JPH0768584A - 結晶性塩化ビニリデン系樹脂粒子を用いた成形体の製造方法 - Google Patents

結晶性塩化ビニリデン系樹脂粒子を用いた成形体の製造方法

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JPH0768584A
JPH0768584A JP5222404A JP22240493A JPH0768584A JP H0768584 A JPH0768584 A JP H0768584A JP 5222404 A JP5222404 A JP 5222404A JP 22240493 A JP22240493 A JP 22240493A JP H0768584 A JPH0768584 A JP H0768584A
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adhesive resin
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Koki Maeda
好己 前田
Iku Kato
▲イク▼ 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶性塩化ビニリデン系樹脂の屑の回収利用
方法を提供する。 【構成】 平均粒径1〜10mmの結晶性塩化ビニリデ
ン系樹脂粒子の表面に、極性基を有するビニルモノマー
の(共)重合体でなる軟化温度が70℃以上の接着性樹
脂を固着させ、該樹脂粒子を成形用型内に充填し、接着
性樹脂の軟化温度以上で、かつ結晶性塩化ビニリデン系
樹脂の溶融温度以下の温度の流体で直接加熱した後、冷
却し、樹脂粒子の相互が一体的に接合した成形体にする
ことを特徴とする結晶性塩化ビニリデン系樹脂粒子を用
いた成形体の製造方法。 【効果】 成形作業性、及び非汚染等の作業環境性に優
れる。粒子の接合性、吸音性、通水性に優れた成形体を
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結晶性塩化ビニリデン
系樹脂のリサイクル技術に関し、樹脂の持つ耐薬品性、
耐水性と集合体の持つ通気性、通水性とを活用して、主
に吸音材、濾過材、排水資材、土壌改良材等に利用する
樹脂粒子の集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】結晶性塩化ビニリデン系樹脂のリサイク
ル化は古くから手掛けられている。しかしこれと言った
良策がないため、その屑の多くは埋設投棄処理に委ねて
いるのが現状である。この埋設投棄処理では樹脂の崩壊
・変質等はなく環境に直接悪影響を及ぼす懸念はまず無
いが、逆に埋設処理した樹脂屑が長期に亘って残存する
ことが埋設投棄処理地の確保が出来なくなる問題を生
み、その対策が求められている。
【0003】また、埋設投棄屑が生じる原因は、結晶性
塩化ビニリデン系樹脂の場合は、樹脂自体の熱成形加工
温度が樹脂の熱分解温度に近接し、且つこの熱成形加工
時の熱分解速度が、外部から持ち込まれる不純物や加熱
加工時の樹脂に生じる生成物によって促進される為に、
リサイクル時に受ける繰り返しの加工熱(粉砕時の擦過
発熱,造粒時の加熱,押出機での溶融加熱等)に耐え難
くなることに基本的な問題点がある。
【0004】そのために回収して得られる樹脂では一般
に繊細な・糸、フイルム、シート、ブロー容器等と言う
成形品の製造工程では先ずその成形性が保持出来ない
し、僅かに得られた成形品は、その成形品の目標品質に
対し色調、外観品位、機械特性等の面で不満足なものと
なり実用に供することが出来ない。また、成形性が保持
出来る成形品は、その寸法規格の絶対値の相違や形状,
品質の不揃い等に依って工業資材にもなり得ない。その
ため例えば、フイルムのトリーム耳屑と言う様なごく限
られた屑のみを粉砕・造粒して、例えば3000デニー
ル以上の極太長単繊維に再生したり、或いは上記厳選し
た回収造粒品を新しい樹脂原料に数%以下の割合で混合
し、厚肉のフイルムに再生利用するのが限度となるの
で、回収効率が高まらないのである。
【0005】他方、回収樹脂の粉砕粒をセメントの骨材
や充填材にする発想は、コンクリートの強度低下が大き
くて実用には供せない。更に、発泡粒子にして型内成形
体にする試みは、樹脂の持つ結晶性が定形化した気泡の
形成を阻害し、分解型化学発泡剤を厳選してもその樹脂
密度の1.7を1.4に出来るのが限界で、得られた発
泡体は樹脂素材の強度劣化が著るしく、発泡体にするこ
との利点を見出せない問題が生じてしまう。
【0006】また、回収樹脂の粒子自体をコールタール
等の接着剤で固めて成形体にする方法(特開昭52−1
40569号公報)は、型内充填時の作業性の悪さ、固
化熟成時間の長さ、器物への汚染や悪臭による作業環境
悪化の著るしさ等の作業上の難点が多い上に、得られる
成形体の機械的強度を満たす為には、成形体粒子間の空
隙率を10%程度にしか出来ない難点があり実用に供し
難い問題がある。
【0007】つまり、結晶性塩化ビニリデン系樹脂は、
再利用することが困難な樹脂である上に、適性な再利技
術が見出されていないことに埋設投棄が多い原因があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した通
り、熱分解し易さが原因でそのリサイクル化が難しい結
晶性塩化ビニリデン系樹脂の再利用方法として、樹脂の
熱分解を抑制できる型内成形方法を提供するのが課題で
あり、本発明者らは鋭意この課題を考究した結果、型内
充填時の作業性に優れ、成形体の固化熟成が迅速で、器
具、器物の汚染や悪臭による作業環境の悪化はなく、し
かも成形体粒子間の接合性に優れた空隙率が高い成形体
が容易に得られる成形方法を見出した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記発明の課題
を解決するためのものであり、平均粒径1〜10mmの
結晶性塩化ビニリデン系樹脂粒子の表面に、極性基を有
するビニルモノマーの(共)重合体でなる軟化温度が7
0℃以上の接着性樹脂の溶液を付着させて、表面に上記
接着性樹脂が固着した樹脂粒子を形成した後に、該樹脂
粒子を成形用型内に充填し、接着性樹脂の軟化温度以上
で、かつ結晶性塩化ビニリデン系樹脂の溶融温度以下の
温度の流体で直接加熱し、後にこれを冷却して、多数の
樹脂粒子の相互が全容積の5〜35%の空隙率を持って
一体的に接合した成形体にすることを特徴とする結晶性
塩化ビニリデン系樹脂粒子を用いた成形体の製造方法で
ある。
【0010】以下、本発明の内容を具体的に説明する。
先ず、本発明が従来技術と相違する点は、(1)接着性
樹脂に極性基を有するビニルモノマーの(共)重合体で
なる軟化温度が70℃以上の接着性樹脂を採用している
こと、(2)上記接着性樹脂は溶液にして樹脂粒子表面
に付着させ、一旦表面に上記接着性樹脂が固着した樹脂
粒子を形成させる工程を経ること、(3)上記(2)の
樹脂粒子を成形用型内に充填し、接着性樹脂の軟化温度
以上で結晶性塩化ビニリデン系樹脂の溶融温度以下の温
度の流体で直接加熱して、該粒子間の接着固化を図るこ
とにある。
【0011】この相違点に基づいて構成要件の意義を説
明する。まず、上記(1)の必要性は、塩化ビニリデン
系樹脂粒子の相互を強固に接着する為のものである。接
着性樹脂の成分である極性基を有するビニルモノマーと
しては、例えば塩化ビニル(0.200)、p−ジアノ
スチレン(0.310)、塩化ビニリデン(0.36
0)、p−ニトロスチレン(0.390)、メタクリル
酸メチル(0.390)、メタクリル酸エチル(0.5
20)、メタクリル酸(0.650)、アクリル酸メチ
ル(0.600)、アクリル酸エチル(0.220)、
アクリル酸プロピル(0.720)、アクリル酸ブチル
(1.060)、アクリル酸(0.770)、メタアク
リロニトリル(0.810)、アクリロニトリル(1.
200)、メチルビニルスルホン(1.290)、無水
マレイン酸(2.250)等が挙げられる。
【0012】なお、括弧内の数値は極性の大きさを示す
指標で、これは[ポリマー ハンドブック(ジョン・ウ
ィーリー・アンド・サンズ社出版、第2版)]のII−
387〜II−402頁にアルフレイ・プライスのQ−
e値のe値として掲載されている。つまりここではeの
値は正値で、0.200以上のビニルモノマーが選ばれ
ていることを示している。
【0013】本発明に用いる接着性樹脂は、これ等ビニ
ルモノマーの重合体、共重合体及び上記ビニルモノマー
成分を5重量%以上含む他のモノマーとの共重合体であ
る。入手が容易な具体的な樹脂としては、例えばポリ塩
化ビニル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸ス
テル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニリデン−メタクリル酸共重合体、塩化ビニリデン−ア
クリル酸共重合体、塩化ビニリデン−メタクリル酸−ア
クリル酸共重合体、ポリメタアクリル酸メチル重合体等
の樹脂及びエマルジョン樹脂がある。中でも上記eの値
が0.3500以上のビニルモノマー成分を8%重量以
上含む樹脂であることが望ましい。
【0014】この接着性樹脂が具備する軟化温度[AS
TM D 1525で測定されるビカット軟化点]は、
得られる成形体の耐熱変形性等の成形体の品質特性を支
配する。すなわち、軟化温度が70℃未満の接着性樹脂
の使用は、得られる成形体の耐熱変形性を悪化させる。
反面、軟化温度が高温側に過ぎると成形温度における粒
子相互の接着強度を低下させ成形体としての機械的強度
が悪化する。その粒子相互の接着強度を改善しょうとす
るための成形温度の昇高は、樹脂粒子の熱変色や熱分解
を生む原因となる。したがって、接着性樹脂が具備する
軟化温度は、望ましくは90℃〜180℃、さらに望ま
しくは95℃〜178℃の範囲のものを選ぶことにな
る。
【0015】つぎに、上記(2)の役割は、粒子間の接
合に必要な量の接着性樹脂を樹脂粒子の表面に均質に付
着させることを容易にし、且つ対象とする樹脂粒子の型
内充填を容易にし、更に粒子充填量の調節を確実に実施
できるようにする役割を果たす。すなわち、粒子間の接
合による成形体の形成には、個々の粒子の表面に或る厚
みを持った接着性樹脂の配置を必要とするが、この接着
性樹脂の過剰の配置や不均等な配置は、ともすれば空隙
率の低下や粒子間接合強度の成形体内の変動を生む。
【0016】これに対して本発明で用いる接着性樹脂の
溶液化は、適性な粘稠度に調整することで粒子間接合に
必要な接着性樹脂量の調節供給とその粒子表面への均等
配分を図る。そして、一旦冷却固化・乾燥させる工程を
経て接着性樹脂が表面に固着した状態の樹脂粒子を形成
させることで、型内充填時の作業性の向上、充填斑の解
消等を達成させようとしたものである。
【0017】この場合の接着性樹脂の溶液は、樹脂の有
機・無機系溶媒を用いた溶液に当たるが、中でも樹脂の
水性エマルジョンである場合はその乾燥が容易な上に、
毒性がなく溶媒回収する必要がないので有益である。こ
の際の上述の粒子間接合に必要な接着性樹脂量は、粒子
である結晶性塩化ビニリデン系樹脂100重量部に対し
て接着性樹脂個体成分量が5〜20重量部であり、この
値を満たすように接着性樹脂2〜15%の溶剤溶液、或
いは接着性樹脂20〜60%の水性エマルジョン溶液が
使用される。
【0018】混合には公知の混合機が採用できるが、槽
内を壁部から加熱・冷却が出来る可変速型のリボンブレ
ンダを採用し、樹脂温度と混合速度を段階的に変更し
て、接着性樹脂量の粒子表面への均等配分と、付着した
接着性樹脂量の乾燥・固化とを同じ槽内で行なわせる方
が便利である。上記(3)の意義は、目標とする性能と
形状の成形体を容易に形成させ得ることにある。ここに
用いる成形型は、型窩の壁面に多数の通気小孔を有した
通常「閉塞し得るが密閉されない金型」と呼称されるも
のを用いる。この役割は、成形時に供給する水蒸気や加
熱空気等の熱媒体(加熱流体)を型窩内にも流通させ、
充填されている樹脂粒子間に滞留している空気等を排出
させながら、樹脂粒子の表面に熱媒体が直接接触する処
の直接加熱形式の成形を行なわせる為めのものである。
【0019】そのことによって結晶性塩化ビニリデン系
樹脂の溶融温度以下の加熱温度での成形を可能にし、該
樹脂の熱分解を防ぐ役割を果たす。この際の熱媒体の具
体的な温度は90℃〜180℃、望ましくは95℃〜1
78℃の範囲である。そして水等の冷媒を用いて速やか
に冷却することで、型窩の形状通りの成形体が形成され
る。
【0020】上述の成形操作において、二つ割れの型窩
を用い、この型窩を体積の3〜25%広げた状態にして
樹脂粒子を充填し、充填が終った段階、或いは予備加熱
が終った段階でこの型窩を正規の状態に迄閉める方式
(クラッキング充填方式)を採用すると、粒子間の接合
強度を高め、且つ粒子間の空隙率の調節出来るので望ま
しい。
【0021】本発明に用いる結晶性塩化ビニリデン系樹
脂は、塩化ビニリデン成分が70〜98重量%、これと
共重合出来る例えば塩化ビニル、アクリロニトリル、ア
クリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、酢酸ビニル等
の成分が合計30〜2重量%の結晶性の共重合体樹脂で
あり、一般には、糸、フイルム、シート等への製造過程
やその2次加工品への加工過程等で発生する屑、不良・
不要製品等を回収し、粉砕し造粒して得らる樹脂粒子を
用いることになる。
【0022】この樹脂粒子は、平均粒径で通常1〜10
mmのもの、望ましくは2〜8mmのものを採用する。
粒子径の小さい方は個々の粒子間空隙を小さくできて吸
音率の周波数特性の調整が可能となり吸音効果が生じる
が、粒径が1mm未満では全体としての空隙率が小さく
なりすぎる傾向にある。一方、粒子径の大きい方は個々
の粒子間空隙広さや全体の空隙率が大きくとれて通気
性、透水性が高まるが、10mmを超えて大きいもので
は、樹脂量に対する粒子の表面積が小さく、成形体にし
た時に粒子間の接合強度が不足する傾向にある。また、
空隙率の高い成形体を得るには、同じ平均粒径の粒子で
も粒径分布の狭い粒径が揃った粒子の方が有利になるの
で、この際は分級して粒径を揃えた方が良い。
【0023】結晶性塩化ビニリデン系樹脂の回収・造粒
する方法には、例えば (A)屑の形態が樹脂溶融物の非定型な塊であるものか
ら、分解樹脂や異物の混入のない良品を選び、これを3
〜8mm程度に粗砕して通常の押出機に供給し、ストラ
ンド状に溶融押出しし、それをストランド径程度の長さ
に切断してペレット状粒子にする方法、(B)屑の形態
が延伸された板状、フイルム状物の非定型集合体、積層
集合体に絞り、これを微粉化する過程の粉砕時の機内発
熱を利用し、粉砕機内で粉砕と融着造粒とを同時に行な
わせる方法、(C)圧縮集合はされるが溶融はしないよ
うに深溝に設計した押出スクリューを持つ押出機に、粗
砕した回収屑を供給し、この押出機の押出口の近傍小領
域のみを過熱気味に調温して回収屑を柱状に押出し、押
出された柱状物の内部が未溶融状態回収屑、その表層部
は溶融樹脂化した被覆層をもつ押出柱状物を形成し、こ
の押出柱状物を押出し直後に所定の短尺寸法に切断する
ことにより、表層部の溶融樹脂の一部が切断具に伴って
移動して切断端面を覆い、未溶融の回収屑のほぼ全体が
溶融樹脂で覆われた樹脂粒子を形成するという樹脂粒子
の製造方法等がある。
【0024】上記(A)の方法は、ストランド径とその
切断長を選択すれば、各種の径の粒子が容易に得られる
公知の方法であるが、溶融押出しの成形過程が加わるの
で、例えば熱安定剤の使用や押出スクリューの改造等、
樹脂の熱分解を防ぐ手段を考慮することが望ましい。一
方、(B)の方法は、回転刃回転軌道の下側外周を覆う
スクリーン網目の大きさの選択、粉砕機内の温調、投入
屑量の調節等に細心の管理が要求される方法ではある
が、樹脂は、屑の段階から比較的低温の熱履歴を受ける
だけで直接粒子になる点で優れ、平均粒径が1〜5mm
程度の小粒の製造には有利である。
【0025】更に(C)の方法は、粒子内部が屑の未溶
融集合体であることで比重の小さい粒子が得られ、また
種々の形態の屑を回収対象にすることができ、押出造粒
過程での樹脂の熱分解が少ない等の利点を持つ最も優れ
た樹脂回収方法である。しかし、例えば3mm未満の小
さな径の粒子の製造には不向きである。なお、ここで言
う平均粒径は、厳密にはDIN 4188に開示された
標準篩による篩分け法で測定することができる。
【0026】
【実施例】本発明で用いた評価方法を次に示す。 [ビカット軟化点]:ASTM D 1525に基づく
測定値。 [引張り破断強度]:ASTM D 882−81に基
づく測定値。 [空隙率]:見掛けのかさ容積(V1)の成形体を一定
量の水を満たした容積目盛り付容器に漬没させ、その時
の水目盛りの増加量(V2)を測定し、次式から求め
る。
【0027】{(V1−V2)/V1}×100 [吸音率]:JIS A 1405に基づく垂直入射吸
音率(定在波法)の測定値。
【0028】
【実施例1】屑の形態が樹脂溶融物の非定型な塊である
結晶性塩化ビニリデン系樹脂の回収品を原料とし、その
粗砕屑を押出機に供給してストランド押出法で径約2m
m、切断長さ約1.8mmのペレット状樹脂粒子を得
た。この樹脂粒子100重量部に対してABS樹脂[旭
化成製:商品名スタイラック3941、ビカット軟化点
105℃]の7重量%トルエン溶液200重量部を加
え、実効容量150リットルのリボンブレンダーで15
分混合し、槽内温度を約50℃に高め、塊状化を防ぐ緩
やかな混合を続けながら20分をかけてトルエン成分を
揮散させ(ブレンダー上蓋の一端に配した導管よりトル
エン成分を吸引排出し、活性炭で吸着回収)、表面にA
BS樹脂が固着した塩化ビニリデン系樹脂粒子を得た。
【0029】この粒子はサラットしていて流動性に優れ
るものであった。この粒子を型窩壁に多数の蒸気流通孔
を持つ、型窩寸法が300×300×30mmの2つ割
れの金型に充填し、発泡樹脂用の自動成形機を用いた成
形に供した。この時の粒子充填には10%クラッキング
充填方式を採用し、成形条件としては、一方加熱が0.
2kg/cm2 の水蒸気で8秒、両面本加熱は0.3k
g/cm2 の水蒸気で30秒とし、通常の水道水を40
秒間通水冷却とする時間サイクルで、完成した成形体と
して離型し取り出すことが出来た。
【0030】得られた乾燥後の成形体を本文記載の評価
方法でその特性値を評価したところ、引張り破断強度は
270kg/cm2 、空隙率28%の粒子間接合強度に
優れた成形体であった。この成形体は、中心周波数が5
00、1000、1500Hzにおける吸音率が各々2
5%、96%、76%であり、優れた吸音性を持つ成形
体であると言える。また、上記一連の工程に使用した混
合機の槽内や運搬容器、成形機の型窩等には接着性樹脂
による汚染は殆どなく、それ等による二次汚染もないの
で作業環境としては良好なものであった。
【0031】
【実施例2】結晶性塩化ビニリデン系樹脂粒子は、外表
面のほぼ全体は約0.8mmの回収屑が溶融した樹脂被
覆層で覆われてはいるが、その内部は同じ回収屑が未溶
融状態のまま圧縮された状態のものである直径約6m
m、切断長約5mmの柱状ペレット粒子[前記本文製法
(C)によるもの]に、接着性樹脂は、SMA樹脂[積
水化成製:商品名ダイラーク250、ビカット軟化点1
15℃]に、型内充填時のクラッキング率は15%に、
成形時の加熱温度を一方加熱は0.5kg/cm 2 の水
蒸気で8秒、両面本加熱は0.7kg/cm2 の水蒸気
で25秒に、各々変更した他は、上記実施例1の同じ実
験を繰り返し成形体を得た。
【0032】得られた成形体は、張り破断強度が250
kg/cm2 、空隙率31%の粒子間接合強度に優れた
成形体であった。この成形体は、吸音効果はほとんど期
待できないが、透水性、通気性には優れ、例えば成形体
の上面に流した水は、直ちに成形体の下面側に滴り落ち
る状態の透水性を示すものであった。また、上記一連の
工程に使用した混合機の槽内や運搬容器、成形機の型窩
等には接着性樹脂による汚染は殆どなく、それ等による
二次汚染もないので作業環境としては良好なものであっ
た。
【0033】
【比較例1】実施例2に用いたと同じの結晶性塩化ビニ
リデン樹脂の柱状ペレット粒子を約100℃に余熱して
おき、市販の土木工事用セメントミキサーに入れ、これ
を混合させながら約120℃に加熱して粘稠度を下げた
ストレートアスファルト[石油アスファルト、JIS
K 2207での種類:40〜60(軟化点45〜60
℃)]を、樹脂量に対して15重量%量加えて8分間混
ぜ合せた。
【0034】得られた混合物を、70℃以上の温度を保
つ粘稠な状態にある間に、内寸法約300×300×3
0mmの金属製の組立平型に取出し、金棒等で突き詰め
込みながら上面を平坦に均して上蓋を乗せ、上蓋の8ヶ
所に配置してあるネジ万力で水平度を保ちながら上蓋を
押圧固定した。この型詰めには二人作業で約2分を要し
た。約30分自然放冷して40℃以下にし、離型して成
形体を得た。
【0035】常温に迄冷却した成形体は、空隙率は30
%の値を示し透水性、通気性は有してはいるが、引張り
破断強度が170kg/cm2 と極端に低く脆弱であ
る。この原因は粒子の接合状態に大きなバラツキが生じ
ているためのものである。また、この成形体は、当然吸
音効果は期待できないし、露出したアスファルトで外観
上が汚ならしくこれを切断した時は、手や刃物が黒く汚
染される問題がある。
【0036】更に、この成形方法は全体の作業時間サイ
クルが長くて能率が悪く、しかも上記一連の工程に使用
した混合機の槽内や容器、使用道具、及び成形型等は、
アスファルトで真黒に汚染し、作業者への二次汚染も著
るしい。そして混合から型込め作業中に生じる悪臭には
耐え難いものがあり、作業環境として最低のものであ
る。
【0037】
【発明の効果】本発明は上述の構成を持つことにより、
結晶性塩化ビニリデン系樹脂粒子を原料にして、型内充
填時の作業性に優れ、成形体の成形固化が迅速で、器物
の汚染や悪臭による作業環境の悪化はなく、しかも成形
体粒子間の接合性に優れた、空隙率が高い成形体が容易
に得られる。この本発明の製造方法は、従来樹脂の熱分
解が著しいために、その再生方法・用途がなく埋没投棄
処理に委ねていた結晶性塩化ビニリデン系樹脂の屑の回
収利用に有益であり、産業界に果たす役割の高い優れた
発明である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径1〜10mmの結晶性塩化ビニ
    リデン系樹脂粒子の表面に、極性基を有するビニルモノ
    マーの(共)重合体でなる軟化温度が70℃以上の接着
    性樹脂の溶液を付着させて、表面に上記接着性樹脂が固
    着した樹脂粒子を形成した後に、該樹脂粒子を成形用型
    内に充填し、接着性樹脂の軟化温度以上で、かつ結晶性
    塩化ビニリデン系樹脂の溶融温度以下の温度の流体で直
    接加熱し、後にこれを冷却して、多数の樹脂粒子の相互
    が全容積の5〜35%の空隙率を持って一体的に接合し
    た成形体にすることを特徴とする結晶性塩化ビニリデン
    系樹脂粒子を用いた成形体の製造方法。
JP5222404A 1993-09-07 1993-09-07 結晶性塩化ビニリデン系樹脂粒子を用いた成形体の製造方法 Withdrawn JPH0768584A (ja)

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JP5222404A Withdrawn JPH0768584A (ja) 1993-09-07 1993-09-07 結晶性塩化ビニリデン系樹脂粒子を用いた成形体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20180095662A (ko) 2016-01-14 2018-08-27 에이케이 스틸 프로퍼티즈 인코포레이티드 준안정 오스테나이트를 함유하는 스틸의 온간 압연

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KR20180095662A (ko) 2016-01-14 2018-08-27 에이케이 스틸 프로퍼티즈 인코포레이티드 준안정 오스테나이트를 함유하는 스틸의 온간 압연

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