’上の点に一端が位置する第3の関数変換ラインF3’’を使用することによって、磁束密度の補正精度を向上できる。
図9(または図10)に示した状態の後、着磁状態において、入力される磁束密度指令値が増加し続ける限り、制御電流値I’は、同一の関数(上述の変換された第3の関数93)を使用して、第3の関数変換ラインF3’(または、第3の関数変換ラインF3’)’上の点に対応する値として決定される。着磁状態において磁束密度指令値が増加し続けるか否かは、関数フラグを参照して判断することができる。具体的には、関数フラグが値3に設定されている状態で、前回よりも大きな磁束密度指令値が入力された場合は、着磁状態において磁束密度指令値が増加し続けると判断することができる。また、磁束密度が
再度減少に転じる場合(関数フラグによって判断できる)には、図7および図8に示したのと同様に、第2の関数ラインF2が変換されたライン上に制御電流値I’が位置するように、制御電流値I’が決定される。なお、磁束密度指令値が、第2の関数ラインF2の最小値(x軸上の点)に達した後で磁束密度指令値が減少から増加に切り替わる場合には、第3の関数変換ラインF3’,F3’’ではなく、第3の関数ラインF3上に制御電流値I’が位置するように、制御電流値I’が決定される。説明は、省略するが、第2ないし第4象限の各々においても、第1象限と同様にして、制御電流値I’が決定される。
以上説明したプラズマ処理システム20によれば、3つの関数91,92,93を、コイル41への電流の印加履歴に応じて使い分けて、コイル41に流す電流を制御することによって、電流印加の履歴に関わらず、ヒステリシスに起因する残留磁気の影響を低減することができる。すなわち、磁束密度指令値と、コイル41に電流を流すことによって実際に得られる磁束密度値と、を従来よりも精度良く一致させることができる。その結果、同一のプラズマ処理システム20におけるプロセス使用条件の再現性の向上、または、同一仕様のプラズマ処理システム20同士間の個体差を低減することができる。しかも、継鉄42が有するヒステリシスの大きさに関わらず、磁束密度指令値と、実際に得られる磁束密度値と、を精度良く一致させることができる。このため、継鉄42にヒステリシスの小さい材料を使用しなくてもよい。その結果、容易に入手できる安価な材料を継鉄42に用いることができる。つまり、プラズマ処理システム20のコスト、および、プラズマ処理システム20の発注から納品までに要する時間を低減することができる。
さらに、3つの関数91,92,93は、区分線形関数として設定されるので、マイナーループ計算のための大規模な数値解析を行うことなく、磁束密度を許容範囲内の精度で制御することができる。換言すれば、演算負荷の低減と磁束密度の制御精度の確保とを両立させることができる。
さらに、消磁部85によって消磁を行った後は、第1の関数91を用いてコイル41に流す電流(制御電流値I’)を決定することができる。消磁状態から磁束密度を増減させる場合には、制御電流値I’を算出するために第1の関数91の変換を行う必要がない。この場合、着磁状態から磁束密度を増減させる場合、すなわち、関数92,93を変換した関数を用いて制御電流値I’を決定する場合(必ずしも変換を行う必要はないが、磁束密度の制御精度を高めるために変換を行うことが望ましい)よりも単純に行うことができる。したがって、所定のタイミングで消磁を行うことによって、電磁石制御装置50における演算負荷を低減することができる。所定のタイミングは、演算負荷の低減と、プラズマ処理システム20のスループットと、のバランスを考慮して適宜設定することができる。例えば、消磁部85は、プラズマ処理システム20の起動時のみに消磁を実施してもよい。あるいは、これに代えて、または、加えて、消磁部85は、プラズマエッチング装置21において処理対象物の処理に関して待機時間が発生した場合に消磁を実施してもよい。
さらに、着磁状態から磁束密度を増減させる場合に、記憶された関数92,93を変換して簡易的な近似を行うことによって、電流印加の履歴に応じて、磁束密度の制御精度を所定の範囲内に確保することができる。したがって、電磁石制御装置50における演算負荷を低減することができる。特に、磁束密度指令値が増加から減少に転じる場合、または、その逆の場合には、関数92,93が再変換されるので、磁束密度の制御精度が十分に確保される。
B.第2実施例:
本発明の第2実施例について説明する。第2実施例としてのプラズマ処理システム20は、電磁石40に代えて、電磁石240を備えている。以下、第2実施例について、第1
実施例と異なる点についてのみ説明する。第2実施例の言及しない構成については、第1実施例と同様である。図11に示すように、電磁石240は、4つのコイル41a〜41dと、継鉄242と、を備えている。コイルの数は、4つに限定されるものではなく、2以上の任意の数とすることができる。コイル41a〜41dは、上面視で円形を有しており、同心状に配置されているが、図11では、円の中心に対して片側のみを示している。電磁石240では、4つのコイル41a〜41dから所定距離だけ離れた測定点M1〜M4において所望の磁束密度が得られるように、コイル41a〜41dに流す電流が制御される。測定点M1〜M4は、それぞれ、コイル41a〜41dに対応している。電流値決定部70は、コイル41a〜41dの各々によって発生する磁界の影響を反映して、コイル41a〜41dに流す電流の値を決定するように構成される。換言すれば、電流値決定部70は、1つのコイルに対応する測定点において得られるべき磁束密度から、他のコイルから当該測定点に及ぼされる磁束密度を差し引いた磁束密度が、当該測定点において当該1つのコイルから得られるように、コイル41a〜41dに流す電流の値を決定するように構成される。
本実施例では、コイル41a〜41dは、相互に独立した磁路を形成する。これらの磁路を形成する磁界が各測定点M1〜M4で得られる磁束密度に与える影響を考慮するために、関数91,92,93が変換されて使用される。図12は、コイル41aに対応する測定点M1におけるコイル41b〜41dによる磁界の影響を補正する概念を示している。測定点M1において、コイル41b〜41dによる磁界の影響は、関数ライン群C2〜C4を用いて考慮される。関数ライン群C2〜C4は、それぞれ、ヒステリシスの影響を考慮した場合の、コイル41b〜41dに流れる電流と、それによって測定点M1で得られる磁界と、の関係を示している。関数ライン群C2はコイル41bに、関数ライン群C3はコイル41cに、関数ライン群C4はコイル41dにそれぞれ対応している。これらの関数ライン群C2〜C4は、概念的には、図3に示した関数91,92,93に対応する関数ラインF1〜F3を縮小および回転させたものである。測定点M1からコイル41b,41c,41dまでの距離はコイル41b、41c、41dの順に遠くなるので、関数ライン群C2〜C4は、同じ電流値に対して関数ライン群C2、C3、C4の順に磁束密度が小さくなるように設定されている。同様に、ヒステリシスの影響も関数ライン群C2、C3、C4の順に小さくなる(関数ライン群を構成する各関数ラインと理想直線との距離も小さくなる)。
図13は、コイル41bに対応する測定点M2におけるコイル41a,41c,41dによる磁界の影響を補正する概念を示している。測定点M2からコイル41dまでの距離は、測定点M2からコイル41a、41cまでの距離と比較して遠いので、関数ライン群C4は、同じ電流値に対して関数ライン群C1、C3よりも磁束密度が小さくなるように設定されている。
図14は、コイル41cに対応する測定点M3におけるコイル41a,41b,41dによる磁界の影響を補正する概念を示している。測定点M3からコイル41aまでの距離は、測定点M3からコイル41b、41dまでの距離と比較して遠いので、関数ライン群C1は、同じ電流値に対して関数ライン群C2、C4よりも磁束密度が小さくなるように設定されている。
図15は、コイル41dに対応する測定点M4におけるコイル41a,41b,41cによる磁界の影響を補正する概念を示している。測定点M4からコイル41a,41b,41cまでの距離はコイル41c,41b、41aの順に遠くなるので、関数ライン群C1〜C3は、同じ電流値に対して関数ライン群C3、C2、C1の順に磁束密度が小さくなるように設定されている。
上述した関数ライン群C1〜C4は、各測定点M1〜M4について、対応する1つのコイルを除く3つのコイルからの影響を予め実測し、その結果を所定の関数に近似することによって定められる。かかる関数ライン群C1〜C4に対応する関数は、関数91,92,93を変換することによって近似的に得られる。
このように関数91,92,93を変換することによって得られた関数は、対象の測定点について、加算されて使用される。例えば、測定点M1において所望の磁束密度が得られるようにコイル41aに流す電流値を制御する場合には、第1実施例で説明したように得られる関数91そのもの、または、関数92,93を変換した関数と、図12に示される3つの関数ラインに対応する変換された3つの関数と、を加算して得られた関数を使用して、制御電流値I’が決定される。以上のように、予め把握された各コイルの磁界の影響を表す関数を加算することによって、コイル41b〜41dによって発生する磁界の影響を反映して、コイル41aに流す電流を精度良く決定することができる。しかも、各コイルの磁界の影響を表す関数を、関数91,92,93を変換して近似的に取得することによって、有限である記憶部90の記憶容量を低減することができる。
C.第3実施例
本発明の第3実施例について説明する。第3実施例としてのプラズマ処理システム20は、第2実施例と同様の構成を備えている。第3実施例が第2実施例と異なる点は、コイル41a〜41dの少なくとも2つが同一の磁路を形成する場合に、それによる磁界の相互干渉を反映して、コイル41a〜41dに流す電流を決定する点である。以下、この点についてのみ説明する。
図16Aに示すように、コイル41a〜41dの各々に対して、他のコイルからの影響を反映するための関数A〜L(これらの関数の少なくとも一部は、係数に置き換えられてもよい)が設定される。例えば、コイル41aの行と、コイル41bの列とで定まる欄に記載されている関数Aは、コイル41aに対応する測定点M1でのコイル41bの影響を反映するための関数である。関数A〜Lは、実測値に基づいて予め近似的に設定される。そして、図16Bに示される行列式によって、制御電流値I’(第1実施例において関数91、92,93に基づいて補正された電流値)が、さらに補正電流制御値I’’に補正される。図16Bにおいて、添え字a〜dは、それぞれコイル41a〜41dに対応している。かかる構成によれば、コイル41a〜41dのうちの少なくとも2つが同一の磁路を形成することによる相互干渉を反映して、磁束密度を精度良く制御することができる。
D:第4実施例:
本発明の第4実施例について説明する。図17は、第4実施例としてのプラズマ処理システム320の概略構成を示すブロック図である。図17において、第1実施例(図1参照)と同一の構成要素には、図1と同一の符号を付している。以下では、プラズマ処理システム320について、第1実施例と異なる点についてのみ説明する。図17に示すように、プラズマ処理システム320は、電磁石システム30に代えて、電磁石システム330を備えている。電磁石システム330は、電磁石40と電磁石制御装置350とセンサ345とを備えている。
センサ345は、コイル41によって発生する磁場の磁束密度を検出する。電磁石40が第2実施例のように複数のコイルを備えている場合には、センサ345は、それぞれのコイルごとに設けられる。センサ345は、図11に示した測定点M1〜M4に配置されてもよいし、これらの測定点以外の場所に配置されてもよい。例えば、センサ345は、鉄芯内またはチャンバの任意の空間内に配置されてもよい。この場合、センサ345の検出値から、測定点M1〜M4における磁束密度値が推定計算される。電磁石制御装置350は、指令値取得部60、電流値決定部70、ドライバ80および記憶部90に加えて、
補償部385を備えている。補償部385は、センサ345によって検出された磁束密度と、指令部22から入力される磁束密度指令値と、の差分に基づいて、当該差分が小さく(理想的には、ほぼゼロに)なるように、制御電流値I’を補償する。補償部385の出力は、制御電流値I’に加算され、この加算値がドライバ80に入力される。かかる構成によれば、フィードバック制御によって、磁束密度をさらに精度良く制御することができる。
E:変形例:
E−1.変形例1:
上述したプラズマ処理システム20、320において、外部(本実施例では、指令部22)から入力される指令値は、磁束密度指令値に限定されない。例えば、指令部22において、磁束密度指令値が電流指令値Iに変換され、電流指令値Iが指令値取得部60に入力されてもよい。指令値取得部60が取得する情報は、磁束密度指令値を特定可能な任意の情報であってもよい。
また、関数91,92,93は、電流指令値Iと電流補正量Icとの対応関係を表す関数に限定されない。関数91,92,93は、磁束密度指令値に対応する制御電流値I’を最終的に導き出せる任意のパラメータの対応関係を表す関数であってもよい。例えば、関数91,92,93は、磁束密度と電圧との対応関係を表していてもよい。あるいは、関数91,92,93は、磁束密度と電流との関係を表す関数であってもよい。この場合、関数91,92,93は、磁束密度指令値と電流補正量Icとの関係を表す関数であってもよい。あるいは、関数91,92,93は、磁束密度指令値と制御電流値I’との関係を表す関数であってもよい。このように、磁束密度と電圧とを対応付けた関数を使用すれば、他のパラメータへの変換を必要とすることなく、所望の磁束密度から、制御電流値I’を直接的に決定することができる。したがって、電磁石制御装置50における演算負荷を低減することができる。
E−2.変形例2:
上述したプラズマ処理システム20,320において、電流値決定部70は、指令値取得部60が新たな磁束密度指令値を取得した場合に、前回取得した磁束密度指令値と、新たに取得した磁束密度指令値と、の変化幅に応じて、第1の関数91、第2の関数92または第3の関数93の各項の少なくとも1つに所定の係数を乗じた関数を用いてコイルに流す電流の値を決定してもよい。この場合、所定の係数は、実測に基づいて予め設定されるものであるが、変化幅が大きいほど、小さく設定される。また、プラズマ処理システム320において、電流値決定部70は、指令値取得部60が新たな磁束密度指令値を取得した場合に、取得した磁束密度指令値と、新たに取得した磁束密度指令値と、の変化幅に応じて、第1の関数91、第2の関数92または第3の関数93に対して、所定の関数の乗算および加算のうちの少なくとも一方を施した関数を用いて、コイル41a〜41dに流す電流の値を決定してもよい。所定の関数は、実測に基づいて予め設定される。残留磁気は、磁束密度値(換言すれば、電流値)の変化幅に応じて変化するが、これらの構成によれば、このような変化を反映できるように所定の係数を設定することによって、磁束密度を精度良く制御することができる。
以上、いくつかの本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
20,320…プラズマ処理システム
21…プラズマエッチング装置
22…指令部
30,330…電磁石システム
40,240…電磁石
41,41a,41b,41c,41d…コイル
42,242…継鉄
42b…コイル
50,350…電磁石制御装置
60…指令値取得部
70…電流値決定部
80…ドライバ
85…消磁部
90…記憶部
91…第1の関数
92…第2の関数
93…第3の関数
345…センサ
385…補償部

Claims (12)

  1. 継鉄とコイルとを有する電磁石の前記コイルに流す電流を制御するための電磁石制御装置であって、
    前記コイルに電流を流すことによって得られる磁束密度の目標値に相当する磁束密度指令値、または、前記磁束密度指令値を特定可能な情報を取得するように構成された指令値取得部と、
    前記磁束密度指令値に基づいて前記コイルに流す電流の値を決定する電流値決定部と、
    を備え、
    前記電流値決定部は、
    前記継鉄の消磁状態から磁束密度の絶対値を増加させる場合に、第1の関数に基づいて前記コイルに流す電流の値を決定する第1の処理と、
    前記継鉄の着磁状態から磁束密度の絶対値を減少させる場合に、第2の関数に基づいて前記コイルに流す電流の値を決定する第2の処理と、
    前記継鉄の着磁状態から磁束密度の絶対値を増加させる場合に、第3の関数に基づいて前記コイルに流す電流の値を決定する第3の処理と
    を実行するように構成された
    電磁石制御装置。
  2. 請求項1に記載の電磁石制御装置であって、
    前記第1の関数、前記第2の関数および前記第3の関数は、磁束密度と電流との関係を表す関数である
    電磁石制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電磁石制御装置であって、
    前記第1の関数、前記第2の関数および前記第3の関数は、線形関数である
    電磁石制御装置。
  4. 請求項3に記載の電磁石制御装置であって、
    前記線形関数は、区分線形関数である
    電磁石制御装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の電磁石制御装置であって、
    さらに、前記継鉄に対して消磁を行う消磁部を備えた
    電磁石制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の電磁石制御装置であって、
    前記電流値決定部は、前記コイルに流す電流の値を決定するための処理の内容を、前記第1の処理から前記第2の処理、前記第2の処理から前記第3の処理、または、前記3の処理から前記第2の処理に切り替える場合に、該切替時の電流値に応じて、前記第1の関数、前記第2の関数および前記第3の関数のうちの切替後の処理に対応する関数の各項の少なくとも1つに所定の係数を乗じた関数を用いて前記コイルに流す電流の値を決定するように構成された
    電磁石制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の電磁石制御装置であって、
    前記電流値決定部は、前記指令値取得部が新たな磁束密度指令値を取得した場合に、前回取得した前記磁束密度指令値と、新たに取得した前記磁束密度指令値と、の変化幅に応じて、前記第1の関数、前記第2の関数または前記第3の関数の各項の少なくとも1つに所定の係数を乗じた関数を用いて前記コイルに流す電流の値を決定するように構成された
    電磁石制御装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の電磁石制御装置であって、
    前記コイルは、複数のコイルを有しており、
    前記電流値決定部は、前記複数のコイルの各々によって発生する磁界の影響を反映して、前記コイルに流す電流の値を決定するように構成された
    電磁石制御装置。
  9. 請求項8に記載の電磁石制御装置であって、
    前記電流値決定部は、前記指令値取得部が新たな磁束密度指令値を取得した場合に、前回取得した前記磁束密度指令値と、新たに取得した前記磁束密度指令値と、の変化幅に応じて、前記第1の関数、前記第2の関数または前記第3の関数の各項の少なくとも1つに所定の係数を乗じた関数を用いて、または、前記第1の関数、前記第2の関数または前記第3の関数に対して、所定の関数の乗算および加算のうちの少なくとも一方を施した関数を用いて、前記コイルに流す電流の値を決定するように構成された
    電磁石制御装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載の電磁石制御装置であって、
    前記電流値決定部は、前記複数のコイルのうちの少なくとも2つが同一の磁路を形成する場合に、前記第1の関数、前記第2の関数または前記第3の関数に基づいて決定された電流値に対して所定の関数または係数を乗じることによって、前記コイルに流す電流を補正するように構成された
    電磁石制御装置。
  11. 電磁石システムであって、
    請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の電磁石制御装置と、
    前記電磁石と
    を備える電磁石システム。
  12. 請求項11に記載の電磁石システムであって、
    前記コイルによって発生する磁場の磁束密度を検出するセンサと、
    前記センサによって検出された磁束密度値と、前記指令磁束密度値と、の差分に基づいて、該差分が小さくなるように前記コイルに流す電流を補償する補償部と
    を備えた電磁石システム。
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