JP2018201800A - 期外収縮判別装置、期外収縮判別方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 計測異常状態と、正常計測状態とを判別した上で、期外収縮を判別することがでできる期外収縮判別装置を提供する。【解決手段】 本発明は、心電データから得られるR波の計測状態に基づいて、評価対象となる評価対象QRS群を決定する評価対象QRS群決定手段(S3)と、前記評価対象となる評価対象QRS群を、前記評価対象QRS群に時間的に隣り合う隣接QRS群に基づいて、前記評価対象QRS群が期外収縮候補であるかを判定する期外収縮候補判定手段(S5)とを具備する期外収縮判別装置、である。【選択図】 図2

Description

この発明は、期外収縮判別装置、期外収縮判別方法及びプログラムに関する。
従来より被験者の生体情報である心電波形の解析システムが広く知られている。まず、最初に、このような心電波形の解析分野における理解の前提条件について簡単に説明する。
1 心臓の活動
心臓は、心臓そのものでひとつのリズムを持っている訳ではなく、心臓の各部が固有のリズムをもっている。正常な状態であれば、各部は洞調律と呼ばれる洞結節のリズム(60〜100回/分)にしたがって動く。
心臓の正常なリズムは、洞結節→房室結節→His束→左右の脚→プルキンエ繊維の順番に伝わり、この過程で心房筋、心室筋を刺激して規則的な収縮を引き起こす。心電図は、洞結節が属する心房の興奮および心室の収縮を可視化することができる。心電図で見られる波形にはP波、QRS群、T波、U波が挙げられる。このうち、P波が心房の興奮を反映する。心室収縮では、一回の収縮で脱分極と再分極の二種類の現象が順に観測される。この脱分極を反映するのがQRS群であり、T波は再分極を反映する(参考文献[i]参照)。
心電図の波形のうち、もっとも簡便に特徴を捉えやすいのが、心臓の脱分極活動を反映するQRS群である。QRS群の正常値は、持続時間0.10[sec]以下かつ、電位3.5[mV]ないし4.0[mV]以下である(参考文献[i],[ii])。
QRS群を構成する波形のうち、Q波、S波は陰性波であり、R波のみが陽性波である。R波はQ波、S波よりも視認が容易であることから、隣接する2つのR波の間隔であるR−R Interval(RRI)が瞬時心拍の算出に用いられる事が多い(参考文献[i]−[iii])。通常は、このように算出した瞬時心拍や、瞬時心拍から求まる平均心拍数が洞調律になっているかを評価する。図5は、R波及びRRIの関係を示す図である。
2 不整脈と期外収縮
正常な脈とは,P−QRS−Tのパターンが同じ形で揃っていて、その間隔がおおよそ規則的、かつ心拍数が60〜100回/分である状態を指す。この三つの特徴のいずれかを失ったものが不整脈と呼ばれる。
不整脈のひとつに期外収縮がある。期外収縮では、規則的な瞬時心拍に割り込むQRS群が観察され、割り込んだQRS群とその前後のQRS群とで構成される瞬時心拍が洞調律からはずれる場合が多い。図6は、期外収縮の一例を示す図である。
期外収縮は、上室性期外収縮と心室性期外収縮に大別される。一般に、上室性期外収縮のQRS群は正常のQRS群とほぼ同様の形状だが、心室性期外収縮のQRS群は正常と異なる形状となる場合が多い(参考文献[i],[ii]参照)。図7は、上室性期外収縮で見られるQRS群を示す図であり、図8は、心室性期外収縮で見られるQRS群を示す図である。
3 ウェアラブル心電図計測について
心電図を計測する手段のひとつとして、ホルター心電計などのウェアラブルなデバイスがある。これらのデバイスを用いて取得する心電図は、電極の変形やズレをはじめとする電極異常あるいは、体動、発汗、静電気など様々な要因によって計測異常が生じる(参考文献[iv]参照)。この計測異常は、心電図では図9に示すようなアーチファクトやノイズという形で確認できる。
図9に示した通り、アーチファクトとして観測される波形はR波と類似しており、ひとつ以上連続して観測される、このため、心電図を解析してR波を抽出するアルゴリズムがアーチファクトをR波と誤判断して抽出してしまう場合もある(以降では、このようなR波を計測異常R波と呼ぶ、計測異常R波をひとつ以上含むRRIを計測異常RRIと呼ぶ)。
計測異常のひとつであるアーチファクトをR波と誤判断したものは、その発生機序から心臓の脱分極活動を一切反映しない。このため、解析対象となる瞬時心拍を構成するR波のうち、少なくともひとつがアーチファクトをR波と誤判断したものである場合、そのRRIの持続時間が洞調律よりも短かったとしても期外収縮であるとは言えない。
3 従来の手法
不整脈を検出する手法として、Apple Watch(登録商標)などで測定した脈拍数を用いるものがある。この手法では、心拍変動解析のピーク周波数が0.003〜0.04、0.04〜0.15、0.15〜0.4[Hz]に出現することに基づき、Apple Watchなどで計測した脈拍数を周波数解析して得られるピーク周波数と、健常者のピーク周波数とを比較して心房細動の患者を特定する。
Insight Data, "Detecting heart arrhythmias using machine learning and Apple Watch data," 検索URL:https://blog.insightdatascience.com/detecting−heart−arrhythmias−using−machine−learning−and−apple−watch−data−84bc97f30d3e (平成29年5月1日検索)
脈波は、心臓と血管の影響を受けて変動するため、心拍数と等しいとは言えない.心拍変動解析は、瞬時心拍であるRRIを利用した解析を行うことを前提としているため、対象とするピーク周波数をそのまま脈拍の解析に使用しても良いとは限らない。
一般的に、心電図では期外収縮を捉えられるが、脈波では捉えられない場合がある(参考文献[v])。このような場合は脈波から求めた脈拍と、心電図から求めた心拍が一致しないため、脈拍から心臓の異常を推定することは原理的に不可能となる。
期外収縮の回数が少ない場合は心拍数の変化が少ないため、脈拍数の代わりに心拍数を用いて周波数解析を行っても異常を検出できない可能性が高い。従来手法では計測器の異常が考慮されていない。すなわち、計測異常R波を解析対象から除外できないため、計測異常R波が不整脈とみなされる頻度で生じている場合と、被験者で不整脈が生じている状態とを区別することは不可能である。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、計測異常状態と、正常計測状態とを判別した上で、期外収縮を判別することがでできる期外収縮判別装置、期外収縮判別方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1態様は、期外収縮判別装置が、心電データから得られるR波の計測状態に基づいて、評価対象となる評価対象QRS群を決定する評価対象QRS群決定手段と、
前記評価対象となる評価対象QRS群を、前記評価対象QRS群に時間的に隣り合う隣接QRS群に基づいて、前記評価対象QRS群が期外収縮候補であるかを判定する期外収縮候補判定手段とを具備する。
本発明の第2態様は、第1態様において、前記期外収縮候補であると判定された評価対象QRS群の種別を判別する種別判別手段をさらに具備する。
本発明の第3態様は、第1態様において、前記期外収縮候補判定手段は、前記評価対象QRS群が所定の洞調律の範囲外、且つ前記隣接QRS群が前記評価対象QRS群に対して所定の時間内に生起している場合に、前記期外収縮候補であると判定される。
本発明の第4態様は、第2態様において、前記評価対象QRS群が正常なQRS群であるかを判定する正常QRS群判定手段をさらに具備し、前記種別判別手段は、前記評価対象QRS群が正常なQRS群と判定されたか否かに基づいて、前記評価対象QRS群の種別を判別する。
本発明の第5態様は、期外収縮判別方法が、心電データから得られるR波の計測状態に基づいて、評価対象となる評価対象QRS群を決定し、前記心電データから得られたQRS群のうち、評価対象となる評価対象QRS群を、前記評価対象QRS群に時間的に隣り合う隣接QRS群に基づいて、前記評価対象QRS群が期外収縮候補であるかを判定する。
本発明の第6態様は、第5態様において、前記期外収縮候補であると判定された評価対象QRS群の種別を判別することをさらに具備する。
本発明の第7態様は、第5態様において、前記評価対象QRS群が所定の洞調律の範囲外、且つ前記隣接QRS群が前記評価対象QRS群に対して所定の時間内に生起している場合に、前記期外収縮候補であると判定される。
本発明の第8態様は、前記評価対象QRS群が正常なQRS群であるかを判定することをさらに具備し、前記期外収縮候補であると判定された評価対象QRS群の種別を判別することは、前記評価対象QRS群が正常なQRS群と判定されたか否かに基づいて、前記評価対象QRS群の種別を判別する。
本発明の第9態様は、第5態様乃至第8態様いずれか1項に記載の期外収縮判別方法を実行させるためのプログラムである。
要するにこの発明によれば、計測異常状態と、正常計測状態とを判別した上で、期外収縮を判別することがでできる期外収縮判別装置、期外収縮判別方法及びプログラムを提供することができる。
本発明の実施形態に係る期外収縮判別システムの構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る期外収縮判別システム10の動作について説明するためのフローチャートである。 R波抽出部21にて抽出された2つのR波の評価の状態と、評価値との関係を示す図である。 計測状態評価部22の瞬時心拍再計算の一例を示す図である。 R波及びRRIの関係を示す図である。 期外収縮の一例を示す図である。 上室性期外収縮で見られるQRS群を示す図である。 心室性期外収縮で見られるQRS群を示す図である。 アーチファクトやノイズを有する心電データを示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る期外収縮判別装置について説明する。
本実施形態の期外収縮判別装置は、心電図の計測状態を判別した上で、アーチファクトなどの計測異常が生じていない状況で検出したQRS群を対象としてQRS群の生起時間の妥当性を評価することで、ウェアラブル心電計による期外収縮判別を実現することを特徴とする。なお、心室性期外収縮と上室性期外収縮の判別を行う際には、QRS群の生起時間に加えて形状の妥当性も評価対象とする。
図1は、本発明の実施形態に係る期外収縮判別システムの構成を示す図である。同図に示すように、期外収縮判別システム10は、心電計測部11と期外収縮判別装置12とを具備する。
一例として、期外収縮判別システム10は、心電計測部11を被験者(ユーザ)に装着可能なウェアラブルデバイスとし、期外収縮判別装置12をスマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ(PC)などのコンピュータデバイスとしたシステムにより実現される。例えば、コンピュータデバイスは、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、プロセッサに接続されるメモリと、心電計測部11と(例えば無線で)通信するための通信インタフェースと、を備える。
なお、期外収縮判別システム10の実現形態は、この例に限定されるものではない。例えば、期外収縮判別システム10は1つのデバイスとして実現されてもよい。また、心電計測部11は期外収縮判別システム10の外部に設けられてもよい。言い換えると、期外収縮判別システム10は、心電計測部11に相当する外部の心電計測装置から被験者の心電を計測した結果を取得してもよい。
心電計測部11は、被験者の心電を計測し、計測結果をR波抽出部21に送る。心電は、循環器系の生体信号であり、例えば、心室の収縮と同期した周期的な信号を含む。心電計測部11は、少なくとも2極の電極によって心電の計測を行う。計測結果は、心電図におけるR波相当の心電を抽出可能な時系列データを含む。例えば、計測結果は心電図の時系列データを含む。心電計測部11は、R波相当の心電を計測することができればよく、その実現形態は問わない。例えば、心電計測部11はホルター心電計からなる。
期外収縮判別装置12は、R波抽出部21、計測状態評価部22、QRS群形状評価部23、QRS群生起時間評価部24及び期外収縮判定部25を具備する。なお、心電計測部11、R波抽出部21、計測状態評価部22の機能ブロックについては、既存の別の技術を使用しても良い。
これらR波抽出部21、計測状態評価部22、QRS群形状評価部23、QRS群生起時間評価部24及び期外収縮判定部25の機能は、例えば、プロセッサがメモリに格納されているプログラムを読み出して実行することにより実現される。なお、これらの機能の一部または全部は、特定用途向け集積回路(ASIC)などの回路によって実現されてもよい。
R波抽出部21は、心電計測部11によって計測された心電の時系列データを解析し、R波を抽出する。実施形態では、具体的なR波の抽出方法は問わない。後続処理で必要がある場合については、抽出したR波に関連する情報を、R波関連情報記録部(図示せず)に記録しても良い。R波関連情報記録部は、R波抽出部21で抽出したR波に関する情報を記録する。実施形態では、具体的な記録方法については特に指定しない。
計測状態評価部22は、心電計測部11、R波関連情報記録部、瞬時心拍情報記録部(図示せず)などの情報を基に、心電図の計測状態を評価する。ここで、瞬時心拍情報記録部は、瞬時心拍を記録する。具体的な記録形式については特に指定しないが、例えば、瞬時心拍の行列や、瞬時心拍を構成する1つ目のR波の時刻情報と瞬時心拍の二つから構成されるデータ行列が考えられる。なお、瞬時心拍情報記録部は実施形態において必須の機能ではない。計測状態評価部22は、アーチファクトを含まない正常に計測できている箇所と、アーチファクトをはじめとする計測異常が判別できる手法であればよく、その実現手法については実施形態では具体的に指定しない。
QRS群形状評価部23は、計測状態評価部22の計測状態の評価の結果、正常計測状態で検出されたR波のみを対象として、QRS群の形状評価を行う。具体的な処理については後述する。QRS群形状評価部23は、実施形態では必ずしも必須ではないが、後続の期外収縮判定部25において、図7に示した上室性期外収縮と、図8に示した心室性期外収縮とを判別したい場合には必須の機能となる。
QRS群生起時間評価部24は、計測状態評価部22の結果、正常計測状態で検出されたR波のみを対象として、QRS群の生起時間の評価を行なう。具体的な処理については後述する。
期外収縮判定部25は、QRS群形状評価部23及びQRS群生起時間評価部24の情報を基に、期外収縮を判定する。具体的な処理については後述する。
次に、本発明の実施形態に係る期外収縮判別システム10の動作について、図2のフローチャートを参照して説明する。
なお,本実施形態では,あらかじめ心電計測部11で取得した心電データを対象としており、期外収縮判別装置12が対象となる心電データをオフラインに実行する場合を例として説明するが、これ以外の手法で実現しても良い。例えば、以降で述べる処理をすべてオンラインで順次処理しても良いし、一部のみをオンラインとしてそれ以外をオフライン処理しても良いものとする。
まず、心電計測部11は、被験者の心電を計測して、被験者の心電図のための時系列の心電図データをR波抽出部21に送る(S1)。R波抽出部21は、心電計測部11にて計測された時系列の心電データからR波を抽出する(S2)。
計測状態評価部22は、対象となる心電図の心電データの計測状態を評価する。実施形態では、評価基準(参考文献[i],[ii]参照)に基づき、抽出されたR波がアーチファクトであるかどうかを判別し、アーチファクトでないと判別されたR波を正常計測状態とみなす。計測状態評価部22には、必要に応じて、心電計測部11からの心電データが入力されても良い。実施形態では、例えば、R波抽出部21で検出したR波のうち、電圧値が4.0[mV]以上のものを計測異常のアーチファクトとみなす。
計測状態評価部22は、各R波に付与された計測状態に基づき、隣接する二つのR波から構成される瞬時心拍を評価する。正常計測状態、アーチファクトの二種を考慮する場合、瞬時心拍を構成するR波の組み合わせは「正常−正常」「正常−アーチファクト」「アーチファクト−正常」「アーチファクト−アーチファクト」のいずれかとなる。実施形態では、「正常−正常」のQRS群をQRS群形状評価部23の評価対象として送出する(S3)。
図3は、R波抽出部21にて抽出された2つのR波の評価の状態と、評価値との関係を示す図である。同図に示すように、R波抽出部21にて抽出されたR波が2つとも正常計測状態であると判断される場合には、計測状態評価部22における評価値は、「1」となる。R波抽出部21にて抽出されたR波が片方は正常計測状態、他方はアーチファクトであると判断される場合には、「評価値」は、「0.5」となる。R波抽出部21にて抽出されたR波が2つともアーチファクトである場合には、「評価値」は「0」となる。
なお,この評価はあくまでも一例であり、アーチファクトを最終的に評価対象から除外できるのであれば「正常−アーチファクト」や「アーチファクト−正常」を対象に含めても良い。
また、計測状態評価部22は、評価対象となるQRS群に対して、任意処理として、瞬時心拍の再計算処理を行なっても良い。
具体的には、計測状態評価部22は、計測状態評価部22における評価の結果に基づいて瞬時心拍の再計算を行う。図4は本発明の実施形態における計測状態評価部22の瞬時心拍再計算の一例を示す図である。
また、瞬時心拍再計算では、表1で示す#2、#3および#4のいずれかに該当すると評価された瞬時心拍を構成する、隣接する2つのR波における、アーチファクトとして判別されたR波を棄却し、残りの正常計測状態と判別されたR波のみを用いて、隣接する2つのR波である瞬時心拍を構成する。
図2に示した例では、再計算前のR波は、時系列に沿って、R波番号「1」、「2」の「R(正常計測状態)」、R波番号「3」の「A(アーチファクト)」、R波番号「4」の「R」、R波番号「5」、「6」、「7」の「A」、R波番号「8」、「9」の「R」と判別されたR波である。
これに対し、瞬時心拍再計算では、R波番号「3」、「5」、「6」、「7」の「A」と判別されたR波を棄却し、残りのR波番号「1」、「2」、「4」、「8」、「9」の「R」と判別されたR波を用いて、1つ目の瞬時心拍(隣接する、R波番号「1」、「2」に対応する2つのR波で構成)、2つ目の瞬時心拍(隣接する、R波番号「2」、「4」に対応する2つのR波で構成)、3つ目の瞬時心拍(隣接する、R波番号「4」、「8」に対応する2つのR波で構成)、4つ目の瞬時心拍(隣接する、R波番号「8」、「9」に対応する2つのR波で構成)を構成する。これら再計算後の、瞬時心拍評価部25による、瞬時心拍の計測状態の評価は、表1に示す「#1(2つとも正常計測状態)」のみとなる。
QRS群形状評価部23は、計測状態評価部22から送信されたQRS群の形状の妥当性を評価する(S4)。具体的には,図7に示した正常なQRS群と,図8に示す図7とは異なる異常なQRS群を判別できれば良い。
実施形態では、「R波抽出部」で検出したR波におけるQ波およびS波を算出し、QRS群の持続時間が正常値の範囲内に収まるものを「正常なQRS群」、正常な範囲を超過したものを「異常なQRS群」とみなす。なお、この評価方法はあくまでも一例であり、図7及び図8に示すQRS群が判別できれば別の手法でも良い。
QRS群生起時間評価部24は、QRS群の生起時間の妥当性を評価する(S5)。実施形態では、評価対象QRS群に時間的に隣り合う隣接QRS群に基づいて、評価対象QRS群が期外収縮候補であるかを判定する。具体的には、評価対象となるQRS群と、評価対象となるQRS群に時間的に隣り合う前後のQRS群が、過去に生起したQRS群が持っている洞調律の範囲にあるか、ならびに、評価対象となるQRS群と、その前後のQRS群が、心臓が生理的にとり得る範囲内で生起しているかを評価する。これら二つの評価の結果、洞調律の範囲からはずれ、かつ、心臓が生理的にとり得る範囲内で生起したQRS群を「期外収縮候補」と判定する。
実施形態では、これらの基準については具体的には規定しないが、例えば、平均±n×標準偏差の範囲を洞調律とし、その範囲内におさまらない値を抜き出した上で、平均−n×標準偏差以下で生起したQRS群を対象とし、最大心拍数に対応する250[msec]以上の間隔で生起したものを「期外収縮候補」と判定することなどが考えられる。ここで、評価対象となるRRIの変動が、平均+n×標準偏差を超過している場合については、評価対象となるRRIを、「期外収縮候補」ではなく、計測異常RRIと判定しても良い。
期外収縮判定部25は、QRS群形状評価部23及びQRS群生起時間評価部24の結果に基づいて、期外収縮を評価する(S6)。QRS群生起時間評価部24のみを用いる場合は、S5で「期外収縮候補」と判別したものを「期外収縮」と判定する。
QRS群形状評価部23とQRS群生起時間評価部24の二つの情報を用いる場合は、S5で「期外収縮候補」と判定したQRS群の、S4の判定結果を参照する。S5で「期外収縮候補」かつS4で「正常なQRS群」であるものを「上室性期外収縮」、S5で「期外収縮候補」かつS4で「異常なQRS群」であるものを「心室性期外収縮」と判定する。
なお、「上室性期外収縮」の判定については、心電計測部11がP波を測定できる実現形態であれば、当該QRS群に対応するP波の有無でさらに詳細な判別を行っても良い。例えば、「上室性期外収縮」と判定されたものにP波があれば「心房性期外収縮」、P波がなければ「房室接合部性期外収縮」と判定しても良い。
従って、本実施形態の期外収縮判別装置によれば、計測状態評価部22によって、計測異常R波を含むRRIを評価対象から除外することで、ウェアラブル心電計で取得した心電図を対象とした異常評価を可能とすることができる。
また、QRS群生起時間評価部24の結果に基づいて、期外収縮を判定することで、筋電アーチファクトなど電位の小さいアーチファクトと期外収縮の判別が可能となる。
さらに、QRS群生起時間評価部24に加え、QRS群形状評価部23でQRS群の形状を評価することで、上室性期外収縮と心室性期外収縮の判別が可能となる。
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
参考文献
i) 奥出潤、これならわかる!かんたんポイント心電図 第2版、医学書院、2011
ii) 渡辺重行ら、心電図の読み方パーフェクトマニュアル、羊土社、2006
iii) 井上博、循環器疾患と自律神経機能 第2版、医学書院、2001
iv) 日本光電、雑音混入のメカニズムと対策:きれいな心電図を記録するポイント 〜ホルター心電図編〜(2017年3月23日確認)
http://www.nihonkohden.co.jp/iryo/point/holter/mechanism.html
v) 国立循環器病研究センター 循環器情報サービス、怖い不整脈と怖くない不整脈、
(2017年3月23日確認)
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph06.html
10…期外収縮判別システム、11…心電計測部、12…期外収縮判別装置、21…R波抽出部、22…計測状態評価部、23…QRS群形状評価部、24…QRS群生起時間評価部、25…期外収縮判定部。

Claims (9)

  1. 心電データから得られるR波の計測状態に基づいて、評価対象となる評価対象QRS群を決定する評価対象QRS群決定手段と、
    前記評価対象となる評価対象QRS群を、前記評価対象QRS群に時間的に隣り合う隣接QRS群に基づいて、前記評価対象QRS群が期外収縮候補であるかを判定する期外収縮候補判定手段と
    を具備する期外収縮判別装置。
  2. 前記期外収縮候補であると判定された評価対象QRS群の種別を判別する種別判別手段をさらに具備する、請求項1記載の期外収縮判別装置。
  3. 前記期外収縮候補判定手段は、前記評価対象QRS群が所定の洞調律の範囲外、且つ前記隣接QRS群が前記評価対象QRS群に対して所定の時間内に生起している場合に、前記期外収縮候補であると判定される、請求項1記載の期外収縮判別装置。
  4. 前記評価対象QRS群が正常なQRS群であるかを判定する正常QRS群判定手段をさらに具備し、
    前記種別判別手段は、前記評価対象QRS群が正常なQRS群と判定されたか否かに基づいて、前記評価対象QRS群の種別を判別する、請求項2記載の期外収縮判別装置。
  5. 心電データから得られるR波の計測状態に基づいて、評価対象となる評価対象QRS群を決定し、
    前記心電データから得られたQRS群のうち、評価対象となる評価対象QRS群を、前記評価対象QRS群に時間的に隣り合う隣接QRS群に基づいて、前記評価対象QRS群が期外収縮候補であるかを判定する、
    期外収縮判別方法。
  6. 前記期外収縮候補であると判定された評価対象QRS群の種別を判別することをさらに具備する、請求項5記載の期外収縮判別方法。
  7. 前記評価対象QRS群が所定の洞調律の範囲外、且つ前記隣接QRS群が前記評価対象QRS群に対して所定の時間内に生起している場合に、前記期外収縮候補であると判定される、請求項5記載の期外収縮判別方法。
  8. 前記評価対象QRS群が正常なQRS群であるかを判定することをさらに具備し、
    前記期外収縮候補であると判定された評価対象QRS群の種別を判別することは、前記評価対象QRS群が正常なQRS群と判定されたか否かに基づいて、前記評価対象QRS群の種別を判別する、請求項6記載の期外収縮判別方法。
  9. コンピュータに、請求項5乃至請求項8いずれか1項に記載の期外収縮判別方法を実行させるためのプログラム。
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