JPH077120B2 - 一次元位置検出器付走査x線回折顕微鏡 - Google Patents

一次元位置検出器付走査x線回折顕微鏡

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JPH077120B2
JPH077120B2 JP61287424A JP28742486A JPH077120B2 JP H077120 B2 JPH077120 B2 JP H077120B2 JP 61287424 A JP61287424 A JP 61287424A JP 28742486 A JP28742486 A JP 28742486A JP H077120 B2 JPH077120 B2 JP H077120B2
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健 雪野
弘基 中沢
富士夫 岡村
壽璋 和田
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科学技術庁無機材質研究所長
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はX線あるいは粒子線ビームを用いて多結晶体の
結晶粒子の分布状態を観察する一次元位置検出器付走査
X線回折顕微鏡に関する。更に詳しくは多結晶体を構成
する結晶粒子の形、大きさ、方法の空間分布を観測し、
その充填状態、分散状態、配向性等を二次元あるいは三
次元的に調べる、あるいはその時間変化を調べる装置に
関する。
多結晶体の結晶粒子の空間的な分布状態、及び温度、圧
力、雰囲気等の変化による動的な状態変化等の情報は、
膜状、板状、柱状等の多結晶体を連続的に製造する場
合、また、膜状、板状、柱状等の多結晶体及び複合材料
の検査、結晶構造の同定、構造解析等に極めて有用であ
る。
従来技術 従来、結晶粒子の形状、大きさ等を調べる方法として
は、光学顕微鏡法、電子顕微鏡法、ふるい法、沈降法等
種々な方法がある。またその配向性を調べる方法として
は極点図形法、充填度を調べる方法としては比重法、結
晶粒子の分布状態を総合的に調べる方法としては粉末デ
フラクトメータ法、多結晶体の結晶粒子状態の検出測定
装置がある。
しかし、光学顕微鏡法、電子顕微鏡法、ふるい法、沈降
法においては、適切な分散剤がない場合は、二次粒子の
形・大きさであることが多い。また一次粒子であって
も、X線回折的形・大きさでないことが多い。すなわ
ち、光学的に観測された外観的粒子の形・大きさとX線
的に回折された結晶粒子の形・大きさとは異なる。
また、極点図形法は多結晶体の組織の研究あるいは検査
上で精密な極点図形法を求めるために開発されたもので
あり、そのために種々の制約がある。すなわち、多結晶
体の結晶粒子の配向性(極点図形)の角度精度を上げる
ためには、入射X線をできる限り細める必要があり、発
散X線の場合でもその縦方向の発散はできる限り抑える
必要がある。従って回折線の反射強度は弱く、測定には
長時間を必要とするばかりでなく、弱い反射強度の回折
線は不可能である。また、その使用は吸収因子の補正を
簡単に処理可能な場合に限られていた。しかも、この吸
収因子の補正は試料それ自身配向性のない条件で正確に
測定する必要がある。さらに、極点図形の全角度範囲を
測定するためには、単結晶デフラクトメータのような複
雑な動きをさせる機構および計算処理装置を必要とし、
また結晶粒子の形・大きさの影響を避けるために、その
回折線の強度を平均化するための駆動機構を必要とす
る。従って、多結晶体を連続的に製造する際、多結晶体
の結晶粒子の分布状態の同時測定、あるいは連続的な検
査等には従来の極点図形法を適用することは不可能であ
る。
従来の粉末デフラクトメータ法は、試料の回転角θに対
して回折線の検出器を2倍の回転角2θで相対的に同時
に回転させ、2θに対する回折線の強度の変化を測定す
る方法である。この粉末デフラクトメータ法はこれによ
る回折線の強度には多結晶体の結晶粒子分布状態のすべ
てが反映してくる。従って結晶構造が既知あるいは推定
される多結晶体試料以外の結晶粒子の分布状態の情報を
分離することが困難で、また分離された情報を推定する
には膨大な計算処理を必要とする。また、その回折線の
半価幅から求められる結晶粒子の大きさの範囲は凡そ20
0A〜1μmであり、それ以上の結晶粒子の大きさは求め
られない。
また、多結晶体の結晶粒子状態の検出測定装置は粉末デ
フラクトメータ法の光学系を任意の格子面のブラッグ条
件を充たす位置に固定して相対的に試料を移動し、その
移動方向に対する結晶粒子の平均的な分布状態を検出測
定するものである。更に、粉末デフラクトメータ法の原
理は広い面積からの情報を一個所に集めてその平均値を
得るのに適している。すなわち、その得られた情報は試
料に照射された入射X線の高さの方向の情報は分離され
ず、移動方向に対しての一次元的な情報である。
発明の目的 本発明は前記のような従来法における各種の欠点を取り
除き、従来のような平均的情報でなく、個々の結晶粒子
からの情報に分離することを目的とする。すなわち、X
線回折法に基づいて、多結晶体を破壊することなく、そ
の表面のみならず内部の結晶粒子の分布状態すなわち回
折に寄与する結晶粒子を一個一個に分離して、その結晶
粒子の形・大きさ・方位及びその位置を検出し、その二
次元あるいは空間的分布もしくはその時間変化を検出し
測定することが可能な検出測定装置を提供することにあ
る。
発明の構成 本発明の原理としては単結晶構造解析の手法を用いて、
粉末X線回折法から得られる情報を個々の結晶粒子から
の情報に分離することにある。すなわち、一様な媒体の
中に一個の結晶粒子が存在し、X線を回折する時、その
結晶粒子からの回折線の回折角と反射強度は使用したX
線の波長と結晶構造・形・大きさ・方位及び結晶粒子の
吸収係数と媒体の平均吸収係数から計算することが可能
である。従って、波長・結晶構造・吸収係数が既知であ
れば、その結晶粒子からの回折線の回折角と反射強度を
測定することにより、その結晶粒子の形・大きさ・方位
及びその位置が推定可能である。多結晶体試料中には形
・大きさ・方位の異なる結晶粒子が多数存在するので、
従来の粉末回折法では分離出来ない。このために、単結
晶構造解析の手法すなわち細いX線を多結晶体に照射
し、細いスリットあるいは結晶モノクロメータ等により
目的とする結晶粒子からの回折線のみを検出すれば、多
結晶体の中から目的とする結晶粒子からの回折線の分離
を行うことが可能である。そして、湾曲結晶モノクロメ
ータを用いれば、任意の角度範囲内の方位を有する結晶
粒子からの回折線のみを検出することができる。
X線源からのX線を入射線湾曲結晶モノクロメータによ
って線状に集中させて試料に照射し、その照射部分に反
射線湾曲結晶モノクロメータの一方の線状焦点を一致さ
せれば、その線状焦点の線方向に垂直な縦方向に発散す
る回折線のみを検出することができる。また、反射線湾
曲結晶モノクロメータの他方の線状焦点に一次元位置検
出器の線状検出部を一致させることにより、発散角に相
当する方位を有する結晶粒子からの回折線を、X線が照
射された位置に相当して検出器で検出測定することがで
きる。一次元位置検出器は、X線の強度及びその位置を
直接電気信号に変換し、記録する。このようにして、線
状焦点の線方向に垂直な縦方向の方位を有する結晶粒子
の位置を任意の角度範囲で分離して検出することができ
る。結晶粒子の形・大きさに相当した反射強度が記録さ
れる。
さらに、多結晶体を駆動手段により入射線湾曲結晶モノ
クロメータの線状焦点に平行に一次元移動させれば、線
状焦点の線方向の位置が分離され、結晶粒子の二次元像
を得ることができる。試料をその厚み方向、すなわち前
後方向に動かせば三次元像が得られる。このような測定
の時間変化を見ることによって結晶粒子の分布状態の変
化を観測することができる。なお、試料を回転又は回転
振動させても同様な像が得られる。
すなわち、本発明は、多結晶体を構成する結晶粒子のブ
ラッグ反射条件を満たす位置に光学系が配置され、X線
源あるいは粒子線ビーム源からの入射線を多結晶体に照
射し、その回折線を一次元位置検出器で検出して、多結
晶体中の結晶粒子の分布状態を検出測定する一次元位置
検出器付走査X線回折顕微鏡であって、この走査X線回
折顕微鏡には、入射線湾曲結晶モノクロメータが、X線
源あるいは粒子線ビーム源からの入射線を多結晶体に線
状に集中させて照射する位置に配置するとともに、反射
線湾曲結晶モノクロメータが、入射線が線状に照射され
た多結晶体の部分からの回折線を集光し、かつその線状
焦点一次元位置検出器の線状検出部に一致する位置に配
置され、さらに、入射線湾曲結晶モノクロメータの線状
焦点に平行にかつ光学系と相対的に多結晶体を回転、回
転振動あるいは一次元移動させるとともに、多結晶体を
前後に移動させる駆動手段が配設されてなることを特徴
とする一次元位置検出器付走査X線回折顕微鏡をその要
旨とするものである。
本発明の装置を図面に基づいて説明する。
図は本発明の装置の概要図である。入射線湾曲結晶モノ
クロメータ3はX線源1からの発散X線ビームを多結晶
体5に線状焦点として照射させる装置であり、多結晶体
5はその線状焦点の位置に配置される。反射線湾曲結晶
モノクロメータ7は多結晶体5の線状に照射された部分
から反射する回折線を線状焦点として集光する装置であ
り、その線状焦点上にある検出器9は一次元位置検出器
であり、反射線湾曲結晶モノクロメータ7の線状焦点の
位置に配置される。スリット2、4、6および8はX線
ビームの発散角および高さを制限するものである。な
お、このように構成された光学系及び一次元位置検出器
は、結晶粒子のブラッグ反射条件を満たす位置で回折X
線ビームを検出するように固定されることはいうまでも
ない。
多結晶体における線状焦点の線の方向の情報は反射湾曲
結晶モノクロメータによって分離され、一次元位置検出
器によって記録されるので、入射線湾曲結晶モノクロメ
ータの線状焦点を多結晶体の観測する領域内で走査すれ
ば、この領域の結晶粒子の形・大きさ・方位、すなわ
ち、結晶粒子の分布の二次元あるいは三次元像が得られ
る。
そのためには、被観測体及び光学系を相対的に移動さ
せ、該移動に一次元位置検出器を電気的に周期させるこ
とが必要である。
例えば、図示のような平板試料の場合、その表面に入射
線湾曲結晶モノクロメータの線状焦点を合わせ、その表
面を対称反射から任意の角度傾けて、結晶粒子のブラッ
グ反射条件を満たす位置で回折X線ビームを検出するよ
うに固定する。
そして、試料表面内で入射線湾曲結晶モノクロメータの
線状焦点の線に垂直な方向に移動して走査し、この走査
と一次元位置検出器を電気的に同期させることにより、
その走査表面の結晶粒子の分布状態の二次元像が得られ
る。これは只一回の走査で線状焦点の線長の幅の広い面
積の情報が二次元的に分離して得られる。
更に、試料の深さ方向に線状焦点を移動し、上記の測定
を繰り返せば、三次元の分布像が得られる。
同様に、試料を線状焦点を含む面内で回転または回転振
動させても同様の像が得られる。
また、多結晶体試料の表面が曲面である場合は、その曲
面に沿って走査すれば、その曲面の結晶粒子の分布像が
得られる。
走査の位置と一次元位置検出器の情報とが対応付けられ
るならば、複雑な形を持つ多結晶体の観察も可能であ
り、例えば、円筒状の形のような曲面を持つ試験の場合
でも、その表面に垂直に結晶の方位を有する結晶粒子の
分布状態を得るには、その表面に線状焦点を合わせ、線
状焦点の線の方向は円筒の軸の方向に平行にして、この
軸を中心として回転する。試料表面上の結晶粒子方位分
布像の位置と一次元位置検出器のX線反射像の位置の対
応は容易である。
多結晶体5は駆動手段により任意の方向に移動して測定
し得るが、線状焦点が多結晶体の表面上に存在するか又
はその表面から同一深さにあるように移動、すなわち回
転、回転振動あるいは一次元移動、又は前後に移動した
場合その測定値の吸収補正等の補正が容易である。又、
一次元位置検出器はX線の強度及びその位置を直接電気
信号に変換されるので、図形処理が容易である。
発明の効果 本発明の顕微鏡によると、X線回折法に基づいて、多結
晶体を破壊することなく、その表面のみならず、内部の
結晶粒子の分布状態すなわち回折に寄与する結晶粒子を
1個、1個に分離して、その結晶粒子の形、大きさ、方
位及びその配位を検出し、その二次元あるいは空間的分
布もしくは時間的変化も検出測定し得られる優れた作用
効果を奏し得られる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の顕微鏡の概要図である。 1:X線源、 2、4、6および8:発散角および高さ制限スリット、 3および7:入射線湾曲結晶モノクロメータおよび反射線
湾曲結晶モノクロメータ、 5:多結晶体材料、 9:一次元位置検出器。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多結晶体を構成する結晶粒子のブラッグ反
    射条件を満たす位置に光学系が配置され、X線源あるい
    は粒子線ビーム源からの入射線を多結晶体に照射し、そ
    の回折線を一次元位置検出器で検出して、多結晶体の結
    晶粒子の分布状態を検出測定する一次元位置検出器付走
    査X線回折顕微鏡であって、この走査X線回折顕微鏡に
    は、入射線湾曲結晶モノクロメータが、X線源あるいは
    粒子線ビーム源からの入射線を多結晶体に線状に集中さ
    せて照射する位置に配置されるとともに、反射線湾曲結
    晶モノクロメータが、入射線が線状に照射された多結晶
    体の部分からの回折線を集光し、かつその線状焦点が一
    次元位置検出器の線状検出部に一致する位置に配置さ
    れ、さらに、入射線湾曲結晶モノクロメータの線状焦点
    に平行にかつ光学系と相対的に多結晶体を回転、回転振
    動あるいは一次元移動させるとともに、多結晶体を前後
    に移動させる駆動手段が配設されてなることを特徴とす
    る一次元位置検出器付走査X線回折顕微鏡。
JP61287424A 1986-12-02 1986-12-02 一次元位置検出器付走査x線回折顕微鏡 Expired - Lifetime JPH077120B2 (ja)

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