JPH0763223A - 固体潤滑転がり軸受 - Google Patents

固体潤滑転がり軸受

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JPH0763223A
JPH0763223A JP21243593A JP21243593A JPH0763223A JP H0763223 A JPH0763223 A JP H0763223A JP 21243593 A JP21243593 A JP 21243593A JP 21243593 A JP21243593 A JP 21243593A JP H0763223 A JPH0763223 A JP H0763223A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ptfe
bearing
spacer
lubricating
rolling
Prior art date
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Pending
Application number
JP21243593A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiromitsu Kondo
博光 近藤
Hiroshi Yamada
博 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
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Publication of JPH0763223A publication Critical patent/JPH0763223A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空雰囲気中で使用する大径の転がり軸受の
耐久性向上を図る。 【構成】 ターンテーブル軸受は、内径に歯型1bを備
えた内輪1、外輪2、内・外輪1、2の転走面1a、2
a間に組込まれた複数のボール3、円周方向に隣り合っ
たボール3間に介在するスペーサ4で構成される。ボー
ル3の表面には、結晶性のPTFEからなる潤滑皮膜3
aが形成されている。スペーサ4は、PTFE系の高分
子材料で形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空雰囲気中で使用さ
れるターンテーブル軸受等の大径の転がり軸受に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、レンズ、ランプ等の反射被膜
は、真空蒸着、イオンプレーティングにより被膜処理さ
れているが、被膜の均一性等品質の点および生産効率の
点から、プラネタリー機構を用いて被膜処理する場合が
多い。プラネタリー機構は、被膜材料の蒸発源に対し、
複数個のドーム状治具を配し、蒸着中、各ドームの自転
及び公転を行なわせるもので、広い面積にわたって均一
厚さの被膜を得ることができると同時に、ステップカバ
レージ効果に優れている。このようなプラネタリー機構
において、各ドームの公転用にターンテーブル軸受が使
用されている。プラネタリー機構に使用されるターンテ
ーブル軸受は、生産効率等の点から直径が1m程度と比
較的大径のものが主流であり、メインテナンスの点から
総ボール形式とする場合が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したような総ボー
ル形式のターンテーブル軸受では、回転時のボールの集
合離散状態から、ボール同士の接触(逆回転での接触に
なる)による接触摩耗が生じ易く、低速回転で使用され
るにもかかわらず、比較的短寿命であるという問題点が
ある。特に真空中で使用する場合には、油、グリース等
の流体潤滑剤の使用が不可であるため、無潤滑、脱脂状
態で運転するのが一般であり、上記問題点が尚更懸念さ
れる。
【0004】そこで、本発明の目的は、真空雰囲気中で
使用する大径の転がり軸受の耐久性向上を図ることにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の固体潤滑転がり
軸受は、内輪と、外輪と、内外輪間に組込まれた複数の
転動体と、円周方向に隣り合った転動体間に介在するス
ペーサとを有する転がり軸受の、少なくとも転動体の表
面に結晶性のPTFEからなる潤滑被膜を形成したもの
である。
【0006】ここで、「結晶性」とは、PTFEの結晶
構造(分子構造)が変化することなく維持されている状
態をいう。
【0007】また、本発明の固体潤滑転がり軸受は、上
記構成に加え、スペーサを自己潤滑性を有する高分子材
料で形成したものである。
【0008】
【作用】円周方向に隣り合った転動体間に介在するスペ
ーサは、軸受回転時の転動体の集合離散を抑制し、転動
体同士の接触を回避すると同時に、軸受回転を円滑なら
しめる作用をなす。
【0009】真空雰囲気中における軸受の潤滑は、少な
くとも転動体の表面に形成された潤滑被膜によってなさ
れる。結晶性のPTFEからなる潤滑被膜には、PTF
Eの結晶構造(分子構造)が変化することなく維持され
ているので、PTFE本来の優れた潤滑性能が発揮され
る。一般に、固体潤滑剤としての化合物や高分子材料を
用いて潤滑被膜を形成する方法としてスパッタリング法
が知られているが、スパッタリング法によれば、ターゲ
ット材(固体潤滑剤)がスパッタ作用を受けた際、ター
ゲット材本来の結晶構造(分子構造)が部分的に切断さ
れた状態ではじき出され被処理物の表面に付着するた
め、ターゲット材本来の優れた潤滑性能が幾分損なわれ
る場合がある。本明細書でいう「結晶性」とは、PTF
Eの結晶構造(分子構造)が変化することなく維持され
ている状態、具体的にいえば、PTFEの分子鎖が局部
的に切断されることなく維持されている状態をいう。こ
のような結晶構造(分子構造)のPTFEからなる潤滑
被膜には、PTFE本来の優れた潤滑性能が維持されて
いる。
【0010】スペーサを自己潤滑性を有する高分子材料
で形成することにより、転動体との接触部における摩擦
抵抗が極めて小さくなるので、転動体のスムーズな転動
が確保され、軸受の回転抵抗が低減する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0012】図1に示す実施例は、本発明を真空中で使
用するターンテーブル軸受に適用したものである。この
ターンテーブル軸受は、内輪1、外径に歯型2bを備え
た外輪2、内・外輪1、2の転走面1a、2a間に組込
まれた複数のボール3、円周方向に隣り合ったボール3
間に介在するスペーサ4で構成される。ボール3の表面
には、結晶性のPTFEからなる潤滑皮膜3aが形成さ
れている。
【0013】結晶性のPTFEからなる潤滑被膜3a
は、例えば、PTFEの粉末を有機溶媒に分散させてな
る処理液中にボール3を浸漬することにより、あるい
は、この処理液をボール3の表面にスプレーすることに
より形成することができる。形成された潤滑被膜3a
は、一様分布ではなく島状分布である。
【0014】図2に示すように、スペーサ4はボール3
の直径よりも僅かに小径の短円柱形状のもので、その両
端面にボール3と接触する円錐形の凹部4aを備えてい
る。この実施例では、スペーサ4を自己潤滑性を有する
高分子材料、例えば、PTFE系の高分子材料(NTN
ベアリー等)で形成してある。スペーサ4は、軸受回転
時のボール3の集合離散を抑制し、ボール3同士の直接
接触を回避すると同時に、軸受回転を円滑ならしめる作
用をなす。しかも、スペーサ4はPTFE系の高分子材
料で形成されており、ボール3との接触部における摩擦
抵抗が極めて小さいので、ボール3のスムーズな転動が
確保されることにより、軸受の回転抵抗が低減する。
【0015】図3に示す実施例は、スペーサ4の凹部4
aを球面状にしたものである。凹部4aの曲率は、ボー
ル3の表面の曲率と同程度である。ボール3との接触面
積が増大するので、特に、潤滑被膜3aの潤滑粉(潤滑
被膜3aが転走面1a、2aとの接触によって表面から
削り取られて生成される)の供給量が不足しがちな低速
回転条件の場合に有効である。
【0016】図4に示す実施例は、スペーサ4の中心部
に貫通穴4bを形成したものである。貫通穴4bを形成
することにより、図2または図3に示すものに比べ、ス
ペーサ4の最小肉厚が増大するので、スペーサ4にかか
る圧縮荷重が比較的大きい場合に有効である。
【0017】図5に示す実施例は、本発明をスラスト軸
受に適用したものである。このスラスト軸受は、下側の
軌道輪11、上側の軌道輪12、上・下側の軌道輪1
1、12の転走面11a、12a間に組込まれた複数の
ボール13、PTFE系の高分子材料で形成されたリン
グ状のスペーサ14で構成される。図1に示すものと同
様に、ボール13の表面には結晶性のPTFEからなる
潤滑被膜13aが形成されている。
【0018】スペーサ14はボール1つ置きに配置さ
れ、その内径にボール13が収容されている。スペーサ
14の内径は、ボール13の直径よりも僅かに大径であ
る。スペーサ14の内・外径の肉厚部分は、円周方向に
隣り合ったボール13間に介在し、ボール13の集合・
離散を抑制する。スペーサ14の下側の端面は、下側の
軌道輪11の肩部11bに接触している。上述した実施
例のものに比べ、スペーサ14の加工が容易であり、し
かも、スペーサ14の個数を削減(半分)することがで
きる利点がある。
【0019】尚、上記実施例において、スペーサ4、1
4の材質としてPTFE系の高分子材料を用いている
が、これに限定されず、自己潤滑性を有する高分子材料
例えばポリイミド等を用いても良い。ただ、潤滑被膜3
a、13aと同種材料であるPTFE系の高分子材料を
用いるのが良好な潤滑性能を確保する上で望ましい。あ
るいは、スペーサ4、14を自己潤滑性を有する高分子
材料で形成する代わりに、鉄系材料からなるスペーサの
表面に結晶性のPTFEからなる潤滑被膜を形成するよ
うにしても良い。また、本発明は、総ボール形式または
総ころ形式の大径軸受一般に適用することができ、例示
したターンテーブル軸受等に限定されるものではない。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
円周方向に隣り合った転動体間に介在するスペーサが軸
受回転時の転動体の集合離散を抑制し、転動体同士の接
触を防止すると同時に、少なくとも転動体の表面に形成
された結晶性のPTFEからなる潤滑被膜が真空雰囲気
中において良好な潤滑性能を発揮するので、転動体など
に接触摩耗が生じにくく、軸受の耐久性が向上する。
【0021】また、スペーサを自己潤滑性を有する高分
子材料で形成することにより、転動体との接触部におけ
る摩擦抵抗がより一層軽減されるので、転動体のスムー
ズな転動が確保され、軸受の回転抵抗が低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わるターンテーブル軸受を
示す縦断面図(図a)、図aにおけるb−b線に沿った
横断面図(図b)である。
【図2】図1におけるスペーサを示す断面図(図a:図
bにおけるa−a断面)、正面図(図b)である。
【図3】本発明の他の実施例に係わるスペーサを示す断
面図(図a:図bにおけるa−a断面)、正面図(図
b)である。
【図4】本発明の他の実施例に係わるスペーサを示す断
面図(図a:図bにおけるa−a断面)、正面図(図
b)である。
【図5】本発明の他の実施例に係わるスラスト軸受を示
す平面図(図a:図bにおけるa方向矢視)、側面図
(図b:図aにおけるb方向矢視)である。
【符号の説明】
1 内輪 11 内輪 2 外輪 12 外輪 3 ボール 3a 潤滑被膜 13 ボール 13a 潤滑被膜 4 スペーサ 14 スペーサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪と、外輪と、内外輪間に組込まれた
    複数の転動体と、円周方向に隣り合った転動体間に介在
    するスペーサとを有する転がり軸受の、少なくとも転動
    体の表面に結晶性のPTFEからなる潤滑被膜を形成し
    たことを特徴とする固体潤滑転がり軸受。
  2. 【請求項2】 内輪と、外輪と、内外輪間に組込まれた
    複数の転動体と、円周方向に隣り合った転動体間に介在
    するスペーサとを有する転がり軸受の、少なくとも転動
    体の表面に結晶性のPTFEからなる潤滑被膜を形成す
    ると共に、スペーサを自己潤滑性を有する高分子材料で
    形成したことを特徴とする固体潤滑転がり軸受。
JP21243593A 1993-08-27 1993-08-27 固体潤滑転がり軸受 Pending JPH0763223A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08334127A (ja) * 1995-06-06 1996-12-17 Yaskawa Electric Corp 固体潤滑スラスト玉軸受
WO2006098169A1 (ja) * 2005-03-17 2006-09-21 Kabushiki Kaisha Yaskawa Denki 固体潤滑ころ軸受
JP2010096356A (ja) * 1998-06-02 2010-04-30 Nsk Ltd ボールねじ機構

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020729