JPH0762442A - 100配向鉄薄帯の製造方法 - Google Patents
100配向鉄薄帯の製造方法Info
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- JPH0762442A JPH0762442A JP5211760A JP21176093A JPH0762442A JP H0762442 A JPH0762442 A JP H0762442A JP 5211760 A JP5211760 A JP 5211760A JP 21176093 A JP21176093 A JP 21176093A JP H0762442 A JPH0762442 A JP H0762442A
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- Japan
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- sheet
- atmosphere
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、高磁束密度かつ低鉄損の磁性材料
である(100)配向鉄薄帯の製造方法を提供すること
を目的とする。 【構成】 鉄薄帯の結晶粒の(100)面を薄帯面に平
行に揃えることにより、高磁束密度かつ低鉄損の材料を
得ることができる。本発明は、冷間圧延を施した薄帯を
窒素と水素の混合雰囲気で再結晶させることを特徴とす
る。本発明により得られた(100)配向鉄薄帯は、磁
束密度B20が1.7T以上、鉄損W15/50 が2.0W/
kg以下と優れた磁気特性を持つ。
である(100)配向鉄薄帯の製造方法を提供すること
を目的とする。 【構成】 鉄薄帯の結晶粒の(100)面を薄帯面に平
行に揃えることにより、高磁束密度かつ低鉄損の材料を
得ることができる。本発明は、冷間圧延を施した薄帯を
窒素と水素の混合雰囲気で再結晶させることを特徴とす
る。本発明により得られた(100)配向鉄薄帯は、磁
束密度B20が1.7T以上、鉄損W15/50 が2.0W/
kg以下と優れた磁気特性を持つ。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器を小型化また
は高機能化する上で必要である高磁束密度材料の製造方
法に関するものである。
は高機能化する上で必要である高磁束密度材料の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】純鉄は2.16Tという高い飽和磁束密
度を有する磁性材料であるが、鉄損が大きいため磁心材
料としてはほとんど用いられていない。今日の実用電磁
材料としては、FeにSiを添加したFe−Si合金
(珪素鋼)が多く用いられている。Siを添加すると、
鉄損は小さくなるが、同時に磁束密度が低下する。磁束
密度B20(磁場20 Oe での磁束密度B)は、現在商
品化されている無方向性の珪素鋼板で1.5〜1.6T
というのが現状である。
度を有する磁性材料であるが、鉄損が大きいため磁心材
料としてはほとんど用いられていない。今日の実用電磁
材料としては、FeにSiを添加したFe−Si合金
(珪素鋼)が多く用いられている。Siを添加すると、
鉄損は小さくなるが、同時に磁束密度が低下する。磁束
密度B20(磁場20 Oe での磁束密度B)は、現在商
品化されている無方向性の珪素鋼板で1.5〜1.6T
というのが現状である。
【0003】高い磁束密度を得るのに理想的な無方向性
珪素鋼板の板面方位は(100)である。板面が(10
0)であれば、鉄損も低くなることが知られている(例
えば、K. Matsumoto and B. Fukuda, IEEE Trans. Mag.
MAG-20, 1533(1984))。またFe−3wt%Siの合金で
は、酸素を含む雰囲気で高温で再結晶させることによ
り、(100)配向が得られることが報告されている
(J. Walter, J. Appl. Phys. 36, 1213(1965))。しか
し、この方法は、雰囲気の制御が困難であるため、実用
的ではない。同じく珪素鋼板で、過剰にCを含有せしめ
た鋼板を特定条件で脱炭させることにより(100)配
向が得られることが知られている(特開平4−2026
44号公報)。脱炭には非常に大きなエネルギーを必要
とすることを考慮すると、これも工業的には不利であ
る。また、超急冷法を用いて薄板を作製し、その後、H
2 ガスとArガスの混合ガスを用いて焼鈍することによ
り、(100)配向を得る方法が報告されている(特開
昭61−91330号公報)。しかし、この方法は材料
を得るのに超急冷法を用いるので、量産的ではない。
珪素鋼板の板面方位は(100)である。板面が(10
0)であれば、鉄損も低くなることが知られている(例
えば、K. Matsumoto and B. Fukuda, IEEE Trans. Mag.
MAG-20, 1533(1984))。またFe−3wt%Siの合金で
は、酸素を含む雰囲気で高温で再結晶させることによ
り、(100)配向が得られることが報告されている
(J. Walter, J. Appl. Phys. 36, 1213(1965))。しか
し、この方法は、雰囲気の制御が困難であるため、実用
的ではない。同じく珪素鋼板で、過剰にCを含有せしめ
た鋼板を特定条件で脱炭させることにより(100)配
向が得られることが知られている(特開平4−2026
44号公報)。脱炭には非常に大きなエネルギーを必要
とすることを考慮すると、これも工業的には不利であ
る。また、超急冷法を用いて薄板を作製し、その後、H
2 ガスとArガスの混合ガスを用いて焼鈍することによ
り、(100)配向を得る方法が報告されている(特開
昭61−91330号公報)。しかし、この方法は材料
を得るのに超急冷法を用いるので、量産的ではない。
【0004】以上のように、Fe−Si合金において
は、(100)配向を得るのに、種々の方法が試されて
きたが、いまだ実用的な方法が確立されたとは言えな
い。一方、Siを含まない純鉄においてはFe−Si合
金と異なる結晶配向制御が必要と考えられるが、それに
ついての提案はない。
は、(100)配向を得るのに、種々の方法が試されて
きたが、いまだ実用的な方法が確立されたとは言えな
い。一方、Siを含まない純鉄においてはFe−Si合
金と異なる結晶配向制御が必要と考えられるが、それに
ついての提案はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、磁束密度が
高く、交流磁場下での鉄損が低い材料である(100)
配向鉄薄帯を、制御の容易な製造方法で提供することを
目的とする。
高く、交流磁場下での鉄損が低い材料である(100)
配向鉄薄帯を、制御の容易な製造方法で提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、薄
帯を構成する結晶粒がその(100)面を薄帯の板面に
平行に持つような鉄薄帯((100)配向鉄薄帯)を製
造する方法であり、不可避的不純物を除いて、Feのみ
からなる鋼帯に冷間圧延を施して、厚さ5μm以上、5
00μm以下の薄帯となし、γ/α変態点以下の温度
で、0.1容量%以上、50容量%以下のH2 を含むN
2 とH2 の混合雰囲気にて、該薄帯を再結晶させること
を特徴とする。また、N2 とH2 の混合雰囲気のH2 濃
度が0.1容量%以上、20容量%以下であれば、より
(100)配向の強い鉄薄帯を得ることができる。
帯を構成する結晶粒がその(100)面を薄帯の板面に
平行に持つような鉄薄帯((100)配向鉄薄帯)を製
造する方法であり、不可避的不純物を除いて、Feのみ
からなる鋼帯に冷間圧延を施して、厚さ5μm以上、5
00μm以下の薄帯となし、γ/α変態点以下の温度
で、0.1容量%以上、50容量%以下のH2 を含むN
2 とH2 の混合雰囲気にて、該薄帯を再結晶させること
を特徴とする。また、N2 とH2 の混合雰囲気のH2 濃
度が0.1容量%以上、20容量%以下であれば、より
(100)配向の強い鉄薄帯を得ることができる。
【0007】
【作用】本発明は、表面エネルギー制御による二次再結
晶を用いた結晶配向制御を基本思想としている。圧延に
より変形された薄帯を焼鈍すると、再結晶が起こる。そ
の過程のうち、新しい結晶核が生まれ、それが全体を覆
うまでが一次再結晶である。再結晶粒のうち、特定の方
位の粒が、他の方位の粒を蚕食して、優先的に成長して
いく過程が二次再結晶である。二次再結晶過程におい
て、結晶粒の表面エネルギーの差が駆動力となる場合、
最も低い表面エネルギーを持つ結晶粒が優先成長する。
これにより、強い結晶配向が起こる。
晶を用いた結晶配向制御を基本思想としている。圧延に
より変形された薄帯を焼鈍すると、再結晶が起こる。そ
の過程のうち、新しい結晶核が生まれ、それが全体を覆
うまでが一次再結晶である。再結晶粒のうち、特定の方
位の粒が、他の方位の粒を蚕食して、優先的に成長して
いく過程が二次再結晶である。二次再結晶過程におい
て、結晶粒の表面エネルギーの差が駆動力となる場合、
最も低い表面エネルギーを持つ結晶粒が優先成長する。
これにより、強い結晶配向が起こる。
【0008】酸素は珪素鋼板の(100)面に吸着して
その表面エネルギーを低下させ、(100)粒の優先成
長を促すと報告されている(J. L. Walter, J. Appl. Ph
ys,36, 1213(1965))。しかし、酸素は薄帯表面に酸化
物を生成しやすく、その酸化物が粒界をピン止めするた
め、(100)配向薄帯を得るには、濃度制御を厳密に
行う必要があり、実用化は困難であった。
その表面エネルギーを低下させ、(100)粒の優先成
長を促すと報告されている(J. L. Walter, J. Appl. Ph
ys,36, 1213(1965))。しかし、酸素は薄帯表面に酸化
物を生成しやすく、その酸化物が粒界をピン止めするた
め、(100)配向薄帯を得るには、濃度制御を厳密に
行う必要があり、実用化は困難であった。
【0009】そこで、本発明者は(100)面に吸着し
表面エネルギーを低下させる元素ということと化合物を
生成しにくいことから、窒素に注目し、鋭意検討を行っ
た。その結果、窒素に(100)配向を促進する効果が
あることを見いだした。すなわち、窒素の効果により、
二次再結晶過程で(100)粒(薄帯の板面に平行に
(100)面を持つ結晶粒)が優先的に成長する。さら
に、窒素ガス中に数ppmの残留酸素が混入するとこの窒
素の効果は損なわれることを見いだした。鉄鋼製造プロ
セスにおいて、数ppm のO2 (またはH2 O)がN2 雰
囲気に混入することは避けがたく、これを解決する必要
がある。そこで、ガス中の残留酸素を無害化する水素を
少量添加するのが有効であることを着想し、N2 とH2
の混合雰囲気を検討した。その結果、H2 濃度の特定範
囲でのみ、充分な(100)配向が得られることを見い
だした。このような方法で得られた(100)配向鉄薄
帯の磁気特性が優れていることを確認し、発明を完成す
るに至ったのである。
表面エネルギーを低下させる元素ということと化合物を
生成しにくいことから、窒素に注目し、鋭意検討を行っ
た。その結果、窒素に(100)配向を促進する効果が
あることを見いだした。すなわち、窒素の効果により、
二次再結晶過程で(100)粒(薄帯の板面に平行に
(100)面を持つ結晶粒)が優先的に成長する。さら
に、窒素ガス中に数ppmの残留酸素が混入するとこの窒
素の効果は損なわれることを見いだした。鉄鋼製造プロ
セスにおいて、数ppm のO2 (またはH2 O)がN2 雰
囲気に混入することは避けがたく、これを解決する必要
がある。そこで、ガス中の残留酸素を無害化する水素を
少量添加するのが有効であることを着想し、N2 とH2
の混合雰囲気を検討した。その結果、H2 濃度の特定範
囲でのみ、充分な(100)配向が得られることを見い
だした。このような方法で得られた(100)配向鉄薄
帯の磁気特性が優れていることを確認し、発明を完成す
るに至ったのである。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。原料の純
鉄としては、純度99.9%以上のものが望ましい。こ
れは、電解鉄もしくは転炉などで精錬された工業用純鉄
として入手可能である。製法によって純鉄の不純物量は
多少異なるが、C,P,S,Si,Mn,Al,Oの含
有量は、それぞれ重量ppm で50ppm 以下である。この
ような純鉄のインゴットを作製し、熱間圧延により厚さ
1〜10mmの熱延鋼帯とする。ついで、冷間圧延を行
い、所望の厚さの冷延薄帯となす。ここで、再結晶によ
り充分な量の(100)結晶粒を得るためには、50%
以上の冷間圧延を施すのが望ましい。本発明では、薄帯
の厚さを5μm以上、500μm以下に限定する。なぜ
なら、5μm未満の薄帯は圧延によっては得難く、50
0μm超の薄帯では、本発明によっても充分な量の(1
00)結晶粒を得ることができないからである。
鉄としては、純度99.9%以上のものが望ましい。こ
れは、電解鉄もしくは転炉などで精錬された工業用純鉄
として入手可能である。製法によって純鉄の不純物量は
多少異なるが、C,P,S,Si,Mn,Al,Oの含
有量は、それぞれ重量ppm で50ppm 以下である。この
ような純鉄のインゴットを作製し、熱間圧延により厚さ
1〜10mmの熱延鋼帯とする。ついで、冷間圧延を行
い、所望の厚さの冷延薄帯となす。ここで、再結晶によ
り充分な量の(100)結晶粒を得るためには、50%
以上の冷間圧延を施すのが望ましい。本発明では、薄帯
の厚さを5μm以上、500μm以下に限定する。なぜ
なら、5μm未満の薄帯は圧延によっては得難く、50
0μm超の薄帯では、本発明によっても充分な量の(1
00)結晶粒を得ることができないからである。
【0011】冷延薄帯の再結晶はN2 とH2 の混合雰囲
気中で行う。H2 の役割としては、二次再結晶を阻止す
る酸化物を生成しないように残留酸素を無害化すること
にあるから、H2 濃度としては、0.1容量%以上であ
れば有効である。また、H2濃度が増加すると、N2 の
効果を減少させる。H2 濃度が50容量%超であると、
(100)結晶粒の割合が70%以下となり、B20が無
方向性珪素鋼板と同レベルの1.6T程度にしかならな
い。さらにH2 濃度を、0.1容量%以上、20容量%
以下にすることにより、(100)結晶粒の割合が90
%以上となり、B20で1.7T以上の高磁束密度を得る
ことができる。
気中で行う。H2 の役割としては、二次再結晶を阻止す
る酸化物を生成しないように残留酸素を無害化すること
にあるから、H2 濃度としては、0.1容量%以上であ
れば有効である。また、H2濃度が増加すると、N2 の
効果を減少させる。H2 濃度が50容量%超であると、
(100)結晶粒の割合が70%以下となり、B20が無
方向性珪素鋼板と同レベルの1.6T程度にしかならな
い。さらにH2 濃度を、0.1容量%以上、20容量%
以下にすることにより、(100)結晶粒の割合が90
%以上となり、B20で1.7T以上の高磁束密度を得る
ことができる。
【0012】再結晶させる温度であるが、γ/α変態点
(910℃)以下の温度とする。変態点以上の温度では
原子配列が異なるので、薄帯の配向は全く異なる様子と
なるためである。再結晶の速度を速めるために、800
〜900℃の温度範囲が最も好適である。充分に(10
0)結晶粒を成長させるための焼鈍時間は、1〜100
時間が必要である。なお、焼鈍時の昇温速度と降温速度
は特に限定しないが、ともに1〜100℃/分が好適で
ある。
(910℃)以下の温度とする。変態点以上の温度では
原子配列が異なるので、薄帯の配向は全く異なる様子と
なるためである。再結晶の速度を速めるために、800
〜900℃の温度範囲が最も好適である。充分に(10
0)結晶粒を成長させるための焼鈍時間は、1〜100
時間が必要である。なお、焼鈍時の昇温速度と降温速度
は特に限定しないが、ともに1〜100℃/分が好適で
ある。
【0013】
〔実施例1〕真空溶解により純鉄のインゴットを作製し
た。表1にその不純物分析結果(ppm)を示す。そのイン
ゴットを1200℃に加熱後、熱間圧延を施し、厚さ3
mmの熱延板とした。熱延板の酸化層を除去後に冷間圧延
を施し、厚さ50μmの薄帯を得た。
た。表1にその不純物分析結果(ppm)を示す。そのイン
ゴットを1200℃に加熱後、熱間圧延を施し、厚さ3
mmの熱延板とした。熱延板の酸化層を除去後に冷間圧延
を施し、厚さ50μmの薄帯を得た。
【0014】
【表1】
【0015】薄帯にN2 とH2 の混合雰囲気で焼鈍を施
した。雰囲気組成は75%N2 +25%H2 であり、焼
鈍温度は850℃、焼鈍時間は2時間とした。この時の
昇温速度は20℃/分、降温速度は100℃/分とし
た。比較例として、雰囲気を純H2 、ArとH2 の混合
雰囲気(75%Ar+25%H2 )とした焼鈍も行っ
た。X線回折(θ−2θ法)による薄帯の板面方位を求
めた。図1に薄帯の板面に平行な結晶面から生じた回折
線の強度プロファイルを示す。N2 とH2 の混合雰囲気
中での焼鈍(c)では、200反射強度が強く、強い
(100)配向を示している。それに対し、比較例であ
る純H2 中での焼鈍後(a)では、(100)と(21
1)の混合方位であり、配向していないことを示してい
る。ArとH2の混合雰囲気中(b)では(100)配
向が主となっているが、弱い配向である。このことよ
り、強い(100)配向Fe薄帯を得るのに、N2 とH
2 の混合雰囲気が必要であることが分かる。
した。雰囲気組成は75%N2 +25%H2 であり、焼
鈍温度は850℃、焼鈍時間は2時間とした。この時の
昇温速度は20℃/分、降温速度は100℃/分とし
た。比較例として、雰囲気を純H2 、ArとH2 の混合
雰囲気(75%Ar+25%H2 )とした焼鈍も行っ
た。X線回折(θ−2θ法)による薄帯の板面方位を求
めた。図1に薄帯の板面に平行な結晶面から生じた回折
線の強度プロファイルを示す。N2 とH2 の混合雰囲気
中での焼鈍(c)では、200反射強度が強く、強い
(100)配向を示している。それに対し、比較例であ
る純H2 中での焼鈍後(a)では、(100)と(21
1)の混合方位であり、配向していないことを示してい
る。ArとH2の混合雰囲気中(b)では(100)配
向が主となっているが、弱い配向である。このことよ
り、強い(100)配向Fe薄帯を得るのに、N2 とH
2 の混合雰囲気が必要であることが分かる。
【0016】〔実施例2〕雰囲気を95%N2 +5%H
2 として実施例1と同じ熱処理をした薄帯(本発明材)
と、酸素を5ppm 含むN2 雰囲気中で熱処理した薄帯
(比較材)を得た。本発明材は、二次再結晶により、強
い(100)配向を示した。しかし、比較材は、微量の
酸素のために表面が酸化され、二次再結晶が起こらず
に、配向が(110),(200),(211)の混合
となっていた。表2に磁束密度B20(磁場20 Oe で
の磁束密度B)とW15/50 (B=1.5T,f=50Hz
の時の鉄損W)を示すが、本発明材が優れた値を持つこ
とが明らかである。なお、示した値は、全方向に測定し
た値の平均値である。
2 として実施例1と同じ熱処理をした薄帯(本発明材)
と、酸素を5ppm 含むN2 雰囲気中で熱処理した薄帯
(比較材)を得た。本発明材は、二次再結晶により、強
い(100)配向を示した。しかし、比較材は、微量の
酸素のために表面が酸化され、二次再結晶が起こらず
に、配向が(110),(200),(211)の混合
となっていた。表2に磁束密度B20(磁場20 Oe で
の磁束密度B)とW15/50 (B=1.5T,f=50Hz
の時の鉄損W)を示すが、本発明材が優れた値を持つこ
とが明らかである。なお、示した値は、全方向に測定し
た値の平均値である。
【0017】
【表2】
【0018】〔実施例3〕種々のN2 濃度のN2 とH2
の混合雰囲気で厚さ50μmの純鉄薄帯に焼鈍を施し
た。焼鈍温度、焼鈍時間、昇温速度、降温速度は、実施
例1と同じである。図2にX線回折の結果より算出した
(100)結晶粒の割合を示す。N2 量が多いほど(1
00)結晶粒が多くなっていることが分かる。
の混合雰囲気で厚さ50μmの純鉄薄帯に焼鈍を施し
た。焼鈍温度、焼鈍時間、昇温速度、降温速度は、実施
例1と同じである。図2にX線回折の結果より算出した
(100)結晶粒の割合を示す。N2 量が多いほど(1
00)結晶粒が多くなっていることが分かる。
【0019】
【発明の効果】本発明は、制御の容易なN2 とH2 の混
合雰囲気を用いるので、鉄鋼製造プロセスが適用可能で
ある。したがって、本発明は、高磁束密度で低鉄損の
(100)配向鉄薄帯の実用的な製造方法であり、工業
上のメリットが高い。
合雰囲気を用いるので、鉄鋼製造プロセスが適用可能で
ある。したがって、本発明は、高磁束密度で低鉄損の
(100)配向鉄薄帯の実用的な製造方法であり、工業
上のメリットが高い。
【図1】焼鈍雰囲気による配向の違いを示すX線回折の
結果を示すもので(a)図は純H2 雰囲気で処理した比
較材、(b)図は75%Ar+25%H2 雰囲気で処理
した比較材、(c)図は75%N2 +25%H2 雰囲気
で処理した本発明材である。
結果を示すもので(a)図は純H2 雰囲気で処理した比
較材、(b)図は75%Ar+25%H2 雰囲気で処理
した比較材、(c)図は75%N2 +25%H2 雰囲気
で処理した本発明材である。
【図2】N2 濃度に対する(100)結晶粒の割合を示
す図である。
す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 不可避的不純物を除いて、Feのみから
なる鋼帯に、冷間圧延を施して、5μm以上、500μ
m以下の薄帯となし、γ/α変態点以下の温度で、0.
1容量%以上、50容量%以下のH2 を含むN2 とH2
の混合雰囲気にて、該薄帯を再結晶させることを特徴と
する(100)配向鉄薄帯の製造方法。 - 【請求項2】 N2 とH2 の混合雰囲気のH2 濃度を
0.1容量%以上、20容量%以下とする請求項1記載
の(100)配向鉄薄帯の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5211760A JPH0762442A (ja) | 1993-08-26 | 1993-08-26 | 100配向鉄薄帯の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5211760A JPH0762442A (ja) | 1993-08-26 | 1993-08-26 | 100配向鉄薄帯の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0762442A true JPH0762442A (ja) | 1995-03-07 |
Family
ID=16611129
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5211760A Withdrawn JPH0762442A (ja) | 1993-08-26 | 1993-08-26 | 100配向鉄薄帯の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0762442A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1362991A2 (en) | 2002-05-15 | 2003-11-19 | Isuzu Motors Limited | Valve driving device of an internal combustion engine |
JP2016153521A (ja) * | 2015-02-20 | 2016-08-25 | 公立大学法人兵庫県立大学 | 鉄板およびその製造方法 |
-
1993
- 1993-08-26 JP JP5211760A patent/JPH0762442A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1362991A2 (en) | 2002-05-15 | 2003-11-19 | Isuzu Motors Limited | Valve driving device of an internal combustion engine |
JP2016153521A (ja) * | 2015-02-20 | 2016-08-25 | 公立大学法人兵庫県立大学 | 鉄板およびその製造方法 |
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