JPH0763965A - 光学素子の調整固定機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、簡素で容易に位置決めおよび固定を
可能とする色分解プリズムと固体撮像素子の固定調整機
構を提供する。 【構成】本発明は、色分解プリズムに接着された取付部
材と固体撮像素子に接着された取付部材との間を中空で
蛇腹形状を持つ固定部材により接着固定する。 【効果】本発明の構成によれば、簡素な構成で接着剤が
流出することなく、３次元的に位置調整が可能で、確実
に固体撮像素子を色分解プリズムの出射面に接着固定で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光学素子の調整固定機
構に関し、特に色分解プリズムの光出射面に固体撮像素
子を位置調整して接着固定する光学素子の調整固定機構
に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、固体撮像素子の技術は著しい発展
を遂げ、ビデオカメラの撮像素子の主流は撮像管から固
体撮像素子に移行してきた。さらに最近では１個の固体
撮像素子を用いた単板式のビデオカメラに比べ、高い性
能を得るために２個あるいは３個の固体撮像素子をプリ
ズムに貼り合わせた２板あるいは３板のビデオカメラが
製造されるようになってきた。この２板、３板のビデオ
カメラではプリズムに貼り合わせる際に高精度の位置合
わせが要求される。

【０００３】この面の従来技術としては次のようなもの
が提案されている。すなわち、図３は３板式を例とする
従来の色分解プリズムと固体撮像素子の接合機構を示す
概略図であり、図４は色分解プリズムの出射面と固体撮
像素子との接合部を示す概略図である。固体撮像素子２
は色分解プリズム１の所定部分に設置され、かつ固体撮
像素子２の対向する２側面には固定部材３が配置されて
いる。固定部材３は固体撮像素子２との接触部および色
分解プリズム１との接触部に塗布された接着剤７を硬化
させて固定している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれら従
来の技術においては、複雑な機構を持つ位置調整装置等
であらかじめ位置決めおよび調整しておくことが必要で
あり、かつ接着剤を塗布する際に機械的接触等により位
置ずれを起こし、また接着剤が不必要な部分にまで流出
してしまうという問題がある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術のこ
れらの問題点を解決することを目的とし、色分解プリズ
ムの光出射面と固体撮像素子の接合等の光学素子の調整
固定機構であって、前記色分解プリズム等の光学素子に
固設された第１の取付部材と、前記固体撮像素子等の光
電素子に固設された第２の取付部材と、前記第１の取付
部材と第２の取付部材との間に設けられた複数の中空で
伸縮可能な蛇腹形状の固定部材とを配設し、適正に位置
調整された状態で前記第１の取付部材と第２の取付部材
とを前記固定部材の内部に注入された接着剤により接合
固定される光学素子の調整固定機構を提供する。

【０００６】さらに本発明は、前記固定部材に注入する
接着剤の注入圧もしくは注入量によって前記固定部材の
伸縮状態を調整し、前記色分解プリズム等の光学素子に
対する前記固体撮像素子等の光電素子の姿勢を調整する
光学素子の調整固定機構を提供する。

【０００７】さらに本発明は、前記固定部材が紫外線を
透過する材料で構成され、前記接着剤は紫外線硬化樹脂
接着剤である光学素子の調整固定機構を提供する。

【０００８】

【作用】本発明の光学素子の調整固定機構によれば、伸
縮可能な蛇腹形状で内部が空洞な固定部材が色分解プリ
ズムと固体撮像素子との位置関係を固定した状態、特に
間隔が大きくならないように規制しておくだけの簡単な
位置調整状態で、固定部材に接着剤を注入し、その注入
量または注入圧力によって固定部材が間隔方向以外の方
向に伸縮し、固体撮像素子を所定の位置に接着固定す
る。

【０００９】

【実施例】以下図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。図１は本発明の実施例の構成の概略図であり、図２
は固定部材部分の拡大図である。図において同じ部位は
同じ符号で示し、１は色分解プリズム、２は固体撮像素
子、３は固定部材、４は色分解プリズム等の光学素子に
固設された第１の取付部材、５は固体撮像素子等の光電
素子に固設された第２の取付部材、６は接着剤注入口で
ある。

【００１０】つぎに、このような構成における動作につ
いて説明する。図１において、第１の取付部材４と第２
の取付部材５はそれぞれ色分解プリズム１および固体撮
像素子２に接着固定され、第１の取付部材４と第２の取
付部材５との間で、かつ４隅に固定部材３を挟み接着剤
により固定される。

【００１１】図２は固定部材３と第１の取付部材４と第
２の取付部材５との接合部分の拡大図であり、第１の取
付部材４および第２の取付部材５に接着固定された固定
部材３は、内部が空洞で紫外線を透過する材質でできて
おり、その蛇腹形状が最も折り畳んだ状態、つまり最も
縮んだ状態で、接着剤注入口６から紫外線硬化樹脂接着
剤を注入し、それにともない固定部材３は主に一方向に
膨張を始める。この接着剤の注入は４つの固定部材３に
おいて同時に独立して行い、固体撮像素子２が自由な姿
勢をとれるようにする。さらに注入を続け固体撮像素子
２を所望の位置に調整し、固定部材に紫外線を透過させ
接着剤を硬化させる。従って接着剤の注入と共に固体撮
像素子２の位置決めができ、接着剤の硬化にともない色
分解プリズム１と固体撮像素子２を接着固定できる。

【００１２】

【発明の効果】以上説明したように本発明の構成ならび
に方法によれば、簡単な構成で３次元的に位置調整が可
能で、確実に固体撮像素子を色分解プリズムの出射面に
固定でき、余分な接着剤の流出もない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の構成の概略図。

【図２】本発明の実施例の色分解プリズムと固体撮像素
子の接合部の部分拡大概略図。

【図３】従来の３板式の色分解プリズムと固体撮像素子
の接合機構を示す概略図。

【図４】従来の色分解プリズムと固体撮像素子の接合部
を示す概略図。

【符号の説明】

１ 色分解プリズム ２ 固体撮像素子 ３ 固定部材 ４ 第１の取付部
材 ５ 第２の取付部材 ６ 接着剤注入口 ７ 接着剤

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】色分解プリズムの光出射面と固体撮像素子
   との接合等の光学素子の調整固定機構において、前記色
   分解プリズム等の光学素子に固設された第１の取付部材
   と、前記固体撮像素子等の光電素子に固設された第２の
   取付部材と、前記第１の取付部材と第２の取付部材との
   間に設けられた複数の中空で伸縮可能な蛇腹形状の固定
   部材とを具備し、適正に位置調整された状態で前記第１
   の取付部材と第２の取付部材とを前記固定部材の内部に
   注入された接着剤により接合固定されることを特徴とす
   る光学素子の調整固定機構。
2. 【請求項２】前記固定部材に注入する接着剤の注入圧も
   しくは注入量によって前記固定部材の伸縮状態を調整
   し、前記色分解プリズム等の光学素子に対する前記固体
   撮像素子等の光電素子の姿勢を調整する事を特徴とする
   請求項１記載の光学素子の調整固定機構。
3. 【請求項３】前記固定部材が紫外線を透過する材料で構
   成され、前記接着剤が紫外線硬化樹脂接着剤であること
   を特徴とする請求項１ならびに請求項２記載の光学素子
   の調整固定機構。