JPH076996U - 音響機器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 静電気が表示部材中に入り込み表示部材に誤
った表示が現れたり、また、静電気を除去するためのフ
レキシブルプリント基板が操作ボードの動作を邪魔した
り、音響機器本体からはみ出したりするなく、操作性に
富んだ誤動作のない品質の良い音響機器を提供せんとす
るものである。 【構成】 音響機器本体１前面に可動可能に設けられた
操作ボード４内に蛍光表示管２０が設けられ、その蛍光
表示管２０の周囲に配置したリン青銅板２２にフレキシ
ブルプリント基板２３の一端を電気的に接続し、かつそ
の他端をシャーシ２４に電気的に接続させ、また、操作
ボード４が所定位置に収納された状態ではたわみ２３ａ
が音響機器本体１の底面から立ち上がった状態にて音響
機器本体１内に収納されるようになっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コンパクトディスク（以下ＣＤと称す）プレーヤ、ミニディスク（ 以下ＭＤと称す）プレーヤやテーププレーヤ等の音響機器に係り、特に、可動自 在に設けられた操作ボードのアース構造に関するものである。

【０００２】

【従来技術】

一般に、この種の音響機器の前面に設けられる合成樹脂性の操作ボードには、 音響機器本体中に挿入されたＣＤ、ＭＤやテープカセットを排出するための操作 キー等が配設されている。さらには、ＣＤやテープカセットの再生中の曲番やあ と何曲再生可能か等を表示するために蛍光表示管や液晶ディスプレイなどを用い た表示部材が設けられている。 また、車室内にて用いるような音響機器の場合は、操作ボードを利用者の操作 しやすい角度に傾斜させて使用できるように操作ボードを音響機器本体に対して 可動可能に配設していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、合成樹脂性の操作ボードが可動可能に設けられていると、その 操作ボードの移動によって静電気が発生し易く、また、利用者に帯電している静 電気が表示部材中に入り込むと表示部材に誤った表示が現れることがあり、また 、静電気を除去するために結線した場合、その引き回し方によっては操作ボード が異常な動作をしたり、音響機器本体からはみ出したりすることがあり、音響機 器の品質上問題となっていた。 本考案の目的は、前記した従来例の課題を解消し、操作性に富んだ誤動作のな い品質の良い音響機器を提供せんとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために、本考案の音響機器は、音響機器本体の前面に可動 可能に装着された合成樹脂からなる操作ボード内に、少なくとも表示部材を備え 、その表示部材周囲に導電体を配置すると共に、フレキシブルプリント基板の一 端を前記導電体に電気的に接続し、かつフレキシブルプリント基板の他端を音響 機器本体の金属体に電気的に接続させ、さらに、前記操作ボードが所定位置に収 納された時にはフレキシブルプリント基板に設けられた移動用のたわみ部が音響 機器本体の底面側から立ち上がった状態にて音響機器本体内に収納されたもので ある。

【０００５】

【作用】

上記の如く構成された音響機器によれば、操作ボード内に入り込んだ静電気は 表示部材周囲に設けられた導電体からフレキシブルプリント基板を介して音響機 器本体の金属体を通り、音響機器本体外へと放出される。そして、操作ボードが その作動前の所定位置に収納されているときは、フレキシブルプリント基板に設 けられた移動用のたわみが音響機器本体の底面から立ち上がった状態にて音響機 器本体内に収納され、フレキシブルプリント基板が音響機器本体からはみ出した りしないようになる。

【０００６】

【実施例】

以下、図面を参照しつつ、本考案の一実施例を説明する。 図において、１はＣＤまたはＭＤプレーヤやテーププレーヤ等の音響機器本体 であり、この音響機器本体１の前面には操作パネル２が設けられている。操作パ ネル２は、支持枠３に支持される操作ボード４と支持枠３に嵌合する嵌合部材５ とから構成されている。

【０００７】 支持枠３は、図１中その左側に複数の操作キー郡６が設けられ、その右側には 例えば電源スイッチ用のキー７ａや操作ボード４を開閉するためのスイッチ用の キー７ｃ等からなる操作キー郡７が配置され、その前方の略中央部に操作ボード ４を収納する凹部８が設けられており、この凹部８の両側面には操作ボード４が 摺動する摺動溝８ａが設けられ、また、凹部８の底面には開口部９が形成されて いる。この開口部９にはシャフト１２に取り付けられたギア車１０が開口部９か ら突出するように配設され、このギア車１０はモータ１４の出力軸に減速歯車１ ３を介して接続され、モータ１４を回転駆動することにより、ギア車１０が回転 して操作ボード４を回動するようになっている。

【０００８】 また、支持枠３の中央上部には、切欠部１５が設けられ、この切欠部１５には 孔１５ａが設けられ、この孔１５ａに嵌合部材５の一部が係合して、支持枠３に 嵌合部材５が固定されるようになっている。なお、嵌合部材５には音響機器本体 １用の記録媒体を挿入するための開口部１１が設けられている。

【０００９】 操作ボード４は、プリント基板１９上に表示部材として取り付けられた蛍光表 示管２０の周囲を包囲するようにリン青銅板２２が取り付けられ、このリン青銅 板２２にフレキシブルプリント基板２３が半田付けされ、そのフレキシブルプリ ント基板２３と蛍光表示管２０の駆動回路用のフレキシブルプリント基板２１と が操作ボード４の裏面に設けられた透孔１８から引き出され、その状態でプリン ト基板１９が内部にネジ止めされ、リン青銅板２２とシャーシ２５とは機械的、 且つ電気的に接続されるようになっている。

【００１０】 また、操作ボード４の側面４ａには突起１６、１６が設けられ、この突起１６ 、１６が摺動溝８ａに嵌装され、操作ボード４が回動するときは突起１６、１６ が摺動溝８ａに沿って摺動するようになっている。また、操作ボード４の裏面は 円弧状に突出しており、その円弧に沿ってラック１７が形成され、このラック１ ７にギア車１０が噛合するようになっている。

【００１１】 なお、フレキシブルプリント基板２３は、図６に示すように操作ボード４の移 動に追随するためのたわみ部２３ａが操作ボード４の外側に位置し、且つ音響機 器本体１の底面から立ち上がるように設けられ、支持枠３に操作ボード４が閉止 状態、すなわち、操作ボード４が支持枠３の所定位置に収納された状態では、た わみ部２３ａが音響機器本体１の底面からはみ出ることがないようになっている 。そして、操作ボード４が前方に迫り出す際は、その迫り出し動作に伴い、フレ キシブルプリント基板２３も変形しながら追随するのだが、たわみ部２３ａが操 作ボード４の外側に確保されているので、フレキシブルプリント基板２３が操作 ボード４内でプリント基板１９等に引っかかったりすることなく、スムーズに動 作する。そればかりか操作ボード４の内部にフレキシブルプリント基板２３の移 動用のたわみ部２３ａが配設されるスペースを設ける必要がなく、操作ボード４ を不用意に大きくすることがない。

【００１２】 また、ここでは表示部材に蛍光表示管２０を用いて説明したが、表示部材とし ては液晶ディスプレイ、ＬＥＤ等によって構成されても良し、また、導電体とし てリン青銅板２２を用いて説明したが、導電体としては静電気をアースできる部 材であればステンレスであっても銅箔であってもかまわない。

【００１３】 次に、音響機器の操作について述べる。 通常、操作ボード４は、図１及び図６に示すように閉止状態にあり、その状態 で、電源スイッチ用のキー７ａを押して電源をオンにしてから操作ボード開閉ス イッチ用のキー７ｃを押すと、モータ１４が作動する。そして、減速機１３を介 してギヤ車１０が回転して、そのギヤ車１０の回転がラック１７に伝達され、突 起１６が摺動溝８ａに沿って所望位置まで傾斜させながら前方に迫り出し、最終 的には操作ボード４がリミットスイッチ（図示せず）を作動させてモータ１４を 停止させることによって操作ボード４が所望位置に停止する。

【００１４】 以上説明した音響機器は、操作ボード４が前方に迫り出したり、元の位置に戻 ろうとすると、操作ボード４の突起１６、１６が摺動溝８ａを摺動することによ って静電気が発生することがある。また、利用者が帯電している静電気が操作ボ ード４の中に入り込んだりする。そして、静電気は蛍光表示管２０の周囲に配設 されたリン青銅板２２とフレキシブルプリント基板２３及び取付ブラケット２４ 及びシャーシ２５を伝播する。その結果、蛍光表示管２０の周辺に静電気が蓄積 されることもなく、また、発生後速やかにフレキシブルプリント基板２３を介し て音響機器本体１の外へ逃げ、操作ボード４の表示部４ｂに静電気の影響は現れ ることなく、正常な表示を続ける。

【００１５】

【考案の効果】

以上述べたように、本願考案は音響機器本体の前面に可動可能に設けられた操 作ボード内に、表示部材として蛍光表示管が設けられ、その蛍光表示管の周囲に 配置したリン青銅板にフレキシブルプリント基板の一端を電気的に接続し、かつ その他端を音響機器本体のシャーシに電気的に接続させたので、静電気はリン青 銅板からフレキシブルプリント基板を介してシャーシにアースされ、蛍光表示管 の表示は常時正常なものを提供することができる。また、操作ボードが所定位置 に収納された状態ではフレキシブルプリント基板の移動用のたわみが音響機器本 体の底面から立ち上がった状態にて音響機器本体内に収納されるようになってい ることから、フレキシブルプリント基板が音響機器本体内からはみ出るようなこ となく、外見上の品質を損なわないものを提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の音響機器を示す全体斜視
図。

【図２】本考案の音響機器の前面に設けられる操作パネ
ルの全体構成を示す斜視図。

【図３】本考案の操作パネルの内部を示す平面図。

【図４】本考案の操作パネルを構成する嵌合部材の要部
を示す斜視図。

【図５】本考案の操作パネルを構成する操作ボードの要
部を示す斜視図。

【図６】本考案の音響機器の要部を示す断面図。

【図７】本考案の操作ボード内に配設される構成部品を
示す平面図。

【符号の説明】

１ 音響機器本体 ４ 操作ボード ２０ 蛍光表示管（表示部材） ２２ リン青銅板（導電体） ２３ フレキシブルプリント基板 ２３ａ たわみ部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 音響機器本体の前面に可動可能に装着さ
   れた合成樹脂からなる操作ボード内に、少なくとも表示
   部材を備え、その表示部材周囲に導電体を配置すると共
   に、フレキシブルプリント基板の一端を前記導電体に電
   気的に接続し、かつフレキシブルプリント基板の他端を
   音響機器本体の金属体に電気的に接続させ、さらに、前
   記操作ボードが所定位置に収納された時にはフレキシブ
   ルプリント基板に設けられた移動用のたわみ部が音響機
   器本体の底面側から立ち上がった状態にて音響機器本体
   内に収納されたことを特徴とする音響機器。