JPH0771835B2 - 2ピース缶用プレコート鋼板 - Google Patents

2ピース缶用プレコート鋼板

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JPH0771835B2
JPH0771835B2 JP63187685A JP18768588A JPH0771835B2 JP H0771835 B2 JPH0771835 B2 JP H0771835B2 JP 63187685 A JP63187685 A JP 63187685A JP 18768588 A JP18768588 A JP 18768588A JP H0771835 B2 JPH0771835 B2 JP H0771835B2
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直樹 郡司
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、缶体および上蓋からなる2ピース缶の缶体
を製造するための、2ピース缶用プレコート鋼板に関す
るものである。
〔従来の技術〕
2ピース缶の1種であるDI缶の缶体は、下記ステツプか
らなるDI成形によつて従来製造されている。金属板から
切り出された円形板を、パンチを使用して、ダイス内を
強制的に通過させることにより、円形板をドローイング
してカツプを成形し、次いで、かくして形成されたカツ
プを、別のパンチを使用して、複数個の別のダイスを強
制的に且つ連続的に通過させることにより、カツプをリ
ドローイングおよびアイアニングし、かくして、円形板
の肉厚よりも薄い肉厚を有する缶体を得る。
同様に2ピース缶の1種であるしぼり缶の缶体は、しぼ
り缶の1成形法であるDRD缶を例にとると、従来、下記
ステツプからなるDRD成形によつて製造されている。金
属板から切り出された円形板を、パンチを使用して、ダ
イス内を強制的に通過させることにより、円形板をドロ
ーイングしてカツプを成形し、次いで、かくして形成さ
れたカツプを、別のパンチを使用して、複数個の別のダ
イスを強制的に通過させることにより、カツプをリドロ
ーイングし、かくして、円形板とほぼ同等の肉厚を有す
る缶体を得る。
上述したDI缶またはしぼり缶のような2ピース缶は、上
蓋と底蓋とそしてはんだ付けまたは溶接によつて調製さ
れた胴とからなるいわゆる3ピース缶に比べて、缶体の
肉厚を薄くすることができるので軽量であり、そして、
胴に継目がないので、缶体の腐食により、缶内の内容物
が洩れることはない。このような利点を有しているの
で、2ピース缶の需要は多く、その用途も拡大すること
が予想される。
2ピース缶用金属板としては、一般に錫メツキ鋼板また
はアルミニウム板が使用されている。錫メツキ鋼板は、
アルミニウム板に比べて安価であるので、錫メツキ鋼板
で作られた2ピース缶の需要の伸びが期待されている。
しかしながら、近時錫の供給量の不足により、錫の価格
の高騰のために、錫メツキ鋼板および錫メツキ鋼板で作
られた2ピース缶の製造コストの上昇が避けられない。
従つて、錫メツキ鋼板の製造コストの低減が、強く望ま
れている。
DI缶の缶体の側壁の肉厚の減少率は、アイアニングの作
用によつて、約70%と極めて大きい。従つて、鋼板の表
面に予め潤滑性を付与することが必要である。錫メツキ
鋼板の錫メツキ層は、鋼板に優れた潤滑性を付与する。
しかしながら、錫メツキ鋼板の製造コストを低減するた
めに、錫メツキ層の付着量を減らすと、潤滑性が低下
し、その結果、DI成形性が悪くなる。そのために、アイ
アニング時に缶体がダイスを通る際に、摩擦熱による缶
体のダイスへの焼付き、または、缶体のかじりが発生す
ることがある。更に、アイアニング時にDI缶の缶体の表
面上に付着した、外部潤滑剤等の油脂分を除去した後
に、DI缶の缶体の表面に錆が発生しやすい。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述した問題を解決する方法として、次の方法が開示さ
れている。
(1)特開昭51-63,787号公報 エポキシフエノール系、エポキシ−尿素ホルムアルデヒ
ド系、ビニルオルガノゾル系の何れか1つの塗料、また
は、前記塗料にワツクス、ラノリン等の内部潤滑剤を添
加した塗料を、金属板の少なくとも1つの表面上に塗布
した上、部分的に焼付けてなるプレコート金属板により
DI成形された缶体(以下、先行技術1という)。
(2)特公昭60-4,753号公報 エポキシフエノール系塗料、または、前記塗料に、脂肪
酸エステル、ワツクス、高分子化合物等の内部潤滑剤を
添加した塗料を、表面処理鋼板の両面上に塗布した上、
部分的に焼付けし、次いで、このような被膜を有するプ
レコート鋼板をDI成形し、次いで、被膜を完全に焼付け
ることからなるDI缶の製造法(以下、先行技術2とい
う)。
(3)特公昭58-18229号公報 特定のエポキシフエノール系塗料に、オレフイン系炭化
水素を所定割合で添加した塗料を、鋼板の少なくとも1
つの表面上に塗布した上、完全に焼付けてなるDI缶用プ
レコート鋼板(以下、先行技術3という)。
(4)特開昭57-168961号公報 特定の塩化ビニル系オルガノゾル塗料に、ワツクス、ラ
ノリン、ペトロラタムのような内部潤滑剤が添加された
プレコート用塗料(以下、先行技術4という)。
上述した先行技術1〜3のプレコート鋼板および先行技
術4のプレコート用塗料によれば、内部潤滑剤の配合に
より、ある程度DI成形性を向上させることができる。し
かしながら、先行技術1〜4では、実用的に未だDI成形
性が十分であるとは云えず、DI成形時に被膜に損傷が生
じ、耐食性の劣化が避けられない。
上述した問題を解決する手段として、特開昭62-275172
号公報により、下記からなる2ピース缶用プレコート鋼
板(以下、先行技術5という)が開示されている。
鋼板の少なくとも一方の表面に、フツ素原子置換オレ
フインにより変性された炭化水素系ワツクスからなる内
部潤滑剤を含有する熱硬化性塗料の被膜が形成された2
ピース缶用プレコート鋼板。
2ピース缶の外面となるべき鋼板の一方の表面に、前
記内部潤滑剤を含有する熱硬化性塗料の被膜が形成さ
れ、そして、前記2ピース缶の内面となるべき鋼板の他
方の表面に、前記内部潤滑剤を含有しない熱硬化性塗料
のみからなる被膜が形成された2ピース缶用プレコート
鋼板。
上述した先行技術5によれば、優れたDI成形性を有する
2ピース缶用プレコート鋼板が得られる。しかしなが
ら、このように優れたDI成形性が得られるのは、ドロー
イングにより形成されたカツプに対し、アイアニングを
施して缶体に成形する際の成形スピード(パンチスピー
ド)が、例えば、30m/分程度の低速の場合である。
成形スピードを、例えば100m/分以上に早め、高速でア
イアニングを施すと、次のような問題が生ずる。即ち、
アイアニング時の加工熱およびパンチと缶体内面との間
の摩擦による摩擦熱によつて、プレコートされた被膜が
軟化する結果、パンチに軟化した被膜が付着する。この
ために、缶体からパンチを引き抜く際に、缶体の内面側
の被膜が剥離または損傷する結果、缶体端部がストリツ
パーに引つかかつて缶体を圧縮し、缶体の側壁が座屈す
る現象が生じ、いわゆるストリツピング性が劣化する。
更に、プレコートされた被膜の剥離または損傷のため
に、成形された2ピース缶の耐食性が劣化する。
従つて、この発明の目的は、優れたDI成形性および耐食
性を有し、特に高速でDI成形しても剥離や損傷の生ずる
ことがない、ストリツピング性に優れた被膜がその表面
に形成された、2ピース缶用プレコート鋼板を提供する
ことにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、上述した観点から、優れたDI成形性およ
び耐食性を有し、特に高速でDI成形しても剥離や損傷の
生ずることがない、ストリツピング性に優れた被膜がそ
の表面に形成された2ピース缶用プレコート鋼板を開発
すべく鋭意研究を重ねた。その結果、缶の外面となるべ
き一方の表面に内部潤滑剤を含有する熱硬化性塗料の被
膜が形成され、そして、缶の内面となるべき他方の表面
にアルミニウム粉を含有する熱硬化性塗料の被膜が形成
された鋼板は、上述した性能を有する2ピース缶用プレ
コート鋼板として、最適であることを知見した。
この発明は、上述した知見に基づいてなされたもので、
鋼板の少なくとも一方の表面に、内部潤滑剤を含有する
熱硬化性塗料の被膜が形成された2ピース缶用のプレコ
ート鋼板において、前記2ピース缶の外面となるべき前
記鋼板の一方の表面に、前記内部潤滑剤を含有する熱硬
化性塗料の被膜が形成され、そして、前記2ピース缶の
内面となるべき前記鋼板の他方の表面に、アルミニウム
粉を含有する熱硬化性塗料の被膜が形成されていること
に特徴を有するものである。
第1図は、この発明のプレコート鋼板の垂直断面を示す
模式図である。第1図に示すように、この発明のプレコ
ート鋼板においては、鋼板1の、2ビース缶の外面とな
るべき一方の表面1a、内部潤滑剤を含有する熱硬化性塗
料の被膜2が形成されており、そして、鋼板1の、2ビ
ース缶の内面となるべき他方の表面1bに、アルミニウム
粉を含有する熱硬化性塗料の被膜3が形成されている。
この発明において、缶の外面となるべき鋼板の一方の表
面1aに、内部潤滑剤を含有する熱硬化性塗料の被膜2を
形成した理由は、内部潤滑剤によつて被膜に潤滑性を与
え、これによつて、鋼板1に優れたDI成形性を付与する
ためである。
また、缶の内面となるべき鋼板の他方の表面1bにアルミ
ニウム粉を含有する熱硬化性塗料の被膜3を形成した理
由は、次の通りである。即ち、アルミニウム粉によつ
て、被膜の軟化温度および硬度を高め、これによつて、
100m/分以上の早い成形スピードでアイアニングを施
し、加工熱および摩擦熱が発生した場合においても、被
膜が軟化することはなく、これによつて、被膜の剥離や
損傷を防止し、ストリツピング性を向上させることがで
きる。
更に、このようなストリツピング性の向上により、成形
された缶の内面に、アルミニウムを含有する被膜を均一
に存在させ、このアルミニウムの犠牲防食作用によつ
て、缶の耐食性を向上させることができる。
鋼板の両表面の各々に形成される被膜を構成する熱硬化
性塗料としては、塩化ビニル系オルガノゾル塗料、エポ
キシ・フエノール系塗料、エポキシ・アミノ系塗料、ポ
リエステル・アミノ系塗料、エポキシ・アクリル系塗料
およびエポキシエステル・アミノ系塗料のような従来か
ら知られている缶用塗料が使用される。
上記のうち、好ましい塗料は、塩化ビニル系オルガノゾ
ル塗料である。この塩化ビニル系オルガノゾル塗料は、
約10,000〜100,000の分子量で且つ0.5〜10μmの粒径を
有する微粒子の塩化ビニル樹脂を、フエノール樹脂およ
び/またはエポキシ樹脂が溶解した溶媒中に所定の割合
で添加し分散させることによつて得られる。
缶の内面となるべき鋼板の他方の表面に形成される被膜
用の熱硬化性塗料としては、上記のほか、ビスフエノー
ルA型エポキシ樹脂を含むエポキシ・フエノール系塗
料、エポキシ・アミノ系塗料も好ましい。
缶の外面となるべき鋼板の一方の表面に形成される被膜
用の熱硬化性塗料中に含有される内部潤滑剤としては、
常温で固形であつて、熱硬化性塗料中に配合することに
より、硬化した被膜表面に潤滑性を付与し得るものであ
ればよく、例えば、パラフインワツクスのような鉱物系
ワツクス、ポリエチレンのような合成ワツクスおよび動
物性または植物性のワツクス等が使用される。
好ましい内部潤滑剤は、ポリテトラフルオロエチレン変
性炭化水素系ワツクスである。ポリテトラフルオロエチ
レン変性炭化水素系ワツクスは、炭化水素系ワツクスの
粒子とポリテトラフルオロエチレンの微粒子とを、ジエ
ツトミルのような強力な混合機により混合して、炭化水
素系ワツクス粒子の表面にポリテトラフルオロエチレン
の微粒子を付着させることにより得られる。このような
ポリテトラフルオロエチレン変性炭化水素系ワツクス
は、商品名「ランコワツクスTEF1778およびTEF1780」
(ジヨージM.ランガーアンドカンパニー製)として市販
されている。
熱硬化性塗料に対する内部潤滑剤の含有割合は、熱硬化
性塗料中の、固形分としての樹脂100重量部に対して、
0.1〜30重量部の範囲内であることが好ましい。内部潤
滑剤の含有割合が0.1重量部未満では、鋼板のDI成形性
の向上が不十分になる。一方、内部潤滑剤の含有割合が
30重量部を超えると、チキソトロピイ性が増大するの
で、塗料の塗装性が悪くなるばかりでなく、コスト的に
も不利である。
缶の内面となるべき鋼板の他方の表面に形成される被膜
用の熱硬化性塗料中に含有されるアルミニウム粉として
は、フレーク状であつて、その平均粒径が、0.5〜35μ
mの範囲内であることが好ましい。アルミニウム粉の平
均粒径が0.5μm未満では、コスト高となり実用的では
ない。一方、アルミニウム粉の平均粒径が35μmを超え
ると、被膜の厚さが後述する好ましい厚さを大幅に超
え、被膜表面に凹凸が生ずる上、DI成形時に被膜が剥離
しやすくなり、耐食性が悪化する問題が生ずる。
フレーク状のアルミニウム粉は、りん片状の粒子からな
つており、その性質によつて、ノンリーフイングタイプ
とリーフイングタイプとに区別される。リーフイングタ
イプのアルミニウム粉は、塗料に配合したときに、被膜
の表面近くに多く集まり、被膜の表面と平行に配列する
性質を有している。従つて、この発明においては、フレ
ーク状のアルミニウム粉として、リーフイングタイプを
使用することが好ましい。即ち、リーフイングタイプの
アルミニウム粉を使用すれば、ノンリーフイングタイプ
のアルミニウム粉に比べて、少量でストリツピング性を
得ることができ、且つ、成形後の光沢も優れている好ま
しい結果が得られる。
熱硬化性塗料に対するアルミニウム粉の含有割合は、熱
硬化性塗料中の、固形分としての樹脂100重量部に対し
て、10〜400重量部の範囲内であることが好ましい。ア
ルミニウム粉の含有割合が10重量部未満では、鋼板に対
し優れたストリツピング性および耐食性を付与すること
ができない。一方、アルミニウム粉の含有割合が400重
量部を超えると、DI成形のアイアニング時に、被膜の表
面に「すじ」または「かじり」が発生し、被膜が剥離し
やすくなる。アルミニウム粉のより好ましい含有割合
は、熱硬化性塗料中の、固形分としての樹脂100重量部
に対して、10〜200重量部である。
この発明のプレコート鋼板の基板は、錫、ニツケル、ク
ロム等によつてメツキされた表面処理鋼板であつても、
または、表面処理の施されていない冷延鋼板であつても
よい。特に、クロムメツキ鋼板は、耐食性、および、プ
レコートされた被膜の密着性が良好であるので好まし
い。
表面処理鋼板を基板として使用した場合には、メツキ層
が、プレコートされた被膜によつて保護されているので
DI成形時に、メツキ層がダイスに直接接触しない。従つ
て、DI成形後においても、メツキ層は均一な状態に保持
される。
鋼板の表面に対する被膜の形成は、鋼板の表面に前述し
た塗料を塗布し、次いで焼付けることにより行なわれ
る。被膜の焼付け条件は、特に限定されるものではな
く、例えば、被膜に対し、150〜400℃の温度の熱風を、
10秒から10分間吹き付けることにより加熱して、被膜を
完全に焼付けてもよい。
鋼板の両表面の各々に形成された被膜の厚さは、鋼板片
面当り1〜20μmの範囲内であることが好ましい。被膜
の厚さが1μm未満では、鋼板のDI成形時に被膜が破断
して被膜の連続性が保たれない。従つて、鋼板のDI成形
性が悪く、最悪の場合は、DI成形時に「かじり」が発生
する。一方、被膜の厚さが20μmを超えると、鋼板のDI
成形時に、いわゆるビルドアツプ現象が発生し易くなる
ばかりでなく、コスト的にも不利である。
この発明のプレコート鋼板によつて製造された缶におい
ては、鋼板のDI成形性の向上によつて、缶の内面および
外面上に、プレコートされた被膜を均一に存在させるこ
とができる。従つて、缶内に充填される内容物によつて
は、缶の内面および外面にトツプコーテイング被膜を形
成する必要がない。
缶内に充填される内容物が、缶を腐食させる性質の強い
液体、または、特に味および芳香が重要な物の場合に
は、缶の内面上に、塩化ビニル系樹脂を含む公知のトツ
プコート用塗料を塗布してもよい。なお、缶の外面とな
るべき鋼板の一方の表面に形成される被膜用の塗料中
に、チタンホワイト等の顔料を添加して着色させてもよ
い。
次に、この発明のプレコート鋼板を、実施例により、本
発明の範囲外のプレコート鋼板と対比しながら更に詳細
に説明する。
〔実施例〕
本発明のプレコート鋼板および本発明の範囲外のプレコ
ート鋼板を調製するための塗料NO.1〜16を、下記の通り
調製した。
1.塗料NO.1 塗料NO.1の材料として、下記材料を準備した。
(1)熱硬化性塗料 (塩化ビニル樹脂系オルガノゾル塗料) (a)塩化ビニルペーストレジン :40重量部 商品名:スミリツトEX-13(住友化学株式会社製) (b)フエノール樹脂 :16重量部 商品名:ヒタノール4020(日立化成株式会社製) (c)塩化ビニル・酢酸ビニル・マレイン酸共重合体:4
0重量部 商品名:ビニライトVMCC(ユニオンカーバイト社製) (d)ビスフエノールA型エポキシ樹脂 :4重量部 商品名:エピコート828(油化シエルエポキシ株式会社
製) (2)アルミニウム粉:熱硬化性塗料中の固形分100重
量部に対して30重量部 商品名:アルペースト55-574(東洋アルミニウム株式会
社製) (ノンリーフイングタイプのアルミニウム粉約66wt.%
含有) 上記(1)のうち、フエノール樹脂、塩化ビニル・酢酸
ビニル・マレイン酸共重合体およびビスフエノールA型
エポキシ樹脂を、40wt.%のキシレン、30wt.%のセロソ
ルブアセテートおよび30wt.%のジイソブチルケトンか
らなる混合溶剤中に溶解し、得られた溶液中に、上記
(1)の塩化ビニルペーストレジンおよび上記(2)の
アルミニウム粉を、高速で攪拌しながら添加して、これ
らを溶液中に分散せしめ、かくして、固形分約40wt.
%、粘度約100秒(測定温度:25℃、フオードカツプ:NO.
4)の塗料NO.1を調製した。
2.塗料NO.2 (塩化ビニル樹脂系オルガノゾル塗料) 上述した塗料NO.1における、アルミニウム粉の含有量
を、熱硬化性塗料中の固形分100重量部に対して50重量
部としたほかは、塗料NO.1と同じ成分組成を有する塗料
NO.2を調製した。
3.塗料NO.3 (塩化ビニル樹脂系オルガノゾル塗料) 上述した塗料NO.1における、アルミニウム粉の含有量
を、熱硬化性塗料中の固形分100重量部に対して100重量
部としたほか、塗料NO.1と同じ成分組成を有する塗料N
O.3を調製した。
4.塗料NO.4 (塩化ビニル樹脂系オルガノゾル塗料) 上述した塗料NO.1における、アルミニウム粉の含有量
を、熱硬化性塗料中の固形分100重量部に対して200重量
部としたほかは、塗料NO.1と同じ成分組成を有する塗料
NO.4を調製した。
5.塗料NO.5 (塩化ビニル樹脂系オルガノゾル塗料) 上述した塗料NO.1における、アルミニウム粉の含有量
を、熱硬化性塗料中の固形分100重量部に対して400重量
部としたほかは、塗料NO.1と同じ成分組成を有する塗料
NO.5を調製した。
6.塗料NO.6 塗料NO.6の材料として、下記材料を準備した。
(1)熱硬化性塗料 (エポキシ・フエノール系塗料) (a)ビスフエノールA型エポキシ樹脂 :80重量部 商品名:エピコート1009(油化シエルエポキシ株式会社
製) (b)フエノール樹脂 :20重量部 商品名:ヒタノール4020(日立化成株式会社製) (2)アルミニウム粉:熱硬化性塗料中の固形分100重
量部に対して30重量部 商品名:アルペースト55-574(東洋アルミニウム株式会
社製) (アルミニウム粉約66wt.%含有) 上記(1)のビスフエノールA型エポキシ樹脂およびフ
エノール樹脂を、12wt.%のキシレン、55wt.%のセロソ
ルブアセテート、10wt.%のN−ブタノールおよび23wt.
%のシクロヘキサノンからなる混合溶剤中に溶解し、得
られた溶液中に、上記(2)のアルミニウム粉を、高速
で攪拌しながら添加して、これを溶液中に分散せしめ、
かくして、固形分約35wt.%、粘度70秒(測定温度:25
℃、フオードカツプNO.4)の塗料NO.6を調製した。
7.塗料NO.7 塗料NO.7の材料として、下記材料を準備した。
(1)熱硬化性塗料 (エポキシ・アミノ系塗料) (a)ビスフエノールA型エポキシ樹脂 :90重量部 商品名:エピコート1007(油化シエルエポキシ株式会社
製) (b)尿素ホルムアルデヒド樹脂 :10重量部 商品名:メラン11E(日立化成株式会社製) (2)アルミニウム粉:熱硬化性塗料中の固形分100重
量部に対して30重量部 商品名:アルペースト55-574(東洋アルミニウム株式会
社製) (アルミニウム粉約66wt.%含有) 上記(1)のビスフエノールA型エポキシ樹脂および尿
素ホルムアルデヒド樹脂を、15wt.%のジアセトンアル
コール、7wt.%のカルビトールおよび78wt.%のエチル
セロソルブからなる混合溶剤中に溶解し、得られた溶液
中に、上記(2)のアルミニウム粉を、高速で攪拌しな
がら添加して、これを溶液中に分散せしめ、かくして、
固形分約35wt.%、粘度60秒(測定温度:25℃、フオード
カツプ:NO.4)の塗料NO.7を調製した。
8.塗料NO.8 (塩化ビニル樹脂系オルガノゾル塗料) アルミニウム粉が添加されていないほかは、塗料NO.1と
同じ成分組成を有する塗料NO.8を調製した。
9.塗料NO.9 (エポキシ・フエノール系塗料) アルミニウム粉が添加されていないほかは、塗料NO.6と
同じ成分組成を有する塗料NO.9を調製した。
10.塗料NO.10 (エポキシ・アミノ系塗料) アルミニウム粉が添加されていないほかは、塗料NO.7と
同じ成分組成を有する塗料NO.10を調製した。
11.塗料NO.11 塗料NO.11の材料として、下記材料を準備した。
(1)熱硬化性塗料 (塩化ビニル樹脂系オルガノゾル塗料) (a)塩化ビニルペーストレジン :45重量部 商品名:スミリツトEX-13(住友化学株式会社製) (b)フエノール樹脂 :10重量部 商品名:ヒタノール4020(日立化成株式会社製) (c)オイルフリーアルキド樹脂 :25重量部 商品名:アルマテツクスP-646(三井東圧株式会社製) (d)ポリエステル系可塑剤 :20重量部 (2)内部潤滑剤 ポリテトラフルオロエチレン変性ポリエチレンワツク
ス:熱硬化性塗料中の固形分100重量部に対して10重量
部 商品名:ランコワツクスTFE1778(ジヨージ・M・ラン
ガーアンドカンパニー製) 融点 :100〜110℃ (3)有機錫系安定剤:塩化ビニルペーストレジン100
重量部に対して1.6重量部 上記(1)のうち、フエノール樹脂、オイルフリーアル
キド樹脂およびポリエステル系可塑剤と、上記(3)の
有機錫系安定剤とを、40wt.%のキシレン、30wt.%のセ
ロソルブアセテートおよび30wt.%のジイソブチルケト
ンからなる混合溶剤中に溶解し、得られた溶液中に、上
記(1)の塩化ビニルペーストレジンおよび上記(2)
のポリテトラフルオロエチレン変性ポリエチレンワツク
スを、高速で攪拌しながら添加して、これらを溶液中に
分散せしめ、かくして、固形分約45wt.%、粘度90秒
(測定温度:25℃、フオードカツプNO.4)の塗料NO.11を
調製した。
12.塗料NO.12 (塩化ビニル樹脂系オルガノゾル塗料) 内部潤滑剤が添加されていないほかは、塗料NO.11と同
じ成分組成を有する塗料NO.12を調製した。
13.塗料NO.13 (塩化ビニル樹脂系オルガノゾル塗料) 塗料NO.11における、ポリテトラフルオロエチレン変性
ポリエチレンワツクスの代りに、下記内部潤滑剤を使用
したほかは、塗料NO.11と同じ成分組成を有する塗料NO.
13を調製した。
内部潤滑剤; ポリエチレンワツクス;熱硬化性塗料中の固形分100重
量部に対して10重量部 商品名:ACポリエチレン680(アライドコーポレーシヨン
製) 14.塗料NO.14 (塩化ビニル樹脂系オルガノゾル塗料) 上述した塗料NO.1におけるアルミニウム粉として下記の
ものを使用したほかは、塗料NO.1と同じ成分組成を有す
る塗料NO.14を調製した。
アルミニウム粉 商品名:アルペースト0200M(東洋アルミニウム株式会
社製) (リーフイングタイプアルミニウム粉約65wt.%含有) 15.塗料NO.15 (塩化ビニル樹脂系オルガノゾル塗料) 上述した塗料NO.1におけるアルミニウム粉として塗料N
O.14で使用したリーフイングタイプアルミニウム粉を使
用し、アルミニウム粉の含有量を、熱硬化性樹脂中の固
形分100重量部に対して50重量部としたほかは、塗料NO.
1と同じ成分組成を有する塗料NO.15を調製した。
16.塗料NO.16 (塩化ビニル樹脂系オルガノゾル塗料) 上述した塗料NO.1におけるアルミニウム粉として塗料N
O.14で使用したリーフイングタイプアルミニウム粉を使
用し、アルミニウム粉の含有量を、熱硬化性樹脂中の固
形分100重量部に対して100重量部としたほかは、塗料N
O.1と同じ成分組成を有する塗料NO.16を調製した。
上述した塗料が塗布される鋼板として、下記表面処理鋼
板および表面処理されていない鋼板を準備した。
I 表面処理鋼板A (電解クロメート処理鋼板) 板厚0.3mmの低炭素冷延鋼板の両表面を、通常の電解脱
脂および電解酸洗によつて清浄し、そして、次いで、下
記条件で、上述した鋼板に陰極電解処理を施して、鋼板
の両表面の各々の上に、片面当り50mg/m2の量の金属ク
ロム層と、金属クロム層上に片面当り15mg/m2の量の水
和クロム酸化物層とを形成した。
(1)浴の組成 無水クロム酸(CrO3) :70g/l 弗化アンモニウム(NH4F) :2.0g/l (2)浴の温度 :50℃ (3)電流密度 :30A/dm2 (4)処理時間 :1 秒 II 表面処理鋼板B (電気ニツケルメツキ鋼板) 板厚0.3mmの低炭素冷延鋼板の両表面を、通常の電解脱
脂および電解酸洗によつて清浄し、次いで、下記条件
で、上述した鋼板に電気ニツケルメツキ処理を施して、
鋼板の両表面の各々の上に、片面当り50mg/m2の量のニ
ツケルメツキ層を形成した。
(1)浴の組成 硫酸ニツケル :240g/l 塩化ニツケル : 45g/l ほう酸 : 30g/l 酒石酸 : 30g/l フツ化アンモニウム : 15g/l (2)浴の温度 :50℃ (3)電流密度 : 5A/dm2 (4)処理時間 : 1秒 次いで、上述のようにして両表面上にニツケルメツキ層
が形成された低炭素冷延鋼板に、下記条件で陰極電解処
理を施して、ニツケルメツキ層の表面上に、片面当り15
mg/m2の量の水和クロム酸化物層を形成した。
(1)浴の組成 無水クロム酸(CrO3) :30g/l (2)浴の温度 :50℃ (3)電流密度 :10A/dm2 (4)処理時間 :1 秒 III 表面処理鋼板C (電気錫メツキ鋼板) 板厚0.3mmの低炭素冷延鋼板の両表面を、通常の電解脱
脂および電解酸洗によつて清浄し、次いで、下記条件
で、上述した鋼板に電気錫メツキ処理を施して、鋼板の
両表面の各々の上に、片面当り0.34g/m2の量の錫メツキ
層を形成した。
(1)浴の組成 錫(Sn2+) :30g/l 遊離酸(硫酸に換算して) :15g/l エポキシナフトールスルホン酸: 5g/l (2)浴の温度 :40℃ (3)電流密度 :6A/dm2 (4)処理時間 :1 秒 次いで、上述のようにして両表面上に錫めつき層が形成
された低炭素冷延鋼板に、下記条件で陰極電解処理を施
して、錫メツキ層の表面上に、片面当り15mg/m2の量の
水和クロム酸化物層を形成した。
(1)浴の組成 無水クロム酸(CrO3) :30g/l (2)浴の温度 :50℃ (3)電流密度 :10A/dm2 (4)処理時間 :1 秒 IV 表面処理鋼板D (電気錫メツキ鋼板) 電気錫メツキ処理条件中、電流密度が30A/dm2、処理時
間が2秒であり、鋼板の両表面の各々の上に形成された
錫メツキ層の量が片面当り5.6g/m2であるほかは、表面
処理鋼板Cと同じ表面処理鋼板Dを調製した。
V 表面処理されていない鋼板E (板厚0.3mmの低炭素冷延鋼板) 上述した塗料NO.1〜16と、上述した鋼板A〜Eとを使用
して、本発明プレコート鋼板(以下、「本発明鋼板」と
いう)NO.1〜14と、本発明の範囲外のプレコート鋼板
(以下、「比較用鋼板」という)NO.1〜7とを、第1表
に示すように調製した。
なお、上述した本発明鋼板および比較用鋼板の各々は、
上述した塗料の何れかを、ロールにより鋼板の両表面上
に5μmの厚さで塗布し、次いで、このようにして形成
された塗料の被膜を、箱型加熱炉内において、205℃の
温度で10分間焼付けることによつて調製した。
第1表に示す本発明鋼板NO.1から14および比較用鋼板N
O.1から7の各々について、DI成形性、ストリツピング
性および耐食性を、以下に述べる性能試験によつて評価
した。評価の結果を、第2表に示す。
(1)DI成形性 先ず、前述した従来のDI成形に従つて、本発明鋼板NO.1
から14および比較用鋼板NO.1から7の各々から切り出さ
れた123mmの直径を有する円形板から、DI缶の缶体を調
製した。即ち、円形板を、パンチを使用してダイスを強
制的に通過させることにより、円形板にドローイングを
施して、72mmの内径および36mmの高さを有するカツプを
形成した。次いで、かくして形成されたカツプを、別の
パンチを使用して、100m/分のパンチスピードおよび500
mmのパンチストロークで、複数個の別のダイスを強制的
に且つ連続的に通過させることにより、カツプにリドロ
ーイングおよび3段階のアイアニングを施こして、52mm
の内径および130mmの高さを有する、DI缶の缶体を得
た。3段階のアイアニングにおける減少率は、それぞ
れ、30%,28%および24%であつた。リドローイングお
よびアイアニング時には、常温から100℃の範囲内の温
度の通常の外部潤滑剤を、ダイスとカツプ外面との間の
間隙、および、パンチとカツプ内面との間の間隙に供給
した。
DI成形性は、パンチに取り付けられたロードセルによつ
て、缶体のDI成形における3段階のアイアニングの各々
の減少における成形荷重を測定し、そして、パンチスト
ロークから、アイアニングの3段階の各々の減少におけ
る成形エネルギーを下式によつて演算し、 E=∫P.g.ds 但し、上式において、 E:成形エネルギー、 P:成形荷重、 g:重力加速度、および、 ds:パンチストロークの変動量、 次いで、演算されたアイアニングの3段階の減少におけ
る、このようにして演算された成形エネルギー(E)の
値を合計し、そして、このようにして得られた成形エネ
ルギー(E)の値の合計量を基準として使用することに
よつて評価した。上述した成形エネルギーの合計量が小
さいほど、DI成形性が優れていることを表わすことは云
うまでもない。
(2)ストリツピング性 ストリツピング性は、上記(1)に述べたDI成形に従つ
て缶体を調製するに当り、成形された缶体からパンチを
引き抜く際に、パンチにかかる引抜き荷重を上述したロ
ードセルで検出し、検出された引抜き荷重によつて評価
した。引抜き荷重が小さいほど、ストリツピング性が優
れていることを表わすことは云うまでもない。
(3)耐食性 上記(1)に述べたDI成形に従つて調製された缶体の内
外両表面上に、pH8.5、濃度2wt.%、温度50℃の通常の
脱脂液を2分間吹き付けて、缶体の両表面上に付着した
外部潤滑剤を除去した。次いで、トツプコート用塗料
(塩化ビニル・酢酸ビニル・マレイン酸共重合体 商品
名:ビニライトVMCH.ユニオンカーバイト社製)の20wt.
%溶液(溶剤:メチルエチルケトンとキシレンとの1:1
の混合溶剤)を、205℃の温度で3分間焼き付けた。
耐食性に関しては、缶体内面について、耐under cuttin
g corrosion性(以下、「耐UCC性」という)、および、
耐iron pickup性(以下、「耐IP性」という)を、以下
に述べる性能試験によつて評価した。
(a)under cutting corrosion試験 under cutting corrosion試験は、次のように行なわれ
た。上述したようにして調製された缶体の各々から、50
mm×70mmの寸法の試験片を採取した。缶体の内面に対応
する試験片の一面に、表地まで達するクロス状の刻み目
を入れ、そして、缶体の外面に対応する試験片の他面お
よび試験片のエツジに接着テープを貼つて、試験片の他
面およびエツジをシールした。次いで、試験片を、1.5w
t.%のクエン酸と1.5wt.%の塩化ナトリウムを含有す
る、38℃の温度の試験液中に96時間浸漬した。次いで、
試験片の一面のクロス状の刻み目部分に接着テープを貼
り、そして、接着テープを剥がした。そして、クロス状
の刻み目部分の腐食幅、および、プレコーテイングおよ
びトツプコーテイングの被膜の剥離状態を調べて、耐UC
C性を評価した。評価基準は、次の通りである。
◎:非常に優れている ○:優れている △:やや劣つている (b)iron pickup試験: iron pickup試験は、次のようにして行なわれた。上述
のようにして調製された缶体の各々の中に、250ccの量
のペプシコーラを充填し、そして、缶体に上蓋を取り付
けて気密に密閉した。次いで、ペプシコーラを充填した
缶を、38℃の温度で6ケ月間放置し、そして、缶からペ
プシコーラ中に溶出したFeイオンの量を、原子吸光法に
よつて測定して、耐IP性を評価した。
第2表から明らかなように、缶の内面となるべき鋼板の
他方の表面に、アルミニウム粉を含有しない塗料NO.8〜
10およびNO.12の被膜がそれぞれ形成された比較用鋼板N
O.1〜3およびNO.5、前記鋼板の他方の表面に、アルミ
ニウム粉の代りに内部潤滑剤を含有する塗料NO.11およ
びNO.13の被膜がそれぞれ形成された比較用鋼板NO.4お
よびNO.6は、何れもストリツピング性が悪く、特に、比
較用鋼板NO.2〜6は、パンチの引き抜きに際して缶が座
屈し、成形することができなかつた。また、塗料の被膜
が形成されていない電気錫メツキ鋼板からなる比較用鋼
板NO.7は、DI成形性、ストリツピング性および耐UCC性
の何れも悪い。
これに対して、本発明鋼板NO.1〜14は、何れもDI成形
性、ストリツピング性および耐食性に優れていた。
上述した実施例は、DI成形によつてDI缶を製造する場合
について述べたが、本発明のプレコート鋼板は、しぼり
成形によつてしぼり缶を製造する場合にも使用でき、優
れた効果が発揮される。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、この発明の2ピース缶用プレコー
ト鋼板は、優れたDI成形性および耐食性を有し、特に高
速でDI成形しても、プレコートされた被膜に剥離や損傷
の生ずることがなく、優れたストリツピング性を有して
いる。このように、この発明によれば、多くの工業上有
用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の2ピース缶用プレート鋼板の垂直
断面を示す模式図である。図面において、 1……鋼板、1a……2ピース缶の外面となるべき一方の
表面、1b……2ピース缶の内面となるべき他方の表面、
2……内部潤滑剤を含有する熱硬化性塗料の被膜、3…
…アルミニウム粉を含有する熱硬化性塗料の被膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大山 太郎 東京都保谷市ひばりが丘1―6―10 (56)参考文献 特開 昭60−110444(JP,A) 特開 昭62−289275(JP,A) 特開 昭56−99660(JP,A) 特開 昭58−131177(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板の少なくとも一方の表面に、内部潤滑
    剤を含有する熱硬化性塗料の被膜が形成された2ピース
    缶用のプレコート鋼板において、 前記2ピース缶の外面となるべき前記鋼板の一方の表面
    に、前記内部潤滑剤を含有する熱硬化性塗料の被膜が形
    成され、そして、前記2ピース缶の内面となるべき前記
    鋼板の他方の表面に、アルミニウム粉を含有する熱硬化
    性塗料の被膜が形成されていることを特徴とする2ピー
    ス缶用プレコート鋼板。
  2. 【請求項2】前記アルミニウム粉の含有割合は、前記熱
    硬化性塗料中の固形分としての樹脂100重量部に対し
    て、10〜400重量部の範囲内である、請求項1.に記載の
    2ピース缶用プレコート鋼板。
  3. 【請求項3】前記アルミニウム粉がフレーク状である、
    請求項1.に記載の2ピース缶用プレコート鋼板。
  4. 【請求項4】フレーク状の前記アルミニウム粉が、リー
    フイングタイプである、請求項3.に記載の2ピース缶用
    プレコート鋼板。
  5. 【請求項5】前記内部潤滑剤の含有割合は、前記熱硬化
    性塗料中の固形分としての樹脂100重量部に対して0.1〜
    30重量部の範囲内である、請求項1.に記載の2ピース缶
    用プレコート鋼板。
  6. 【請求項6】前記内部潤滑剤が、ポリテトラフルオロエ
    チレン変性炭化水素系ワツクスである、請求項1.に記載
    の2ピース缶用プレコート鋼板。
  7. 【請求項7】前記鋼板の表面の各々に形成された被膜の
    厚さが、前記鋼板の片面当り1〜20μmの範囲内であ
    る、請求項1.に記載の2ピース缶用プレコート鋼板。
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