JPH0769008A - レース用スリックタイヤ - Google Patents

レース用スリックタイヤ

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JPH0769008A
JPH0769008A JP5220962A JP22096293A JPH0769008A JP H0769008 A JPH0769008 A JP H0769008A JP 5220962 A JP5220962 A JP 5220962A JP 22096293 A JP22096293 A JP 22096293A JP H0769008 A JPH0769008 A JP H0769008A
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JP
Japan
Prior art keywords
tread
tire
sipe
peeling
race
Prior art date
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Pending
Application number
JP5220962A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Suganuma
寿夫 菅沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
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Publication of JPH0769008A publication Critical patent/JPH0769008A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行中のトレッド剥離に際し、車両コントロ
ールを失うような全面にわたるトレッド剥離を防止でき
るレース用スリックタイヤを提供すること。 【構成】 トップトレッド層20の車両幅方向内側のト
レッド端部近傍に、タイヤ周方向に沿って延びるサイプ
30を形成する。サイプ30は、トレッド端からトレッ
ド幅Wの1/5〜1/20の位置に設け、深さは、トレ
ッドゲージTの1/2〜2/3の深さとする。トップト
レッド層20が何等かの要因で車両幅方向内側の端部か
ら剥離を生じた場合、その剥離はサイプ30のところで
止まるため、全面的なトレッド剥離が瞬時にして起こる
のを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーシングカー等に装着
されるレース用スリックタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車レースにおいて、ドライ路面状況
では排水のための溝を持たないスリッックタイヤが使用
される。近年の車両性能の向上は著しく、特にグループ
Cカテゴリーの車両にいたっては最高速度は350km/h
をオーバーする。このような高速走行をする車両に装着
されるタイヤは、この厳しい条件に耐えなければならな
い。このため、タイヤは形状や構造の工夫、また高速走
行時に生じる発熱に耐える材料の使用などにより、高速
耐久性を確保している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような対策を行っても、走行時の路面温度や車両への装
着状況といった種々の要因により、走行中にトレッド剥
離等のタイヤ故障を生じることがある。高速走行中に発
生するトレッド剥離は一瞬にして起こり、またタイヤ全
面にわたる場合が殆どである。この結果、剥離したトレ
ッドで車両が破損したり、また左右の片側のタイヤにト
レッド剥離が起これば操安バランスが崩れ、車両のコン
トロールを失えば、大きな事故に至り大変危険である。
このトレッド剥離の問題は、タイヤの形状、構造、材料
をどんなに工夫しても確実に防げるという保証はない。
【0004】本発明は上記事実を考慮し、万一、走行中
にトレッド剥離が生じた際に、車両コントロールを失う
ようなタイヤ全面にわたるトレッド剥離を生じる前に運
転者に感知せしめ、車両のコントロールを維持しつつ、
減速、停止を可能にすることのできるレース用スリック
タイヤを提供することが目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のレース用スリッ
クタイヤは、トレッドの端部近傍にタイヤ周方向に延び
るサイプを配置したことを特徴としている。
【0006】
【作用】本発明のレース用スリックタイヤによれば、サ
イプの設けられている側のトレッド端部側からトレッド
剥離が生じ、そのトレッド剥離が進展しても、その剥離
はサイプのところで止まるため、瞬時にして起こる全面
的なトレッド剥離を防止することができる。
【0007】したがって、本発明のレース用スリックタ
イヤをレース用車両に装着する場合には、トレッド剥離
が始まる側にサイプの設けられている側をあわせて装着
する。
【0008】
【実施例】本発明のレース用スリックタイヤの一実施例
を図1にしたがって説明する。
【0009】図1に示すように、レース用スリックタイ
ヤ10は、一対のビードコア12(図1では一方のみ図
示)と、一方のビードコア12から他方のビードコア1
2に亘ってトロイド状に延びるカーカス層14とを有
し、このカーカス層14は少なくとも1枚のカースプラ
イ、本実施例では2枚のカーカスプライ16及びカーカ
スプライ18から構成されている。
【0010】カーカスプライ16、18の端末部は、ビ
ードコア12の回りをタイヤ内側から周回してタイヤ半
径方向外側に向かって折り返されており、タイヤ内側の
カーカスプライ16の折り返し端部16Aがタイヤ外側
のカーカスプライ18の折り返し端部18Aよりもタイ
ヤ半径方向外側へ所定寸法離間して配置されている。
【0011】カーカスプライ16、18は、熱収縮性有
機繊維、例えばナイロン、ポリエステル等の繊維を複数
本撚り合わせた構造のコードをゴムコーティングして形
成されており、コード方向はラジアル方向とされてい
る。本実施例では、ナイロン製のコードが使用されてお
り、カーカスプライ16のコード方向とカーカスプライ
18のコード方向とは赤道面を挟んで小角で互いに交差
している。
【0012】また、カーカスプライ16、18の折り返
し部16B、18Bの内側には、隣接して一枚のワイヤ
ーインサート19が配設されている。
【0013】カーカス層14のタイヤ幅方向(矢印A方
向)外側には、サイドゴム層28が配置されており、カ
ーカス層14のタイヤ半径方向外側には、ベルト層22
が配置されている。
【0014】ベルト層22は、2枚のベルトプライ2
4、26を有している。これらのベルトプライ24、2
6内には、タイヤ周方向に対して傾斜した多数本のスチ
ールコードが埋設されており、これらのスチールコード
は隣接するベルトプライにおいて互いに交差している。
また、ベルト層22の半径方向外側には、1枚のナイロ
ンベルト補強層27が配置されている。
【0015】ナイロンベルト補強層27のタイヤ半径方
向外側には、トレッド部を形成するトップトレッド層2
0がサイドゴム層28を跨ぐように配設されている。本
実施例のトップトレッド層20のゴムゲージTは6mmに
設定されている。
【0016】トップトレッド層20のトレッド端部20
A近傍には、タイヤ周方向に沿って連続して延びるサイ
プ30が形成されている。このサイプ30は、トレッド
端20Aからトレッド幅Wの1/5〜1/20の位置に
設けることが好ましい。1/20未満であるとサイプ3
0を超えて剥離が生じる恐れがあるため1/20とし、
また、あまり内側に配置すると始めの剥離を小領域にと
どめる効果が薄れるため1/5以下にするのである。本
実施例では、サイプ30がトレッド端からトレッド幅W
の1/10の位置に設けられている。
【0017】このサイプ30は、接地時に実質的に閉じ
る溝幅とすることが好ましい。また、サイプ30の深さ
は、トレッドゲージTの1/2〜2/3の深さとするこ
とが好ましい。本実施例では、サイプ30の深さがトレ
ッドゲージTの2/3の寸法(4mm)に設定されている
(図2参照)。
【0018】なお、サイプ30の形成方法としては、タ
イヤ成型をする加硫モールドに薄肉のブレードを設けて
形成する方法、スリックタイヤに刃物等にて形成する方
法等が上げられる。
【0019】次に本実施例の作用を説明する。本実施例
のレース用スリックタイヤ10を、レース用車両に装着
する場合、図3に示すように、サイプ30の形成されて
いる側を車両内側(矢印IN方向)へ向けて装着する。
【0020】レース用車両において、特にラジアル構造
のタイヤは主として操安性の面より、車両に対しネガテ
ィブキャンバーで装着される。このため、タイヤへの入
力は車両幅方向内側の端部の方が車両幅方向外側の端部
よりも厳しい。このため、トレッド剥離も、先ずタイヤ
の車両幅方向内側の端部から生じ、これが核となって瞬
時にタイヤ全面にわたる剥離へと拡大する。
【0021】本実施例のレース用スリックタイヤ10の
トップトレッド層20が何等かの要因で車両幅方向内側
のトレッド端部20Aから剥離を生じた場合、その剥離
は、サイプ30のところで止まるため、全面的なトレッ
ド剥離が瞬時にして起こるのを防止することができる。
【0022】このように、サイプ30までのトレッド剥
離が生じた段階で、ドライバーは、剥離の際の衝撃、部
分的な剥離を生じたタイヤから発生する振動、操縦性の
悪化等でタイヤの異常を感知することができる。この時
点では、トップトレッド20はサイプ30までの剥離は
進んでいるが、トップトレッド20の大部分は残ってい
るため、ドライバーは車両を安全に減速、停止させると
ができる。
【0023】特に、偏平率が60%以下、タイヤ幅が2
50mm以上になる高速レース用スリックタイヤでは、タ
イヤの車両幅方向内側トレッド端部への入力は、車両幅
方向外側トレッド端部よりも更に厳しくなっており、こ
の部分にサイプ30を設けておけば、より早く、より安
全な段階でタイヤ故障を感知せしめることが可能であ
る。
【0024】また、サイプ30は、接地時に実質的に閉
じる極めて細い溝のため、サイプ30を入れること自体
がタイヤの高速耐久性を低下させたり、操安性を損なわ
せたりすることはない。
【0025】なお、前記実施例では、トップトレッド層
20にサイプ30を1本設ける構成としたが、本発明は
これに限らず、サイプ30は2本以上設けてもよい。こ
れによって、トレッド剥離は段階的となり全面的なトレ
ッド剥離が瞬時にして起こることを防止することができ
る。
【0026】また、サイプ30は周方向に連続している
ことが好ましいが、トレッド剥離をそこで阻止できるの
であれば断続的であってもよい。
【0027】さらに、サイプ30のサイプ底をフラスコ
状にすると、ここからの亀裂発生に対する抑制効果があ
る。
【0028】また、前記実施例では、レース用スリック
タイヤ10を車両に装着する場合、サイプ30の設けら
れた側を車両内側にして装着したが、必ずしもサイプ3
0の設けられた側を車両内側にして装着することはな
く、条件によってはサイプ30の設けられた側を車両外
側にして装着してもよい(トレッド剥離が車両幅方向外
側から生じる場合等)。
【0029】〔試験例〕本発明の効果を調べるために、
従来のレース用スリックタイヤ(前輪用及び後輪用)と
本発明の適用されたレース用スリックタイヤ(前輪用及
び後輪用)を用意し、各々について高速耐久ドラム試験
(ドラム直径3m)を実施した。
【0030】試験タイヤはグループCカテゴリー用とさ
れ、サイズは、前輪用が320/30R17であり、後
輪用が350/40R19である。
【0031】本発明の適用されたレース用スリックタイ
ヤは前述した実施例のタイヤ(図1参照)であり、従来
のレース用スリックタイヤは前述した実施例のタイヤに
おいて、サイプの形成されていないタイヤである。
【0032】高速耐久ドラム試験の試験条件は以下の表
1の通りであり、試験タイヤをサイプ30を付けた側に
傾斜(ネガティブキャンバ)させて試験を実施した。ド
ラムテスト結果は以下の表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】上記表1の試験結果からも、サイプがトレ
ッド剥離の拡大を防止していることは明らかであり、こ
のことからレース用スリックタイヤの安全性向上に効果
があるとが分かる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のレース用
スリックタイヤは上記構成としたので、走行中にトレッ
ド剥離が生じた際に、車両コントロールを失うようなタ
イヤ全面にわたるトレッド剥離を生じる前に運転者に感
知せしめ、車両のコントロールを維持しつつ、安全に減
速、停止を可能にできるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るレース用スリックタイ
ヤの子午線断面図である。
【図2】サイプの拡大断面図である。
【図3】レース用車両に取り付けたレース用スリックタ
イヤの正面図である。
【符号の説明】
10 レース用スリックタイヤ 20 トップトレッド層 30 サイプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッドの端部近傍にタイヤ周方向に延
    びるサイプを配置したことを特徴とするレース用スリッ
    クタイヤ。
JP5220962A 1993-09-06 1993-09-06 レース用スリックタイヤ Pending JPH0769008A (ja)

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JP5220962A JPH0769008A (ja) 1993-09-06 1993-09-06 レース用スリックタイヤ

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ID=16759290

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JP5220962A Pending JPH0769008A (ja) 1993-09-06 1993-09-06 レース用スリックタイヤ

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Cited By (5)

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