JPH11301213A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JPH11301213A
JPH11301213A JP10109338A JP10933898A JPH11301213A JP H11301213 A JPH11301213 A JP H11301213A JP 10109338 A JP10109338 A JP 10109338A JP 10933898 A JP10933898 A JP 10933898A JP H11301213 A JPH11301213 A JP H11301213A
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tire
groove
tread
line
grooves
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Hiroyuki Matsumoto
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/13Tread patterns characterised by the groove cross-section, e.g. for buttressing or preventing stone-trapping
    • B60C11/1376Three dimensional block surfaces departing from the enveloping tread contour
    • B60C11/1384Three dimensional block surfaces departing from the enveloping tread contour with chamfered block corners

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 轍などの凹部形成路面走行で耐ワンダリング
性に優れる空気入りラジアルタイヤを提供する。 【解決手段】 最大負荷能力に対応する空気圧充てんタ
イヤを最大負荷能力の70%に相当する荷重負荷で平板に
垂直に押圧したトレッド部の接地状態にて、接地幅の10
%以上の距離を接地幅端から隔てるトレッド部ショルダ
領域に子午断面への投影長さをもちトレッド部端に開口
する複数本の溝と、該溝によりトレッド周方向に分断さ
れる陸部とを有し、タイヤの荷重負荷転動下の蹴出し側
のみの各分断陸部が溝縁に沿う残存面取り部を有し、ま
た溝切込み方向の溝幅中央を連ねる線が溝縁両端を結ぶ
線分の中点を足とする垂線に対しトレッド部表面から溝
底に向けタイヤ回転方向と反対向きで傾斜し、傾斜角度
がタイヤ赤道面に最も近い傾斜位置からトレッド部端に
向うにつれ漸増する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空気入りラジア
ルタイヤ、より詳細には乗用車やトラック及びバスなど
の車両の用途に供する空気入りラジアルタイヤに関し、
特に、走行方向を横切る向きに傾斜部分、例えば轍など
の凹部分を有する路面を高速走行する際に発生する、ド
ライバが予測し得ないタイヤの複雑な挙動、いわゆるワ
ンダリング現象を抑制して直進走行安定性を向上させた
空気入りラジアルタイヤ、なかでも小さな偏平率を有す
る高性能ラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】空気入りラジアルタイヤ、特に高性能ラ
ジアルタイヤは、最近の車両の高出力化に伴い、車両旋
回時に生じる車両の遠心力に見合う横力を発生させるた
めに大きな横剛性を有すること、また高速走行時の駆動
・制動性能、操縦安定性などが高度に優れていることが
必要であるため、偏平率を小さくしてサイドウォール部
高さを抑えトレッド部の接地幅を成るべく広くするタイ
ヤ形状を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高性能ラジアルタイヤ
は、平坦路面走行では優れた操縦安定性を発揮する反
面、轍の凹部などのような傾斜面を有する路面を高速走
行する場合、タイヤには路面の凹部の傾斜度合いに応じ
て不均一な力が作用する結果、複雑な挙動を示す。
【0004】例えば小さな偏平率を有するタイヤ、特に
偏平率が60%以下の乗用車用ラジアルタイヤは、傾斜
路面Isを走行するタイヤ20の正面又は背面を示す図
8を参照して、傾斜路面Isから受ける登り勾配方向
(矢印にて示す向き)のキャンバースラストFcにより
タイヤ20の回転軸心X−X方向分力の横力Fyを発生
し、この横力Fyにより傾斜路面Isを駆け登る力を車
両に作用させるので、直進走行安定性を損なう。一般に
傾斜路面Isの勾配が同一の場合、偏平率が小さいタイ
ヤ程横力Fyの値は大きい。なお符号Frは傾斜路面I
sに垂直なタイヤ20への反力である。
【0005】傾斜路面Isを走行するタイヤ20にキャ
ンバースラストFcが発生する理由は次の通りである。
すなわち図8に示すタイヤ20を断面としてこれを図9
に示すように、走行中のタイヤ20はその回転軸心X−
Xに対し垂直方向に作用する負荷荷重Wにより傾斜路面
Isの登り勾配上方側であればある程路面Isにより一
層強く押圧され、登り勾配下方側では寧ろ路面Isから
浮き気味となる。
【0006】その結果、タイヤ20への垂直負荷荷重W
の下で、傾斜路面Isの登り勾配上方側を押圧するタイ
ヤ20のサイドウォール部21の撓み変形量は登り勾配
下方側サイドウォール部21の撓み変形量に比し著しく
大きく、この登り勾配上方側の大きな撓み変形は矢印A
方向に向くカーカスプライの倒れ込み変形をもたらし、
この変形に伴い倒れ込み変形するカーカスプライに近い
ベルト22部分には矢印B方向の曲げ変形が生じるた
め、曲げ変形するベルト22部分を覆うトレッドゴム2
3部分にせん断変形が生じる。その結果タイヤ20のト
レッドゴム23には全体として傾斜路面Isを登る、矢
印C方向へ向くせん断力が発生し、このせん断力の接地
面全体における合力がキャンバースラストFcに他なら
ない、ということである。
【0007】つまり上述したように、走行中のタイヤ2
0のトレッド部が傾斜路面Isに多少なりとも乗り上げ
るとタイヤ20には傾斜路面Isの登り勾配向きのキャ
ンバースラストFcが発生し、その横力Fy成分により
ドライバの意図とは無関係に高速走行中の車両は急速に
傾斜路面Isを駆け登る挙動を示す、いわゆるワンダリ
ング現象を呈し、車両の直進走行安定性が著しく損なわ
れることになる。
【0008】このワンダリング改善のためトレッド部の
端縁部に面取りを施したり、多数本のサイプ(スリッ
ト)加工を施し、これによりキャンバースラストFcの
低減を図ることが提案されているが、いずれも糊塗的な
対策手段に過ぎず、特に偏平率60%以下の高性能ラジ
アルタイヤでは全く不十分なものと言わざるを得ず、高
性能ラジアルタイヤに相応しい高度に優れた直進走行安
定性を発揮できるタイヤが望まれているのが現状であ
る。
【0009】従ってこの発明の請求項1〜7に記載した
発明は、轍のように両側に登り勾配の傾斜面を有する凹
部が形成されている路面走行でのワンダリング現象の発
生を抑制して高速での直進走行安定性に優れる空気入り
ラジアルタイヤ、特に偏平率が60%以下の高性能ラジ
アルタイヤの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の請求項1に記載した発明は、一対のビー
ド部及び一対のサイドウォール部と、両サイドウォール
部に連なるトロイド状トレッド部とを有し、これら各部
をビード部内に埋設したビードコア相互間にわたり補強
する1プライ以上のラジアルカーカスと、該ラジアルカ
ーカスの外周でトレッド部を強化するベルトとを備え、
回転方向指定のトレッドパターンを有する空気入りラジ
アルタイヤにおいて、上記タイヤの最大負荷能力に対応
する空気圧を充てんしたタイヤを前記最大負荷能力の7
0%に相当する荷重負荷の下で平板に垂直に押圧したト
レッド部の接地状態にて、トレッド部接地幅の10%以
上の距離を接地幅端から隔てるトレッド部ショルダ領域
の、トレッド部端を含む少なくとも一部領域が、タイヤ
の回転軸心を含む平面への投影長さをもちトレッド部端
に開口する複数本の溝と、これらの溝によりトレッド周
方向に分断される陸部とを有し、かつタイヤの荷重負荷
転動下にて後から接地する側のみの各分断陸部の、トレ
ッド部端を含む少なくとも一部陸部が、溝縁に沿う残存
面取り部を有することを特徴とする空気入りラジアルタ
イヤである。
【0011】ここに上記のタイヤの最大負荷能力とは、
JATMA YEAR BOOK(1998年版)に記
載された該当タイヤ種類毎の「空気圧−負荷能力表」に
掲載されている負荷能力(kg) のうちの最大負荷能力
(太字記載)を指し、最大負荷能力に対応する空気圧も
上記「空気圧−負荷能力表」に掲載されている空気圧
(kPa 又はkgf/cm2)の値を用いるものとする。上記接地
幅もまたJATMA YEAR BOOK(1998年
版)の「一般情報」のうちの「2.用語の定義」に記載
されている「接地幅」の定義に従う。なおタイヤに空気
圧を充てんし荷重を負荷するため用いるリムは、同じく
JATMA YEAR BOOK(1998年版)に記
載されている「タイヤの適用リム」の表に掲載されてい
る該当タイヤ種類毎、タイヤサイズ毎の適用リムであ
る。以上述べたところは以下同じであり、JATMA
YEAR BOOK(1998年版)に記載された上記
諸事項は以下単にJATMA規格と略記する。
【0012】請求項1に記載した発明の好適実施形態と
して、請求項2に記載した発明のように、上記残存面取
り部表面が、上記溝の溝幅方向直線を含み上記平板表面
と互いに垂直な平面による断面にて円弧形状及び直線形
状の少なくとも一方の形状を有するものとし、さらに請
求項1、2に記載した発明を発展させた構成として、請
求項3に記載した発明のように、上記残存面取り部は、
タイヤ赤道面に最も近い位置からトレッド部端に向うに
つれ面取り度合いが漸増するものとする。
【0013】また請求項1〜3に記載した発明をさらに
発展させた構成は、請求項4に記載した発明のように、
前記複数本の溝それぞれのトレッド部端を含む一部溝又
は全溝の溝幅方向直線を含み上記平板表面と互いに垂直
な平面による溝断面にて、溝深さ方向の溝幅中央を連ね
る線が、上記溝幅方向直線上の溝縁両端を結ぶ線分の中
点を足とする垂線に対しトレッド部表面から溝底に向け
3°以上の角度で傾斜し、その傾斜方向をタイヤ回転方
向と反対向きとするものである。溝縁両端を結ぶ線分の
垂線に対する傾斜角度の上限は良好な耐偏摩耗性保持の
点で20°とするのが望ましい。なお上記の溝幅方向直
線とはトレッド部接地面における溝幅中央を連ねる線の
法線乃至垂線とその延長線を指す。以下同じである。
【0014】ここに請求項4に記載した発明を発展させ
た構成は、請求項5に記載した発明のように、上記溝断
面における溝深さ方向の溝幅中央を連ねる線の上記垂線
に対する傾斜角度が、タイヤ赤道面に最も近い位置から
トレッド部端に向うにつれ漸増するものである。
【0015】また前記目的を達成するため、この発明の
請求項1に記載した発明とは別の請求項6に記載した発
明は、一対のビード部及び一対のサイドウォール部と、
両サイドウォール部に連なるトロイド状トレッド部とを
有し、これら各部をビード部内に埋設したビードコア相
互間にわたり補強する1プライ以上のラジアルカーカス
と、該ラジアルカーカスの外周でトレッド部を強化する
ベルトとを備え、回転方向指定のトレッドパターンを有
する空気入りラジアルタイヤにおいて、上記タイヤの最
大負荷能力に対応する空気圧を充てんしたタイヤを前記
最大負荷能力の70%に相当する荷重負荷の下で平板に
垂直に押圧したトレッド部の接地状態にて、トレッド部
接地幅の10%以上の距離を接地幅端から隔てるトレッ
ド部ショルダ領域の、トレッド部端を含む少なくとも一
部領域が、タイヤの回転軸心を含む平面への投影長さを
もちトレッド部端に開口する複数本の溝と、これらの溝
によりトレッド周方向に分断される陸部とを有し、かつ
上記複数本の溝それぞれのトレッド部端を含む一部溝又
は全溝の溝幅方向直線を含み上記平板面と互いに垂直な
平面による溝断面にて、溝切込み方向の溝幅中央を連ね
る線が、上記溝幅方向直線上の溝縁両端を結ぶ線分の中
点を足とする垂線に対しトレッド部表面から溝底に向け
タイヤ回転方向と反対向きで傾斜し、その傾斜角度がタ
イヤ赤道面に最も近い傾斜位置からトレッド部端に向う
につれ漸増して成ることを特徴とする空気入りラジアル
タイヤである。
【0016】ここに上記のタイヤの最大負荷能力、最大
負荷能力に対応する空気圧、接地幅及びタイヤに空気圧
を充てんし荷重を負荷するため用いるリムとは全て先に
述べたJATMA規格に従い、溝幅方向直線も先の定義
に従う。
【0017】請求項6に記載した発明の実施形態におい
ては、請求項7に記載した発明のように、上記溝幅方向
直線上の溝縁両端を結ぶ線分の中点を足とする垂線に対
する、溝切込み方向の溝幅中央を連ねる線の溝底からの
傾斜角度を3°以上とする。この傾斜角度の上限は20
°とするのが良好な耐偏摩耗性を保持する上で望まし
い。
【0018】以上請求項1〜7に記載した溝及び溝に関
連する事項に関し、ここに言う溝とは、広幅の溝すなわ
ち一般呼称としての溝、この溝より狭幅の溝すなわち一
般呼称としての細溝、この細溝よりさらに狭幅の一般呼
称としてのサイプ(スリット)の全てを総称するもので
あり、よって溝は広幅溝(溝)、細溝及びサイプのうち
少なくとも一つを指し、これらそれぞれの単独配設の場
合と組合せ混在配設の場合との双方を可とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態の一
例を図1〜図5に基づき説明する。図1は、この発明の
一実施形態例における空気入りラジアルタイヤの左半断
面図であり、図2は、図1に示すタイヤトレッド部の一
実施形態例のフットプリントによる接地形状転写図であ
り、図3は、図1に示すタイヤトレッド部の別の実施形
態例のフットプリントによる接地形状転写図であり、図
4は、図2に示す接地形状転写図を得るタイヤの同図上
のVI−VI線に沿う断面図であり、図5は、図3に示す接
地形状転写図を得るタイヤの同図上のV−V線に沿う断
面図である。
【0020】図1において、空気入りラジアルタイヤ1
(以下タイヤ1という)は、一対のビード部2(片側の
み示す)と、一対のサイドウォール部3(片側のみ示
す)と、一対のサイドウォール部3にトロイド状をなし
て連なるトレッド部4とを有しビード部3内に埋設した
ビードコア5相互間にわたり上記各部2、3、4を補強
する1プライ以上、図示例は2プライ6−1、6−2の
ラジアル配列コードのゴム被覆になるカーカス6と、カ
ーカス6の外周でトレッド部3を強化するベルト7とを
備え、さらにベルト7の外周側にトレッドゴム8を有す
る。図示例は乗用車用タイヤ1であり、カーカス6には
有機繊維コード、例えばポリエステルコードを適用し、
ベルト7には2層のスチールコード交差層と最外層には
ナイロンコードの螺旋巻回になるキャッププライとを適
用する。
【0021】タイヤ1をJATMA規格が定める適用リ
ム(図示省略)に組み付け、これにJATMA規格が定
める最大負荷能力に対応する空気圧を充てんし、タイヤ
1と適用リムとの組立体(図示省略)を表面が平面をな
す平板に対し静止させた状態で垂直方向に最大負荷能力
の70%に相当する荷重Wの負荷の下で平板に押圧す
る。
【0022】そのときしかるべき手段、例えばトレッド
部4の踏面4tに遅乾性の塗料を塗布し、ケント紙のよ
うに比較的高い引張強度をもち紙厚が比較的厚い紙でか
つ塗料の転写可能な紙を平板上に固定する手段を用い、
トレッド部4踏面4tの接地状態をあたかもプリントし
たように正確に再現させ得る、いわゆるフットプリント
を採る。このフットプリントの転写部分を縁取りしたの
が図2及び図3に示す接地形状転写図である。
【0023】以下述べるところは図2、3に示す踏面4
tの接地形状転写図をタイヤ1に当てはめ用いて、荷重
Wの負荷の下の接地状態におけるトレッド部4は、タイ
ヤ赤道面Eを通る1本の直状の中央主溝10と、その両
側に1本宛の直状の側方主溝11とを有し、さらに中央
主溝10の両側で互いに「ハ」の字状に末広がりをなし
て延び側方主溝11に開口する傾斜溝12と、傾斜溝1
2から枝分かれし傾斜溝12と同じ向きに延び側方主溝
11に開口する傾斜枝溝13と、側方主溝11に開口し
そこからトレッド部4の端に開口する複数本の溝14と
を有する。溝14については後述する。
【0024】以上から明らかなように、このタイヤ1は
回転方向指定のトレッドパターンを有することが前提で
あり、図2、3ではタイヤ1での回転方向を矢印Dにて
示す。なお図2、3は接地形状転写図であるからタイヤ
1の荷重負荷転動では図2、3の下方が接地の踏込み側
であり上方が蹴出し側となる。図3に示すタイヤ1での
トレッド部4は互いに隣り合う複数本の溝14の間に2
本乃至3本のサイプ15を有し、これらサイプ15につ
いても後述する。
【0025】ここでJATMA規格が定義するトレッド
部4の接地幅CWは、平板との接触面におけるタイヤ1
の軸方向最大直線距離であり、この接地幅CWの10%
以上の距離Lを接地幅端Ceから隔てるトレッド部4の
ショルダ領域Rsにおいて、該領域Rsのトレッド部4
端を含む少なくとも一部領域(図示例はショルダ領域R
s)のトレッドゴム8が、図2に示す例ではトレッド部
4端に開口する溝14を有し、図3に示す例では同じく
トレッド部4端に開口する溝14と、溝14より著しく
幅狭の溝すなわちサイプ15とを有するものとし、これ
ら溝14及びサイプ15はタイヤ1の回転軸心を含む平
面(子午断面)、例えば1本の直線PLで表す平面への
投影長さを有する配列になるものとする。サイプ15は
細溝に置き換えることもできる。
【0026】互いに隣り合う溝14はトレッドゴム8を
踏面4t周方向に分断して陸部18を形成し、図3に示
す例では隣り合う溝14が分断形成した陸部18をサイ
プ15がさらに細分化し細分陸部18−1、18−2、
18−3を形成する。図2、3に示す陸部18は細分陸
部18−1、18−2、18−3を含め側方主溝11に
開口する溝14及びサイプ15によりブロック化された
例であるが、必ずしもブロックである必要はなくラグ状
陸部であることを可とし、タイヤの用途、要求性能に基
づき最適の陸部形状を自由に選択することができる。
【0027】ここにまず図4を参照して、陸部18及び
細分陸部18−1、18−2のうち少なくとも陸部18
(図3では細分陸部18−1、18−2、18−3など
全てを含む陸部)については、矢印D方向を回転方向と
するタイヤ1の荷重負荷転動下で後から接地する側の
み、すなわち蹴出し側のみのトレッド部4の端Ceを含
む少なくとも一部陸部が、タイヤ1に最大負荷能力の7
0%に相当する荷重Wを負荷したトレッド部4の接地状
態で、溝14の縁に沿う残存面取り部Y(丸印にて囲ん
だ部分)を有するものとする。従ってタイヤ1の荷重負
荷転動下で先に接地する側の陸部の溝14の縁には、少
なくとも上記接地状態で残存面取り部Yは存在しない。
この残存面取り部Yはタイヤ赤道面Eに最も近い位置か
らトレッド部4側開口端まで連なるのが好適に適合す
る。なお図2に示すVI−VI線は溝14に関する溝幅方向
直線である。
【0028】残存面取り部Yの表面形状は図示のように
曲率半径rの円弧、図示を省略したが複数の曲率半径を
もつ複合円弧、直線及び円弧と直線との複合曲線のいず
れもが適合し、いずれを採用するかは要求特性により自
由に選択することができる。なお図4に二点鎖線で示す
部分はタイヤ1への負荷荷重Wを取り除いたときの形状
を図解したものであり、このときの蹴出し側陸部に先に
述べた接地状態で残存面取り部Yとなるべき面取り部を
設けるのは当然である。
【0029】図3に示す陸部18については図示を省略
したが上記残存面取り部Yを有し、さらに細分陸部18
−1、18−2個々についても蹴出し側の少なくとも一
部陸部に上記残存面取り部Yを設けることを可とする。
また図2、3に示す溝14の全て乃至一部がサイプ15
もしくは細溝に代わる場合もあるので、当然に上記残存
面取り部Yを有するものとする。
【0030】次に図5を参照して、トレッド部4の端C
eを含む溝14の一部溝部分又は全溝の断面にて、溝1
4の切込み方向の溝幅中央を連ねる線Mを、図3に示す
V−V線上における溝縁両端14eを結ぶ線分の中点を
足とする垂線VLに対し傾斜させると共にトレッド部4
の表面、すなわち踏面4t(図1参照)側から溝底Gb
に向けタイヤ1の回転方向Dと反対向きに傾斜させるも
のとする。線Mは直線、曲線及び直線と曲線との複合曲
線のいずれであっても良い。なお図5ではサイプ15の
図示を省略している。
【0031】上記の線Mの垂線VLに対する傾斜角度α
は、線Mが直線の場合は傾斜角度αで一定であるが、図
5に示すように線Mが曲線又は複合曲線の場合は所定の
切込み位置での接線角度をとるものとし、これを図5で
は踏面4tに相当する位置では傾斜角度αT 、溝底Gb
では傾斜角度αB であらわし、線Mが直線以外の場合は
溝14の同じ切込み位置でみて、ここに傾斜角度αはタ
イヤ赤道面Eに最も近い傾斜線Mから溝14が開口する
トレッド部4端部に向かうにつれ漸増させるものとす
る。なお図5に示す二点鎖線部分もまたタイヤ1への荷
重Wを取り除いたときの形状を図解したものであり、こ
れから明らかなように先に述べた空気圧充てんのみの状
態で溝14は傾斜角度αよりも小さな傾斜角度をもち、
上記と同様にこの傾斜角度が漸増する傾斜溝とする。
【0032】以上は溝14について述べたが、図3に示
すサイプ15についても溝14と同じ傾斜方向で同様な
傾斜角度αA (図示省略)をもち、さらに溝14と同じ
く傾斜角度αA をサイプ15が開口するトレッド部4端
部に向け漸増させる線MA (図示省略)を有するものと
する。溝14が細溝であっても同じである。
【0033】さて先に説明したように、小さな偏平率を
もつ従来タイヤ20、特に60%以下の偏平率をもつタ
イヤ20は、図8、図9に示すような登り勾配の傾斜路
面I S を走行する場合に、タイヤ20への垂直負荷荷重
Wにより傾斜路面IS の登り勾配上方になればなる程よ
り強くトレッドゴム23が傾斜路面IS に押圧され、登
り勾配下方では寧ろ傾斜路面IS から浮き気味にさえな
る。その結果荷重W負荷の下で傾斜路面IS を走行する
タイヤ20には登り勾配方向に横力Fyが作用すること
は先に述べた通りである。この傾斜路面IS 上のトレッ
ド部踏面23tの接地状態に相当する接地形状図を図1
0に示す。
【0034】図10は、先に記述した空気圧を充てんし
たタイヤ20を最大負荷能力の70%に相当する荷重W
負荷の下、キャンバー角度10°で平板にを押圧したと
きの接地部縁取り図である。図10に示す接地部縁取り
図と同じ条件下でのタイヤ20の水平平坦路面の接地状
態を同じくフットプリントの接地部縁取り図として図1
1に示す。図10、図11に示す符号Eはタイヤ赤道面
上の線に相当する赤道線である。図10に示す接地部縁
取り図はオーバーオールで見て概ね台形形状をなし、し
かも殆どタイヤ赤道線Eから片側のトレッド部踏面23
tのみが接地しているありさまを示す一方、図11に示
す接地部縁取り図はオーバーオールで見てタイヤ赤道線
Eを中心軸とする概ね長円形形状をなしているのが分か
る。
【0035】上述したトレッド部踏面の接地状態はタイ
ヤ1の場合でも同様であり、よって荷重W負荷の下で傾
斜路面IS を走行するタイヤ1にも登り勾配方向に横力
Fyが作用するのも同様であるが、以下に述べる理由に
より、傾斜路面IS 走行タイヤ1のフットプリント最外
側縁取りを連ねる線図として示す図6を参照して、タイ
ヤ1にはその質量の質点を通りタイヤ1への集中負荷荷
重Wの作用方向に延びる中心軸Z周りにタイヤ1を傾斜
路面IS の下り勾配方向に回転させようとする復元モー
メントMzが発生する点においてタイヤ1は従来タイヤ
20と著しく異なる。
【0036】すなわちまず、以下は図4を参照して、ト
レッド部4の分断陸部18は負荷荷重Wがもたらす接地
圧により潰れ変形を生じる。ところが所定配合になる加
硫ゴム、ここではトレッドゴム8は非圧縮性の特性を有
しているので、潰れ変形時に接地面でも拡張しようとす
る傾向を有し、この拡張傾向は分断陸部18の溝14の
溝縁部において特に顕著である。
【0037】しかし部分荷重ΔWが作用する陸部18の
表面(踏面4t)は路面(S)との間の摩擦接触により
動きが拘束されるため拡張変形は抑制される。その結果
分互いに隣り合う二本の溝14の溝縁近傍で互いに向か
い合う、タイヤ赤道面Eに平行な反対方向のせん断力S
crが分断陸部18に働く。しかしトレッド部4の接地状
態で、分断陸部18が一方の溝14側の溝縁のみに残存
面取り部Yを有し、他方の溝14側の溝縁に先鋭部を有
する場合は、溝縁残存面取り部Yのゴム潰れ反力が溝縁
先鋭部のゴム潰れ反力に比し低減して相互に反対方向の
せん断力Scrの均衡が崩れ、残存面取り部Y側の破線矢
印で示すせん断力Scrが先鋭溝縁側の実線矢印で示すせ
ん断力Scrに比しより低減し、これにより各分断陸部1
8は全体としてタイヤ1の回転方向Dとは反対向きのせ
ん断力ΔFxdを発生する。
【0038】以上述べた各分断陸部18に発生するせん
断力ΔFxdの、接地している分断陸部18全体の合計せ
ん断力Fxdは、水平平坦路面に対するトレッド部4の接
地状態では赤道面Eの両側で同じ方向に同じ量だけ発生
するのでタイヤ1の中心軸Z周り(図6参照)に回転モ
ーメントを生じさせることはなく、単にタイヤの駆動力
発生源として働くに過ぎない。
【0039】しかしタイヤ1が傾斜路面Isを走行する
場合はキャンバー角度を付した図10の場合と同様にト
レッド部4は片接地となり、この片接地状態におけるフ
ットプリントの接地部縁取り図を示す図7における各分
断陸部18のせん断力ΔFxdはタイヤ赤道面Eから片側
のみのトレッド部4、それも接地幅端Ceを含むショル
ダ部側のみに発生し、片側のみのせん断力ΔFxdの合計
せん断力Fxdは片側駆動力発生源として働き、その結果
ショルダ領域Rsに発生する合計せん断力Fxdは図6に
示すようにタイヤ1の中心軸Z周りにタイヤ1を傾斜路
面IS の下り勾配方向に回転させようとする復元モーメ
ントMzを発生させる。
【0040】復元モーメントMzは横力Fyを相殺する
ように働き、横力Fyのベクトル量を低減するか、ほぼ
ゼロとするか、場合により僅かにマイナスとし、これに
よりタイヤ1は傾斜路面Isにトレッド部4の一部が乗
り上げてもドライバの意図に反してタイヤ1が傾斜路面
Isを駆け登る程の挙動を示すことはなく、その結果轍
路面のような凹部が形成された路面の直進走行安定性は
顕著に改善される。
【0041】次に図5を参照して、トレッド部4の接地
状態で溝14の切込み方向の溝幅中央を連ねる線Mを垂
線VLに対しタイヤ1の回転方向Dと反対向きに傾斜さ
せるということは、荷重無負荷状態で同じ向きに傾斜さ
せておくことが必要であり、タイヤ1への荷重Wの印加
により線Mの傾斜度合いが増すように、換言すれば分断
陸部18が傾斜度合いを増すように倒れ込み変形しよう
とする。
【0042】しかしこの場合も部分荷重ΔWが作用する
陸部18の表面(踏面4t)は路面(S)との間の摩擦
接触により動きが拘束されるため分断陸部18の倒れ込
み変形はこの拘束の範囲内のところで抑制される。この
抑制は路面(S)に対し鈍角をなす溝壁面の溝縁14e
近傍ほど大きく、この抑制の反力としてのせん断力Sb
が分断陸部18にもたらされ、せん断力Sbの方向は図
5に矢印で示すようにタイヤ1の回転方向Dと逆向きで
ある。
【0043】この場合、溝14の切込み方向の溝幅中央
を連ねる線Mの垂線VLに対する傾斜角度αは値が大き
い程せん断力Sbも大きくなる特性を有し、よって傾斜
角度α(αT 、αB )がタイヤ赤道面Eに最も近い傾斜
位置からトレッド部4の端に向かうにつれ漸増する構成
は、溝14の溝幅中央を連ねる線Mが曲線又は複合曲線
の場合も含め、トレッド部4の端に近い部位の分断陸部
18ほど大きなせん断力Sbを発生させるので、各分断
陸部18のΣSb=ΔFxdの作用点をよりトレッド部4
端寄りにシフトさせる。
【0044】その結果各分断陸部18のせん断力ΔFxd
を接地面内で足し合わせた合計せん断力Fxdの作用点も
また、図6に示すタイヤ1の中心軸Zより一層遠く位置
し、これにより中心軸Z周りの復元モーメントMzはよ
り一層大きな値となる利点が得られる。この復元モーメ
ントMzに基づき凹部形成路面走行におけるタイヤ1の
直進走行安定性向上は先に述べたところと同じである。
【0045】以上述べた蹴出し側のみの分断陸部18の
少なくとも一部陸部が溝14の溝縁に沿う残存面取り部
Yを有する構成と、溝14の切込み方向の溝幅中央を連
ねる線Mが垂線VLに対しタイヤ1の回転方向Dと反対
向きに傾斜し、かつ傾斜角度α(αT 、αB )がタイヤ
赤道面Eに最も近い傾斜位置からトレッド部4の端に向
かうにつれ漸増する構成とは互いに独立で凹部形成路面
走行におけるタイヤ1の直進走行安定性向上の効果を奏
する一方、これら二つの構成を組合わせた構成もより一
層有効な直進走行安定性の向上効果を奏する。
【0046】また以上は溝14について述べたが、サイ
プ15についても同様な効果が得られ、さらに溝14を
細溝に置換しても同様な効果を得ることができるのは勿
論である。なおタイヤ1に最大負荷能力に対応する空気
圧を充てんし、最大負荷能力の70%に相当する荷重W
を印荷し、かつトレッド部4の特定ショルダ領域を接地
幅の10%以上としたのは実車における使用条件に近い
条件として設定したものである。
【0047】ここに残存面取り部Yの表面は、図4に示
す断面にて曲率半径rの円弧である場合、図示は省略し
たが溝14に向かうテーパ状切落し直線の場合、これら
円弧及び直線の複合曲線の場合のいずれも可とする。ま
た残存面取り部Yはタイヤ赤道面Eに最も近い位置から
トレッド部4端に向かうにつれ面取り度合いを漸増をさ
せるのが有効であり、このようにすればショルダ領域R
sに発生する合計せん断力Fxdの作用点はタイヤ1の中
心軸Z(図6参照)よりタイヤ1の外側にシフトするの
でより大きな復元モーメントMzを得ることができ、有
利である。
【0048】残存面取り部Yの曲率半径r、溝14への
最大切落し高さは0.5〜3mmの範囲内が適合する。
なぜなら0.5mm未満では実際上先に述べた効果を得
ることができず、3mmを超えると分断陸部18の接地
面積が減少し過ぎて却って効果が減殺され過ぎ、いずれ
も不可である
【0049】また溝14の溝幅中央を連ねる線Mをタイ
ヤ1の回転方向Dと反対向きに傾斜させる傾斜角度α
(αT 、αB )は3°以上とし、傾斜角度α(αT 、α
B )は成るべく大きな値が好ましい反面、ショルダ領域
Rsの接地圧分布が接地幅端Ceに向かうにつれ減少
し、そのため元来ショルダ領域Rsは偏摩耗が発生し易
い傾向にあるので限度を超えた大きな傾斜角度α
(αT 、αB )は好ましくない点、またタイヤ1の加硫
成型時の金型からの型抜け性を良好に保持する点を合わ
せて傾斜角度α(αT 、αB )の上限は20°を限度と
する。この傾斜角度α(α T 、αB )の3°〜20°の
範囲内とする点は、残存面取り部Yを有する構成に、線
Mをタイヤ1の回転方向Dと反対向きに傾斜させる上記
構成を組合わすときにも適用する。
【0050】
【実施例】乗用車用ラジアルプライタイヤで、サイズが
235/45ZR17であり、構造は図1に従い、2プ
ライのラジアル配列ポリエステルコードのゴム被覆にな
るカーカス6と、2層のスチールコード交差層とナイロ
ンコードのキャッププライ層とのベルト7とを備える。
実施例1〜5のタイヤ1は図2に示すフットプリントに
対応するトレッドパターンを備え、実施例6〜10のタ
イヤ1は図3に示すフットプリントに対応するトレッド
パターンを備える。実施例1〜10の各タイヤは分断陸
部18の残存面取り部Yは断面が曲率半径rの円弧を有
するもの、溝14の溝幅中央を連ねる線Mが直線で傾斜
角度αにてタイヤ回転方向Dと反対向きに傾斜するも
の、これらの複合タイプのものとした。
【0051】上記のフットプリントはいずれも、JAT
MA規格(1998年版)が定める適用リムのうちの標
準リム8JJにタイヤ1を組み付け、これにJATMA
規格(1998年版)に記載されている最大負荷能力6
50kg(質量) に対応する空気圧240kPa を充てん
し、最大負荷能力650kg(質量) の70%に相当する
荷重450kgf を負荷したときのトレッド部4の接地形
状である。
【0052】実施例1〜5のタイヤグループに対し、図
2に示すフットプリントに準じるトレッドパターンを備
える他は全て実施例1〜5に合わせた比較例タイヤ1を
準備し、実施例6〜10のタイヤグループに対しては、
図3に示すフットプリントに準じるトレッドパターンを
備える他は全て実施例6〜7に合わせた比較例タイヤ2
を準備した。
【0053】これら実施例1〜10の各タイヤは、残存
面取り部Yの断面の曲率半径r=2mm一定のもの、曲
率半径r=0.5〜2.5mmで漸増するもの、線Mの
傾斜角度α=10°一定のもの、線Mの傾斜角度α=5
〜20°で漸増するものの各タイプに分け、一部実施例
タイヤはこれらの複合タイプとした。これら残存面取り
部Yの断面の曲率半径r及び傾斜角度αそれぞれの有無
を、実施例1〜5及び比較例1のグループは表1に、実
施例6〜10及び比較例2のグループは表2にそれぞれ
示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】実施例1〜10のタイヤ及び比較例1、2
のタイヤを供試タイヤとし、前記リム及び空気圧を用い
て下記2項目の試験を下記試験条件の下で実施した。 (1)キャンバースラストFcの測定:フラットベルト
式室内試験機を用い、ベルト速度を60km/hとし、この
ベルトに各供試タイヤをキャンバー角度5°の下で最大
負荷能力650kgの70%に相当する荷重450kgf で
押圧し、キャンバースラストFcを測定する。測定結果
は比較例1、2をそれぞれのグループで100とする指
数にて表し、値は小なる程良い。 (2)実車による直進走行安定性のテスト:個々の供試
タイヤを国産乗用車2500ccクラスのFR車の全輪
に装着し、前席に2名乗車し轍を形成した乾燥アスファ
ルトのテスト路面を100km/hの速度で走行したときの
ワンダリング発現度合い、すなわち直進走行安定性をテ
ストドライバのフィーリングにより10点満点で評価し
た。評点は大きいほど良い。 以上の2項目のテスト結果をタイヤグループ毎に表1、
2の右側に示す。
【0057】表1及び表2が示すテスト結果から、まず
実施例1〜10のタイヤがいずれも比較例1、2のタイ
ヤに比しキャンバースラストFc発生量が著しく低減
し、実車による乾燥轍路面走行試験における直進走行安
定性が格段に優れていることがわかり、次に残存面取り
部Yのみを有する構成の実施例1、2及び実施例6、7
の各タイヤでも、また溝14の溝幅中央を連ねる線Mの
垂線VLに対するタイヤ1の回転方向Dと反対向きの傾
斜角度αのみを構成要件にもつ実施例3及び実施例8の
各タイヤでも比較例1、2のタイヤに比しキャンバース
ラストFc発生量の著しい低減と直進走行安定性の一層
の向上とを達成することができることがわかる。
【0058】
【発明の効果】この発明の請求項1〜7に記載した発明
によれば、轍に代表されるような両側に登り勾配の傾斜
面を有する凹部が形成されている路面走行でのワンダリ
ング現象の発生が抑制され、その結果高速での直進走行
安定性に優れる、特に偏平率が60%以下の高性能ラジ
アルタイヤと呼ばれる空気入りラジアルタイヤを提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態例のタイヤの左半断面図
である。
【図2】図1に示すタイヤトレッド部の一実施形態例の
フットプリントによる接地形状転写図である。
【図3】図1に示すタイヤトレッド部の別の実施形態例
のフットプリントによる接地形状転写図である。
【図4】図2に示す接地形状転写図を得るタイヤの同図
上のVI−VI線に沿う断面図である。
【図5】図3に示す接地形状転写図を得るタイヤの同図
上のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図1に示すタイヤの傾斜路面走行時に発生する
せん断力及び復元モーメントの説明図である。
【図7】図1に示すタイヤの傾斜路面走行中のせん断力
発生状態を示す説明図である。
【図8】傾斜路面を走行するタイヤの正面図又は背面図
である。
【図9】図8に示すタイヤの断面図である。
【図10】図7に示すタイヤをキャンバー角度10°で
平板にを押圧したときのフットプリントの接地部縁取り
図である。
【図11】図7に示すタイヤのフットプリントの接地部
縁取り図である。
【符号の説明】
1 空気入りラジアルタイヤ 2 ビード部 3 サイドウォール部 4 トレッド部 4t 踏面 5 ビードコア 6 カーカス 6−1、6−2 カーカスプライ 7 ベルト 8 トレッドゴム 10 直状中央主溝 11 直状側方主溝 12 傾斜溝 13 傾斜枝溝 14 子午断面への投影長さを有する溝 14e 溝縁 15 サイプ 18 分断陸部 18−1、18−2、18−3 細分陸部 CW 接地幅 Ce 接地幅端 D タイヤ回転方向 Rs ショルダ領域 Y 残存面取り部 M 溝14の切込み方向の溝幅中央を連ねる線 VL 垂線 α 線Mの垂線VLに対する傾斜角度 IS 傾斜路面 S 平板表面 Fc キャンバースラスト Fy 横力 Scr、Sb せん断力 Fxd タイヤ回転方向と反対方向せん断力 Mz 復元モーメント

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビード部及び一対のサイドウォー
    ル部と、両サイドウォール部に連なるトロイド状トレッ
    ド部とを有し、これら各部をビード部内に埋設したビー
    ドコア相互間にわたり補強する1プライ以上のラジアル
    カーカスと、該ラジアルカーカスの外周でトレッド部を
    強化するベルトとを備え、回転方向指定のトレッドパタ
    ーンを有する空気入りラジアルタイヤにおいて、 上記タイヤの最大負荷能力に対応する空気圧を充てんし
    たタイヤを前記最大負荷能力の70%に相当する荷重負
    荷の下で平板に垂直に押圧したトレッド部の接地状態に
    て、 トレッド部接地幅の10%以上の距離を接地幅端から隔
    てるトレッド部ショルダ領域の、トレッド部端を含む少
    なくとも一部領域が、タイヤの回転軸心を含む平面への
    投影長さをもちトレッド部端に開口する複数本の溝と、
    これらの溝によりトレッド周方向に分断される陸部とを
    有し、かつタイヤの荷重負荷転動下にて後から接地する
    側のみの各分断陸部の、トレッド部端を含む少なくとも
    一部陸部が、溝縁に沿う残存面取り部を有することを特
    徴とする空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 上記残存面取り部表面が、上記溝の溝幅
    方向直線を含み上記平板表面と互いに垂直な平面による
    断面にて円弧形状及び直線形状の少なくとも一方の形状
    を有する請求項1に記載したタイヤ。
  3. 【請求項3】 上記残存面取り部は、タイヤ赤道面に最
    も近い位置からトレッド部端に向うにつれ面取り度合い
    が漸増する請求項1〜2に記載したタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記複数本の溝それぞれのトレッド部端
    を含む一部溝又は全溝の溝幅方向直線を含み上記平板表
    面と互いに垂直な平面による溝断面にて、溝深さ方向の
    溝幅中央を連ねる線が、上記溝幅方向直線上の溝縁両端
    を結ぶ線分の中点を足とする垂線に対しトレッド部表面
    から溝底に向け3°以上の角度で傾斜し、その傾斜方向
    がタイヤ回転方向と反対向きである請求項1〜3に記載
    したタイヤ。
  5. 【請求項5】 上記溝断面における溝深さ方向の溝幅中
    央を連ねる線の上記垂線に対する傾斜角度が、タイヤ赤
    道面に最も近い位置からトレッド部端に向うにつれ漸増
    する請求項4に記載したタイヤ。
  6. 【請求項6】 一対のビード部及び一対のサイドウォー
    ル部と、両サイドウォール部に連なるトロイド状トレッ
    ド部とを有し、これら各部をビード部内に埋設したビー
    ドコア相互間にわたり補強する1プライ以上のラジアル
    カーカスと、該ラジアルカーカスの外周でトレッド部を
    強化するベルトとを備え、回転方向指定のトレッドパタ
    ーンを有する空気入りラジアルタイヤにおいて、 上記タイヤの最大負荷能力に対応する空気圧を充てんし
    たタイヤを前記最大負荷能力の70%に相当する荷重負
    荷の下で平板に垂直に押圧したトレッド部の接地状態に
    て、 トレッド部接地幅の10%以上の距離を接地幅端から隔
    てるトレッド部ショルダ領域の、トレッド部端を含む少
    なくとも一部領域が、タイヤの回転軸心を含む平面への
    投影長さをもちトレッド部端に開口する複数本の溝と、
    これらの溝によりトレッド周方向に分断される陸部とを
    有し、かつ上記複数本の溝それぞれのトレッド部端を含
    む一部溝又は全溝の溝幅方向直線を含み上記平板面と互
    いに垂直な平面による溝断面にて、溝切込み方向の溝幅
    中央を連ねる線が、上記溝幅方向直線上の溝縁両端を結
    ぶ線分の中点を足とする垂線に対しトレッド部表面から
    溝底に向けタイヤ回転方向と反対向きで傾斜し、その傾
    斜角度がタイヤ赤道面に最も近い傾斜位置からトレッド
    部端に向うにつれ漸増して成ることを特徴とする空気入
    りラジアルタイヤ。
  7. 【請求項7】 上記溝幅方向直線上の溝縁両端を結ぶ線
    分の中点を足とする垂線に対する、溝切込み方向の溝幅
    中央を連ねる線の溝底からの傾斜角度が3°以上である
    請求項6に記載したタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007331411A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP2014213842A (ja) * 2013-04-30 2014-11-17 株式会社ブリヂストン 重荷重用空気入りタイヤ
JP2019199210A (ja) * 2018-05-17 2019-11-21 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ
WO2020231389A1 (en) * 2019-05-10 2020-11-19 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Truck tire tread with angled ribs having chamfers on leading edge

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