JPH076418B2 - 内燃機関の圧縮比可変装置 - Google Patents
内燃機関の圧縮比可変装置Info
- Publication number
- JPH076418B2 JPH076418B2 JP24080486A JP24080486A JPH076418B2 JP H076418 B2 JPH076418 B2 JP H076418B2 JP 24080486 A JP24080486 A JP 24080486A JP 24080486 A JP24080486 A JP 24080486A JP H076418 B2 JPH076418 B2 JP H076418B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- oil passage
- hydraulic fluid
- piston
- pressure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、内燃機関の圧縮比可変装置の改良に関す
る。
る。
従来の技術 周知のように、自動車用内燃機関にあつては、シリンダ
内の圧縮比を高めることは熱効率が向上し機関の始動性
や出力及び燃費,排気エミツシヨンなどの改善策として
有効な手段になつている。しかし、圧縮比を運転状態に
拘わらず一率に高くすると例えばガソリン機関では高負
荷時にノツキング等が発生し易くなる。一方、デイーゼ
ル機関にあつては特に高負荷域でのフリクシヨンが大き
くなり機械的損失によつて出力が低下してしまう。
内の圧縮比を高めることは熱効率が向上し機関の始動性
や出力及び燃費,排気エミツシヨンなどの改善策として
有効な手段になつている。しかし、圧縮比を運転状態に
拘わらず一率に高くすると例えばガソリン機関では高負
荷時にノツキング等が発生し易くなる。一方、デイーゼ
ル機関にあつては特に高負荷域でのフリクシヨンが大き
くなり機械的損失によつて出力が低下してしまう。
そこで、例えば第5図に示すように圧縮比を機関の運電
状態に応じて可変にする装置が提供されている(実開昭
58−25637号公報参照)。概略を説明すれば、コネクテ
イングロツド1に連結されたピストンピン2に、インナ
ピストン3が固定されていると共に、該インナピストン
3の外側には軸方向へ摺動可能なアウタピストン4が配
置されている。また、アウタピストン4とインナピスト
ン3の上部との間には上部液室5が、アウタピストン4
の下部内周に螺着された円環部7とインナピストン3と
の間には、下部溶室8が夫々形成されており、各液室5,
8には、油圧回路9の途中に配置され油圧切替弁10や各
スプリング11a,12aによつて閉方向に付勢された逆止弁1
1,12を介して圧油が供給され、互いの容積変化に伴つて
アウタピストン4を上下に移動させるようになつてい
る。更に、上記油圧切替弁10は、機関の運転条件を検知
するセンサ13,13やその信号から加圧装置14に命令を出
す制御回路15などによつて制御されている。
状態に応じて可変にする装置が提供されている(実開昭
58−25637号公報参照)。概略を説明すれば、コネクテ
イングロツド1に連結されたピストンピン2に、インナ
ピストン3が固定されていると共に、該インナピストン
3の外側には軸方向へ摺動可能なアウタピストン4が配
置されている。また、アウタピストン4とインナピスト
ン3の上部との間には上部液室5が、アウタピストン4
の下部内周に螺着された円環部7とインナピストン3と
の間には、下部溶室8が夫々形成されており、各液室5,
8には、油圧回路9の途中に配置され油圧切替弁10や各
スプリング11a,12aによつて閉方向に付勢された逆止弁1
1,12を介して圧油が供給され、互いの容積変化に伴つて
アウタピストン4を上下に移動させるようになつてい
る。更に、上記油圧切替弁10は、機関の運転条件を検知
するセンサ13,13やその信号から加圧装置14に命令を出
す制御回路15などによつて制御されている。
そして、機関低負荷時あるいは低回転時などにおいて圧
縮比を高める場合は、加圧装置14の加圧を強め、オイル
パン16内の圧油が油通路9a→9b→9cに達し、ここでスプ
リング11a圧に抗して逆止弁11を押し上げて上部液室5
内に流入する一方、圧油が油通路9bを介して切替弁10を
スプリング10aに抗して、右方向に押圧して第5図の位
置にする。したがつて、油通路9dが閉塞され、下部液室
8内の圧油は油通路9e,9fを通つて外部へ流出するた
め、上部液室5内の圧油量の増加に伴つてアウタピスト
ン4が上方に持ち上げられ圧縮比が高められる。
縮比を高める場合は、加圧装置14の加圧を強め、オイル
パン16内の圧油が油通路9a→9b→9cに達し、ここでスプ
リング11a圧に抗して逆止弁11を押し上げて上部液室5
内に流入する一方、圧油が油通路9bを介して切替弁10を
スプリング10aに抗して、右方向に押圧して第5図の位
置にする。したがつて、油通路9dが閉塞され、下部液室
8内の圧油は油通路9e,9fを通つて外部へ流出するた
め、上部液室5内の圧油量の増加に伴つてアウタピスト
ン4が上方に持ち上げられ圧縮比が高められる。
一方、機関高負荷時あるいは高回転時などで圧縮比を下
げる場合は、加圧装置14の加圧力を弱め油通路9b,9c内
の油圧を低下させ、スプリング11aの付勢力によつて逆
止弁11が油通路9cを閉じ、切替弁10は第6図に示すよう
に左方向に移動して油通路9fを閉じ、油通路9d,9eが接
続される。したがつて上部液室5内の圧油の略全部が、
逆止弁12によつて逆流することなく下部液室8に流入
し、アウタピストン4が下がり低圧縮比状態を維持する
ようになつている。
げる場合は、加圧装置14の加圧力を弱め油通路9b,9c内
の油圧を低下させ、スプリング11aの付勢力によつて逆
止弁11が油通路9cを閉じ、切替弁10は第6図に示すよう
に左方向に移動して油通路9fを閉じ、油通路9d,9eが接
続される。したがつて上部液室5内の圧油の略全部が、
逆止弁12によつて逆流することなく下部液室8に流入
し、アウタピストン4が下がり低圧縮比状態を維持する
ようになつている。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記従来の圧縮比可変装置にあつては、
機関低回転時において加圧装置14の加圧力をスプリング
11a圧に抗して高くするようになつているため、機関の
回転数上昇に伴つて加圧力が高くなる一般の潤滑用オイ
ルポンプを使用することが不可能である。したがつて、
加圧性能の高い別異の加圧装置を用いなければならない
か、あるいはオイルポンプの加圧性能を高くしなければ
ならない不具合がある。
機関低回転時において加圧装置14の加圧力をスプリング
11a圧に抗して高くするようになつているため、機関の
回転数上昇に伴つて加圧力が高くなる一般の潤滑用オイ
ルポンプを使用することが不可能である。したがつて、
加圧性能の高い別異の加圧装置を用いなければならない
か、あるいはオイルポンプの加圧性能を高くしなければ
ならない不具合がある。
また、高圧縮比状態から低圧縮比状態に移行する際には
上述のように上部液室5内の圧油の略全部を、油通路9
d,9eを介して下部液室8内に戻すようになつていると共
に、この下部液室8内の圧油はシール部材6によつてリ
ークが阻止されているため、制御の応答性が悪い。なぜ
なら、下部液室8の断面積は上部液室5の断面積よりも
小さいため、アウタピストン4の下方移動により減少す
る上部液室5の容積よりも、増加する下部液室8の容積
の方が小さい。従つて、アウタピストン4の下方移動時
に、上部液室5から下部液室8に圧油が流入しようとし
ても、下部液室8から外部へのリークがシール部材6に
よつて阻止されて流入できなくなり、高圧縮比状態から
低圧縮比状態への制御の応答性が悪化する。
上述のように上部液室5内の圧油の略全部を、油通路9
d,9eを介して下部液室8内に戻すようになつていると共
に、この下部液室8内の圧油はシール部材6によつてリ
ークが阻止されているため、制御の応答性が悪い。なぜ
なら、下部液室8の断面積は上部液室5の断面積よりも
小さいため、アウタピストン4の下方移動により減少す
る上部液室5の容積よりも、増加する下部液室8の容積
の方が小さい。従つて、アウタピストン4の下方移動時
に、上部液室5から下部液室8に圧油が流入しようとし
ても、下部液室8から外部へのリークがシール部材6に
よつて阻止されて流入できなくなり、高圧縮比状態から
低圧縮比状態への制御の応答性が悪化する。
しかも、この低圧縮比時には、油通路9cが、逆止弁11の
スプリング11a圧によつて閉塞されるため、上部液室5
内に圧油が残留し、これが高回転時の燃焼熱などの高熱
に晒されて劣化するばかりかタール化してインナピスト
ン3上面などにこびり付き、円滑な圧縮比制御作用が得
られないといつた種々の問題がある。
スプリング11a圧によつて閉塞されるため、上部液室5
内に圧油が残留し、これが高回転時の燃焼熱などの高熱
に晒されて劣化するばかりかタール化してインナピスト
ン3上面などにこびり付き、円滑な圧縮比制御作用が得
られないといつた種々の問題がある。
問題点を解決するための手段 この発明は、上記従来の問題点に鑑み案出されたもの
で、アウタ,インナピストンや上部,下部液室などの基
本構成を前提として、特に作動液室内の圧油を、前後の
油圧で開閉作動する逆止弁を介して上記上部液室に供給
する第1油通路と、該第1油通路時の閉時に作動液室内
の圧油を上部液室に供給する第2油通路と、該第2油通
路の開路に作動液室内の圧油を前後の油圧で開閉する逆
止弁を介して上記下部液室に供給する第3油通路と、上
記上部液室内の圧油を作動液室を介して外部に排出する
第4油通路と、上記作動液室内に摺動可能に収納され、
かつ機関の運転状態に応じて上記各油通路を切替える切
替弁とを備えたことを特徴としている。
で、アウタ,インナピストンや上部,下部液室などの基
本構成を前提として、特に作動液室内の圧油を、前後の
油圧で開閉作動する逆止弁を介して上記上部液室に供給
する第1油通路と、該第1油通路時の閉時に作動液室内
の圧油を上部液室に供給する第2油通路と、該第2油通
路の開路に作動液室内の圧油を前後の油圧で開閉する逆
止弁を介して上記下部液室に供給する第3油通路と、上
記上部液室内の圧油を作動液室を介して外部に排出する
第4油通路と、上記作動液室内に摺動可能に収納され、
かつ機関の運転状態に応じて上記各油通路を切替える切
替弁とを備えたことを特徴としている。
作用 上記構成のこの発明によれば、まず機関低負荷時あるい
は低回転時などで高圧縮比を得る場合は、加圧装置によ
つて圧力の比較的弱い圧油が作動液室に導入され、ここ
から第1油通路と該圧油で開かれた逆止弁を経て上部液
室に供給される。この時点では切替弁が第2〜第4油通
路を閉塞しているため、上部液室の容積が速やかに増大
し、これに伴にアウタピストンが上昇して高圧縮比状態
となる。
は低回転時などで高圧縮比を得る場合は、加圧装置によ
つて圧力の比較的弱い圧油が作動液室に導入され、ここ
から第1油通路と該圧油で開かれた逆止弁を経て上部液
室に供給される。この時点では切替弁が第2〜第4油通
路を閉塞しているため、上部液室の容積が速やかに増大
し、これに伴にアウタピストンが上昇して高圧縮比状態
となる。
一方、機関高負荷時あるいは高回転時などに低圧縮比を
得る場合は、加圧装置の加圧力が強くなりこの圧油によ
つて切替弁が一方向へ移動して第2〜第4油通路を開
き、第1油通路を閉じる。したがつて、上部液室内の圧
油は、一部が第4油通路から外部へ速やかに排出され、
同時に他の圧油が第2油通路から作動液室へそして第3
油通路を通つて逆止弁を開いて下部液室内に速やかに供
給される。したがつて、圧縮比の可変制御作用が応答性
よく行なわれる。
得る場合は、加圧装置の加圧力が強くなりこの圧油によ
つて切替弁が一方向へ移動して第2〜第4油通路を開
き、第1油通路を閉じる。したがつて、上部液室内の圧
油は、一部が第4油通路から外部へ速やかに排出され、
同時に他の圧油が第2油通路から作動液室へそして第3
油通路を通つて逆止弁を開いて下部液室内に速やかに供
給される。したがつて、圧縮比の可変制御作用が応答性
よく行なわれる。
また、この低圧縮比状態では、排気工程時において慣性
力でアウタピストンが僅かに上昇すると圧油が第2油通
路を通つて上部液室に供給され、圧縮時に第4油通路か
ら排出されて循環するため、ピストン冠部の冷却作用が
得られるとともに圧油の劣化が防止される。
力でアウタピストンが僅かに上昇すると圧油が第2油通
路を通つて上部液室に供給され、圧縮時に第4油通路か
ら排出されて循環するため、ピストン冠部の冷却作用が
得られるとともに圧油の劣化が防止される。
実施例 以下、この発明の実施例を図面に基づいて詳述する。
第1図及び第2図はこの発明の第1実施例を示し、図中
21はピストンの外殻を形成し、かつ下部内周に円環部22
が螺着されたアウタピストン、23はコネクテイングロツ
ド24に連結されたピストンピンであつて、このピストン
ピン23は、内部に図中右側が小径な円筒状の作動液室25
と、該作動液室25内を左右に摺動する後述の切替弁たる
スプール弁26が設けられていると共に、両端部には、中
央に通孔27a,28aを有する円環状のストツパ27,28が固定
されている。また、図中29は第3図にも示すようにこの
ピストンピン23にボス部30,30を介して固定されたイン
ナピストンであつて、このインナピストン29の外側に
は、アウタピストン21が夫々の内外周面21a,29aを摺接
しつつ軸方向に摺動可能に配置されている。また、この
アウタピストン21の上方移動に伴い該アウタピストン21
の冠部下面21bとインナピストン29の上面29bとの間に上
部液室31が形成される一方、下方移動に伴いアウタピス
トン21の側面と該アウタピストン21の最大上方移動を規
制する上記円環部22の上面とインナピストン29の下面と
の間に円環状の下部液室32が形成されており、この各液
室31,32に油圧回路33を介して圧油が供給・排出されて
容積が変化し、アウタピストン21を上下動させるように
なつている。
21はピストンの外殻を形成し、かつ下部内周に円環部22
が螺着されたアウタピストン、23はコネクテイングロツ
ド24に連結されたピストンピンであつて、このピストン
ピン23は、内部に図中右側が小径な円筒状の作動液室25
と、該作動液室25内を左右に摺動する後述の切替弁たる
スプール弁26が設けられていると共に、両端部には、中
央に通孔27a,28aを有する円環状のストツパ27,28が固定
されている。また、図中29は第3図にも示すようにこの
ピストンピン23にボス部30,30を介して固定されたイン
ナピストンであつて、このインナピストン29の外側に
は、アウタピストン21が夫々の内外周面21a,29aを摺接
しつつ軸方向に摺動可能に配置されている。また、この
アウタピストン21の上方移動に伴い該アウタピストン21
の冠部下面21bとインナピストン29の上面29bとの間に上
部液室31が形成される一方、下方移動に伴いアウタピス
トン21の側面と該アウタピストン21の最大上方移動を規
制する上記円環部22の上面とインナピストン29の下面と
の間に円環状の下部液室32が形成されており、この各液
室31,32に油圧回路33を介して圧油が供給・排出されて
容積が変化し、アウタピストン21を上下動させるように
なつている。
上記油圧回路33は、コネクテイングロツド24の内部軸方
向に形成されて上記作動液室25と連通する主通路34と、
ピストンピン23とインナピストン29に上下方向に沿って
貫通形成されて、圧油を作動液室25から上部液室31に供
給する第1油通路35と、該第1油通路35から図中左側位
置に略平行に貫通形成されて作動液室25から上部液室31
内に圧油を供給する第2油通路36と、該第2油通路36と
対向した位置に貫通形成され作動液室25から下部液室32
に圧油を供給する第3油通路37と、第1油通路35の図中
右側近傍位置に平行に貫通形成されて上部液室31から作
動液室25と通孔28a及びアウタピストン21側部の排出口2
1cを介して外部に圧油を排出する第4油通路38とから構
成されている。また、第2油通路36の通路断面積は、他
の油通路35,37,38よりも小さく形成されている。更に、
上記第1油通路35と第3油通路37の夫々には、前後の油
圧によつて開閉作動するチエツクボール39,39と切欠路
を有する円環状の通路構成部40,40とからなる逆止弁41,
42が設けられている。
向に形成されて上記作動液室25と連通する主通路34と、
ピストンピン23とインナピストン29に上下方向に沿って
貫通形成されて、圧油を作動液室25から上部液室31に供
給する第1油通路35と、該第1油通路35から図中左側位
置に略平行に貫通形成されて作動液室25から上部液室31
内に圧油を供給する第2油通路36と、該第2油通路36と
対向した位置に貫通形成され作動液室25から下部液室32
に圧油を供給する第3油通路37と、第1油通路35の図中
右側近傍位置に平行に貫通形成されて上部液室31から作
動液室25と通孔28a及びアウタピストン21側部の排出口2
1cを介して外部に圧油を排出する第4油通路38とから構
成されている。また、第2油通路36の通路断面積は、他
の油通路35,37,38よりも小さく形成されている。更に、
上記第1油通路35と第3油通路37の夫々には、前後の油
圧によつて開閉作動するチエツクボール39,39と切欠路
を有する円環状の通路構成部40,40とからなる逆止弁41,
42が設けられている。
更に、上記スプール弁26は、軸部26aの図中左端部に断
面略コ字形の第1スライド弁体26bが形成されていると
共に、図中右端部には、第1スライド弁体26bよりも小
径な円柱状の第2スライド弁体26cが形成されており、
上記第1スライド弁体26bとストツパ27との間に装着さ
れたスプリング43によつて図中右方向へ付勢されてい
る。すなわち、作動液室25内に大きな油圧が作用しない
場合は、スプリング43圧によつて第1油通路35のみを開
く位置に付勢され、大きな油圧が作用するとスプリング
43圧に抗して左側に移動して第1油通路35を閉じ、第2,
第3,第4油通路36,37,38を開くように切替え作動するよ
うになつている。尚、円環部22とインナピストン29との
間には、シール部材等が存在せず、したがつて下部液室
32内に供給された圧油は、摺動部位から僅かにリークす
るようになつている。
面略コ字形の第1スライド弁体26bが形成されていると
共に、図中右端部には、第1スライド弁体26bよりも小
径な円柱状の第2スライド弁体26cが形成されており、
上記第1スライド弁体26bとストツパ27との間に装着さ
れたスプリング43によつて図中右方向へ付勢されてい
る。すなわち、作動液室25内に大きな油圧が作用しない
場合は、スプリング43圧によつて第1油通路35のみを開
く位置に付勢され、大きな油圧が作用するとスプリング
43圧に抗して左側に移動して第1油通路35を閉じ、第2,
第3,第4油通路36,37,38を開くように切替え作動するよ
うになつている。尚、円環部22とインナピストン29との
間には、シール部材等が存在せず、したがつて下部液室
32内に供給された圧油は、摺動部位から僅かにリークす
るようになつている。
また、上記主通路34に供給される圧油は、機関のオイル
パン44から加圧装置たる一般のオイルポンプ45によつて
圧送される。また、オイルポンプ45で送出される圧油
は、リリーフ通路46に配設された圧力調整弁47によつて
制御されるようになつており、この圧力調整弁47は、車
速センサ(図示せず)等からの出力信号を入力して機関
運転状態を検出する制御回路48によつて開閉制御されて
いる。
パン44から加圧装置たる一般のオイルポンプ45によつて
圧送される。また、オイルポンプ45で送出される圧油
は、リリーフ通路46に配設された圧力調整弁47によつて
制御されるようになつており、この圧力調整弁47は、車
速センサ(図示せず)等からの出力信号を入力して機関
運転状態を検出する制御回路48によつて開閉制御されて
いる。
以下、この実施例の作用について説明する。まず、機関
始動時や低負荷時などにおいて高圧縮比を得る場合は、
制御回路48からの信号を受けた圧力調整弁47の開度が大
きくなり、低圧力の圧油が、第1図に示すように主通路
34から作動液室25に送られ、ここから第1油通路35とこ
の油圧で開かれた逆止弁41を経て上部液室31に供給され
る。そして、この時点ではスプール弁26の各スライド弁
体26b,26cが第2,第3,第4油通路36,37,38を閉塞してい
るため、上部液室31の容積が速やかに増大し、これに伴
いアウタピストン21が上昇して高圧縮比状態となる。
尚、圧縮あるいは膨張行程時に、アウタピストン21に圧
縮圧あるいは燃焼圧力が作用しても、逆止弁41によつて
圧油の逆流が防止され、僅かにアウタピストン21とイン
ナピストン29との摺動部位からリークするにすぎない。
始動時や低負荷時などにおいて高圧縮比を得る場合は、
制御回路48からの信号を受けた圧力調整弁47の開度が大
きくなり、低圧力の圧油が、第1図に示すように主通路
34から作動液室25に送られ、ここから第1油通路35とこ
の油圧で開かれた逆止弁41を経て上部液室31に供給され
る。そして、この時点ではスプール弁26の各スライド弁
体26b,26cが第2,第3,第4油通路36,37,38を閉塞してい
るため、上部液室31の容積が速やかに増大し、これに伴
いアウタピストン21が上昇して高圧縮比状態となる。
尚、圧縮あるいは膨張行程時に、アウタピストン21に圧
縮圧あるいは燃焼圧力が作用しても、逆止弁41によつて
圧油の逆流が防止され、僅かにアウタピストン21とイン
ナピストン29との摺動部位からリークするにすぎない。
これも、排気行程時にアウタピストン21が慣性力で上昇
した際、第1油通路35から上部液室31内に補給されるた
め、高圧縮比状態が維持される。尚、上記上部液室31へ
圧油を供給する際に、油圧によつてスプール弁26を作動
させる必要がないので、オイルポンプ45の負荷が小さく
て済むことは云うまでもない。
した際、第1油通路35から上部液室31内に補給されるた
め、高圧縮比状態が維持される。尚、上記上部液室31へ
圧油を供給する際に、油圧によつてスプール弁26を作動
させる必要がないので、オイルポンプ45の負荷が小さく
て済むことは云うまでもない。
一方、高負荷時などに低圧縮比を得る場合は、制御回路
48からの信号を受けた圧力調整弁47の開度が小さくな
り、高圧力の圧油が主通路34から作動液室25に送られ、
この圧油によつて第2図に示すようにスプール弁26が図
中左方向に移動して第2〜第4油通路36,37,38を開き、
同時に第1油通路35を閉塞する。したがつてアウタピス
トン21が燃焼圧力を受けた際に、上部液室31内に圧油
は、第4油通路38から外部へ速やかに排出され、そして
第3油通路37を通つて逆止弁42を開きながら下部液室32
内に供給される。したがつて、とりわけ第4油通路38か
らの圧油の排出作用により上部液室31の容積が速やかに
減少しアウタピストン21が下降して低圧縮比状態が応答
性よく確保できる。
48からの信号を受けた圧力調整弁47の開度が小さくな
り、高圧力の圧油が主通路34から作動液室25に送られ、
この圧油によつて第2図に示すようにスプール弁26が図
中左方向に移動して第2〜第4油通路36,37,38を開き、
同時に第1油通路35を閉塞する。したがつてアウタピス
トン21が燃焼圧力を受けた際に、上部液室31内に圧油
は、第4油通路38から外部へ速やかに排出され、そして
第3油通路37を通つて逆止弁42を開きながら下部液室32
内に供給される。したがつて、とりわけ第4油通路38か
らの圧油の排出作用により上部液室31の容積が速やかに
減少しアウタピストン21が下降して低圧縮比状態が応答
性よく確保できる。
また、この低圧縮比状態において下部液室32内に圧油に
よつて、排気行程時のアウタピストン21の上方慣性力に
よつてインナピストン29と円環部22との干渉が防止され
る。一方、斯る排気行程時においてアウタピストン21が
僅かに上昇すると圧油が、第2油通路36を通つて上部液
室31に供給され、膨張行程時などに第4油通路38から排
出されて上部液室31内を循環するため、ピストン冠部の
冷却作用と圧油の劣化が防止される。尚、ここで第2油
通路36は第4油通路38よりも小経であるため、上部液室
31に油が残留することがない。
よつて、排気行程時のアウタピストン21の上方慣性力に
よつてインナピストン29と円環部22との干渉が防止され
る。一方、斯る排気行程時においてアウタピストン21が
僅かに上昇すると圧油が、第2油通路36を通つて上部液
室31に供給され、膨張行程時などに第4油通路38から排
出されて上部液室31内を循環するため、ピストン冠部の
冷却作用と圧油の劣化が防止される。尚、ここで第2油
通路36は第4油通路38よりも小経であるため、上部液室
31に油が残留することがない。
第4図はこの発明の第2実施例を示し、第1実施例と異
なるところは、作動液室及びスプール弁などをインナピ
ストンの内部に収納したところにある。即ち、アウタピ
ストン21の内部に収納されたインナピストン29には、上
部一側内部に水平方向に沿つて円柱状の作動液室25が形
成されている。この作動液室25は、一端側の小径部端縁
にストツパリング28が配置され、他端側の大径部端縁に
断面コ字形のストツパ27が配置されていると共に、内部
にスプール弁26が図中左右方向へ摺動可能に収納されて
いる。また、図中50は円筒状のピストンピン23筒壁内に
形成されて、コネクテイングロツド24内の主通路34と作
動液室25を連通する連通路、35はインナピストン29の上
部内を上下方向に貫通形成された第1油通路、36は第2
油通路、37はピストンピン23の外周に沿つてインナピス
トン29内部に形成され、かつ作動液室25内の圧油を下部
液室32に供給する第3油通路、38は第1油通路35の近傍
に平行に貫通形成されて上部液室31の圧油を作動液室25
及びストツパリング28の通孔28aを介してインナピスト
ン29の中空内部に排出する第4油通路である。また、第
1油通路35と第3油通路37には、第1実施例と同様な逆
止弁41,42が夫々設けられている。その他の構成は、上
記第1実施例と同様である。したがつて、上記第1実施
例と同様な作用効果が得られることは勿論のこと、作動
液室25とスプール弁26をインナピストン29内にコンパク
トに収納配置したため、ピストン全体の軽量化が図れ
る。
なるところは、作動液室及びスプール弁などをインナピ
ストンの内部に収納したところにある。即ち、アウタピ
ストン21の内部に収納されたインナピストン29には、上
部一側内部に水平方向に沿つて円柱状の作動液室25が形
成されている。この作動液室25は、一端側の小径部端縁
にストツパリング28が配置され、他端側の大径部端縁に
断面コ字形のストツパ27が配置されていると共に、内部
にスプール弁26が図中左右方向へ摺動可能に収納されて
いる。また、図中50は円筒状のピストンピン23筒壁内に
形成されて、コネクテイングロツド24内の主通路34と作
動液室25を連通する連通路、35はインナピストン29の上
部内を上下方向に貫通形成された第1油通路、36は第2
油通路、37はピストンピン23の外周に沿つてインナピス
トン29内部に形成され、かつ作動液室25内の圧油を下部
液室32に供給する第3油通路、38は第1油通路35の近傍
に平行に貫通形成されて上部液室31の圧油を作動液室25
及びストツパリング28の通孔28aを介してインナピスト
ン29の中空内部に排出する第4油通路である。また、第
1油通路35と第3油通路37には、第1実施例と同様な逆
止弁41,42が夫々設けられている。その他の構成は、上
記第1実施例と同様である。したがつて、上記第1実施
例と同様な作用効果が得られることは勿論のこと、作動
液室25とスプール弁26をインナピストン29内にコンパク
トに収納配置したため、ピストン全体の軽量化が図れ
る。
発明の効果 以上の説明で明らかなように、この発明に係る内燃機関
の圧縮比可変装置によれば、特に作動液室内の圧油を、
前後の油圧で開閉作動する逆止弁を介して上部液室に供
給する第1油通路と、該第1油通路の閉時に作動液室内
の圧油を上部液室に供給する第2油通路と、該第2油通
路の開時に作動液室内の圧力油を前後の油圧で開閉作動
する逆止弁を介して下部液室に供給する第3油通路と、
上記上部液室内の圧油を上記作動液室を介して外部に排
出する第4油通路と、上記作動液室内に摺動可能に収納
され、かつ機関の運転状態に応じて上記各油通路を切替
える切替弁とを備える構成としたため、圧縮比可変制御
を応答性よく行なうことが可能となり、しかも高圧縮比
を得る場合において逆止弁を小さな油圧のみで開くこと
ができるため、一般の潤滑用オイルポンプの使用が可能
となる。
の圧縮比可変装置によれば、特に作動液室内の圧油を、
前後の油圧で開閉作動する逆止弁を介して上部液室に供
給する第1油通路と、該第1油通路の閉時に作動液室内
の圧油を上部液室に供給する第2油通路と、該第2油通
路の開時に作動液室内の圧力油を前後の油圧で開閉作動
する逆止弁を介して下部液室に供給する第3油通路と、
上記上部液室内の圧油を上記作動液室を介して外部に排
出する第4油通路と、上記作動液室内に摺動可能に収納
され、かつ機関の運転状態に応じて上記各油通路を切替
える切替弁とを備える構成としたため、圧縮比可変制御
を応答性よく行なうことが可能となり、しかも高圧縮比
を得る場合において逆止弁を小さな油圧のみで開くこと
ができるため、一般の潤滑用オイルポンプの使用が可能
となる。
また、低圧縮比状態において、上部液室内に圧油が循環
するため、圧油の劣化を防止できると共に、ピストンの
冠部を効果的に冷却することができる。
するため、圧油の劣化を防止できると共に、ピストンの
冠部を効果的に冷却することができる。
第1図はこの発明の第1実施例を示す全体構成図、第2
図はこの実施例の低圧縮比状態を示す断面図、第3図は
第1図のIII−III線断面図、第4図はこの発明の第2実
施例を示す断面図、第5図は従来の圧縮比可変装置を示
す全体構成図、第6図は従来装置の一部を示す断面図で
ある。 21……アウタピストン、22……円環部、23……ピストン
ピン、24……コネクテイングロツド、25……作動液室、
26……スプール弁(切替弁)、29……インナピストン、
31……上部液室、32……下部液室、35……第1油通路、
36……第2油通路、37……第3油通路、38……第4油通
路、41,42……逆止弁、45……オイルポンプ(加圧手
段)。
図はこの実施例の低圧縮比状態を示す断面図、第3図は
第1図のIII−III線断面図、第4図はこの発明の第2実
施例を示す断面図、第5図は従来の圧縮比可変装置を示
す全体構成図、第6図は従来装置の一部を示す断面図で
ある。 21……アウタピストン、22……円環部、23……ピストン
ピン、24……コネクテイングロツド、25……作動液室、
26……スプール弁(切替弁)、29……インナピストン、
31……上部液室、32……下部液室、35……第1油通路、
36……第2油通路、37……第3油通路、38……第4油通
路、41,42……逆止弁、45……オイルポンプ(加圧手
段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 博章 神奈川県厚木市恩名1370番地 厚木自動車 部品株式会社内 (72)発明者 原 誠之助 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 荒井 孝之 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】コネクテイングロツドに連結されたピスト
ンピンの両端部に支持されたインナピストンと、該イン
ナピストンの外周に軸方向へ摺動可能に被嵌したアウタ
ピストンと、該アウタピストンの上下各移動位置でこの
アウタピストンと上記インナピストンとの間に夫々形成
される上部液室及び下部液室とを有し、更に上記ピスト
ンピンあるいはインナピストンの所定内部に形成され、
かつ加圧手段を介して圧油が導入される作動液室と、該
作動液室内の前後の圧油を油圧で開閉する逆止弁を介し
て上記上部液室に供給する第1油通路と、該第1油通路
の閉時に作動液室内の圧油を上部液室に供給する第2油
通路と、該第2油通路の開時に作動液室内の圧油を前後
の油圧で開閉する逆止弁を介して上記下部液室に供給す
る第3油通路と、上記上部液室内の圧油を上記作動液室
を介して外部に排出する第4油通路と、上記作動液室内
に摺動可能に収納され、かつ機関の運転状態に応じて上
記各油通路を切替える切替弁とを備えたことを特徴とす
る内燃機関の圧縮比可変装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24080486A JPH076418B2 (ja) | 1986-10-09 | 1986-10-09 | 内燃機関の圧縮比可変装置 |
US07/104,910 US4809650A (en) | 1986-10-09 | 1987-10-06 | Variable compression control arrangement for internal combustion engine |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24080486A JPH076418B2 (ja) | 1986-10-09 | 1986-10-09 | 内燃機関の圧縮比可変装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6397836A JPS6397836A (ja) | 1988-04-28 |
JPH076418B2 true JPH076418B2 (ja) | 1995-01-30 |
Family
ID=17064931
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24080486A Expired - Lifetime JPH076418B2 (ja) | 1986-10-09 | 1986-10-09 | 内燃機関の圧縮比可変装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH076418B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AT511803B1 (de) * | 2011-12-23 | 2013-03-15 | Avl List Gmbh | Pleuelstange für eine hubkolbenmaschine |
KR101683515B1 (ko) * | 2015-05-06 | 2016-12-07 | 현대자동차 주식회사 | 가변 압축비 엔진 |
US9856790B2 (en) | 2015-08-10 | 2018-01-02 | Hyundai Motor Company | Variable compression ratio apparatus |
-
1986
- 1986-10-09 JP JP24080486A patent/JPH076418B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6397836A (ja) | 1988-04-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6662784B1 (en) | Pump assembly, valve and method | |
US4934347A (en) | Variable compression piston arrangement for internal combustion engine | |
US6892683B2 (en) | Electrohydraulic valve controller | |
US4809650A (en) | Variable compression control arrangement for internal combustion engine | |
US4031868A (en) | Variable compression ratio piston | |
EP0317364B1 (en) | Valve operating system for internal combustion engine | |
US5257600A (en) | Variable compression piston | |
JP2005504206A (ja) | 弁を操作するための液圧制御式のアクチュエータ | |
US6755625B2 (en) | Inlet throttle valve | |
JP5169881B2 (ja) | 内燃機関の可変圧縮比装置 | |
US3403662A (en) | Variable compression ratio piston assembly | |
JP5030381B2 (ja) | 圧力パルス発生装置及び圧力パルス発生方法 | |
JPH076418B2 (ja) | 内燃機関の圧縮比可変装置 | |
JPH07113330B2 (ja) | 内燃機関の圧縮比可変装置 | |
JP2517728B2 (ja) | 内燃機関の圧縮比可変装置 | |
JPH0826792B2 (ja) | 内燃機関の圧縮比可変装置 | |
JPH082445Y2 (ja) | 内燃機関の圧縮比可変装置 | |
JPH0814261B2 (ja) | 内燃機関の圧縮比可変装置 | |
US3418982A (en) | Variable compression ratio piston assembly | |
JP2003524727A (ja) | フリーピストン機関 | |
JPH082444Y2 (ja) | 内燃機関の圧縮比可変装置 | |
JPH0826791B2 (ja) | 内燃機関の圧縮比可変装置 | |
JPH01329A (ja) | 内燃機関の圧縮比可変装置 | |
JPH0417791Y2 (ja) | ||
JPH0612229Y2 (ja) | 内燃機関の圧縮比可変装置 |