JPH06246841A - ポリウレタンフォームに抗菌性および抗かび性を付与する方法 - Google Patents
ポリウレタンフォームに抗菌性および抗かび性を付与する方法Info
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Abstract
タンフォームを得る方法を提供することを主な目的とす
る。 【構成】1.ポリウレタンフォームを塩化錫(II)
(SnCl2 ・2H2 0)5〜40g/lと濃塩酸5〜
40ml/lとの混合水溶液に浸漬し、水洗した後、硝
酸銀の0.3〜10g/l水溶液に浸漬し、水洗し、乾
燥することを特徴とするポリウレタンフォームに抗菌性
および抗かび性を付与する方法。
Description
に抗菌性および抗かび性を付与する方法に関する。
による合併症の発生問題が契機となって、病院、老人養
護施設、一般家庭、娯楽施設などにおける衣料、寝具衣
料、カ−テン、カ−ペット、絨毯などの繊維製品類、器
具類、装置類、ポリウレタンフォームなどの有機物加工
製品などに、細菌、かびなどの微生物に対しての抗菌性
や殺菌性を付与する必要性が広く認識される様になって
きた。
つクッション性に優れているので、天然繊維乃至天然材
料の代替物として、極めて広い分野で使用されている。
具体的には、布団寝具類の詰め物、椅子およびソファー
の詰め物、座布団の詰め物、掃除機および冷房機などに
おける集塵材、食器類および器具類のスポンジ状洗浄
具、建造物の床用スポンジ状洗浄具などの形態で広く使
用されている。
製品における微生物発生および発育防止のために、従来
繊維品の処理に用いられてきた無機系の微生物発生およ
び発育防止剤である銀ゼオライト(銀ケイ酸アルミニウ
ム塩)粉末を転用することが考えられる。この銀ゼオラ
イト粉末は、比較的良好な抗菌性および抗かび性を示
す。しかしながら、この銀ゼオライト粉末は、上記のポ
リウレタンフォーム製品に対して付着性をほとんど有し
ないので、フォーム形成前の段階でポリウレタン原料へ
の混入などの前加工処理を行なわなければならない。こ
の様な処理を行なう場合にも、銀ゼオライト粉末は、樹
脂中にほぼ均一に分散混入するため、ポリウレタンフォ
ーム表面に露出する割合は極めて低く、抗菌性および抗
かび性は、十分に発揮され得ないものと推考される。
および抗かび性を付与し得る他の材料として、有機化合
物がある。しかしながら、有機化合物は、水洗い或いは
大気中での放置などにより、急速に効果を失うので、長
期的な抗菌性および抗かび性効果は、期待できない。
記の様な従来技術の問題点を解決乃至軽減し、長期にわ
たり優れた抗菌性および抗かび性を発揮するポリウレタ
ンフォーム製品を提供することを主な目的とする。
従来技術の現状に鑑みて研究を進めた結果、特定の2種
の化合物を順次使用する置換メッキの手法をポリウレタ
ンフォームに適用する場合には、ポリウレタンフォーム
製品に優れた抗菌性および抗かび性効果を付与し得るこ
とを見出した。
のである; 1. ポリウレタンフォームを塩化錫(II)(SnC
l2 ・2H2 0)5〜40g/lと濃塩酸5〜40ml
/lとの混合水溶液に浸漬し、水洗した後、硝酸銀の
0.3〜10g/l水溶液に浸漬し、水洗し、乾燥する
ことを特徴とするポリウレタンフォームに抗菌性および
抗かび性を付与する方法。
錫(II)と塩酸との混合水溶液に浸漬した後、硝酸銀
水溶液に浸漬することにより、ポリウレタンフォームが
銀の酸化物と考えられる化合物で被覆される。これによ
り、ポリウレタンフォームに抗菌性および抗かび性が付
与される。この方法は、2種の水溶液に対するポリウレ
タンフォームの浸漬という簡単な工程からなっておりな
がら、ポリウレタンフォームに高度の抗菌性および抗か
び性を与え、且つその効果は長期的な持続性に優れてい
る。
る。まず、前処理法として、ポリウレタンフォームが汚
れている場合或いはポリウレタンフォームに後述のメッ
キ操作を阻害する物質が付着している場合などには、こ
れらを除去するために、水洗するか、或いは洗濯用乃至
食器洗い用洗剤の水溶液などにより洗浄し、水洗する。
特に油などによる汚れが著しい場合には、常法に従っ
て、油除去を行なえば良い。油の除去法は、特に限定さ
れるものではないが、例えば、ポリウレタンフォームを
炭酸ナトリウム10〜20g/l(および/または水酸
化ナトリウム10〜20g/lおよび/またはほう酸ナ
トリウム10〜20g/lおよび/または燐酸ナリウム
10〜20g/l)と非イオン界面活性剤1〜5g/l
の水溶液に、温度40〜65℃程度で浸漬した後、水洗
することにより、行なうことができる。
前処理を行なった後(或いは必要がなければ行なうこと
なく)、SnCl2 ・2H2 0 5〜40g/lと36
%塩酸5〜40ml/lとの混合水溶液(第一処理液)
に2〜5分間浸漬する。浸漬に際しては、被処理物であ
るポリウレタンフォームに空気に起因すると考えられる
気泡が付着する場合があるので、その付着を防止し、均
一な錫イオンの吸着を行なうために、被処理物および/
または第一処理液を動かすことが好ましい。第一処理液
中の塩化錫(II)(SnCl2 ・2H2 O)の濃度
は、5〜40g/lとする。錫イオンの吸着量は、通常
塩化錫(II)の濃度が15g/lを上回っても特に増
大せず、抗菌性および抗かび性の効果の改善は期待でき
ない。しかしながら、被処理物であるポリウレタンフォ
ームが多量の第一処理液を吸収して、次工程への第一処
理液の持出し量が多くなり、液の濃度管理が困難となる
場合があるので、この様な場合には、その濃度を40g
/lまで高めても良い。第一処理液の温度は、特に限定
されないが、通常5〜60℃程度であり、実用的な観点
からは、常温(20℃近傍)とすることが好ましい。液
温度が高すぎる場合には、液の耐久性が短くなる。この
原因は、おそらくSn2+イオンがSn4+イオンに酸化さ
れ易くなり、沈澱生成物が生じやすくなるためと思われ
る。なお、塩酸は、塩化錫(II)を溶解するために必
要な成分であり、塩化錫の濃度に応じて適当な濃度で使
用すれば良い。第一処理液による処理を終えた被処理物
は、水洗され、過剰の塩化錫(II)および塩酸を除去
される。
酸銀0.5〜10g/lの水溶液(第二処理液)に20
〜60℃程度で0.5〜3分間程度浸漬する。この浸漬
に際しても、被処理物に細かい気泡が付着することがあ
るので、その付着を防止し、銀イオンの均一な吸着を行
なうために、被処理物および/または第二処理液を動か
すことが好ましい。硝酸銀の濃度は、通常1〜2g/l
を上回っても特に増大せず、抗菌性および抗かび性の効
果の改善は期待できない。しかしながら、第一処理液の
場合と同様に、被処理物であるポリウレタンフォームが
多量の液を吸収して、液の持出し量が多くなり、液の濃
度管理が困難となる場合があるので、必要ならば硝酸銀
の濃度を10g/lまで高めても良い。一方、硝酸銀の
濃度が0.3g/l程度の液であっても、温度40〜6
0℃で2〜3分間浸漬する場合には、0.5g/l以上
の濃度の液と同様の抗菌性および抗かび性を示す。しか
しながら、建浴(初めに溶液をつくる)時からこのよう
な低濃度とする場合には、液の持出しにより液の濃度管
理が困難となるために、硝酸銀濃度の下限を0.5g/
lとすることが好ましい。第二処理液の温度は、上記の
様に通常20〜60℃程度の範囲内にあるが、より好適
な温度は、吸着している錫イオにより銀イオンが還元さ
れる速度、置換された銀が成長する速度などにも大きく
依存する。従って、硝酸銀濃度、温度および浸漬時間を
総合的に考慮して、(イ)硝酸銀濃度0.5〜2g/
l;温度20〜35℃;浸漬時間1.5〜3分間、
(ロ)硝酸銀濃度0.5〜2g/l;温度40〜60
℃;浸漬時間0.5〜2分間、(ハ)硝酸銀濃度3〜1
0g/l;温度20〜35℃;浸漬時間1〜2.5分
間、(ニ)硝酸銀濃度3〜10g/l;温度40〜60
℃;浸漬時間0.5〜2分間などの組合わせを採用する
ことがより好ましい。この様な処理条件においては、特
に優れた抗菌性および抗かび性効果がポリウレタンフォ
ームに付与される。
は、水洗され、乾燥されて、優れた抗菌性および抗かび
性を有する所望のポリウレタンフォームが得られる。
ムにどの程度の量の銀が付与されているかは、一般にそ
の表面積を算出し難いので、単位面積当りの付与量とし
て明確に算出することはできない。このため、ポリウレ
タンフォームについて、本発明方法の各種の組成および
条件により銀を付与した後、硝酸に溶解させ、原子吸光
度分析法により定量分析したところ、平均約0.000
3mg/cm2 であり、十分な抗菌性および抗かび性を
示した。従って、この量以上の銀が被覆されていれば、
良好な抗菌性および抗かび性の効果を示すものと推測さ
れる。
与量を増加させて、さらに優れた抗菌性及び抗かび性効
果を達成するためには、第一処理液および第二処理液に
よる処理を複数回繰返して行なえば良い。
第1回目の処理を行ない、十分に水洗した後、同様にし
て第一処理液と第二処理液とによる処理を再度行ない、
水洗後、乾燥した。その結果、銀の付与量は、第1回目
処理後の1.5〜〜2倍であった。さらに、第3回目と
しては、第2回目と同じ処理工程を繰り返した場合に
は、銀の付与量は、第1回目の2.3〜3.3倍に達し
ていた。
銀の化学状態および組成についての詳細は不明である
が、X線光電子分光分析の結果では、銀は金属の状態で
はなく酸化している化学的状態と考えられる。理論的に
は、吸着した錫イオンにより銀イオンが金属銀に還元さ
れると考えられる。その場合の化学反応式は Sn2++2Ag+ → Sn4++Ag0 (金属) と考えられる。しかしながら、付与される銀の成長速度
が遅く、またその厚さが非常に薄いため、溶液中および
測定までの大気中での放置により、一旦析出した金属銀
が酸化しているものと推定される。なお、ポリウレタン
フォームを肉眼で観察した限りでは、銀析出物は灰黒色
を呈していた。
ころをより一層明らかにする。
抗かび性試験は、以下の様にして行なった。
して行なった。
coli IFO3301) を用いた。
験法(日本防菌防黴学会抗菌加工検討委員会)を準用し
た。但し、本発明による処理に供したポリウレタンフォ
ームの厚さが大き過ぎる場合には、厚さ約3mmに切断
して、試料とした。
りの生菌数で表わした。
domonas sp. ( 緑膿菌) を主とし、Bacillus sp.( 枯草
菌) およびFlavobacterium sp.を混合して含んでいた。
社製)を使用して判定した。即ち、菌数約105 個を有
する水溶液にバイオチェッカーを30秒間浸漬した後、
チェッカーの上に目的の試料(抗菌処理したポリウレタ
ンフォーム)を置き、温度25〜30℃で24時間培養
して試料の周りにオリゴジナミー(試料の周りに菌が全
く発育しない領域が、試料の形状にそってコロナ的に形
成される)が現れているか否かを目視および写真撮影に
よって判定した。
1 )とペニシリウムフニクロサム菌(Penicillium funi
culosum IFO6345 )とを用いた。
後、「かび抵抗性試験方法(JIS Z 2911−1
981)」の繊維製品の試験方法(湿式法)を準用して
試験を行なった。
ム20g/lと界面活性剤(商標“ママローヤル”、ラ
イオン(株)製)3ml/lとを含む混合水溶液(温度
50℃)に時々かき混ぜながら10分間浸漬した後、良
く水洗した。
nCl2 ・2H2 0 15g/lと濃塩酸13ml/l
との混合水溶液(温度21℃)に4分間浸漬した後、よ
く水洗し、次いでAgNO3 1.2g/lの水溶液(温
度52℃)に1.5分間浸漬し、よく水洗し、乾燥し
た。
らかとなった。
発育を示す赤色着色部5との間に菌の発生が認められな
い白色のオリゴジナミー3が見られ、抗菌性効果がある
ことが明らかとなった。
本発明による試料1に代えて、同寸法の銅板、亜鉛板
(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を設
置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されないこ
とから考えると、本発明により処理されたポリウレタン
フォームが優れた抗菌効果を発揮することが明らかであ
る。
10g/lと界面活性剤(商標“ママローヤル”、ライ
オン(株)製)3ml/lとを含む混合水溶液(温度5
0℃)に時々かき混ぜながら10分間浸漬した後、良く
水洗した。
nCl2 ・2H2 0 20g/lと濃塩酸15ml/l
との混合水溶液(温度17℃)に3.5分間浸漬した
後、よく水洗し、次いでAgNO3 10g/lの水溶液
(温度52℃)に1.5分間浸漬し、よく水洗した。
ウレタンフォーム片をSnCl2 2H2 0 20g/l
と濃塩酸15ml/lのと混合水溶液(温度17℃)に
3分間浸漬し、十分に水洗し、次いでAgNO3 1.0
g/lの水溶液(温度52℃)に1.5分間浸漬し、十
分に水洗し、乾燥した。
らかとなった。
ることが明らかとなった。
本発明による上記の試料に代えて、同寸法の銅板、亜鉛
板(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を
設置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されない
ことから考えると、本発明により処理されたポリウレタ
ンフォームが優れた効果を発揮することが明らかであ
る。
ム10g/lの水溶液(温度約50℃)に時々ゆっくり
と攪拌しつつ10分間浸漬して、十分に汚れを除去した
後、よく水洗し、SnCl2 ・2H2 0 20g/lと
濃塩酸20ml/lとの混合水溶液(温度約25℃)に
3.5分間浸漬し、よく水洗した。次いで、AgNO3
1.5g/lの水溶液(温度約53℃)に1.5分間浸
漬し、よく水洗した。
ウレタンフォームをSnCl2 ・2H2 0 20g/l
と濃HCl20ml/lとの混合水溶液(温度25℃)
に3分間浸漬した後、よく水洗し、さらにAgNO
3 1.5g/lの水溶液(温度53℃)に1.5分間浸
漬し、よく水洗し、乾燥した。
の処理と同様な処理を行なった。
らかとなった。
ることが明らかとなった。
本発明による上記の試料に代えて、同寸法の銅板、亜鉛
板(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を
設置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されない
ことから考えると、本発明により処理されたポリウレタ
ンフォームが優れた効果を発揮することが明らかであ
る。
ームの抗菌性を示す模式図である。
Claims (1)
- 【請求項1】ポリウレタンフォームを塩化錫(II)
(SnCl2 2H2 0)5〜40g/lと濃塩酸5〜4
0ml/lとの混合水溶液に浸漬し、水洗した後、硝酸
銀の0.3〜10g/l水溶液に浸漬し、水洗し、乾燥
することを特徴とするポリウレタンフォームに抗菌性お
よび抗かび性を付与する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3958693A JP3475254B2 (ja) | 1993-03-01 | 1993-03-01 | ポリウレタンフォームに抗菌性および抗かび性を付与する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3958693A JP3475254B2 (ja) | 1993-03-01 | 1993-03-01 | ポリウレタンフォームに抗菌性および抗かび性を付与する方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06246841A true JPH06246841A (ja) | 1994-09-06 |
JP3475254B2 JP3475254B2 (ja) | 2003-12-08 |
Family
ID=12557209
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3958693A Expired - Lifetime JP3475254B2 (ja) | 1993-03-01 | 1993-03-01 | ポリウレタンフォームに抗菌性および抗かび性を付与する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3475254B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL9500096A (nl) * | 1994-01-19 | 1995-09-01 | Satosen Co | Werkwijze voor het bereiden van een schimmeldodend/bacteriedodend materiaal voor hydrocultuurtoepassing, aldus verkregen materiaal en werkwijze voor het beschermen van gewassen tegen schimmels en/of bacteriën bij hydrocultuur. |
US7232210B2 (en) | 2003-12-17 | 2007-06-19 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Foam, method of forming the foam, print cartridge including the foam, and printing apparatus including the print cartridge |
CN109401277A (zh) * | 2018-09-21 | 2019-03-01 | 宁波格林美孚新材料科技有限公司 | 一种具有抗菌功能的e-tpu复合材料及其制备方法 |
KR20220128125A (ko) * | 2021-03-12 | 2022-09-20 | 이석성 | 셀룰로오스 함유 물질을 이용한 항균성 및 탈취성 화합물 및 그 제조방법 |
-
1993
- 1993-03-01 JP JP3958693A patent/JP3475254B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
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---|---|---|---|---|
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CN100386209C (zh) * | 2003-12-17 | 2008-05-07 | 三星电子株式会社 | 泡沫及其形成方法、印刷盒和印刷装置 |
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---|---|
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