JPH0769016B2 - ウレタンパッキン - Google Patents

ウレタンパッキン

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JPH0769016B2
JPH0769016B2 JP3331373A JP33137391A JPH0769016B2 JP H0769016 B2 JPH0769016 B2 JP H0769016B2 JP 3331373 A JP3331373 A JP 3331373A JP 33137391 A JP33137391 A JP 33137391A JP H0769016 B2 JPH0769016 B2 JP H0769016B2
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紀一 木村
秀康 鳥居
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Regulus Co Ltd
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Nippon Valqua Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はウレタンパッキンに関
し、更に詳しくは各種物性の改良されたウレタンパッキ
ンを容易に提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】従来、各種油圧及び空圧機器のピストン
部には、ピストン用、ロッド用、ダストシール用等の各
種のパッキンが使用され、これらの成形材料の一種とし
てポリウレタンが使用されている。これらのポリウレタ
ンとしては熱可塑性ウレタンエラストマーと熱硬化性ウ
レタンエラストマーとが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】熱可塑性ウレタ
ンエラストマーからなるパッキンは、射出成形や押出成
形等によって連続的生産が可能で成形コストの面で有利
であり、柔軟性や弾性には優れているが、熱可塑性であ
ることから、耐熱性、耐油性、耐摩耗性、圧縮永久歪、
永久伸び等の性能の面で不十分である。一方、熱硬化性
ウレタンエラストマーからなるウレタンパッキンは、金
型成形により製造される為連続生産が困難で成形コスト
が高いという問題があるが、熱可塑性ウレタンエラスト
マー製パッキンに比して、柔軟性や弾性は劣るが、耐熱
性、耐油性、耐摩耗性、圧縮永久歪、永久伸び等に優れ
ている。
【0004】以上の如き問題を解決する方法として、例
えば、特開昭57−129964号公報には、ウレタン
パッキンの表面部分にのみ弗素樹脂粉末を充填埋設する
方法が記載されているが、この方法では優れた耐摩耗性
が達成されるものの、耐熱性、耐油性、圧縮永久歪、永
久伸び等に関する問題は解決されず、更に製造方法が煩
雑であるという問題がある。又、別の公知技術としては
特開昭62−57482号公報に記載の様に、ゴム製の
パッキンの表面に、弗素樹脂粉末を含む液状ゴムを塗布
した後加硫成形する方法が提案されているが、この方法
も上記の公知技術と同様の効果を奏するに過ぎず、耐熱
性、耐油性、圧縮永久歪、永久伸び等に関する問題は解
決されず、更に製造方法が煩雑である。従って、本発明
の目的は、熱可塑性ウレタンエラストマーから低コスト
で成形することが出来、柔軟性や弾性に優れると共に、
耐熱性、耐油性、耐摩耗性、圧縮永久歪、永久伸び等の
面でも優れた性能を有するウレタンパッキンを提供する
ことである。
【0005】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、任意形状のポリ
ウレタン製の一体成形パッキンにおいて、その表面層が
架橋構造を有し、内部が非架橋構造を有することを特徴
とするウレタンパッキンである。
【0006】
【作用】本発明によれば、任意形状の一体成形ウレタン
パッキンの表面層を架橋構造とし、一方、内部を非架橋
構造に保持することによって、全体として熱可塑性ウレ
タンエラストマーの特性である柔軟性及び弾性を保持し
つつ、熱硬化性ウレタンエラストマーの特性である耐熱
性、耐油性、耐摩耗性、圧縮永久歪、永久伸び等の優れ
た特性を併せ有するウレタンパッキンが提供される。
【0007】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。図1は本発明のウレタンパ
ッキンの1例の環状パッキンの断面図、図2はその使用
状態の1例を示す図であり、図3及び図4は他の例のパ
ッキンの断面を示す図である。本発明のウレタンパッキ
ンは図1〜図4に示す様に、任意の形状の一体成形ウレ
タンパッキンにおいて、その表面層1が架橋構造を有
し、その内部2が非架橋構造を有することを特徴とする
ものである。本発明のウレタンパッキンにおいて、第1
及び図2の例は、ピストン用の外径しゅう動用の1例で
あり、全体的に環状を有し、その断面がU字形状を有し
ているが、本発明は特にこれらの用途及び形状に限定さ
れるものではなく、例えば、ロッド用の内径しゅう動
用、ロッド・ピストン兼用の内・外径しゅう動用、ダス
トシール用、スリッパーシール用等いずれの用途のもの
でもよく、又、その断面形状も図1〜図4の例に特に限
定されないが、本発明において特に好ましいものは全体
形状が環状リングであり、その断面がU字形状のもので
ある。
【0008】本発明において使用するポリウレタンは従
来公知の熱可塑性ウレタンエラストマーであり、例え
ば、比較的高分子量の2官能性ポリオール(例えば、ポ
リエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、
ポリエーテルポリオール、カプロラクトンポリオール、
シリコンポリオール等)とジイソシアネートとが反応し
て生じるソフトセグメントと、比較的低分子のグリコー
ルとジイソシアネートとが反応して生じるハードセグメ
ントからなるブロックコポリマーであり、多種のものが
市場から入手出来、いずれも本発明において使用するこ
とが出来る。又、本発明においては上記の熱可塑性ウレ
タンエラストマーにおいて、 NCO/OHの比を1以下とし
た完全熱可塑性の熱可塑性ウレタンエラストマーも使用
することが出来、更に NCO/OH>1である不完全熱可塑
性の熱可塑性ウレタンエラストマーも使用することが出
来る。
【0009】以上の如き熱可塑性ウレタンエラストマー
から、例えば、図示の如き断面形状のウレタンパッキン
を形成する方法は、この熱可塑性ウレタンエラストマー
の熱可塑性を利用して射出成形又は押出成形によって連
続生産するのが好ましいが、金型注形による方法も排除
するものではない。これらの成形方法自体は従来公知の
条件に準ずればよく特に限定されない。本発明において
使用するポリイソシアネート化合物とは、2個以上のイ
ソシアネート基を有する化合物のことであり、従来のポ
リウレタン系樹脂等に関する技術において使用されてい
るポリイソシアネート化合物はいずれも使用することが
出来るものであり、例えば、2,4−トリレンジイソシ
アネート、2,6−トリレンジイソシアネート及びこの
両者の混合物、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、m−フェニレンジイソシアネート、4,4−ビフ
ェニルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート及
びテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート等の
脂肪族ジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等
の芳香脂肪族等が挙げられ、又、トリイソシアネートと
しては、4,4´,4″−トリフェニルメタントリイソ
シアネート、2,4,4´−ビフェニルトリイソシアネ
ート、2,4,4´−ジフェニルメタントリイソシアネ
ート等が挙げられる。
【0010】その他使用することが出来るポリイソシア
ネート化合物としては、これらのジ又はトリイソシアネ
ートとジオール又はトリオールの様な分子中に2個以上
の水酸基をもつ化合物と反応せしめ、反応生成物中に尚
2個以上のイソシアネート基を有する付加生成物或いは
イソシアネート重合体等が挙げられる。本発明において
特に好ましいポリイソシアネート化合物は、一体成形ウ
レタンパッキンに浸透性の良い比較的低分子量のポリイ
ソシアネート化合物である。この様なポリイソシアネー
ト化合物を一体成形ウレタンパッキンに浸透させる濃度
は、成形物の表面層100重量部当り、0.1〜70重
量部程度が好ましく、0.1重量部未満であると所望の
架橋構造を達成することが出来ず、又、70重量部を超
える量では、架橋密度が高すぎたり、未反応のポリイソ
シアネート化合物が成形物中に残る等好ましくない。こ
の様なポリイソシアネート化合物の浸透量は、所望の架
橋密度或いはウレタンパッキン中に存在する反応性基或
いは包含させた活性水素化合物に応じて任意に変えるこ
とが出来る。又、ポリイソシアネート化合物を含浸させ
る深さは、成形パッキンの形状によって種々変化し一概
には規定出来ないが、成形物の断面積で示せば、断面積
の約1〜70%程度の範囲が好ましく、上記範囲未満で
はパッキンに充分な耐熱性、耐油性、耐摩擦性等の物性
付与が出来ず、一方、上記範囲を越えると熱可塑性ウレ
タンエラストマー本来の柔軟性及び弾性が損なわれので
好ましくない。
【0011】本発明で使用する活性水素化合物は、低分
子量のポリオール、ポリアミン、ポリカルボン酸等でも
よいし、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオ
ール、ポリエステルポリカルボン酸、ポリアミドポリア
ミン等の如くオリゴマーでもよいし、更に活性水素基を
有する樹脂でもよい。低分子量の活性水素化合物の好ま
しいものとしては、エチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ナフ
チレン−ジ−β−ジヒドロキシエチルエーテル、ヒドロ
キノン−β−ジヒドロキシエチルエーテル、トリメチロ
ールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール等の低
分子量ポリオール化合物;エチレンジアミン、プロピレ
ンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、3,3´−ジクロルベンジジン、3,3´−ジクロ
ル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、2,5−ジ
クロルフェニレン−1,4−ジアミン等の低分子量ポリ
アミン;アミノ−エチルアルコール、3−アミノ−クロ
ルヘキサノール、p−アミノフェニル−エチルアルコー
ル等の低分子量アミノアルコール;シュウ酸、マロン
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
フマル酸、マレイン酸、メチルマレイン酸、メチルフマ
ル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、アセチ
レン酸、リンゴ酸、メチルリンゴ酸、クエン酸、イソク
エン酸、酒石酸等の低分子量脂肪族ポリカルボン酸;フ
タル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット
酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5
−ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸、ベンゼン
ヘキサカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレ
ントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ジフ
ェニルテトラカルボン酸、ジフェニルエーテルテトラカ
ルボン酸、アゾベンゼンテトラカルボン酸等の芳香族ポ
リカルボン酸;或いは以上の如きポリオールとポリカル
ボン酸からなるポリエステルポリオール、ポリエステル
ポリカルボン酸、ポリアミンとポリカルボン酸からなる
ポリアミドアミン、ポリアミドカルボン酸、更には前記
の如きポリオールやポリアミンを重合開始剤としてエチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレン
オキサイドを重合してなるポリエーテルポリオール等が
挙げられる。更に、この様な活性水素化合物としては、
上記の低分子量化合物、オリゴマー等に限定されず、イ
ソシアネート基と反応し得る基を有する樹脂、例えば、
ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル
系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹
脂、フェノール系樹脂、アルキッド系樹脂等の高分子化
合物でもよい。
【0012】以上の如き活性水素化合物は、前記の如き
ウレタンパッキンを成形する前に熱可塑性ウレタンエラ
ストマー中に混合してから成形物を得てもよいし、又、
ウレタンパッキンを得た後に成形物に浸透させてもよい
が、浸透に時間を要したり、困難な化合物の場合、例え
ば、前記オリゴマーや樹脂の場合には成形前の熱可塑性
ウレタンエラストマー中に包含させることが好ましい。
又、この様な活性水素化合物を熱可塑性ウレタンエラス
トマーに包含させる割合は、含浸させた前記ポリイソシ
アネート化合物の量、即ち、表面層に要求される架橋密
度及びその深さに依存する。具体的には含浸された前記
ポリイソシアネート化合物のNCO 基に対し0.5〜5当
量の範囲が好ましい。
【0013】上記の熱可塑性ウレタンエラストマー製の
一体成形パッキンの表面架橋硬化方法は、使用した熱可
塑性ウレタンエラストマーによってある程度変化するも
のであり、例えば、使用した熱可塑性ウレタンエラスト
マーが NCO/OHの比が1に近い場合には、ポリイソシア
ネート化合物のみをその表面に含浸させる方法と、ポリ
イソシアネート化合物と活性水素化合物とを併せて含浸
させる方法が利用される。ポリイソシアネート化合物の
みを含浸させる方法では、表面に含浸されたポリイソシ
アネート化合物が熱可塑性ウレタンエラストマーの主鎖
中の活性水素、例えば、-NHCOO- 基、又は-NHCONH-基等
に作用して架橋構造を生じる。尚、これらの基の架橋性
はあまり高くないので、高い架橋構造が望ましい場合に
は、成形パッキン中に予め活性水素化合物(好ましくは
オリゴマー又は樹脂)を包含させておき、ポリイソシア
ネート化合物を該活性水素化合物と反応させることが出
来る。
【0014】ポリイソシアネート化合物と活性水素化合
物の両者を含浸させる方法では、いずれを先に含浸させ
てもよいし又両者を同時に含浸させてもよいが、好まし
い方法は活性水素化合物を先に含浸させる方法である。
該活性水素化合物は成形物の表面のみに限定されず成形
物の全体に含浸させてもよく特に限定されない。ポリイ
ソシアネート化合物は成形物の表面に含浸させ内部まで
は含浸させないのがよい。勿論活性水素化合物を表面に
のみ含浸させ、ポリイソシアネート化合物を全体に含浸
させることも可能であるが、未反応のポリイソシアネー
ト化合物が内部に存在することは、得られる本発明のパ
ッキンの物性を不安定にするので好ましくない。
【0015】又、使用する熱可塑性ウレタンエラストマ
ーのNCO/OHの比が1よりかなり小さい場合には熱可塑性
ウレタンエラストマー中には水酸基が存在しているの
で、上記の例と同様にポリイソシアネート化合物のみを
使用してこのポリイソシアネート化合物と水酸基とを反
応させてもよいし、更に前述の如くポリイソシアネート
化合物と活性水素化合物を両者を含浸させてもよい。
又、使用する熱可塑性ウレタンエラストマーのNCO/OH比
が1よりかなり大である場合には、熱可塑性ウレタンエ
ラストマー中にはイソシアネート基が残っているので活
性水素化合物のみを含浸させてもよい。又、上記と同時
に両者を含浸させることも出来る。いずれにしても表面
層を十分な架橋構造とする為にはポリイソシアネート化
合物と活性水素化合物の両者を併用するのが好ましい。
【0016】以上の如きポリイソシアネート化合物及び
/又活性水素化合物は夫々単独或いは混合物としていず
れも使用することが出来るものであり、この様なポリイ
ソシアネート化合物及び/又は活性水素化合物を一体成
形ウレタンパッキンの表面層に浸透させる方法として
は、(1)これらのポリイソシアネート化合物及び/又
は活性水素化合物を加熱して溶融液として使用する方
法、(2)適当な有機溶剤に溶解して溶液として使用す
る方法、(3)加熱ガス化して気体として使用する方法
等いずれの方法でもよい。上記方法のうち好ましいのは
(2)の方法であり、有機溶剤としてイソシアネート基
に対して不活性であり且つ熱可塑性ウレタンエラストマ
ーを膨潤させる溶剤、例えば、メチルエチルケトン、ト
ルエン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド或いはこれ
らの混合物等を用いることにより、熱可塑性ウレタンエ
ラストマー中にポリイソシアネート化合物及び/又は活
性水素化合物を良好に含浸させ且つ含浸深さも容易に制
御することが出来る。勿論前記の様に活性水素化合物は
予め成形物に包含させておいてもよい。
【0017】以上の如くして成形物の所望部分にポリイ
ソシアネート化合物及び/又は活性水素化合物を浸透さ
せるが、ポリイソシアネート化合物と活性水素化合物と
の反応は、常温でも長時間かけることによって進行する
ので加熱は必須の条件ではない。しかしながら、一般的
には、ポリイソシアネート化合物及び/又は活性水素化
合物を浸透させたウレタンパッキンを50〜200℃程
度の適当な温度に数分〜数時間加熱してイソシアネート
基による反応、即ち、架橋反応を促進させるのが好まし
い。以上の如くして本発明のウレタンパッキンが得られ
る。
【0018】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に断りのな
い限り重量基準である。 実施例1 市販のJIS Aコード90のポリエステル系熱可塑性ウレ
タンエラストマーを用いて射出成形方法により図3の如
き断面形状で内径53mm、外径63mm及び高さ6mmの断
面U型ピストンパッキンを成形した。このUパッキンを
エチレンジアミンの50%濃度のメチルエチルケトン溶
液中に3時間浸漬させた後取り出して表面を軽く拭いて
風乾した。次にこのエチレンジアミン含浸Uパッキンを
90℃の4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート
中に10分間浸漬し、取り出して表面のイソシアネート
を拭き取った後100℃で12時間加熱処理して表面層
に架橋構造を形成した。この本発明のUパッキンをナイ
フで切断してその断面を観察したところ、表面から約
0.5mmの厚みにわたって不透明化しており、その部分
が架橋構造となっていることが認められ、その他の内部
は透明なままであり、架橋構造は認められなかった。こ
の本発明のウレタンパキンと上記処理前のウレタンパッ
キンン(比較例)を比較したところ下記表1の結果を得
た。
【0019】実施例2 市販のJIS Aコード90のポリカーボネート系熱可塑性
ウレタンエラストマーを用いて射出成形方法により図4
の如き断面形状で内径53mm、外径63mm及び高さ6mm
の断面U型ピストンパッキンを成形した。このUパッキ
ンを1,4−ブタンジオール/トリメチロールプロパン
=2/3モル比の混合物を含むメチルエチルケトン/ジ
メチルホルムアミド=95/5の重量比の混合溶剤に含
む30%溶液中に60℃で1時間浸漬させた後取り出し
て表面を軽く拭いて風乾した。次にこの含浸Uパッキン
を70℃のトリレンジイソシアネートの50%トルエン
溶液中に1時間浸漬し、取り出して表面のイソシアネー
トを拭き取った後110℃で24時間加熱処理して表面
層に架橋構造を形成した。このUパッキンをナイフで切
断してその断面を観察したところ表面から約0.1mmの
厚みにわたって不透明化しており、その部分が架橋構造
となっていることが認められ、その他の内部は透明なま
まであり、架橋構造は認められなかった。この本発明の
ウレタンパッキンと上記処理前のウレタンパッキン(比
較例)を比較したところ下記表1の結果を得た。
【0020】実施例3 実施例1における材料に代えて、下記の活性化合物及び
ポリイソシアネートを使用し、他は実施例1と同等にし
て本発明のウレタンパッキンを得た。 活性水素化合物=グリセリン ポリイソシアネート化合物=トリレンジイソシアナート
のトリメチロールプロパン付加体 この本発明のウレタンパッキンと上記処理前のウレタン
パッキン(比較例)を比較したところ下記表1の結果を
得た。 実施例4 実施例1における材料に代えて、下記の活性化合物及び
ポリイソシアネートを使用し、他は実施例1と同等にし
て本発明のウレタンパッキンを得た。 活性水素化合物=トリエタノールアミン ポリイソシアネート化合物=ヘキサメチレンジイソシア
ナートのトリメチロールプロパン付加体 この本発明のウレタンパッキンと上記処理前のウレタン
パッキン(比較例)を比較したところ下記表1の結果を
得た。
【0021】
【表1】
【0022】試験方法 柔軟性;クラッシュベルグ法 弾力性;JIS K6301 反発弾性試験 耐熱性;100℃ギヤオーブン中で1,000時間 耐油性;100℃のA重油中で1,000時間 耐摩耗性;テーバー式ホイールH−22荷重1Kg1,0
00回転 圧縮永久歪;JIS K6301 永久伸び;JIS K6301評価基準 ◎=優 ○=良 △=可 ×=不可
【0023】
【効果】以上の如き本発明によれば、任意形状のウレタ
ンパッキンの表面層を架橋構造とし、一方、内部を非架
橋構造に保持することによって、全体として熱可塑性ウ
レタンエラストマーの特性である柔軟性及び弾性を保持
しつつ、熱硬化型ウレタンエラストマーの特性である耐
熱性、耐油性、耐摩耗性、圧縮永久歪、永久伸び等の優
れた特性を併せ有するウレタンパッキンが提供される。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウレタンパッキンの断面を示す図。
【図2】本発明のウレタンパッキンの使用の1例を図解
的に示す図。
【図3】本発明のウレタンパッキンの他の例の断面を示
す図。
【図4】本発明のウレタンパッキンの他の例の断面を示
す図。
【符号の説明】
1:架橋構造 2:非架橋構造 3:シリンダー 4:ピストン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 任意形状のポリウレタン製の一体成形パ
    ッキンにおいて、その表面層が架橋構造を有し、内部が
    非架橋構造を有することを特徴とするウレタンパッキ
    ン。
  2. 【請求項2】 ポリウレタンが熱可塑性ウレタンエラス
    トマーである請求項1に記載のウレタンパッキン。
  3. 【請求項3】 形状が環状である請求項1に記載のウレ
    タンパッキン。
  4. 【請求項4】 断面がU字形状である請求項1に記載の
    ウレタンパッキン。
  5. 【請求項5】 油圧及び空圧機器用である請求項1に記
    載のウレタンパッキン。
  6. 【請求項6】 架橋構造がパッキンの断面積の1〜70
    %の範囲に形成されている請求項1に記載のウレタンパ
    ッキン。
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