JP3328342B2 - 混線位置検知装置及び検知方法 - Google Patents

混線位置検知装置及び検知方法

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JP3328342B2
JP3328342B2 JP34560992A JP34560992A JP3328342B2 JP 3328342 B2 JP3328342 B2 JP 3328342B2 JP 34560992 A JP34560992 A JP 34560992A JP 34560992 A JP34560992 A JP 34560992A JP 3328342 B2 JP3328342 B2 JP 3328342B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長尺の電線・ケーブル
等の絶縁不良による混線や漏液検知線等の漏液による電
極線の短絡など相互に絶縁された線状導体間の電気的接
続位置(以下、総称して混線位置という)の検知が容易
な混線位置検知装置及び検知方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】線状導体間の混線位置検知装置及び方法
としては、例えば、図7に示すものがある(特開昭60
−249071)。図7において、1は検知線、3は電
源、5は測定器具、50は帰路部材であり、検知線1は
導電性位置検知部材11と導電性第2部材12とから成
り、測定器具は電圧計V1,2 と、参照インピーダンス
R (ZR1, R2)とディバイダDIVとディスプレイ
DISとから成る。この装置及び方法によれば、P
(Q)点において混線が生じたとき、導電性位置検知部
材11の混線位置Pと近端Eとの間の電圧降下と参照イ
ンピーダンスZR での電圧降下とを電圧計V1,2 によ
って測定するとともに、ディバイダDIVによってその
比を演算することにより混線位置を推定し、ディスプレ
イDISに表示するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の装
置、方法では、位置検知部材11の近端Nと測定器具5
の電圧測定端子Sとを接続する接続線における電圧降下
は位置検知部材のP−N間での電圧降下に比して極めて
小さいことを前提として無視している。しかし、パイプ
ラインからの硫酸等の漏液を検知する場合のように、測
定装置を設置する監視室から検知線を添設するパイプラ
インまでの距離がかなりある場合には、これを無視する
と、誤差が大きくなり、実用に耐える精度が得られな
い。
【0004】また、位置検知部材11と参照インピーダ
ンスZR (ZR1, R2)とは一般にインピーダンス値の
温度係数が異なるため温度変化による誤差も生じる。
【0005】本発明は、以上のような問題点を解消し、
接続線や温度変化による誤差のない混線位置検知装置の
提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の混線位置検知装置は、相互に絶縁されほぼ
平行に配設された、所定の区間ごとのインピーダンス値
が比較的高い高インピーダンス線とインピーダンス値
が長さ方向に一様で所定の区間ごとのインピーダンス値
が前記高インピーダンス線に比して比較的低い低インピ
ーダンス線とから成る検知線と、前記検知線の近端又は
遠端に接続される近端側接続線又は遠端側接続線と、前
記近端側接続線又は遠端側接続線に混線検知用近端・遠
端切り換えスイッチ又は接続線測定用開閉器を介して定
電流を供給する定電流電源と、前記検知線の近端側の線
間を短絡・開放する近端側リレーと、検知線の遠端側の
線間を短絡・開放する遠端側リレーと、近端側、遠端側
各リレーを選択開閉するリレー開閉手段と、このリレー
開閉手段と前記近端側、遠端側各リレーとを接続する近
端側、遠端側各リレー用接続線と、接続線測定用近端・
遠端切換え開閉器と、電圧測定手段とを備えたことを特
徴とするものである。
【0007】上記所定の区間ごとのインピーダンス値が
比較的高い高インピーダンス線は、所定のインピーダン
ス値を有するインピーダンス素子と所定の区間ごとのイ
ンピーダンス値が前記インピーダンス素子に比して無視
できる程度に低い低インピーダンス線とを直列に接続し
たものとしてもよい。
【0008】また、本発明の混線位置検知方法は、上記
混線位置検知装置の検知線と、定電流電源を用い、高
インピーダンス線の混線位置から近端までの電圧降下V
X を測定する近端側電圧降下VX の測定ステップ
高インピーダンス線の混線位置から遠端までの電圧降下
Y を測定する遠端側電圧降下VY の測定ステップとの
つのステップからなる第1の段階と、前記二つのステ
ップで得た電圧降下の値の比から混線位置を算出する第
2の段階とを含むことを特徴とするものである。
【0009】さらに、上記の混線混線位置検知方法の第
1の段階が、混線検知用近端・遠端切り換えスイッチ
を近端側に接続し、近端側、遠端側各リレー開閉手段を
操作して、近端側リレー、遠端側リレーをともにオフと
して、高インピーダンス線の混線位置からその近端を経
て近端側接続線の始端に至るまでの近端側全電圧降下V
XNを測定する過程と、近端側リレーをオンとして高イン
ピーダンス線に接続された近端側接続線の電圧降下VN
を測定する過程と、近端側全電圧降下VXNから近端側接
続線電圧降下VN を差し引いて高インピーダンス線の混
線位置から近端までの電圧降下VX を算出する過程とか
ら成る近端側電圧降下VX の測定ステップ混線検
知用近端・遠端切り換えスイッチを遠端側に接続し、近
端側、遠端側各リレー開閉手段を操作して、近端側リレ
ー、遠端側リレーをともにオフとして、高インピーダン
ス線の混線位置からその遠端を経て遠端側接続線の始端
に至るまでの遠端側全電圧降下VXFを測定する過程と、
遠端側リレーをオフとして高インピーダンス線に接続さ
れた遠端側接続線の電圧降下VF を測定する過程と、遠
端側全電圧降下VXFから遠端側接続線電圧降下VF を差
し引いて高インピーダンス線の混線位置から遠端までの
電圧降下VY を算出する過程とから成る遠端側電圧降下
Y の測定ステップとの二つのステップからなることを
特徴とするものである。
【0010】
【作用】上記のように構成された混線検知装置によれ
ば、近端側又は遠端側各リレー接続線を介して、混線検
知用近端・遠端切換えスイッチ及び接続線測定用近端・
遠端切換え開閉器と、リレー開閉手段により各リレーを
選択開閉できるので、混線位置測定に際し、近端側又
は遠端側接続線における電圧降下を容易に測定する事が
でき、したがって混線位置から高インピーダンス線の近
端又は遠端を介して、近端側又は遠端側接続線の始端ま
での電圧降下から前記近端側又は遠端側接続線におけ
る電圧降下を差し引くことにより接続線による誤差をな
くすことができる。
【0011】また、高インピーダンス線としては一般に
ニクロム線のように可撓性の悪いものが多いが、所定の
インピーダンス値を有するインピーダンス素子と所定の
区間ごとのインピーダンス値が前記インピーダンス素子
に比して無視できる程度に低い低インピーダンス線とを
直列に接続したものとしたものとすれば、低インピーダ
ンス線として軟銅線のように可撓性のよいものを用いる
ことができ布設が容易になる。さらに、インピーダンス
素子として、温度係数の小さい抵抗器などを用いること
により温度変化による誤差を小さくすることができる。
【0012】そして、上記の混線検知方法によれば、高
インピーダンス線について、近端側電圧降下VX の測
定ステップ、遠端側電圧降下VY の測定ステップ
の二つのステップで得た電圧降下の値の比から混線位置
を算出するので、分母、分子の電圧降下値に含まれる温
度変化の影響がキャンセルされ、温度変化による誤差を
なくすことができる。
【0013】さらに、第1段階のつのステップにおい
て各接続線の電圧降下分を除去するので接続線による誤
差をなくすことができる。
【0014】
【実施例】図1、図2は、本発明の一実施例の回路図で
あって、1は検知線、3は定電流電源、5は電圧測定手
段、6は混線検知用近端・遠端切り換えスイッチ、8は
電圧測定用スイッチ、9はリレー開閉手段である。検知
線1は、インピーダンス値が比較的高い高インピーダン
ス線11と、インピーダンス値が比較的低い低インピー
ダンス線12とから成り、高インピーダンス線11は低
インピーダンス線14に前記所定の間隔ごとにインピー
ダンス素子である抵抗器R1 ,R2 ・・・Rn を直列接
続して成る。また、定電流電源3は、電源31と、開閉
器32と、定電流制御器33とから成る。
【0015】検知線1は、近端側接続線15と配線17
を介して、また遠端側接続線16と配線17を介して混
線検知用開閉器21又は接続線測定用近端・遠端切り換
え開閉器110と接続される。接続線測定用近端・遠端
切り換え開閉器110は接続線測定用近端・遠端切り換
えスイッチ111及び接続線測定用接点スイッチ112
とから成り、前記接続線測定用接点リレー112は接続
線測定用近端・遠端切り換えスイッチ111を介して、
また前記混線検知用開閉器21は混線検知用近端・遠端
切り換えスイッチ6を介してそれぞれ接続線測定用開閉
器100に接続され、接続線測定用開閉器100は定電
流電源3の電流制御器33に、電流制御器33は開閉器
32を介して電源31に接続される。そして、接続線測
定用開閉器100の主極101,102の下流側端子1
02は電圧測定用スイッチ8を介して電圧計5に接続さ
れる。
【0016】さらに、リレー開閉手段9は、直流電源9
0と、リレー開閉用近端・遠端切り換えスイッチ91
と、リレー開閉用接点スイッチ92とから成る。直流電
源90は近端・遠端切り換えスイッチ91、接点スイッ
チ92及び配線17を介して近端側リレー用接続線18
及び遠端側リレー用接続線19に接続される。リレーX
1,2 の接点はそれぞれ検知線1の近端G,E、遠端
F,Hに接続され、リレーX1,2 の駆動コイルはそれ
ぞれ近端側リレー用接続線18の終端e,g及び遠端側
リレー用接続線19の終端f,hに接続される。なお、
その際、近端側・遠端側各リレーの駆動コイルと直列に
ダイオード121、122が接続され、ダイオード12
1とダイオード122とは逆極性に接続される。ダイオ
ード131、132はそれぞれ近端側・遠端側リレーの
駆動コイルの起電力発生防止用のダイオードである。
【0017】次に、上記図2の実施例にもとずきその動
作について説明する。図3乃至図6は混線検知時の動作
の説明図である。図3は近端側からの電圧測定、図4は
遠端側からの電圧測定によって混線位置を推定するため
の回路に関するものであって、いずれも近端側リレー、
遠端側リレーをともにオフとしている。
【0018】図3において、検知線のP点(低インピー
ダンス線側ではQ点)で混線が生じた場合を考える。混
線検知用近端・遠端切り換えスイッチ6を近端側極6
3,64側に投入し、電圧測定用スイッチ8を閉じて、
定電流電源3の開閉器32を投入し、定電流IC を流す
と、定電流IC は矢印の方向に流れ、検知線1において
は、低インピーダンス線の近端Gから混線位置Q,Pを
通り、高インピーダンス線の遠端Fへと流れる。したが
って、電圧計5にはP点の対地電圧が高インピーダンス
線の近端E、近端側接続線15の始端I、配線17、混
線検知用近端・遠端切り換えスイッチ6を通して測られ
ることになる。
【0019】電圧計5によって測られる電圧VYFは高イ
ンピーダンス線11のPーF間の電圧降下分VY と、こ
れに接続された遠端側接続線16の高インピーダンス線
11との接続点Fから始端Kを経て電圧計のマイナス端
子(接地端子)に至る電圧降下VF (略して、遠端側接
続線の電圧降下VF という)との和に相当する。即ち、 VY =VYF−VF (1)
【0020】次に、図4に示すように、混線検知用近端
・遠端切り換えスイッチ6を遠端側極65,66側に切
り換えて、定電流IC を流すと、定電流IC は矢印の方
向に流れ、検知線1においては、低インピーダンス線の
近端Gから混線位置Q,Pを通り、高インピーダンス線
の近端Eへと流れる。したがって、電圧計5にはP点の
対地電圧が高インピーダンス線の遠端F、遠端側接続線
16の始端K、配線17、混線検知用近端・遠端切り換
えスイッチ6を通して測られることになる。
【0021】電圧計5によって測られる電圧VXN 高イ
ンピーダンス線11のPーE間の電圧降下分VX と、こ
れに接続された近端側接続線15の高インピーダンス線
11との接続点Eから始端Iを経て電圧計のマイナス端
子(接地端子)に至る電圧降下VN (略して、近端側接
続線の電圧降下VN という)との和に相当する。即ち、 VX =VXN−VN (2)
【0022】図5は、近端側接続線15の高インピーダ
ンス線11との接続点Eから始端Iを経て電圧計のマイ
ナス端子(接地端子)に至る電圧降下VXEの測定時の回
路図、図6は、遠端側接続線16の高インピーダンス線
11との接続点Fから始端Kを経て電圧計のマイナス端
子(接地端子)に至る電圧降下VYEの測定時の回路図で
あり、接続線測定用開閉器100は測定側端子103側
に接続されている。
【0023】図5においては、近端側リレーをオン、遠
端側リレーをオフとしており、接続線測定用近端・遠端
切り換え開閉器110の近端・遠端切り換えスイッチ1
11を近端側端子115、116に接続し、同近端・遠
端切り換え接点112b、112cを閉じているので、
定電流IC は矢印の方向に流れる。したがって、電圧計
5には接続線測定用開閉器100の測定側端子103の
対地電圧が測定されることになる。
【0024】電圧計5によって測られる電圧は、接続線
測定用開閉器100の測定側端子103から近端側接続
線J、G、E、I、の各点を通って、電圧計のマイナス
端子(接地端子)に至る電圧降下であり、その2分の1
が前記電圧降下VN に相当する。このVN の値を(2)
式に代入すれば、VX の値が求められる。
【0025】図6においては、遠端側リレーをオン、近
端側リレーをオフとしており、接続線測定用近端・遠端
切り換え開閉器110の近端・遠端切り換えスイッチ1
11を遠端側極117、118に接続し、同近端・遠端
切り換え接点112a、112dを閉じているので、定
電流IC は矢印の方向に流れる。したがって、電圧計5
には図5の場合と同様、接続線測定用開閉器100の測
定側端子103の対地電圧が測定されることになる。
【0026】この場合、電圧計5によって測られる電圧
は、接続線測定用開閉器100の測定側端子103から
遠端側接続線M、H、F、K、の各点を通って、電圧計
のマイナス端子(接地端子)に至る電圧降下であり、そ
の2分の1が前記電圧降下VF に相当する。このVF
値を(1)式に代入すれば、VY が求められる。
【0027】なお、図3乃至図6の測定において、近端
側・遠端側リレーの開閉は、リレー開閉手段9等の操作
によって行われる。即ち、図3及び図4の場合はリレー
開閉用接点スイッチ92をオフにしておく。図5のよう
に、近端側リレーをオンにするには、リレー開閉用近端
・遠端切り換えスイッチ91を近端側極95,96に接
続し、接点スイッチ92をオンにする。電流は矢印の方
向に流れ、ダイオード121を介して近端側リレーX1
の駆動コイルを励磁し、近端側リレーX1 をオンにす
る。また、図6のように、遠端側リレーX2 をオンにす
るには、リレー開閉用近端・遠端切り換えスイッチ91
を遠端側極97,98に接続し、接点スイッチ92をオ
ンにする。電流は矢印の方向に流れ、ダイオード122
を介して遠端側リレーX2 の駆動コイルを励磁し、近端
側リレーX1 をオンにする。
【0028】さて、図2の実施例において、検知線の全
区間数をN、近端E(G)から数えた混線位置P(Q)
を含む区間の番号をK、単位区間当たりの高インピーダ
ンス線のインピーダンス値をZとすると、上記の測定で
得たVY 及びVX との関係は、次のようになる。 VY =IC ×Z×(N−K+1) (3) ∴K=N−VY /(IC ×Z)+1 (4) 同様に、 VX =IC ×Z×(K−1) (5) ∴K=VX /(IC ×Z)+1 (6) ここに、N、IC 、Zは既知であるから、上記測定によ
りVY 又はVX が得られれば、混線区間位置Kが分かる
ことになる。
【0029】ただし、上記の数式において、高インピー
ダンス線のインピーダンス値Zは既知であるとはいえ、
測定時の温度によって変化する。温度を測定し、温度係
数にもとずいて補正することも考えられるが、大変煩わ
しい。そこで、検討の結果、次の方法を見出した。 即
ち、上記(3)式を(5)式で割ると VY /VX =〔IC ×Z×(N−K+1)〕/〔IC ×Z×(K−1)〕 (7) よって、 K=N×VX /(VX +VY )+1 (8) となり、(7)式の分母、分子に含まれている高インピ
ーダンス線のインピーダンス値Zはキャンセルされるの
で、(8)式を使えば温度による誤差をなくすことがで
きる。
【0030】同様にして、高インピーダンス線の全長
(全区間)での電圧降下を測定することもできる。この
電圧降下をVL とすると、 VL =IC ×Z×N (9) したがって、()式を()式で割ると VY /VL =〔IC ×Z×(N−K+1)〕/(IC ×Z×N)(10) ∴K=N×(1−VY /VL )+1 (11) また、(5)式を(9)式で割ると、 VX /VL =〔IC ×Z×(K−1)〕/(IC ×Z×N) (12) ∴K=N×VX /VL +1 (13) したがって、VX ,VY ,VL のうちいずれか二つの値
を測定すれば、上記(8)、(11)又は(13)式に
よって温度による誤差を生ずることなく混線区間Kを求
めることができる。
【0031】例えば、1区間の電圧降下が20mV、全
区間数Nが100の検知線において、混線位置を測定し
とき、VX =1,160mV、VY =840mVであっ
たとすると、(8)式より K=100×1,160/(1,160+840)+1=59 となり、59番目の区間であることが分かる。
【0032】ところで、この計算例では1区間の電圧降
下がすべて20mVとしたが、インピーダンス素子のイ
ンピーダンスが僅かながらもばらつくことから計算上端
数が生ずることになる。その場合、四捨五入によって判
定を誤らないバラツキの範が問題となる。いま、もっ
とも大きい誤差が生じる場合として近端側半分の50区
間が全部−1%のバラツキを持つ素子、遠端側半分の5
0区間が全部+1%のバラツキを持つ素子で構成された
ときにおいて、51区間目の近端に混線が生じた場合を
考えると、 VX =19.8mV×50=990mV VY =20.2mV×50=1,010mV よって(8)式より K=100×990/(990+1,010)+1=50・5 したがって、四捨五入すれば51となり、正しい判定が
できる。
【0033】ところで、上記実施例においてはインピー
ダンス素子は各区間の遠端側に設けたが、これを近端側
に設けたときのKの計算式は、(8)、(11)、(1
3)式において、いずれも右辺の第2項の1を省いたも
のとなる。
【0034】この場合にもっとも大きい誤差が生じる場
合として近端側半分の50区間が全部+1%のバラツキ
を持つ素子、遠端側半分の50区間が全部−1%のバラ
ツキを持つ素子で構成されたときにおいて、50区間目
の遠端に混線が生じた場合を考えると、 VX =20.2mV×50=1,010mV VY =19.8mV×50=990mV よって K=100×1,010/(1,010+990)=50・5 したがって、四捨五入すれば51となり、判定を誤るこ
とになる。
【0035】そこで、バラツキを何%以下にすればよい
か検討した結果、0.8パーセント以下であればよいこ
とがわかった。即ち、この場合上記の計算値は次のよう
になる。 VX =20.16mV×50=1,008mV VY =19.84mV×50=992mV よって K=100×1,008/(1,008+992)=50・4 したがって、四捨五入すれば50となり、正しい判定が
得られる。
【0036】なお、上記の実施例では高インピーダンス
線を低インピーダンス線に所定の区間ごとに所定のイン
ピーダンス値Zを有するインピーダンス素子 1 2
・・・ n を直列接続して成るものとしたが、図1に示
す実施例のように単位長当たりのインピーダンス値が長
さ方向に一様な高インピーダンス線の場合には、検知線
の全長をL、検知線の近端Eから混線位置Pまでの距離
をXとすると、Xは次式により求められる。 X=L×VX /(VX +VY ) (14) X=L×(1−VY /VL ) (15) X=L×VX /VL (16)
【0037】例えば、高インピーダンス線1M当たりの
標準電圧降下が1mV、全区間長Lが2,000Mの検
知線において、混線位置を測定しとき、VX =75Om
V、VY =1,250mVであったとすると、(14)
式よりX=2,000×750/(750+1,25
0)=750となる。したがって、近端から750Mの
ところに混線位置があることが分かる。これは、1区間
を20Mとすれば、38番目の区間の真ん中あたりにな
る。
【0038】なお、上記実施例において定電流電源は、
直流でも交流でもよいが、直流の場合は検知線の絶縁体
の分極の影響を受けないよう、また交流の場合はインダ
クタンスやキャパシタンスの影響で測定長と電圧降下値
との比例関係が損なわれないよう留意する必要がある。
【0039】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の混線位置
検知装置によれば、近端側又は遠端側各リレー接続線を
介して、接続線測定用近端・遠端切換え開閉器と、リ
ー開閉手段により各リレーを選択開閉できるので、混線
位置測定に際し、近端側又は遠端側接続線における電
圧降下を容易に測定する事ができ、したがって混線位置
から高インピーダス線の近端又は遠端を介して、近端側
又は遠端側接続線の始端までの電圧降下から前記近端
側又は遠端側接続線における電圧降下を差し引くことに
より接続線による誤差をなくすことができる。また、本
発明の混線位置検知方法によれば、近端側電圧降下V
X の測定ステップ、遠端側電圧降下VY の測定ステ
ップとの二つのステップで得た電圧降下の値の比から混
線位置を算出するので、分母、分子の電圧降下値に含ま
れる温度変化の影響がキャンセルされ、温度変化による
誤差をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の回路図である。
【図2】本発明の一実施例の回路図である。
【図3】本発明の一実施例の混線位置検知の際の動作説
明図である。
【図4】本発明の一実施例の混線位置検知の際の動作説
明図である。
【図5】本発明の一実施例の混線位置検知の際の動作説
明図である。
【図6】本発明の一実施例の混線位置検知の際の動作説
明図である。
【図7】従来の混線位置検知装置の一例である。
【符号の説明】
1 検知線 3 定電流電源 5 電圧測定手段 6 混線検知用近端・遠端切り換えスイッチ 8 電圧測定用スイッチ 9 リレー開閉手段 11 高インピーダンス線 12 低インピーダンス線 15 近端側接続線 16 遠端側接続線 17 配線 100 接続用開閉器 110 接続線測定用近端・遠端切り換え開閉器 X1 近端側リレー X2 遠端側リレー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 斉徳 大阪府東大阪市岩田町2丁目3番1号 タツタ電線株式会社内 (72)発明者 桝井 忠章 大阪府東大阪市岩田町2丁目3番1号 タツタ電線株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/08 - 31/11

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に絶縁されほぼ平行に配設された、
    所定の区間ごとのインピーダンス値が比較的高い高イン
    ピーダンス線とインピーダンス値が長さ方向に一様で
    所定の区間ごとのインピーダンス値が前記高インピーダ
    ンス線に比して比較的低い低インピーダンス線とから成
    る検知線と、前記検知線の近端又は遠端に接続される近
    端側接続線又は遠端側接続線と、前記近端側接続線又は
    遠端側接続線に混線検知用近端・遠端切り換えスイッチ
    又は接続線測定用開閉器を介して定電流を供給する定電
    流電源と、前記検知線の近端側の線間を短絡・開放する
    近端側リレーと、検知線の遠端側の線間を短絡・開放す
    る遠端側リレーと、近端側、遠端側各リレーを選択開閉
    するリレー開閉手段と、このリレー開閉手段と前記近端
    側、遠端側各リレーとを接続する近端側、遠端側各リレ
    ー用接続線と、接続線測定用近端・遠端切換え開閉器
    と、電圧測定手段とを備えたことを特徴とする混線位置
    検知装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の混線位置検知装置にお
    いて、前記所定の区間ごとのインピーダンス値が比較的
    高い高インピーダンス線は、所定のインピーダンス値を
    有するインピーダンス素子と所定の区間ごとのインピー
    ダンス値が前記インピーダンス素子に比して無視できる
    程度に低い低インピーダンス線とを直列に接続して成る
    ことを特徴とする混線位置検知装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の検知線と、定電
    流電源を用い、高インピーダンス線の混線位置から近
    端までの電圧降下VX を測定する近端側電圧降下VX
    測定ステップ、高インピーダンス線の混線位置から
    遠端までの電圧降下VY を測定する遠端側電圧降下VY
    の測定ステップとの二つのステップからなる第1の段階
    と、前記二つのステップで得た電圧降下の値の比から混
    線位置を算出する第2の段階とを含む検知線の混線位置
    検知方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の混線位置検知方法にお
    いて、第1の段階が、混線検知用近端・遠端切り換え
    スイッチを近端側に接続し、近端側、遠端側各リレー開
    閉手段を操作して、近端側リレー、遠端側リレーをとも
    にオフとして、高インピーダンス線の混線位置からその
    近端を経て近端側接続線の始端に至るまでの近端側全電
    圧降下VXNを測定する過程と、近端側リレーをオンとし
    て高インピーダンス線に接続された近端側接続線の電圧
    降下VN を測定する過程と、近端側全電圧降下VXNから
    近端側接続線電圧降下VN を差し引いて高インピーダン
    ス線の混線位置から近端までの電圧降下VX を算出する
    過程とから成る近端側電圧降下VXの測定ステップ
    混線検知用近端・遠端切り換えスイッチを遠端側に接
    続し、近端側、遠端側各リレー開閉手段を操作して、近
    端側リレー、遠端側リレーをともにオフとして、高イン
    ピーダンス線の混線位置からその遠端を経て遠端側接続
    線の始端に至るまでの遠端側全電圧降下VXFを測定する
    過程と、遠端側リレーをオフとして高インピーダンス線
    に接続された遠端側接続線の電圧降下VF を測定する過
    程と、遠端側全電圧降下VXFから遠端側接続線電圧降下
    Fを差し引いて高インピーダンス線の混線位置から遠
    端までの電圧降下VY を算出する過程とから成る遠端側
    電圧降下VY の測定ステップとの二つのステップからな
    ることを特徴とする検知線の混線位置検知方法。
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