JPH0762150A - 抗菌性および抗かび性を有するプラスチックスコンパウンドおよびプラスチックス充填剤の製造方法、ならびに抗菌性および抗かび性を有するプラスチックス製品の製造方法 - Google Patents

抗菌性および抗かび性を有するプラスチックスコンパウンドおよびプラスチックス充填剤の製造方法、ならびに抗菌性および抗かび性を有するプラスチックス製品の製造方法

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JPH0762150A
JPH0762150A JP5210493A JP21049393A JPH0762150A JP H0762150 A JPH0762150 A JP H0762150A JP 5210493 A JP5210493 A JP 5210493A JP 21049393 A JP21049393 A JP 21049393A JP H0762150 A JPH0762150 A JP H0762150A
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plastic
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plastics
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JP5210493A
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Haruichiro Eguchi
晴一郎 江口
Takao Washimi
隆男 鷲見
Shingo Saijo
信吾 西城
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Satosen Co Ltd
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Satosen Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】長期にわたり優れた抗菌性および抗かび性を発
揮するプラスチックス製品の提供。 【構成】1.銀および/または銀酸化物の被膜を有する
抗菌性および抗かび性を有するプラスチックスコンパウ
ンドおよび/またはプラスチックス充填剤(A)。 2.(1)プラスチックスコンパウンドおよび/または
プラスチックス充填剤を塩化錫(II)と塩酸とを含む
混合水溶液に浸漬し、水洗する工程、および(2)上記
(1)で処理されたものを硝酸銀の水溶液に浸漬し、水
洗し、乾燥する工程を含むAの製造方法。 3.Aをプラスチックス材料に配合し、成形する抗菌性
および抗かび性を有するプラスチックス製品の製造方
法。 5.プラスチックス製品中の銀および/または銀酸化物
の含有量が、0.2〜1.5%(銀として)である上記
項4に記載のプラスチックス製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性および抗かび性
を備えたプラスチックス製品およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、耐性黄色ぶどう球菌(MRSA)
による合併症の発生問題が契機となって、病院、老人養
護施設、一般家庭、娯楽施設などにおける衣料、寝具衣
料、カ−テン、カ−ペット、絨毯、座布団などの繊維製
品類;家具類、器具類、電気機器類(掃除機、冷暖房器
など)のプラスチックス製部品;有機物加工製品などを
適切に処理して、これらに細菌、かびなどの微生物に対
しての抗菌性や殺菌性を付与する必要性が広く認識され
る様になってきた。
【0003】従来、衣料、寝具衣料、カ−テン、カ−ペ
ット、絨毯などの繊維製品および有機物加工製品の一種
である紙、不織布、織物、ならびにプラスチックス成形
製品乃至発泡製品などにおける無機系の微生物発生およ
び発育防止剤としては、銀ゼオライト(銀ケイ酸アルミ
ニウム塩)粉末が知られており、これは、比較的良好な
抗菌性および抗かび性を示す。しかしながら、この粉末
は、上記の製品に対して付着性をほとんど有しないの
で、製品完成前の段階で素材などへの混入などの前加工
処理を行なわなければならない。
【0004】例えば、合成繊維製品の場合には、合成繊
維の原料である合成高分子材料に予め銀ゼオライト粉末
を練り混んでおき、これを紡糸し、紡織して、抗菌性乃
至殺菌性を付与した繊維を得る必要がある。この場合、
ゼオライトに含まれる銀は、銀イオンよりもイオン化傾
向の大きいナトリウムイオンなどとイオン交換している
ため、イオン性がかなり残存した状態にあり、多孔質の
ゼオライトに銀イオンとして吸着している。このため、
合成高分子材料に銀ゼオライト粉末を溶融混合すると、
銀イオンは、高分子材料と化学的結合を形成して、安定
な化合物を形成するものと考えられる。従って、合成高
分子材料に対し銀ゼオライト粉末を6%以上(銀として
0.8%以上)配合しないと、所望の効果は達成できな
い。この様に多量の銀ゼオライトを配合する場合には、
合成樹脂材料の物理的および化学的性質を低下させるこ
とになる。例えば、合成繊維の製造に際しては、高速で
紡糸を行なうために、樹脂の引張り強度(分散強度)を
上げる必要があり、通常酸化チタン、二酸化ケイ素、酸
化アルミニウム、カオリナイトなどの無機材料粉末を
0.5〜5%程度添加している。しかしながら、ゼオラ
イトは無機材料粉末ではあるものの、結晶水を含み、多
孔質であるため、大量に配合する場合には、合成繊維の
物理的および化学的性質に悪影響を及ぼす。
【0005】繊維製品に抗菌性および抗かび性を付与し
得る他の材料として、有機化合物がある。有機化合物
は、加工性に優れているので、抗菌性および抗かび性を
付与すべき対象としての繊維の素材および形態に対する
制限は少ないが、処理された繊維製品の洗濯、大気中で
の長時間の放置などにより、抗菌性および抗かび性効果
を急速に失なうので、耐久性に劣るという欠点を有して
いる。また、有機化合物については、近い将来において
これに対する耐性菌の出現も懸念される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
記の様な従来技術の問題点を解決乃至軽減し、長期にわ
たり優れた抗菌性および抗かび性を発揮するプラスチッ
クス製品を提供することを主な目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
従来技術の現状に鑑みて研究を進めた結果、特定の化合
物を順次使用する置換メッキの手法をプラスチックスコ
ンパウンドおよび/またはプラスチックス充填剤に適用
してその表面に銀被膜を形成した後、これらのプラスチ
ックスコンパウンドおよび/またはプラスチックス充填
剤をプラスチックス材料に配合し、成形する場合には、
プラスチックス製品に優れた抗菌性および抗かび性を付
与し得ることを見出した。
【0008】即ち、本発明は、抗菌性および抗かび性を
有するプラスチックスコンパウンドおよびプラスチック
ス充填剤とその製造方法、ならびに抗菌性および抗かび
性を有するプラスチックス製品とその製造方法を提供す
るものである; 1.銀および/または銀酸化物の被膜を有することを特
徴とする抗菌性および抗かび性を有するプラスチックス
コンパウンドおよび/またはプラスチックス充填剤。
【0009】2.(1)プラスチックスコンパウンドお
よび/またはプラスチックス充填剤を塩化錫(II)と
塩酸とを含む混合水溶液に浸漬し、水洗する工程、およ
び(2)上記(1)で処理されたプラスチックスコンパ
ウンドおよび/またはプラスチックス充填剤を硝酸銀の
水溶液に浸漬し、水洗し、乾燥する工程を含むことを特
徴とする抗菌性および抗かび性を有するプラスチックス
コンパウンドおよび/またはプラスチックス充填剤の製
造方法。
【0010】3.上記項1に記載の抗菌性および抗かび
性を有するプラスチックスコンパウンドおよび/または
プラスチックス充填剤をプラスチックス材料に配合し、
成形することを特徴とする抗菌性および抗かび性を有す
るプラスチックス製品の製造方法。
【0011】4.上記項1に記載の抗菌性および抗かび
性を有するプラスチックスコンパウンドおよび/または
プラスチックス充填剤を含有してなるプラスチックス製
品。
【0012】5.プラスチックス製品中の銀および/ま
たは銀酸化物の含有量が、0.2〜1.5%(銀とし
て)である上記項4に記載のプラスチックス製品。
【0013】なお、本明細書においては、“%”とある
のは、“重量%”を意味するものとする。
【0014】また、プラスチックス製品とは、各種の成
形製品、合成繊維製品などのプラスチックスを製造原料
とする全ての製品を包含するものとする。
【0015】さらに、合成繊維製品とは、糸、紙、不織
布、織布、編物などの全ての形態の合成樹脂製繊維製品
を包含する。
【0016】以下においては、(I)抗菌性および抗か
び性を有するプラスチックスコンパウンドおよび/また
はプラスチックス充填剤とその製造方法、ならびに(I
I)これらを含むプラスチックス製品とその製造方法に
ついて順次説明する。
【0017】I.プラスチックスコンパウンドおよび/
またはプラスチックス充填剤 本発明では、プラスチックスコンパウンドおよび/また
はプラスチックス充填剤を以下の各工程に順次供する。
【0018】プラスチックスコンパウンドとは、熱可塑
性樹脂または熱硬化性樹脂初期縮合物に必要に応じて可
塑剤、充填剤、安定剤、着色剤、難燃剤などを配合し
て、そのまま成形できる形態とした材料をいう。本発明
で使用するプラスチックスコンパウンドの樹脂の材質と
しては、水および酸に不溶性乃至難溶性のものであれ
ば、特に限定されない。より具体的には、熱可塑性樹脂
系のものとして、ポリエチレン、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリプロピレンなどが挙げられ、熱硬化性樹脂系
のものとして、エポキシ樹脂、尿素樹脂などが例示され
る。プラスチックスコンパウンドの形状は、球状、柱状
などが代表的なものである。その寸法は、表面積が大き
いほど銀の付与量が増大するので、小さいことが好まし
いが、その反面製造コストが高くなり、また取扱いが困
難となるので、球状の場合は0.1μm〜8mm程度、
柱状の場合は直径×長さ=0.1μm〜8mm×0.1
μm〜8mm程度とすることが実用上好ましい。
【0019】プラスチックス充填剤としては、酸化チタ
ン、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、カオリナイト、
ガラス繊維、マイカなどの無機質充填剤が例示される。
プラスチックス充填剤の形状は、一般に粉末状、繊維
状、薄片状などが代表的なものである。
【0020】(1)前処理 まず、プラスチックスコンパウンドおよび/またはプラ
スチックス充填剤(以下特に必要でない限り、両者を総
括して被メッキ粉末という)が汚れている場合或いは引
続き行なわれる処理を阻害する何らかの成分などを含ん
でいる場合には、前処理により、これらを除去する。こ
の様な汚れ除去のための前処理は、プラスチックスなど
の非導電材料へのメッキ形成に際して採用されている方
法に準じて行なえば良く、特に限定されるものではない
が、例えば、材質、汚れの程度などに応じて、以下の様
な方法により行なうことができる。
【0021】−(イ)汚れが軽度である場合には、水洗
のみを行なうか、或いは市販の食器洗い用乃至洗濯用洗
剤の水溶液に浸漬し或いはそれらの水溶液中で撹拌した
後、水洗する。
【0022】−(ロ)炭酸ナトリウム2〜10g/l+
市販の食器洗い用洗剤2ml/lの水溶液、(ハ)水酸
化ナトリウム約20g/l+燐酸ナリウム約20g/l
の水溶液、(ニ)水酸化ナトリウム80〜250g/l
の水溶液、(ホ)メタケイ酸ナトリウム約100g/l
の水溶液などに温度20〜85℃で浸漬した後、水洗す
る。
【0023】−(ヘ)濃硫酸に温度30〜70℃で浸漬
した後、水洗する。
【0024】−(ト)無水クロム酸20〜400g/l
+硫酸120〜850ml/lの水溶液に温度40〜7
5℃で浸漬した後、水洗する。
【0025】−(チ)無水クロム酸15〜25g/l+
硫酸800〜910ml/l+リン酸250〜330g
/lの水溶液に温度60〜75℃で浸漬した後、水洗す
る。
【0026】浸漬時間は、被メッキ粉末の材質、汚れの
程度などに応じて適宜選択すれば良いが、通常2〜20
分間程度である。前処理は、必要ならば、同種の水溶液
を使用して複数回行なっても良く、或いは異なる水溶液
を使用して複数回行なっても良い。
【0027】上記の前処理において、アルカリ水溶液或
いは酸水溶液を使用する場合には、被メッキ粉末の汚れ
除去乃至脱脂が行なわれるのみならず、被メッキ粉末が
エッチングされるので、次工程における錫イオンの析出
が良好に行なわれる。
【0028】前処理方法は、被メッキ粉末に対する銀の
密着性にも関連する。従って、材質と汚れの程度に応じ
て、前処理方法を適宜選択することが好ましい。例え
ば、上記(イ)の方法はナイロンなどの処理に適してお
り、上記(ロ)〜(ホ)の方法はポリエステル、ナイロ
ン、アクリル樹脂などの処理に適しており、上記(ヘ)
の方法はポリスチレンの処理に適しており、上記(ト)
〜(チ)の方法はポリエチレン、ポリプロピレンなどの
処理に適している。
【0029】なお、上記の前処理において、無水クロム
酸含有処理液を使用する場合には、被メッキ粉末に吸着
された6価のクロムイオンを3価のクロムイオンに還元
するために、例えば、シュウ酸50〜120g/l+硫
酸80〜120g/lの水溶液或いは酸性亜硫酸ナトリ
ウム約20g/lの水溶液に30〜60℃程度で1〜5
分間程度浸漬した後、水洗することが必要である。
【0030】(2)錫塩の付与 次いで、上記の前処理を行なった後(或いは必要がなけ
れば行なうことなく)、被メッキ粉末を塩化錫(II)
と塩酸との混合水溶液に浸漬した後、水洗する。前処理
後に十分な水洗が行なわれていない場合には、これらの
錫塩水溶液に前処理液に由来する成分(例えばアルカリ
成分)が混入して、錫塩の水溶液を劣化させ、錫の水酸
化物を析出させることがある。この様な場合には、被処
理品を予め塩酸水溶液(0.1〜5%程度)に浸漬し、
水洗した後、所定の錫塩の水溶液に浸漬することが好ま
しい。浸漬に際しては、被メッキ粉末に空気に起因する
と考えられる気泡が付着する場合があるので、その付着
を防止し、均一な錫イオンの吸着を行なうために、水溶
液中で被メッキ粉末を緩やかに動かしたり、水溶液をゆ
っくり撹拌することなどが好ましい。錫塩の付与に使用
する水溶液の組成および浸漬条件は、通常以下の通りで
ある。
【0031】SnCl2 ・2H2 Oを2〜40g/l程
度(錫として1.05〜21g/l程度)と36%塩酸
2〜30g/l程度とを含む水溶液に被メッキ粉末を5
〜50℃程度で1〜5分間程度浸漬する。
【0032】水溶液中のSnCl2 ・2H2 Oの濃度が
2g/lを下回る場合には、浸漬時間を長くする必要が
あり、実用的に不利となる。一方、被メッキ粉末が、微
細である場合には、多量の水溶液を吸収して、次工程へ
の水溶液の持出し量が多くなるため、液の濃度管理が困
難となるので、SnCl2 ・2H2 Oの上限量を40g
/lとする。水溶液の温度が低すぎる場合には、浸漬時
間が長くなり、不利となるのに対し、高すぎる場合に
は、短い浸漬時間で錫が均一に析出するが、液の耐久性
が低下する。水溶液の劣化の原因は、十分には解明され
ていないが、おそらくSn2+イオンがSn4+イオンに酸
化され易くなり、被処理品に対する吸着性が低下するも
のと思われる。従って、これらの条件を総合的に判断し
て、浸漬時の水溶液の温度を通常5〜50℃程度とす
る。
【0033】(3)銀の付与 次いで、上記の錫塩処理を終えた被メッキ粉末を水洗し
た後、硝酸銀0.2〜10g/lの水溶液に20〜60
℃程度で0.5〜10分間程度浸漬する。この浸漬に際
しても、被メッキ粉末に細かい気泡が付着することがあ
るので、その付着を防止し、銀イオンの均一な吸着を行
なうために、被メッキ粉末および/または水溶液を動か
すことが好ましい。
【0034】硝酸銀の濃度は、通常1〜2g/lを上回
っても特に増大せず、抗菌性および抗かび性の効果のそ
れ以上の改善は期待できない。しかしながら、SnCl
2 ・2H2 O処理液の場合と同様に、被メッキ粉末が多
量の処理液を吸収して、液の持出し量が多くなるため、
液の濃度管理が困難となるので、硝酸銀の濃度の上限量
を10g/lとする。一方、硝酸銀の濃度が0.1g/
l程度の液であっても、液の温度を高めるか或いは浸漬
時間を長くする場合には、銀濃度0.5g/l以上の液
を使用する場合と同様の優れた抗菌性および抗かび性を
被メッキ粉末に付与することができる。しかしながら、
建浴(初めに溶液をつくる)時からこのような低濃度と
する場合には、やはり液の濃度管理が困難となるため
に、硝酸銀濃度の下限を0.2g/lとする。硝酸銀含
有処理液の適切な温度は、吸着している錫イオンにより
銀イオンが還元される速度、置換された銀が成長する速
度などに大きく関係する。従って、硝酸銀濃度、温度お
よび浸漬時間を考慮して、(イ)硝酸銀濃度0.2〜2
g/l;温度20〜35℃;浸漬時間1.5〜5分間、
(ロ)硝酸銀濃度0.2〜2g/l;温度40〜60
℃;浸漬時間0.5〜3分間、(ハ)硝酸銀濃度3〜1
0g/l;温度20〜35℃;浸漬時間1〜2.5分
間、(ニ)硝酸銀濃度3〜10g/l;温度40〜60
℃;浸漬時間0.5〜2分間などの組合わせを採用する
ことがより好ましい。この様な処理条件を採用する場合
には、被メッキ粉末に対し、特に優れた抗菌性および抗
かび性が付与される。
【0035】硝酸銀水溶液による処理を終えた被メッキ
粉末は、水洗され、乾燥されて、銀被覆を備え、抗菌性
および抗かび性に優れた所望のプラスチックスコンパウ
ンドおよび/またはプラスチックス充填剤が得られる。
【0036】なお、被メッキ粉末に対する銀付与量を増
加させて、さらに優れた抗菌性及び抗かび性効果を達成
するためには、上記(3)の銀付与工程を終えた被メッ
キ粉末を水洗した後、再度上記(2)の錫塩付与工程に
供し、水洗し、再度上記(3)の銀付与工程に供すれ
ば、良い。この様な工程(2)および(3)は、必要に
応じて複数回繰り返し行なうことができる。
【0037】上記の様にして処理された被メッキ粉末
は、銀の酸化物と考えられる化合物で被覆されている。
【0038】被メッキ粉末表面に付与された銀の酸化物
は、被メッキ粉末がプラスチックス製品に配合された場
合に、これに高度で且つ持続性に優れた抗菌性および抗
かび性を付与する。本発明により得られた被メッキ粉末
にどの程度の量の銀が付与されているかは、その表面積
が算出できないため、直接算出することはできない。し
かしながら、ロット毎に一定重量の被メッキ粉末を取り
出し、これを硝酸に溶解し、原子吸光光度分析法に供す
ることにより、間接的ながら、定量的に測定することが
できる。例えば、後記の実施例1の方法により処理した
ポリエステルコンパウンドへの銀付与量は、約0.7%
であった。また、前述の様にして、被メッキ粉末に対す
る銀付与工程を同一条件下に2〜5回繰り返したとこ
ろ、銀の析出量は、以下の様に増大した。
【0039】*2回処理…1回処理した場合の1.5〜
2倍であった。
【0040】*3回処理…1回処理した場合の2.3〜
3.3倍であった。
【0041】*4回処理…1回処理した場合の3〜3.
7倍であった。
【0042】*5回処理…1回処理した場合の3.3〜
4.2倍であった。
【0043】被メッキ粉末に対する銀付与工程をさらに
多数回繰り返す場合には、見掛けの銀析出量は増大する
かもしれないが、析出した銀が部分的に剥落しやすくな
るので、技術的な意義はあまりない。但し、剥落した銀
は、回収して、プラチックス製品に混合配合することが
できる。
【0044】なお、被メッキ粉末に付与された銀の化学
状態および組成についての詳細は、不明であるが、X線
光電子分光分析の結果から判断すると、銀は金属の状態
ではなく酸化している化学的状態にあると考えられ、理
論的には、吸着した錫イオンにより銀イオンが金属銀に
還元されると考えられる。その場合の化学反応式は Sn2++2Ag+ → Sn4++2Ag0 (金属) と考えられる。しかしながら、付与される銀の成長速度
が遅く、またその厚さが非常に薄いため、溶液中および
測定までの大気中での放置により、一旦析出した金属銀
が酸化しているものと推定される。なお、被メッキ粉末
を肉眼で観察した限りでは、茶褐色に近い灰黒色を呈し
ていた。
【0045】以上の観察から、銀の酸化物としては、安
定なAg2 O、AgOなどに水分子が結合或いは吸着さ
れている化学的状態が想定される。この様な被メッキ粉
末を水、塩類の水溶液などに浸漬すると、酸素ガスが発
生する。また、例えば、塩化ナトリウム水溶液に長時間
浸漬すると、黄色に変色し、これをアルカリ性の水溶液
に浸漬するか或いは長時間放置すると、再び茶褐色に変
化するので、銀の被覆は、十分に安定していないと思わ
れる。しかしながら、後記の実施例から明らかな様に、
本発明による被メッキ粉末をプラスチックス製品に配合
する場合には、銀ゼオライトに比して、銀の含有量が1
/2以下であっても2倍以上の抗菌性および抗かび性を
発揮する。このことから、本発明による被メッキ粉末の
銀乃至銀化合物と樹脂との反応性は、銀ゼオライト中の
銀と樹脂との反応性に比して、弱いものと推測される。
【0046】なお、被メッキ粉末製造の他の例として、
フィルム状のプラスチックスを前処理し、錫塩を付与
し、次いで銀を付与した後、その表面を削り取り、銀被
覆層を有する微細な削り片を被メッキ粉末として使用す
ることもできる。この場合には、フィルム表面からの削
り取り操作が必要となるが、フィルムに対するメッキ操
作は容易となる。
【0047】II.被メッキ粉末を含むプラスチックス
製品 上記の様にして得られた被メッキ粉末をプラスチックス
材料に配合し、それぞれのプラスチックスの性質に応じ
た方法により、成形乃至紡糸する。被メッキ粉末の配合
量は、プラスチック製品中に銀が0.2〜1.5%程度
(金属として)存在する様な割合とすれば良い。プラス
チックス製品中の銀の含有量が0.2%未満の場合に
は、抗菌性および抗かび性が十分に発揮され難い。通常
は、0.5%程度の銀含有量0.5%で十分な抗菌性お
よび抗かび性が発揮されるが、使用頻度が高く、汚染の
度合いが高い洗面容器などのプラスチックス成形製品の
場合には、銀の含有量を1〜1.5%程度とすることが
好ましい。銀の含有量が1.5%を上回る場合には、そ
れ以上の効果の改善もあまり認められないし、コスト高
となる。プラスチックス成形製品が糸である場合には、
必要に応じて、紡績して織布としたり、或いは不織布と
したりすることができる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、簡易な手段で、長期に
わたり優れた抗菌性および抗かび性を発揮するプラスチ
ックス製品を得ることができる。
【0049】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明らかにする。
【0050】なお、実施例における抗菌性試験および抗
かび性試験は、以下の様にして行なった。
【0051】1 抗菌性試験 大腸菌を対象として殺菌性効果を示す試験を以下の要領
で行なった。
【0052】a.試験菌液の調製 大腸菌としては、エシェリヒア コリ菌(Escherichia
coli IFO3301) を用いた。
【0053】供試菌を普通ブイヨン培地で35℃で18
時間、3回継代培養したものを滅菌リン酸緩衝液を用い
て適宜希釈し、試験菌液とした。
【0054】b.測定培地 標準寒天培地を使用した。
【0055】c.測定方法 抗菌加工を施した繊維製品については、細菌増殖抑制試
験法(日本防菌防黴学会抗菌加工検討委員会)を準用し
て行なった。
【0056】プラスチックス板については、供試菌の普
通ブイヨン培養希釈液0.1mlを3cm×3cmの面
積に塗沫し、4時間後に各供試体の残菌を測定した。
【0057】d.菌数 供試菌株の塗抹直前の菌数は、約105 個であった。
【0058】2.抗かび性試験 以下の2種類の菌について、抗かび性試験を行なった。
【0059】a.供試菌種 アスペルギルス ニガー菌(Aspergillus niger IFO634
1 )とペニシリウムフニクロサム菌(Penicillium funi
culosum IFO6345 )とを用いた。
【0060】b.試験方法 繊維については、各試料を5cm×5cmの大きさに裁
断した後、「かび抵抗性試験方法(JIS Z 291
1−1981)」の繊維製品の試験方法(湿式法)を準
用して試験を行なった。
【0061】プラスチックス板については、供試菌の普
通ブイヨン培養希釈液0.1mlを3cm×3cmの面
積に塗沫し、乾燥した後、「かび抵抗性試験方法(JI
SZ 2911−1981)」の一般工業製品の試験方
法を準用して試験を行なった。
【0062】c.かび生育条件 28℃で4週間生育させた。
【0063】d.判定 肉眼により観測し、発育の有無で判定し、+または−で
表示した。
【0064】実施例1 1ー1 抗菌剤付与 (イ) 前処理として、ポリエステル粉末(平均粒径約
1μm)を水酸化ナトリウム20g/lと界面活性剤
(商標“ママローヤル”、ライオン(株)製)3ml/
lとの混合水溶液に温度50℃で10分間浸漬し、撹拌
し、良く水洗し、濾過し、乾燥して汚れを除去した。
【0065】(ロ) 次いで、前処理を終えたポリエス
テル粉末をSnCl2 ・2H2 015g/lと濃塩酸1
5ml/lとの混合水溶液(温度21℃)に5分間浸漬
した後、濾過し、良く水洗した。
【0066】(ハ) 次いで、上記試料をAgNO
3 1.2g/lの水溶液(温度52℃)に5分間浸漬し
た後、濾過し、良く水洗した。
【0067】(ニ) 次いで、上記試料をSnCl2
2H2 015g/lと濃塩酸15ml/lとの混合水溶
液(温度20℃)に4分間浸漬した後、濾過し、良く水
洗した。
【0068】(ホ) 次いで、上記試料をAgNO
3 1.2g/lの水溶液(温度50℃)に6分間浸漬し
た後、濾過し、良く水洗した。
【0069】(ヘ) 次いで、上記(ニ)および(ホ)
と同様の操作を繰り返した後、処理したポリエステル粉
末を乾燥した。
【0070】1−2 プラスチック製品への抗菌性付与 上記の様にして処理されたポリエステル粉末を未処理の
ポリエステルペレット(径約3mm×高さ約7mm)に
混合し、溶融し、紡糸した。銀被覆ポリエステル粉末と
未処理ポリエステルペレットとの配合割合は、混合物中
の銀化合物含有量が、銀として0.3%となる様にし
た。
【0071】次いで、得られたポリエステル糸を紡績し
て、布とした。
【0072】1−3 抗菌試験 菌数は300個以下であり、効果が優れていることが明
らかとなった。
【0073】1−4 かび抵抗試験 (−)であった。
【0074】実施例2 2ー1 抗菌剤付与 (イ) 前処理として、ABS樹脂ペレット(径約2m
m×長さ約3mm)をクロム酸−硫酸水溶液(無水クロ
ム酸75g/l+硫酸800ml/l)に温度65℃で
10分間浸漬し、撹拌し、良く水洗した後、シュウ酸−
硫酸水溶液(シュウ酸100g/l+硫酸50ml/
l)に温度50℃で6分間浸漬し、撹拌し、良く水洗
し、濾過し、乾燥して汚れを除去した。
【0075】(ロ) 次いで、前処理を終えたABS樹
脂ペレットをSnCl2 ・2H2 015g/lと濃塩酸
15ml/lとの混合水溶液(温度21℃)に4分間浸
漬した後、濾過し、良く水洗した。
【0076】(ハ) 次いで、上記試料をAgNO
3 1.2g/lの水溶液(温度52℃)に1.5分間浸
漬した後、濾過し、良く水洗した。
【0077】(ニ) 次いで、上記試料をSnCl2
2H2 015g/lと濃塩酸15ml/lとの混合水溶
液(温度20℃)に2.5分間浸漬した後、濾過し、良
く水洗した。
【0078】(ホ) 次いで、上記試料をAgNO
3 1.2g/lの水溶液(温度50℃)に1.5分間浸
漬した後、濾過し、良く水洗した。
【0079】(ヘ) 次いで、上記(ニ)および(ホ)
と同様の操作を繰り返した後、処理したABS樹脂ペレ
ットを乾燥した。
【0080】2−2 プラスチック製品への抗菌性付与 上記の様にして処理されたABS樹脂ペレットを未処理
のABS樹脂ペレットに混合し、溶融し、厚さ約2mm
の板状に成形した。銀被覆ABS樹脂ペレットと未処理
ABS樹脂ペレットとの配合割合は、混合物中の銀化合
物含有量が、銀として0.3%となる様にした。
【0081】2−3 抗菌試験 菌数は300個以下であり、効果が優れていることが明
らかとなった。
【0082】1−4 かび抵抗試験 (−)であった。
【0083】実施例3 3ー1 抗菌剤付与 (イ) 前処理として、エポキシ樹脂プレポリマー(粒
径約10μm)を水酸化ナトリウム50g/lと界面活
性剤(商標“ママローヤル”、ライオン(株)製)約3
ml/lとの混合水溶液に温度50℃で10分間浸漬
し、撹拌し、良く水洗し、濾過し、乾燥して汚れを除去
した。
【0084】(ロ) 次いで、前処理を終えたエポキシ
樹脂プレポリマーをSnCl2 ・2H2 020g/lと
濃塩酸20ml/lとの混合水溶液(温度21℃)に4
分間浸漬した後、濾過し、良く水洗した。
【0085】(ハ) 次いで、上記試料をAgNO
3 1.5g/lの水溶液(温度52℃)に4分間浸漬し
た後、濾過し、良く水洗した。
【0086】(ニ) 次いで、上記試料をSnCl2
2H2 020g/lと濃塩酸20ml/lとの混合水溶
液(温度20℃)に2.5分間浸漬した後、濾過し、良
く水洗した。
【0087】(ホ) 次いで、上記試料をAgNO
3 1.5g/lの水溶液(温度50℃)に4分間浸漬し
た後、濾過し、良く水洗した。
【0088】(ヘ) 次いで、上記(ニ)および(ホ)
と同様の操作を繰り返した後、処理したエポキシ樹脂プ
レポリマーを乾燥した。
【0089】3−2 プラスチック製品への抗菌性付与 上記の様にして処理されたエポキシ樹脂プレポリマーを
未処理のエポキシ樹脂プレポリマーに混合し、加熱下に
厚さ約2mmの板状に成形した。銀被覆エポキシ樹脂プ
レポリマーと未処理エポキシ樹脂プレポリマーとの配合
割合は、混合物中の銀化合物含有量が、銀として0.5
%となる様にした。
【0090】3−3 抗菌試験 菌数は300個以下であり、効果が優れていることが明
らかとなった。
【0091】3−4 かび抵抗試験 (−)であった。
【0092】実施例4 4ー1 抗菌剤付与 (イ) 前処理として、ガラス繊維(径7〜10μm×
長さ約3mm)を水酸化ナトリウム50g/lと界面活
性剤(商標“ママローヤル”、ライオン(株)製)3m
l/lとの混合水溶液に温度50℃で10分間浸漬し、
撹拌し、良く水洗して汚れを除去した。
【0093】(ロ) 次いで、前処理を終えたガラス繊
維を0.1%HF水溶液に6分間浸漬して、活性化し
た。
【0094】(ハ) 次いで、活性化処理したガラス繊
維をSnCl2 ・2H2 020g/lと濃塩酸20ml
/lとの混合水溶液(温度25℃)に3分間浸漬した
後、良く水洗した。
【0095】(ニ) 次いで、上記試料をAgNO
3 1.5g/lの水溶液(温度53℃)に3分間浸漬し
た後、良く水洗した。
【0096】(ホ) 次いで、上記試料をSnCl2
2H2 015g/lと濃塩酸15ml/lとの混合水溶
液(温度25℃)に3分間浸漬した後、良く水洗した。
【0097】(ヘ) 次いで、上記試料をAgNO
3 1.5g/lの水溶液(温度53℃)に4分間浸漬し
た後、良く水洗した。
【0098】(ト) 次いで、上記(ホ)および(ヘ)
と同様の操作を繰り返した後、処理したガラス繊維を乾
燥した。
【0099】4−2 プラスチック製品への抗菌性付与 上記の様にして処理されたガラス繊維および実施例3で
得られた銀被覆エポキシ樹脂プレポリマーとをエポキシ
樹脂プレポリマーに混合し、厚さ約2mmの板状に成形
した。銀被覆ガラス繊維および実施例3で得られた銀被
覆エポキシ樹脂プレポリマーとエポキシ樹脂プレポリマ
ーとの配合割合は、混合物中の銀化合物含有量が、銀と
して0.4%となる様にした。なお、銀被覆エポキシ樹
脂プレポリマーを併用したのは、銀被覆ガラス繊維のみ
の使用により所定量の銀を配合しようとする場合には、
製品が嵩高となるからである。
【0100】4−3 抗菌試験 菌数は300個以下であり、効果が優れていることが明
らかとなった。
【0101】4−4 かび抵抗試験 (−)であった。
【0102】実施例5 5ー1 抗菌剤付与 (イ) 前処理として、アルミナ(平均粒径0.4μ
m)を炭酸ナトリウム10g/lと界面活性剤(商標
“ママローヤル”、ライオン(株)製)3ml/lとの
混合水溶液に温度50℃で10分間浸漬し、撹拌し、濾
過し、良く水洗して汚れを除去した。
【0103】(ロ) 次いで、前処理したアルミナをS
nCl2 ・2H2 020g/lと濃塩酸20ml/lと
の混合水溶液(温度25℃)に7分間浸漬した後、濾過
し、良く水洗した。
【0104】(ハ) 次いで、上記試料をAgNO
3 1.5g/lの水溶液(温度53℃)に1.5分間浸
漬した後、濾過し、良く水洗した。
【0105】(ニ) 次いで、上記試料をSnCl2
2H2 020g/lと濃塩酸20ml/lとの混合水溶
液(温度25℃)に3分間浸漬した後、良く水洗した。
【0106】(ホ) 次いで、上記試料をAgNO
3 1.5g/lの水溶液(温度53℃)に1.5分間浸
漬した後、良く水洗した。
【0107】(ヘ) 次いで、上記(ニ)および(ホ)
と同様の操作を繰り返した後、処理したアルミナを乾燥
した。
【0108】5−2 プラスチック製品への抗菌性付与 上記の様にして処理されたアルミナおよび実施例2で得
られた銀被覆ABS樹脂ペレットとをABS樹脂ペレッ
トに混合し、厚さ約2mmの板状に成形した。銀被覆ア
ルミナおよび実施例2で得られた銀被覆ABS樹脂ペレ
ットとABS樹脂ペレットとの配合割合は、混合物中の
銀化合物含有量が、銀として0.33%となる様にし
た。なお、銀被覆ABS樹脂ペレットを併用したのは、
銀被覆アルミナのみの使用により所定量の銀を配合しよ
うとする場合には、製品が嵩高となるからである。
【0109】5−3 抗菌試験 菌数は300個以下であり、効果が優れていることが明
らかとなった。
【0110】5−4 かび抵抗試験 (−)であった。
【0111】実施例6 6ー1 抗菌剤付与 (イ) 前処理として、マイカ(粒径7〜30μm)を
界面活性剤(商標“ママローヤル”、ライオン(株)
製)3ml/lの水溶液に温度50℃で10分間浸漬
し、撹拌し、良く水洗して汚れを除去した。
【0112】(ロ) 次いで、前処理したマイカをSn
Cl2 ・2H2 020g/lと濃塩酸20ml/lとの
混合水溶液(温度25℃)に7分間浸漬した後、濾過
し、良く水洗した。
【0113】(ハ) 次いで、上記試料をAgNO
3 1.5g/lの水溶液(温度53℃)に6分間浸漬し
た後、濾過し、良く水洗した。
【0114】(ニ) 次いで、上記試料をSnCl2
2H2 020g/lと濃塩酸20ml/lとの混合水溶
液(温度25℃)に3分間浸漬した後、良く水洗した。
【0115】(ホ) 次いで、上記試料をAgNO
3 1.5g/lの水溶液(温度53℃)に1.5分間浸
漬した後、良く水洗した。
【0116】(ヘ) 次いで、上記(ニ)および(ホ)
と同様の操作を繰り返した後、処理したマイカを乾燥し
た。
【0117】6−2 プラスチック製品への抗菌性付与 上記の様にして処理されたマイカおよび実施例2で得ら
れた銀被覆ABS樹脂ペレットをABS樹脂ペレットに
混合し、厚さ約2mmの板状に成形した。銀被覆マイカ
および実施例2で得られた銀被覆ABS樹脂ペレットと
ABS樹脂ペレットとの配合割合は、混合物中の銀化合
物含有量が、銀として0.35%となる様にした。銀被
覆ABS樹脂ペレットを使用した理由は、実施例5にお
けると同様な理由による。
【0118】6−3 抗菌試験 菌数は300個以下であり、効果が優れていることが明
らかとなった。
【0119】6−4 かび抵抗試験 (−)であった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】銀および/または銀酸化物の被膜を有する
    ことを特徴とする抗菌性および抗かび性を有するプラス
    チックスコンパウンドおよび/またはプラスチックス充
    填剤。
  2. 【請求項2】(1)プラスチックスコンパウンドおよび
    /またはプラスチックス充填剤を塩化錫(II)と塩酸
    とを含む混合水溶液に浸漬し、水洗する工程、および
    (2)上記(1)で処理されたプラスチックスコンパウ
    ンドおよび/またはプラスチックス充填剤を硝酸銀の水
    溶液に浸漬し、水洗し、乾燥する工程を含むことを特徴
    とする抗菌性および抗かび性を有するプラスチックスコ
    ンパウンドおよび/またはプラスチックス充填剤の製造
    方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の抗菌性および抗かび性を
    有するプラスチックスコンパウンドおよび/またはプラ
    スチックス充填剤をプラスチックス材料に配合し、成形
    することを特徴とする抗菌性および抗かび性を有するプ
    ラスチックス製品の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の抗菌性および抗かび性を
    有するプラスチックスコンパウンドおよび/またはプラ
    スチックス充填剤を含有してなるプラスチックス製品。
  5. 【請求項5】プラスチックス製品中の銀および/または
    銀酸化物の含有量が、0.2〜1.5%(銀として)で
    ある請求項4に記載のプラスチックス製品。
JP5210493A 1993-08-25 1993-08-25 抗菌性および抗かび性を有するプラスチックスコンパウンドおよびプラスチックス充填剤の製造方法、ならびに抗菌性および抗かび性を有するプラスチックス製品の製造方法 Withdrawn JPH0762150A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114213804A (zh) * 2021-12-29 2022-03-22 重庆普利特新材料有限公司 一种高韧性抗菌增强abs复合材料及其制备方法
US11464884B2 (en) 2018-03-05 2022-10-11 Murata Manufacturing Co., Ltd. Antibacterial device and electrical apparatus

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CN114213804B (zh) * 2021-12-29 2024-03-08 重庆普利特新材料有限公司 一种高韧性抗菌增强abs复合材料及其制备方法

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