JPH0768570B2 - 複合切削チツプ - Google Patents
複合切削チツプInfo
- Publication number
- JPH0768570B2 JPH0768570B2 JP61167619A JP16761986A JPH0768570B2 JP H0768570 B2 JPH0768570 B2 JP H0768570B2 JP 61167619 A JP61167619 A JP 61167619A JP 16761986 A JP16761986 A JP 16761986A JP H0768570 B2 JPH0768570 B2 JP H0768570B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diamond
- cutting
- grained
- coarse
- toughness
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、例えば、切削工具の基幹となるボデーに機
械的に取り付けられるスローアウエイチツプ、あるいは
炭化タングステン(以下、WCで表わす)基超硬合金また
は高速度鋼などで造られた切削工具本体にろう付けされ
る刃部、として使用される複合切削チツプに関するもの
である。
械的に取り付けられるスローアウエイチツプ、あるいは
炭化タングステン(以下、WCで表わす)基超硬合金また
は高速度鋼などで造られた切削工具本体にろう付けされ
る刃部、として使用される複合切削チツプに関するもの
である。
近年、フアインセラミツクス製部材が多くの分野に進出
するようになつて、これらの部材に対する穴あけ加工や
溝入れ加工、さらに旋削加工などの加工を施す必要性が
急激に高まつており、従来これらのフアインセラミツク
ス製部材のほか、炭素材料、超硬合金、さらに非鉄金属
などの切削加工には、例えば、CoおよびNiのうちの1種
または2種を3〜30%(%は容量%を意味する、以下同
様)含有し、残りが粒径:0.1〜100μのダイヤモンドか
らなるダイヤモンド基焼結材料を切刃材とする一方、WC
基超硬合金を台金材として、この台金材に前記切刃材を
焼結結合してなる複合切削チツプが使用されている。
するようになつて、これらの部材に対する穴あけ加工や
溝入れ加工、さらに旋削加工などの加工を施す必要性が
急激に高まつており、従来これらのフアインセラミツク
ス製部材のほか、炭素材料、超硬合金、さらに非鉄金属
などの切削加工には、例えば、CoおよびNiのうちの1種
または2種を3〜30%(%は容量%を意味する、以下同
様)含有し、残りが粒径:0.1〜100μのダイヤモンドか
らなるダイヤモンド基焼結材料を切刃材とする一方、WC
基超硬合金を台金材として、この台金材に前記切刃材を
焼結結合してなる複合切削チツプが使用されている。
しかしながら、上記のような従来の複合切削チツプにお
いて切刃材中のダイヤモンドを微粒のものとすると、そ
のチツプは靱性には富むものの、耐摩耗性に劣るものと
なり、他方そのダイヤモンドを粗粒のものとすると、チ
ツプは耐摩耗性に富むものとなつても、靱性には劣るも
のとなるため、前記従来の複合切削チツプでは、靱性と
耐摩耗性のいずれにも優れたものを得ることができず、
したがつてこのような切削工具は寿命が比較的短くなる
のを避けることができなかつた。
いて切刃材中のダイヤモンドを微粒のものとすると、そ
のチツプは靱性には富むものの、耐摩耗性に劣るものと
なり、他方そのダイヤモンドを粗粒のものとすると、チ
ツプは耐摩耗性に富むものとなつても、靱性には劣るも
のとなるため、前記従来の複合切削チツプでは、靱性と
耐摩耗性のいずれにも優れたものを得ることができず、
したがつてこのような切削工具は寿命が比較的短くなる
のを避けることができなかつた。
そこで本発明者等は上述の現状に鑑みて種々研究を重ね
た結果、 1.前記複合切削チツプの切刃材を構成するダイヤモンド
基焼結材料においてダイヤモンドの粒径を種々変化させ
て、この焼結材料の破壊試験を実施し、その際に生じた
亀裂の伝播経路を調べたところ、そのダイヤモンドの粒
径が8μ未満であるときは主として粒間破壊を生じ、一
方それが8μ以上の粗粒になると粒内破壊を生じ易いこ
と、 2.前記ダイヤモンドが粒径:8μ未満の微粒であると焼結
材料が粒間破壊を生じ易いのは、結合相のダイヤモンド
粒子保持力がダイヤモンド粒子の破壊応力を下回ること
に起因し、これは、このようなダイヤモンド基焼結材料
で切刃を構成すると、切削中にその切刃の刃先からダイ
ヤモンド粒子が脱落して摩耗を生じ易くするものと考え
られるが、粒径:8μ未満のダイヤモンドに粒径:8μ以上
のダイヤモンドを比較的少量加えて焼結材料を構成する
と、この焼結材料では前記ダイヤモンド粒子の脱落が著
しく抑制される結果、それの耐摩耗性が著しく向上する
こと、 3.一方、亀裂が粒内を通過し易い粒径:8μ以上の粗粒ダ
イヤモンドを基にした焼結材料では、ダイヤモンド粒子
の表面積が大きくなつて、結合相のダイヤモンド粒子保
持力が増大し、それによつてダイヤモンド粒子の強度を
上回る破壊力がダイヤモンド粒子に作用して、ダイヤモ
ンド粒子に亀裂が伝播し、その結果このような焼結材料
は大変脆くなるものと考えられるが、粒径:8μ以上のダ
イヤモンドに粒経:8μ未満のダイヤモンドを比較的少量
加えて焼結材料を構成すると、この焼結材料は全体とし
て優れた剛性を維持しつつ、その中で亀裂が伝播する際
には、亀裂はダイヤモンド粒子と結合相間を経由しつつ
結合相を伝播し、添加された微粒ダイヤモンドはあたか
も結合相のように振舞うため、前記焼結材料は高い靱性
をもつようになること、 4.すなわち、上記のように粗粒および微粒のダイヤモン
ドをそれぞれ微粒および粗粒のダイヤモンドに添加する
ことにより、ダイヤモンド基焼結材料において従来の特
性を補う特性、すなわち微粒ダイヤモンドを主体とする
焼結材料では高い耐摩耗性が得られる一方、粗粒ダイヤ
モンドを主体とする焼結材料では高い靱性と剛性が得ら
れ、したがつて、前者の耐摩耗性の高い材料を切刃材と
するとともに、後者の靱性と剛性の高い材料を、この切
刃材を台金材上に支持させる支持材として、これら3種
の材料を焼結により一体に結合させれば、刃先に高い耐
摩耗性が付与されるとともに、全体として靱性と剛性に
も優れた複合切削チツプが得られること、 5.前記切刃材中で結合相を形成する金属、すなわちCoお
よびNiのうちの1種または2種の割合を比較的少なく、
すなわち3〜12%未満とすると、この切刃材において高
い耐摩耗性を得るのに有利であり、一方前記支持材中で
前記金属の含有量を比較的多く、すなわち12〜30%とす
ると、この支持材において高い靱性と剛性を得るのに有
利であり、その結果全体として一層耐摩耗性と靱性に優
れた複合切削チツプが得られること、 6.Coおよび/またはNiの量を上記のように変えた切刃材
と支持材とを、支持材を間に挾んで炭化タングステン基
超硬合金台金材に結合して、三層構造の複合切削チツプ
を形成すると、その熱膨脹係数は切刃材〈支持材〈台金
材の順となつて、切削時に刃先にかかる熱応力および熱
衝撃のスムーズな緩和がはかられるとともに、それらの
剛性率は切刃材〉支持材〉台金材の順となつて、刃先に
かかる機械的な衝撃力もスムーズに緩和され、したがつ
てこの三層構造の複合切削チツプでは、従来の二層構造
のものよりも、切削時に繰返し刃先にかかる大きな衝
撃、熱応力および熱衝撃がいずれもスムーズに緩和され
て、その寿命が延びること、 を見出した。
た結果、 1.前記複合切削チツプの切刃材を構成するダイヤモンド
基焼結材料においてダイヤモンドの粒径を種々変化させ
て、この焼結材料の破壊試験を実施し、その際に生じた
亀裂の伝播経路を調べたところ、そのダイヤモンドの粒
径が8μ未満であるときは主として粒間破壊を生じ、一
方それが8μ以上の粗粒になると粒内破壊を生じ易いこ
と、 2.前記ダイヤモンドが粒径:8μ未満の微粒であると焼結
材料が粒間破壊を生じ易いのは、結合相のダイヤモンド
粒子保持力がダイヤモンド粒子の破壊応力を下回ること
に起因し、これは、このようなダイヤモンド基焼結材料
で切刃を構成すると、切削中にその切刃の刃先からダイ
ヤモンド粒子が脱落して摩耗を生じ易くするものと考え
られるが、粒径:8μ未満のダイヤモンドに粒径:8μ以上
のダイヤモンドを比較的少量加えて焼結材料を構成する
と、この焼結材料では前記ダイヤモンド粒子の脱落が著
しく抑制される結果、それの耐摩耗性が著しく向上する
こと、 3.一方、亀裂が粒内を通過し易い粒径:8μ以上の粗粒ダ
イヤモンドを基にした焼結材料では、ダイヤモンド粒子
の表面積が大きくなつて、結合相のダイヤモンド粒子保
持力が増大し、それによつてダイヤモンド粒子の強度を
上回る破壊力がダイヤモンド粒子に作用して、ダイヤモ
ンド粒子に亀裂が伝播し、その結果このような焼結材料
は大変脆くなるものと考えられるが、粒径:8μ以上のダ
イヤモンドに粒経:8μ未満のダイヤモンドを比較的少量
加えて焼結材料を構成すると、この焼結材料は全体とし
て優れた剛性を維持しつつ、その中で亀裂が伝播する際
には、亀裂はダイヤモンド粒子と結合相間を経由しつつ
結合相を伝播し、添加された微粒ダイヤモンドはあたか
も結合相のように振舞うため、前記焼結材料は高い靱性
をもつようになること、 4.すなわち、上記のように粗粒および微粒のダイヤモン
ドをそれぞれ微粒および粗粒のダイヤモンドに添加する
ことにより、ダイヤモンド基焼結材料において従来の特
性を補う特性、すなわち微粒ダイヤモンドを主体とする
焼結材料では高い耐摩耗性が得られる一方、粗粒ダイヤ
モンドを主体とする焼結材料では高い靱性と剛性が得ら
れ、したがつて、前者の耐摩耗性の高い材料を切刃材と
するとともに、後者の靱性と剛性の高い材料を、この切
刃材を台金材上に支持させる支持材として、これら3種
の材料を焼結により一体に結合させれば、刃先に高い耐
摩耗性が付与されるとともに、全体として靱性と剛性に
も優れた複合切削チツプが得られること、 5.前記切刃材中で結合相を形成する金属、すなわちCoお
よびNiのうちの1種または2種の割合を比較的少なく、
すなわち3〜12%未満とすると、この切刃材において高
い耐摩耗性を得るのに有利であり、一方前記支持材中で
前記金属の含有量を比較的多く、すなわち12〜30%とす
ると、この支持材において高い靱性と剛性を得るのに有
利であり、その結果全体として一層耐摩耗性と靱性に優
れた複合切削チツプが得られること、 6.Coおよび/またはNiの量を上記のように変えた切刃材
と支持材とを、支持材を間に挾んで炭化タングステン基
超硬合金台金材に結合して、三層構造の複合切削チツプ
を形成すると、その熱膨脹係数は切刃材〈支持材〈台金
材の順となつて、切削時に刃先にかかる熱応力および熱
衝撃のスムーズな緩和がはかられるとともに、それらの
剛性率は切刃材〉支持材〉台金材の順となつて、刃先に
かかる機械的な衝撃力もスムーズに緩和され、したがつ
てこの三層構造の複合切削チツプでは、従来の二層構造
のものよりも、切削時に繰返し刃先にかかる大きな衝
撃、熱応力および熱衝撃がいずれもスムーズに緩和され
て、その寿命が延びること、 を見出した。
この発明は、上記知見に基づいて発明されたもので、耐
摩耗性と靱性にすぐれた、したがつて寿命の長い切削チ
ツプを提供することを目的とし、 切刃材を、支持材を介して炭化タングステン基超硬合金
台金材に焼結結合してなる複合切削チツプにおいて、 前記切刃材が、CoおよびNiのうちの1種または2種:3〜
12%未満および粒状ダイヤモンド:残り、からなるダイ
ヤモンド基焼結材料であつて、この粒状ダイヤモンド
は、2〜8μ未満の粒径を有する微粒ダイヤモンド:50
〜90%および8〜30μの粒径を有する粗粒ダイヤモン
ド:残り、から構成され、そして 前記支持材が、CoおよびNiのうちの1種または2種:12
〜30%および粒状ダイヤモンド:残り、からなるダイヤ
モンド基焼結材料であつて、この粒状ダイヤモンドは、
8〜50μの粒径を有する粗粒ダイヤモンド:50〜90%
(以上、容量%)および2〜8μ未満の粒径を有する微
粒ダイヤモンド:残り、から構成されていることを特徴
とするものである。
摩耗性と靱性にすぐれた、したがつて寿命の長い切削チ
ツプを提供することを目的とし、 切刃材を、支持材を介して炭化タングステン基超硬合金
台金材に焼結結合してなる複合切削チツプにおいて、 前記切刃材が、CoおよびNiのうちの1種または2種:3〜
12%未満および粒状ダイヤモンド:残り、からなるダイ
ヤモンド基焼結材料であつて、この粒状ダイヤモンド
は、2〜8μ未満の粒径を有する微粒ダイヤモンド:50
〜90%および8〜30μの粒径を有する粗粒ダイヤモン
ド:残り、から構成され、そして 前記支持材が、CoおよびNiのうちの1種または2種:12
〜30%および粒状ダイヤモンド:残り、からなるダイヤ
モンド基焼結材料であつて、この粒状ダイヤモンドは、
8〜50μの粒径を有する粗粒ダイヤモンド:50〜90%
(以上、容量%)および2〜8μ未満の粒径を有する微
粒ダイヤモンド:残り、から構成されていることを特徴
とするものである。
つぎに、この発明において切刃材および支持材中の、Co
およびNiのうちの1種または2種の含有量および粒状ダ
イヤモンドの粒径並びに配合割合をそれぞれ上記のよう
に限定した理由を述べる。
およびNiのうちの1種または2種の含有量および粒状ダ
イヤモンドの粒径並びに配合割合をそれぞれ上記のよう
に限定した理由を述べる。
1.切刃材 a)ダイヤモンドの粒径および配合割合 微粒ダイヤモンドは切刃材に所定の靱性を付与する作用
があるが、その粒径が2μ未満になると、耐摩耗性が著
しく不足して、粗粒ダイヤモンドを添加した効果がなく
なり、一方それが8μ以上となるか、またはこの微粒ダ
イヤモンドのダイヤモンド全体を基にした配合割合が50
%未満になると、切刃の靱性が不足するようになり、ま
た粗粒ダイヤモンドは切刃材に所定の耐摩耗性を付与す
る作用があるが、その粒径が30μを越えると、靱性が著
しく低下して、靱性に優れた微粒ダイヤモンドの効果が
なくなり、一方それが8μ未満となるか、または前記微
粒ダイヤモンドのダイヤモンド全体に占める割合が90%
を越すと、切刃の耐摩耗性が不足するようになることか
ら、微粒および粗粒のダイヤモンドの粒径をそれぞれ2
〜8μ未満および8〜30μと定めるとともに、ダイヤモ
ンド全体の中の微粒ダイヤモンドの配合割合を50〜90%
と定めた。
があるが、その粒径が2μ未満になると、耐摩耗性が著
しく不足して、粗粒ダイヤモンドを添加した効果がなく
なり、一方それが8μ以上となるか、またはこの微粒ダ
イヤモンドのダイヤモンド全体を基にした配合割合が50
%未満になると、切刃の靱性が不足するようになり、ま
た粗粒ダイヤモンドは切刃材に所定の耐摩耗性を付与す
る作用があるが、その粒径が30μを越えると、靱性が著
しく低下して、靱性に優れた微粒ダイヤモンドの効果が
なくなり、一方それが8μ未満となるか、または前記微
粒ダイヤモンドのダイヤモンド全体に占める割合が90%
を越すと、切刃の耐摩耗性が不足するようになることか
ら、微粒および粗粒のダイヤモンドの粒径をそれぞれ2
〜8μ未満および8〜30μと定めるとともに、ダイヤモ
ンド全体の中の微粒ダイヤモンドの配合割合を50〜90%
と定めた。
b)CoおよびNiの含有量 これらの成分はダイヤモンド粒子を結合して切刃材に強
度と靱性を付与する作用を有するが、切刃材中における
その含有量が3%未満では、結合相となるこれらの成分
が均一に分散してダイヤモンド粒子を強固に結合するこ
とができなくなり、一方それが12%以上になると、粗粒
ダイヤモンドの添加によつて得られる耐摩耗性向上効果
が十分現われないで、切刃材の耐摩耗性が低下するよう
になるので、その含有量を3〜12%未満と定めた。
度と靱性を付与する作用を有するが、切刃材中における
その含有量が3%未満では、結合相となるこれらの成分
が均一に分散してダイヤモンド粒子を強固に結合するこ
とができなくなり、一方それが12%以上になると、粗粒
ダイヤモンドの添加によつて得られる耐摩耗性向上効果
が十分現われないで、切刃材の耐摩耗性が低下するよう
になるので、その含有量を3〜12%未満と定めた。
2.支持材 a)ダイヤモンドの粒径および配合割合 粗粒ダイヤモンドは支持材に所定の耐摩耗性を付与して
切削チツプの寿命を延長させる作用があるが、その粒径
が50μを越えると、靱性が著しく低下して、微粒ダイヤ
モンドを添加した効果がなくなり、一方それが8μ未満
となるか、またはこの粗粒ダイヤモンドのダイヤモンド
全体に占める割合が50%未満になると、支持材の耐摩耗
性が不足して切削チツプの寿命が短縮するようになり、
また微粒ダイヤモンドは支持材の靱性を著しく向上させ
て切削チツプ全体の靱性を向上させるのに寄与するが、
その粒径が2μ未満になると、耐摩耗性が著しく低下し
て、耐摩耗性に優れた粗粒ダイヤモンドの効果がなくな
り、一方それが8μ以上となるか、または前記粗粒ダイ
ヤモンドのダイヤモンド全体に占める配合割合が90%を
越えると、支持材の靱性が不足して切削チツプに欠けを
生じ易くなることから、微粒および粗粒のダイヤモンド
の粒径をそれぞれ2〜8μ未満および8〜50μと定める
とともに、ダイヤモンド全体の中の粗粒ダイヤモンドの
配合割合を50〜90%と定めた。
切削チツプの寿命を延長させる作用があるが、その粒径
が50μを越えると、靱性が著しく低下して、微粒ダイヤ
モンドを添加した効果がなくなり、一方それが8μ未満
となるか、またはこの粗粒ダイヤモンドのダイヤモンド
全体に占める割合が50%未満になると、支持材の耐摩耗
性が不足して切削チツプの寿命が短縮するようになり、
また微粒ダイヤモンドは支持材の靱性を著しく向上させ
て切削チツプ全体の靱性を向上させるのに寄与するが、
その粒径が2μ未満になると、耐摩耗性が著しく低下し
て、耐摩耗性に優れた粗粒ダイヤモンドの効果がなくな
り、一方それが8μ以上となるか、または前記粗粒ダイ
ヤモンドのダイヤモンド全体に占める配合割合が90%を
越えると、支持材の靱性が不足して切削チツプに欠けを
生じ易くなることから、微粒および粗粒のダイヤモンド
の粒径をそれぞれ2〜8μ未満および8〜50μと定める
とともに、ダイヤモンド全体の中の粗粒ダイヤモンドの
配合割合を50〜90%と定めた。
b)CoおよびNiの含有量 これらの成分はダイヤモンド粒子を結合して支持材に強
度と靱性を付与する作用を有するが、支持材中における
その含有量が12%未満では、支持材の剛性は大きくなる
ものの、靱性が不足して、チツプ全体で優れた靱性を保
つことができなくなり、一方それが30%を越えると、支
持材の靱性は大きくなるものの、剛性が不足して、チツ
プ全体で優れた剛性を保つことができなくなるので、そ
の含有量を12〜30%と定めた。
度と靱性を付与する作用を有するが、支持材中における
その含有量が12%未満では、支持材の剛性は大きくなる
ものの、靱性が不足して、チツプ全体で優れた靱性を保
つことができなくなり、一方それが30%を越えると、支
持材の靱性は大きくなるものの、剛性が不足して、チツ
プ全体で優れた剛性を保つことができなくなるので、そ
の含有量を12〜30%と定めた。
ついで、この発明を実施例により具体的に説明する。
いずれも直径:10mm×厚さ:1mmの寸法を有し、かつそれ
ぞれ第1表に示される組成をもつたWC基超硬合金製の円
板を台金とし、同じく第1表に示される組成およびダイ
ヤモンド粒径を有する粒状ダイヤモンドおよびCoまたは
Niからなる支持体用圧粉体と切刃用圧粉体とを、この支
持体用圧粉体を間に挾んで前記台金の上に重ね合わせた
状態で、通常の超高圧高温発生装置内に装入し、ついで
この重合せ体を、温度:1400〜1600℃、圧力:60〜65Ton/
cm2、保持時間:5〜20分の範囲内の所定条件で焼結する
ことによつて、いずれも前記圧粉体の組成と実質的に同
一の組成と、それぞれ0.2mmおよび0.7mmの厚さを有する
切刃層および支持層をもつた本発明複合切削チツプ1〜
7をそれぞれ製造した。
ぞれ第1表に示される組成をもつたWC基超硬合金製の円
板を台金とし、同じく第1表に示される組成およびダイ
ヤモンド粒径を有する粒状ダイヤモンドおよびCoまたは
Niからなる支持体用圧粉体と切刃用圧粉体とを、この支
持体用圧粉体を間に挾んで前記台金の上に重ね合わせた
状態で、通常の超高圧高温発生装置内に装入し、ついで
この重合せ体を、温度:1400〜1600℃、圧力:60〜65Ton/
cm2、保持時間:5〜20分の範囲内の所定条件で焼結する
ことによつて、いずれも前記圧粉体の組成と実質的に同
一の組成と、それぞれ0.2mmおよび0.7mmの厚さを有する
切刃層および支持層をもつた本発明複合切削チツプ1〜
7をそれぞれ製造した。
また、比較の目的で、支持層を形成させないことと、切
刃層中のダイヤモンドを微粒のものと粗粒のものとのう
ちの一方のみから構成させたこと以外は、上記と同様な
方法で、第1表に示されるような従来複合切削チツプ1
〜6をそれぞれ製造した。
刃層中のダイヤモンドを微粒のものと粗粒のものとのう
ちの一方のみから構成させたこと以外は、上記と同様な
方法で、第1表に示されるような従来複合切削チツプ1
〜6をそれぞれ製造した。
ついで、これらの複合切削チツプを、WC−10%Coの超硬
合金製切削工具本体にろう付けし、これらを仕上加工す
ることによつて得られた各切削工具について、 被削材:WC基超硬合金(Co:16%含有)、 切削速度:15m/min、 送り:0.15mm/rev.、 切込み:0.7mm、 の条件での超硬合金丸棒の乾式連続切削試験を行ない、
逃げ面摩耗幅が0.3mmに達するまでの切削 時間を測定してこれをチツプの寿命とした。これらの結
果も合わせて第1表に示した。
合金製切削工具本体にろう付けし、これらを仕上加工す
ることによつて得られた各切削工具について、 被削材:WC基超硬合金(Co:16%含有)、 切削速度:15m/min、 送り:0.15mm/rev.、 切込み:0.7mm、 の条件での超硬合金丸棒の乾式連続切削試験を行ない、
逃げ面摩耗幅が0.3mmに達するまでの切削 時間を測定してこれをチツプの寿命とした。これらの結
果も合わせて第1表に示した。
第1表に示される結果から、切刃材中のダイヤモンドと
して微粒ダイヤモンドのみを使用した従来複合切削チツ
プ1〜3ではいずれも耐摩耗性に劣るところから寿命が
短く、また粗粒ダイヤモンドのみを使用した従来複合チ
ツプ4〜6では耐摩耗性が若干向上したところから寿命
が多少延びてはいるものの、靱性の低下によつて欠けを
生じたのに対して、本願複合切削チツプ1〜7では寿命
が著しく延長し、しかも切削中に全く欠けを生じなかつ
たことがわかる。
して微粒ダイヤモンドのみを使用した従来複合切削チツ
プ1〜3ではいずれも耐摩耗性に劣るところから寿命が
短く、また粗粒ダイヤモンドのみを使用した従来複合チ
ツプ4〜6では耐摩耗性が若干向上したところから寿命
が多少延びてはいるものの、靱性の低下によつて欠けを
生じたのに対して、本願複合切削チツプ1〜7では寿命
が著しく延長し、しかも切削中に全く欠けを生じなかつ
たことがわかる。
以上述べた説明から明らかなように、この発明による
と、耐摩耗性と靱性のいずれにも著しく優れた複合切削
チツプが得られ、したがつて、超硬合金のような硬質材
料の切削に用いた場合でも、切刃に欠けを発生させるこ
となく、著しく長期にわたつて優れた切削性能を発揮で
きる、極めて信頼性の高い複合切削チツプが提供され
る。
と、耐摩耗性と靱性のいずれにも著しく優れた複合切削
チツプが得られ、したがつて、超硬合金のような硬質材
料の切削に用いた場合でも、切刃に欠けを発生させるこ
となく、著しく長期にわたつて優れた切削性能を発揮で
きる、極めて信頼性の高い複合切削チツプが提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川田 薫 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱金属株 式会社中央研究所内 (72)発明者 三輪 紀章 岐阜県安八郡神戸町横井字中新田1528 三 菱金属株式会社岐阜製作所内 (56)参考文献 特開 昭59−16942(JP,A) 特開 昭61−37740(JP,A) 特開 昭61−127846(JP,A) 特開 昭58−96848(JP,A) 特開 昭58−41769(JP,A) 特開 昭60−121251(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】切刃材を、支持材を介して炭化タングステ
ン基超硬合金台金材に焼結結合してなる複合切削チツプ
において、 前記切刃材が、CoおよびNiのうちの1種または2種:3〜
12%未満および粒状ダイヤモンド:残り、からなるダイ
ヤモンド基焼結材料であつて、この粒状ダイヤモンド
は、2〜8μ未満の粒径を有する微粒ダイヤモンド:50
〜90%および8〜30μの粒径を有する粗粒ダイヤモン
ド:残りから構成され、そして 前記支持材が、CoおよびNiのうちの1種または2種:12
〜30%および粒状ダイヤモンド:残り、からなるダイヤ
モンド基焼結材料であつて、この粒状ダイヤモンドは、
8〜50μの粒径を有する粗粒ダイヤモンド:50〜90%
(以上、容量%)および2〜8μ未満の粒径を有する微
粒ダイヤモンド:残り、から構成されていることを特徴
とする、前記複合切削チツプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61167619A JPH0768570B2 (ja) | 1986-07-16 | 1986-07-16 | 複合切削チツプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61167619A JPH0768570B2 (ja) | 1986-07-16 | 1986-07-16 | 複合切削チツプ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6324003A JPS6324003A (ja) | 1988-02-01 |
JPH0768570B2 true JPH0768570B2 (ja) | 1995-07-26 |
Family
ID=15853144
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61167619A Expired - Lifetime JPH0768570B2 (ja) | 1986-07-16 | 1986-07-16 | 複合切削チツプ |
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JP (1) | JPH0768570B2 (ja) |
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-
1986
- 1986-07-16 JP JP61167619A patent/JPH0768570B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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