JPH076901U - 磁気記録媒体の水平磁化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マイクロカプセルを封入したフィルム層を有
する磁気記録媒体（磁気カ−ド）に表示された目視可能
な表示内容を、小型，軽量化された水平磁化手段で消字
する。 【構成】 相対する磁極の極性が同一で、かつ所定の間
隙を保って設けられた一対の磁石体と、磁気記録媒体を
前記所定の間隙中を移動させる移動機構とからなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は磁気記録媒体の水平磁化装置に係り、特に、磁性体を内蔵したマイク ロカプセルを封入したフィルムを有する磁気記録媒体に、目視可能に記録されて いる記録内容を消去する際に用いられるものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、鉄，ニッケル等の微粒子を内蔵したマイクロカプセルを封入したフィル ムを備えた磁気記録媒体（以下、磁気カ−ドという）のフィルム面に、垂直方向 の磁界を付加して文字や図形等の表示内容を目視可能に表示することが知られて いる（例えば、特公昭４８−４１２２１号公報）。

【０００３】 このような磁気カ−ドは、フィルム面に水平磁界を付加することにより表示内 容を消去でき、再び垂直磁界を付加して新たな表示ができるので、極めて使い勝 手が優れている。

【０００４】 上記公報中の水平磁界の付加は、図２に示されているように、水平磁化装置に よって行われている。すなわち、その水平磁化装置は、一対の永久磁石３０ａ、 ３０ｂ間にコイル３１を設けるとともに、そのコイル３１の端子３１ａ，３１ｂ に交流電流を供給するようにしている。そして、この水平磁化装置で磁気カ−ド Ｃに表示されている表示内容を消去するには、コイル３１内に磁気カ−ドＣを通 過させることにより行われる。つまり、磁気カ−ドＣは、一対の永久磁石３０ａ ，３０ｂ間に流れる水平磁束（水平磁力線）（イ）とコイル３１によって形成さ れる水平磁束（ロ）とにより水平磁界が付加されて表示内容が消去される。

【０００５】 また、消去を完全に行うために、磁気カ−ドＣのコイル３１内への通過は、９ ０°回転させて２度行うようにしている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の水平磁化装置においては、コイルに交流電流を供給 するようにしているので、装置が大型化するとともに、消費電力が大きくなると いう欠点があり、また、消去率を高めるために、２度通ししなければならないと いう不都合があった。

【０００７】 また、永久磁石のみを用いて消費電力を小さくすることも試みられているが、 この場合は、大きな永久磁石を必要とし、装置全体が大型化する欠点があった。

【０００８】 そこで、本考案は、上述欠点を解決するためになされたものであって、その目 的は、小型で、かつ低コストに水平磁化を付加することにできる磁気記録媒体の 水平磁化装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る磁気カ−ドの水平磁化装置は、上記目的を達成するために、相対 する磁極の極性が同一で、かつ所定の間隙を保って設けられた一対の磁石体と、 磁気記録媒体を前記所定の間隙中を移動させる移動機構とを有することを特徴と している。

【００１０】

【作用】

上記構成において、磁気カ−ドは、一対の磁石体の間隙中に発生している強力 な水平磁力中を移動して、その磁気カードに記録されている内容が消去される。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明する。図１は、一実施例装置の正面 図であって、１ａ，１ｂは、一対の電磁石からなる磁石体であって、両者の長手 方向の軸心は同一軸心に位置し、かつ相対する磁極端間は、磁気カードＣの厚さ よりわずかに大きな所定の間隙Ｄを保って、図示しないフレームに固定されてい る。

【００１２】 各磁石体１ａ，１ｂにそれぞれ巻回されるコイル２ａ，２ｂには、相対する磁 極端の磁性が同極となるように、例えば、図示のように共にＮ極となるように、 又は共にＳ極となるように直流電流が印加されている。

【００１３】 磁気カードＣは、ローラｒ，ｒ…からなる磁気カードの一般的な搬送機構で、 一対の磁石体１ａ，１ｂの間隙Ｄ中を移動できるように構成されている。

【００１４】 磁気カードＣの移動方向は、一対の磁石体１ａ，１ｂの軸心方向と直交する方 向に移動され、その移動速度は、ローラｒ，ｒ…の搬送速度によって決定される 。この搬送速度は、一対の磁石体１ａ，１ｂの磁力により、磁気カードＣに記録 されている印字が消字される速度に決められ、一般的に、搬送速度が遅ければ消 字効果が高まる。

【００１５】 次に、本実施例装置の消字動作について説明する。今、コイル２ａ，２ｂに所 定の値の直流電流が印加されると、一対の磁石体１ａ，１ｂの間隙Ｄ中には、相 対する磁極の極性が同一なので、互いに反発しあって強烈な水平磁界が発生する 。このとき、印字されている磁気カードＣが図１の矢印で示されるように、右側 から左側の方向にローラｒ，ｒ…で搬送されて、間隙Ｄを通過するものとする。

【００１６】 間隙Ｄを通過する前の磁気カードＣは、図１のＡに示されるように、ベースＣ 1 上に設けられている磁性粒子からなるマイクロカプセルを内蔵したフィルム層 Ｃ2 は垂直方向に並んで、光線を吸収して印字状態にある。しかし、間隙Ｄを通 過した磁気カードは、図１のＢに示されるように、フィルム層Ｃ2 は水平方向に 並んで光線を反射して消字状態となる。

【００１７】 以上のように、本実施例装置は、一対の磁石体１ａ，１ｂを所定の間隙Ｄを有 して配置し、かつ相対する磁極の極性を同一としたので、装置が小型，軽量化で き、しかも消費電力が少ないにもかかわらず、間隙Ｄ中に強力な水平磁界がを発 生させることができる。したがって、この間隙Ｄ中に磁気カードＣを通過させる と効果的に消字することができる。

【００１８】 なお、上述の実施例では、磁石体１ａ，１ｂとして電磁石を用いたが永久磁石 を用いてもよい。しかし、本実施例のように電磁石とすると磁界の強さの調整が 容易で、しかも、より小型，軽量化できる利益がある。

【００１９】 さらに、本実施例の電磁石は、間隙Ｄ中に小さい電力で大きな水平磁界を得る ことができるので、消費電力が少なくてすむ特長がある。

【００２０】 また、磁気カードＣの搬送機構はローラｒ，ｒ…としたが、無端ベルト式であ ってもよい。さらに、磁気カ−ドＣを移動するようにしたが、磁気カ−ドＣは固 定とし、磁石体を移動させるようにしてもよい。

【００２１】

【考案の効果】

本考案に係る磁気カ−ドの水平磁化装置は、相対する磁極の極性が同一で、か つ所定の間隙を保って設けられた一対の磁石体と、磁気記録媒体を前記所定の間 隙中を移動させる移動機構とからなるので、小型，軽量化であっても、効果的に 消字することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例装置の正面図である。

【図２】従来装置の斜視図である。

【符号の説明】

１ａ，１ｂ 磁石体 ２ａ，２ｂ コイル Ｃ 磁気記録媒体（磁気カ−ド） Ｄ 間隙

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 相対する磁極の極性が同一で、かつ所定
   の間隙を保って設けられた一対の磁石体と、 磁気記録媒体を前記所定の間隙中を移動させる移動機構
   と、 を有することを特徴とする磁気記録媒体の水平磁化装
   置。