JPH0765806B2 - 自動風呂装置におけるタイマー予約運転方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、給湯熱交換器により加
熱した湯を浴槽中へ注湯して湯張りを行ない、かつ、必
要に応じ、浴槽水を循環追だき管路中に循環させながら
追だきを行ない得るように構成した風呂装置の運転をマ
イコン制御部により制御すべくなした自動風呂装置のタ
イマー予約運転方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】前記の如き自動風呂装置の一例を図３に
示す。この自動風呂は、器具本体１内に給湯熱交換器２
およびそのバーナ３と、追だき熱交換器４およびそのバ
ーナ５とを具備し、給湯熱交換器２の出湯管から分岐さ
れた注湯電磁弁６を有する管路を追だき熱交換器４を含
む循環追だき管路に接続している。また、循環追だき管
路には、水位センサ８と、浴槽水の循環を促進させるた
めのポンプ９と、浴槽水の湯温検出用のサーミスタ１０
などが配設されている。なお、図３において、１１は浴
槽などに給湯する出湯栓であるが、実際には台所や洗面
所などにも配設されている。

【０００３】そして、この種の自動風呂は、図示を省略
したがマイコン制御部により自動制御されるもので、運
転スイッチをオンすると、注湯電磁弁６を開くと共に給
湯バナ３を燃焼させ設定湯温ないしそれより若干低い温
度で浴槽７中に注湯し、その間水位センサ８により浴槽
水位を検出し、浴槽水位が設定水位に達すると注湯電磁
弁６を閉じると共にバーナ３の燃焼を停止させ、次いで
ポンプ９を駆動しながらサーミスタ１０により浴槽中の
湯温を検出し、その検出湯温が設定湯温に達していない
ときは追だきバーナ５を燃焼させて追だき運転を行な
い、検出湯温が設定温度に達するとポンプ９およびバー
ナ５の燃焼を停止させて湯張り運転を終了するように構
成されている。なお、図３は本発明を適用すべき自動風
呂装置の一例を示すもので、本発明は図３に示す風呂装
置に限定されるものではない。

【０００４】前記の如き自動風呂装置では、リモコンな
どによって使用者が入浴希望時刻を設定すると、その設
定された時刻になれば自動的に湯張りを行なえる機能を
有するものが増えてきており、この機能を有するもの
は、設定された時刻になってから動作を開始するものよ
りも、設定された時刻には入浴可能なように設定された
時刻以前に湯張り動作が完了しているものが多い。

【０００５】この動作を可能とするため、外気温度や残
り湯の温度およびその量などを検出し、これらの条件を
考慮してマイコン制御部により複雑な演算処理を行なっ
た上で沸き上り時刻よりも前の動作開始時刻を算出し、
その動作開始時刻になると自動運転を行なうように工夫
されたものもあるが、このようにすると、複雑な演算処
理や各種の検知装置が必要なためコスト高になるという
問題がある。

【０００６】前記の如き複雑な演算処理を必要とすると
こなく簡単に実現する方法として、設定時刻の一定時間
前に自動運転を開始して設定時刻よりも前に沸き上げて
おき、設定時刻になると沸き上りを報知するようにした
ものがすでに実施されており、この方法によれば、タイ
マーだけで実現することができ、安価に機能を満足し得
るため一般によく行なわれている。

【０００７】ところが、この方法では、設定水位までの
湯張りを行なう時間と残り湯を沸かし上げる時間とが浴
槽の大きさ（容積）や残り湯の温度と設定された温度の
差などにより大きく変ってくるため、設定された時刻に
対する自動運転開始時刻を十分余裕をもった時間、例え
ば設定時刻の１時間前に行なうことになり、このため、
例えば湯張りに要する時間が２０分だとするすと、設定
時刻までに４０分の待ち時間となり、設定時刻に達した
ときは使用者が希望した設定湯温よりかなり低い湯温に
なるという問題がある。

【０００８】前記の如きタイマーによる自動運転の問題
点を改善するため、設定時刻からあらかじめ定めた一定
時間だけさかのぼって自動給湯たき上げ運転を開始する
と共に、その後設定時刻より所定時間前に保温運転を行
なうことが提案されている（特公平２−５３６９６号参
照）。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】一般に、湯張り機能を
備えた風呂装置では、追だき能力は給湯能力よりかなり
低い。このような現状から前記特公平２−５３６９６号
公報に示す従来技術（以下単に従来技術という）を考え
ると、浴槽が空の状態から湯張りを始める場合の動作必
要時間と、前日の残り湯がある状態から追だきのみで沸
き上げなければならない場合の動作必要時間では大きな
時間差が生ずることゝなり、あらかじめ定められた一定
時間という定数を浴槽が空から湯張りするという想定で
定めた場合には、残り湯を追だきのみで沸き上げなけれ
ばならない場合、設定時刻（入浴希望時刻）を大幅に経
過しなければ沸き上らないことゝなる。逆に、残り湯を
最大限考慮して定数を設定した場合には、一旦湯を沸き
上げた後設定時刻の所定時間前に行なわれる保温開始時
刻になるまでに大きな時間差を生じ、この保温時刻では
多くの熱量をムダに浪費してしまうことゝなる。いずれ
にしろ、上記のような使用上の現実を考えた場合、前記
の従来技術で入浴予定時刻をむかえて沸き上り報知を行
なった場合、器具がまだ何らかの動作を行なっているに
もかかわらず沸き上り報知を行なうという奇妙な状態に
なりかねない。

【００１０】本発明は、前記の如き従来技術の問題点を
改善し、使用者に対し適切な入浴時刻の報知を行なうこ
とができると共に、報知が行なわれた時点では常に快適
な入浴が行なえる状態を維持することができるタイマー
予約運転方法を提供しようとするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記の如き目
的を達成するため、沸き上り時刻をリモコンなどに設定
してその時刻での沸き上りを予約すると、マイコン制御
部に設定時刻より一定時間前の自動運転開始時刻と、設
定時刻より所定時間前のチェッ時刻とを記憶させ、自動
運転開始時刻に達すると、設定水位に至るまでの注湯お
よびまたは設定湯温に達するまでの追だきを行ない、し
かる後その時点で設定時刻を経過したか否かを検出し、
設定時刻を経過したことを検出すると直ちに沸き上りを
報知し、設定時刻を経過していないときはチェック時刻
を経過したか否かを検出し、チェック時刻を経過したこ
とを検出するとチェック動作を行なうことなく設定時刻
に達するのを待って沸き上りを報知し、チェック時刻を
経過していないときはチェック時刻に達するのを待って
設定水位、設定湯温のチェック動作を行なった後必要と
する水位，湯温などの調節を行ない、設定時刻に達する
と沸き上りを報知すべくなしたことを特徴とする。

【００１２】

【作用】本発明は前記の如くして制御するので、浴槽が
空の場合、設定時刻より一定時間前の自動運転開始時刻
に達すると、自動湯張り運転および必要に応じ追だき運
転を行ない、次いでチェック時刻に達すると水位および
湯温のチェック動作を行なった後必要とする水位，湯温
などの調節を行ない、次いで設定時刻になると沸き上り
を報知する。

【００１３】また、浴槽中に残り湯があるがその水位が
設定水位より低い場合には、設定時刻より一定時間前の
自動運転開始時刻に達すると、設定水位までの湯張りを
行なうと共に、追だき運転を行ない、次いでチェック時
刻に達すると水位および湯温のチェック動作を行なった
後必要とする水位，湯温などの調節を行ない、次いで設
定時刻になると沸き上りを報知する。

【００１４】また、浴槽中に設定水位までの残り湯があ
る場合には、設定時刻より一定時間前の自動運転開始時
刻に達すると、追だき運転を行ない、その追だき運転時
間がチェック時刻を経過している場合にはチェック動作
を行なうことなく、設定時刻になると沸き上りを報知す
る。

【００１５】さらに、浴槽中に設定水位までの残り湯が
あり、かつ、浴槽が特に大きいとか残り湯の温度が低い
場合には、前記と同様にして追だき運転を行なうが、そ
の追だき運転時間がチェック時刻のみならず設定時刻を
経過したときは、設定時刻とは無関係に追だき運転の終
了時に沸き上りを報知する。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１および図２に
ついて説明する。

【００１７】図１は本発明の一実施例を示すフローチャ
ート、図２は動作の説明図である。

【００１８】図１に示すように、入浴希望時刻を設定し
た後予約スイッチをオンすると、マイコン制御部に設定
時刻の一定時間前、例えば１時間前の時刻と設定時刻の
所定時間前、例えば１０分前とを記憶させておき、設定
時刻の一定時間前に達すると自動運転を行なう。すなわ
ち、図２のＡのように浴槽が空の場合には、設定水位ま
での湯張りを行なうと共に必要に応じ追だき運転を行な
い、また、図２のＢのように浴槽中に残水があるがその
水位が設定水位より低い場合には、設定水位までの湯張
りと追だき運転とを行なう。図２のＡおよびＢの場合
は、チェック時刻になる以前に動作が終了し、チェック
時刻に達するとチェック動作を行ない、その結果、水位
や湯温が設定値に達していないときには設定値に達する
まで追だきあるいは湯張りを行ない、設定時刻になると
沸き上りを報知する。図２のＣのように浴槽中に設定水
位までの残り湯がある場合は、設定時刻の一定時間前に
達すると追だき運転を行ない、その追だき運転時間がチ
ェック時刻を過ぎると、チェック動作を行なうことなく
設定時刻になるのを待って沸き上りを報知する。図２の
Ｄのように、浴槽中に設定水位あるいはそれ以上の残り
湯があり、かつ、浴槽が大きいか残り湯の温度が低い場
合は、追だき時間が設定時刻を過ぎることがある。この
場合は、図１に示すように、追だき運転を終了した時点
で沸き上りを報知する。

【００１９】

【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、タ
イマーによる簡単かつ廉価な方法でありながら、使用者
に対し適切な入浴時刻の報知を行なうと共に、報知が行
なわれた時点では常に快適な入浴が行なえる状態を維持
することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるタイマー予約運転方法の一実施例
を示すフローチャートである。

【図２】浴槽側の条件が異なる場合のタイマー予約運転
の説明図で、Ａは浴槽が空の場合、Ｂは浴槽中に残り湯
があるがその水位が設定水位より低い場合、Ｃは浴槽中
に設定水位までの残り湯がある場合、Ｄは浴槽中に設定
水位あるいはそれ以上の残り湯があり、かつ、浴槽が大
きいか湯温が低い場合である。

【図３】器具の構成例を示す図である。

【符号の説明】

２…給湯熱交換器、３…給湯バーナ、４…追だき熱交換
器、５…追だきバーナ、６…注湯電磁弁、７…浴槽、８
…水位センサ、９…ポンプ、１０…サーミスタ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 器具本体内に給湯熱交換器およびそのバ
   ーナと追だき熱交換器およびそのバーナとを具備し、給
   湯熱交換器により加熱した湯を浴槽中へ注湯して湯張り
   を行ない、かつ、必要に応じ、浴槽水を循環追だき管路
   中に循環させて追だき熱交換器により追だきを行なうよ
   うに構成した風呂装置の運転をマイコン制御部により制
   御すべくなした自動風呂装置において、沸き上り希望時
   刻をリモコンなどに設定してその時刻での沸き上りを予
   約すると、マイコン制御部に設定時刻より一定時間前の
   自動運転開始時刻と、設定時刻より所定時間前のチェッ
   時刻とを記憶させ、自動運転開始時刻に達すると、設定
   水位に至るまでの注湯およびまたは設定湯温に達するま
   での追だきを行ない、しかる後その時点で設定時刻を経
   過したか否かを検出し、設定時刻を経過したことを検出
   すると直ちに沸き上りを報知し、設定時刻を経過してい
   ないときはチェック時刻を経過したか否かを検出し、チ
   ェック時刻を経過したことを検出するとチェック動作を
   行なうことなく設定時刻に達するのを待って沸き上りを
   報知し、チェック時刻を経過していないときはチェック
   時刻に達するのを待って設定水位、設定湯温のチェック
   動作を行なった後必要とする水位，湯温などの調節を行
   ない、設定時刻に達すると沸き上りを報知すべくなした
   ことを特徴とする自動風呂装置におけるタイマー予約運
   転方法。