JPH0767845A - 長時間心電図におけるqrs波判定方法及び装置 - Google Patents

長時間心電図におけるqrs波判定方法及び装置

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JPH0767845A
JPH0767845A JP5219598A JP21959893A JPH0767845A JP H0767845 A JPH0767845 A JP H0767845A JP 5219598 A JP5219598 A JP 5219598A JP 21959893 A JP21959893 A JP 21959893A JP H0767845 A JPH0767845 A JP H0767845A
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qrs
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Mutsuo Kaneko
睦雄 金子
Shinji Sato
真司 佐藤
Yumi Nishimura
由美 西村
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Fukuda Denshi Co Ltd
Original Assignee
Fukuda Denshi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長時間心電図のQRS波の判定を正確とし、
例えば心室性期外収縮あるいは上室性期外収縮(V)等
も正確に検出することを目的とする。 【構成】 長時間心電図におけるQRS波形の特徴パラ
メータを計測して各計測値毎の正常波形らしさ、異常波
形(心室性期外収縮あるいは上室性期外収縮)らしさを
求め、全ての要素の正常波形らしさ、異常波形(心室性
期外収縮あるいは上室性期外収縮)らしさの総合値を決
定し、当該総合値より対象QRS波形が正常波形か、又
は異常波形(心室性期外収縮あるいは上室性期外収縮)
かを判断する。 【効果】 QRS波に対して、ファジー論理を用いた処
理により各種パラメータ毎に正常波形らしさ、異常波形
(心室性期外収縮あるいは上室性期外収縮)らしさを求
め、これを総合的に判定することにより、例えば一部の
パラメータ値が及ぼす悪影響が軽減でき、判定が困難で
曖昧な波形に対しても妥当な自動判定が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長時間心電図における
QRS波検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の如く、長時間心電図は、被検者の
長時間(例えば24時間)にわたる心電図を記録したも
のであり、短時間における心電図のみでは発見できない
不整脈の発見に役立つ。そして、係る長時間心電図の解
析においては、主として長時間心電図のQRS波の判定
を行うことによって、被験者が日常生活におけるどの時
間帯で不整脈が発生したかを知り、より正確な被験者の
診断を可能とするものである。これは、心電図において
はQRS波が最も大きく、他の波に比べて検出も容易で
あるという理由によるものである。
【0003】かかる長時間心電図におけるQRS波の判
定に関しては、従来、『R−R間隔』、『QRS幅』、
『QRS高さ』、『QRSの向き』、『QRSの形』
等、の各パラメータを計測し、係る各パラメータの計測
結果によって当該QRS波がノーマル(N)なものか、
又は心室性期外収縮あるいは上室性期外収縮(V)かを
判定する方法が採用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、係る画
一的なQRS波判定方法では、より正確なQRS波の判
定を行うことは困難である。例えば、QRS波全体とし
て見れば正常であるにもかかわらず、一部のパラメータ
が何らかの理由(例えば体動等)により異常であったよ
うな場合においても、上述した従来の判定方法では、こ
の一部のパラメータのみを原因として全体のQRS波が
異常{心室性期外収縮あるいは上室性期外収縮(V)}
と判定されてしまうおそれが高かった。
【0005】また、曖昧な波形に関しては、正確な判定
を行うことがほとんど不可能であった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決することを目的としてなされたもので、上述の課題を
解決する一手段として以下の構成を備える。即ち、長時
間心電図におけるQRS波形の特徴パラメータを計測し
て各計測値毎の正常波形らしさ、異常波形(例えば、心
室性期外収縮あるいは上室性期外収縮)らしさを求め、
全ての要素の正常波形らしさ、異常波形らしさの総合値
を決定し、当該総合値より対象QRS波形が正常波形
か、又は異常波形かを判断するQRS判断手段を備え
る。
【0007】そして例えば、特徴パラメータをR−R間
隔、QRS波形の幅、QRS波形の高さ、QRS波形の
向き、及びQRS波形の形とし、各計測値毎の正常波形
らしさ、異常波形(心室性期外収縮あるいは上室性期外
収縮)らしさは、各パラメータ計測値を予め算出した正
常波形らしさ及び異常波形(心室性期外収縮あるいは上
室性期外収縮)らしさの関数を各パラメータ毎に用意し
たメンバーシップ関数を備えておき、前記各パラメータ
計測値をメンバーシップ関数に当てはめてそれぞれ正常
波形らしさ及び異常波形(心室性期外収縮あるいは上室
性期外収縮)らしさを求める。
【0008】あるいは、全ての要素の正常波形らしさ、
異常波形(心室性期外収縮あるいは上室性期外収縮)ら
しさの総合値を決定する際には、被検者の過去のデータ
及び状態を参考にして各種パラメータに重み付けを持た
せる。
【0009】
【作用】以上の構成において、QRS波に対して、ファ
ジー論理を用いた処理により各種パラメータ毎に正常波
形らしさ、異常波形(心室性期外収縮あるいは上室性期
外収縮)らしさを求め、これを総合的に判定することに
より、例えば一部のパラメータ値が及ぼす悪影響が軽減
でき、判定が困難で曖昧な波形に対しても妥当な自動判
定が可能となり、長時間心電図のQRS波の判定がより
正確になり、例えば心室性期外収縮あるいは上室性期外
収縮(V)等も正確に検出することが可能となる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る一実施例
を詳細に説明する。図1は本発明に係る一実施例の心電
図解析記録装置のブロック図であり、図中、11はRO
M12に格納された、例えば図4〜図7に示すプログラ
ムに従い本実施例全体の制御を司どると共に、後述する
QRS波検出回路16で検出したQRS波の判定を行
い、判定結果をプリンタ制御部22及び表示制御部25
に送り、印刷出力又は表示出力させる。12は上述のプ
ログラムの外各種パラメータ等を記憶するROMであ
る。
【0011】13は心電図記録装置(ホルター心電計)
により心電波形の記録されたカセットテープ30より心
電波形を読出すカセットテープリーダ、14はカセット
テープリーダ13を制御してカセットテープより心電波
形を読取り、2値化してメモリ15に出力する読取回
路、15は読取回路14よりの少なくとも数ビート分の
心電波形を保持可能なメモリである。16はメモリ15
より心電波形を読出し、後述するアルゴリズムでQRS
波を検出するQRS波検出回路であり、R波ピークの検
出も同時に行っている。
【0012】17はQRS波検出回路16よりの検出Q
RS波がノーマル(N)波形か、又は心室性期外収縮あ
るいは上室性期外収縮(V)波形等の異常波形かを判定
するQRS波判定回路であり、検出結果をプリンタ制御
部22及び表示制御部25に送り、ページバッファ22
a,25aの所定記憶領域に記憶させると共に、判定結
果を制御部11に出力する。18はメモリ15より読出
した心電波形のSーT間の定められた任意のタイミング
における値をサンプリングしてSTトレンドグラフを作
成するST偏位サンプリング回路、19はQRS波検出
回路16で検出されたQRS波形の例えばR波ピーク時
間間隔を計測し、心拍数(Heart Rate)を検出するHR
検出回路である。
【0013】22は、制御部11よりの解析結果、QR
S波判定回路17よりの判定結果、ST偏位サンプリン
グ回路18よりのSTトレンドグラフ、及び、HR検出
回路19よりのHRトレンドグラフデータ等を、出力情
報を記憶するページバツフア22aのプリントアウト位
置に展開すると共に、展開したデータをプリンタ23よ
りプリントアウトさせるプリンタ制御部である。23は
ページバツフア22aに記憶された波形情報をプリント
アウトするプリンタ、24はタイマ回路である。
【0014】25は、制御部11よりの解析結果、QR
S波判定回路17よりの判定結果、ST偏位サンプリン
グ回路18よりのSTトレンドグラフ及び、HR検出回
路19よりのHRトレンドグラフデータを集約してペー
ジバツフア25aの表示出力位置に展開すると共に、展
開したデータを表示装置21の表示画面より表示させる
表示制御部、26は例えばCRT画面上に所定データを
表示する表示装置である。
【0015】なお、QRS波検出回路16、QRS波判
定回路17、及びST偏位サンプリング回路18は、一
旦起動されると、消勢されるまでの間メモリ15内に書
込まれた心電波形を常時読み出し、それぞれの処理を実
行する。また図2は被検査者より心電波形をカセットテ
ープ30に記録する心電波形記録装置のブロック図であ
り、31〜33は生体表面に固定されて心電波形を導出
する生体誘導電極、41は生体誘導電極31〜33より
の導出心電波形を増幅して書込回路42に出力するアン
プ回路、42はアンプ回路41よりの心電波形をカセッ
トテープレコーダ45に記録させる書込回路、45は書
込回路42よりのデータをカセットテープ30に記録す
るカセットテープレコーダである。
【0016】以上の構成における生体誘導電極31〜3
3により導出される心電波形は、通常図3に示す棘波の
繰返しであり、順次P,Q,R,S,Tと命名されてい
る。P波は心房の興奮により生じ、QRSは心室の興奮
によって生じる。またT波は心室の興奮消退によって生
じる。なお、T波に続いてしばしばゆるい起状であるU
波が生ずることがある。
【0017】そしてこれらの棘波の時間的関係から不整
脈や興奮伝導の障害の判定を行ない、棘波の形の変化か
ら心筋硬塞等の虚血性心疾患、心筋炎、心膜炎を、また
左右心房、心室肥大を、更に電解質異常、薬物作用、内
分秘異常の診断等を行なう。これらの診断を行なうのに
は、棘波のみを確実に検出し、ノイズと明確に分離でき
ることが不可欠であり、QRS波検出回路16にはこの
診断に重要なQRS波のみを確実に検出すると共に、棘
波変化部位の変化を認識し易いようにR波ピークも同時
に検出している。
【0018】心電図より上述した各疾患の発見及び診断
に一番多く用いられるのがST部位の傾き及び偏位であ
る。このため、本実施例では、STトレンドグラフ作成
用として、ST偏位サンプリング回路18で任意の計測
点での波高値を計測する。ST偏位サンプリング回路1
8は、R波ピークに同期を取り、R波より所定時間経過
した一点鎖線で示す特定ライン上の特定点の、基準レベ
ルにある基準点bよりの電位差である波高値をサンプリ
ングする。特定点は、図3に実線で示すa1 の場合もあ
り、また鎖線で示すa2 である場合もある。
【0019】図でa1 の場合には波高値はマイナスとな
り、a2 の場合にはプラスの値となる。これらの各波高
値を順次トレンドグラフとして表示したのがSTトレン
ドグラフとなる。以上の構成を備える本実施例装置の心
電図情報解析制御を、図4のフローチャートを参照して
詳細に説明する。
【0020】装置のカセットテープリーダ13に心電波
形の記録されたカセットテープ30が挿入され、起動が
かけられると、制御部11の制御は図4のステツプS1
に進む。ステツプS1で制御部11は読取回路14に指
示してカセットテープリーダ13を制御し、順次記録さ
れている長時間心電波形を読み出させ同時にメモリ15
内に書く込む処理を開始させる。このメモリ15の容量
は心電波形2ビート分以上の容量があることが望まし
い。なおこの時、読み出した時刻情報をタイマ回路24
にセツトし、記録時と同じ計時をさせる。この読み取り
処理は以後連続して行なわれる。そして、制御部11で
はこの読み取り処理と平行して心電図情報解析処理をス
タートする。
【0021】そして、続くステツプS2でQRS波検出
回路16を起動し、続くステツプS3でQRS波判定回
路17を起動する。以後、ステツプS4でST偏位サン
プリング回路18及びHR検出回路19を起動し、ステ
ツプS5で表示制御部20を起動する。そしてステツプ
S6でプリント指示がなされているか否かを調べ、プリ
ント指示がなされていなければステツプS8に進む。一
方、プリント指示がなされていればステツプS7でプリ
ンタ制御部22を起動してステツプS8に進む。
【0022】ステツプS8では、カセットテープ30に
記録されている心電図情報の読み取りが終了したか、ま
たは不図示の指示キー等による表示/プリント処理の終
了が指示され、データの終了になつたか否かを調べる。
データの終了でなければステツプS6に戻り、データの
終了であればステツプS9で先に起動した各回路を消勢
して処理を終了する。
【0023】以上の処理において、各回路を起動する
と、各々の回路に割り当てられた処理を独自に、または
制御部11への割り込み処理等を利用して各回路毎に実
行する。本実施例においては、QRS波検出処理及びQ
RS波判定処理を除く一般的な心電図解析処理及び該心
電波形より圧縮波形を生成する方法等は、第19回日本
ME学会大会「Holter長時間心電図・自動解析装置の開
発」等に詳細に説明されているため、詳細説明は省略す
る。
【0024】次に、QRS波検出回路16、QRS波判
定回路17、ST偏位サンプリング回路18、及び、H
R検出回路19の制御を説明する。まず、本実施例のQ
RS検出回路16のQRS波検出方法を、図5のフロー
チャートを参照して以下に説明する。QRS検出回路1
6は、制御部11より起動をかけられると図5のステッ
プS11よりステップS12に進み、メモリ15より心
電波形を読み出す。この読み出しは、この後回路が消勢
されるまで続行される。続いてステップS13で心電波
形にフィルター処理を行い、心電波形における基線を基
準にして、係る基線に生じているノイズを検出し、係る
ノイズより上の任意の値を閾値として設定する。そして
続くステップS14で設定した閾値以上の波形をR波と
みなして仮のR波検出(初期サーチ)を行う。そしてス
テップS15でこの検出結果情報から先に設定した閾値
レベルが妥当なレベルであるか否かを調べる。ここで、
閾値レベルが妥当でないと判定した場合にはステップS
16に進み、検出ピークの高さや間隔、過去の正常ピー
クの平均値等を考慮して妥当な閾値レベルを算出して新
たな閾値として再設定する。そしてステップS13に戻
り次の心電波形に対する検出処理を行う。このような試
行錯誤を繰り返して最適な閾値を決定し、読み出し心電
図波形の各チャンネルのQRS候補点を検出する。
【0025】閾値レベルが妥当であった場合にはステッ
プS15よりステップS20に進み、各候補点付近の信
号品質、ノイズ状況、他チャンネルの候補の有無等を調
べ、これらの情報からQRSらしさのグレードを設け
る。具体的には、仮のR波の検出結果に対応するQRS
波の候補点に関して、R−Rの間隔、ノイズの状況、Q
RS波の形状(QRSの形、幅、高さ、向き)、T波ら
しさ、及び他チャンネルのQRS波候補点を調べ、例え
ば、R−R間隔が極端に短いものや、一方の(1つの)
チャンネルのみしか記録されていないQRS波には低い
グレートを付ける。なお、ここで、早期収縮に対応する
ために(連結期+休止期)との両方のR−R間隔も基準
としてR−R間隔の判断を行っている。
【0026】そして次のステップS21で各QRS候補
点のうちグレートの低い候補点を一旦検出結果よりキャ
ンセルし、更にT波と思われるものもキャンセルする。
そして続くステップS22で、候補点をステップS21
でキャンセルした状態でR−R間隔を調べる。そしてR
−R間隔が極端に長い場合には、検出抜けの可能性を推
定し、平均R−R間隔からQRS波がありそうな位置を
中心として再検索し、一度キャンセルした候補点を復活
させる。なお、この場合において、他チャンネルのQR
S波の検出がある場合にはこのQRS波検出位置も参考
として上記QRS波の復活処理を行う。
【0027】そして以上の処理で決定したQRS候補点
を検出QRS波とすると共に、このQRS波におけるR
波を検出R波とする。そしてこの検出結果を制御部1
1、ST偏位サンプリング回路18、及びHR検出回路
19に出力する。続いてステップS24でデータ終了
(データ表示/プリント処理の終了)か否かを調べる。
データの終了でない場合にはステップS12に戻り、次
の心電波形のQRS波検出処理を行なう。一方、データ
の終了である場合には処理を終了する。
【0028】以上のようなQRS検出方法を採用したこ
とにより、初期サーチにおける閾値レベルを上下に変更
して最適なレベルを設定してQRSの候補点を検出する
と共に、更に、当該候補点に関して、各種の情報を利用
してより人間の思考に近い手法でQRS波の検出を行う
ことができ、非常に正確なQRS波の検出が可能とな
る。この本実施例のQRS波検出回路16によるQRS
検出の流れを図8に示す。
【0029】次にQRS波判定回路17におけるQRS
波形の判定処理の概略を図6のフローチャートを参照し
て以下に説明する。QRS波判定回路20は、制御部1
1より起動をかけられると図6の処理に移行し、先ずス
テップS51でQRS検出回路16よりのQRS検出信
号が来るのを監視する。上述した図5に示す処理で所定
数のQRS検出信号が来るとステップS52に進む。そ
してステップS52でメモリ15より対応するQRS波
形等を読み出す。
【0030】続くステップS53で順次QRS波の各パ
ラメータを計測する。即ち、QRS幅、QRS高さ、Q
RS向き、QRS形、R−R間隔をそれぞれ計測する。
この各パラメータ計測の方法を図9に示す。図9におい
て、(1)がR−R間隔、(2)がQRS幅、(3)が
QRS高さであり、図の『h1+h2』が相当する。
(4)はQRS向きであり、『(h1=h2)/(h1
+h2)』が相当する。また、(5)がQRS形のそれ
ぞれの検出例を示している。そして続くステップS54
及びステップS55において、以上で計測した各パラメ
ータ値を被検者の正常波形(N)及び異常波形(心室性
期外収縮あるいは上室性期外収縮)(V)(メンバーシ
ップ関数)と比較し、その正常波形らしさ(Nらしさ)
及び異常波形(心室性期外収縮あるいは上室性期外収
縮)らしさ(Vらしさ)を求める。
【0031】具体的には、予め各パラメータ毎に設定し
たNらしさ及びVらしさのメンバーシップ関数を備えて
おく。そして、前記計測したパラメータ値をメンバーシ
ップ関数に当てはめてそれぞれのNらしさ及びVらしさ
を求める。例えば、パラメータ値が「100」であった
場合におけるある被検者の場合を例として具体例を上げ
れば、R−R間隔の場合にはNらしさは「1」となり、
Vらしさは「0」となる。QRS幅の場合にはNらしさ
は「1」となり、Vらしさは「0」となる。QRS高さ
の場合には、Nらしさは「0」となり、Vらしさは
「1」となる。QRS向きの場合には、Nらしさは
「0」となり、Vらしさは「1」となる。QRS形の場
合には、Nらしさは「1」となり、Vらしさは「0」と
なる。
【0032】そしてステップS56で各パラメータにお
けるNらしさ、Vらしさを使用してNらしさの総合値
(ファジーN総合値)及びVらしさの総合値(ファジー
V総合値)を決定する。なお、この各パラメータにおけ
るNらしさ、Vらしさを使用して総合値を求める場合に
は、機械的に全ての平均値を求めるのでは無く、被検者
の過去のデータや状態を参考として、各種パラメータに
重み付けをしたり(例えば、R−R間隔のNらしさは
1.5倍する等)、組み合わせを変えたりして行う。
【0033】そして続くステップS57でステップS5
6で求めた総合値によって当該QRS波が正常波形
(N)であるか、異常波形(心室性期外収縮あるいは上
室性期外収縮)(V)であるかを判定する。例えば、フ
ァジーN総合値が「100」でファジーV総合値が「2
2」である場合には正常波形(N)であると判定し、逆
にファジーNが「10」であり、ファジーVが「75」
である場合には異常波形(心室性期外収縮あるいは上室
性期外収縮)(V)であると判定する。本実施例におい
ては、以上のようなファジー処理を行うことにより、一
部のパラメータが及ぼす悪影響を軽減でき、更に、判定
が困難な曖昧波形の判定も可能となり、より人間の判断
に近い解析結果を得ることが可能となる。
【0034】更に、ステップS58において、判定結果
のQRS波形が早期収縮波形か否かを判定する。早期収
縮波形に該当しない場合にはステップS59に進む。一
方、早期収縮波形に該当する場合にはステップS59に
進み、連結期と休止期の関係に対するメンバーシップ関
数から代償性らしさ、非代償性らしさ、間入性らしさを
求めることにより、期外収縮とノイズとの区別を行う。
この早期収縮における連結期と休止期との関係の例を図
10に示す。
【0035】そして最後のステップS60で以上の全計
測値を2チャンネル分合わせた確信度を求め、総合的な
判断を行っている。このファジー論理を用いた処理の判
断結果例を図11に示す。図11のQRS番号16に示
す波形のような場合、従来においては正常QRS波形で
あると認識していたが、本実施例によれば、異常波形
(心室性期外収縮あるいは上室性期外収縮)であると認
識することができる。
【0036】そしてステップS61で全ての心電図波形
に対する解析が終了したか否かを調べ、全ての解析が終
了していない場合にはステップS52に戻り次の心電波
形の解析処理を続行する。一方、全ての心電図波形への
解析が終了した(又は終了指示がきた)場合には処理を
終了する。なお、以上のQRS波形判定結果の出力は、
例えば以下の様にして行えばよい。即ち、1行分の波形
判定が終了したか否かを調べ、1行分の波形判定が終了
した場合にプリンタ制御部22及び表示制御部25に送
り、プリンタ制御部22及び表示制御部25は、この判
定結果を内蔵する出力情報を所定量記憶するページバッ
ファ22a,25aの表示出力位置の対応する時間軸位
置に展開してステップS12に戻り、次の心電波形の処
理に移行する。
【0037】なお、以上の説明では1行分の判定波形毎
にページバッファ22a,25aに書き込む様に制御し
たが、メモリ20aを備えない構成とし、1つの判定波
形毎にページバッファ22a,25aに書き込む様に制
御してもよく、また、判定波形の5行分毎にページバッ
ファ22a,25aに書き込む様に制御してもよい。ま
た、他のST偏位サンプリング回路18、HR検出回路
19の制御を図7のフローチャートを参照して説明す
る。なお、図7では各回路の処理が時系列に行われてい
るかの如く示しているが、実際には各回路の処理が独立
に行われている。以下の説明は、説明簡略化のため、時
系列的に各回路の動作説明を行う。
【0038】なお、QRS波検出回路16は、ステップ
S23で上述した図5に示すQRS波の検出処理及びR
波のピーク点の検出処理(特徴点検出処理)を行う。そ
して検出結果を各回路に出力する。このためHR検出回
路19では、続くステップS24で1ビート前のR波ピ
ーク検出よりの時間を計測する。これはタイマ回路24
の計時データを読み込むことより行なう。なお、この計
測結果はQRS波判定回路17にも出力される。そして
続くステップS30で、ステップS24で計測した特徴
点(R波ピーク)の検出時間間隔より心拍数を計算し、
ステツプS31で計算した心拍数を時間情報と同時に表
示制御部20及びプリンタ制御部22に出力する。表示
制御部20及びプリンタ制御部22は、このHR値を内
蔵する出力情報を所定量記憶するページバッファ20
a,22aの表示出力位置の対応する時間軸上に展開す
る。
【0039】そして次のステップS35でST偏位サン
プリング回路18を起動して上述の如く特徴点より所定
時間経過した位置のST波高値(基準レベルよりの波高
値)を求めてそれをその位置でのST偏位値としてサン
プリングする。そして続くステップS36でST偏位サ
ンプリング回路18は、時間情報と同時にプリンタ制御
部22及び表示制御部25に送る。プリンタ制御部22
及び表示制御部25は、このST偏位サンプリング値を
内蔵する出力情報を所定量記憶するページバッファ22
a,25aの表示出力位置の対応する時間軸上に展開す
る。
【0040】続いてステップS40でデータ終了(デー
タ表示/プリント処理の終了)か否かを調べる。データ
の終了でない場合にはステップS23に戻り、次の心電
波形の解析処理を行なう。一方、データの終了である場
合にはステップS46に進み、表示制御部25の制御で
表示装置26に一頁分(1列分)のデータが表示され、
プリンタ制御部22の制御でプリンタ23に一頁分のデ
ータがプリントアウトされる。
【0041】そして、データの表示及びプリントアウト
が終了すると処理を終了する。以上説明した様に本実施
例によれば、心電図情報に対してまず初期サーチとして
閾値レベルを上下に変更して最適なレベルを設定してQ
RSの候補点を検出すると共に、更に、当該候補点に関
して、各種の情報を利用してより人間の思考に近い手法
でQRS波の検出を行うことができ、非常に正確なQR
S波の検出が可能となる。そして、このようにして検出
したQRS波に対して、ファジー論理を用いた処理によ
り各種パラメータ毎に正常波形らしさ、異常波形(心室
性期外収縮あるいは上室性期外収縮)らしさを求め、こ
れを総合的に判定することにより、例えば一部のパラメ
ータ値が及ぼす悪影響が軽減でき、判定が困難で曖昧な
波形に対しても妥当な自動判定が可能となる。
【0042】以上のアルゴリズムでAHAデータベース
60波形(各30分)、MITデータベース44波形
(各25分)を評価した結果、QRS検出率では99%
以上、VPC検出率でも平均97%以上となり、従来以
上の精度を保ちながら、より人間の判断に近い解析結果
を得ることが可能となった。
【0043】
【発明の効果】以上説明した様に本発明によれば、長時
間心電図のQRS波の判定がより正確かつ人間に近い判
定結果になり、例えば心室性期外収縮あるいは上室性期
外収縮(V)等もより正確に検出することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例の心電図解析記録装置の
ブロック図である。
【図2】本実施例で用いる心電波形を記録する心電波形
記録装置のブロック図である。
【図3】心電波形を説明するための図である。
【図4】本実施例における心電図解析処理を示すフロー
チヤートである。
【図5】本実施例のQRS検出処理を示すフローチャー
トである。
【図6】本実施例におけるQRS波判定処理を示すフロ
ーチャートである。
【図7】本実施例の出力制御を示すフローチャートであ
る。
【図8】本実施例のQRS波検出回路によるQRS検出
の流れを示す図である。
【図9】本実施例のQRS波形の各パラメータを説明す
るための図である。
【図10】本実施例のQRS波形の早期収縮の連結期と
休止期との関係例を示す図である。
【図11】本実施例のQRS波形の判定結果例を示す図
である。
【符号の説明】
11 制御部 12 ROM 13 カセットテープリーダ 14 読取回路 15 メモリ 16 QRS波検出回路 17 QRS波判定回路 18 ST偏位サンプリング回路 19 HR検出回路 22 プリンタ制御部 22a,25a ページバツフア 23 プリンタ 25 表示制御部 26 表示装置 30 カセットテープ 31〜33 生体誘導電極 41 アンプ回路 42 書込回路 45 カセットテープレコーダ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長時間心電図におけるQRS波形の特徴
    パラメータを計測して各計測値毎の正常波形らしさ、異
    常波形らしさを求め、全ての要素の正常波形らしさ、異
    常波形らしさの総合値を決定し、当該総合値より対象Q
    RS波形が正常波形か、又は異常波形かを判断すること
    を特徴とする長時間心電図におけるQRS波判定方法。
  2. 【請求項2】 特徴パラメータをR−R間隔、QRS
    波形の幅、QRS波形の高さ、QRS波形の向き、及び
    QRS波形の形とすることを特徴とする請求項1記載の
    長時間心電図におけるQRS波判定方法。
  3. 【請求項3】 各計測値毎の正常波形らしさ、異常波
    形らしさは、各パラメータ毎に設定した正常波形らしさ
    及び異常波形らしさのメンバーシップ関数を備えてお
    き、前記各パラメータ計測値をメンバーシップ関数に当
    てはめてそれぞれ正常波形らしさ及び異常波形らしさを
    求めることを特徴とする請求項1記載の長時間心電図に
    おけるQRS波判定方法。
  4. 【請求項4】 全ての要素の正常波形らしさ、異常波形
    らしさの総合値を決定する際には、被検者の過去のデー
    タ及び状態を参考にして各種パラメータに重み付けを持
    たせることを特徴とする請求項1記載の長時間心電図に
    おけるQRS波判定方法。
  5. 【請求項5】 長時間心電図におけるQRS波形の特徴
    パラメータを計測して各計測値毎の正常波形らしさ、異
    常波形らしさを求め、全ての要素の正常波形らしさ、異
    常波形らしさの総合値を決定し、当該総合値より対象Q
    RS波形が正常波形か、又は異常波形かを判断するQR
    S判断手段を備えることを特徴とする長時間心電図にお
    けるQRS波判定装置。
  6. 【請求項6】 特徴パラメータをR−R間隔、QRS
    波形の幅、QRS波形の高さ、QRS波形の向き、及び
    QRS波形の形とすることを特徴とする請求項5記載の
    長時間心電図におけるQRS波判定装置。
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Cited By (6)

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