JPH0762448A - 容器用極薄鋼板の製造法 - Google Patents

容器用極薄鋼板の製造法

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JPH0762448A
JPH0762448A JP21322293A JP21322293A JPH0762448A JP H0762448 A JPH0762448 A JP H0762448A JP 21322293 A JP21322293 A JP 21322293A JP 21322293 A JP21322293 A JP 21322293A JP H0762448 A JPH0762448 A JP H0762448A
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Koji Manabe
晃治 真鍋
Takehide Senuma
武秀 瀬沼
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    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 板厚が製缶業者の要求通りに薄く、なおかつ
フランジ加工性の優れた溶接用極薄鋼板およびイヤリン
グ性・DWI加工性の優れた2ピース缶用極薄鋼板の製
造法を提供する。 【構成】 極低C系の材料で高温巻取りしたもの(T
i,B,Nbの添加なし)およびTi,B,Nbを一種
以上加えた極低C系の材料(熱延巻取り温度規制なし)
を、850℃以上の熱間圧延、100〜2000℃/Sの
急速加熱速度で650〜850℃に加熱する焼鈍条件、
50%以下の2次冷間圧延という製造条件で製造する。 【効果】 容器材料を極薄手化するとともにフランジ加
工性、イヤリング性・DWI加工性に優れた缶用鋼板を
提供できる本発明の工業的効果は極めて大きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフランジ加工性、イヤリ
ング性に優れた容器用極薄鋼板の製造法に関し、特にフ
ランジ加工性の優れた溶接缶用極薄鋼板およびイヤリン
グ性の優れた2ピース缶用極薄鋼板の製造法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、3ピース缶の胴の接合は、半
田付け、樹脂接着、溶接などの方法で行われている。そ
の中で、鋼板歩留り向上のために、接合代を少なくでき
る溶接による方法が、近年主流になりつつある。
【0003】この溶接缶の製造工程において、溶接した
缶胴に蓋を付けるために、缶胴の端部に直径方向外側に
向かって延出するフランジ部を成形する工程があり、こ
れをフランジ加工と呼ぶ。フランジ加工の際、フランジ
部に缶の内容物が漏れる原因となる割れ、即ちフランジ
割れと呼ばれる欠陥を生じることがある。このフランジ
加工においてフランジ割れの発生しにくい性能を、以下
フランジ加工性と称する。フランジ割れを生じる原因と
しては、溶接による接合不良、鋼板の延性不良、鋼板の
介在物による応力集中と加工性劣化、溶接部の硬化によ
る応力集中などがある。
【0004】一方、2ピース缶の缶胴の加工法にはDW
I法およびDRD法などがあるが、何れも絞りを含む加
工によって円盤上のブランク板からカップ上の2ピース
缶胴(正確には胴と底が一体となった部品)を作ること
が特徴である。その際、加工性の異方性から、缶胴成形
加工後の胴の上端の高さが円周方向に沿って一定となら
ず、加工後の胴の上端が円周方向に波打つイヤリングと
呼ばれる現象が知られている。イヤリングを生じている
胴の上端の凸部を耳またはイヤと称し、一般に耳の高さ
でイヤリングの程度が判断される。耳の部分はネック加
工の前にトリマーで切り取られるので、イヤリングが大
きいと材料の歩留りが低下する問題がある。このイヤリ
ングをできるだけ小さくする性能を以下イヤリング性と
称する。2ピース缶の製造工程にもフランジ加工があ
り、フランジ加工性は2ピース缶においても重要な特性
である。
【0005】さて、缶コストを削減するために、製缶業
者は缶用鋼板製造業者にますます板厚の薄い缶用鋼板を
要求する趨勢にある。しかし、板厚が薄くなるほどフラ
ンジ加工性は劣化し、缶強度は低下する問題があった。
したがって、板厚が製缶業者の要求どおりに薄く、なお
かつ所定のフランジ加工性、イヤリング性および缶強度
を確保できる缶用鋼板を供給することが、缶用鋼板製造
業者にとって愁眉の課題となっている。
【0006】従来、特に溶接用鋼板の場合、板厚の薄手
化に伴う缶強度の低下には鋼板の硬さを硬くして対処し
ていた。このような薄鋼板として、特開昭51−131
413号公報に見られるように、熱間圧延鋼板を冷間圧
延し、焼鈍した後、再度冷間圧延を行う2回冷間圧延方
式により製造した鋼板、いわゆるダブル・レデュースド
鋼板があった。しかし、このダブル・レデュースド鋼板
は、溶接缶用極薄鋼板として使用する場合、2次冷間圧
延率が高い程、2次冷間圧延歪に起因する鋼板の加工性
劣化や溶接部の硬化による応力集中を起こし、溶接後の
フランジ加工でフランジ割れを起こしやすくなるという
欠点があった。また、このダブル・レデュースド鋼板を
2ピース缶用鋼板として使用した場合には、2次冷間圧
延率が高い程、2次冷間圧延歪に起因するDWI加工性
およびDRD加工性(以下DWI加工性で代表する。)
の劣化(即ち、加工金型の磨耗の昂進、加工時の板破
断)、および1次冷間圧延と2次冷間圧延を合わせた総
合圧延率が高くなることによるイヤリング性の劣化が生
じる問題もあった。この場合、2次冷間圧延率を小さく
とらざるを得ないため、板厚が製缶業者の要求どおりに
薄く、なおかつフランジ加工性の優れた溶接缶用鋼板お
よびDWI加工性・イヤリング性を兼ね備えた容器用鋼
板を製造することができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決し、かつ業界要請に応えるべく板厚が薄く、な
おかつフランジ加工性の優れた溶接用極薄鋼板およびイ
ヤリング性・DWI加工性の優れた2ピース缶用極薄鋼
板の製造法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、成分、熱間圧延条件および焼鈍条
件、2次冷間圧延条件などを詳細に検討した結果、成分
設計(特にC含有量を極限まで低減すること)、熱間圧
延条件、再結晶焼鈍条件(特に、急速加熱焼鈍を行うこ
と)、および2次冷間圧延条件の制御などを特定するプ
ロセスにより、板厚を極めて薄くし、なおかつフランジ
加工性の優れた溶接用鋼板およびイヤリング性・DWI
加工性の優れた2ピース缶用鋼板が製造できることを知
見した。
【0009】本発明はこの知見に基づいて構成されたも
のであり、その要旨は (1)重量%で C :0.0015%以下、 Mn:0.05〜
0.40%、P :0.06%以下、 S :
0.06%以下、sol Al:0.10%以下、 N
:0.0060%以下、を含有し、残部が鉄および不
純物からなる熱鋼片(スラブ)を850℃以上の温度で
熱間圧延して後、冷却し、650〜750℃の温度で巻
取り、酸洗し、冷間圧延し、100〜2000℃/Sの焼
鈍速度で、650〜850℃に加熱し、その後室温まで
冷却する再結晶焼鈍を行い、次いで、50%以下の圧下
率で2次冷間圧延を施すことを特徴とする板厚が0.2
5mm以下のフランジ加工性の優れた溶接缶用極薄鋼板お
よび板厚が0.25mm以下のイヤリング性の優れた2ピ
ース用極薄鋼板の製造法であり、また (2)前項(1)の成分系に、Ti:3.4 ×(〔Nの重
量%〕−0.0010)%以上、0.02%以下、Nb:6.6 ×
(〔Nの重量%〕−0.0010)%以上、0.03%以下、B
:0.79×(〔Nの重量%〕−0.0010)%以上、0.0040
%以下、のうち1種以上を加えた成分系よりなる熱鋼片
を850℃以上の温度で熱間圧延して後、冷却し、巻取
り、冷間圧延し、100〜2000℃/Sの焼鈍速度で、
650〜850℃に加熱し、その後室温まで冷却する再
結晶焼鈍を行い、次いで、50%以下の圧下率で2次冷
間圧延を施すことを特徴とする板厚0.25mm以下のフ
ランジ加工性およびイヤリング性に優れた容器用極薄鋼
板の製造法にある。
【0010】以下本発明を詳細に説明する。C含有量は
本発明の重要な構成要素である。C含有量は、0.00
15%を超えると、溶接用鋼板のフランジ成形性、2ピ
ース缶用鋼板のDWI加工性、イヤリング性(これらの
3つの成形性を合わせて、以下製缶特性という。)が劣
化するので0.0015%に限定した。
【0011】それらのメカニズムは明らかではないが、
優れたフランジ加工性を示す理由としては、C量が極端
に低いため、(1)非常に軟質であり、本発明以外の鋼
と同じ2次冷間圧延率で圧延しても、鋼板の延性が比較
的劣化しないこと、(2)溶接部に焼きが入らないた
め、溶接部が硬化せず、溶接部の応力集中が生じないこ
と、に起因すると考えられる。優れたDWI加工性を示
す理由としては、やはりC量が極端に低いため、本発明
以外の鋼と同じ2次冷間圧延率で圧延しても軟質であこ
とに起因すると考えられる。優れたイヤリング性を示す
理由としては鋼の高純度が高いため集合組織が改善され
たことによると考えられる。より薄い板厚で優れた製缶
特性を得るためには、C含有量を0.0010%以下に
することが望ましい。
【0012】Mnは、その量が0.05%を下回ると熱
間脆性を生じ、缶用鋼板を製造することができないの
で、0.05%以上含有させる必要がある。一方、その
量が0.40%を超えると、鋼板が過度に硬質化してフ
ランジ加工性およびDWI加工性が劣化し、さらにC量
の低減で得られた成分の高純度効果を減殺してイヤリン
グ性を劣化させるとともに、コスト高となるので、0.
05〜0.40%に限定した。
【0013】Pは敢えて添加する必要はないが、鋼を著
しく硬化する不可避的不純物元素であり、この量が0.
06%を超えると、鋼板が過度に硬質化してフランジ加
工性およびDWI加工性が劣化し、さらにC量の低減で
得られた成分の高純度化を減殺してイヤリング性を劣化
させるので、上限を0.06%とする。より優れた製缶
加工性を得るためには、0.02%以下とすることが望
ましい。
【0014】Sも敢えて添加する必要はないが、熱間脆
性を昂進させる不可避的不純物元素であり、この量が
0.06%を超えると、熱間脆性のため缶用鋼板を製造
できないので、その上限を0.06%に限定した。より
好ましい範囲は0.02%以下である。
【0015】酸可溶Alも敢えて添加する必要はない
が、他の品種との鋼成分集約の観点から、0.100%
以下であれば、添加しても本発明の効果は失われない。
ただしこの量が0.100%を超えると、Al2 3
介在物が増えて製缶加工時にフランジ割れやDWI加工
性の劣化などの原因となり、またコスト高となるので、
その上限を0.100%に限定した。
【0016】Nも敢えて添加する必要はないが、鋼を硬
化させる不可避的不純物元素であり、この量が0.10
0%を超えると鋼板が過度に硬質化してフランジ加工性
およびDWI加工性が劣化し、またC量の低減で得られ
た成分の高純度化効果を減殺してイヤリング性が劣化す
るので、その上限を0.100%とした。
【0017】本発明はさらに、熱間圧延での巻取り温度
による制約をなくするために、Ti,Nb,Bのうち一
種以上を加えている。これらの添加元素は必要に応じて
添加するものであるが、含有量が少なければ、上記本発
明(1)のように熱延巻取り温度を規制せざるを得な
い。その理由は定かではないが、Ti,Nb,Bの添加
元素がない場合、例えば巻取り温度650℃未満の低温
巻取りを行うと、冷速が大きいため、AlNが十分析出
せず、固溶Nが残存する。このため、鋼の純度が低くな
り、製缶特性が劣化したのではないかと推定される。ま
た一方、これらの添加元素を十分多量に添加すれば容易
に上記目的を達成できるが、合金コストを上昇させ、ま
た再結晶温度を上昇させる欠点がある。そこで本発明者
は、合金コストの上昇と、再結晶温度の上昇を工業的に
許容できる範囲に抑え、かつ本目的が達成できる添加量
を、他の鋼成分との関係において詳細に調査した結果、
C含有量を前述の範囲に限定すると同時に、これらの元
素の添加量を下記のような範囲に制御する必要があるこ
とを知見した。
【0018】まずTiは、N量との関係において、3.
4×(〔Nの重量%〕−0.0010)%を下回ると、
製品の製缶特性が劣化する。これを防止するためには、
熱間圧延の巻取り温度を上げる必要があるので、その下
限を3.4×(〔Nの重量%〕−0.0010)%に限
定した。また、Ti量が0.02%を上回ると、再結晶
温度が著しく上昇し、合金コストも過大となるので、そ
の上限を0.02%に限定した。
【0019】Nbは、N量との関係において、6.6×
(〔Nの重量%〕−0.0010)%を下回ると、製品
の製缶特性が劣化する。これを防止するためには、熱間
圧延の巻取り温度を上げる必要があるので、その下限を
6.6×(〔Nの重量%〕−0.0010)%に限定し
た。また、Nb量が0.03%を上回ると、再結晶温度
が著しく上昇し、合金コストも過大となるので、その上
限を0.03%に限定した。
【0020】Bは、N量との関係において、0.79×
(〔Nの重量%〕−0.0010)%を下回ると、製品
の製缶特性が劣化する。これを防止するためには、熱間
圧延の巻取り温度を上げる必要があるので、その下限を
0.79×(〔Nの重量%〕−0.0010)%に限定
した。また、B量が0.0040%を上回ると、再結晶
温度が著しく上昇し、合金コストも過大となるので、そ
の上限を0.0040%に限定した。Ti,Nbおよび
Bは、上記の範囲で何れか一種を加えれば有効である
が、二種以上添加しても差し支えない。
【0021】上記のような成分組成の鋼は、次に述べる
製造工程と相まって本発明の目的が達成できる。以下に
製造工程について述べる。上記のような成分組成の鋼
は、転炉、電気炉などの通常の溶解炉を用い、連続鋳造
法または造塊法で熱鋼片(スラブ)とし、熱間圧延に供
する。該熱鋼片の熱間圧延前の熱履歴は問わない。即
ち、連続鋳造後、冷却することなくそのまま加熱炉に挿
入して熱間圧延を開始してもよいし、加熱炉での加熱
(加熱工程そのもの)をも省略して直ちに熱間圧延を開
始する直送圧延も可能である。鋼片を再加熱する場合、
その再加熱温度は問わない。ただし、本発明においては
熱間仕上温度を850℃以上に確保することが必須であ
るので、通常の熱間圧延設備の場合、熱間圧延仕上温度
が確保できないような過度に低い再加熱温度をとること
はできない。通常の熱間設備の場合、再加熱温度が10
00℃を下回ると、仕上温度を850℃以上に確保する
ことが困難となるので、再加熱温度を1000℃以上と
することが望ましい。
【0022】熱間仕上温度C含有量とならんで本発明の
最も重要な構成要素のひとつである。熱間仕上温度が8
50℃を下回ると、以下に述べる理由で本発明の目的を
達成することができない。まず、オーステナイト組織と
フェライト組織が混在して圧延され、熱間圧延帯鋼の板
厚制御が困難となる結果、冷間圧延帯鋼の板厚制御が劣
化するとともに、しばしば冷間圧延作業中に板破断を起
こす。板厚0.25mm以下の高強度DWI缶を製造する
にあたって、これは致命的欠点である。また仕上温度が
850℃を下回ると、熱間圧延帯鋼にイヤリング性に有
害な集合組織が形成される結果、製品鋼板のDWI加工
時におけるイヤリング性が大きくなって、歩留りを劣化
させる。したがって熱間仕上温度は、850℃以上に限
定する必要がある。
【0023】熱間圧延後、仕上最終圧延が延終了してか
ら冷却開始されるまでの時間は問わない。ただし、仕上
最終圧延後、1.5秒以内に冷却した方が、結晶粒が細
粒化されるためフランジ加工性には好ましい。
【0024】熱間圧延の巻取り温度は、上記本発明
(1)において、本発明の目的を達成するためには、6
50〜750℃に制御する必要がある。その理由は定か
ではないが、上述したように650℃未満で巻取るとA
lNの析出が十分でないため固溶Nが残存し、鋼の高純
度効果が薄れることと関係があると推定される。
【0025】熱間圧延の終了した鋼帯は、常法により、
酸洗される。さらに冷間圧延された後、再結晶焼鈍を行
う。連続焼鈍時の加熱焼鈍速度も本発明の重要な構成要
素である。連続焼鈍では、100〜2000℃/Sの焼鈍
速度で、600〜850℃に加熱し、その後室温まで冷
却する再結晶焼鈍を行う。焼鈍速度の下限を100℃/S
としたのは、焼鈍速度が100℃/S以上になると、イヤ
リング性が向上するからである。その理由は定かではな
いが、下記の効果によるものと推定される。即ち、現状
の焼鈍ラインの焼鈍加熱速度20℃/Sの場合は歪みエネ
ルギーの高い方位の加工粒から順次再結晶が起こるのに
対し、焼鈍速度が100℃/S以上では、瞬時に再結晶が
起こるため、再結晶方位の優先性が小さくなり、集合組
織のランダム化が起こる。このため、焼鈍速度を100
℃/S以上とすると、異方性が小さくなり、イヤリング性
が改善されると推定される。焼鈍速度の上限は2000
℃/Sとした。これは、加熱速度が2000℃/Sを超える
と加熱速度が速すぎるため加熱到達温度の制御が不安定
となり、安定した材質を得られなくなるからである。
【0026】再結晶焼鈍時の焼鈍温度は、650℃未満
では十分な再結晶温度が起こらず異方性が大きくなり、
フランジ加工性、イヤリング性が劣化する。一方、焼鈍
温度が850℃超となると均熱帯を通過する時に鋼板が
軟化し、延びやすくなり通板性が悪くなるので850℃
を上限とした。再結晶焼鈍時の均熱時間の下限は、均熱
時間がなくても、十分な再結晶と粒成長が生じ、本目的
を達成することができるため、特に規制する必要はな
い。なお、上限も特に規制する必要はないが、設備をコ
ンパクトにするためには3秒以下にすることが好まし
い。
【0027】再結晶焼鈍時の冷却条件は、本発明鋼の範
囲では材質に影響を与えないので特に規制する必要はな
い。ただし設備をコンパクトにするためには、300℃
/Sのようなガスジェット冷却法が好ましい。
【0028】再結晶焼鈍の後、必要に応じて2次冷間圧
延を行う。製缶業者の要求する板厚が非常に薄い場合
は、2次冷間圧延下率を大きくとることが必要となる。
2次冷間圧延の圧下率はこれが、50%を超えると、鋼
板が過度に硬質化して、フランジ加工性およびDWI加
工性を劣化させるので、その上限を50%に限定した。
また、イヤリング性に優れたDWI缶用極薄鋼板を製造
するには、1次冷間圧下率および2次冷間圧下率(即
ち、熱間圧延鋼帯板厚に対する最終製品の板厚)が88
%以上となるように、1次冷間圧延率および2次冷間圧
延率を選択することが望ましい。一方、下限は特に規制
する必要はないが、焼鈍のままでは鋼帯の形状および表
面粗度の調整が困難であるので、0.6%以上の調質圧
延または2次冷間圧延を施すことが望ましい。
【0029】本発明の製造方法による鋼板に施される表
面被覆は、その方法を問わない。即ち、すずめっき、ニ
ッケルめっき、特殊な下地処理後に極薄目付のすずめっ
きを行う方法、あるいは高分子有機フィルムを張りつけ
たものなど、容器用鋼板に用いられるいかなる表面被覆
であっても、本発明の作用効果は発揮される。また本発
明の効果は、多段絞り加工においても発揮される。
【0030】
【実施例】表1記載の成分を有する鋼を転炉で溶製し、
スラブを室温まで冷却した後、熱間圧延に先立って表2
記載のスラブ再加熱温度に加熱し、表2記載の、仕上温
度、冷却開始時間(仕上最終圧延終了後から冷却が開始
されるまでの時間)、および巻取り温度の条件で板厚
3.0mmまで熱間圧延した。その後酸洗し、0.25mm
に冷間圧延し、急速加熱焼鈍し、同表記載の2次冷間圧
延を施した鋼板にすずめっきを行った。このようにして
得られたすずめっき鋼板の溶接缶でのパネリング強度、
フランジ加工性および、DWI缶でのDWI成形性、イ
ヤリング性を表3に示す。
【0031】まず、溶接缶での評価方法について下記に
述べる。パネリング強度の評価は、実験室のワイヤーシ
ーム溶接機で缶胴を成形し、胴の両端にラバー性のライ
ナーを押しつけることによって一時的に密閉した後、真
空ポンプで缶内の空気を徐々に排出し、パネリング(外
圧による缶胴のへこみ)が生じた瞬間の外気圧と内圧の
差を測定することによって行った。本発明者らの実験室
でこのような測定法の場合、パネリング強度が2.20
kgf/cm2 以上を「合格」、2.20kgf/cm2 未満を「不
合格」とした。フランジ加工性の評価は、本発明者らの
実験室のフランジ成形機にてフランジ加工のシミュレー
ションを行った場合の破断発生までの加工率で行った。
本発明者らの実験室における測定法の場合、9.0%以
上が需要家において合格とされることがわかっているの
で、9.0%以上を「合格」、9.0%未満を「不合
格」とした。
【0032】次に、2ピース缶用鋼板の評価方法につい
て下記に述べる。DWI加工性の評価は、本発明者らの
実験室のDWI加工試験機を用いて、実際にこれらDW
I缶用鋼板の缶体を作り、缶胴部の破断等の成形不良や
成形後の外観不良がない場合「合格」とした。また上述
した不良がある場合、「不合格」と判定した。イヤリン
グ性の評価は、実験室の絞り加工機でカップ成形を行
い、イヤリングの山の平均高さと谷の平均高さの差を谷
の平均高さで除した値を百分率で表して求めた。本発明
者らの実験室の絞り加工機の場合、イヤリング率が3.
5%以下であれば、2ピース缶を製造する需要家におい
ても問題がないことがわかっているので、イヤリング率
3.5%以下を「合格」、3.5%超を「不合格」とし
た。これらの表において、本発明の請求範囲から外れた
数値は下線をつけて示してある。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】表1において鋼A,Bは本発明(1)の範
囲内の鋼である。鋼C,D,E,F,G,Hは本発明
(2)の範囲内の鋼であり、添加元素としてB,Nb,
Tiを用いている。鋼I,J,Kは本発明(1)の比較
例である。また鋼L,M,Nは本発明(2)の比較例
で、それぞれ、添加元素B,Nb,Tiが、範囲の下限
を外れている。
【0037】表2において、製品番号1〜4は本発明
(1)の実施例であり、製品番号5〜13は本発明
(2)の実施例である。何れもパネリング強度、フラン
ジ加工性、DWI加工性、イヤリング性に全て合格して
いる。特に、製品番号1,2,10では、2次冷間圧下
率が40%と非常に大きく、0.25mmを0.15mmま
で2次冷間圧延し、非常に薄くしているにもかかわら
ず、パネリング強度も確保でき、かつフランジ加工性、
DWI加工性、イヤリング性も全て合格している。
【0038】製品番号14〜16はC,Mn,P,S,
Al,Nのうち何れかが本発明の鋼の成分範囲の範囲を
外れたものである。何れの鋼もフランジ加工性、DWI
加工性、イヤリング性に合格しなかった。製品番号17
〜22はTi,Nb,Bを添加しない鋼において本発明
の製造条件を外れたものである。何れの鋼も表3に示す
ように合格しなかった。特に、製品番号17,18,2
0は焼鈍時の加熱焼鈍速度が従来の焼鈍速度と同等の2
0℃/Sと低く、本発明の焼鈍時の加熱焼鈍速度の下限値
100℃/Sを満足しなかったものであるが、イヤリング
性が不合格となり、本目的を達成することができなかっ
た。製品番号23〜25はTi,Nb,Bの量が本発明
の鋼の成分範囲を外れたものである。何れの鋼もフラン
ジ加工性、DWI加工性、イヤリング性に合格しなかっ
た。製品番号26〜30は本発明のTi,Nb,Bを添
加する鋼において製造条件を外れたものである。何れの
鋼も表3に示すように合格しなかった。特に、製品番号
26,27,30は焼鈍時の加熱焼鈍速度が従来の焼鈍
速度と同等の20℃/Sと低く、焼鈍時の加熱焼鈍速度の
下限値100℃/Sを満足しなかったものであるが、イヤ
リング性が不合格となり、本目的を達成することができ
なかった。
【0039】以上より、本発明鋼は板厚が薄手化されて
も、溶接用鋼板ではパネリング強度と優れたフランジ加
工性を両立させることができ、またDWI缶用鋼板にお
いても、DWI加工性と優れたイヤリング性を両立させ
ることができることがわかった。一方、本発明外の鋼や
製造法では、フランジ加工性不良、DWI加工不良、イ
ヤリング性不良の何れかが起きていることがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明は、従来の技術では製造できなか
った板厚が製缶業者の要求通りに薄く、なおかつフラン
ジ加工性の優れた溶接用鋼板およびイヤリング性・DW
I加工性の優れた2ピース缶用鋼板の製造方法を提供す
るものであり、その工業的価値は大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で C :0.0015%以下、 Mn:0.05〜0.40%、 P :0.06%以下、 S :0.06%以下、 sol Al:0.10%以下、 N :0.0060%以下、を含有し、残部が鉄および
    不純物からなる熱鋼片を850℃以上の温度で熱間圧延
    して後、冷却し、650〜750℃の温度で巻取り、酸
    洗し、冷間圧延し、100〜2000℃/Sの焼鈍速度
    で、650〜850℃に加熱し、その後室温まで冷却す
    る再結晶焼鈍を行い、次いで、50%以下の圧下率で2
    次冷間圧延を施すことを特徴とする板厚が0.25mm以
    下のフランジ加工性およびイヤリング性に優れた容器用
    極薄鋼板の製造法。
  2. 【請求項2】 重量%で C :0.0015%以下、 Mn:0.05〜0.40%、 P :0.06%以下、 S :0.06%以下、 sol Al:0.10%以下、 N :0.0060%以下、に加えて、 Ti:3.4×(N%−0.0010)%以上、0.0
    2%以下、 Nb:6.6×(N%−0.0010)%以上、0.0
    3%以下、 B :0.79×(N%−0.0010)%以上、0.
    0040%以下、のうち一種以上を含有し、残部が鉄お
    よび不純物からなる熱鋼片を850℃以上の温度で熱間
    圧延して後、冷却し、巻取り、冷間圧延し、100〜2
    000℃/Sの焼鈍速度で、650〜850℃に加熱し、
    その後室温まで冷却する再結晶焼鈍を行い、次いで、5
    0%以下の圧下率で2次冷間圧延を施すことを特徴とす
    る板厚0.25mm以下のフランジ加工性およびイヤリン
    グ性に優れた容器用極薄鋼板の製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996030555A1 (fr) * 1995-03-27 1996-10-03 Nippon Steel Corporation Tole laminee a froid, a teneur en carbone ultra-faible, et tole galvanisee, excellentes par leurs caracteristiques de fatigue, et procede de production
JP2016102234A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 Jfeスチール株式会社 王冠用鋼板およびその製造方法ならびに王冠

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1996030555A1 (fr) * 1995-03-27 1996-10-03 Nippon Steel Corporation Tole laminee a froid, a teneur en carbone ultra-faible, et tole galvanisee, excellentes par leurs caracteristiques de fatigue, et procede de production
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