JPH0768818B2 - 木製防火扉 - Google Patents

木製防火扉

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JPH0768818B2
JPH0768818B2 JP1320329A JP32032989A JPH0768818B2 JP H0768818 B2 JPH0768818 B2 JP H0768818B2 JP 1320329 A JP1320329 A JP 1320329A JP 32032989 A JP32032989 A JP 32032989A JP H0768818 B2 JPH0768818 B2 JP H0768818B2
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wooden
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fire
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plywood
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JP1320329A
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修 安本
守 西井
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近畿工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、木製防火パネル、およびこの木製防火パネ
ルを用いて作った木製防火扉に関する。
〔従来の技術〕
従来、木製パネルを燃えにくくするために、木製パネル
に難燃性の薬液を大量に注入することが行なわれ、木製
防火扉は、薬液の注入によって難燃性が付与された木製
パネルを用いて作ることが行なわれていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来のように、難燃性の薬液を木製パネルに注入して耐
火性を付与する場合には、注入するに要する薬液の重量
が木製パネルの重量に比して割合多くなるため、木製防
火パネルを作るに要するコストが著しく割高になる。し
かも、この方法では、木製パネル全体に薬液を均一に注
入するのに長い時間と多くの手数とを要するため、木製
防火パネルを能率良く生産することができなくなる。そ
の上、得られた木製防火パネルは、注入された多くの難
燃性の薬液によって変質されて硬くなり、元の木製パネ
ルが持っていたソフトであたたかい感触が失われ易くな
る。
また、薬液処理を施された木製防火パネルを用いて作っ
た木製防火扉では、木製防火パネルについて述べた各不
都合が解決されずにそのまま残るため、この方法で作っ
た木製防火扉は、コストが割高で、生産性が悪くなる上
に、木製扉が持っているソフトであたたかい感触が失わ
れる不都合があった。
この発明はこれらの事情に鑑みてなされたもので、薬液
処理によって防火性が付与される場合に比べて、木製の
材料が持つ性質の良さをそのまま残すことができ、生産
コストが割安で、しかも、生産性を向上することができ
る木製防火パネルおよび木製防火扉を提供することを目
的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、この発明の木製防火扉にお
いては、扉本体のドア芯材は、複数枚の木製合板と融
点がほぼ900℃以上の耐火性金属箔とを交互に接着して
形成されており、前記ドア芯材の左右両端部の縦方向
または四周に、前記ドア芯材と同じように構成された左
右縦框、または左右縦框および上下桟が、耐火性金属箔
の向きをドア芯材の耐火性金属箔の向きとそれぞれ90°
方向を異にして固着されており、扉本体の表裏両側表
面の全体には、耐火性金属箔を介して表面板が固着され
ている。
ここで、扉本体の表裏両側表面の全体とは、扉本体の表
裏面に露出している芯材及び左右縦框の全体、又は、扉
本体の表裏面に露出している芯材、左右縦框、及び上下
桟の全体を意味する。
なお、耐火性金属箔としては、厚さが100μm以下のス
チール箔、ステンレススチール箔、又は、合金を含む銅
箔とすることが好ましい。
〔作用〕
上記構成の木製防火扉の一方の表面側から、バーナーそ
の他の加熱手段により加熱すると、炎に接する側の木製
合板が焼失しても、この木製合板と次の木製合板との間
に挿入・接着されている融点がほぼ900°以上の耐火性
金属箔が、炎の貫通を遮断するため、次の木製合板は燃
焼せず加熱された耐火性金属箔によって焦げ始める。
しかも、隣接する耐火性金属箔の間に挿入・接着されて
いる各木製合板は、酸欠による蒸焼き状態により炭化層
となり、そのまま、脱落しないで残り、断熱層となるた
め、木製防火パネルや木製防火扉の焦げの進行が著しく
遅くなる。
〔実施例〕
第1図は木製パネル防火の一実施例を示す横断面図であ
る。
長方形の木製防火パネル1は、複数枚の設定された厚さ
を有する木製合板(例えば、厚さ5.5mmのラワンベニヤ
板)2と、それらの間に挿入された融点がほぼ900℃以
上の耐火性金属箔3とから構成され、各耐火性金属箔3
の両側全面は、例えば、エポキシ系接着剤により木製合
板2,2に接着されている。積層された木製合板2の一番
外側には、仕上げ合板4,4が使用されている。
耐火性金属箔3としては、木製合板2が900mm以上の広
幅製品の場合には、スチール箔、合金を含むステンレス
スチール箔、又は、合金を含む銅箔などを用いることが
できるが、木製合板2が600mm幅以下の場合には、他の
金属材料箔も用いることができる。
耐火性金属箔3には、厚さが35〜150μm程度のものを
用いることができるが、木工機械による切断を容易にす
るため、厚さは100μm以下とすることが好ましい。
次に、上記構成の木製防火パネル全体の厚さを一定に
し、挿入される耐火性金属箔の枚数を変えた各試験パネ
ルに対するガスバーナーによる簡易燃焼試験結果につい
て示す。
(使用材料)木製合板:ラワンベニヤ板5.5mm厚のもの
を複数枚積層 耐火性金属箔:スチール箔60μm厚 (検出温度)ガスバーナーの炎を当てた反対側の木製合
板表面の温度を熱電対により測定 上記試験結果から、木製合板の間に挿入したきわめて薄
い耐火性金属箔が試験パネルの厚さを同じにした木製合
板に比べて燃え抜け(炎の貫通)がなく、裏面の焦げ発
生に要する時間を著しく長くしていることがわかる。こ
の裏面の焦げ発生に要する時間は、木製合板の間に挿入
する耐火性金属箔の枚数を増加するにつれてさらに長く
なることが裏面側の検出温度の低さから容易に推測する
ことができる。
木製防火パネル1によって得られるこのような作用効果
は、燃焼部分を切断した断面の目視から次のように考え
られる。
ガスバーナーの炎に接する側の木製合板2が完全燃焼に
よって消失しても、、これに隣接する裏面側の次の木製
合板2に接着されている耐火性金属箔3が、炎の貫通を
遮断するだけでなく、次の木製合板2と酸素との接触を
断って蒸焼き状態にさせ、木製合板2を炭化層として残
す。この炭化層は断熱層の役割を果すため、耐火性金属
箔3による炎の遮断作用との相乗効果によって、木製合
板2の積層体にすぐれた防火性を与えたものと考えられ
る。
その上、木製合板2,2の間に挿入される耐火性金属箔3
は厚さがきわめて薄いために、同じ厚さの木製合板2の
場合に比べ重さがそれほど重くならず、取り扱いが容易
な上に、木工機械による切断その他の加工も木製合板2
の加工の場合と全く同じように行なうことができる。
第2図および第3図は木製防火扉の一実施例を示す縦断
面図と横断面図である。
扉本体のドア芯材5は、前記木製防火パネル1と同じ構
成で、厚さが5.5mmの木製合板(実施例ではラワンベニ
ヤ板)2を5枚積層した間に、厚さ60μmの耐火性金属
箔(実施例ではスチール箔)3が1枚ずつ4枚挿入さ
れ、耐火性金属箔3の両面は、例えばエポキシ系接着剤
により木製合板2,2に接着されている。
ドア芯材5の両側表面には、表面がきれいに仕上げられ
た表面板6,7がそれぞれエポキシ系接着剤その他により
接着されて、全体の厚さがほぼ36mmにされている。2a
は、木製合板2の端面全体に固着された(天然木)突板
であり、0.25mm〜0.5mm程度の厚さを有する化粧材であ
る。表面板6,7とドア芯材5との間には、融点がほぼ900
℃以上の耐火性金属箔3を挿入・接着してもよい。
木製防火扉は、高さ方向に設けられた複数個の丁番8に
よって扉枠9に開閉可能に取り付けられ、木製防火扉の
内面は、扉枠9のパッキン溝10に装着された気密パッキ
ン11に押圧されている。
上記構成の木製防火扉が表面板6,7のいずれか一方を加
熱されると、ドア芯材5の木製合板2を仕切っている耐
火性金属箔3が、前記木製防火パネル1の耐火性金属箔
3と同じ作用効果を奏して炎がドア芯材5を燃え抜ける
のを防止するから、木製扉に対して十分な防火性能を付
与することができる。
この構成の木製防火扉では、木製合板2,2の間や、ドア
芯材5と表面板6,7の間に挿入される耐火性金属箔3の
厚さがきわめて薄いために、従来の木製扉の厚さをほと
んど変えずに、木製扉に防火性能を付与することができ
る。
しかも、木製防火扉は、木製合板2にきわめて薄い耐火
性金属箔3を接着剤により貼り合わせて得られ、木材の
持つ特性を変質することがないから、木製パネルの難燃
性の薬液を大量に注入する従来の場合に比べて、表面板
6,7の持っている木材としてのソフトであたたかい感触
を失なうことなく、木製防火扉を能率良く生産すること
ができる。その上、きわめて薄い耐火性金属箔3は、表
面板6,7、木製合板2、およびドア芯材5に対する切断
加工を妨げることがないから、木製防火扉の加工を容易
にする。
第4図および第5図は木製防火扉の他の実施例を示す縦
断面図と横断面図である。
この実施例は前記実施例におけるドア芯材5の左右両端
部の縦方向に、ドア芯材5と同じく木製合板2Aと耐火性
金属箔3Aとを接着剤により貼り合わせた左右縦框12,12
を、その耐火性金属箔3Aがドア芯材5の耐火性金属箔3
の向きと90°方向が異なるように配置して、例えば、エ
ポキシ系接着剤によりドア芯材5に接着し、ドア芯材5
と縦框12,12の全体に、耐火性金属箔3が接着された表
面板6,7を、例えば、エポキシ系接着剤で接着した場合
である。
この構成の木製防火扉の場合には、ドア芯材5の左右両
端部に固着した左右縦框12,12により木製防火扉の縦方
向の強度を強くし、加熱されたときの木製防火扉の反り
を少なくすることができる。
第6図および第7図は木製防火扉のさらに他の実施例を
示したもので、木製防火扉についての前記第2実施例
(第4図および第5図参照)のドア芯材5の上下両端部
に、左右縦框12,12と同じ構成の上下桟13,13を木製合板
2Bと耐火性金属箔3Bとがドア芯材5の耐火性金属箔3と
90°方向が異なるように接着した場合である。
この構成の木製防火扉の場合には、ドア芯材5の四周全
体に木製合板2の配列と、配列方向を90°異にする左右
縦框12,12と上下桟13,13とを固着したことにより、木製
防火扉の縦方向だけでなく横方向の強度をも強くして木
製防火扉が加熱されたときの反りを一層少なくし、反り
により出来る隙間部分からの炎の貫通を効果的に防止す
ることができる。
〔発明の効果〕
この発明は、上述の通り構成されているので、次に記載
する効果を奏する。
複数枚の木製合板の間に挿入・接着された耐火性金属箔
は、表面側の木製合板が燃焼された場合にも、溶けるこ
となく裏面側の木製合板に保持されて炎の貫通を遮断
し、耐火性金属箔の間にはさまれた次の木製合板を酸欠
状態に保って燃焼を阻止するため、簡単な構成によって
木製扉に効果的な防火性能を付与することができる。
しかも、耐火性金属箔は、厚さが100μm以下のスチー
ル箔などであるため、木工機械による切断加工を容易に
し、生産コストを割安にすることができる。
更に、ドア芯材の左右両端部の縦方向または四周に、左
右縦框、または左右縦框と上下桟とを固着したから、木
製防火扉の左右両側の端面部、または四周の端面部の強
度を強くして木製防火扉が加熱されたときの熱による反
りを少なくして、反りにより形成される隙間部分からの
炎の貫通を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の木製防火パネルの一実施例を示す横
断面図、第2図はこの発明の木製防火扉の一実施例を示
す縦断面図、第3図は同横断面図、第4図は木製防火扉
の他の実施例の縦断面図、第5図は同横断面図、第6図
は木製防火扉のさらに他の実施例を示す縦断面図、第7
図は同横断面図である。 1…木製防火パネル 2,2A,2B…木製合板 3,3A,3B…耐火性金属箔 5…ドア芯材、6,7…表面板 12…左右縦框、13…上下桟

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】扉本体のドア芯材は、複数枚の木製合板と
    融点がほぼ900℃以上の耐火性金属箔とを交互に接着し
    て形成されており、 前記ドア芯材の左右両端部の縦方向または四周に、前記
    ドア芯材と同じように構成された左右縦框、または左右
    縦框および上下桟が、耐火性金属箔の向きをドア芯材の
    耐火性金属箔の向きとそれぞれ90°方向を異にして固着
    されており、 扉本体の表裏両側表面の全体には、耐火性金属箔を介し
    て表面板が固着されている ことを特徴とする木製防火扉。
  2. 【請求項2】前記耐火性金属箔は、厚さが100μm以下
    のスチール箔、ステンレススチール箔、又は、合金を含
    む銅箔である特許請求の範囲第1項記載の木製防火扉。
JP1320329A 1989-12-08 1989-12-08 木製防火扉 Expired - Lifetime JPH0768818B2 (ja)

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