JPH0765446A - ローディング制御装置 - Google Patents

ローディング制御装置

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Publication number
JPH0765446A
JPH0765446A JP5211528A JP21152893A JPH0765446A JP H0765446 A JPH0765446 A JP H0765446A JP 5211528 A JP5211528 A JP 5211528A JP 21152893 A JP21152893 A JP 21152893A JP H0765446 A JPH0765446 A JP H0765446A
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JP
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tension
tape
reel
gain
output
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JP5211528A
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English (en)
Inventor
Michifumi Nishida
理史 西田
Soichiro Fujioka
総一郎 藤岡
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 テープ巻径が大きく変化するカセットに対し
ても、テープの過度なテンションやたるみを防ぎ、ロー
ディングの高速化も可能にすること。 【構成】 誤差検出器15はテンション指令手段13の
出力するローディング時における目標テンション値とテ
ンション検出手段14によって検出されたテープ2のテ
ンション値が入力され、その差分値を誤差信号として出
力する。微分手段16は誤差検出手段15の出力する誤
差信号を微分する。可変利得加算手段18は誤差検出手
段15の誤差信号と微分手段16の出力信号を利得指令
手段100から入力される指令値に応じた利得で加算
し、駆動回路12は可変利得加算手段12の出力に応じ
てモータ11を駆動する。利得指令手段100は第1の
リール1のテープ巻径および慣性モーメントの比に応じ
た利得指令値を可変利得加算手段18に出力し、装着さ
れたカセットに応じたテンション制御系を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオテープレコーダ
(以下、VTRと記す)などの磁気記録再生装置に用い
られるローディング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カセットテープを用いる磁気記録再生装
置、例えばVTRやディジタルオーディオテープレコー
ダ(DAT)においては、カセット内のリールに巻かれ
たテープを所定の位置まで引き出し、磁気ヘッドの搭載
されているシリンダに巻き付けるローディング動作が必
要である。このようなローディングをコントロールする
装置をローディング制御装置と呼ばれている。
【0003】ここで図を参照しながら、従来のローディ
ング制御装置について説明する。図9は従来のローディ
ング制御装置の構成例を示すブロック図である。図9で
は、ローディング機構は簡略化し、テープ2を案内する
ローディングポスト4、5、テープ2を巻き付け磁気ヘ
ッドをヘリカル走査するシリンダ6、ローラーポスト
7、8、9、10のみを図示している。
【0004】ローディング時テープ2は第1のリール1
より引き出される。モータ11は第1のリール1を直接
駆動するためのモータである。駆動回路12は入力信号
に応じたトルクをモータ11に発生させる回路である。
また、第2のリール3はローディング時に回転しないよ
うに固定されている。ローディング時には、ローディン
グポスト4、5をそれぞれ矢印A、Bの方向に移動させ
ることにより、第1のリール1に巻かれたテープ2を引
き出し、所定の角度でシリンダ6に巻き付ける。また、
テープ2に所定のバックテンションを与えるため、テン
ション指令手段13とテンション検出手段14と誤差検
出手段15と微分手段16と加算手段17によるフィー
ドバックのテンション制御ループを構成し、所定のバッ
クテンションになるようにモータ11のトルクを制御し
ている。
【0005】誤差検出器15にはテンション指令手段1
3の出力するローディング時における目標テンション値
Frとテンション検出手段14によって検出されるテー
プ2のテンション値Fが入力され、その差分値(Fr−
F)をテンションの誤差信号として出力する。微分手段
16は誤差検出手段15の出力する誤差信号を微分し、
この微分信号をダンピング信号として加算手段17に与
える。また、加算手段17は誤差検出手段15の誤差信
号と微分手段16のダンピング信号を所定の利得で加算
し、その出力をトルク制御信号として駆動回路12に出
力する。
【0006】このような構成を取ることにより、テンシ
ョンFが目標テンションFrより小さくなる場合加算手
段17の出力するトルク制御信号が大きくなりテープ2
の巻き取りトルクを増加させテンションFを大きくす
る。また、逆の場合には加算手段17の出力するトルク
制御信号が小さくなりテープ2の巻き取りトルクが減少
しテンションFが小さくなる。このような動作によりテ
ンションが目標テンションFrになるように制御され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
磁気記録再生装置において、長時間記録のためのテープ
薄型化や、ローディング速度の高速化に伴い、さらにテ
ンション安定性に優れたローディング制御系を構成する
ことが必要となってきている。
【0008】一方、VTRやDATのカセットには、記
録時間の異なるものが存在し、リールに巻かれたテープ
量が異なる。また、同種のカセットであっても、VTR
に装着された時点でのリールのテープ巻径は様々に異な
る。この様に、ローディング時におけるリールのテープ
巻径、さらには慣性モーメントは装着されたカセットに
より異なる。そのため、従来の構成のローディング制御
装置では、想定されるリールのテープ巻径や慣性モーメ
ントに対し、すべての状態でテンション制御系の安定を
確保できるようにゲイン等の設計を行ってきた。
【0009】そのため、リールのテープ巻径や慣性モー
メントが大きく変化するカセットが使用される場合に
は、テンション制御系の性能をあまり上げることができ
ず、その結果、ローディング時の走行負荷変動やモータ
のトルクリップルによるテンション変動によりテープの
損傷が発生する場合があった。また、急峻なテープ引き
出し速度の変化時に、過度なテンションやテープたるみ
によるテープ走行路からの脱落が発生し、大きなテープ
損傷が生じてしまうという問題点があった。
【0010】また、ローディングの時間を短縮しようと
するとこのようなテンション変動はさらに増大するた
め、高速ローディングを実現する上で大きな障害となっ
ている。
【0011】本発明は上記従来のローディング制御装置
の課題に鑑み、ローディング動作時のテープのたるみや
過度なテンションを抑制し、さらには高速ローディング
を可能とするローディング制御装置を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のローディング制
御装置は、カセット内の第1のリールおよび第2のリー
ルに巻かれたテープをローディングポストによって引き
出し磁気ヘッドの搭載されるシリンダに巻付けを行なう
ローディング制御装置において、テープのテンションを
検出するテンション検出手段と、テープの目標テンショ
ン値を出力するテンション指令手段と、テンション検出
手段の出力値とテンション指令手段の出力値との差を求
める誤差検出手段と、誤差検出手段の出力を微分処理す
る微分手段と、第1のリールのテープ巻径および第1の
リールの慣性モーメントに応じて誤差検出手段と微分手
段の出力に対する利得の指令値を出力する利得指令手段
と、誤差検出手段の出力と微分手段の出力を利得指令手
段の出力に応じた利得で加算する可変利得加算手段と、
第1のリールに取り付けられるモータと、可変利得加算
手段の出力に応じたトルクをモータに発生させる駆動回
路とを具備することを特徴とするものである。
【0013】
【作用】本発明は上記した構成により、利得指令手段、
可変利得加算手段を通して制御利得がリールのテープ巻
径や慣性モーメントに応じて可変される。その結果、装
着されたカセットに応じたフィードバックテンション制
御系が構成されるため、従来の構成に対して、テープ引
き出し速度変化や走行負荷変動やモータのトルクリップ
ルに対するテンション変動を抑えることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例のローディング制御装
置について図面を参照しながら説明する。
【0015】図1は本発明の一実施例のローディング制
御装置の構成を示すブロック図である。同図において、
第1のリール1、テープ2、第2のリール3、ローディ
ングポスト4、5、シリンダ6、ローラーポスト7、
8、9、10、モータ11、駆動回路12、テンション
指令手段13、テンション検出手段14、誤差検出手段
15、微分手段16が設けられていることは従来例と同
一であり、その説明は省略する。
【0016】従来の構成による加算手段17に対して、
本発明では可変利得加算手段18が設けられており、誤
差検出手段15の出力と微分手段16の出力を入力指令
値に応じた利得で加算する構成になっている。さらに第
1のリール1のテープ巻径や慣性モーメントに応じた利
得指令値を可変利得加算手段18に出力する利得指令手
段100が設けられている。
【0017】次に、図2はテンション制御系におけるテ
ープ引出し速度VからテンションFまでの伝達特性を示
すブロック図である。ブロック20はローディングポス
ト4、5によるテープ引き出し速度と第1のリール1が
送り出しているテープ速度の差をテープ2の伸び量に変
換するブロックであり、1/sは積分を示している。ブ
ロック21はテープ2の伸び量をテンションに変換する
ブロックであり、Ctはテープ2のコンプライアンスで
ある。ブロック22はテンションを電圧に変換するテン
ション検出手段14に相当するブロックであり、Ksは
検出感度である。ブロック23は微分手段16と可変利
得加算手段18に相当するブロックであり、KD、KPは
可変利得加算手段18における微分手段16の出力に対
する利得、誤差検出手段15の出力に対する利得を示し
ている。ブロック24は可変利得加算手段18の出力電
圧をモータ11に流す電流に変換する駆動回路12に相
当するブロックであり、gmは駆動回路12のコンダク
タンスである。ブロック25はモータ電流をモータトル
クに変換するブロックであり、Ktはモータ11のトル
ク定数である。ブロック26はモータトルクを第1のリ
ール1の回転角速度に変換するブロックであり、Jは第
1のリール1に巻かれたテープ2とモータ11のロータ
を含む第1のリール1の慣性モーメントで、gは重力加
速度である。ブロック27は第1のリール1の回転角速
度を第1のリール1から送り出しているテープ速度に変
換するブロックであり、rは第1のリール1のテープ巻
径である。
【0018】従来の構成では、KP、KDを所定の固定値
で与えている。また、想定される第1のリール1の慣性
モーメント、テープ巻径のすべての値に対してテンショ
ン制御系が安定になるように利得KP、KDを設計してい
る。その結果、従来の構成のテープ引き出し速度Vから
テンションFまでの伝達特性(F/V)は、折れ線近似
を用いてボード線図で示すと図3で与えられる。
【0019】一般に、図2のブロック図から、図3での
伝達特性F/Vにおいて、右下がりのグラフは、
【0020】
【数1】
【0021】で表され、周波数軸に並行なグラフは、
【0022】
【数2】
【0023】で表され、右上がりのグラフは、
【0024】
【数3】
【0025】で表される。
【0026】この(数2)、(数3)から解るように右
下がりのグラフおよび周波数軸に並行なグラフは、第1
のリール1の慣性モーメントとテープ巻径の比に応じて
上下方向に移動することになる。
【0027】図3において例えばaは第1のリール1の
慣性モーメントとテープ巻径の比(J/rと呼ぶ)が最
小になるときのグラフであり、bはJ/rが最大になる
ときのグラフである。
【0028】誤差検出手段15,微分手段16,加算手段
17あるいは可変利得加算手段18(ブロック23)の
処理を行う場合、テンション検出手段14(ブロック2
2)の出力電圧をA/D変換によりマイクロコンピュー
タに取り込み、離散的に信号を処理し、D/A変換を通
じて駆動回路12(ブロック24)に出力することがよ
く行われる。この場合、移動平均やサンプルホールドの
特性を考慮し、テンション制御ループのゲイン交点周波
数の最大値が離散処理のサンプリング周波数fsの約1/
α以下(αは例えば15)に設定することが安定性を確
保するために必要である(f1=fS/αに設定)。ま
た、ダンピング特性を考慮するとテンション制御系のゲ
イン交点周波数がブロック23のフィルタの折れ点周波
数のβ倍以上(βは例えば4)に設定することが必要で
ある(f2=β・f3に設定)。この2つの条件を満たす
ようにKPおよびKDが決定される。その結果、従来の構
成における伝達特性F/Vは図3の特性になり、J/r
の値に応じてグラフaとグラフbの間の特性をとる。そ
の結果テープ引き出し速度変化に対するテンション変動
をグラフbの特性以下に抑えることができる。
【0029】一方、図2のテンション制御系のブロック
図から、第1のリール1のテープ巻径rと慣性モーメン
トJに応じてテンション制御系の特性が変化することが
わかる。そこで、本発明では、利得指令手段100を設
け装着されたカセットの第1のリール1のテープ巻径お
よび慣性モーメントに応じて利得KD、KPを変化させ
る。
【0030】テンション制御ループのゲイン交点周波数
f4を常に離散処理のサンプリング周波数fsの1/αにし
(条件1)、テンション制御系のゲイン交点周波数f4
をブロック23のフィルタの折れ点周波数f5のβ倍に
する(条件2)ようにKP、KDの値を変化させる。(条
件1)を満たすためには、
【0031】
【数4】
【0032】を満たせばよい。(数4)より微分手段1
6の出力に対する利得KDは、
【0033】
【数5】
【0034】で与えられる。また、(条件2)を満たす
ために、誤差検出手段15の出力に対する利得KPは、
【0035】
【数6】
【0036】で与えられる。(数5)および(数6)か
ら第1のリール1の慣性モーメントおよびテープ巻径が
決まれば、常に(条件1)および(条件2)を満たすよ
うにすることができる。さらに、(数5)および(数
6)から(条件1、2)を満たすためには、第1のリー
ル1の慣性モーメントJとテープ巻径rのそれぞれの値
を検出する必要がなく、第1のリール1の慣性モーメン
トJとテープ巻径の比J/rの値のみを検出できればよ
い。そこで、本発明ではさらに利得指令手段100とし
て、J/rの値を検出するパラメータ検出手段19と、
パラメータ検出手段19の出力するJ/rの値に比例し
た利得KD、利得KPをそれぞれ(数5)、(数6)より
計算し可変利得加算手段18に利得指令値として出力す
る利得係数設定手段20を備える。
【0037】本発明の構成におけるテープ引き出し速度
VからテンションFまでの伝達特性(F/V)は、折れ
線近似を用いてボード線図で示すと図4で与えられる。
図中に示すグラフcは本発明の特性であり、グラフa、
bは図3で示した従来の構成による特性である。図4の
矢印に示すようにテープ引き出し速度変化によって発生
するテンション変動を従来の構成に比べさらに抑えるこ
とが可能である。
【0038】さらに、走行負荷変動やモータ11のトル
クリップルなどのトルク外乱に対するテンション変動の
特性について述べる。図5はテンション制御系における
外乱トルクTDからテンションFまでの伝達特性を示す
ブロック図である。図5において図2と同じ番号が付け
られているものは図2のブロックと同一のものを表して
いる。このブロック図より、従来の構成における外乱ト
ルクTDからテンションFまでの伝達特性(TD/V)
は、折れ線近似を用いてボード線図で示すと図6で与え
られる。図6におけるグラフd、eはそれぞれ第1のリ
ール1の慣性モーメントとテープ巻径の比J/rが最小
の場合と最大の場合を示している。トルク外乱TDによ
るテンション変動はグラフd以下に抑えられる。
【0039】これに対して、本発明の構成における外乱
トルクTDからテンションFまでの伝達特性(TD/V)
は、テープ引き出し速度からテンションまでの伝達特性
の場合と同様に考察を行うことにより、折れ線近似を用
いたボード線図で図7で与えられる。グラフf、gはそ
れぞれ第1のリール1の慣性モーメントとテープ巻径の
比J/rが最小の場合と最大の場合を示している。トル
ク外乱TDに対するテンション変動は、従来の構成では
グラフd以下であったのが本構成ではグラフf以下に抑
えることが可能になる。
【0040】このように本発明では走行系負荷変動やモ
ータ11のトルクリップルに対してもテンション変動を
より抑制することができる。
【0041】ここで、第1のリール1の慣性モーメント
とテープ巻径の比J/rの検出方法について説明する。
図2でテンション制御系を表すブロック図を示した。テ
ープ引き出し速度VからテンションFまでの伝達特性
は、テンション制御系の制御帯域ではブロック22〜2
7で構成されるパスによって決まり、
【0042】
【数7】
【0043】で与えられる。(数7)より伝達特性はJ
/rを変数とする関数で与えられている。その結果、制
御帯域内の周波数の速度変動を与えるとその時のテンシ
ョン変動量はJ/rに比例することがわかる。本発明は
この点に注目し、パラメータ検出手段19で必要なJ/
rの検出を(数7)で表される関係を用いて検出を行
う。
【0044】また、J/rの検出としては次のような方
法をとることもできる。ローディング直後にテープ引き
出し量と第1のリール1の回転角度から第1のリール1
のテープ巻径を検出する。テープの巻径から第1のリー
ル1に巻かれているテープ2の慣性モーメントを計算
し、空リールの慣性モーメントとモータ11のロータの
慣性モーメントをさらに加算し第1のリール1の慣性モ
ーメントを求める。そして、第1のリール1の慣性モー
メントとテープ巻径の比を計算し、J/rの値を得る。
【0045】しかし、この方法では空リールに複数の種
類があり慣性モーメントが異なるような場合には空リー
ルの種類を判別しなければ第1のリール1の慣性モーメ
ントを計算することができない。また、テープ2の巻径
が大きくなると少しのテープ巻径の変化に対して慣性モ
ーメントが大きく変化するため、テープ巻径の大きなカ
セットを用いるような場合には、かなり高精度にリール
巻径の検出を行うことが必要である。さらに、第1のリ
ール1に巻かれたテープ2の体積密度のばらつきにより
慣性モーメントの演算結果の精度が落ちるという問題が
ある。
【0046】本発明の方法はテープ引き出し速度変化と
テンション変動の関係から直接J/rを求めるためこの
ような方法における問題点を解決することができる。
【0047】次に、本発明のJ/rの検出方法について
動作を説明する。図1に示すように、利得係数設定手段
20はローディング開始時、第1のリール1の慣性モー
メントやテープ巻径のすべての状態に対し安定な制御系
になるような利得KD、KPを設定し、可変利得加算手段
18に利得指令として出力する。速度変化手段28はロ
ーディング開始直後後、テープ引き出し速度を変化させ
てもテープダメージが発生しないメカタイミングでロー
ディングポスト4、5の移動速度を変化させる。同時
に、速度変化手段28はテープ引き出し速度に変化を与
えていることを知らせる速度変化判別信号をテンション
変化検出手段29に出力する。テンション変化検出手段
29は、速度変化判別信号を受信している間のテンショ
ン変化量を検出しパラメータ変換手段30にその値を出
力する。パラメータ変換手段30はテンション変化量の
大きさに応じて対応するJ/rを求め、利得係数設定手
段20に出力する。利得設定手段20は、上述したよう
にJ/rの値に応じた利得指令値を求め可変利得加算手
段18に利得の指令値を出力し、装着されたカセットに
応じたテンション制御系が構成される。
【0048】上記パラメータ変換手段30は図8に示さ
れる記憶手段31とデータ選択手段32を備えることに
よりごく簡単な構成で実現できる。テンション制御系の
帯域に含まれる周波数のテープ引き出し速度変動を与え
た場合に発生するテンション変動量は(数7)の関係を
用いて求めることができる。そこで第1のリール1の慣
性モーメントとテープ巻径の比J/rをパラメータにし
て、速度変化手段28によって発生させるテープ引き出
し速度変化に対するテンション変動量をシミュレーショ
ンあるいは実測であらかじめ求めておき、ロムなどで実
現できる記憶手段31にテープ変動量とJ/rの関係を
データとして記憶しておく。そして、ローディング時テ
ンション変化手段29から出力される値からデータ選択
手段32は記憶手段31のデータを検索し、最も近いテ
ンション変動量の値に対応するJ/rの値を抽出し、利
得設定手段20に出力する。
【0049】最後に本発明の速度変化手段28のテープ
引出し速度変化の与え方について説明する。ローディン
グ開始直後、第1のリール1の慣性モーメントとテープ
巻径の比の検出がまだ行われていないため、利得係数設
定手段20ではあらかじめ設定された初期値、つまり従
来の構成と同じ利得指令値を可変利得加算手段18に出
力する。この状態でのテープ引き出し速度からテンショ
ン変動までの伝達特性は例えば図3で与えられる。この
特性を考慮し本発明ではテンション制御系のゲイン交点
周波数f2と図2のブロック23のフィルタの折れ点周
波数f3の間の周波数になるようにテープ引き出し速度
変化の周波数を設定する。その結果、テープ速度変化に
対するテンション変動の感度が高くなるため、S/Nに
優れた高精度な検出をすることができる。さらに、この
帯域ではテープ引き出し速度とテンション変化の関係が
比例関係になるため、テープ引き出し速度変化量とテン
ション変化量の比をもとめ、さらに固定値との乗算を行
うという簡単な演算によりJ/rの比を求めることも可
能となる。
【0050】なお、本発明の実施例においてテープ引き
出し速度変化はローディングポスト4、5の移動速度を
変化させることにより実現するとしたが、ローディング
ポスト4、5を強制的に変化させるのではなく、メカに
よって決まっているテープローディング経路などによっ
て自然に発生するテープ引き出し速度を用いて実現して
もよい。
【0051】また、本発明は第1のリール1のテープ巻
径および慣性モーメントに応じてテンション制御系の利
得を変化させるものであり、上述した実施例では、第1
のリール1のテープ巻径と慣性モーメントの比に応じて
テンション制御系の利得を変化させる場合について説明
したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0052】また、本発明の実施例ではテンション制御
系の利得の設計法として上述した(条件1、2)の場合
について説明したが、本発明はこの方法に限定されるも
のではない。
【0053】また、本発明の実施例では、第2のリール
3を固定し、第1のリール1からテープを引き出す場合
について説明したが、第2のリール3にモータを取付
け、一定トルクで駆動しているような場合など同様に成
り立つ。このように、本発明は実施例の場合に限定され
るものではない。
【0054】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、リールの慣性モーメントおよびリールのテー
プ巻径に応じてテンションフィードバック制御系のルー
プの利得を変化させるため、装着されたカセットのリー
ルに応じた最適なテンションフィードバック制御系を実
現することができる。
【0055】その結果、テープ引き出し速度の変化や走
行負荷変動あるいはリールモータのトルクリップルなど
によってローディング時に発生するテンション変動を抑
制することができテープの損傷を防ぐことができる。さ
らには、ローディング速度の高速化を可能にする。
【0056】また、テンション制御系の特性変化がリー
ルのテープ巻径と慣性モーメントの比によって変化して
いることに注目し、リールのテープ巻径と慣性モーメン
トの比に比例した制御利得設定をする。このため、リー
ルのテープ巻径と慣性モーメントの値をそれぞれ独立に
求める必要なく最適なテンション制御系を実現できる。
【0057】また、本発明のパラメータ検出手段が、リ
ールのテープ巻径と慣性モーメントの比J/rの値をテ
ープ引き出し速度変化とその時のテンション変化量の関
係から求める場合、テープが巻かれる空リールの違いや
リールに巻かれているテープの体積密度のばらつきに影
響されず、実際のリールのテープ巻径と慣性モーメント
の比を直接正確に検出することが可能である。また、テ
ープ巻径の大きなリールに対しても精度良く検出するこ
とができる。
【0058】また、本発明の速度変化手段は、テープ引
き出し速度変化の周波数を微分手段と誤差検出手段の出
力を所定の利得で加算することによって構成されるフィ
ルタの折れ点周波数とテンション制御系のゲイン交点周
波数との間の周波数にする。その結果、テープ引き出し
速度変化に対するテンション変動の検出感度が高くなり
リールのテープ巻径と慣性モーメントの比を優れたS/
Nで精度良く求めることができる。さらに、この帯域の
テープ引き出し速度変化に対しては(数2)からわかる
ようにテープ引き出し速度変化波形とテンション変化波
形が完全な比例関係になるため、テープ引き出し速度変
化量とテンション変化量の比をもとめ、さらに固定値と
の乗算を行うという簡単な演算によりJ/rの比を求め
ることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のローディング制御装置の構
成図である。
【図2】本発明の一実施例のテープ引き出し速度からテ
ンションへの伝達ブロック図である。
【図3】従来の一例のテープ引き出し速度からテンショ
ンへの伝達特性図である。
【図4】本発明の一実施例のテープ引き出し速度からテ
ンションへの伝達特性図である。
【図5】本発明の一実施例のトルク外乱からテンション
への伝達ブロック図である。
【図6】従来の一例のトルク外乱からテンションへの伝
達特性図である。
【図7】本発明の一実施例のトルク外乱からテンション
への伝達特性図である。
【図8】本発明の一実施例のパラメータ変換手段の構成
図である。
【図9】従来の一例のローディング制御装置の構成図で
ある。
【符号の説明】
1 第1のリール 2 テープ 3 第2のリール 4 ローディングポスト 5 ローディングポスト 6 シリンダ 7 ローラーポスト 8 ローラーポスト 9 ローラーポスト 10 ローラーポスト 11 モータ 12 駆動回路 13 テンション指令手段 14 テンション検出手段 15 誤差検出手段 16 微分手段 18 可変利得加算手段 19 パラメータ検出手段 20 利得係数設定手段 28 速度変化手段 29 テンション変化検出手段 30 パラメータ変換手段 31 記憶手段 32 データ選択手段 100 利得指令手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カセット内の第1のリールおよび第2の
    リールに巻かれたテープをローディングポストによって
    引き出し磁気ヘッドの搭載されるシリンダに巻付けを行
    なうローディング制御装置において、前記テープのテン
    ションを検出するテンション検出手段と、前記テープの
    目標テンション値を出力するテンション指令手段と、前
    記テンション検出手段の出力値と前記テンション指令手
    段の出力値との差を求める誤差検出手段と、前記誤差検
    出手段の出力を微分処理する微分手段と、前記第1のリ
    ールのテープ巻径および前記第1のリールの慣性モーメ
    ントに応じて前記誤差検出手段と前記微分手段の出力に
    対する利得の指令値を出力する利得指令手段と、前記誤
    差検出手段の出力と前記微分手段の出力を前記利得指令
    手段の出力に応じた利得で加算する可変利得加算手段
    と、前記第1のリールに取り付けられるモータと、前記
    可変利得加算手段の出力に応じたトルクを前記モータに
    発生させる駆動回路とを具備することを特徴とするロー
    ディング制御装置。
  2. 【請求項2】 利得指令手段は、前記第1のリールのテ
    ープ巻径と前記第1のリールの慣性モーメントとの比を
    検出するパラメータ検出手段と、前記パラメータ検出手
    段の出力に実質上比例した前記可変利得加算手段の利得
    の指令値を出力する利得係数設定手段とを具備すること
    を特徴とする請求項1記載のローディング制御装置。
  3. 【請求項3】 利得係数設定手段は、前記パラメータ検
    出手段による出力が得られるまでの間所定の初期値を出
    力する初期値設定手段を含めて構成されることを特徴と
    する請求項2記載のローディング制御装置。
  4. 【請求項4】 パラメータ検出手段は、テープ引き出し
    速度を変化させると共にテープ引き出し速度に変化を与
    えていることを示す速度変化判別信号を出力する速度変
    化手段と、前記速度変化手段の速度変化判別信号の出力
    時に前記テンション検出手段の出力変化量を検出するテ
    ンション変化検出手段と、前記テンション変化検出器の
    出力から前記第1のリールのテープ巻径と前記第1のリ
    ールの慣性モーメントとの比を求め、前記利得係数設定
    手段に出力するパラメータ変換手段とを具備することを
    特徴とする請求項3記載のローディング制御装置。
  5. 【請求項5】 パラメータ変換手段は、前記第1のリー
    ルのテープ巻径と前記第1のリールの慣性モーメントと
    の複数の比の値に関して、前記速度変化手段のテープ引
    き出し速度変化によって発生するテンション変化量をあ
    らかじめ求めて記憶しておく記憶手段と、前記記憶手段
    のデータを参照し、前期テンション変動検出手段の出力
    と略等しいテンション変動量に対応する前記第1のリー
    ルのテープ巻径と前記第1のリールの慣性モーメントと
    の比を出力するデータ選択手段とを具備することを特徴
    とする請求項4記載のローディング制御装置。
  6. 【請求項6】 速度変化手段は、前記第1のリールと前
    記テンション検出手段と前記誤差検出手段と前記微分手
    段と前記可変利得加算手段と前記駆動回路と前記モータ
    によって実現されるテンション制御ループのゲイン交点
    周波数以下で、前記微分手段と前記誤差検出手段の出力
    を所定の利得で加算することによって構成されるフィル
    タの折れ点周波数以上の帯域に含まれる周波数のテープ
    引き出し速度変化を与えるようにすることを特徴とする
    請求項4記載のローディング制御装置。
JP5211528A 1993-08-26 1993-08-26 ローディング制御装置 Pending JPH0765446A (ja)

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