JPH0767643A - プラスミドpTT27 - Google Patents
プラスミドpTT27Info
- Publication number
- JPH0767643A JPH0767643A JP21466593A JP21466593A JPH0767643A JP H0767643 A JPH0767643 A JP H0767643A JP 21466593 A JP21466593 A JP 21466593A JP 21466593 A JP21466593 A JP 21466593A JP H0767643 A JPH0767643 A JP H0767643A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plasmid
- ptt27
- thermus
- strain
- dna
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】
【構成】 図1に示す制限酵素切断地図を有し、長さ約
240kbのプラスミドpTT27。 【効果】 本発明のプラスミドは、高度好熱性細菌を宿
主として増殖可能な、1コピーのプラスミドである。
240kbのプラスミドpTT27。 【効果】 本発明のプラスミドは、高度好熱性細菌を宿
主として増殖可能な、1コピーのプラスミドである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高度好熱性細菌サーマ
ス(Thermus) 属細菌を宿主として増殖できるプラスミド
pTT27に関する。
ス(Thermus) 属細菌を宿主として増殖できるプラスミド
pTT27に関する。
【0002】
【従来の技術】好熱性細菌は、それらが有する酵素、生
体成分が耐熱性、耐溶媒性に優れていることが知られて
おり、とりわけ好熱菌由来の耐熱性酵素および耐熱性生
体機能のバイオリアクター等への応用という点から、工
業的に極めて重要な微生物群である。このような好熱性
細菌を宿主として利用して、組換えDNA技術によりこ
れらの好熱性細菌を形質転換するため、既にいくつかの
プラスミドが知られている〔Munster, M. J. et al., A
ppl. Environ. Microbiol., Vol.50, 1325(1985); Mat
her, M. W. & J. A. Fee, Appl. Environ. Microbiol.,
Vol.58, 421(1992); Lasa, I. et al., J. Bacterio
l., Vol.174, 6424(1992)〕。これらのプラスミドはい
ずれも多コピー(8〜10コピー)であり、組換えたD
NA断片が発現し過ぎたために、細胞内代謝系のバラン
スが大きく崩れたり、生育阻害が起こるなどの影響を及
ぼす場合が生じ得る。また、複数の遺伝子群をコードす
る長鎖DNAなどを多コピープラスミドに導入すること
により、プラスミドの安定性が低下し、細胞からの脱落
率が高まる場合も生じ得る。従って、遺伝子組換えによ
り微生物を形質転換する際に、低コピー(1〜2コピ
ー)のプラスミドが必要となるが、高度好熱性細菌にお
いては、かかるプラスミドは未だ報告されていない。
体成分が耐熱性、耐溶媒性に優れていることが知られて
おり、とりわけ好熱菌由来の耐熱性酵素および耐熱性生
体機能のバイオリアクター等への応用という点から、工
業的に極めて重要な微生物群である。このような好熱性
細菌を宿主として利用して、組換えDNA技術によりこ
れらの好熱性細菌を形質転換するため、既にいくつかの
プラスミドが知られている〔Munster, M. J. et al., A
ppl. Environ. Microbiol., Vol.50, 1325(1985); Mat
her, M. W. & J. A. Fee, Appl. Environ. Microbiol.,
Vol.58, 421(1992); Lasa, I. et al., J. Bacterio
l., Vol.174, 6424(1992)〕。これらのプラスミドはい
ずれも多コピー(8〜10コピー)であり、組換えたD
NA断片が発現し過ぎたために、細胞内代謝系のバラン
スが大きく崩れたり、生育阻害が起こるなどの影響を及
ぼす場合が生じ得る。また、複数の遺伝子群をコードす
る長鎖DNAなどを多コピープラスミドに導入すること
により、プラスミドの安定性が低下し、細胞からの脱落
率が高まる場合も生じ得る。従って、遺伝子組換えによ
り微生物を形質転換する際に、低コピー(1〜2コピ
ー)のプラスミドが必要となるが、高度好熱性細菌にお
いては、かかるプラスミドは未だ報告されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高度好熱性
細菌内で増殖し得る低コピーのプラスミドの開発を目的
としてなされたものである。
細菌内で増殖し得る低コピーのプラスミドの開発を目的
としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、サーマス・サーモ
フィラス(Thermus thermophilus)HB27株由来の変異
株の1つであるサーマス・サーモフィラスCOP101
株(FERM P-12992)から高度好熱性細菌内で増殖可能な1
コピーの新規プラスミドを単離し、本発明を完成するに
至った。
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、サーマス・サーモ
フィラス(Thermus thermophilus)HB27株由来の変異
株の1つであるサーマス・サーモフィラスCOP101
株(FERM P-12992)から高度好熱性細菌内で増殖可能な1
コピーの新規プラスミドを単離し、本発明を完成するに
至った。
【0005】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。サーマス(Thermus) 属細菌内で複製増殖可能な低コ
ピープラスミドpTT27の分離源微生物としては、サ
ーマス属細菌であれば特定の種もしくは株に限定される
ものではないが、殊にサーマス・サーモフィラスCOP
101株、サーマス・サーモフィラスHB27株および
該HB27株をニトロソグアニジン(N-methyl-N'-nitro
-N-nitrosoguanidine)処理して得られるアミノ酸要求株
などの突然変異株等が好適に使用される。例えば、トリ
プトファン要求性変異株であるtrpB1、trpB2
およびtrpB5等を使用することができる。
る。サーマス(Thermus) 属細菌内で複製増殖可能な低コ
ピープラスミドpTT27の分離源微生物としては、サ
ーマス属細菌であれば特定の種もしくは株に限定される
ものではないが、殊にサーマス・サーモフィラスCOP
101株、サーマス・サーモフィラスHB27株および
該HB27株をニトロソグアニジン(N-methyl-N'-nitro
-N-nitrosoguanidine)処理して得られるアミノ酸要求株
などの突然変異株等が好適に使用される。例えば、トリ
プトファン要求性変異株であるtrpB1、trpB2
およびtrpB5等を使用することができる。
【0006】以下に、これらの分離源微生物から該プラ
スミドpTT27を調製するための基本操作の一例を示
す。
スミドpTT27を調製するための基本操作の一例を示
す。
【0007】該プラスミドを保有するサーマス・サーモ
フィラスCOP101株をサーマス培地〔ディフコ・イ
ーストエキストラクト2g、ポリペプトン(大五栄養)
4g、NaCl 1g、ニトリロ三酢酸0.1g、Ca
SO4 ・7H2 O 0.06g、MgSO4 ・7H2 O
0.1g、KNO3 0.105g、NaNO3 0.7
g、NaHPO4 0.11g、FeCl3 0.3mg、M
nSO4 2.2mg、ZnSO4 0.5mg、H3 BO3
0.5mg、CuSO4 0.016mg、Na2 MoO4
0.025mg、CoCl2 ・3H2 O 0.046mgを
純水1リットルに含み、pH7.5に調整したもの〕に接
種し、70℃で16〜18時間振とう培養する。菌体を
遠心分離により収集した後、実施例1で詳述する溶菌法
〔Casse, F.,et al., J. Gen. Microbiol., Vol.113, 2
29(1979) 〕による溶菌処理を行い、細胞混合液を得
る。これを遠心分離して得られる上清にポリエチレング
リコール6000を10%(w/v) 添加して氷中に静置
し、次いで遠心分離することにより該プラスミドの沈殿
物を得る。この沈殿物を、塩化セシウムを用いた平衡密
度勾配遠心にかけてバンドを回収することで、該プラス
ミド溶液を調製することができる。また、該プラスミド
を切断しない制限酵素ClaIにより全DNA溶液を処
理した後、パルスフィールドゲル電気泳動を行うことに
より、ゲルの原点に環状の該プラスミドを存在させ、こ
れを回収することができる。あるいは、該プラスミドを
1ケ所のみで切断する制限酵素、例えばMunIを用い
て全DNA溶液を処理した後、パルスフィールドゲル電
気泳動を行うことにより、大きさ約240kbの直鎖状D
NAとして分離できる。
フィラスCOP101株をサーマス培地〔ディフコ・イ
ーストエキストラクト2g、ポリペプトン(大五栄養)
4g、NaCl 1g、ニトリロ三酢酸0.1g、Ca
SO4 ・7H2 O 0.06g、MgSO4 ・7H2 O
0.1g、KNO3 0.105g、NaNO3 0.7
g、NaHPO4 0.11g、FeCl3 0.3mg、M
nSO4 2.2mg、ZnSO4 0.5mg、H3 BO3
0.5mg、CuSO4 0.016mg、Na2 MoO4
0.025mg、CoCl2 ・3H2 O 0.046mgを
純水1リットルに含み、pH7.5に調整したもの〕に接
種し、70℃で16〜18時間振とう培養する。菌体を
遠心分離により収集した後、実施例1で詳述する溶菌法
〔Casse, F.,et al., J. Gen. Microbiol., Vol.113, 2
29(1979) 〕による溶菌処理を行い、細胞混合液を得
る。これを遠心分離して得られる上清にポリエチレング
リコール6000を10%(w/v) 添加して氷中に静置
し、次いで遠心分離することにより該プラスミドの沈殿
物を得る。この沈殿物を、塩化セシウムを用いた平衡密
度勾配遠心にかけてバンドを回収することで、該プラス
ミド溶液を調製することができる。また、該プラスミド
を切断しない制限酵素ClaIにより全DNA溶液を処
理した後、パルスフィールドゲル電気泳動を行うことに
より、ゲルの原点に環状の該プラスミドを存在させ、こ
れを回収することができる。あるいは、該プラスミドを
1ケ所のみで切断する制限酵素、例えばMunIを用い
て全DNA溶液を処理した後、パルスフィールドゲル電
気泳動を行うことにより、大きさ約240kbの直鎖状D
NAとして分離できる。
【0008】この約240kbのプラスミドpTT27を
各種制限酵素で切断したときの認識部位数および切断断
片の大きさを下記表1に、制限酵素による切断点地図を
図1に示す。
各種制限酵素で切断したときの認識部位数および切断断
片の大きさを下記表1に、制限酵素による切断点地図を
図1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】なお、本明細書において、制限酵素による
「認識部位数」は、プラスミドを制限酵素の存在下で完
全分解し、それらの分解物をそれ自体既知の方法に従
い、パルスフィールドゲル電気泳動あるいは通常のアガ
ロースゲル電気泳動に供し、分離可能な断片の数から決
定した値を採用した。
「認識部位数」は、プラスミドを制限酵素の存在下で完
全分解し、それらの分解物をそれ自体既知の方法に従
い、パルスフィールドゲル電気泳動あるいは通常のアガ
ロースゲル電気泳動に供し、分離可能な断片の数から決
定した値を採用した。
【0011】また、プラスミドの「全体の大きさ」およ
び「切断断片の大きさ」は、以下のように求めた。すな
わち、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces c
erevisiae)の染色体DNA、およびラムダファージ(λ
phage) のDNAを制限酵素HindIII あるいはBs
tPIで切断して得られる分子量既知のDNA断片(分
子量マーカー)を、同一アガロースゲル上で泳動し、そ
の泳動距離で描かれる標準線に基づいてプラスミドまた
は切断DNA断片の大きさを算出する。プラスミドの大
きさは切断断片それぞれの大きさを加算して求める。な
お、各DNA断片の大きさの決定において、10kbより
大きい断片については、パルスフィールドゲル電気泳動
(1%アガロースゲル)によって得られる結果を採用
し、10kb以下の断片の大きさは通常の1%アガロース
ゲル電気泳動によって得られる結果を採用した。
び「切断断片の大きさ」は、以下のように求めた。すな
わち、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces c
erevisiae)の染色体DNA、およびラムダファージ(λ
phage) のDNAを制限酵素HindIII あるいはBs
tPIで切断して得られる分子量既知のDNA断片(分
子量マーカー)を、同一アガロースゲル上で泳動し、そ
の泳動距離で描かれる標準線に基づいてプラスミドまた
は切断DNA断片の大きさを算出する。プラスミドの大
きさは切断断片それぞれの大きさを加算して求める。な
お、各DNA断片の大きさの決定において、10kbより
大きい断片については、パルスフィールドゲル電気泳動
(1%アガロースゲル)によって得られる結果を採用
し、10kb以下の断片の大きさは通常の1%アガロース
ゲル電気泳動によって得られる結果を採用した。
【0012】本発明のプラスミドで形質転換し得る宿主
微生物として、サーマス属細菌、例えばサーマス・サー
モフィラスCOP101株、サーマス・サーモフィラス
HB27株およびそれより誘導される変異株であるアミ
ノ酸要求性変異株(trpB1、trpB2、trpB
5、Pro- 、Leu- 、Met- 、Lys- )等が挙
げられる。また、サーマス・サーモフィラスHB8株
〔Oshima, T. & Imahori, K., Int. J. Syst. Bact., V
ol.24, 102(1974)〕、サーマス・フラバス(Thermus fla
vus)AT62〔Saiki, T. et al., Agric. Biol. Che
m., Vol.36, 2357(1972)〕、サーマス・カルドフィラス
(Thermus caldophilus)GK24〔Taguchi,H., et a
l., J. Biochem., Vol.91, 1343(1982)〕、サーマス・
アクアティカス(Thermus aquaticus) YT1〔Brock,
T. D. & Freeze, H., J. Bacteriol., Vol.98, 289(196
9) 〕、サーマス(Thermus) T2〔Ulrich, T., et al.,
J. Bacteriol., Vol.110, 691(1972) 〕およびこれら
の変異株等も宿主微生物として用いることができる。
微生物として、サーマス属細菌、例えばサーマス・サー
モフィラスCOP101株、サーマス・サーモフィラス
HB27株およびそれより誘導される変異株であるアミ
ノ酸要求性変異株(trpB1、trpB2、trpB
5、Pro- 、Leu- 、Met- 、Lys- )等が挙
げられる。また、サーマス・サーモフィラスHB8株
〔Oshima, T. & Imahori, K., Int. J. Syst. Bact., V
ol.24, 102(1974)〕、サーマス・フラバス(Thermus fla
vus)AT62〔Saiki, T. et al., Agric. Biol. Che
m., Vol.36, 2357(1972)〕、サーマス・カルドフィラス
(Thermus caldophilus)GK24〔Taguchi,H., et a
l., J. Biochem., Vol.91, 1343(1982)〕、サーマス・
アクアティカス(Thermus aquaticus) YT1〔Brock,
T. D. & Freeze, H., J. Bacteriol., Vol.98, 289(196
9) 〕、サーマス(Thermus) T2〔Ulrich, T., et al.,
J. Bacteriol., Vol.110, 691(1972) 〕およびこれら
の変異株等も宿主微生物として用いることができる。
【0013】以上に本発明を説明してきたが、下記の実
施例により本発明を更に具体的に説明する。しかしなが
ら、下記の実施例は本発明の具体的認識を得る一助とみ
なすべきものであり、本発明の範囲を何等制限するもの
ではない。
施例により本発明を更に具体的に説明する。しかしなが
ら、下記の実施例は本発明の具体的認識を得る一助とみ
なすべきものであり、本発明の範囲を何等制限するもの
ではない。
【0014】
実施例1 (1)プラスミドpTT27の調製 プラスミドpTT27を保持するサーマス・サーモフィ
ラスCOP101株(FERM P-12992)を100mlのサーマ
ス培地(前記)に接種し、70℃で16〜18時間振と
う培養した。次いで、この培養液を1リットルのサーマ
ス培地に接種し、70℃で5時間培養した。遠心により
集菌してTES(20mMTris−HCl、5mMEDT
A、100mMNaCl、pH7.5)で洗浄した後、菌体
を、湿重量4g当たり10mlの25%ショ糖含有TES
に懸濁した。この懸濁液に、リゾチーム(10mg/ml )
を2ml、0.25M EDTA(pH8)を4mlそれぞれ添
加した後、0℃で10分間静置し、続いて37℃に10
分間保温した。この細胞混合液に2mlの10%SDSお
よび5mlの5M 塩化ナトリウムを加え、4℃に15〜1
8時間静置した。これを2,800rpm で1時間の遠心
分離に付して上清を得た。得られた上清にポリエチレン
グリコール6000を10% (w/v)添加して0℃で2〜
3時間静置した後、2,200rpm 、2分間の遠心分離
により沈殿を得た。得られた沈殿を15mlのTESに溶
解し、これにCsClおよびエチジウムブロマイドを添
加して密度を1.61〜1.62に調製した。この試料
を38,000rpm で30〜40時間の平衡密度勾配遠
心に付した。生じたプラスミドDNAのバンドを収集
し、イソアミルアルコールでエチジウムブロマイドを除
去した後、TEN(20mMTris−HCl、1mMED
TA、20mMNaCl)で透析することにより、プラス
ミドDNA溶液が得られた。
ラスCOP101株(FERM P-12992)を100mlのサーマ
ス培地(前記)に接種し、70℃で16〜18時間振と
う培養した。次いで、この培養液を1リットルのサーマ
ス培地に接種し、70℃で5時間培養した。遠心により
集菌してTES(20mMTris−HCl、5mMEDT
A、100mMNaCl、pH7.5)で洗浄した後、菌体
を、湿重量4g当たり10mlの25%ショ糖含有TES
に懸濁した。この懸濁液に、リゾチーム(10mg/ml )
を2ml、0.25M EDTA(pH8)を4mlそれぞれ添
加した後、0℃で10分間静置し、続いて37℃に10
分間保温した。この細胞混合液に2mlの10%SDSお
よび5mlの5M 塩化ナトリウムを加え、4℃に15〜1
8時間静置した。これを2,800rpm で1時間の遠心
分離に付して上清を得た。得られた上清にポリエチレン
グリコール6000を10% (w/v)添加して0℃で2〜
3時間静置した後、2,200rpm 、2分間の遠心分離
により沈殿を得た。得られた沈殿を15mlのTESに溶
解し、これにCsClおよびエチジウムブロマイドを添
加して密度を1.61〜1.62に調製した。この試料
を38,000rpm で30〜40時間の平衡密度勾配遠
心に付した。生じたプラスミドDNAのバンドを収集
し、イソアミルアルコールでエチジウムブロマイドを除
去した後、TEN(20mMTris−HCl、1mMED
TA、20mMNaCl)で透析することにより、プラス
ミドDNA溶液が得られた。
【0015】(2)プラスミドpTT27の分子量決定 本プラスミドの分子量は、その超らせん構造のDNAを
Casse らの方法〔Casse, F., et al., J. Gen. Microbi
ol., Vol.113, 229(1979) 〕によるアガロースゲル電気
泳動の結果より、および制限酵素によって切断された断
片のパルスフィールド・アガロースゲル電気泳動の結果
(表1)より、前述の分子量マーカーを用い、約240
kbであることを確認した。このような巨大プラスミド
は、サーマス属細菌ではこれまでに報告されておらず、
pTT27は従来知られていない新規なプラスミドであ
る。
Casse らの方法〔Casse, F., et al., J. Gen. Microbi
ol., Vol.113, 229(1979) 〕によるアガロースゲル電気
泳動の結果より、および制限酵素によって切断された断
片のパルスフィールド・アガロースゲル電気泳動の結果
(表1)より、前述の分子量マーカーを用い、約240
kbであることを確認した。このような巨大プラスミド
は、サーマス属細菌ではこれまでに報告されておらず、
pTT27は従来知られていない新規なプラスミドであ
る。
【0016】(3)プラスミドpTT27DNAの制限
酵素切断地図の作成 制限酵素による切断は、プラスミドDNA溶液からエタ
ノール沈殿によってDNAを沈殿させ、適当な緩衝液に
溶解して行った。制限酵素は、EcoRI、SspI、
MunIの3種類を用い、37℃にて12時間処理し
た。制限酵素切断処理後の試料は、TB緩衝液(45mM
Tris、45mMボレート、1mMEDTA、pH8)中に
て1%アガロースゲルを用いたパルスフィールドゲル電
気泳動(BIO−RAD製CHEF−DR2装置)によ
り各DNA断片を分離し、分子量マーカーをもとに(前
述)各断片の分子量を求めた(表1)。
酵素切断地図の作成 制限酵素による切断は、プラスミドDNA溶液からエタ
ノール沈殿によってDNAを沈殿させ、適当な緩衝液に
溶解して行った。制限酵素は、EcoRI、SspI、
MunIの3種類を用い、37℃にて12時間処理し
た。制限酵素切断処理後の試料は、TB緩衝液(45mM
Tris、45mMボレート、1mMEDTA、pH8)中に
て1%アガロースゲルを用いたパルスフィールドゲル電
気泳動(BIO−RAD製CHEF−DR2装置)によ
り各DNA断片を分離し、分子量マーカーをもとに(前
述)各断片の分子量を求めた(表1)。
【0017】(4)pTT27のコピー数の測定 プラスミドpTT27を保持するサーマス・サーモフィ
ラスCOP101株(FERM P-12992) を100mlのサー
マス培地(前記)に接種し、70℃で16〜18時間振
とう培養した。次いで、この培養液を1リットルのサー
マス培地に接種して培養後、対数増殖期の終わり近くで
集菌し、約6gの湿菌体を得た。これをリゾチーム12
mgを溶解した6mlの0.15M EDTA(pH8)に懸濁
し、37℃で20分間保温した後、エタノール・ドライ
アイスの冷媒中にいれて速やかに凍らせた。50mlの
0.1M Tris−HCl緩衝液(pH9.0)−1%S
DS−0.1M 塩化ナトリウムを加えて撹拌した後、上
記緩衝液で飽和させたフェノール56mlを加えて4℃で
振とうし、次いで、これを遠心に付してその上清を分取
する。これに2容の冷アルコールを加えて核酸画分を沈
殿として回収し、20mlの0.1×SSC(0.15M
塩化ナトリウム−0.015M クエン酸ナトリウム)に
溶かした後、2mlの10×SSCを加え、1×SSCに
溶けた粗DNA溶液を得た。次にRNaseA(シグマ
社製)、RNaseT1(シグマ社製)をそれぞれ50
μg/mlになるように加えて37℃で30分間静置し、R
NAを分解した後、上記フェノール処理を繰り返して、
DNA溶液を得た。これを0.8%アガロースゲル電気
泳動にかけ、泳動ネガフィルムをデンシトメーターにか
け、染色体DNAとプラスミドDNAの割合を測定し、
染色体DNAの分子量を1,820kb、pTT27を2
40kbとした計算によりコピー数を求めたところ、pT
T27は、1染色体当たり1コピー存在することが判明
した。
ラスCOP101株(FERM P-12992) を100mlのサー
マス培地(前記)に接種し、70℃で16〜18時間振
とう培養した。次いで、この培養液を1リットルのサー
マス培地に接種して培養後、対数増殖期の終わり近くで
集菌し、約6gの湿菌体を得た。これをリゾチーム12
mgを溶解した6mlの0.15M EDTA(pH8)に懸濁
し、37℃で20分間保温した後、エタノール・ドライ
アイスの冷媒中にいれて速やかに凍らせた。50mlの
0.1M Tris−HCl緩衝液(pH9.0)−1%S
DS−0.1M 塩化ナトリウムを加えて撹拌した後、上
記緩衝液で飽和させたフェノール56mlを加えて4℃で
振とうし、次いで、これを遠心に付してその上清を分取
する。これに2容の冷アルコールを加えて核酸画分を沈
殿として回収し、20mlの0.1×SSC(0.15M
塩化ナトリウム−0.015M クエン酸ナトリウム)に
溶かした後、2mlの10×SSCを加え、1×SSCに
溶けた粗DNA溶液を得た。次にRNaseA(シグマ
社製)、RNaseT1(シグマ社製)をそれぞれ50
μg/mlになるように加えて37℃で30分間静置し、R
NAを分解した後、上記フェノール処理を繰り返して、
DNA溶液を得た。これを0.8%アガロースゲル電気
泳動にかけ、泳動ネガフィルムをデンシトメーターにか
け、染色体DNAとプラスミドDNAの割合を測定し、
染色体DNAの分子量を1,820kb、pTT27を2
40kbとした計算によりコピー数を求めたところ、pT
T27は、1染色体当たり1コピー存在することが判明
した。
【図1】プラスミドpTT27の制限酵素切断地図であ
る。
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 図1に示す制限酵素切断地図を有し、長
さ約240kbのプラスミドpTT27。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21466593A JPH0767643A (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | プラスミドpTT27 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21466593A JPH0767643A (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | プラスミドpTT27 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0767643A true JPH0767643A (ja) | 1995-03-14 |
Family
ID=16659543
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21466593A Pending JPH0767643A (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | プラスミドpTT27 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0767643A (ja) |
-
1993
- 1993-08-31 JP JP21466593A patent/JPH0767643A/ja active Pending
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