JPH0772198A - 混線・断線検知装置 - Google Patents

混線・断線検知装置

Info

Publication number
JPH0772198A
JPH0772198A JP5240347A JP24034793A JPH0772198A JP H0772198 A JPH0772198 A JP H0772198A JP 5240347 A JP5240347 A JP 5240347A JP 24034793 A JP24034793 A JP 24034793A JP H0772198 A JPH0772198 A JP H0772198A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
end side
relay
disconnection
far
line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5240347A
Other languages
English (en)
Inventor
Taizo Takatori
泰三 鷹取
Takahisa Okumura
隆久 奥村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tatsuta Electric Wire and Cable Co Ltd
Original Assignee
Tatsuta Electric Wire and Cable Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tatsuta Electric Wire and Cable Co Ltd filed Critical Tatsuta Electric Wire and Cable Co Ltd
Priority to JP5240347A priority Critical patent/JPH0772198A/ja
Publication of JPH0772198A publication Critical patent/JPH0772198A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Locating Faults (AREA)
  • Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 測定手段を変更することなく、混線、断線の
両方を検知できると共に、リレーの開閉により、各測定
に必要な回路の形成が自動的に行われる混線・断線検知
装置を提供する。 【構成】 相互に絶縁されほぼ平行に配設された一対の
導体から成る電極線を有する検知線1と、直流定電流又
はピーク値が一定のパルス電流を供給する定電流電源2
と、電圧測定手段4と、記憶部を有する判定手段5と、
前記検知線の近端側の線間を短絡・開放する近端側リレ
ーXと、検知線の遠端側の線間を短絡・開放する遠端
側リレーXと、リレー群6を開閉するリレー開閉手段
7と、前記リレー群の各リレーをリレー開閉手段を介し
て開閉し、所定の接続を形成するタイミング制御ユニッ
トとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長尺の電線・ケーブル
等の絶縁不良による混線や漏液検知線等の漏液による電
極線の短絡など相互に絶縁された線状導体間の電気的接
続(以下、混線という)や線状導体の断線の検知だけで
なく、混線と断線の混在の有無の検知が容易な混線・断
線検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】線状導体間の混線位置検知装置として
は、例えば、図16に示すものがある(特開昭60−2
49071)。図16において、1は検知線、2は電
源、50は帰路部材、Tは測定器具であり、検知線1は
導電性位置検知部材11と導電性第2部材12とから成
り、測定器具Tは電圧計V1,2 と、参照インピーダン
スZR (ZR1, R2)とディバイダDIVとディスプレ
イDISとから成る。この装置及び方法によれば、P−
Q点において混線が生じたとき、導電性位置検知部材1
1の混線位置Pと近端Eとの間の電圧降下と参照インピ
ーダンスZR での電圧降下とを電圧計V1,2 によって
測定するとともに、ディバイダDIVによってその比を
演算することにより混線位置を推定し、ディスプレイD
ISに表示するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の装置
では、検知線1の導電性位置検知部材11又は導電性第
2部材12のいずれかにおいて、断線が生じたときには
導電性部材11,12が健全なときと同様電流が流れな
いので、断線を検知出来ないだけでなく、混線位置P又
はQよりも電圧計側で断線が生じたときは、混線の検知
も出来なくなる。また、導電性位置検知部材11と導電
性第2部材12との間の静電容量を監視することによっ
て、断線を検知することは考えられるが、測定手段を変
更するなどの手間がかかる。そのため、パイプラインか
らの硫酸等の漏液を検知するような場合、断線や漏液に
気が付かず大量の漏液を生じ、大きな事故に至る恐れが
ある。
【0004】本発明は、以上のような問題点を解消し、
混線だけでなく断線をも検知できると共に、混線と断線
が混在する場合にも確実に混線・断線を検知し、しかも
測定手段を変更する必要がなく、かつ測定に手間のかか
らない混線・断線検知装置の提供を目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の混線・断線検知装置は相互に絶縁
されほぼ平行に配設された一対の導体から成る電極線を
有する検知線と、前記検知線に近端・遠端切り換えリレ
ー及び近端側接続線又は遠端側接続線を介して直流定電
流又はピーク値が一定のパルス電流を供給する定電流電
源と、電圧測定手段と、記憶部を有する判定手段と、前
記検知線の近端側の線間を短絡・開放する近端側リレー
と、検知線の遠端側の線間を短絡・開放する遠端側リレ
ーと、前記近端・遠端切り換えリレー、近端側、遠端側
各リレーを含むリレー群を開閉するリレー開閉手段と、
このリレー開閉手段と前記リレー群の各リレーとを接続
する各リレー用接続線と、前記リレー群の各リレーをリ
レー開閉手段を介して開閉し、所定の接続を形成する主
制御ユニットとを備え、前記所定の接続は、 近端側リレーをONとし、前記定電流電源から供給
される定電流を前記近端側接続線の往復ループに流した
ときのループ抵抗による電圧降下を測定するステップの
ための接続と、 遠端側リレーをONとし、前記定電流電源から供給
される定電流を前記遠端側接続線の往復ループに流した
ときのループ抵抗による電圧降下を測定するステップの
ための接続と、 近端側リレーをOFF、遠端側リレーをONとし
て、前記近端側接続線の始端から前記検知線の遠端まで
のループ抵抗による電圧降下を測定するステップのため
の接続と、 遠端側リレーリレーをOFF、近端側リレーをON
として、前記遠端側接続線の始端から前記検知線の近端
までのループ抵抗による電圧降下を測定するステップの
ための接続とのうち少なくとも前記と又はとの
接続を含み、前記電圧測定手段は、前記各接続において
所定の測定を行い、かつ前記判定手段による判定が、少
なくともi、前記の接続で得た電圧降下値から前記
の接続で得た電圧降下値を差し引いた値を所定の混線又
は断線基準値と比較して混線または断線の有無を判定す
るステップと、ii、前記の接続で得た電圧降下値か
ら前記の接続で得た電圧降下値を差し引いた値を所定
の混線又は断線基準値と比較して混線または断線の有無
を判定するステップとのいずれか又は両方を含むことを
特徴とするものである。
【0006】請求項2に記載の混線・断線検知装置は、
請求項1に記載の混線・断線検知装置において、前記所
定の接続は乃至のすべてを含み、判定手段が前記判
定ステップiで混線又は断線有りと判定し、判定ステッ
プiiで断線又は混線有りと判定したときに、混線と断
線が混在すると判定し、判定ステップiで判定されたも
のが近端側、判定ステップiiで判定されたものが遠端
側にあると判定することを特徴とするものである。
【0007】請求項3に記載の混線・断線検知装置は、
請求項1又は2に記載の混線・断線検知装置において、
検知線は、第1及び第2の導体から成る電極線を有し、
少なくとも第2の導体を長さ方向に一様な又は所定区間
ごとに一様な導体抵抗を有する位置検知用導体として成
り、前記定電流電源を前記第1の導体が上流側となるよ
うに接続し、前記主制御ユニットによるリレーの開閉
は、前記検知線に混線が生じたとき、 a.位置検知用導体の混線位置から近端を経て近端側接
続線の始端までの電圧降下を測定する近端側電圧降下の
測定のための接続と、 b.位置検知用導体の混線位置から遠端を経て遠端側接
続線の始端までのまでの電圧降下を測定する遠端側電圧
降下の測定のための接続と、 c.位置検知用導体の全長とそれに接続された近端側接
続線又は遠端側接続線での電圧降下を測定する全電圧降
下の測定のための接続と、から成る三種類の接続のうち
少なくとも二つを形成し、前記電圧測定手段は、前記二
つの接続において所定の測定を行い、前記判定手段は、
近端側又は遠端側接続線1本あたりの電圧降下を前記
又はの接続により得た測定値の2分の1として記憶
し、前記所定の測定により得た二つの電圧降下の測定値
からそれぞれに含まれる近端側又は遠端側接続線による
電圧降下を差し引いて位置検知用導体での電圧降下値を
算出し、この二つの電圧降下値から、混線位置を判定す
るようにして成ることを特徴とするものである。
【0008】請求項4に記載の混線・断線検知装置は、
請求項1乃至3に記載の混線・断線検知装置において、
検知線は、電極線間の所定区間毎に第2の導体から第1
の導体へ所定の電流を流す定電流回路とを備え、かつ混
線・断線切り換えリレーを介して前記検知線の電極線間
に定電圧を供給する直流定電圧電源と、電流を電圧に変
換する標準抵抗器とを備え、前記直流定電圧電源を前記
第2の導体が高圧側となるように接続し、前記主制御ユ
ニットによるリレーの開閉は、前記検知線に断線が生じ
たとき、 イ.検知線の断線位置から近端側までの定電流回路を通
じて前記標準抵抗に流れる電流により前記標準抵抗の両
端間に生ずる電圧降下を測定する近端側電圧降下の測定
のための接続と、 ロ.検知線の断線位置から遠端側までの定電流回路を通
じて前記標準抵抗に流れる電流により前記標準抵抗の両
端間に生ずる電圧降下を測定する遠端側電圧降下の測定
のための接続と、を形成し、前記電圧測定手段は、前記
イ、ロの各接続において所定の測定を行い、前記判定手
段は、前記所定の測定により得た二つの電圧降下値から
断線区間を判定するようにして成ることを特徴とするも
のである。
【0009】請求項5に記載の混線・断線検知装置は、
請求項1乃至4に記載の混線・断線検知装置において、
主制御ユニットが前記所定の接続を所定の順序で形成す
るシーケンサであることを特徴とするものである。
【0010】請求項6に記載の混線・断線検知装置は、
請求項2乃至5に記載の混線・断線検知装置において、
混線と断線の混在を検知したとき、その旨及びその相対
的位置関係を表示する監視手段を備えたことを特徴とす
るものである。
【0011】
【作用】請求項1に記載の混線・断線検知装置によれ
ば、近端側又は遠端側接続線のループ抵抗値、検知線と
近端側又は遠端側接続線とを含むループ抵抗値による電
圧降下値を電圧測定手段により簡単に測定でき、また後
者から前者を差し引くことにより、検知線だけのループ
抵抗値を電圧に変換した値が容易に得られる。そして、
これらの値を所定の混線又は断線基準値と比較すること
により、混線又は断線を検知することができる。しか
も、それらのループの形成や測定、判定がすべて主制御
ユニット、電圧測定手段、判定手段により、自動的に行
われるので検知に手間がかからない。
【0012】請求項2に記載の混線・断線検知装置によ
れば、近端側からだけでなく、遠端側からも測定し、そ
れぞれに混線又は断線の有無を判定するので、混線と断
線が混在するときでも混線、断線の検知が可能である。
【0013】請求項3に記載の混線・断線検知装置によ
れば、位置検知用導体の混線位置からそれに接続された
近端側若しくは遠端側接続線の始端まで又は位置検知用
導体の全長とそれに接続された近端側若しくは遠端側接
続線での電圧降下を測定し、前記近端側若しくは遠端側
接続線のループ抵抗値による電圧降下値の2分の1を差
し引くことにより、位置検知用導体の混線位置からその
近端若しくは遠端まで又は位置検知用導体全長の導体抵
抗による電圧降下値が得られ、これらのうち二つの電圧
降下測定値から、混線位置を検知するので温度変動によ
る測定誤差が生じない。しかも、それらの測定のための
接続や測定及び測定値からの混線、断線又それらの位置
についての判定がすべて主制御ユニットと電圧測定手段
及び判定手段により、自動的に行われるので検知に手間
がかからない。
【0014】請求項4に記載の混線・断線検知装置によ
れば、検知線の断線位置から近端側又は遠端側までの定
電流回路を通じて前記標準抵抗に流れる電流により前記
標準抵抗の両端間に生ずる電圧降下を測定し、これらの
うち二つの電圧降下測定値から断線位置を検知するので
温度変動による測定誤差が生じない。しかも、それらの
測定のための接続や測定及び測定値からの混線、断線又
それらの位置についての判定がすべて主制御ユニットと
電圧測定手段及び判定手段により、自動的に行われるの
で検知に手間がかからない。
【0015】請求項5に記載の混線・断線検知装置によ
れば、混線、断線若しくはそれらの混在又はそれらの位
置を検知するのに必要な所定の接続を単純なプログラム
により所定の順序で形成できるので、操作が簡単であ
り、温度変動による誤差がなく、判定ミスを生ずるおそ
れがない。
【0016】請求項6に記載の混線・断線検知装置によ
れば、混線と断線の混在を検知したとき、その旨及びそ
の相対的位置関係を表示する監視手段を備えているの
で、混線と断線が混在するときに、その位置検知の手順
や修復手順を間違いなく進めることができる。
【0017】
【実施例】図1は、本発明を硫酸などの漏液による検知
線の混線及び断線を検知する漏液検知装置に適用した一
実施例の説明図であって、1は検知線、2は定電流電
源、3は断線位置検知用の直流定電圧電源、4は電圧測
定手段、5は判定手段、6はリレー群ユニット、7はリ
レー開閉手段、8は監視手段、9は主制御ユニット、1
0は通信ユニット、Buはバス、RS は断線位置検知用
の標準抵抗器である。
【0018】検知線1は、1対の可撓性導体11.12
を有し、所定の区間ごとにダイオードDと定電流素子C
とを直列接続した定電流回路B(B1,B2,・・BX-1,
X ,・・Bn )をその極性が同一方向となるように接続
してある。そして、例えば単位検知線U(U1 〜Un
を所望数n本接続されたものとする。一方の電極線12
には所定の区間毎に抵抗器R(R1,2,・・RX-1,X,
・・Rn )が直列に接続されている。15,16は、そ
れぞれ定電流電源2と検知線1の近端AN ,BN 又は遠
端AF ,BF とをリレー群6を介して接続する近端側接
続線又は遠端側接続線である。そして、X1 ,X2 は検
知線1の近端AN ,BN 又は遠端AF ,BF を短絡又は
開放するリレーであり、その接点はそれぞれ検知線1の
近端AN,BN 間又は遠端AF ,BF 間に接続され、そ
の駆動コイルはそれぞれ近端側リレー用接続線18の終
端J,K又は遠端側リレー用接続線19の終端L,Mに
接続される。なお、その際、近端側・遠端側各リレーの
駆動コイルと直列にダイオード121と122が接続さ
れ、ダイオード121と122とは逆極性に接続され
る。ダイオード131、132はそれぞれ近端側・遠端
側リレーの駆動コイルの起電力発生防止用のダイオード
である。
【0019】図2は、検知線1の断面図である。単位検
知線Uは、図2に示すように電極線11,12の一対を
平行に又は撚り合わせて配設したコアの外周に内部編組
体15、外部編組体16を被覆したものを基本としてい
る。電極線11,12はいずれも軟銅線のごとき可撓導
体13のうえに絶縁体14を被覆したものであり、単位
検知線U(U1 〜Un )ごとの電極線11,12の片方
(図1では電極線12)に所定の抵抗器R(R1
n )を直列に接続している。
【0020】絶縁体14はポリエステル系熱可塑性エラ
ストマー(以下、ポリエステルエラストマーという)の
押出被覆で形成されている。このポリエステルエラスト
マーは、ハードセグメントがポリエステルから成り、ソ
フトセグメントがポリエーテル系のもの又はポリエステ
ル系のものがある。ハードセグメントがポリエステルで
ソフトセグメントがポリエーテル系のものとしては、
「ハイトレル」(東レ・デュポン(株)の商品名)、
「ペルプレン−P」(東洋紡績(株)の商品名)、「L
omod」(日本GEプラスチック社の商品名)などが
ある。ハードセグメントがポリエステルでソフトセグメ
ントがポリエステル系のものとしては、「ペルプレン−
S」(東洋紡績(株)の商品名)、「ARINTEL−
S」(日本GEプラスチック社の商品名)などがある。
【0021】特に絶縁体14に押出被覆されたポリエス
テルエラストマーを用いると、ポリエステルエラストマ
ーが低温から高温まで広い使用温度範囲で機械的強度、
ゴム弾性、耐屈曲疲労性、亀裂伝搬抵抗に優れているの
で、製造工程や敷設工程において、電極線に加わる圧
力、引っ張り力、曲げなどの外力によってまたはそれを
一つの要因としてピンホール、クレージングなどが発生
する恐れがない。また、硫酸などの検知対象液に対する
検知時間の温度依存性が少ない。
【0022】内部編組体層15は非液溶性で非吸液性の
糸で構成され、例えばポリエチレン、ポリプロピレンな
どの繊維から成るモノフィラメント状の糸などが用いら
れる。外部編組体層16は液溶性で吸液性且つ耐候性の
糸で構成され、例えばテトロン、ポリエステルなどの繊
維から成る黒色のマルチフィラメント状の糸が用いられ
る。この外部編組体層16は、バインド部等で内部編組
体層4を介して電極線3の絶縁体14に加わる圧力を緩
和するなどの機械的保護機能を有する。硫酸などの漏液
が発生すると、吸液性で液溶性の外部編組体層16がま
ずこれを吸収し、非液溶性で非吸液性の内部編組体層1
5で保持される。また、図3に示すように内部編組体層
15を非液溶性で非吸液性の糸からなる群15aと、液
溶性で吸液性の糸からなる群15bとを交互に配設して
成るものとし、外部編組体層16は液溶性で吸液性且つ
耐候性の糸から成るものとすることもできる。
【0023】図1において、定電流電源2は、ピーク値
が一定のパルス電源であり、直流電源21と電流制御器
22と電源リレー制御ユニット23とリレーXとから成
り、直流電源21から供給され、電流制御器22によっ
て所定の電流値IC に制御された電流はリレーXによっ
て間欠的にON−OFFされ、ピーク値が一定のパルス
電流となり、リレーXのON−OFFは、電源リレー制
御ユニット23により所定のデューティ比のパルス電流
が得られるよう制御される。このことにより、硫酸など
の漏洩を検知するとき、漏液の分極を生じることがな
く、パルス電流のピーク値が短時間に真値に達する。
【0024】図4は、電圧測定手段4及び判定手段5に
相当するA/D変換ユニットの概要を示すもので、61
(61a,61b,61c)は入力端子、62はマルチ
プレクサ、63は増幅器、64はA/D変換器、65は
CPU、66は基準値設定器、67は主制御ユニット9
との信号のやりとりを行う信号の入出力端子、rは電流
制限抵抗である。入力端子61はリレー群ユニット6の
端子mに接続され、検知線1からリレー群ユニット6を
介して入力されるパルス電圧はマルチプレクサ62を介
して増幅器63により所定のレベルに増幅された後、A
/D変換器64によりディジタル値に変換され、ROM
及びRAMを内蔵又は付設されたCPU65によって読
み取られ、予めRAMに記憶された基準値と比較され、
漏液(混線)、断線等の判定がなされ、判定結果は必要
に応じて出力ポートO1 から出力端子68を経て出力さ
れ、バスBu、通信ユニット10を介して監視手段8に
より表示される。RAMの基準値記憶部には基準値設定
器66によって設定された各種の基準値がCPU65の
入力ポートI1 を介して記憶され、また測定値記憶部に
はCPU65がA/D変換器64からとりこんだ電圧測
定値が一時記憶される。ROMには後述するようにCP
U65の動作プログラムが記憶され、このプログラムに
したがって測定電圧が各種基準値と比較され、漏洩、断
線の有無及び混在の有無が判定される。なお、リレー開
閉手段7から主制御ユニット9を介し、入出力端子67
に入力されるリレー開閉状態信号も、CPU65の入力
ポートI2 を介して読み込まれ、RAMのリレー開閉状
態記憶部に記憶される。
【0025】図1に戻り、リレー群ユニット6は、後述
するように近端・遠端切り換えリレー、漏液・断線切り
換えリレーなどを搭載したユニットで、リレー開閉手段
7によって選択開閉される。定電圧電源2のリレーX
や、検知線1の近端側又は遠端側の短絡・開放リレーX
1 ,X2 もこのユニット内に一体化してもよい。リレー
開閉手段7は直流電源とリレー選択スイッチを含み、主
制御ユニット9からの信号を受けて、リレー群ユニット
6のリレーを選択開閉する駆動信号を出力するものであ
る。主制御ユニット9はやはりROM/RAMを内蔵し
たCPUから成り、後述するように判定手段5、リレー
開閉手段7、通信ユニット10を介して監視手段8とそ
れぞれ接続されている。
【0026】図5は、リレー群ユニット6の概要図であ
る。600は監視・位置検知切り換えリレー、610は
混線・断線監視用リレー、620は漏液位置検知用リレ
ー、630は断線位置検知用リレー、640は混線・断
線切り換えリレー、650は近端リレー・遠端リレー開
閉用リレー、660は電流・電圧測定切り換え用リレー
であり、その詳細は動作とともに後述する。
【0027】次に、図6乃至図9に基づき、漏液を検知
するにあたって、混線、断線の有無及び混線、断線混在
の有無を確認するための動作について説明する。図6は
近端側接続線の導体抵抗による電圧降下分を測定する際
の動作説明図、図7は遠端側接続線の導体抵抗による電
圧降下分を測定する際の動作説明図、図8は近端側から
検知線の漏液・断線の有無を検知する際の動作説明図、
図9は遠端側から検知線の混線・断線の有無を検知する
際の動作説明図である。
【0028】図6においては、リレー開閉手段7を介し
て主制御ユニット9によりリレー群ユニット6の端子h
−a間、端子b−j間、端子h−m間の各リレー及び近
端側リレーX1 の接点が閉じられ、電流は上記各リレー
の閉じられた接点と近端側接続線15を経由して矢印の
方向に流れ、電圧測定手段4によって、近端側接続線の
始端間の電圧が測定される。また、図7においては、リ
レー開閉手段7を介して主制御ユニット9によりリレー
群ユニット6の端子h−b間、端子d−j間、端子h−
m間の各リレー及び遠端側リレーX2 の接点が閉じら
れ、電流は上記各接点と遠端側接続線16を経由して矢
印の方向に流れ、電圧測定手段4によって、遠端側接続
線の始端間の電圧が測定される。
【0029】近端側接続線又は遠端側接続線の往復の抵
抗値を2RNL、2RFL、上記のように近端側リレーX1
又は遠端側リレーX2 を介して近端側接続線又は遠端側
接続線に流れる定電流値をIC とし、測定される近端側
接続線又は遠端側接続線の始端間の電圧を2VNL又は2
FLとすると、 VNL=IC ×RNL (1) VFL=IC ×RFL (2) となる。
【0030】図8においては、リレー開閉手段7を介し
て主制御ユニット9によりリレー群ユニット6の端子h
−a間、端子b−j間、端子h−m間の各リレー及び遠
端側リレーX2 の接点が閉じられ、電流は上記各リレー
の閉じられた接点と近端側接続線15、検知線1を経由
して矢印の方向に流れ、電圧測定手段4によって、近端
側接続線の始端間の電圧が測定される。図9において
は、リレー開閉手段7によりリレー群ユニット6の端子
h−c間、端子d−j間、端子h−m間の各リレー及び
近端側リレーX1 の接点が閉じられ、電流は上記各接点
と遠端側接続線16、検知線1を経由して矢印の方向に
流れ、電圧測定手段4によって、遠端側接続線の始端間
の電圧が測定される。
【0031】図8、図9において、もし断線も混線もな
ければ、それぞれ、近端側又は遠端側接続線の始端から
検知線の遠端側リレーX2 又は近端側リレーX1 までの
ループ抵抗による電圧降下が測定される筈である。い
ま、電極線の導体抵抗のうち抵抗器R(R1 〜Rn )以
外の部分の抵抗値は抵抗器(R1 〜Rn )の抵抗値の総
和nRに対して無視し得るものし、近端側接続線の抵抗
値をRNL, 遠端側接続線の抵抗値をRFL、定電流値をI
C とすると、測定される電圧値VNN又はVFNは、ほぼ次
式により得られる。 VNN=IC ×(RNL+nR) (3) VFN=IC ×(RFL+nR) (4) そして、上記の電圧降下のうち検知線における電圧降下
分をそれぞれVN 、VF とすれば、(3)式、(4)式
に(1)式、(2)式を代入することにより、 VN =VNN−VNL=IC ×nR (5) VF =VFN−VFL=IC ×nR (6) となる。
【0032】図10、図11は、それぞれ近端側又は遠
端側から測定する図8又は図9の接続状態において、検
知線の点P−Qにおいて漏液が生じ、それよりも遠端側
に近い点S及び/又はTにおいて断線が生じた状態を示
す説明図である。図10の場合、x+1番目の検知線で
漏液が生じており、P−Qを折り返し点とするループが
形成され、近端側からの測定ループに含まれる検知線の
抵抗値はxRとなる。この中に含まれる検知線による電
圧降下分をVNXとすると、測定電圧VNLX は VNLX =VNL+VNX=IC ×(RNL+xR) ∴VNX=VNLX −VNL=IC ×xR (7) となり、x<nであるから、当然前記正常時の標準測定
電圧VN (式(5)参照)より小さくなる。
【0033】一方、図11の場合、S及び/又はTにお
ける断線のためP−Qを折り返し点とするループが形成
されず、電流が流れないため、電圧測定手段VS には接
点h−mを介して定電流電源電圧VS がそのまま現れ
る。逆に、断線位置S及び/又はTが漏液位置P−Qよ
りも近端側にあるときは、近端側からの測定おいて電源
電圧VS がそのまま現れ、遠端側からの測定電圧VFLX
は VFLX =VFL+VFX=IC ×(RFL+(n−x)×R) ∴VFX=VFLX −VFL=IC ×(n−x)×R (8) となり、正常時の標準測定電圧VF (式(6)参照)よ
り小さくなる。
【0034】ところで、前記式(5)のVN 、式(6)
のVF には一定のバラツキが考えられるが正常状態であ
るかぎりそれ以上変動する確率が極めて稀な偏差値を設
定し、それをそれぞれΔN、ΔFとする。そして、それ
を各標準値から差し引いた下限値VN −ΔN,VF −Δ
Fを漏液判定基準値とし、各標準値に加えた上限値VN
+ΔN,VF +ΔFを断線判定基準値とする。もっと
も、漏液の場合と断線の場合とで偏差値の絶対値は同じ
で有る必要はなく別の値を採用してもよい。また、断線
判定基準値は当然定電流電源の出力電圧値以下である。
図4のCPU65のRAMには基準値設定器66(例え
ば、テンキー)によりこれらの基準値が設定される。判
定手段5は、RAMに記憶された上記混線又は断線基準
値と測定値VNX又はVFXとを比較し、混線又は断線の有
無を判定する。
【0035】次に、上記の測定にあたってのリレー群ユ
ニット6の接続動作について詳述する。図6、図8にお
いて、リレー群ユニット6の端子h−a間、端子b−j
間、端子h−m間の各リレーを閉じるには、図5におい
て、イ、監視・位置検知切り換えリレー600の主極の
接点601、602と監視モード用接点603、603
とを接続し、ロ、混線・断線監視用リレー群610の開
閉リレー618(618a,618b,618c,61
8d)を閉じ、ハ、近端・遠端切り換えリレー611の
主極の接点612,613をそれぞれ近端側極の接点6
14,615と接続し、ニ、電圧測定用リレー660の
接点661ー662間を閉じればよい。そして、ホ、こ
の状態で近端側リレーX1 の接点を閉じれば図6の近端
側接続線の導体抵抗による電圧降下分測定モードとな
り、ヘ、遠端側リレーX2 を閉じれば図8の近端側から
の検知線の漏液・断線検知モードとなる。
【0036】また、図7、図9において、リレー群ユニ
ット6の端子h−c間、端子d−j間、端子h−m間の
各リレーを閉じるには、図5において、イ、監視・位置
検知切り換えリレー600、ロ、混線・断線監視用リレ
ー群610の開閉リレー618及びニ、電圧測定用リレ
ー660の開閉は上記図6、図8の場合と同様とし、
ハ、近端・遠端切り換えリレー611の主極の接点61
2,613をそれぞれ遠端側極の接点616,617と
接続すればよい。そして、ホ、この状態でリレーX2
接点を閉じれば図7の遠端側接続線の導体抵抗による電
圧降下分測定モードとなり、ヘ、リレーX1 を閉じれば
図9の遠端側からの検知線の漏液・断線検知モードとな
る。
【0037】図12、図13は、A/D変換ユニット4
のCPU65のROMに記憶された動作プログラムのフ
ローチャートである。図12において、先ず、主制御ユ
ニット9から、リレー開閉手段7にリレー開閉信号が送
られるとともにA/D変換ユニット4の入力端子67を
介し、CPU65の入力ポートI2 にも送られ、RAM
のリレー開閉状態記憶部に記憶される。記憶されたリレ
ー開閉状態が検知され(S1)、近端であるか否かが判
定される(S2)。近端・遠端切換リレーが近端側にあ
る時は断線・漏液の監視モードに入る(S3)。先ず、
断線の有無が判定される(S4)。このステップS4で
は、測定された電圧値をRAMの基準値記憶部に記憶さ
れた断線判定基準値と比較し、断線判定基準値以上であ
れば断線有りと判定する。断線有りの場合は断線警報出
力指令が出され(S5)、監視手段8に断線警報メッセ
ージが表示されるとともに断線・漏液の監視が続けられ
る(S6)。修復が完了するまで、修復完了か否かの監
視が続けられ(S7)、完了したら、に戻る。
【0038】ステップS4において断線が無いときは続
いて漏液の有無の判断がなされる(S8)。このステッ
プS8では、測定された電圧値をRAMの基準値記憶部
に記憶された混線判定基準値(漏液判定基準値)と比較
し、漏液判定基準値以下であれば漏液有りと判定する。
漏液も無いときはに戻る。一方、漏液が検知された時
はすぐに混線警報(漏液警報)を出力せず、リレー開閉
状態検知モードとなり(S9)、今度は遠端か否かが判
定される(S10)。遠端側にない時はリレー開閉状態
の検知を繰り返す。遠端側にあるときは再び断線・漏液
監視モードに入る(S11)。ここで断線の有無が判定
され(S12)、断線有りと判断されたときは単なる断
線警報でなく、断線・漏液混在警報の出力指令が出され
る(S13)。断線・漏液が混在すると後述するように
手前に漏液位置があるときには誤差を生じるので、単な
る断線と区別する必要があるためである。監視手段8に
断線・漏液混在警報メッセージが表示されるとともに断
線・漏液の監視が続けられる(S14)。修復が完了す
るまで、修復完了か否かの監視が続けられ(S15)、
完了したら、に戻る。
【0039】ステップS12において、断線無しと判定
された場合は、ステップS8で判定された漏液のみとな
るので、漏液警報出力指令を出し(S16)、監視手段
8に漏液警報メッセージが表示されるとともに断線・漏
液の監視が続けられる(S17)。修復が完了するま
で、修復完了か否かの監視が続けられ(S18)、完了
したら、に戻る。
【0040】ステップS2において近端・遠端切り換え
リレーが遠端側にある時は図10のに移行する。図1
0のフローチャートは、図9とは近端と遠端とが入れ替
わるだけで、その他は図9のステップS3以降と同じで
ある。即ち、先ず、断線・漏液の監視モードに入る(S
19)。そして、断線の有無が判定される(S20)。
このステップS20では、測定された電圧値をRAMの
基準値記憶部に記憶された断線判定基準値と比較し、断
線判定基準値以下であれば断線有りと判定する。断線有
りの場合は断線警報出力指令が出され(S21)、監視
手段8に断線警報メッセージが表示されるとともに、断
線・漏液の監視が続けられる(S22)。修復が完了す
るまで、修復完了か否かの監視が続けられ(S23)、
完了したら、に戻る。
【0041】ステップS20において断線が無いときは
続いて漏液の有無の判断がなされる(S24)。このス
テップ24では、測定された電圧値をRAMの基準値記
憶部に記憶された漏液判定基準値とを比較し、漏液判定
基準値以上であれば漏液有りと判定する。漏液も無いと
きはに戻る。一方、漏液が検知された時はすぐに漏液
警報を出力せず、リレー開閉状態検知モードとなり(S
25)、今度は近端か否かが判定される(S26)。近
端側にない時はリレー開閉状態の検知を繰り返す。近端
側にあるときは再び断線・漏液監視モードに入る(2
7)。ここで断線の有無が判定され(S28)、断線有
りと判断された時は単なる断線警報でなく、断線・漏液
混在警報の出力指令が出され(S29)、監視手段8に
断線・漏液混在警報メッセージが表示されるとともに断
線・混線の監視が続けられる(S30)。修復が完了す
るまで、修復完了か否かの監視が続けられ(S31)、
完了したら、に戻る。
【0042】ステップS28において、断線無しと判定
された場合は、ステップS24で判定された漏液のみと
なるので、漏液警報出力指令を出し(S32)、監視手
段8に漏液警報メッセージが出表示されるとともに断線
・混線の監視が続けられる(33)。修復が完了するま
で、修復完了か否かの監視が続けられ(S34)、完了
したら、に戻る。以上により、近端側、遠端側の両方
から測定されるので、断線と漏液(混線)の混在の検知
が可能となる。
【0043】本実施例において、入力端子61、電流制
限抵抗r、マルチプレクサ62、増幅器63、A/D変
換器64とCPU65のROMに記憶されたプログラム
の断線・漏液監視のステップS3,S6,S11,S1
4,S17,S19,S22,S27,S30,S33
が本発明の電圧測定手段4に相当し、基準設定器66及
びCPU65のROMに記憶されたプログラムの判定の
ステップS2,S4,S7,S8,S10,S12,S
15,S18,S20,S23,S24,S26,S2
8,S31,S34が本発明の判定手段5に相当する。
【0044】図14、図15は、断線と漏液が混在する
場合の断線位置S及び/又はT、漏液位置P−Qの検知
に関する説明図である。図14は断線位置検知時の動作
説明図で、リレー群6の接点k−d、接点c−i、接点
i−mが閉じられ、遠端接続線16を介して、検知線1
は直流電圧電源3に接続される。直流定電圧電源3から
供給される電流は、太い実線のように遠端接続線16を
経て、電極線12の遠端BF →断線位置S及び/又はT
直前までの定電流回路Bn →AF →遠端接続線16→標
準抵抗器RS を経て直流定電圧電源3の接地側Gに還流
する。そして、リレー群6の接点iには標準抵抗器RS
に流れこんだ電流の大きさに比例した、従って電極線1
2の遠端BF から断線位置S及び/又はT直前までの各
定電流回路Bの数y(図14の場合は、Bn 1個)に比
例した電圧Wy が現れ、その電圧Wy は点線に示すよう
に接点i−mを経て電圧測定手段4によって測定され
る。定電流回路Bn に流れる定電流値をI(=一定)と
すると、 Wy =I×y×RS ∴y=Wy /(I×RS ) (9) となる。I×RS は既知であるから、いま定電流回路B
が各単位検知線の遠端側に設けてあるとすれば電圧Wy
が分かれば(9)式よりyが得られ、断線が生じている
単位検知線の番号はn−y番目となる。また各定電流回
路Bが各単位検知線の近端側に接続されている場合に
は、n−y−1番目となる。なお、漏液が点P−Qで生
じているため、近端側から断線位置を測定することはで
きない。
【0045】断線位置S及び/又はTを見つけだして修
復したのち、漏液位置の検知に移る。図15に示すよう
に、リレー群6の接点h−a、接点d−j、接点b−m
が閉じると、定電流IC は近端接続線15を経て電極線
11の漏液点P→Q→検知線の遠端BF →遠端接続線1
6→接点d−jを経て直流定電流電源2の接地側Gに還
流する。そして、電圧測定手段4には電極線12の近端
N →接点b−mを経て、漏液点Q→検知線の遠端BF
→遠端接続線16→接点d−j→直流定電流電源2の接
地側Gの電圧降下分が現れる。したがって、検知線の遠
端BF →遠端接続線16→接点d−j→直流定電流電源
2の接地側Gの電圧降下分VFLは予め測定されているの
で、これを差し引けば、漏液点Q→電極線12の遠端B
F での電圧降下Vy が得られる。いま、図15のように
漏液が近端側からx+1番目(遠端側からy=n−x番
目)の区間で発生したものとし、所定区間ごとの抵抗値
がR=一定で、各抵抗器R1,2,・・RX-1,X,・・R
n が各区間の遠端側に接続されているものとすると、 y=Vy /(IC ×R) (10) となる。IC ×Rは既知であるから、電圧降下Vy が測
定されれば(10)式より漏液の生じた区間xがわか
る。なお、各抵抗器R1,2,・・・Rn が各区間の近端
側に接続されている場合には、yの値は上記(10)式
の右辺に1を加えた値となる。このように、断線と漏液
が混在していても、同じ電圧測定手段を用いて、リレー
群の接続を切り換えるだけで断線位置、混線位置の検知
ができる。
【0046】また、断線と漏液の混在が検知されたとき
は、監視手段8が、その旨表示するとともに、断線位置
と漏液位置の相対的位置関係も表示するので、断線位
置、漏液位置の検知手順、修復手順が分かりやすい。
【0047】図14において、断線位置検知のため、リ
レー群6の接点k−d、接点c−j、接点i−mを閉じ
るには、図5において、イ、監視・位置検知切り換えリ
レー600の主極の接点601、602と位置検知用接
点604、605とを接続し、ロ、混線・断線切り換え
リレー640の断線用リレー642(642a,642
b,642c,642d)をON、混線用リレーを64
1(641a,641b,641c)をOFFとし、
ハ、断線検知用近端・遠端切り換えリレー630の主極
の接点631,632を遠端側極の接点636,637
と接続し、ニ、電圧測定用リレー660の接点661ー
663間を閉じればよい。
【0048】図14は、断線位置S及び/又はTが混線
位置P−Qよりも遠端側で発生した場合の例であるが、
逆に近端側で発生した場合には、上記の接続において、
ハの断線検知用近端・遠端切り換えリレー630の主極
の接点631,632を近端側極の接点634,635
と接続すればよい。
【0049】また、図15において、混線位置検知のた
め、リレー群ユニット6の端子h−a間、端子d−j
間、端子b−m間の各リレーを閉じるには、図5におい
て、イ、監視・位置検知切り換えリレー600の主極の
接点601,602と位置検知用接点604、605と
を接続し、ロ、混線・断線切り換えリレー640の混線
用リレー641(641a,641b,641c)をO
N、断線用リレー642(642a,642b,642
c,642d)をOFFとし、ハ、混線検知用近端・遠
端切り換えリレー630の主極の接点621,622を
近端側極の接点623,624と接続し、ニ、電圧測定
用リレー660の接点661ー662間を閉じればよ
い。
【0050】図15において、混線位置P−Qが断線位
置S及び/又はTよりも遠端側で発生した場合には、上
記の接続において、ハの混線検知用近端・遠端切り換え
リレー630の主極の接点621,622を遠端側極の
接点625,626と接続すればよい。
【0051】以上に述べたように、リレーの接続モード
として、 近端接続線による電圧降下値を予め測定し
ておくためのもの、 遠端接続線による電圧降下値を
予め測定しておくためのもの、 近端側から混線及び
断線を監視するためのもの、 遠端側から混線及び断
線を監視するためのもの、 断線が検知されたとき
に、その位置を検知するためのもの、 混線位置が検
知されたときに、その位置を検知するためのもの、があ
る。本発明において、乃至の接続モードは混線、断
線の検知のために必須のものであり、さらに、混線位
置、断線位置の検知のためには、、の接続モードが
必要となる。上記実施例ではこれら乃至のリレー群
の接続をリレー開閉段7を介して主制御ユニット9によ
り、適宜の順序で自動的に行うことができるので、操作
が極めて容易である。
【0052】また、主制御ユニットとして、シーケンサ
を用い、例えば乃至の接続モードをその順序で単純
に繰り返すようにしてもよい。接続線や検知線の導体抵
抗は周囲温度によって絶えず変化するので、各モードで
の測定が繰り返し行われることによって温度変化による
誤差を無くすことができる。
【0053】なお、以上の実施例では、検知線を特定の
ものとしたが、これに限定されるものではない。例え
ば、検知線の位置検知用導体として所定区間ごとに抵抗
器Rを接続せず、一様な抵抗値を有する導体を用いたも
のなども当然本発明に含まれる。また、監視手段を本体
の近くに設ける場合は通信ユニットを設けなくてもよ
い。
【0054】
【発明の効果】本発明の混線・断線検知装置によれば、
近端側又は遠端側接続線のループ抵抗値及び検知線と近
端側又は遠端側接続線とを含むループ抵抗値による電圧
降下値を電圧測定手段により簡単に測定でき、また後者
から前者を差し引くことにより、検知線だけのループ抵
抗値を電圧に変換した値が正確にかつ容易に得られる。
そして、これらの値を所定の混線又は断線基準値と比較
することにより、混線だけでなく断線をも検知できる。
しかも測定手段を変更する必要がなく、リレーの開閉に
より、各測定に必要な回路の形成が自動的に行われるの
で、検知に手間がかからない。また、近端及び遠端の両
方から測定することにより、混線と断線が混在する場合
にも確実に混線・断線を検知することができる。さら
に、断線位置、混線位置を検知出来るものとすれば、修
復に要する時間が短縮される。混線、断線若しくはそれ
らの混在又はそれらの位置を検知するのに必要な所定の
接続をシーケンサにより所定の順序で形成できるものと
すれば、操作が簡単であり、判定ミスを生ずるおそれが
ない。混線と断線の混在を検知したとき、その旨及びそ
の相対的位置関係を表示する監視手段を備えたものとす
れば、混線と断線が混在するときに、その位置検知の手
順や修復手順を間違いなく進めることができる。したが
って、硫酸等の漏液検知に用いれば、早く確実に漏液を
検知できるので、漏液による損失や被害を防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の回路図である。
【図2】本発明の一実施例の検知線の断面図である。
【図3】本発明の一実施例の検知線の内部編組体層の説
明図である。
【図4】本発明の一実施例の電圧測定手段及び判定手段
の説明図である。
【図5】本発明の一実施例のリレー群の結線図である。
【図6】本発明の混線・断線検知装置の近端側接続線に
よる電圧降下測定時の動作説明図である。
【図7】本発明の混線・断線検知装置の遠端側接続線に
よる電圧降下測定時の動作説明図である。
【図8】本発明の混線・断線検知装置の混線(漏液)・
断線の有無確認時の動作説明図である。
【図9】本発明の混線・断線検知装置の混線(漏液)・
断線の有無確認時の動作説明図である。
【図10】本発明の断線・混線検知装置の混線(漏液)
・断線の有無確認時の動作説明図である。
【図11】本発明の断線・混線検知装置の混線(漏液)
・断線の有無確認時の動作説明図である。
【図12】本発明の混線・断線検知装置の判定手段の動
作プログラムのフローチャートである。
【図13】本発明の断線・混線検知装置の判定手段の動
作プログラムのフローチャートである。
【図14】本発明の断線・混線検知装置の断線位置検知
時の動作説明図である。
【図15】本発明の断線・混線検知装置の混線位置検知
時の動作説明図である。
【図16】従来の混線位置検知装置の説明図である。
【符号の説明】
1 検知線 2 パルス電源 3 直流定電圧電源 4 電圧測定手段 5 判定手段 6 リレー群(リレー群ユニット) 7 リレー開閉手段 8 監視手段 9 主制御ユニット B 定電流回路 Bu バス RS 標準抵抗器 X1 近端側リレー X2 遠端側リレー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に絶縁されほぼ平行に配設された一
    対の導体から成る電極線を有する検知線と、前記検知線
    に近端・遠端切り換えリレー及び近端側接続線又は遠端
    側接続線を介して直流定電流又はピーク値が一定のパル
    ス電流を供給する定電流電源と、電圧測定手段と、記憶
    部を有する判定手段と、前記検知線の近端側の線間を短
    絡・開放する近端側リレーと、検知線の遠端側の線間を
    短絡・開放する遠端側リレーと、前記近端・遠端切り換
    えリレー、近端側、遠端側各リレーを含むリレー群を開
    閉するリレー開閉手段と、このリレー開閉手段と前記リ
    レー群の各リレーとを接続する各リレー用接続線と、前
    記リレー群の各リレーをリレー開閉手段を介して開閉
    し、所定の接続を形成する主制御ユニットとを備え、前
    記所定の接続は、 近端側リレーをONとし、前記定電流電源から供給
    される定電流を前記近端側接続線の往復ループに流した
    ときのループ抵抗による電圧降下を測定するステップの
    ための接続と、 遠端側リレーをONとし、前記定電流電源から供給
    される定電流を前記遠端側接続線の往復ループに流した
    ときのループ抵抗による電圧降下を測定するステップの
    ための接続と、 近端側リレーをOFF、遠端側リレーをONとし
    て、前記近端側接続線の始端から前記検知線の遠端まで
    のループ抵抗による電圧降下を測定するステップのため
    の接続と、 遠端側リレーリレーをOFF、近端側リレーをON
    として、前記遠端側接続線の始端から前記検知線の近端
    までのループ抵抗による電圧降下を測定するステップの
    ための接続とのうち、少なくとも前記と又はと
    の接続を含み、前記電圧測定手段は、前記各接続におい
    て所定の測定を行い、かつ前記判定手段による判定が、
    少なくともi、前記の接続で得た電圧降下値から前記
    の接続で得た電圧降下値を差し引いた値を所定の混線
    又は断線基準値と比較して混線または断線の有無を判定
    するステップと、ii、前記の接続で得た電圧降下値
    から前記の接続で得た電圧降下値を差し引いた値を所
    定の混線又は断線基準値と比較して混線または断線の有
    無を判定するステップとのいずれか又は両方を含むこと
    を特徴とする混線・断線検知装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の混線・断線検知装置に
    おいて、前記所定の接続は乃至のすべてを含み、判
    定手段は前記判定ステップiで混線又は断線有りと判定
    し、判定ステップiiで断線又は混線有りと判定したと
    きに、混線と断線が混在すると判定し、判定ステップi
    で判定されたものが近端側、判定ステップiiで判定さ
    れたものが遠端側にあると判定することを特徴とする混
    線・断線検知装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の混線・断線検知
    装置において、検知線は、第1及び第2の導体から成る
    電極線を有し、少なくとも第2の導体を長さ方向に一様
    な又は所定区間ごとに一様な導体抵抗を有する位置検知
    用導体として成り、前記定電流電源を前記第1の導体が
    上流側となるように接続し、前記主制御ユニットによる
    リレーの開閉は、前記検知線に混線が生じたとき、 a.位置検知用導体の混線位置から近端を経て近端側接
    続線の始端までの電圧降下を測定する近端側電圧降下の
    測定のための接続と、 b.位置検知用導体の混線位置から遠端を経て遠端側接
    続線の始端までのまでの電圧降下を測定する遠端側電圧
    降下の測定のための接続と、 c.位置検知用導体の全長とそれに接続された近端側接
    続線又は遠端側接続線での電圧降下を測定する全電圧降
    下の測定のための接続と、から成る三種類の接続のうち
    少なくとも二つを形成し、前記電圧測定手段は、前記二
    つの接続において所定の測定を行い、前記判定手段は、
    近端側又は遠端側接続線1本あたりの電圧降下を前記
    又はの接続により得た測定値の2分の1として記憶
    し、前記所定の測定により得た二つの電圧降下の測定値
    からそれぞれに含まれる近端側又は遠端側接続線による
    電圧降下を差し引いて位置検知用導体での電圧降下値を
    算出し、この二つの電圧降下値から、混線位置を判定す
    るようにして成ることを特徴とする混線・断線検知装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3に記載の混線・断線検知
    装置において、検知線は、電極線間の所定区間毎に第2
    の導体から第1の導体へ所定の電流を流す定電流回路と
    を備え、かつ混線・断線切り換えリレーを介して前記検
    知線の電極線間に定電圧を供給する直流定電圧電源と、
    電流を電圧に変換する標準抵抗器とを備え、前記直流定
    電圧電源を前記第2の導体が高圧側となるように接続
    し、前記主制御ユニットによるリレーの開閉は、前記検
    知線に断線が生じたとき、 イ.検知線の断線位置から近端側までの定電流回路を通
    じて前記標準抵抗に流れる電流により前記標準抵抗の両
    端間に生ずる電圧降下を測定する近端側電圧降下の測定
    のための接続と、 ロ.検知線の断線位置から遠端側までの定電流回路を通
    じて前記標準抵抗に流れる電流により前記標準抵抗の両
    端間に生ずる電圧降下を測定する遠端側電圧降下の測定
    のための接続と、を形成し、前記電圧測定手段は、前記
    イ、ロの各接続において所定の測定を行い、前記判定手
    段は、前記所定の測定により得た二つの電圧降下値から
    断線区間を判定するようにして成ることを特徴とする混
    線・断線検知装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4に記載の混線・断線検知
    装置において、主制御ユニットは前記所定の接続を所定
    の順序で形成するシーケンサであることを特徴とする混
    線・断線検知装置。
  6. 【請求項6】 請求項2乃至5に記載の混線・断線検知
    装置において、断線と混線の混在を検知したとき、その
    旨及びその相対的位置関係を表示する監視手段を備えた
    ことを特徴とする混線・断線検知装置。
JP5240347A 1993-08-31 1993-08-31 混線・断線検知装置 Pending JPH0772198A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5240347A JPH0772198A (ja) 1993-08-31 1993-08-31 混線・断線検知装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5240347A JPH0772198A (ja) 1993-08-31 1993-08-31 混線・断線検知装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0772198A true JPH0772198A (ja) 1995-03-17

Family

ID=17058139

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5240347A Pending JPH0772198A (ja) 1993-08-31 1993-08-31 混線・断線検知装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0772198A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103163419A (zh) * 2013-04-02 2013-06-19 国家电网公司 电缆芯校对和变压器跳闸出口校对用指示器及校对方法
CN109143057A (zh) * 2016-07-28 2019-01-04 国网江苏省电力公司常州供电公司 Gis设备刀闸振动在线修复系统

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103163419A (zh) * 2013-04-02 2013-06-19 国家电网公司 电缆芯校对和变压器跳闸出口校对用指示器及校对方法
CN109143057A (zh) * 2016-07-28 2019-01-04 国网江苏省电力公司常州供电公司 Gis设备刀闸振动在线修复系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6459275B1 (en) Detection of devices on a local area network
CA2151094A1 (en) Cable Monitoring System with Multiple Branch Terminations
CN109143048A (zh) 高压回路继电器粘连诊断电路及诊断方法
US20070279071A1 (en) Method and System for Diagnosing Degradation in Vehicle Wiring
JPH0772198A (ja) 混線・断線検知装置
US7839133B2 (en) Remote continuity and cable identifier and polarity checker system and method
JPH0727811A (ja) 混線・断線検知装置
CN101246629A (zh) 一种开关量双温报警短路报故障线型探测器及报警方法
CN116466138A (zh) 一种集成绝缘电阻检测和绝缘监测功能验证的装置和方法
KR20080039570A (ko) 열배관누수감지장치 및 그 방법
JP3210116B2 (ja) 漏液検知線
CN1220539A (zh) 通信线路端接检测
JP3375710B2 (ja) 漏液検知装置
JP7169346B2 (ja) 少なくとも1本の電気ケーブルの絶縁および/または連続性監視装置および関連監視方法
JPH06167411A (ja) 漏液検知線
RU2667685C1 (ru) Устройство для определения номера жилы кабеля
JP4297333B2 (ja) 鉄道用回線絶縁抵抗測定方法及び装置
CN213210208U (zh) 一种用于断路器特性测试的接线转换装置
JP3328342B2 (ja) 混線位置検知装置及び検知方法
CN113985270B (zh) 一种有载分接开关切换时序检测方法、系统和介质
CN215814419U (zh) 一种电气火灾监控探测器输入通道检测电路
CN110888097B (zh) 线路切换方法及装置
CN211348551U (zh) 三角形接线变压器有载分接开关动作特性测试装置
JP2002033950A (ja) 電力送受電システムおよび電力送受電方式の送電装置ならびに受電装置
JPH04198768A (ja) 接続ケーブルの障害監視装置