JPH0770039B2 - 磁気記録材料 - Google Patents

磁気記録材料

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JPH0770039B2
JPH0770039B2 JP62110081A JP11008187A JPH0770039B2 JP H0770039 B2 JPH0770039 B2 JP H0770039B2 JP 62110081 A JP62110081 A JP 62110081A JP 11008187 A JP11008187 A JP 11008187A JP H0770039 B2 JPH0770039 B2 JP H0770039B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気記録材料とくに磁気情報を目視可能とす
る磁気記録材料に関するものである。
〔従来の技術〕
情報を磁気情報として記録する磁気記録材料は記録と消
去の繰り返しが可能であり、何度も使用することが出来
ることから近年キャシュカード、キャシュレスカード、
プリペイドカード等の磁気記録カードへの応用が急速に
普及している。しかし、磁気情報は機械に可読であって
も、人間には可読でないので特に言葉、数字、図形パタ
ーン等の磁気情報を人間に可読な目視可能像として表わ
す手段が望まれている。このような磁気情報を安定且つ
明瞭な形で直接目視可能にするとともに情報内容の変更
が容易であるようなシステムとしてPOP(Particle Orie
nted Paper)と呼ばれるものが知られている(特公昭40
-19226号公報)。これは、基材上に疎水性液体と平均直
径が約15μ程度の磁性体フレーク(薄片)を含む直径約
50μのマイクロカプセル(以下磁気カプセルという)を
塗設し、更にその上に保護膜を設けた構造のものであ
る。このマイクロカプセルの製造方法は、特公昭38-148
98号公報に開示されており、疎水性液体ビヒクル中にフ
レーク状磁性体微粒子を分散せしめた後、ゼラチンとア
ラビアゴムのコアセルベーションによってカプセル化す
る方法である。疎水性ビヒクル中にフレーク状磁性体微
粒子を分散せしめる手段として、疎水性液体とともに表
面活性剤(ソルビタン系)、脂肪酸あるいはフタル酸エ
ステルを存在せしめる方法が開示されている。
〔従来技術の問題点〕
一般的に比重が8前後のフレーク状磁性体微粒子をカプ
セル化工程を通してビヒクル中に安定に存在させること
は非常に困難である。安定化の手段として表面活性剤や
脂肪酸を疎水性液体に加えゼラチンとアラビアゴムのコ
アセルベーション法でカプセル化しようとすると、カプ
セル化に適したコアセルベートが得られる条件範囲が著
しく狭く、わずかな条件変動によって、しばしば不十分
な複合コアセルベーション(Complex Coacervation)が
誘起される為、工業的安定生産に適さず、かつ薄く、緻
密でない膜からなるカプセルしか得られない。乳化速度
は非常に早くなるものの、乳化液の粒度分布したがって
出来上り磁気カプセルの粒度分布が悪くなり、磁性体粒
子と同程度以下の微小カプセルや、数百μに達する粗大
なカプセルが多生する。磁性体粒子と同程度の大きさの
微小カプセルは、カプセル内の磁性体粒子の自由回転が
不可能であるから、外部磁化パターンに応答することが
できない。又粗大カプセルをそのまま支持体上に塗設す
れば、外力により破壊しやすく、記録体を汚染しやすく
なる。表面活性剤や脂肪酸を使用しなけれな粒度分布や
カプセル膜強度は改善されるが未だ十分とはいえない上
に、磁性体粒子が乳化されないものや、乳化粒子あるい
はカプセル壁から突出するものもあって、やはり磁化パ
ターン応答性が悪く、破壊され易いものであった。した
がって、これらの方法で得られた磁気カプセルは粒度分
布、膜強度、安定的工業生産等の点で目視可能な磁化パ
ターン像を得る磁気記録体には不充分なものであり、実
用化には到らなかった。
〔問題点を解決する手段〕
上記問題点は、記録層に、ビヒクルおよびフレーク状磁
性体微粒子を内包したマイクロカプセルを有する磁気記
録材料において、前記マイクロカプセルの内包液の粘度
が20〜5,000cpsであり、ビヒクルが少なくとも疎水性液
体と沸点が150℃以上であり極性基がヒドロキシル基、
カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基あるいはリン
酸基である極性を有する有機液体(以下極性液体と略)
と該疎水性液体と極性液体に溶解して含有せしめた熱可
塑性樹脂とから成るものとすることによって解決される
ことを見出した。
極性液体は、ヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキ
シル基、アミノ基、リン酸基等の極性基を有する、アル
コール類、ケトン類、エステル類、カルボン酸類、アミ
ノ化合物等であって、磁気記録材料が使用されると考え
られる温度範囲で十分な流動性を有するものである。
実際の使用に当っては、これらの中から、カプセル化反
応を阻害せず、疎水性液体とともに熱可塑性樹脂を経時
的にも安定して溶解するものであって、低揮発性すなわ
ち沸点が150℃以上の透明で、臭気が少なく、引火性及
び毒性が少なく、工業的に入手し易いものを選択する。
この条件に合うものとしては芳香族酸エステル、脂肪族
酸エステル、アルコールエステル、オキシ酸エステル等
のエステル類が一般的であって、フタル酸ジブチル、リ
ン酸オクチルジフェニル、セバシン酸ジオクチル、ヒマ
シ油等を代表的なものとして例示できる。
熱可塑性樹脂としては本発明で用いる疎水性液体と極性
液体の混合液に安定に溶解し得るものであればいずれも
使用可能である。溶解時の透明性が良く、電界や磁界、
光、熱、及び温度などによってゲル化することのないも
のであって、マイクロカプセル壁形成反応に対して悪影
響のないものが選択される。一例としてポリ塩化ビニ
ル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、脂環族飽
和炭化水素樹脂、ポリメタクリル酸エステル、アセチル
セルロース、エチルセルロース等である。疎水性液体は
低揮発性の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素及びこれら
の混合物であって感圧複写紙用マイクロカプセルに賞用
されるものが使用し易い。更に、磁気パターンに対して
応答性が高く、得られた磁気パターン像を経時的に安定
に保持するには、カプセルに内包液の粘度が重要であっ
て、常温に於ける粘度が20〜5,000センチポイズ、好ま
しくは30〜3,000センチポイズの範囲にあれば良いこと
を見出した。内包液をこの粘度にするのに最も影響が大
きいのは熱可塑性樹脂の使用量である。ビヒクル中の熱
可塑性樹脂の割合は樹脂の種類及び樹脂を溶解する疎水
性液体あるいは極性液体の種類によっても異なるが、例
えば、ポリ塩化ビニルでは4〜20重量%(以下特にこと
わらないかぎり%は重量%を表わす)、ポリビニルブチ
ラールでは2〜10%、ポリ酢酸ビニルでは3〜15%、脂
環族飽和炭化水素樹脂では10〜50%、ポリメタクリル酸
エステルでは7〜35%、アセチルセルロースでは3〜20
%、エチルセルロースでは2.5〜15%程度である。
ビヒクル中の極性液体の含有量は、熱可塑性樹脂との相
容性、乳化時のフレーク状磁性体微粒子の安定性から、
例えば、フタル酸エステルでは30〜80%、脂肪族酸エス
テルでは10〜40%、二価アルコールエステルでは10〜20
%、オキシ酸エステルでは20〜50%程度が好ましい。
本発明で使用するフレーク状磁性体微粒子(以下磁性粉
体と略記)は、熱、ニッケル、鉄・ニッケルや鉄・ニッ
ケル・クロム等のステンレススチール、アルミニウム・
コバルト合金・サマリウム・コバルト合金等の微粒子を
アトマイザーやハンマーミル等で薄片状としたものであ
る。フレークの形状は、厚さができるだけ薄く、厚さと
粒径の比が大きいもの程好ましい。粒径としては、平均
粒径で3〜15μものが実用上好ましい。磁性粉体を薄く
することは材料により難しいものもあり、平均粒径が3
μ以下では、磁化させた時水平方向と垂直方向での光反
射率の差が小さく磁気パターンを記録した時のコントラ
ストが悪くなる。平均粒径が15μ以上では大きいものの
割合が多くなるから、カプセルの粒径との関係で、カプ
セル内に収納され難くなったり、磁気パターンに対する
応答速度が遅くなったりする傾向がある。
磁性粉体の磁気特性は、記録すべき磁気パターンの磁力
の強さによって適宜選択するものであるが、キャッシュ
カードやプリペイドカード等に利用する場合は、保磁力
が200エルステッド以上が好ましい。
更に、フレーク状磁性粉体のビヒクルへの分散を良く
し、磁性粉体同志の凝集を防ぐ目的で磁性粉体表面を適
当な材料で予め被覆しても良い。被覆材料としては、ブ
タジエン、アクリロニトリル、メタクリル酸メタル、ヂ
メタクリル酸エチレングリコール、アクリルアミド、ビ
ニルアセテート、塩化ビニル、メチルスチレン、ジビニ
ルベンゼン等を成分とする重合体もしくは共重合体ある
いは特開昭59-1506号に開示されているガス化可能な二
硫化炭素等の無機化合物あるいはガス化可能な各種炭化
水素、有機シリコン化合物等の有機化合物をプラズマ重
合体等である。
又磁性粉体の反射率を高める為にアルミニウムや銀等を
蒸着したり、磁性粉体を着色する目的で各種の顔料とと
もに、粉砕したり、あるいは磁性粉体の被覆膜や油状液
体中に染料あるいは顔料を含有させる方法は好ましい方
法である。このようにすることにより画像のコントラス
トを高め、又美観上も好ましいものとなる。
本発明で使用する磁性粉体を含有するマイクロカプセル
は従来公知の各種のマイクロカプセル化法が利用でき
る。
例えばゼラチンとアラビアゴムのコアセルベーションを
利用した米国特許2800458号、界面重合反応を利用して
ポリウレアウレタン壁を形成させる英国特許1,142,556
号、尿素とホルムアルデヒドを変性して水溶液側から重
合堆積させる米国特許4,001,140号等の方法がある。こ
れらの方法の中ではカプセル壁膜に柔軟性があるコアセ
ルベーション法が磁性粉体のカプセル化法として好まし
い。磁気カプセルの粒径としては体積平均径で10〜100
μが適当であり、より好ましくは30〜50μである。10μ
以下ではカプセル内に収容される磁性体微粒子の量が少
なく、垂直磁場をかけたときの黒化度が小さくコントラ
ストが不足し、100μ以上では塗工面の凹凸により磁化
記録像が不均一になり易い。このようにして得られた磁
気カプセルはバインダーと混合して塗液とし基材上に塗
設して目視可能像を形成する磁気記録層とし、必要に応
じて磁気記録層表面に保護膜を設けて磁気記録材料とす
る。
基材は紙、合成樹脂シート、金属等記録層の支持体とな
り得るものであれば何ら制限はない。目視可能磁気記録
像がより真黒で表現されるためには、基材そのものが黒
く着色されているか、基材表面が黒く着色されているこ
とが好ましい。
バインダーは水溶性皮膜形成性の天然、半合成及び合成
高分子あるいはラテックスであって、磁気カプセル壁を
損傷せず、かつ基材表面によく接着するものであれば特
に制限なく使用できる。ヒドロキシエチルセルロース、
カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン等が好ましいものの例である。
基材上に磁気カプセルを塗設する方法も特に制限はない
が、塗設時のカプセルの損傷がなく又、不可避的に混入
する大粒径カプセルを除去して磁気記録層の平滑性を確
保するためにスクリーン印刷方式が最も好ましい塗布方
式である。
磁気記録層の上に設ける保護フィルムは透明で、傷つき
難く、変形し難いものであれば材質は限定されない。ポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸等が
好ましく用いられるが、しかし、目視可能記録像の解像
力の点からいえば保護フィルムは薄い程好ましく、設け
てなくてすむのであれば特に設けないのが最も好まし
い。バインダーとして使用するポリビニルアルコールを
塗設したカプセル層の表面に再塗工すれば特別な保護フ
ィルムを設けないですむ場合が多い。
本発明の磁気記録材料の具体的例は、POP(Particle Or
iented Paper)として、この上に磁気ヘッド、磁気ペン
等で直接目視可能磁気記録像を形成させるメモあるいは
表示板の如き用途に使用したり、特開昭51-78303号公報
に開示されているようにこのPOPを所定の寸法に切断し
て機械可読磁気記録面を有する各種のキャシュカード、
プリペイドカード、定期券等のいわゆる磁気カードの一
部に貼着して目視可能情報表示部としたり、これら磁気
カードそのものを基材としてその一部に磁気カプセルを
塗設して目視可能情報表示部とする等として使用するこ
とができる。
次に本発明の実施例を示す。
実施例1 A液 フレーク状磁性体微粒子の分散 フレーク状磁性体微粒子 18.0g Fe/Ni合金・Fe/Ni=64/36 ・飽和磁化ρs129 残留磁束密度ρr65 保磁力 Hc540 ・平均粒径 9.2μ ・比表面積 0.096m2/g ・比重 8.1 エチルセルロース(米国ハーキュレス社製N−
7) 7.5g フタル酸ジメチル 36.5g フェニル・キシリル・エタン(日石ハイゾールSA
S) 36.5g 着色染料(オイルグリーン533 オリエント化学
(株) 1.5g この混合溶液を攪拌しながら90℃に加熱しエチルセルロ
ース、着色染料を溶解した。フレーク状磁性体微粒子の
分散状態は非常に良好であり、室温にもどしてカプセル
化に必要な分散性、安定性を充分そなえていた。尚、こ
の溶液の粘度は105cps(25℃)であった。
B液 ゼラチン(等電点8.1) 15g アラビアゴム 15g イオン交換水 170g を50℃で溶解しカプセル化用原液とした。
Cカプセル化 B液80gに2%NaOH水溶液1.7gを加えディゾルバーで攪
拌しながらA液60gを徐々に加えた後所定の粒径(50
μ)になるまで乳化した。乳化粒子は粒径分布が非常に
良く、フレーク状磁性体微粒子も安定に乳化粒子に保た
れていた。
次に約50℃のイオン交換水250gを加え、この乳化物との
混合系を50℃に保ったまま5%酢酸水溶液で系のpHを徐
々に4.8に降下した。
ついでゆっくり冷却(1℃/分)し10℃に達したら50%
グルタールアルデヒド4.2gを添加、そのまま3時間攪拌
を続けてカプセル壁を硬化しフレーク状磁性体微粒子を
含む磁気カプセルスラリーを得た。
次に磁気カプセルスラリーを80メッシュフィルターで粗
大なものを除去しついで250メッシュフィルターで磁性
体微粒子を含まないような微小なものを過後の250メ
ッシュフィルター残を磁気記録材料用試料とした。
D磁気記録シートの作成 Cで作成した磁気記録用材料用試料15gに20%ポリビニ
ルアルコール(日本合成GH−17)10gを加え両者を充分
混合後、黒く着色した塩ビシート上に自然乾燥後の厚さ
が約300μになる様にアプリケーターで塗工した。さら
にその上に20%ポリビニルアルコール溶液を塗布乾燥し
保護層を形成し磁気記録シートを作成した。
E磁気記録シートへの書込み、消去 Dで作成した磁気記録シートを用いてHc52kA/m(650O
e)の水平磁場をかけた所カプセル内のフレーク状磁性
体微粒子が水平に配向し、光を反射することにより非常
に明るい背景が得られた。
次に同じシートに一様に記録磁場としてHc52kA/m(650O
e)の垂直磁場をかけるとカプセル内のフレーク状磁性
体微粒子は垂直に配向し、光を吸収して黒色化した。明
るい背景と黒色化部の明度差を色差計(東京電色TC-150
0LC)で測定した所15ポイントの差があり明るい背景を
持つ磁気記録シート面に印字記録が可能であることが判
明した。
次に、同磁気記録シートを50℃の恒温室中に7日間静置
後同シートをとり出した場合と、とり出した同シートに
続けて2kWの高圧水銀灯を20cmの距離から30秒間照射し
た場合のそれぞれについて、明るい背景と黒色化部の明
度差を測定したところ明度差はいずれも14.5ポイントで
殆んど変化はなく、十分実用に耐えるものである。
実施例2〜3、比較例1〜3 実施例1のA液中のエチルセルロース、フタル酸ジメチ
ル、フェニルキシリルエタンを表1に記載したごとく変
えたほかはカプセル化、磁気記録シートの作成、磁気記
録シートへの書き込み、消去とも実施例1と同様に行っ
た。
結果を表2にまとめて示した。
表2において、乳化速度は実施例1の場合を標準として
平均体積径が約50μになる迄の所要時間の比較で表わし
てある。又、乳化安定性はカプセル形成反応中に乳化粒
子が破壊され粒径分布が広くなることからカプセル粒径
分布をその尺度として判定した。
表2から明らかなごとく、本発明の実施例1〜3は乳化
特性、記録のコントラスト、記録の環境変化に対する保
存性も優れたものである。熱可塑性樹脂を含まない比較
例1では乳化分布が広く、記録のコントラストが小さ
く、記録の保存性にも劣っている。極性液体を含まない
比較例2は乳化速度が著しく遅く実施例の1/3〜1/5であ
って工業的生産には不向きである。熱重合性樹脂を含有
する比較例3は高温保存化に増粘し、更に水銀灯化で固
化したので記録は完全に保存されたが、水平磁場により
記録像の消去ができず、記録の更新は不可能であった。
又、高温保存後の磁化シートの無記録面に記録を試みた
ところ、磁性粉体の垂直磁場に対する応答が著しく遅く
かつ少ないため不明瞭な淡い記録像しか得られなかっ
た。
実施例4 本実施例は磁気かーどの目視可能情報表示部として本発
明の磁気記録材料を使用したものである。
実施例1のDにおいて使用した塩ビシートの代りに、磁
気カードを使用し、第1図に示す目視可能情報表示部10
の磁気カード表面上を黒色印刷し、その上に乾燥後の厚
さが約200μになる様スクリーン印刷した外はDと同様
にして目視可能情報表示部を作成した。
この表示部に当初水平磁場を作用させ明るい均一反射の
背景と、磁気ペンで1,000,000と記入すれば、その部分
は第1図10に示す如く、1,000,000と鮮明な黒色で表示
された。
第1図において、1は目視可能情報表示部付磁気カード
を、2は磁気カードの基材であり、3は機械可読情報磁
気記録部である。第2図は、第1図のII-II線に沿った
断面図で、11はポリビニルアルコールの保護膜、12は磁
気カプセル、13は黒色印刷部である。
この目視可能情報表示部の表面に更に必要なら薄いポリ
エステル等の硬質の保護フィルムを貼合してもよく、又
実施例1,Dで作成した磁気記録シートを磁気カードの所
定部位に貼合しても良い。更に、第3図に示す如く、予
め目視可能情報表示部とする部分に100〜200μ程度の凹
部を設け、そこに本発明の磁気記録材料を塗布あるいは
貼合して、目視可能表示部と磁気カードの表面を同一面
とすることは、表示部保護の点で好ましいものである。
その他これらの例に類似な応用は全て本実施例の1変形
例として本実施例に属するものである。
〔作用及び効果〕
磁気記録材料の記録層に、疎水性液体と極性を有する有
機液とこれらに溶解した熱可塑性樹脂を必須成分とする
ビヒクルにフレーク状磁性体微粒子を分散させたマイク
ロカプセルを含有せしめることにより、該磁性体微粒子
のビヒクル中の分散が良く、カプセル化が安定に進行
し、磁気情報を記録した時の像形成が速く鮮明で且つ環
境変化に対して安定である理由は定かではないが概ね次
のようなものであろうと考えられる。
フレーク状磁性微粒子表面は高エネルギーで親水性であ
って、疎水性液体に濡れ難く親和性が乏しい。一方ゼラ
チンやアラビアゴムをはじめとするカプセル壁形成材料
は一般的に親水性でありフレーク状磁性体微粒子と親和
性が高い。磁性体微粒子はその分散媒である疎水性液体
から疎外され、カプセル壁膜の方へ移行する。その結果
乳化時磁性粉体は乳化膜を破って外へ貫通したり、乳化
されなかったり、カプセル膜を貫通したり、カプセル内
壁に付着したりし易くなるから、乳化安定性が悪く、カ
プセルが破壊され易く、磁気情報への応答性が悪るく又
記録像のコントラストが弱い等の問題点が生ずるものと
考えられる。
更に、このようにして得られた磁気像は、カプセル内の
フレーク状磁性体微粒子が垂直磁化により当初の水平に
配向した状態から垂直に配向し、互に磁化されて鎖状に
連らなった複数の列ができ、その列間に入射した光線が
列間で互に乱反射するために入射光は外部へ再散乱され
ることが殆んどないために黒色像として認識されるもの
である。このような鎖状連結体は分散媒の対流やブラウ
ン運動等によって次第に安定性を失うものと考えられ、
特に高温時にこの傾向が著しい。
本発明においては、疎水性液体を分散媒として含有する
ことでカプセル化を容易にし、極性液体は磁性粉体表面
と高親和性であると同時に疎水性液体とも均一に混合す
ることによって磁性粉体がビヒクル中に安定に存在する
ことを助長する。しかし、極性液体の使用だけでは乳化
という激しい作用及びカプセル化反応中にも高磁性粉体
をビヒクル中に安定に存在させるには不十分であって、
疎水性液体あるいは極性液体中に熱可塑性樹脂を溶解せ
しめておくことにより、磁性粉体表面は熱可塑性樹脂で
覆われ又、ビヒクル全体の増粘と相俟って乳化、カプセ
ル化中も十分安定にビヒクル中に存在し得るものと考え
られる。
更に界面活性能があってもごく弱いものであるから、乳
化に当っても適度に小さな粒子ができる割合が少なく
又、カプセル化反応に影響するところも少ないから安定
したカプセル化が進行すると同時に粒径分布が良く、カ
プセル膜強度が良いものが得られるものと考えられる。
更に、熱可塑性樹脂をビヒクルの粘度が適当な範囲にな
るよう溶解せしめることにより、垂直磁気により得られ
た目視可能記録像が環境の変化に対しても安定な記録像
として保存されると考えられる。
そして、ビヒクルは液状を保持しているから一定以上の
垂直磁場により記録像は容易に水平に再配列するから、
繰り返しの制限なしに再記録が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例4の目視可能情報表示部付磁気カ
ードの平面図、 第2図は、第1図のII-II線に沿った断面図、 第3図は、第1図の1変形例を示すII-II線に沿った断
面図。 1……磁気カード、10……目視可能情報表示部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録層に、ビヒクルおよびフレーク状磁性
    体微粒子を内包したマイクロカプセルを有する磁気記録
    材料において、前記マイクロカプセルの内包液の粘度が
    20〜5,000cpsであり、ビヒクルが少なくとも疎水性液体
    と沸点が150℃以上であり極性基がヒドロキシル基、カ
    ルボニル基、カルボキシル基、アミノ基あるいはリン酸
    基である極性を有する有機液体と該疎水性液体あるいは
    極性を有する有機液体に溶解して含有せしめた熱可塑性
    樹脂とからなることを特徴とする磁気記録材料。
  2. 【請求項2】ビヒクル中に熱可塑性樹脂を2〜50重量%
    および極性を有する有機液体を10〜80重量%含有するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の磁気記録材
    料。
  3. 【請求項3】ビヒクルおよびフレーク状磁性体微粒子を
    含むマイクロカプセル内包液の粘度が30〜3,000cpsであ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項もしくは第2
    項記載の磁気記録材料。
  4. 【請求項4】磁気記録材料が目視可能情報表示部を有す
    る磁気カードであることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項ないし第3項記載の磁気記録材料。
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