JPH0770669A - 歯科用金合金の成分調製用添加合金 - Google Patents

歯科用金合金の成分調製用添加合金

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JPH0770669A
JPH0770669A JP22145693A JP22145693A JPH0770669A JP H0770669 A JPH0770669 A JP H0770669A JP 22145693 A JP22145693 A JP 22145693A JP 22145693 A JP22145693 A JP 22145693A JP H0770669 A JPH0770669 A JP H0770669A
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JP
Japan
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alloy
gold
additive
dental
alloys
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JP22145693A
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English (en)
Inventor
Shigeyasu Naruse
重靖 成瀬
Osamu Watanabe
治 渡辺
Makoto Takeuchi
良 竹内
Shoji Yamada
尚司 山田
Masaki Kurita
昌樹 栗田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuriki Honten Co Ltd
Original Assignee
Tokuriki Honten Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 純金に金合金用添加合金を添加して得られる
歯科用金合金において、JIS T6116 のタイプ4のビッカ
ース硬さ、耐力、伸びを十分に満足する合金に調製で
き、調製された合金が耐蝕性にもすぐれるようにするこ
とを目的とする。 【構成】 添加合金の成分をAg30〜40Wt% 、Pt10〜15Wt
% 、Pd5 〜 10Wt%、Cu25〜40Wt% の基本成分に、さら
に、Zn、In、Gaの内の1種以上を3 〜 10Wt%添加したAg
-Pt-Pd-Cu-(Zn,In,Ga)合金を添加合金として、所望する
特性に応じた量を純金に添加することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歯科治療に用いるロン
グスパンブリッジ、クラスプ、バー、床およびフレーム
ワーク等に使用する白金加金合金の成分調製用の添加合
金に関する。
【0002】
【従来の技術】歯科治療に用いる補綴材料として、銀合
金、金銀パラジウム合金、金合金等が用いられている。
特に金合金は、展延性、耐蝕性、審美性にすぐれ、ひろ
く用いられている。従来から、歯科用純金にJIS T6114
歯科鋳造用14カラット金合金用添加合金を添加すること
によって、JIS T6113 歯科鋳造用14カラット金合金と
し、その諸特性が、硬さ、固相点、引張強さ、伸びの諸
要件を満たす添加合金は周知のものである。
【0003】しかしながら、歯の欠損部に代替して機能
する補綴物は、技工関連機器や技工技術の進歩により、
より強度のある合金が求められるようになっている。こ
うしたなかで、白金族を含有する金合金をはじめとする
金合金が1990年2 月にJIS(JIS T6116)に制定され、主な
用途別にタイプ1〜4までの4分類され、特にタイプ4
は、硬さ、耐力とも大きな値を必要とする白金族含有の
金合金として金の含有量は60% 以上であって金および白
金族の含有量を75% 以上と規定している。
【0004】このような中で、従来の14カラット合金用
の添加合金で調製しうる金合金は、用途、強度共に限ら
れたものであり、現在の歯科医療に求められている金合
金の諸特性を必ずしも十分に満足させる合金とはいえな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在市場に供されてい
る歯科鋳造用14カラット金合金用添加合金は、銀、銅の
2元合金またはこれを主成分とするものである。ところ
が、これによって調製された金合金は、JIS T6116 の
「3.品質」に規定されるタイプ4のビッカース硬さ、
耐力、伸びを十分に満足する合金にすることが難しく、
多用途に使用することができないという不具合がある。
【0006】また、調製された合金は、金、銀、銅の3
元合金またはこれを主成分とする合金であるため、技工
上の鋳造性や口腔内に装着した後に変色が見られる等、
耐蝕性にも問題が生じている。
【0007】
【課題を解決するための手段】純金に金合金用添加合金
を添加して得られる歯科用金合金において、添加合金の
成分をAg30〜40Wt% 、Pt10〜15Wt% 、Pd5 〜 10Wt%、Cu
25〜40Wt% の基本成分に、さらに、Zn、In、Gaの内の1
種以上を3 〜 10Wt%添加したAg-Pt-Pd-Cu-(Zn,In,Ga)合
金を添加合金として、所望する特性に応じた量を純金に
添加するものである。
【0008】ここで、純金に添加し、白金族含有金合金
を調製させるためのこの発明における各成分とその重量
比の組成について、定性および定量限定の理論と条件を
限定した実験的背景についての理由を述べる。基本的
に、JIS T6116 タイプ4の諸特性を満足させることを主
眼とし、技工操作上最も重要な融点ならびに鋳造性にす
ぐれた合金とし、また、口腔内に装着後は唾液等により
変色することなく審美性にすぐれた色調を維持する合金
とするものである。
【0009】そこで、Agを30〜40Wt% とし、Ptを10〜15
Wt% 、Pdを5 〜 10Wt%とすることにより、強度、耐蝕性
および耐変色性の向上のために添加し、また、審美的な
色調と硬さを低下させないためにCuを25〜40Wt% 、技工
操作上重要な鋳造性の向上のためにさらに、Zn、In、Ga
の内の1種以上を3 〜 10Wt%添加し、これを母合金とし
て純金と合金化した後、JIS T6116 タイプ4の諸特性を
十分に満足する機械的および化学的特性を有し、かつ、
口腔内で審美的な淡黄色をもち、鋳造性を良好にさせた
ものである。
【0010】そして、AgはCuと結合させることにより、
熱処理に影響し、また、Cuのための赤色系を黄色系にす
ることにより審美的な美しさを増すことと、延性を増す
ことにある。実験上、Agが40Wt% 以上となると耐蝕性が
劣り、口腔内で変色を起こすおそれがあり、30Wt% 未満
になると、Agを含有する効果が低減される。Ptについて
は、金合金を硬くすることで知られており、同時に耐蝕
性や耐変色性に有効である。また、PtはAuやCuと反応し
て有効な時効硬化を生ずる。しかし、15Wt% 以上となる
と融点を高くし、溶解および鋳造が難しくなり、10Wt%
未満となると有効性が認められなくなる。
【0011】Pdの作用は、Ptとよく似ており、固溶体効
果の影響はPtより大きく、また、融点はPtより低いが、
金系合金はPtを加えたときよりも融点が高くなるため5W
t%以上10Wt% 未満とし、融点の観点からもPtより少なめ
にした。金合金に対するCuの重要な作用は、合金の強さ
と硬さを増すことにある。硬さの増加は、Au、Pt、Pd、
Agと結合して時効硬化を起こすことにある。また、一般
にCuは合金の融解温度を下げる動きがあり、また、合金
の延性を増す作用があることから、25〜40Wt% とした。
【0012】Znについては、合金中の酸化物と結合する
作用があり、合金の鋳造性を良くし、融解温度を下げる
一方、Pdと結合して合金の硬さを増加させるのに有効で
ある。InおよびGaの添加は、主として鋳造性を向上させ
ることにあり、特にInは鋳造時の合金の流動性を良くす
るのに効果的である。鋳造用合金の融解温度は合金を鋳
型の中へ鋳造するための加熱に大きく影響をおよぼし、
一般に熱源は、都市ガス−圧縮空気、都市ガス−酸素、
プロパンガス−圧縮空気、プロパンガス−酸素と組み合
わせにより熱量が異なっており、都市ガスよりプロパン
ガス、圧縮空気より酸素のほうが熱量が大きく、小さな
熱量によっても容易に融解し、鋳造させるために融点の
低下は流動性に影響をおよぼすことから、実験によって
これらの効果が期待できるのが3 〜10Wt% の範囲であ
り、3Wt%未満では上述の効果が期待できず、また、添加
元素の合計が10Wt% を超えると鋳造性や適合性が悪化す
ることがわかり、このことから有効な量は3 〜10Wt% を
最適範囲とした。
【0013】
【実施例】本発明の実施例1〜5を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】純金10g に対し、本発明の添加合金を所定
の割合で添加し、JIS T6116 タイプ4の金、白金族の合
計が75% 以上となるように調製する。本発明である母合
金としての添加合金は、周知の高周波加熱溶解炉におい
て、1.100 ℃の溶解温度で10分間溶解し、厚さ10mm、
幅30mmに鋳造、圧延加工し、所定の厚みとした。
【0016】以上のようにして得られた添加合金を純金
に所定の割合で添加し、坩堝中で溶解、合金化し、得ら
れた白金加金合金を遠心鋳造法により、板状試験片に形
成し、硬さ試験および変色試験の試材とした。また、同
様の手法により、直径2.0 ×80mmの棒状試験片を作製
し、引張強度試験および伸びの測定を行った。この諸特
性を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】1.硬さ試験 マイクロビッカース硬さ試験機を用い、荷重200g、荷重
時間15秒の条件で測定した。 2.引張強さ試験 標点距離20mmの引張試験片をテンシロン万能試験機によ
り、5mm/min の条件で測定した。
【0019】3.伸び測定試験 伸びは、引張強さ試験と同様の試験方法で測定した。 4.変色試験 板状試験片を#800まで研磨し、0.1%NaCl、1.0%乳酸の2
種類の溶液中で37±1℃で3日間全浸させた後の変色を
観察した。表2に示す如く、本発明の添加合金を用いて
調製した白金族含有金合金の諸特性は、JIS T6116 の諸
特性と比較して、硬さ、引張強さにおいても遜色なく、
また、従来の歯科鋳造用14カラット金合金の諸特性と比
較してもすぐれた値を示してしいる。
【0020】
【発明の効果】以上詳細に説明をした本発明によると、
歯科用純金5g板にこの添加合金を所定の割合で添加する
ことにより、白金族含有金合金であるJIS T6116 タイプ
4と同等の金合金が得られ、ロングスパンブリッジ、ク
ラスプ、バー、床およびフレームワーク等の補綴物に要
求される物理的、機械的、化学的性質および審美性の各
々において、十分に満足しうる合金を調製できるすぐれ
た効果が期待できる。
【0021】また、この歯科用純金5g板は日々の金相場
に価格が変動しており、廉価な相場時の純金5g板を用い
ることができると、市販されているJIS T6116 タイプ4
の金合金よりもかなり廉価な金合金が得られる効果を有
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 尚司 東京都千代田区鍛冶町二丁目9番12号 株 式会社徳力本店内 (72)発明者 栗田 昌樹 東京都千代田区鍛冶町二丁目9番12号 株 式会社徳力本店内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純金に添加して歯科用金合金にする成分
    調製用添加合金において、Ag30〜40Wt% 、Pt10〜15Wt%
    、Pd5 〜 10Wt%、Cu25〜40Wt% の基本成分に、さら
    に、Zn、In、Gaの内の1種以上を3 〜 10Wt%添加したこ
    とを特徴とする歯科用金合金の成分調製用添加合金。
JP22145693A 1993-09-06 1993-09-06 歯科用金合金の成分調製用添加合金 Pending JPH0770669A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002249834A (ja) * 2001-02-26 2002-09-06 Ishifuku Metal Ind Co Ltd 歯科用金合金
KR20030003187A (ko) * 2002-12-05 2003-01-09 길영근 치과용 보철 합금의 제조방법

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