JPH076686U - マッフルを備えた連続炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マッフルが熱膨張しても加熱室内を仕切る断
熱材が破損することがない連続炉を提供する。 【構成】 加熱室2 内が仕切り4 により複数のゾーンに
仕切られている、マッフル3 を備えた連続炉1 におい
て、仕切り4 が、二つ折りにされた布状断熱材（ブラン
ケット）11の折曲部が加熱室2 の左右側壁5 上端間に渡
された棒状水平部材10に掛けられることにより形成され
ている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、マッフルを備えた連続炉に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、マッフルを備えた連続炉としては、セラミックファイバを板状に成形し たハードボード型の断熱材により、加熱室内が複数のゾーンに仕切られているも のが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のマッフルを備えた連続炉では、耐熱鋼製のマッフルが熱膨張したさ いに、断熱材がマッフルの変形に追随できずに断熱材が破損するという問題があ った。

【０００４】 この考案の目的は、マッフルが熱膨張しても加熱室内を仕切る断熱材が破損す ることがない、マッフルを備えた連続炉を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案によるマッフルを備えた連続炉は、加熱室内に設けられかつ前後にの びる搬送路を有するマッフルを備え、加熱室内が仕切りにより複数のゾーンに仕 切られている、マッフルを備えた連続炉において、仕切りが、二つ折りにされた 布状断熱材（ブランケット）の折曲部が加熱室の左右側壁上端間に渡された棒状 水平部材に掛けられることにより形成されていることを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

この考案によるマッフルを備えた連続炉は、仕切りが、二つ折りにされた布状 断熱材（ブランケット）の折曲部が加熱室の左右側壁上端間に渡された棒状水平 部材に掛けられることにより形成されているものであるから、加熱室内を断熱材 により複数のゾーンに仕切ることができ、マッフルが熱膨張により変形すると、 断熱材もこれに応じて変形する。

【０００７】

【実施例】

この考案の実施例を、以下図面を参照して説明する。

【０００８】 図１は、この考案による連続炉の一部を示すもので、連続炉(1) は、加熱室(2 ) と、耐熱鋼製のマッフル(3) とを備えている。マッフル(3) 内には、前後にの びるメッシュベルトコンベヤ（図示略）が配置されている。加熱室(2) 内は、前 後方向に所定間隔をおいて配置された仕切り(4) により複数のゾーンに仕切られ ている。マッフル(3) は、耐熱鋼製であり、各仕切り(4) を貫通して前後にのび ている。そして、各ゾーンは異なった温度に保持され、被処理物は、マッフル(3 ) 内を搬送される間に、所要の熱処理を受ける。

【０００９】 加熱室(2) は、それぞれヒータ(8) を備えた左右側壁(5)(5)、天井(6) および 床(7) とよりなる。左右側壁(5)(5)、天井(6) および床(7) は、それぞれパネル を連結していくことにより形成されている。左右側壁(5)(5)上端内側には、上端 よりも低い水平段部(5a)がそれぞれ設けられており、天井(6) 形成用パネルはこ の左右段部(5a)(5a)に支持されている。マッフル(3) は、各仕切り(4) で仕切ら れた位置で支持パネル(9) に載せられている。

【００１０】 仕切り(4) は、二つ折りにされた布状断熱材（ブランケット）(11)の折曲部が 、加熱室(2) の左右側壁(5)(5)上端間に渡された棒状水平部材(10)に掛けられる ことにより、形成されている。布状断熱材（ブランケット）は、セラミックファ イバを可撓性を有するように成形することにより得られるもので、布きりはさみ で裁断可能であり、断熱材(4) とマッフル(3) との間に隙間が生じないように、 マッフル(3) 相当部分が切り抜かれている。水平部材(10)には、耐熱性を有する 材料が使用され、断熱性は特に必要としない。水平部材(10)としては、例えばム ライト製チューブが使用され、これ以外に各種セラミックス、金属等が使用温度 により使い分けられる。

【００１１】 左右側壁(5)(5)の左右段部(5a)(5a)には棒状水平部材(10)が嵌め入れられる溝 (12)(12)がそれぞれ設けられており、ここに水平部材(10)の各端部が嵌め入れら れている。

【００１２】 マッフル(3) は、耐熱鋼製であり、３００℃程度を越えるとその熱膨張による 変形が無視できなくなる。したがって、従来のハードボード型の断熱材を仕切り に使用すると、この断熱材が固くて脆く、柔軟性がないことから、マッフル(3) の変形に追随できずに断熱材が破損したり、ヒータ(8) に接触して断線の原因と なったりするという問題や、輸送中や梱包時にも破損しやすいという問題があっ た。これに対して、上記実施例の仕切り(4) は、その本体部が布状断熱材（ブラ ンケット）(11)により形成されているので、マッフル(3) が熱膨張により変形す ると、断熱材(11)もこれに応じて変形し、上記問題が解消される。

【００１３】 次に、この考案によるものと従来のものとの断熱効果の比較結果を示す。表１ は、相接する低温側ゾーンと高温側ゾーンの設定温度を種々変更し、低温側ゾー ンの温度を測ることにより断熱効果を比較する実験を行った結果を示すものであ る。なお、実施例の仕切り(4) は厚み２０ｍｍのブランケット(11)を二つ折りに し、、直径２１ｍｍのムライト製チューブ(10)に支持させたものである。一方の 従来例の断熱材は、厚み５０ｍｍのハードボードである。

【００１４】

【表１】 上記比較テストより、実施例が従来例よりも断熱効果に優れていることが分か る。

【００１５】

【考案の効果】

この考案の連続炉によると、加熱室内を断熱材により複数のゾーンに仕切るこ とができ、しかもマッフルが熱膨張により変形したさいには、断熱材もこれに応 じて変形するので、マッフルが熱膨張しても加熱室内を仕切る断熱材が破損する ことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案による連続炉の要部を示す分解斜視図
である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿う断面図である。

【符号の説明】

(1) 連続炉 (2) 加熱室 (3) マッフル (4) 仕切り (5) 左右側壁 (10) 棒状水平部材 (11) 断熱材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 加熱室(2) 内に設けられかつ前後にのび
   る搬送路を有するマッフル(3) を備え、加熱室(2) 内が
   仕切り(4) により複数のゾーンに仕切られている、マッ
   フルを備えた連続炉において、仕切り(4) が、二つ折り
   にされた布状断熱材(11)の折曲部が加熱室(2) の左右側
   壁(5)(5)上端間に渡された棒状水平部材(10)に掛けられ
   ることにより形成されていることを特徴とする、マッフ
   ルを備えた連続炉。