JPH076964A - 半導体の製造方法 - Google Patents

半導体の製造方法

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JPH076964A
JPH076964A JP16751793A JP16751793A JPH076964A JP H076964 A JPH076964 A JP H076964A JP 16751793 A JP16751793 A JP 16751793A JP 16751793 A JP16751793 A JP 16751793A JP H076964 A JPH076964 A JP H076964A
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pressure
reaction tube
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rea
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 減圧装置において、良好な制御性および再現
性で半導体への不純物拡散または半導体の結晶成長を可
能とする。 【構成】 減圧状態にある反応管7と原料系との間の配
管3の抵抗を極力小さくして反応管7と原料系との間の
差圧をほぼ0とする。または、反応管7内の到達圧力と
原料系圧力との比をほぼ一定にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体の製造方法に
関し、例えば化合物半導体装置の製造に適用して好適な
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、原料ガスソースとして液体の有機
金属化合物を用い、それを例えば不活性ガスまたは水素
ガスをキャリアガスとして用いたバブリング方式によっ
て蒸気化することにより原料ガスを得、この原料ガスを
反応管中に輸送することにより化合物半導体の結晶成長
を行う有機金属熱分解気相成長(MOVPE、MOCV
D、OMVPEまたはハイブリッドVPE)法や、上述
と同様の方法でドーパントとなる成分元素の蒸気を得、
それを拡散源として不純物拡散を行う有機金属開管式気
相拡散法が知られている。
【0003】上述の方法により結晶成長または不純物拡
散を行う際には、反応管内を減圧することにより、ガス
流を高速化することができ、それによって均一性の向上
やガスの切り替えの高速化を図ることができるなど、制
御性の向上を図ることができる。また、減圧下では、原
料ガスの希薄化により、中間反応抑制といった効果も認
められるようになる。
【0004】しかしながら、反応系を減圧する際に、上
流にある原料系の圧力をどの領域に設定するかについて
は明確な指針がなく、原料系を減圧域で用いる場合も常
圧域で用いる場合も一長一短があると考えられる。特
に、蒸気圧の高い有機金属化合物を原料ガスソースとし
て用いる場合には、原料ガスの供給量を制御するのに、
例えば有機金属化合物が入れられた原料シリンダーを一
定温度に保持するための恒温槽の温度の制御やバブリン
グを行うためのキャリアガスの流量の制御だけでは、低
濃度域まで制御し切れなかったり、再現性が悪かったり
する。そのため、減圧下での不安定要素の一つとなる反
応管内の圧力変動の影響を直接被らないように、減圧状
態にある反応系と原料系との間にニードルバルブなどの
抵抗を挿入して、原料系圧力を常圧またはその付近に設
定する措置がとられることが多い。すなわち、原料系と
反応系との間にバッファー的に抵抗を設けて差圧をつけ
る配管手法がよく用いられている。このようにすること
により、反応管側で事故的な圧力急上昇が発生した場合
にも、有機金属化合物などの逆流などにより配管系を汚
さずにすみ、また逆に急な圧力低下の際も、液体材料の
突沸や引き込みを抑制することができる。
【0005】反応管内を減圧に制御したときの反応管内
到達圧力の目標値からの変動を抑制するためには、一般
的に、真空ポンプの前段にコンダクタンスを調節するこ
とができるようなバルブ、例えば開閉率可変型のバタフ
ライバルブなどを設けて反応管内圧力に応じて排気速度
を調節する、いわゆる自動圧力制御(APC)システム
が採用されている。このAPCシステムは、反応管内の
圧力を測定する圧力計と、この圧力計の出力に応じてバ
タフライバルブの開閉率を調節するコントローラーと、
バタフライバルブとにより構成される。これによれば、
反応管内に導入されているガスの流量が原料ガスの切り
替えなどにより変化した場合には、このAPCシステム
が速やかに働いて排気速度が調節され、反応管内の圧力
が設定値に戻される。このときの応答速度は、各装置に
応じて各コントローラーのPID係数を調節することに
よりある程度速くすることができるが、この場合には圧
力変動の減衰を速くしているだけで、圧力変動そのもの
をなくすことができるわけではない。また、一定流量の
ガスを流していても、バタフライバルブの開閉率のゆら
ぎ程度の圧力変動は全系に生じているはずであり、従っ
て準静的安定状態が保たれているに過ぎない。反応管内
の圧力変動は当然、成分元素の分圧の変動を伴うので、
プロセスの制御性の向上を図る上では、その大小にかか
わらず反応管内の圧力変動の影響をできる限り被らない
ようにすることが重要である。
【0006】なお、例えばJournal of Crystal Growth
94(1989)pp.481-487には、反応管内のある特定の成分元
素蒸気圧(分圧)を直接的に測定し、この測定結果をマ
スフローコントローラーにフィードバックすることによ
り反応管内の成分元素蒸気圧を制御する方法の可能性な
どが論じられているが、これはまだ確立された方法とは
言えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、この発明の目
的は、反応管内到達圧力の影響を被ることなく、反応管
内の各成分元素の蒸気圧が常に一定となるようにその成
分元素のガスを供給することができ、それによって良好
な制御性および再現性で半導体への不純物拡散または半
導体の結晶成長を行うことができる半導体の製造方法を
提供することにある。
【0008】この発明の上記目的および他の目的は、本
明細書の以下の記述より明らかとなるであろう。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の第1の発明による半導体の製造方法は、
減圧状態にある反応管(7)中に配管(3)を通して原
料系(1、S)から原料ガスを輸送し、反応管(7)中
で半導体への不純物拡散または半導体の結晶成長を行う
ようにした半導体の製造方法において、配管(3)の抵
抗による反応管(7)と原料系(1、S)との間の差圧
がほぼ0となるようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0010】第1の発明による半導体の製造方法の好適
な一実施形態においては、液体または固体の原料(S)
を用い、原料(S)を蒸気化することにより原料ガスを
得るようにする。この原料(S)は、具体的には、例え
ば、有機金属化合物またはハロゲン化金属化合物であ
る。
【0011】また、この発明の第2の発明による半導体
の製造方法は、減圧状態にある反応管(7)中に配管
(3)を通して原料系(1、S)から原料ガスを供給
し、反応管(7)中で半導体への不純物拡散または半導
体の結晶成長を行うようにした半導体の製造方法におい
て、反応管(7)内の到達圧力と原料系(1、S)の圧
力との比がほぼ一定となるようにしたことを特徴とする
ものである。
【0012】第2の発明による半導体の製造方法の好適
な一実施形態においては、液体または固体の原料(S)
を用い、原料(S)を蒸気化することにより原料ガスを
得るようにする。この原料(S)は、具体的には、例え
ば、有機金属化合物またはハロゲン化金属化合物であ
る。
【0013】
【作用】上述のように構成されたこの発明の第1の発明
による半導体の製造方法によれば、反応管(7)と原料
系(1、S)との間の配管(3)の抵抗を極力小さくし
て原料系(1、S)の圧力が反応管(7)内の圧力とほ
ぼ同じになるように配管(3)を構成することにより、
反応管(7)と原料系(1、S)との間の差圧をほぼ0
とすることができる。これによって、反応管(7)内に
圧力変動があっても、成分元素蒸気圧(分圧)を常に一
定に制御することができる。すなわち、反応管(7)内
に圧力変動があった場合には、反応管(7)内の圧力に
よって成分元素蒸気の供給量が変化し、反応管(7)内
の圧力変動を自己補償的に補償することができるので、
反応管(7)内の成分元素蒸気圧(分圧)の変動を効果
的に抑制することができる。このため、良好な制御性お
よび再現性で半導体への不純物拡散または半導体の結晶
成長を行うことができる。
【0014】上述のように構成されたこの発明の第2の
発明による半導体の製造方法によれば、例えばピエゾバ
ルブなどを用いて原料系(1、S)の圧力をループ制御
することにより、反応管(7)内の到達圧力と原料系
(1、S)の圧力との比を常にほぼ一定とすることがで
き、これによって、反応管(7)内に圧力変動があって
も、成分元素蒸気圧(分圧)を常に一定に制御すること
ができる。すなわち、反応管(7)内に圧力変動があっ
た場合には、反応管(7)内の圧力によって成分元素蒸
気の供給量が一定の割合(反応管(7)内の到達圧力と
原料系(1、S)の圧力との比をαとすると1/α)で
変化し、反応管(7)内の圧力変動を補償することがで
きるので、反応管(7)内の成分元素蒸気圧(分圧)の
変動を効果的に抑制することができる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。なお、実施例の全図において、同一
または対応する部分には同一の符号を付す。
【0016】図1はこの発明の第1実施例において用い
る減圧拡散/結晶成長装置を示す。ここでは、簡単のた
め、原料系は一つの原料シリンダーのみとし、またベン
トラインなどの配管の図示および説明は省略する。図1
に示すように、この減圧拡散/結晶成長装置において
は、原料シリンダー(バブラー)1内に例えば有機金属
化合物のような液体の原料Sが入れられている。この原
料シリンダー1は、この原料シリンダー1を一定温度に
保持するための恒温槽2内に入れられている。また、符
号3は配管、4、5、6はマスフローコントローラー、
PG1 は原料系の圧力を測定する圧力計を示す。
【0017】符号7は反応管を示す。この反応管7中
に、不純物拡散または結晶成長を行うべき基板(図示せ
ず)が置かれる。この反応管7中には、キャリアガスや
各種の原料ガスが輸送されるようになっている。これら
のガスは、マスフローコントローラー4、5、6によっ
てそれぞれ一定流量に調節される。また、この反応管7
の外部には、この反応管7内の雰囲気を所要のプロセス
温度に保持するための電気炉8が設けられている。
【0018】反応管7内はロータリーポンプ9によって
排気され、それによって減圧されるようになっている。
この場合、反応管7内の到達圧力(Prea )は、反応管
7内の圧力を測定する圧力計PG2 と、この圧力計PG
2 の出力に応じて後述のバタフライバルブBVの開閉率
を制御するコントローラー10と、バタフライバルブB
Vとにより構成されたAPCシステムによって設定値に
制御されるようになっている。
【0019】上述のように構成された減圧拡散/結晶成
長装置においては、マスフローコントローラー6によっ
てある値の流量(Qsou )に調節されたキャリアガス
が、恒温槽2によって一定温度に保持されている原料シ
リンダー1内の液体の原料S中に導入され、バブリング
が行われる。この結果、原料シリンダー1の温度のみで
決まる原料Sの蒸気圧(Pvap )やそのときの原料系の
圧力(Prea +Δp)などによって決まる量の成分元素
蒸気が配管3を通して反応管7中に輸送される。そし
て、あらかじめこの反応管7中に置かれ、電気炉8によ
って所要のプロセス温度に保持された基板(図示せず)
に対して不純物拡散または結晶成長が行われる。
【0020】この第1実施例においては、反応管7内に
圧力変動が生じても、反応管7内の成分元素蒸気圧(分
圧)が常に一定に制御されるようにするために、特に、
反応管7と原料系との間の配管3の抵抗を極力小さく
し、この抵抗による反応管7と原料系との間の差圧がほ
ぼ0となるように配管3が構成されている。このように
反応管7と原料系との間の差圧をほぼ0とすることによ
り上述のような効果が得られる理由について、以下に詳
細に説明する。
【0021】今、図1に示すように、原料系と反応系と
の間の配管3の途中にバッファーとなる抵抗R、例えば
ニードルバルブなどが挿入されており、そこで反応管7
と原料系との間に差圧+Δpが生じているとする。この
場合、反応管7に流れ込むガスの総流量(Qrea )は、
マスフローコントローラー4の流量Q1 、マスフローコ
ントローラー5の流量Q2 およびマスフローコントロー
ラー6の流量Qsou の合計、すなわちQ1 +Q2 +Q
sou である。
【0022】この系において、反応管7内のある成分元
素の蒸気圧(分圧)Ps を計算によって求めると、以下
のようになる。
【0023】原料シリンダー1内に導入されたキャリア
ガス(流量Qsou )中には、バブリング効率η(0≦η
≦1)を1とすると、単位体積中Pvap /(Prea +Δ
p)の割合で原料Sの蒸気が含まれる。従って、反応管
7中への原料Sの供給量は、標準体積換算で、Qsou
vap /(Prea +Δp)である。反応管7内の総流量
はQrea であるので、分圧Ps は、 Ps =Qsou ・Pvap ・Prea /Qrea (Prea +Δp) (1) のように表される。
【0024】今、反応管7内の圧力Prea に、(+ξ)
なる変動が生じたと仮定する。ただし、反応管7に導入
されるガスの総流量は三つのマスフローコントローラー
4、5、6によって完全に設定値(Qrea )に制御され
ているとし、反応管7内の圧力変動は反応管7の排気流
量(Qex)のゆらぎによってのみ生じている(準安定状
態)とする。この場合、排気流量Qexが供給流量Qrea
と等しければ、当然、反応管7内の圧力Prea は一定に
保持される。
【0025】ここで、変動後の反応管7内の圧力(P
rea +ξ)をPrea ´と書くと、ボイルの法則より、 Prea ´=Prea ・Qrea /Qex (2) が成立することが明らかである。
【0026】このときの反応管7内の原料Sの蒸気の分
圧Ps ´は、 Ps ´=Qsou ・Pvap ・(Prea +ξ)/Qrea (Prea +ξ+Δp) (3) と表される。
【0027】ここで、反応系と原料系との間の配管3に
挿入されている抵抗Rによる差圧Δpを限りなく0に近
づける(Δp→0)と、圧力変動後の反応管7内の原料
Sの蒸気の分圧Ps ´は、 Ps ´〜Qsou ・Pvap ・(Prea +ξ)/Qrea (Prea +ξ) (4) のように表される。すなわち、 Ps ´〜Qsou ・Pvap /Qrea (5) となる。
【0028】式(5)は、圧力変動がない場合の原料S
の蒸気の分圧の式(1)においてΔp=0とおくことに
より得られる値と等価であり、従って Ps ´〜Ps (6) が成立する。つまり、反応管7内に圧力変動が生じた後
も、原料Sの蒸気の分圧は変動前の値と変わらないこと
がわかる。
【0029】以上より、反応系と原料系との間の配管3
の抵抗を極力小さくし、この抵抗による反応管7と原料
系との間の差圧Δpがほぼ0となるようにすることによ
り、反応管7内に圧力変動が生じても、反応管7内の成
分元素蒸気圧(分圧)を常に一定に制御することができ
ることがわかる。
【0030】次に、上述の式(1)、(3)に実際の実
験で用いた条件値を代入し、反応管7内の圧力の変動
(+ξ)に対する成分元素蒸気圧(分圧)Ps の変化
(Ps →Ps ´)を、反応系と原料との間の配管3の抵
抗Rによる差圧Δpをパラメータとして計算した結果に
ついて説明する。ただし、この計算においては、例えば
有機金属化合物から成る原料Sの原料シリンダー1中で
の蒸気圧(Pvap )を12Torr(1.58kPa)
とし、原料シリンダー1に導入するキャリアガスの流量
(Qsou )はマスフローコントローラー6によって常に
200sccmに設定されているとする。また、反応管
7中に導入されるガスの総流量(Qrea )はマスフロー
コントローラー4、5、6の流量の合計5slmである
とする。
【0031】今、反応管7内の到達圧力(Prea )の設
定値が50Torr(6.58kPa)であるときに、
反応管7内にξ=3Torr(0.39kPa)の圧力
変動が陽圧側に生じたと仮定する。このとき、反応管7
内の原料Sの蒸気の分圧Psは、反応系と原料系との間
の差圧Δpに応じて図2に示すように変化する。図2よ
り、変動前の圧力Ps および変動後の圧力Ps ´は差圧
Δpに依存してほぼ同じ傾向で減少しているように見え
るが、圧力変動(+ξ)による成分元素蒸気圧(分圧)
の変化(Ps ´−Ps )の割合を変動前の分圧Ps で規
格化してプロットすると、明らかにΔpに依存して増加
していることがわかる。さらにまた、特に、低抵抗側、
すなわち差圧Δpが小さい側(Δp≦200Torr
(〜26kPa))での変化の割合が顕著である。
【0032】以上のことからも明らかなように、差圧Δ
pを限りなく0に近づけることにより、反応管7内の成
分元素蒸気圧(分圧)Ps の変動を格段に抑制すること
ができる。
【0033】図3および図4に、反応管7内の圧力変動
(+ξ)を10Torr(1.32kPa)と大きく強
調した場合の計算結果を示す。ここで、図3は反応管7
内の圧力が50Torr(6.58kPa)である場
合、図4は反応管7内の圧力を100Torr(13.
15kPa)まで高くした場合である。反応管7内が減
圧されるほど成分元素蒸気圧(分圧)Ps は反応管7内
圧力の影響を被るようになるが、差圧Δpを0に近づけ
ることにより、上述と同様に分圧Ps の変動の抑制の効
果を得ることができることがわかる。
【0034】この第1実施例において、反応系と原料系
との間の配管3の抵抗を極力小さくし、反応系と原料系
との間の差圧Δp→0を実現する一例を挙げると、この
反応系と原料系との間の配管3を例えば1/4インチ径
のストレート配管とし、このストレート配管にストップ
バルブやニードルバルブなどを付加した標準的な構成
で、Δp<1Torr(0.13kPa)とΔp=0に
かなり近い値を達成することができている。
【0035】以上のように、この第1実施例によれば、
反応系、すなわち反応管7と原料系との間の配管3の抵
抗を極力小さくすることにより反応管7と原料系との間
の差圧Δpをほぼ0としているので、減圧状態にある反
応管7内に圧力変動が生じても、この圧力変動に対して
反応管7内への原料Sの蒸気の供給量が自己補償的に変
化することにより、反応管7内の目的とする成分元素蒸
気圧(分圧)を常に設定値に制御することができる。こ
れによって、反応管7中での基板に対する不純物拡散ま
たは結晶成長を良好な制御性および再現性で安定して行
うことができる。
【0036】ところで、上述の配管3の抵抗によって反
応管7と原料系との間に生じる差圧(Δp)の大きさ
は、配管3内を流れるガスの種類や温度、配管3の流路
形状のみならず、管内流速によっても大きく支配され
る。そして、特に、反応管7内がある程度低い真空領域
(Prea >0.1気圧)では差圧Δp→0の実現がまっ
たく問題とならないような配管が施されていても、反応
管7内の圧力が0.1気圧以下の高真空領域では、流体
の高速化に伴い、反応管7側と原料配管との間の圧力歪
み(シフト)が顕著となり、その結果生じる差圧Δpを
無視することができなくなることが、本発明者の研究の
結果明らかにされた。
【0037】図5は、図1に示すように配管3を構成し
た場合に原料シリンダー1の出口側圧力(Psou )が、
反応管7内の到達圧力(Prea )に依存してどのように
変化するかを実際の装置で測定した結果を示す。この実
験に用いた装置は、VCRフィッティングを施した一般
的な1/4インチ径のステンレス鋼配管を採用し、これ
に組み合わせて用いる空気圧送式作動弁、ハンドバルブ
などが抵抗成分となっている。実験に用いたガスは、キ
ャリアガスとしてよく用いられる水素ガスである。
【0038】図5に示すように、反応管7内の到達圧力
が100Torr(13.16kPa)程度の真空度に
なると、配管3の抵抗による圧力歪み(シフト)、従っ
て差圧Δpが設定圧の約6%程度存在するようになり、
原料系圧力はそれにより106Torr(13.95k
Pa)に変化していることがわかる。さらに、反応管7
内の到達圧力を20Torr(2.63kPa)まで下
げると、圧力歪み(シフト)、従って差圧Δpは設定圧
のほぼ100%の20Torrまで増大し、もはや原料
系圧力は設定圧の約2倍の40Torr(5.26kP
a)以下の低圧には制御することができなくなっている
ことがわかる。
【0039】ここで、反応管7内の到達圧力を実際の装
置において20Torr(2.63kPa)に設定した
場合を例にとり、上述の式(1)、(3)に実際の実験
で用いる条件値を代入し、圧力変動(+ξ)に対する成
分元素蒸気圧(分圧)Ps の変化(Ps →Ps ´)およ
びPs の変化の割合(Ps ´−Ps )/Ps を、反応系
と原料系との間の差圧Δpをパラメータとして計算した
結果を図6に示す。この計算においては、Pvap =12
Torr(1.58kPa)、Qsou =200scc
m、Qrea =5slmであるとし、反応管7内にξ=3
Torr(0.39kPa)の圧力変動が陽圧側に生じ
たと仮定した。
【0040】図6より、圧力変動(+ξ)による成分元
素蒸気圧(分圧)Ps の変化の割合(Ps ´−Ps )/
s は、差圧Δp=20Torrが存在するPrea =2
0Torrのプロセスの場合、圧力変動前後で約7%で
あることを読み取ることができる。仮に、反応管7内の
圧力変動がξ=10Torr(1.32kPa)であっ
たと仮定して同様な計算を行うと、分圧の変化の割合は
約20%にもなる。
【0041】このように、反応管7内が高真空領域であ
るときの差圧Δpの増大は、すでに述べたように、反応
管7内の到達圧力の変動による成分元素蒸気圧(分圧)
の変動を助長する結果となる。
【0042】さて、この装置における反応系と原料系と
の間の差圧Δpは、図5の数値の指数回帰により、 Δp=41.2027−7.5226ln(Prea ) (7) と表すことができる。一般的に、この差圧Δpがどの辺
りの圧力領域で顕著になってくるかは、使用するガス
系、配管系などに応じて個々の装置により決まる。しか
しながら、配管3の抵抗に起因する圧力歪み、従って差
圧Δpが、式(7)のように反応管7内の圧力
(Prea )の項を含んだ形で表される限り、差圧Δpが
問題となる圧力領域では、以下に述べるように、反応管
7内の到達圧力と原料系の圧力との比がほぼ一定となる
ように制御する方法が上述の問題の解決に有効である。
【0043】反応管7内の原料Sの蒸気圧(分圧)Ps
が、反応管7内の到達圧力Prea に依存する関数Δp
(Prea )を含んだ形で表される場合、分圧Ps は次式
により与えられる。 Ps =Qsou ・Pvap ・Prea /Qrea (Prea +Δp(Prea ))(8)
【0044】ここで、原料系の圧力を制御する目的で、
後述のように例えばピエゾバルブなどを用いたクローズ
ドループ制御システムを付加し、式(8)の分母の原料
系圧力の項(Prea +Δp(Prea ))に新たに、制御
可能な差圧項Δpcontを加えた配管系を構成する。この
とき、制御された分圧Ps は、 Ps =Qsou ・Pvap ・Prea /(Qrea ・Psou ) (9) で表される。ただし、 Psou =Prea +Δp(Prea )+Δpcont (10) である。
【0045】このとき、原料系圧力(Psou )を反応管
7内の圧力(Prea )と全く独立に制御するのではな
く、圧力比α=Prea /Psou (0<α≦1)が常に一
定となるようにΔpcontをフィードバック制御すること
が重要な点である。
【0046】式(10)の右辺のΔpcontの項は当然、反
応管7内の到達圧力Prea の関数である。つまり、反応
管7内に圧力変動(+ξ)が生じた後の分圧Ps ´は、 Ps ´=Qsou ・Pvap ・(Prea +ξ)/(Qrea ・Psou ´) (11) のように与えられるが、原料系圧力項(Psou ´)を、 Psou ´=Prea +ξ+Δp(Prea )+Δpcont =(Prea +ξ)/α =Prea ´/α (12) となるようにΔpcontを制御することにより、 Ps ´〜Ps (13) とすることが常に実現可能となる。
【0047】圧力比αの値は、使用する圧力範囲の低い
方(高真空側)で、 Prea /α≧Prea +Δp(Prea ) (14) が成立するように設定する必要がある。ここで、式(1
4)の左辺(Prea /α)は原料系圧力(Psou )にほ
かならない。例えばα=2/3の場合について、図5を
参照して説明すると、図中に点線で示した等比直線(α
=Prea /Psou =2/3)の関係が保たれているの
は、低圧側で30Torr(3.95kPa)までであ
ることを読み取ることができる。つまり、30Torr
までの減圧プロセスでは、αは2/3以下であればよい
ことになる。
【0048】図7はこの発明の第2実施例において用い
る減圧拡散/結晶成長装置を示し、上述のように原料系
の圧力を制御する目的でクローズドループ制御システム
が設けられたものである。
【0049】すなわち、図7に示すように、この減圧拡
散/結晶成長装置においては、例えば、原料系の圧力を
測定する圧力センサーである圧力計PG1 と、後述のピ
エゾバルブPVのコントローラー11と、0〜5Vの制
御入力で動作可能な高速応答可変流量バルブであるピエ
ゾバルブPVとによりクローズドループ制御システムが
構成されており、圧力計PG1 の出力を利用してピエゾ
バルブPVを制御することにより原料系の圧力を制御す
るフィードバック制御が可能となっている。
【0050】一方、反応管7内の圧力を測定する圧力計
PG2 の出力はコンピューター12に送られ、このコン
ピューター12の出力はコントローラー11に送られる
ようになっている。
【0051】このように構成された減圧拡散/結晶成長
装置においては、反応管7内の到達圧力(Prea )が排
気系のAPC制御から外れてPrea ´に変動した場合、
または、意図的な圧力変化があった場合、圧力計PG2
の出力に応じてコンピューター12でPrea ´/αの値
を直ちに計算し、その結果に応じた圧力設定信号をコン
トローラー11に送信する。そして、このコントローラ
ー11によりピエゾバルブPVが制御され、原料系圧力
が所望の値に制御され、α=Prea /Psou が常に一定
に制御される。ここで、ピエゾバルブPVの応答性は、
制御電圧に応じて瞬時(0.5秒以内)であるので、す
でに述べたような作用により、ガスの切り替えやその他
の原因による圧力変動の影響をほとんど被ることなく、
反応管7内の特定の成分元素の蒸気圧(分圧)を設定値
通りに制御することができる。
【0052】以上のように、この第2実施例によれば、
反応管7内の到達圧力Prea と原料系の圧力Psou との
比α=Prea /Psou が一定となるように制御している
ことにより、減圧状態にある反応管7内に圧力の変動が
生じても、反応管7内の圧力によってこの反応管7への
成分元素蒸気の供給量が一定の割合(1/α)で変化
し、反応管7内の圧力変動を補償することができるの
で、反応系と原料系との間の差圧Δpが増大するような
低圧力(高真空)領域のプロセスにおいても、第1実施
例と同様に、反応管7内の目的とする成分元素蒸気圧
(分圧)を常に設定値に制御することができる。これに
よって、反応管7中での基板に対する不純物拡散または
結晶成長を良好な制御性および再現性で安定して行うこ
とができる。さらに、上述と同様な制御をαを変数とし
て積極的に行うことにより、反応管7内の成分元素蒸気
圧(分圧)を任意の値に効果的に制御することもでき
る。
【0053】この第2実施例による方法は、反応管7内
の圧力が0.1気圧(10kPa)以下の圧力領域(高
真空)であっても、有効である。
【0054】以上、この発明の実施例について具体的に
説明したが、この発明は、上述の実施例に限定されるも
のではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形
が可能である。
【0055】例えば、上述の第1実施例および第2実施
例においては、原料系における原料ガスの発生をバブリ
ング方式により行っているが、原料ガスの発生は例えば
蒸気圧差制御方式によって行うようにしてもよい。
【0056】また、第2実施例において、反応管7内の
圧力変動が生じたときのピエゾバルブPVの応答速度の
限界が問題となるような事態が生じた場合、特にガスの
切り替えなどによる圧力変動がシーケンス上であらかじ
めわかっている場合には、例えばサンプリングオシロス
コープなどで履歴データを記憶し、ピエゾバルブPVを
時間差0で制御することが可能である。さらに、この発
明は、半導体基板に不純物拡散を行う場合ばかりでな
く、半導体の結晶成長と同時にこの半導体に不純物拡散
を行う場合にも適用することが可能である。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、減圧状態にある反応管内に圧力変動が生じても、反
応管内の各成分元素蒸気圧(分圧)を一定にすることが
できることにより、良好な制御性および再現性で半導体
への不純物拡散または半導体の結晶成長を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例において用いられる減圧
拡散/結晶成長装置を示す略線図である。
【図2】分圧Ps および分圧Ps の変化(Ps ´−
s )/Ps の差圧Δpによる変化の計算結果の例を示
すグラフである。
【図3】分圧Ps および分圧Ps の変化(Ps ´−
s )/Ps の差圧Δpによる変化の計算結果の例を示
すグラフである。
【図4】分圧Ps および分圧Ps の変化(Ps ´−
s )/Ps の差圧Δpによる変化の計算結果の例を示
すグラフである。
【図5】原料系圧力Psou および差圧Δpの反応管内圧
力Prea による変化の測定結果の一例を示すグラフであ
る。
【図6】分圧Ps および分圧Ps の変化(Ps ´−
s )/Ps の差圧Δpによる変化の計算結果の例を示
すグラフである。
【図7】この発明の第2実施例において用いられる減圧
拡散/結晶成長装置を示す略線図である。
【符号の説明】
1 原料シリンダー S 原料 3 配管 4、5、6 マスフローコントローラー 7 反応管 8 電気炉 10、11 コントローラー BV バタフライバルブ PV ピエゾバルブ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧状態にある反応管中に配管を通して
    原料系から原料ガスを輸送し、上記反応管中で半導体へ
    の不純物拡散または半導体の結晶成長を行うようにした
    半導体の製造方法において、 上記配管の抵抗による上記反応管と上記原料系との間の
    差圧がほぼ0となるようにしたことを特徴とする半導体
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 液体または固体の原料を用い、上記原料
    を蒸気化することにより上記原料ガスを得るようにした
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記原料は有機金属化合物またはハロゲ
    ン化金属化合物であることを特徴とする請求項2記載の
    半導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 減圧状態にある反応管中に配管を通して
    原料系から原料ガスを輸送し、上記反応管中で半導体へ
    の不純物拡散または半導体の結晶成長を行うようにした
    半導体の製造方法において、 上記反応管内の到達圧力と上記原料系の圧力との比がほ
    ぼ一定となるようにしたことを特徴とする半導体の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 液体または固体の原料を用い、上記原料
    を蒸気化することにより上記原料ガスを得るようにした
    ことを特徴とする請求項4記載の半導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記原料は有機金属化合物またはハロゲ
    ン化金属化合物であることを特徴とする請求項5記載の
    半導体の製造方法。
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