JPH0762192B2 - 潤滑性に優れたCu基耐摩耗合金 - Google Patents

潤滑性に優れたCu基耐摩耗合金

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JPH0762192B2
JPH0762192B2 JP2965288A JP2965288A JPH0762192B2 JP H0762192 B2 JPH0762192 B2 JP H0762192B2 JP 2965288 A JP2965288 A JP 2965288A JP 2965288 A JP2965288 A JP 2965288A JP H0762192 B2 JPH0762192 B2 JP H0762192B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明はすべり軸受面を構成するための軸受合金に最
適な潤滑性に優れたCu基の耐摩耗合金に関するものであ
る。
従来の技術 従来、すべり軸受面を構成するための軸受合金として
は、ホワイトメタルや、一般にケルメットと称される銅
鉛合金(Cu−Pb系合金)、さらにはスズ青銅などが使用
されている。これらのうちCu−Pb系合金は軟質なPb相と
硬質なCu相とが非固溶状態で混在したものであって、硬
質なCuが荷重を支持する一方、軟質なPbが窪んで油溜り
を形成するとともに固体潤滑剤としても機能するもので
あり、このようなCu−Pb系軸受合金は耐焼付性が優れる
とともに、ホワイトメタル等と比較すれば耐荷重性が大
きいため、高速高荷重軸受に適している。但し、このよ
うな従来のCu−Pb系軸受合金は、ホワイトメタル等と比
較すれば耐荷重性が高いとは言えども、それ自体の強度
が未だ充分ではないことから、高速高荷重軸受としてこ
の種の合金を使用する場合には、鋼製の裏金(バックメ
タル)に接着させた状態の軸受、すなわちバイメタル軸
受として使用するのが一般的である(Cu−Pb系軸受合金
の従来の一般的な解説としては、「金属工学シリーズ1
改訂 構成金属材料とその熱処理」(社団法人日本金属
学会発行)第40頁〜第41頁参照)。
発明が解決すべき問題点 前述のように従来のCu−Pb系軸受合金等においては、そ
れ自体の強度が低いため鋼製のバックメタルに接着して
軸受として用いるのが一般的であるが、この場合摺動部
の形状が複雑な軸受には適用困難となる問題がある。ま
たこの場合、軸受支持部(ワーク)と軸受部(メタル)
とを個別に作成しておかなければならないため、ワーク
にも高い加工精度が要求され、そのため特に硬質なワー
クを用いる場合は加工コストが高くなる問題がある。さ
らに従来のCu−Pb系軸受合金は耐摩耗性が未だ充分とは
言えず、そのため耐久性が不充分であるとともに、耐熱
性も充分とは言えないのが実情であった。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、軸
受支持部(ワーク)等の基材上に直接溶着(肉盛)する
ことが可能であって、しかも強度、耐摩耗性、耐熱性が
優れ、なおかつ軸受合金に必要な優れた潤滑性を有する
Cu基の合金を提供することを目的とするものである。
問題点を解決するための手段 この発明の潤滑性に優れたCu基耐摩耗合金は、Ni5〜30w
t%、B0.1〜5wt%、Si1〜8wt%、Pb20〜40wt%、残部Cu
および不可避的不純物よりなり、Niが固溶したα−Cuか
らなるα相デンドライトの間をNiの硼化物および珪化物
が埋めておりしかも非固溶Pb粒子が均一に分散した組織
を有することを特徴とするものである。
作用 この発明のCu基合金は、金属基材上にレーザやTIGアー
ク、プラズマアーク、電子ビームなどの高密度加熱エネ
ルギを用いて溶着(肉盛)することにより容易に形成さ
れるものであり、その合金自体の強度が高いことから、
軸受に使用する場合にも鋼製のバックメタルを用いるこ
となく、直接ワークに溶着して使用することができるも
のである。またこの発明のCu基合金の組織は、Niが固溶
したα−Cuからなるα相のデンドライトの間をNiの硼化
物、珪化物が埋めており、そのα相デンドライトとNiの
硼化物、珪化物からなるマトリックス(以下これをCu−
Niマトリックスと記す)中にほぼ球形に近い形状のPb粒
子が均一に分散した状態となっている。このような組織
においては、α相自体がNiの固溶によって強化されると
ともに、α相デンドライトの間を埋めている硬質なNiの
硼化物、珪化物によってさらに強化されて、Cu−Niマト
リックスが高強度と優れた耐摩耗性を示して、荷重を支
持する役割を果たし、また均一に分散しているPb粒子は
軟質で剪断強さが低いところから、摺動時にPb粒子の部
分が窪んで油溜りを形成するとともに固体潤滑作用を果
たし、したがってこのような組織により全体として高強
度で耐摩耗性が優れしかも耐熱性に優れた合金となって
いる。なおこの合金は、マトリックスの部分の硬さはHv
130〜350程度、全体の平均硬さはHv100〜250程度であ
る。
以下にこの発明の合金における成分限定理由を説明す
る。
Ni: Niはα−Cuに固溶するとともに硬質なNiの硼化物、珪化
物を形成し、これらによりCu−Niマトリックスを強化す
る役割を果たす。Niが5%未満ではマトリックスを強化
する効果が充分に得られず、一方30%を越えれば溶着の
際に割れの発生頻度が著しく高くなるから、5〜30%の
範囲内に限定した。
B,Si: これらはいずれも材料に自溶性を与えて溶着性を良好に
する役割を果たすとともに、Niの硼化物、珪化物を生成
してマトリックスを強化し、材料の強度、耐摩耗性を向
上させるに有効な元素である。B0.1%未満、Si1%未満
ではこれらの効果が充分に得られず、一方B5%、Si8%
を越えれば溶着の際に割れが発生し易くなる。したがっ
てBは0.1〜5%、Siは1〜8%の範囲内とした。
Pb: Pbは非固溶Pb粒子として分散晶出して潤滑性を高めるに
重要な元素である。Pbが20%未満では潤滑性を高める効
果が少なく、一方40%を越えれば溶着性、特に基材との
濡れ性を害してしまうから、20〜40%の範囲内とした。
なお上記各元素のほかは、Cuおよびその他の不可避的不
純物とすれば良い。
実 施 例 [実施例1] レーザ肉盛法によって基材上に溶着させたこの発明の合
金材料としてのCu−20%Ni−2%Si−1%B−25%Pb合
金の組織を第1図に示す。第1図において灰色で点在し
ている粒子がPb粒子であり、白色部分はCu−Niマトリッ
クスである。この溶着合金は、マトリックスの硬さはHv
180〜210、平均硬さHv130〜180であった。なおこの合金
では、Si量、B量が多いため自溶性が高く、Al合金から
なる基材上にも容易に溶着させ得ることが確認されてお
り、以下の実施例2、実施例3の場合も全く同様であ
る。なおまた、このときのレーザ肉盛の条件は次の通り
である。なお、以下に示すビームオシレート周波数は、
合金の溶融プールを撹拌するために、レーザビームの照
射点を、溶着の進行方向に対して直交する方向に往復動
させる周波数である。
レーザ出力:3.6kw ビーム径:2.5mm ビームオシレート周波数:150Hz 処理速度:600mm/min [実施例2] Cu−28%Ni−8%Si−2%B−20%Pbなる成分組成の合
金をレーザ肉盛によって基材上に溶着させた。その溶着
合金は、実施例1の場合と同様にCu−Niマトリックス中
にPb粒子が均一に分散していることが確認された。また
この合金は、マトリックスの硬さがHv300〜320と高く、
平均でもHv240の硬さを示した。なお、このときのレー
ザ肉盛条件は次の通りである。
レーザ出力:4.5kw ビーム径:3.0mm ビームオシレート周波数:200Hz 処理速度:900mm/min [実施例3] Cu−10%Ni−1%Si−5%B−35%Pbなる成分組成の合
金をレーザ肉盛法によって基材上に溶着させた。その溶
着合金は、実施例1の場合と同様にCu−Niマトリックス
中にPb粒子が均一に分散していることが確認された。ま
たこの合金は、マトリックスの分部の硬さがHv140、平
均でHv115であった。なおこの場合のレーザ肉盛条件は
次の通りである。
レーザ出力:4.0kw ビーム径:3.0mm ビームオシレート周波数:350Hz 処理速度:900mm/min [性能評価] 以上の各実施例1〜3の各溶着合金について、次のよう
にして摩耗試験を行なった。すなわち溶着合金属表面に
SUJ焼入材からなるロータの外周面を荷重3kgで押し付け
つつ、ローターをすべり速度(周速)0.3m/sで回転させ
る摩耗試験をすべり距離200mまで行ない、試験後の溶着
合金(軸受材)およびロータの摩耗量を摩耗痕面積で調
べた。その結果を第2図に示す。なお比較のため、従来
のケルメット合金(Cu−30%Pb合金)についても同様な
摩耗試験を行なった。
第2図の上段に示すように、この発明の各実施例1〜3
の合金(軸受材)は、いずれも従来のケルメット合金よ
り摩耗量が少なく、耐摩耗性が優れていることが明らか
である。なお相手材であるロータの摩耗、すなわち相手
攻撃性については、実施例2の場合にやや大きい値を示
したが、この実施例2の合金は後に改めて示すように他
の実施例の合金よりも高強度でかつ高温での強度も高い
ため、高荷重でかつ耐熱性も必要な場合の軸受に適して
いる。また従来のケルメット合金の場合には摩耗試験に
おいてCuの部分の凝着が生じたが、この発明の各実施例
1〜3の合金の場合には、マトリックス部分の硬さが比
較的高いため、凝着は生じなかった。
さらに上記各実施例1〜3の合金について、大気雰囲気
において50〜200℃の種々の温度で引張強さを調べた結
果を第3図に示す。なおこのときの引張試験片は、第4
図に示すような形状寸法を有する丸棒状試験片であっ
て、Al合金(JIS AC2C)製の基材1の中央部外周に溝部
1aを形成して、その溝部1aに各実施例の合金2をそれぞ
れ前記同様なレーザ肉盛条件によって溶着したものであ
る。
第3図から明らかなように、この発明の各実施例の合金
の場合は、50℃から200℃の高温まで従来のケルメット
合金(Cu−30%Pb合金)よりも高い強度を示し、特に実
施例2の合金では著しい高強度を示した。
この発明のCu基合金の性能を確認するために行なった実
施例および比較例をさらに示す。
[実施例4] Cu−25%Ni−3%Si−0.5%B−40%Pbなる成分組成の
合金をレーザ肉盛法によって基材上に溶着させた。その
溶着合金は、実施例1の場合と同様にCu−Niマトリック
ス中にPb粒子が均一に分散していることが確認された。
またこの合金は、マトリックスの部分の硬さがHv250、
平均でHv120であった。なおこの場合のレーザ肉盛条件
は次の通りである。
レーザ出力:4.5kw(CO2レーザ) ビーム径:φ2.5mm ビームオシレート周波数:180Hz 処理速度:800mm/min [実施例5] Cu−15%Ni−4%Si−2%B−28%Pbなる成分組成の合
金をレーザ肉盛法によって基材上に溶着させた。その溶
着合金は、実施例1の場合と同様にCu−Niマトリックス
中にPb粒子が均一に分散していることが確認された。ま
たこの合金は、マトリックスの部分の硬さがHv210、平
均でHv140であった。なおこの場合のレーザ肉盛条件は
次の通りである。
レーザ出力:4.5kw ビーム径:φ2.5mm ビームオシレート周波数:180Hz 処理速度:800mm/min [実施例6] Cu−25%Ni−1%Si−1%B−22%Pbなる成分組成の合
金をレーザ肉盛法によって基材上に溶着させた。その溶
着合金は、実施例1の場合と同様にCu−Niマトリックス
中にPb粒子が均一に分散していることが確認された。ま
たこの合金は、マトリックスの部分の硬さがHv220、平
均でHv130であった。なおこの場合のレーザ肉盛条件は
次の通りである。
レーザ出力:4.5kw ビーム径:φ2.5mm ビームオシレート周波数:180Hz 処理速度:800mm/min [実施例7] Cu−30%Ni−3%Si−3%B−25%Pbなる成分組成の合
金をレーザ肉盛法によって基材上に溶着させた。その溶
着合金は、実施例1の場合と同様にCu−Niマトリックス
中にPb粒子が均一に分散していることが確認された。ま
たこの合金は、マトリックスの部分の硬さがHv270、平
均でHv170であった。なおこの場合のレーザ肉盛条件は
次の通りである。
レーザ出力:4.5kw ビーム径:φ2.5mm ビームオシレート周波数:180Hz 処理速度:800mm/min [実施例8] Cu−21%Ni−3%Si−1.5%B−20.3%Pbなる成分組成
の合金をレーザ肉盛法によって基材上に溶着させた。そ
の溶着合金は、実施例1の場合と同様にCu−Niマトリッ
クス中にPb粒子が均一に分散していることが確認され
た。またこの合金は、マトリックスの部分の硬さがHv24
0、平均でHv150であった。なおこの場合のレーザ肉盛条
件は次の通りである。
レーザ出力:4.5kw ビーム径:φ2.5mm ビームオシレート周波数:180Hz 処理速度:800mm/min [実施例9] Cu−20%Ni−3.1%Si−1.5%B−30.5%Pbなる成分組成
の合金をレーザ肉盛法によって基材上に溶着させた。そ
の溶着合金は、実施例1の場合と同様にCu−Niマトリッ
クス中にPb粒子が均一に分散していることが確認され
た。またこの合金は、マトリックスの部分の硬さがHv24
0、平均でHv135であった。なおこの場合のレーザ肉盛条
件は次の通りである。
レーザ出力:4.5kw ビーム径:φ2.5mm ビームオシレート周波数:180Hz 処理速度:800mm/min [実施例10] Cu−19%Ni−2.9%Si−1.6%B−40%Pbなる成分組成の
合金をレーザ肉盛法によって基材上に溶着させた。その
溶着合金は、実施例1の場合と同様にCu−Niマトリック
ス中にPb粒子が均一に分散していることが確認された。
またこの合金は、マトリックスの部分の硬さがHv215、
平均でHv110であった。なおこの場合のレーザ肉盛条件
は次の通りである。
レーザ出力:4.5kw ビーム径:φ2.5mm ビームオシレート周波数:180Hz 処理速度:800mm/min [比較例1] Cu−20%Ni−3%Si−1.5%Bなる成分組成の合金をレ
ーザ肉盛法によって基材上に溶着させた。この場合のレ
ーザ肉盛条件は次の通りである。
レーザ出力:4.5kw ビーム径:φ2.5mm ビームオシレート周波数:180Hz 処理速度:800mm/min [比較例2] Cu−25%Ni−4%Si−2%B−10%Pbなる成分組成の合
金をレーザ肉盛法によって基材上に溶着させた。この場
合のレーザ肉盛条件は次の通りである。
レーザ出力:4.5kw ビーム径:φ2.5mm ビームオシレート周波数:180Hz 処理速度:800mm/min [比較例3] Cu−20%Ni−3.1%Si−1.4%B−10.2%Pbなる成分組成
の合金をレーザ肉盛法によって基材上に溶着させた。こ
の場合のレーザ肉盛条件は次の通りである。
レーザ出力:4.5kw ビーム径:φ2.5mm ビームオシレート周波数:180Hz 処理速度:800mm/min [比較例4] Cu−22%Ni−3.1%Si−1.5%B−50.5%Pbなる成分組成
の合金をレーザ肉盛法によって基材上に溶着させた。こ
の場合のレーザ肉盛条件は次の通りである。
レーザ出力:4.5kw ビーム径:φ2.5mm ビームオシレート周波数:180Hz 処理速度:800mm/min 上記の実施例1ないし実施例9の合金およひ比較例1な
いし比較例4の合金ならびに従来例としてのケルメット
合金について焼付き試験を行なった。この焼付き試験
は、各合金を0.5mmの厚さに形成し、その合金層に向け
て、Hv750〜800のSUJ焼結材から成る円筒体を回転させ
つつ押し付け、その押し付け荷重を連続的に変化させて
焼付きの生じた際の荷重を測定した。なお、その回転数
は1000rpm、押し付け荷重の変化率は25kg/minとし、エ
ンジンオイルを滴下して潤滑を行なった。さらに使用の
予定される箇所での耐焼付き荷重が220kgでそれ以上の
焼付き荷重を示したものを可とし、焼付き荷重が220kg
に満たないものを不可とした。試験結果を第5図にまと
めて示す。
この試験結果から明らかなように、この発明による合金
は、実用に耐え得る充分高い焼付き荷重を示した。これ
に対して比較例およびケルメット合金は、耐摩耗性に劣
るために磨滅してしまい、あるいは実用に供し得ない程
度の低い焼付き荷重を示した。
なお、前述したようにこの発明の耐摩耗合金は、レーザ
ビームなどの高密度エネルギを照射し、かつその照射点
の移動によって溶融プールを撹拌することによる急速加
熱・急速冷却を行なって得られる。その肉盛条件は前記
の各実施例で示したとおりであり、このような方法によ
れば、エネルギ密度が高いことに加えて、基材の熱容量
が大きいことにより基材が冷却材として作用し、その結
果、急速冷却が行なわれて、Niが固溶したα−Cuからな
るα相デントライトの間をNiの硼化物および珪化物が埋
め、しかも非固溶Pb粒子が均一に分散した組織が得られ
る。
これに対して冷却速度を遅くした場合には、Niの硼化物
や珪化物あるいは非固溶Pb粒子が大きく凝集して均一に
分散しなくなり、非固溶Pb粒子による潤滑性が得られな
くなって焼付きを生じやすくなる。本発明者らの実験に
よれば、実施例8で示した成分組成の合金を加熱溶融し
た後、2℃/sec(徐冷)で冷却したところ、得られた合
金の焼付き荷重は150kgにとどまり、実用に耐え得ない
ものであった。またこの組織を観察したところ、非固溶
Pb粒子が大きく凝集していることが認められた。
発明の効果 この発明のCu基耐摩耗合金は、優れた潤滑性を有してい
て耐摩耗性が高いばかりでなく、合金それ自体の強度が
高いため高面圧下で使用される軸受に最適であり、また
このように合金自体で高強度を有するため、従来の軸受
合金に必要とされていた鋼等のバックメタルが不要とな
り、しかも金属基材上に直接溶着可能となるため、軸受
支持基材上に直接溶着した後に加工によって任意の形状
に仕上げることができ、したがって複雑な形状の摺動部
を有する軸受にも適用できるとともに、軸受支持基材に
対する加工精度が低くても良いため低コストで軸受を構
成することができ、さらには耐熱性が良好で高温強度も
高いため、高速回転用の軸受にも適している。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例1の合金の金属組織写真(倍
率200倍)、第2図は摩耗試験結果を示すグラフ、第3
図は種々の温度での引張強さを示すグラフ、第4図は引
張試験片の形状寸法を示すための断面図、第5図は実施
例および比較例についての焼付き試験結果を表にまとめ
て示す図表である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ni5〜30wt%、B0.1〜5wt%、Si1〜8wt%、
    Pb20〜40wt%、残部Cuおよび不可避的不純物よりなり、
    Niが固溶したα−Cuからなるα相デンドライトの間をNi
    の硼化物および珪化物が埋めておりしかも非固溶Pb粒子
    が均一に分散した組織を有することを特徴とする潤滑性
    に優れたCu基耐摩耗合金。
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