JPH078776Y2 - 木製防火扉 - Google Patents
木製防火扉Info
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- JPH078776Y2 JPH078776Y2 JP601592U JP601592U JPH078776Y2 JP H078776 Y2 JPH078776 Y2 JP H078776Y2 JP 601592 U JP601592 U JP 601592U JP 601592 U JP601592 U JP 601592U JP H078776 Y2 JPH078776 Y2 JP H078776Y2
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- JP
- Japan
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- fire door
- wooden
- core material
- core
- wood
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- Securing Of Glass Panes Or The Like (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、一般住宅、集合住宅、
公共施設、店舗等の建造物に用いられる防火戸の木製防
火扉に関する。
公共施設、店舗等の建造物に用いられる防火戸の木製防
火扉に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の防火戸としては、金属製
扉と金属製枠とからなる金属製防火戸が主流である。し
かし、この金属製防火戸は、木製扉が有する柔らかさや
暖かさといった質感が得られないばかりか、重量がかさ
むため、これを保持する金具が必然的に強固なものとな
って美観を損なう欠点があった。
扉と金属製枠とからなる金属製防火戸が主流である。し
かし、この金属製防火戸は、木製扉が有する柔らかさや
暖かさといった質感が得られないばかりか、重量がかさ
むため、これを保持する金具が必然的に強固なものとな
って美観を損なう欠点があった。
【0003】一方、防火性を要求されない用途において
は、柔らかさや暖かさといった質感を有する木製扉が広
く用いられている。最近では、防火性を有する木製扉も
開発されているが、無垢の木材を主体とするものは、重
量がかさみ、火災時に寸法変化が生じて狂いやすく、高
い防火性を求めると扉の厚さが厚くなって実用性が減殺
される等の問題がある。
は、柔らかさや暖かさといった質感を有する木製扉が広
く用いられている。最近では、防火性を有する木製扉も
開発されているが、無垢の木材を主体とするものは、重
量がかさみ、火災時に寸法変化が生じて狂いやすく、高
い防火性を求めると扉の厚さが厚くなって実用性が減殺
される等の問題がある。
【0004】このため、木材より軽量で防火性が高く、
寸法変化の少ない材料を芯材とし、この芯材の両面に木
質の表面材を接着して複合した木製防火扉が普及しつつ
ある。
寸法変化の少ない材料を芯材とし、この芯材の両面に木
質の表面材を接着して複合した木製防火扉が普及しつつ
ある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかし、この芯材の両
面に木質の表面材を複合した木製防火扉においては、次
の2つの問題点がある。
面に木質の表面材を複合した木製防火扉においては、次
の2つの問題点がある。
【0006】第1に、芯材の両面に接着剤層を介して木
質の表面材が積層複合されているため、木製防火扉の片
面から熱を受けた際に、芯材中に保有されている水分
が、加熱面と反対方向(即ち、非加熱面側)に移動して
木質の表面材との間に充満し、これによる爆裂が生じて
芯材が剥離したり脱落したりすることがあり、所期の防
火性が得られないという不都合がある。特に、ケイ酸カ
ルシウム板を芯材として使用した場合には顕著となる。
質の表面材が積層複合されているため、木製防火扉の片
面から熱を受けた際に、芯材中に保有されている水分
が、加熱面と反対方向(即ち、非加熱面側)に移動して
木質の表面材との間に充満し、これによる爆裂が生じて
芯材が剥離したり脱落したりすることがあり、所期の防
火性が得られないという不都合がある。特に、ケイ酸カ
ルシウム板を芯材として使用した場合には顕著となる。
【0007】第2に、木質の表面材と芯材との積層複合
工程において、平板状の芯材に木質の表面材を接着剤層
を介して積層する際、これ等の間に空気を包み込み、こ
の空気のために木質の表面材の積層位置がずれやすいと
いう欠点がある。
工程において、平板状の芯材に木質の表面材を接着剤層
を介して積層する際、これ等の間に空気を包み込み、こ
の空気のために木質の表面材の積層位置がずれやすいと
いう欠点がある。
【0008】本考案は、上記事情に鑑み、火災時に片面
から加熱された際に爆裂が生じずに防火性に優れ、しか
も木質の表面材を芯材に対して正しい位置に積層するこ
とが可能な木製防火扉を提供することを目的とする。
から加熱された際に爆裂が生じずに防火性に優れ、しか
も木質の表面材を芯材に対して正しい位置に積層するこ
とが可能な木製防火扉を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本考案による木製
防火扉(1)は、平板状の芯材(3)と該芯材の周囲を
囲む補強縁材(5)とからなるコア層(2)の表裏両面
に、木質の表面材(6)をそれぞれ貼着して複合した木
製防火扉(1)において、前記コア層の表裏両面にそれ
ぞれ、当該コア層の上端部と下端部とを連通する通気溝
(7)を1本以上設けて構成される。
防火扉(1)は、平板状の芯材(3)と該芯材の周囲を
囲む補強縁材(5)とからなるコア層(2)の表裏両面
に、木質の表面材(6)をそれぞれ貼着して複合した木
製防火扉(1)において、前記コア層の表裏両面にそれ
ぞれ、当該コア層の上端部と下端部とを連通する通気溝
(7)を1本以上設けて構成される。
【0010】なお、括弧内の番号等は、図面における対
応する要素を表わす便宜的なものであり、従って、本考
案は図面上の記載に限定拘束されるものではない。この
ことは、「実用新案登録請求の範囲」及び「作用」の欄
についても同様である。
応する要素を表わす便宜的なものであり、従って、本考
案は図面上の記載に限定拘束されるものではない。この
ことは、「実用新案登録請求の範囲」及び「作用」の欄
についても同様である。
【0011】
【作用】上記した構成により、本考案は、火災時に木製
防火扉(1)の片面から熱を受けた際に、芯材(3)中
に保有されている水分が水蒸気となって通気溝(7)を
通じて外部に逃げるように作用する。
防火扉(1)の片面から熱を受けた際に、芯材(3)中
に保有されている水分が水蒸気となって通気溝(7)を
通じて外部に逃げるように作用する。
【0012】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0013】図1は本考案による木製防火扉の一実施例
を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA
−A線による断面図、(c)は(a)のB−B線による
断面図、図2は図1に示す木製防火扉を防火枠に取り付
けた際の様子を示す図であり、(a)は正面図、(b)
は(a)のC−C線による断面図、(c)は(a)のD
−D線による断面図、図3は本考案による木製防火扉の
別の実施例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は
(a)のA′−A′線による断面図、(c)は(a)の
B′−B′線による断面図である。
を示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA
−A線による断面図、(c)は(a)のB−B線による
断面図、図2は図1に示す木製防火扉を防火枠に取り付
けた際の様子を示す図であり、(a)は正面図、(b)
は(a)のC−C線による断面図、(c)は(a)のD
−D線による断面図、図3は本考案による木製防火扉の
別の実施例を示す図であり、(a)は正面図、(b)は
(a)のA′−A′線による断面図、(c)は(a)の
B′−B′線による断面図である。
【0014】防火戸4は、図2に示すように、壁8に固
着された木製又は金属製の防火枠10を有しており、防
火枠10の下端部には沓摺り13が水平に設けられてい
る。また防火枠10には、本考案による木製防火扉1が
蝶番12を介して開閉自在に支持されており、木製防火
扉1の図2(a)左側部分、即ち蝶番12と反対側部分
にはハンドル16が取り付けられている。なお、防火枠
10には、図2(b)、(c)に示すように、閉じた状
態の木製防火扉1と当接する面の全周に亙って凹部が形
成されており、該凹部には、ケイ酸ソーダやグラファイ
トなどを主成分とする加熱発泡性の加熱膨張材15が充
填されている。
着された木製又は金属製の防火枠10を有しており、防
火枠10の下端部には沓摺り13が水平に設けられてい
る。また防火枠10には、本考案による木製防火扉1が
蝶番12を介して開閉自在に支持されており、木製防火
扉1の図2(a)左側部分、即ち蝶番12と反対側部分
にはハンドル16が取り付けられている。なお、防火枠
10には、図2(b)、(c)に示すように、閉じた状
態の木製防火扉1と当接する面の全周に亙って凹部が形
成されており、該凹部には、ケイ酸ソーダやグラファイ
トなどを主成分とする加熱発泡性の加熱膨張材15が充
填されている。
【0015】この木製防火扉1は、図1に示すように、
コア層2を有しており、コア層2は、平板状の芯材3と
該芯材3の周囲(上下左右)を囲む補強縁材5とから構
成されている。コア層2の表裏両面には、該コア層2の
上端部と下端部とを連通する通気溝7が当該コア層2の
上下方向(長手方向)に沿って直線状に1本ずつ設けら
れていると共に、それぞれ木質の表面材6が接着剤で積
層複合されている。更に、補強縁材5の外周端面と木質
の表面材6の外周端面には化粧単板9が貼着されてい
る。なお、2個の通気溝7は、図1(c)に示すよう
に、互いに幅方向(図1(c)左右方向)に離れて設け
られているので、木製防火扉1の製造に際して、通気溝
7付近の芯材3部分の材料強度が通気溝7によって低下
して折損に至るようなことはない。強度上問題がなけれ
ば、2個の通気溝7を図1(c)上下方向に重ねて設け
てもよい。
コア層2を有しており、コア層2は、平板状の芯材3と
該芯材3の周囲(上下左右)を囲む補強縁材5とから構
成されている。コア層2の表裏両面には、該コア層2の
上端部と下端部とを連通する通気溝7が当該コア層2の
上下方向(長手方向)に沿って直線状に1本ずつ設けら
れていると共に、それぞれ木質の表面材6が接着剤で積
層複合されている。更に、補強縁材5の外周端面と木質
の表面材6の外周端面には化粧単板9が貼着されてい
る。なお、2個の通気溝7は、図1(c)に示すよう
に、互いに幅方向(図1(c)左右方向)に離れて設け
られているので、木製防火扉1の製造に際して、通気溝
7付近の芯材3部分の材料強度が通気溝7によって低下
して折損に至るようなことはない。強度上問題がなけれ
ば、2個の通気溝7を図1(c)上下方向に重ねて設け
てもよい。
【0016】ここで芯材3としては、比重が約0.25
〜0.6の無機質又は有機質の板状体が考えられるが、
要求される防火性に応じて適宜選定すればよい。即ち、
高い防火性を要求される防火戸4、例えば耐火60分の
甲種防火戸には、ケイ酸カルシウム板や岩綿板等の無機
質の板状体が適し、それほど高い防火性を要求されない
防火戸4、例えば耐火20分の乙種防火戸には、パーテ
ィクルボード等の有機質の板状体が適する。また、単一
材料に限らず、異種材料(例えば、ケイ酸カルシウム板
とパーティクルボード)を組み合わせたものを芯材3と
することも出来る。なお、木製防火扉1の軽量化の点か
ら比重0.6以下のものが望ましいが、0.25以下の
比重になると、芯材3の強度が弱すぎて、木質の表面材
6との複合時に芯材3が折れやすく、また木製防火扉1
全体の強度も低下する等の問題が生じる。
〜0.6の無機質又は有機質の板状体が考えられるが、
要求される防火性に応じて適宜選定すればよい。即ち、
高い防火性を要求される防火戸4、例えば耐火60分の
甲種防火戸には、ケイ酸カルシウム板や岩綿板等の無機
質の板状体が適し、それほど高い防火性を要求されない
防火戸4、例えば耐火20分の乙種防火戸には、パーテ
ィクルボード等の有機質の板状体が適する。また、単一
材料に限らず、異種材料(例えば、ケイ酸カルシウム板
とパーティクルボード)を組み合わせたものを芯材3と
することも出来る。なお、木製防火扉1の軽量化の点か
ら比重0.6以下のものが望ましいが、0.25以下の
比重になると、芯材3の強度が弱すぎて、木質の表面材
6との複合時に芯材3が折れやすく、また木製防火扉1
全体の強度も低下する等の問題が生じる。
【0017】また補強縁材5は、木材、集成材等の木質
材料であって、木製防火扉1を補強する部材である。な
お、この補強縁材5の外周端面の略中央部に長手方向に
凹部を形成し、該凹部に加熱膨張材を充填してもよい。
材料であって、木製防火扉1を補強する部材である。な
お、この補強縁材5の外周端面の略中央部に長手方向に
凹部を形成し、該凹部に加熱膨張材を充填してもよい。
【0018】また木質の表面材6としては、化粧用単板
を貼着した合板やMDF(中比重繊維板)、或いは集成
材の板等の木質材料であって、表面が平滑なものや凹凸
を付けたもの(框部と鏡板部からなるもの)等が挙げら
れる。
を貼着した合板やMDF(中比重繊維板)、或いは集成
材の板等の木質材料であって、表面が平滑なものや凹凸
を付けたもの(框部と鏡板部からなるもの)等が挙げら
れる。
【0019】更に化粧単板9は、木製防火扉1の外周端
面を化粧するためのもので、通常は厚さ0.6mm程度の
ものであるが、化粧合板や木材の薄板などでもよい。化
粧を必要としない場合は、化粧単板9を貼着せずに補強
縁材5のままでもよいことは言及するまでもない。
面を化粧するためのもので、通常は厚さ0.6mm程度の
ものであるが、化粧合板や木材の薄板などでもよい。化
粧を必要としない場合は、化粧単板9を貼着せずに補強
縁材5のままでもよいことは言及するまでもない。
【0020】木製防火扉1は以上のような構成を有する
ので、火災時に木製防火扉1の片面から加熱された際に
は、木製防火扉1の芯材3中に保有されている水分が、
加熱面と反対方向(即ち、非加熱面側)に移動して木質
の表面材6の近傍に達するが、そこには通気溝7が上下
方向に設けられているので、この水分は水蒸気となって
通気溝7を通じて外部に逃げる。その結果、芯材3と木
質の表面材6との間に水分が水蒸気となって充満して爆
裂が生じる事態の発生を未然に防止することが可能とな
る。
ので、火災時に木製防火扉1の片面から加熱された際に
は、木製防火扉1の芯材3中に保有されている水分が、
加熱面と反対方向(即ち、非加熱面側)に移動して木質
の表面材6の近傍に達するが、そこには通気溝7が上下
方向に設けられているので、この水分は水蒸気となって
通気溝7を通じて外部に逃げる。その結果、芯材3と木
質の表面材6との間に水分が水蒸気となって充満して爆
裂が生じる事態の発生を未然に防止することが可能とな
る。
【0021】なお、通気溝7の断面は、水蒸気を速やか
に逃がすためには芯材3の断面に対して0.03%以上
の面積が望ましい。一方、通気溝7の断面が大きくなる
と、芯材3の強度、木質の表面材6を複合したときの平
滑性、通気溝7の加工作業性などの点から問題となるた
め、芯材3の断面に対して約0.2%以下が好ましい。
従って、通気溝7は、その断面が芯材3の断面の0.0
3〜0.2%程度の面積になるように設ければよい。ま
た、通気溝7の幅が5mmより広くなると、木質の表面材
6を複合した場合に木製防火扉1の表面が平滑でなくな
り、逆に2mmより狭くなると、加熱時に水蒸気を逃がす
には不十分であり、そのため通気溝7を多数設けること
になるので、通気溝7の加工作業が煩雑となる。一方、
通気溝7の深さを5mmより深くすると、芯材3が折れや
すくなり、複合時のハンドリングや木製防火扉1の強度
に問題が生じ、逆に3mmより浅くすると、水蒸気が逃げ
難くなるという不都合がある。
に逃がすためには芯材3の断面に対して0.03%以上
の面積が望ましい。一方、通気溝7の断面が大きくなる
と、芯材3の強度、木質の表面材6を複合したときの平
滑性、通気溝7の加工作業性などの点から問題となるた
め、芯材3の断面に対して約0.2%以下が好ましい。
従って、通気溝7は、その断面が芯材3の断面の0.0
3〜0.2%程度の面積になるように設ければよい。ま
た、通気溝7の幅が5mmより広くなると、木質の表面材
6を複合した場合に木製防火扉1の表面が平滑でなくな
り、逆に2mmより狭くなると、加熱時に水蒸気を逃がす
には不十分であり、そのため通気溝7を多数設けること
になるので、通気溝7の加工作業が煩雑となる。一方、
通気溝7の深さを5mmより深くすると、芯材3が折れや
すくなり、複合時のハンドリングや木製防火扉1の強度
に問題が生じ、逆に3mmより浅くすると、水蒸気が逃げ
難くなるという不都合がある。
【0022】実施例1 上述の効果を確認するため、比重0.3で厚み40mm×
幅850mm×長さ1950mmの繊維混入ケイ酸カルシウ
ム板(JIS A 9510に規定されたケイ酸カルシ
ウム保温材に準拠したもの)を芯材3とし、断面が40
mm×25mmのメープルの角材を補強縁材5とし、通気溝
7を深さ5mm×幅3mmのものとし、厚さ2.7mm×幅9
00mm×長さ2000mmの化粧合板を木質の表面材6と
した木製防火扉1(厚さ45.4mm×幅900mm×長さ
2000mm)を製造した。この際、コア層2(即ち、前
記繊維混入ケイ酸カルシウム板とメープルの角材)と化
粧合板とを正確に(即ち、互いにずれることなく正しい
位置に)積層することが出来た。これは、コア層2の表
裏両面に通気溝7が設けられているので、コア層2と化
粧合板との間に空気を包み込んでも該通気溝7を通じて
外部に抜くことが出来ることに起因する。
幅850mm×長さ1950mmの繊維混入ケイ酸カルシウ
ム板(JIS A 9510に規定されたケイ酸カルシ
ウム保温材に準拠したもの)を芯材3とし、断面が40
mm×25mmのメープルの角材を補強縁材5とし、通気溝
7を深さ5mm×幅3mmのものとし、厚さ2.7mm×幅9
00mm×長さ2000mmの化粧合板を木質の表面材6と
した木製防火扉1(厚さ45.4mm×幅900mm×長さ
2000mm)を製造した。この際、コア層2(即ち、前
記繊維混入ケイ酸カルシウム板とメープルの角材)と化
粧合板とを正確に(即ち、互いにずれることなく正しい
位置に)積層することが出来た。これは、コア層2の表
裏両面に通気溝7が設けられているので、コア層2と化
粧合板との間に空気を包み込んでも該通気溝7を通じて
外部に抜くことが出来ることに起因する。
【0023】次いで、この木製防火扉1を防火枠10に
取り付け、その状態で、JISA 1311「建築用防
火戸の防火試験方法」に準じて耐火1時間加熱試験及び
衝撃試験を実施したところ、遮炎性・構造安定性ともに
問題はなく、甲種防火戸に合格した。
取り付け、その状態で、JISA 1311「建築用防
火戸の防火試験方法」に準じて耐火1時間加熱試験及び
衝撃試験を実施したところ、遮炎性・構造安定性ともに
問題はなく、甲種防火戸に合格した。
【0024】比較例1 実施例1において、コア層2である繊維混入ケイ酸カル
シウム板とメープルの角材に通気溝7を設けないこと以
外は同じ構成・方法で木製防火扉1を製造した。この
際、コア層2に木質の表面材6である化粧合板を積層し
てプレス養生するときに、上側の化粧合板の積層位置が
ずれないように周囲に当て木をして複合する必要があ
り、面倒であった。
シウム板とメープルの角材に通気溝7を設けないこと以
外は同じ構成・方法で木製防火扉1を製造した。この
際、コア層2に木質の表面材6である化粧合板を積層し
てプレス養生するときに、上側の化粧合板の積層位置が
ずれないように周囲に当て木をして複合する必要があ
り、面倒であった。
【0025】次いで、この木製防火扉1を実施例1と同
様に防火枠10に取り付けて加熱試験を実施したとこ
ろ、17分30秒で木製防火扉1の上部と下部の2箇所
で爆裂が発生し、18分5秒後には木製防火扉1の裏面
(非加熱面)に発炎を生じ、所望の防火性能が得られな
かった。
様に防火枠10に取り付けて加熱試験を実施したとこ
ろ、17分30秒で木製防火扉1の上部と下部の2箇所
で爆裂が発生し、18分5秒後には木製防火扉1の裏面
(非加熱面)に発炎を生じ、所望の防火性能が得られな
かった。
【0026】なお、上述の実施例においては、コア層2
の表裏両面に通気溝7を直線状に1本ずつ設けた木製防
火扉1について説明したが、コア層2の上端部と下端部
とを連通するように設ける限り、折れ線状又は曲線状に
設けてもよく、また2本以上設けてもよい。通気溝7を
2本以上設ける場合には、これ等の通気溝7の総断面が
芯材3の断面の0.03〜0.2%程度の面積になるよ
うに設ければ、水蒸気を速やかに逃がすことが出来ると
同時に、芯材3の強度、木質の表面材6を複合したとき
の平滑性、通気溝7の加工作業性などの点で問題が生じ
ることはない。
の表裏両面に通気溝7を直線状に1本ずつ設けた木製防
火扉1について説明したが、コア層2の上端部と下端部
とを連通するように設ける限り、折れ線状又は曲線状に
設けてもよく、また2本以上設けてもよい。通気溝7を
2本以上設ける場合には、これ等の通気溝7の総断面が
芯材3の断面の0.03〜0.2%程度の面積になるよ
うに設ければ、水蒸気を速やかに逃がすことが出来ると
同時に、芯材3の強度、木質の表面材6を複合したとき
の平滑性、通気溝7の加工作業性などの点で問題が生じ
ることはない。
【0027】また、上述の実施例においては、芯材3が
1枚ものである場合について説明したが、図3に示すよ
うに、複数枚(例えば、4枚)の芯材片3a、3b、3
c、3dに分割し各々を非接着接合したものを芯材3と
することも可能である。
1枚ものである場合について説明したが、図3に示すよ
うに、複数枚(例えば、4枚)の芯材片3a、3b、3
c、3dに分割し各々を非接着接合したものを芯材3と
することも可能である。
【0028】実施例2 実施例1において、芯材3を長手方向に4つに分割(分
割した端面は実加工を施し、1枚の芯材片3a、3b、
3c、3dの有効長さは487.5mmとした。)したこ
と以外は同じ構成・方法で木製防火扉1を製造した。
割した端面は実加工を施し、1枚の芯材片3a、3b、
3c、3dの有効長さは487.5mmとした。)したこ
と以外は同じ構成・方法で木製防火扉1を製造した。
【0029】次いで、この木製防火扉1を実施例1と同
様に防火枠10に取り付けて耐火1時間加熱試験及び衝
撃試験を実施したところ、遮炎性・構造安定性ともに問
題はなく、甲種防火戸に合格した。なお、このときの木
製防火扉1の上端隅部の反りは5mmであった。比較例1
と比べると反りが大幅に抑制されているが、これは、芯
材3を芯材片3a、3b、3c、3dに分割し各々を非
接着接合したことによって、芯材3全体の反りが減少し
たためである。
様に防火枠10に取り付けて耐火1時間加熱試験及び衝
撃試験を実施したところ、遮炎性・構造安定性ともに問
題はなく、甲種防火戸に合格した。なお、このときの木
製防火扉1の上端隅部の反りは5mmであった。比較例1
と比べると反りが大幅に抑制されているが、これは、芯
材3を芯材片3a、3b、3c、3dに分割し各々を非
接着接合したことによって、芯材3全体の反りが減少し
たためである。
【0030】
【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
平板状の芯材3と該芯材3の周囲を囲む補強縁材5とか
らなるコア層2の表裏両面に、木質の表面材6をそれぞ
れ貼着して複合した木製防火扉1において、前記コア層
2の表裏両面にそれぞれ、当該コア層2の上端部と下端
部とを連通する通気溝7を1本以上設けて構成したの
で、火災時に木製防火扉1の片面から熱を受けた際に
は、芯材3中に保有されている水分が水蒸気となって通
気溝7を通じて外部に逃げることから、芯材3と木質の
表面材6との間に水分が水蒸気となって充満して爆裂が
生じる事態の発生を未然に防止することが出来る。ま
た、通気溝7を設けたことによって、木製防火扉1を製
造する際に、容易に木質の表面材6をコア層2に対して
正しい位置に積層することが可能となるので、生産性が
向上する。
平板状の芯材3と該芯材3の周囲を囲む補強縁材5とか
らなるコア層2の表裏両面に、木質の表面材6をそれぞ
れ貼着して複合した木製防火扉1において、前記コア層
2の表裏両面にそれぞれ、当該コア層2の上端部と下端
部とを連通する通気溝7を1本以上設けて構成したの
で、火災時に木製防火扉1の片面から熱を受けた際に
は、芯材3中に保有されている水分が水蒸気となって通
気溝7を通じて外部に逃げることから、芯材3と木質の
表面材6との間に水分が水蒸気となって充満して爆裂が
生じる事態の発生を未然に防止することが出来る。ま
た、通気溝7を設けたことによって、木製防火扉1を製
造する際に、容易に木質の表面材6をコア層2に対して
正しい位置に積層することが可能となるので、生産性が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による木製防火扉の一実施例を示す図で
あり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線によ
る断面図、(c)は(a)のB−B線による断面図であ
る。
あり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線によ
る断面図、(c)は(a)のB−B線による断面図であ
る。
【図2】図1に示す木製防火扉を防火枠に取り付けた際
の様子を示す図であり、(a)は正面図、(b)は
(a)のC−C線による断面図、(c)は(a)のD−
D線による断面図である。
の様子を示す図であり、(a)は正面図、(b)は
(a)のC−C線による断面図、(c)は(a)のD−
D線による断面図である。
【図3】本考案による木製防火扉の別の実施例を示す図
であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA′−A′
線による断面図、(c)は(a)のB′−B′線による
断面図である。
であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA′−A′
線による断面図、(c)は(a)のB′−B′線による
断面図である。
1……木製防火扉 2……コア層 3……芯材 5……補強縁材 6……木質の表面材 7……通気溝
Claims (1)
- 【請求項1】 平板状の芯材(3)と該芯材の周囲を囲
む補強縁材(5)とからなるコア層(2)の表裏両面
に、木質の表面材(6)をそれぞれ貼着して複合した木
製防火扉(1)において、 前記コア層の表裏両面にそれぞれ、当該コア層の上端部
と下端部とを連通する通気溝(7)を1本以上設けて構
成した木製防火扉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP601592U JPH078776Y2 (ja) | 1992-02-17 | 1992-02-17 | 木製防火扉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP601592U JPH078776Y2 (ja) | 1992-02-17 | 1992-02-17 | 木製防火扉 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0566193U JPH0566193U (ja) | 1993-08-31 |
JPH078776Y2 true JPH078776Y2 (ja) | 1995-03-06 |
Family
ID=11626882
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP601592U Expired - Lifetime JPH078776Y2 (ja) | 1992-02-17 | 1992-02-17 | 木製防火扉 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH078776Y2 (ja) |
-
1992
- 1992-02-17 JP JP601592U patent/JPH078776Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0566193U (ja) | 1993-08-31 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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EXPY | Cancellation because of completion of term |