JPH06346364A - 繊維品およびポリウレタンフォームに抗菌性および抗かび性ならびに低温輻射機能性を付与する方法 - Google Patents

繊維品およびポリウレタンフォームに抗菌性および抗かび性ならびに低温輻射機能性を付与する方法

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JPH06346364A
JPH06346364A JP5135942A JP13594293A JPH06346364A JP H06346364 A JPH06346364 A JP H06346364A JP 5135942 A JP5135942 A JP 5135942A JP 13594293 A JP13594293 A JP 13594293A JP H06346364 A JPH06346364 A JP H06346364A
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JP5135942A
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Haruichiro Eguchi
晴一郎 江口
Takao Washimi
隆男 鷲見
Shingo Saijo
信吾 西城
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Satosen Co Ltd
Original Assignee
Satosen Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】優れた抗菌性および抗かび性ならびに低温輻射
機能性を備えた繊維品およびポリウレタンを得る方法を
提供することを主な目的とする。 【構成】繊維品またはポリウレタンを置換メッキ法によ
り処理して、銀−白金または白金−銀複合被膜を形成さ
せ、繊維品またはポリウレタンに抗菌性および抗かび性
ならびに低温輻射機能性を付与する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維品(紙、不織布、
織物、編物、藁、い草など)およびポリウレタンフォー
ムに抗菌性および抗かび性ならびに低温輻射機能性を付
与する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、耐性黄色ぶどう球菌(MRSA)
による合併症の発生問題が契機となって、病院、老人養
護施設、一般家庭、娯楽施設などにおける衣料、寝具衣
料、カ−テン、カ−ペット、絨毯などの繊維製品類、器
具類、装置類、有機物加工製品などに、細菌、かびなど
の微生物に対しての抗菌性や殺菌性を付与する必要性が
広く認識される様になってきた。
【0003】従来、衣料、寝具衣料、カ−テン、カ−ペ
ット、絨毯などの繊維製品および有機物加工製品の一種
である紙、不織布、織物、ポリウレタンフォームなどに
おける無機系の微生物発生および発育防止剤としては、
銀ゼオライト(銀ケイ酸アルミニウム塩)粉末が知られ
ており、これは、比較的良好な抗菌性および抗かび性を
示す。しかしながら、この粉末は、上記の製品に対して
付着性をほとんど有しないので、製品完成前の段階で素
材などへの混入などの前加工処理を行なわなければなら
ない。例えば、合成繊維製品の場合には、合成繊維の原
料である合成高分子材料に予め銀ゼオライト粉末を練り
混んでおき、これを紡糸し、紡織して、抗菌性乃至殺菌
性を付与した繊維を得る必要がある。また、天然繊維の
場合には、バインダーを使用して繊維への付着による抗
菌性乃至殺菌性の付与を図るか、或いは銀ゼオライト粉
末を練り混んだ合成繊維糸との混紡により抗菌性乃至殺
菌性の付与を図る必要がある。この様な観点から、抗菌
性乃至殺菌性の付与加工前後の繊維品の化学的性質およ
び物理的性質を考慮すると、素材および形態の点で、抗
菌性乃至殺菌性を付与した繊維の商品化には大きな制限
がある。
【0004】一方、繊維製品に抗菌性および抗かび性を
付与し得る材料として、有機化合物がある。有機化合物
は、加工性に優れているので、抗菌性および抗かび性を
付与すべき対象としての繊維の素材および形態に対する
制限は少ないが、処理された繊維製品の洗濯、大気中で
の長時間の放置などにより、抗菌性および抗かび性効果
を急速に失なうので、耐久性に劣るという欠点を有して
いる。
【0005】他方、近年、可視光線よりも長波長の遠赤
外線に属する3〜16μmの波長の光が、生鮮食料品の
みならず、人体にも様々な効果を及ぼすことが明らかに
され、多くの分野で利用され始めている。その代表的な
利用方法として、遠赤外線治療器、白金を含有する衣
料、寝具などが挙げられる。
【0006】この様な光による効果としては、(a)ヒ
ト細胞中のCa2+イオンを増加させ、好中球、リンパ球
などの各機能を増強する、換言すれば、細胞を賦活化な
いし活性化させること、(b)慢性関節リュウマチ、糖
尿病、レイノー病、ケロイドの抑制、腫瘍の肉芽形成な
どに効果があり、また血液障害を伴う患者の場合には、
血液循環の回復があること、(c)癌化、老化防止に効
果があること、(d)生鮮食料品の鮮度保持に効果があ
ることなどが挙げられている{丹波ら、日本炎症学会
誌、Vol.11,No.2,March,135(1991) 参照}。
【0007】この様な効果が発揮されるのは、以下の様
な理由によるものと考えられる。人体は、体温が平均3
6.5℃程度であり、主に波長8〜10μmの輻射エネ
ルギーを常に放射する優れた輻射体である。一方、白金
は、この様な輻射エネルギーを受けて、これとほとんど
同じ波長(4〜14μm)の輻射エネルギーを人体に対
して放射する。その結果、この白金からの輻射エネルギ
ーは、人体からの輻射エネルギーと同調して、共鳴吸収
現象を起こさせ、白金から放射されたエネルギーの約9
9%が皮膚下深部に吸収されることになる。この吸収さ
れたエネルギーは、人体の体液、血液などの主成分であ
るH2 O分子を振動させ、体内から体温を上昇させ、身
体の血行を促進し、代謝機能を活性化する。即ち、人体
からエネルギーを得た白金が、それを再びエネルギーと
して人体に放射する相互作用により、低温輻射熱線機能
が発揮されるものと推考される。
【0008】しかしながら、白金粉末は、上記の繊維製
品および有機物加工製品には付着しないので、製品完成
前の段階で、やはりそれらの素材への混入などの前処理
を行なう必要がある。例えば、合成繊維製品、ポリウレ
タンフォーム(発泡ポリウレタン)などの場合には、白
金粉末を予め酸化アルミニウム粉末、酸化チタン粉末な
どと混合した状態で、製造原料に均一混合しておく。よ
り具体的には、繊維製品の場合には、合成繊維原料を撚
糸し、紡糸した後、織物、編物、不織布などを製造す
る。また、ポリウレタンフォームの場合には、上記の様
にして調製した白金粉末含有製造原料を発泡させ、座布
団などの詰め物として使用する。これらの製造方法にお
いて、白金粉末を酸化アルミニウム粉末、酸化チタン粉
末などの混合粉末として使用する理由は、樹脂中に混入
する白金粉末が微量であるため、白金粉末のみでは原料
中に均一に分散し難いからであると推考される。因み
に、この様にして製造され、市販されている衣料品をエ
ネルギー分散型X線分析装置(堀場製作所製、EMAX
−2700、加速電圧25KV)により分析したとこ
ろ、白金粉末は、殆ど検出できない程度の微量しか含有
されていないことが判明した。
【0009】一方、天然繊維製品の場合には、白金粉末
をバインダーと混合し、繊維へ付着させるか、或いは白
金粉末を練り混んだ合成繊維糸との混紡により、白金粉
末を付与する必要がある。
【0010】この様な状況においては、白金粉末に関し
ても、上記銀粉末の場合と同様に、素材および形態の点
で、低温輻射機能性を付与した繊維品およびポリウレタ
ンフォームの商品化には大きな制限がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
記の様な従来技術の問題点を解決乃至軽減し、優れた抗
菌性および抗かび性ならびに低温輻射機能性を備えた繊
維品およびポリウレタンフォームを提供することを主な
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
従来技術の現状に鑑みて研究を進めた結果、特定の化合
物を順次使用する置換メッキの手法を繊維品およびポリ
ウレタンフォームに適用して銀および白金を付与する場
合には、繊維品およびポリウレタンフォームに優れた抗
菌性および抗かび性効果ならびに低温輻射機能性を付与
し得ることを見出した。
【0013】また、銀および白金を共存させることによ
り、銀を単独で使用する場合に比して、銀が活性化さ
れ、抗菌性および抗かび性効果がより一層改善されるこ
とをも見出した。
【0014】即ち、本発明は、下記の方法を提供するも
のである; 1.(1)繊維品またはポリウレタンフォームからなる
被処理品を塩化錫(II)、塩化錫(IV)、硫酸錫
(II)および硫酸錫(IV)の少なくとも1種と塩酸
および/または硫酸とを含む混合水溶液に浸漬し、水洗
する工程、(2)被処理品を白金化合物の水溶液または
含塩酸水溶液に浸漬し、水洗する工程、(3)被処理品
を再度塩化錫(II)、塩化錫(IV)、硫酸錫(I
I)および硫酸錫(IV)の少なくとも1種と塩酸およ
び/または硫酸とを含む混合水溶液に浸漬し、水洗する
工程、および(4)被処理品を硝酸銀の水溶液に浸漬
し、水洗し、乾燥する工程を含むことを特徴とする繊維
およびポリウレタンフォームに抗菌性および抗かび性な
らびに低温輻射機能性を付与する方法、および 2.(1)繊維品またはポリウレタンフォームからなる
被処理品を塩化錫(II)、塩化錫(IV)、硫酸錫
(II)および硫酸錫(IV)の少なくとも1種と塩酸
および/または硫酸とを含む混合水溶液に浸漬し、水洗
する工程、(2)被処理品を硝酸銀の水溶液に浸漬し、
水洗する工程、(3)被処理品を再度塩化錫(II)、
塩化錫(IV)、硫酸錫(II)および硫酸錫(IV)
の少なくとも1種と塩酸および/または硫酸とを含む混
合水溶液に浸漬し、水洗する工程、および(4)被処理
品を白金化合物の水溶液または含塩酸水溶液に浸漬し、
水洗する工程を含むことを特徴とする繊維品およびポリ
ウレタンフォームに抗菌性および抗かび性ならびに低温
輻射機能性を付与する方法。
【0015】以下においては、特許請求の範囲第1項お
よび第2項に記載の発明をそれぞれ本願第1発明および
本願第2発明といい、両者を併せて単に本願発明とい
う。
【0016】本願発明でいう繊維品とは、素材として
は、パルプ、綿、麻、人絹、羊毛、絹、藁、い草などの
天然繊維材料および各種の高分子系合成繊維材料を包含
する。また、その形態としては、糸、紙、不織布、織
布、編物などの全ての繊維製品を包含する。これらの繊
維材料は、糸の形態で本発明方法により処理した後、不
織布、織布、編物などに加工しても良い。以下において
は、特に必要でない限り、これらを繊維品と総称し、必
要な場合にのみ、個別的に示す。
【0017】I.本願第1発明 本願第1発明では、繊維品またはポリウレタンフォーム
(特に必要でない限り、以下においては繊維品を以て代
表させる)を以下の各工程に順次供する。
【0018】(1)前処理 まず、前処理として、繊維品が汚れている場合或いは引
続き行なわれる処理を阻害するバインダーなどを含んで
いる場合には、これらを除去する。この様な前処理は、
繊維品およびプラスチックスなどの非導電材料へのメッ
キ形成に際して採用されている方法に準じて行なえば良
く、特に限定されるものではないが、例えば、材質、汚
れの程度などに応じて、以下の様な方法により行なうこ
とができる。
【0019】−(イ)汚れが軽度である場合には、水洗
のみを行なうか、或いは市販の食器洗い用乃至洗濯用洗
剤の水溶液に浸漬し或いはそれらの水溶液中で撹拌した
後、水洗する。
【0020】−(ロ)炭酸ナトリウム2〜10g/l+
市販の食器洗い用洗剤2ml/lの水溶液、(ハ)水酸
化ナトリウム約20g/l+燐酸ナリウム約20g/l
の水溶液、(ニ)水酸化ナトリウム80〜250g/l
の水溶液、(ホ)メタケイ酸ナトリウム約100g/l
の水溶液などに温度20〜85℃で浸漬した後、水洗す
る。
【0021】−(ヘ)濃硫酸に温度30〜70℃で浸漬
した後、水洗する。
【0022】−(ト)無水クロム酸20〜400g/l
+硫酸120〜850ml/lの水溶液に温度40〜7
5℃で浸漬した後、水洗する。
【0023】−(チ)無水クロム酸15〜25g/l+
硫酸800〜910ml/l+リン酸250〜330g
/lの水溶液に温度60〜75℃で浸漬した後、水洗す
る。
【0024】浸漬時間は、被処理品の材質、汚れの程度
などに応じて適宜選択されるが、通常2〜20分間程度
である。前処理は、必要ならば、同種の水溶液を使用し
て複数回行なっても良く、或いは異なる水溶液を使用し
て複数回行なっても良い。
【0025】上記の前処理において、アルカリ水溶液或
いは酸水溶液を使用する場合には、被処理品の汚れ除去
乃至脱脂が行なわれるのみならず、被処理品がエッチン
グされるので、次工程における錫イオンの析出が良好に
行なわれる。
【0026】前処理方法は、被処理品に対する銀および
白金の密着性にも関連する。従って、材質と汚れの程度
に応じて、前処理方法を適宜選択することが好ましい。
例えば、上記(イ)の方法はナイロン、ポリウレタンフ
ォーム、天然繊維などの処理に適しており、上記(ロ)
〜(ホ)の方法は綿、ポリエステル、ナイロン、アクリ
ル樹脂、ポリウレタンフォームなどの処理に適してお
り、上記(ヘ)の方法はポリスチレンの処理に適してお
り、上記(ト)〜(チ)の方法はポリエチレン、ポリプ
ロピレンなどの処理に適している。
【0027】なお、上記の前処理において、無水クロム
酸含有処理液を使用する場合には、被処理品に吸着され
た6価のクロムイオンを3価のクロムイオンに還元する
ために、例えば、シュウ酸50〜120g/l+硫酸8
0〜120g/lの水溶液或いは酸性亜硫酸ナトリウム
約20g/lの水溶液に30〜60℃程度で1〜5分間
程度浸漬した後、水洗することが必要である。
【0028】被処理品が天然繊維である場合には、上記
(ロ)〜(ホ)のアルカリ水溶液により処理し、次いで
塩酸或いは硫酸などの酸性水溶液に浸漬した後、次亜塩
素酸ナトリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素などの
酸化剤の水溶液に浸漬して、漂白することが好ましい。
特に被処理品が藁およびい草或いはそれを素材とする製
品であるである場合には、アルカリ度が低い水溶液、例
えば炭酸ナトリウム3〜10g/l程度の水溶液により
前処理することが好ましい。
【0029】また、繊維品が紙からなる場合には、水に
浸漬すると、崩壊することがある。このため、置換メッ
キ工程における最初の処理液であるSnCl2 などの水
溶液の浸透を妨げるバインダーなどが、紙の内部に存在
しない製品(例えば、濾紙)については、直接SnCl
2 などの水溶液への浸漬を行なっても良い。但し、紙製
品中にバインダーなどの阻害成分が存在する場合には、
最終的には繊維品表面には銀および白金が付与されるも
のの、内部にまでは銀および白金は充分に析出しない。
また、この様な阻害成分が、SnCl2 などの水溶液に
溶出して、処理液を劣化させる事もある。この様な場合
には、紙製品が破損しない様に留意しつつ、予め水に
0.5〜3時間程度浸しておき、阻害成分を除去してお
くことが好ましい。
【0030】(2)錫塩の付与 次いで、上記の前処理を行なった後(或いは必要がなけ
れば行なうことなく)、被処理品である繊維品を塩化錫
(II)、塩化錫(IV)、硫酸錫(II)および硫酸
錫(IV)の少なくとも1種と塩酸および/または硫酸
との混合水溶液に浸漬した後、水洗する。前処理後に十
分な水洗が行なわれていない場合には、これらの錫塩水
溶液に前処理液に由来する成分(例えばアルカリ成分)
が混入して、錫塩の水溶液を劣化させ、錫の水酸化物を
析出させることがある。この様な場合には、被処理品を
予め塩酸水溶液(0.1〜5%程度)、硫酸水溶液
(0.1〜5%程度)などに浸漬し、水洗した後、所定
の錫塩の水溶液に浸漬することが好ましい。浸漬に際し
ては、被処理物に空気に起因すると考えられる気泡が付
着する場合があるので、その付着を防止し、均一な錫イ
オンの吸着を行なうために、被処理物が損傷乃至崩壊し
ない様に留意しつつ、水溶液中で被処理物を緩やかに動
かしたり、水溶液をゆっくり撹拌することなどが好まし
い。錫塩の付与に使用する水溶液の組成および浸漬条件
は、通常以下の通りである。
【0031】(a)塩化錫(II)を使用する場合;S
nCl2 ・2H2 Oを5〜40g/l程度(錫として
2.6〜21g/l程度)と塩酸および/または硫酸を
含む水溶液に10〜40℃程度で1〜10分間程度浸漬
する。この様な水溶液は、塩化錫(II)と所定濃度お
よび所定量の塩酸水溶液、硫酸水溶液或いは塩酸−硫酸
混合水溶液とを水に添加することにより、調製できる。
【0032】水溶液中の錫の濃度が2.6g/lを下回
る場合には、浸漬時間を長くする必要があり、実用的に
不利となる。一方、被処理物が、毛布、厚みの大きい不
織布ポリウレタンフォームなどである場合には、多量の
水溶液を吸収して、次工程への水溶液の持出し量が多く
なるため、液の濃度管理が困難となるので、上限量を2
1g/lとする。水溶液の温度が低すぎる場合には、浸
漬時間が長くなり、不利となるのに対し、高すぎる場合
には、短い浸漬時間で錫が均一に析出するが、液の耐久
性が低下する。水溶液の劣化の原因は、十分には解明さ
れていないが、おそらくSn2+イオンがSn4+イオンに
酸化され易くなり、被処理品に対する吸着性が低下する
ものと思われる。従って、これらの条件を総合的に判断
して、浸漬時の水溶液の温度を10〜40℃とした。下
記(b)および(c)における水溶液の錫濃度および温
度の規定値も、同様の理由により定めた。
【0033】塩酸水溶液、硫酸水溶液或いは塩酸−硫酸
混合水溶液の配合量は、(イ)36%塩酸5〜40ml
/l程度、(ロ)98%硫酸1.5〜18ml/l程
度、(ハ)36%塩酸1〜39ml/l+98%硫酸1
〜17ml/l程度である。
【0034】但し、上記水溶液が塩素イオンを含まない
(即ち、硫酸イオンのみを含む)場合には、天然繊維お
よびナイロンについては、錫の析出が良好に行なわれる
ものの、その他の繊維品については、錫の析出が十分で
はない。その理由は明確ではないが、塩素イオンが存在
しなくとも、ナイロンにおいては、錫がそのC−N結合
のN分子に、また天然繊維においては、錫がセルロース
分子のO原子に吸着されやすいためと考えられる。
【0035】(b)硫酸錫(II)を使用する場合;S
nSO4 5〜38g/l程度(錫として2.6〜21g
/l程度)と塩酸および/または硫酸とを含む水溶液に
10〜40℃程度で1〜10分間程度浸漬する。この様
な水溶液の調製に使用する塩酸および/または硫酸の配
合量は、上記(a)の塩化錫(II)を使用する場合と
同様である。また、水溶液が塩素イオンを含まない場合
には、ナイロンおよび天然繊維の処理に限られること
は、やはり上記(a)の場合と同様である。
【0036】(c)塩化錫(II)と硫酸錫(II)と
を使用する場合;両者の合計量が2.6〜21g/l程
度(錫として)となる様に調製した水溶液に10〜40
℃程度で1〜10分間程度浸漬する。この様な水溶液の
調製に使用する塩酸および/または硫酸の配合量は、上
記(a)の塩化錫(II)を使用する場合と同様であ
る。また、水溶液が塩素イオンを含まない場合には、ナ
イロンおよび天然繊維の処理に限られることは、やはり
上記(a)の場合と同様である。
【0037】(d)塩化錫(IV)を使用する場合;S
nCl4 ・nH2 O 2.6〜90g/l程度(錫とし
て)と塩酸および/または硫酸を含む水溶液に10〜6
0℃程度で5〜20分間程度浸漬する。塩化錫(IV)
は、水に溶解するが、温度が30℃以上になると、沈殿
生成物を生じやすいので、水溶液は、塩酸および/また
は硫酸を含有することが好ましい。この様な酸含有水溶
液は、塩化錫(IV)と所定濃度および所定量の塩酸水
溶液、硫酸水溶液或いは塩酸−硫酸混合水溶液とを水に
添加することにより、調製できる。
【0038】水溶液中の錫の濃度が2.6g/lを下回
る場合には、浸漬時間を20分以上と長くする必要があ
り、実用的に不利となる。一方、被処理物が、毛布、厚
みの大きい不織布、ポリウレタンフォームなどである場
合には、多量の水溶液を吸収して、次工程への水溶液の
持出し量が多くなるため、液の濃度管理が困難となるの
で、上限量を90g/lとする。水溶液の温度が低すぎ
る場合には、浸漬時間が長くなり、不利となるのに対
し、高すぎる場合には、短い浸漬時間で錫が均一に析出
するが、液の耐久性が低下する。従って、これらの条件
を総合的に判断して、浸漬時の水溶液の温度を10〜6
0℃とした。下記(e)および(f)における水溶液の
錫濃度および温度の規定値も、同様の理由により定め
た。
【0039】塩酸水溶液、硫酸水溶液或いは塩酸−硫酸
混合水溶液の配合量は、(イ)36%塩酸1〜40ml
/l程度、(ロ)98%硫酸1.5〜18ml/l程
度、(ハ)36%塩酸1〜39ml/l+98%硫酸1
〜17ml/l程度である。この様な塩化錫(IV)含
有酸水溶液には、塩酸の塩(カリウム塩、ナトリウム
塩、アンモニウム塩など)を1〜80g/l程度配合し
ておくことにより、最終的に得られる処理製品上に均一
で薄い有色被膜が得られ、繊維品をカラー化し易いとい
う利点がある。
【0040】なお、塩化錫(IV)を使用する場合に
は、水溶液中に塩素イオンが存在していても、天然繊維
製品以外の製品には錫イオンが析出し難い。従って、天
然繊維以外の製品を処理対象とする場合には、上記
(a)乃至(c)の水溶液を使用することが好ましい。
【0041】(e)硫酸錫(IV)を使用する場合;S
n(SO)4 ・2H2 O 2.6〜25g/l程度(錫
として)と塩酸および/または硫酸を含む水溶液に10
〜60℃程度で5〜20分間程度浸漬する。この様な水
溶液の調製に使用する塩酸および/または硫酸の配合量
は、上記(d)の塩化錫(IV)を使用する場合と同様
である。また、塩酸のカリウム塩などを配合する場合の
効果についても、上記(d)の場合と同様である。
【0042】(f)塩化錫(IV)と硫酸錫(IV)と
を使用する場合;両者の合計量が2.6〜25g/l程
度(錫として)となる様に調製した水溶液に10〜60
℃程度で5〜20分間程度浸漬する。この様な水溶液の
調製に使用する塩酸および/または硫酸の配合量は、上
記(d)の塩化錫(IV)を使用する場合と同様であ
る。また、塩酸のカリウム塩などを配合する場合の効果
についても、上記(d)の場合と同様である。
【0043】(3)白金の付与 次いで、上記の処理を終えた被処理物を水洗後に白金化
合物の水溶液または塩酸含有水溶液に浸漬した後、水洗
する。
【0044】白金化合物としては、水または塩酸水溶液
に可溶性のものが使用される。この様な白金化合物とし
て、より具体的には、塩化第1白金(II)、塩化白金
(IV)、テトラクロロ白金(II)酸およびそのナト
リウム、カリウムおよびアンモニウム塩、ヘキサクロロ
白金(IV)酸およびそのナトリウム、カリウムおよび
アンモニウム塩、テトラブロモ白金(II)酸のカリウ
ム塩、ヘキサブロモ白金(IV)酸およびそのナトリウ
ム、カリウムおよびアンモニウム塩などが例示され、こ
れらの1種または2種以上を使用する。
【0045】白金水溶液中の白金濃度は、通常0.00
8〜0.08g/l程度である。白金化合物として塩化
第1白金(II)および酸塩を使用する場合には、36
%塩酸を1〜10ml/l程度添加して、溶解性を改善
することが好ましい。水溶液中の白金濃度が高い場合に
は、同一条件下により多くの白金が被処理物上に析出し
て、輻射強度は高くなる。しかしながら、人体から放射
される熱線の波長は、ほぼ一定であるため、白金の析出
量が増加しても、輻射率は殆ど変わらず、人体に対する
低温輻射機能の改善には、あまり寄与しないものと推考
される。換言すれば、エネルギー分散型X線分析装置に
より分析できる程度の量の白金が析出しておれば、所望
の効果が達成されるものと考えられる。また、被処理物
が、毛布、厚みの大きい不織布、ポリウレタンフォーム
などである場合には、多量の水溶液を吸収して、次工程
への水溶液の持出し量が多くなるため、液中の白金濃度
の管理が困難となる。これらの点を考慮して、白金濃度
の上限量を0.08g/lとした。一方、一定量以上の
白金を付与した被処理繊維品は、白金を付与しない被処
理繊維品に比して、その素材、染色の色調、プリント部
に含まれる無機顔料の種類、繊維の織密度などに依存し
て変動するものの、3μm以上の波長域(いわゆる遠赤
外線領域)での輻射率において、3〜25%程度の改善
が認められる。この白金付与による効果は、ポリウレタ
ンフォームについても同様であることが確認された。こ
のことから、被処理品における輻射率の改善効果が明確
に認められる最低濃度である0.008g/lを水溶液
中の白金濃度の下限値とした。被処理物を白金水溶液に
浸漬する場合の温度は8〜50℃程度であり、浸漬時間
は0.5〜5分間程度である。処理時の水溶液温度は、
被処理物に吸着されている錫イオンにより白金イオンが
白金に還元される速度、白金粒子の成長速度などに大き
く影響するものと思われる。このことからは、水溶液温
度はより高いことが好ましいとも考えられるか、前述の
様に白金析出量の増大は、必ずしも低温輻射機能の改善
を意味しないし、経済的には不利でもある。白金析出に
関しては、むしろ、被処理物の全面に均一に析出するこ
との方が重要である。従って、これらの点を総合的に考
慮して、被処理物浸漬時の白金水溶液温度を8〜50℃
とした。なお、白金水溶液への浸漬に際しては、被処理
物に気泡が付着する場合があるので、その付着を防止し
かつ白金イオンの均一な吸着を行なうために、被処理物
および/または水溶液を動かすことが好ましい。
【0046】(4)錫塩の付与 次いで、上記の処理を終えた被処理物を上記(2)と同
様の錫溶液に対する浸漬処理に供した後、水洗する。こ
の浸漬処理に使用する液の組成、処理条件などは、上記
(2)のそれらと同様であって良い。また、硫酸錫(I
I)を使用してナイロンおよび天然繊維以外の繊維品を
処理する場合には、塩素イオンの存在を必要とするこ
と、錫塩(IV)を使用する場合には、被処理物は、塩
素イオンの存在或いは不存在に関係なく天然繊維に限ら
れることなども、上記(2)の場合と同様である。
【0047】(5)銀の付与 次いで、上記の錫塩処理を終えた被処理物を水洗後に硝
酸銀0.4〜10g/lの水溶液に10〜60℃程度で
0.5〜15分間程度浸漬する。この浸漬に際しても、
被処理物に細かい気泡が付着することがあるので、その
付着を防止し、銀イオンの均一な吸着を行なうために、
被処理物および/または水溶液を動かすことが好まし
い。
【0048】硝酸銀の濃度は、通常1〜2g/lを上回
っても特に増大せず、抗菌性および抗かび性の効果の改
善は期待できない。しかしながら、上記の各種の処理液
の場合と同様に、被処理物が毛布、厚みの大きい不織
布、ポリウレタンフォームなどである場合には、多量の
処理液を吸収して、液の持出し量が多くなるため、液の
濃度管理が困難となるので、硝酸銀の濃度の上限量を1
0g/lとする。一方、硝酸銀の濃度が0.3g/l程
度の液であっても、液の温度を高めるか或いは浸漬時間
を長くする場合には、銀濃度0.4g/l以上の液を使
用する場合と同様の優れた抗菌性および抗かび性を被処
理物に付与することができる。しかしながら、建浴(初
めに溶液をつくる)時からこのような低濃度とする場合
には、やはり毛布、厚さのある不織布、ポリウレタンフ
ォームなどを処理する際に液の濃度管理が困難となるた
めに、硝酸銀濃度の下限を0.4g/lとする。硝酸銀
含有処理液の適切な温度は、吸着している錫イオンによ
り銀イオンが還元される速度、置換された銀が成長する
速度などに大きく関係する。従って、硝酸銀濃度、温度
および浸漬時間を考慮して、(イ)硝酸銀濃度0.4〜
1g/l;温度10〜30℃;浸漬時間7〜15分間、
(ロ)硝酸銀濃度0.4〜1g/l;温度40〜60
℃;浸漬時間2〜6分間、(ハ)硝酸銀濃度3〜10g
/l;温度20〜35℃;浸漬時間2〜5分間、(ニ)
硝酸銀濃度3〜10g/l;温度40〜60℃;浸漬時
間0.5〜4分間などの組合わせを採用することがより
好ましい。この様な処理条件においては、特に優れた抗
菌性および抗かび性効果が達成される。
【0049】硝酸銀水溶液による処理を終えた被処理物
は、水洗され、乾燥されて、白金−銀複合被覆を備え、
抗菌性および抗かび性に優れ且つ低温輻射機能性を備え
た所望の繊維品が得られる。
【0050】なお、本願第1発明において、被処理物表
面における白金の付与量を増加させたい場合には、上記
(3)の白金付与工程を終えた被処理物を水洗した後、
再度上記(2)の錫塩付与工程に供し、水洗し、再度上
記(3)の白金付与工程に供すれば、良い。この様な工
程(2)および(3)の繰返しは、必要に応じて複数回
行なうことができる。
【0051】また、被処理物に対する銀付与量を増加さ
せて、さらに優れた抗菌性及び抗かび性効果を達成する
ためには、上記(5)の銀付与工程を終えた被処理物を
水洗した後、再度上記(4)の錫塩付与工程に供し、水
洗し、再度上記(5)の銀付与工程に供すれば、良い。
この様な工程(4)および(5)の繰返しは、必要に応
じて複数回行なうことができる。
【0052】本願第1発明で処理された繊維品および後
記の本願第2発明で処理された繊維品は、白金および銀
の酸化物と考えられる化合物で被覆されている。
【0053】銀の酸化物は、繊維品に高度で且つ持続性
に優れた抗菌性および抗かび性を付与する。本発明によ
り得られた繊維製品にどの程度の量の銀が付与されてい
るかは、紙および不織布においては短繊維が絡みあつて
おり、また織物についても繊維がねん糸され、紡績され
ているため、単位面積当りの付与量を明確に算出するこ
とはできない。このため、ポリエステルの単繊維につい
て、本発明方法の各種の組成および条件により銀を付与
した後、硝酸に溶解させ、原子吸光度分析法により定量
分析したところ、平均約0.0003mg/cm2 であ
つた。従って、この量以上の銀が被覆さていれば、抗菌
性および抗かび性の効果を示すことものと推測される。
また、前述の様にして、被処理物に対する銀付与工程を
2回繰り返したところ、銀の付与量は、1回処理を行な
った場合の1.5〜〜2倍であった。さらに、被処理物
に対する銀付与工程を2回繰り返した場合には、銀の付
与量は、1回処理した場合の2.3〜3.3倍に達して
いた。
【0054】なお、繊維製品に付与された銀の化学状態
および組成についての詳細は、不明であるが、X線光電
子分光分析の結果では、銀は金属の状態ではなく酸化し
ている化学的状態と考えられる。理論的には、吸着した
錫イオンにより銀イオンが金属銀に還元されると考えら
れる。その場合の化学反応式は Sn2++2Ag+ → Sn4++2Ag0 (金属) と考えられる。しかしながら、付与される銀の成長速度
が遅く、またその厚さが非常に薄いため、溶液中および
測定までの大気中での放置により、一旦析出した金属銀
が酸化しているものと推定される。なお、繊維製品を肉
眼で観察した限りでは、銀は、灰黒色、茶褐色などの色
を呈していた。
【0055】また、本発明により得られた繊維製品にど
の程度の量の白金が付与されているかについても、単位
面積当りの付与量として明確に算出することはできな
い。このため、ポリエステルの単繊維について、本発明
方法の各種の組成および条件により白金を付与した後、
王水に溶解させて、原子吸光度分析法により定量分析し
たところ、平均約0.00024mg/cm2 であつ
た。
【0056】さらに、繊維製品に付与された白金の化学
状態および組成についての詳細は、やはり不明である
が、理論的には、錫塩(II)を使用する場合には、吸
着した錫イオンにより白金イオンが金属白金に還元され
ていると考えられる。その場合の化学反応式は Sn2++Pt2+ → Sn4++Ag0 (金属)、および 2Sn2++Pt4+→ Sn4++Ag0 (金属) で示されるものと考えられる。一方、錫塩(IV)を使
用する場合には、吸着イオンがSn4+であるために、上
記の反応式が成立しない。しかしながら、綿繊維の構成
分子であるセルロースのO分子にSn4+イオンが吸着し
たことにより、原子価が4価よりも低くなっていること
も推測されるので、上記の反応式は成立する様に思われ
る。なお、X線光電子分光分析の結果では、白金は、浸
漬に使用する水溶液中でのイオン価数に関係なく、ほと
んどが金属の状態にあると判断された。
【0057】II.本願第2発明 本願第2発明では、繊維品を以下の各工程に順次供す
る。本願第1発明と本願第2発明との相違は、銀付与工
程と白金付与工程の順序が逆になっている点に存在す
る。
【0058】(1)前処理 必要に応じて行なわれる繊維品の前処理は、本願第1発
明における前処理工程(1)と同様にして行なえば、良
い。
【0059】(2)錫塩の付与 被処理品である繊維品に対する錫塩の付与も本願第1発
明における錫塩付与工程(2)と同様にして行なう。
【0060】(3)銀の付与 上記工程(2)からの被処理品に対する銀の付与を本願
第1発明における銀付与工程(5)と同様にして行な
う。
【0061】(4)錫塩の付与 上記工程(3)からの被処理品に対する錫塩の付与を本
願第1発明における錫塩付与工程(4)と同様にして行
なう。
【0062】(5)白金の付与 上記工程(3)からの被処理品に対する白金の付与を本
願第1発明における白金付与工程(3)と同様にして行
なう。
【0063】なお、本願第2発明においても、被処理物
に対する銀付与量を増加させて、さらに優れた抗菌性及
び抗かび性効果を達成するためには、上記(3)の銀付
与工程を終えた被処理物を水洗した後、再度上記(2)
の錫塩付与工程に供し、水洗し、再度上記(3)の銀付
与工程に供すれば、良い。この様な工程(2)および
(3)の繰返しは、必要に応じて複数回行なうことがで
きる。
【0064】また、被処理物表面における白金の付与量
を増加させたい場合にも、やはり上記(5)の白金付与
工程を終えた被処理物を水洗した後、再度上記(4)の
錫塩付与工程に供し、水洗し、再度上記(5)の白金付
与工程に供すれば、良い。この様な工程(4)および
(5)の繰返しは、必要に応じて複数回行なうことがで
きる。
【0065】本願第2発明で処理された繊維品は、本願
第1発明で処理された繊維品と同様の化学的および物理
的状態にあり、同様の特性を発揮する。
【0066】本願発明で得られる繊維品において、銀と
白金とが相乗的な相互作用を発揮して、抗菌性および抗
かび性をより一層改善するという現象は、全く予想外の
ことであり、その理由は、未だ解明されていない。即
ち、白金自体は、大腸菌、黄色ぶどう球菌、緑膿菌、か
びなどに対する抗菌効果を殆ど発揮しない。このこと
は、例えば、後記実施例および比較例で行なったと同様
の緑膿菌を使用する試験において、試料の周囲でも菌が
発育している(オリゴジナミーが形成されない)ことか
らも、明らかである。一方、銀は、同様の試験におい
て、単独でオリゴジナミーを形成させており、優れた抗
菌性を発揮している。
【0067】しかるに、銀と白金とを併用して緑膿菌に
対する抗菌効果を測定すると、銀の周囲のオリゴジナミ
ーの面積は、銀を単独で使用する場合に比して、著しく
増大しており、全く予想外にも、白金の周囲にもオリゴ
ジナミーが出現している。この両金属の併用による抗菌
性の著しい改善の原因については、未だ十分に解明され
るに至ってはいないが、他の金属の併用の例から以下の
様な作用によるものと推考される。
【0068】即ち、クロメート処理した亜鉛(亜鉛を無
水クロム酸−硝酸−硫酸の混合水溶液に浸漬する)と銅
とは、それぞれ単独では、緑膿菌に対する抗菌効果は極
めて低いため、その周囲にはオリゴジナミーは、殆ど形
成されない。しかるに、この両者を接触させると、両者
の周りには、広い範囲にわたってオリゴジナミーが出現
し、緑膿菌の成育は殆ど認められなくなる。このことか
ら、銀と白金とを併用した場合の抗菌効果の著しい改善
は、水分存在環境下において溶解性に影響を与えるイオ
ン化傾向の相違に基づく腐食電池形成機構(電場形成と
金属の活性化)に起因するものと考えられる。より詳細
には、銀およびその化合物の標準電極電位は、白金およ
びその化合物のそれよりも低いので、腐食電池の形成に
より、銀およびその化合物がアノード(負極)となり、
白金およびその化合物が正極(カソード)となって、互
いに活性化された状態におかれるとともに、電場が形成
されることになる。従って、本願発明における抗菌性効
果の向上は、この両被覆金属の活性化と腐食電池形成に
基づく電場形成とによるものと判断する。
【0069】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明らかにする。
【0070】なお、実施例における抗菌性試験および抗
かび性試験は、以下の様にして行なった。
【0071】1.抗菌性試験 大腸菌、黄色ぶどう球菌および緑膿菌を対象として殺菌
性効果を示す試験を以下の要領で行なった。
【0072】1−1.大腸菌および黄色ぶどう球菌 a.試験菌液の調製 大腸菌としては、エシェリヒア コリ菌(Escherichia
coli IFO3301) を用いた。
【0073】黄色ぶどう球菌としては、スタフィロコッ
カス アウレウス菌(Staphylococcus aureus IFO1273
2)を用いた。
【0074】供試菌を普通ブイヨン培地で35℃で18
時間、3回継代培養したものを滅菌リン酸緩衝液を用い
て適宜希釈し、試験菌液とした。
【0075】b.測定培地 標準寒天培地を使用した。
【0076】c.測定方法 抗菌加工を施した繊維製品(供試体)の細菌増殖抑制試
験法(日本防菌防黴学会抗菌加工検討委員会)を準用し
た。また、ポリウレタンフォームについても、同様にし
て測定した。
【0077】試験結果は、繊維品およびポリウレタンフ
ォーム0.2g当たりの生菌数で表わした。
【0078】1−2.緑膿菌を主体とする雑菌 a.試験菌液の調製 菌液は、腐敗したエマルジョンタイプの切削油で、Pseu
domonas sp. ( 緑膿菌) を主とし、、Bacillus sp.( 枯
草菌) およびFlavobacterium sp.を混合して含んでい
た。
【0079】b.菌数 供試菌株の塗抹直前の菌数は、約105 個であった。
【0080】c.判定方法 イ) 定性的測定;バイオチェッカー(T.T.Cタイ
プ;三愛石油株式会社製)を使用して判定した。即ち、
菌数約105 個を有する水溶液にバイオチェッカーを3
0〜60秒間浸漬した後、バイオチェッカーの上に目的
の試料を置き、温度25〜30℃で24時間培養して試
料の周りにオリゴジナミー(試料の周りに菌が全く発育
しない領域が、試料の形状にそってコロナ的に形成され
る)が現れているか否かを目視および写真撮影によって
判定した。
【0081】ロ) 定量的測定;また、銀単独の被覆の
場合と銀−白金複合被覆の場合の抗菌効果の相違を定量
的に比較検討する場合には、容積約45mlのビーカー
に菌数約105 個を有する水溶液20mlと金属被膜を
施した試料0.4gとを入れ、密栓し、温度25℃で6
時間浸透した後、試料を取り除き、次いで上記と同様の
バイオチェッカーを水溶液に約60秒間浸した。次い
で、バイオチェッカーを温度25〜30℃で24時間培
養した後、生菌数を算出して、 滅菌率=滅菌数/105 ×100(%) を計算した。
【0082】2.抗かび性試験 以下の2種類の菌について、抗かび性試験を行なった。
【0083】a.供試菌数 アスペルギルス ニガー菌(Aspergillus niger IFO634
1 )とペニシリウムフニクロサム菌(Penicillium funi
culosum IFO6345 )とを用いた。
【0084】b.試験方法 各試料を5cm×5cmの大きさに裁断した後、「かび
抵抗性試験方法(JIS Z 2911−1981)」
の繊維製品の試験方法(湿式法)を準用して試験を行な
った。
【0085】c.判定 肉眼により観測し、発育の有無で判定した。
【0086】3.輻射率の測定 本発明により処理した繊維品およびポリウレタンフォー
ムならびにこれらの処理品をエポキシ樹脂とともに板状
(厚さ約3〜5mm)に加工したものをそれぞれ使用し
て、行なった。測定は、赤外分光光度計(IR−43
0、(株)島津製作所製)を使用して、それぞれ銀単独
処理の場合と銀−白金複合処理の場合とについて赤外波
長領域における反射率を測定し、輻射率の増加率(%)
として表した。
【0087】実施例1 1ー1 紙に対する加工 試料としての図画用紙を水に3時間浸漬し、次いでSn
Cl2 ・2H2 0 20g/lと濃塩酸15ml/lと
の混合水溶液(温度23℃)に5分間浸漬した後、よく
水洗した。
【0088】次いで、上記試料をヘキサクロロ白金(I
V)酸のカリウム塩(Ptとして約0.037g/l)
に塩酸1ml/lを添加した水溶液(温度約18℃)に
3分間浸漬し、水洗し、再度SnCl2 ・2H2 0 2
0g/lと濃塩酸15ml/lとの混合水溶液(温度2
3℃)に5分間浸漬した後、よく水洗した。
【0089】次いで、上記試料をAgNO3 1.5g/
lの水溶液(温度48℃)に1.5分間浸漬した後、良
く水洗し、乾燥して、白金−銀複合被覆を形成した紙製
品を得た。
【0090】1−2 抗菌試験 a)大腸菌 菌数は300個以下であり、効果が優れていることが明
らかとなった。
【0091】b)黄色ぶどう球菌 菌数は300個以下であり、効果があることが明らかと
なった。
【0092】c)緑濃菌を含む雑菌 イ)定性的測定の結果:図1から明らかの様に、バイオ
チェッカー上には、試料1と菌の発育を示す赤色着色部
5との間に菌の発生が認められない白色のオリゴジナミ
ー3が見られ、抗菌性効果があることがわかる。
【0093】なお、この緑濃菌を含む雑菌に対しては、
本発明による試料1に代えて、同寸法の銅板、亜鉛板
(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を設
置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されないこ
とから考えると、本発明により処理された繊維品が優れ
た効果を発揮することが明らかである。
【0094】ロ)定量的測定の結果;銀単独による処理
の場合には、滅菌率=約89%であり、白金−銀による
複合処理の場合には、滅菌率=約95%であった。
【0095】1−3 かび抵抗試験 (−)であった。
【0096】1−4 輻射率試験 銀単独による処理の場合に比して、白金−銀による複合
処理の場合には、25%の輻射率の増大が認められた。
【0097】実施例2 2ー1 織物に対する加工 綿繊維100%からなる厚さ約0.3mmの織物を緩や
かに撹拌しつつ水酸化ナトリウム100g/lの水溶液
(温度65℃)に45分間浸漬して汚れを除去し、水洗
した後、3%塩酸水溶液に浸漬し、さらに水洗し、次い
で、3%次塩素酸ナトリウム水溶液に20分間浸漬し
た。ついで、この織物を良く水洗し、1%硫酸水溶液に
浸漬し、水洗した。
【0098】次いで、緩やかな撹拌下に上記の織物をS
nCl2 ・2H2 0 20g/lと濃塩酸15ml/l
との混合水溶液(温度22℃)に3.5分間浸漬し、十
分に水洗した後、ヘキサクロロ白金(IV)酸の水溶液
(Ptとして約0.037g/l溶解、温度約18℃)
に緩やかに撹拌しつつ3分間浸漬し、水洗した。さら
に,この織物を再度緩やかな撹拌下にSnCl2 ・2H
2 0 20g/lと濃塩酸15ml/lとの混合水溶液
(温度17℃)に1.5分間浸漬し、十分に水洗した。
【0099】次いで、上記の織物をAgNO3 1.0g
/lの水溶液(温度51℃)に2分間浸漬し、十分に水
洗し、乾燥して、白金−銀複合被覆を備えた織物を得
た。
【0100】次いで、上記で得た白金−銀複合被覆を備
えた織物を再度上記と同様な処理に供した。即ち、この
織物を緩やかな撹拌下にSnCl2 ・2H2 0 20g
/lと濃塩酸15ml/lとの混合水溶液(温度22
℃)に3.5分間浸漬し、十分に水洗した後、ヘキサク
ロロ白金(IV)酸の水溶液(Ptとして約0.037
g/l溶解、温度約18℃)に緩やかに撹拌しつつ3分
間浸漬し、水洗した。さらにこの織物を再度緩やかな撹
拌下にSnCl2 ・2H2 0 20g/lと濃塩酸15
ml/lとの混合水溶液(温度17℃)に2.5分間浸
漬し、十分に水洗した。
【0101】次いで、上記の織物をAgNO3 1.0g
/lの水溶液(温度25℃)に5分間浸漬し、十分に水
洗し、乾燥して、白金−銀−白金−銀複合被覆を備えた
織物を得た。
【0102】2−2 抗菌試験 a)大腸菌 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0103】b)黄色ぶどう球菌 菌数は300個以下であり、効果があることが明らかに
なった。
【0104】c)緑濃菌を含む雑菌 イ)定性的測定の結果:図1の場合と同様にオリゴジナ
ミーが見られ、効果があることが明らかとなった。
【0105】なお、この緑濃菌を含む雑菌に対しては、
本発明による上記の試料に代えて、同寸法の銅板、亜鉛
板(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を
設置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されない
ことから考えると、本発明により処理された繊維品が優
れた効果を発揮することが明らかである。
【0106】ロ)定量的測定の結果;銀単独による処理
の場合には、滅菌率=約91%であり、白金−銀−白金
−銀による複合処理の場合には、滅菌率=約98%であ
った。
【0107】2−3 かび抵抗試験 (−)であった。
【0108】2−4 輻射率試験 銀単独による処理の場合に比して、白金−銀−白金−銀
による複合処理の場合には、15%の輻射率の増大が認
められた。
【0109】実施例3 3ー1 織物に対する加工 実施例2と同様にして、綿繊維100%からなる厚さ約
0.3mmの織物を順次水酸化ナトリウム水溶液により
汚れ除去処理し、塩酸水溶液により処理し、次亜塩素酸
ナトリウムにより処理し、十分に水洗し、硫酸水溶液に
より処理した後、亜ジチオン酸ナトリウム(Na2 2
4 )の10g/lの水溶液に3分間浸漬し、水洗し、
次いでSnCl4 ・2H2 0 100g/lと濃塩酸1
5ml/lとの混合水溶液(温度45℃)に10分間浸
漬し、十分に水洗した。
【0110】次いで、上記の織物をAgNO3 1.0g
/lの水溶液(温度51℃)に5分間浸漬し、よく水洗
して、銀被覆織物を得た。
【0111】次いで、上記で処理した織物をSnCl2
・2H2 0 20g/lと濃HCl15ml/lとの混
合水溶液(温度22℃)に緩やかな撹拌下に3.5分間
浸漬した後、よく水洗し、さらにテトラクロロ白金(I
I)酸の水溶液(Ptとして約0.03g/lを溶解、
温度28℃)に緩やかな撹拌下に3分間浸漬し、よく水
洗し、乾燥して、銀−白金複合被覆を備えた織物を得
た。
【0112】3−2 抗菌試験 a)大腸菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0113】b)黄色ぶどう球菌の場合 菌数は300個以下であり、効果があることが明らかに
なった。
【0114】c)緑濃菌を含む雑菌の場合 イ)定性的測定の結果:図1の場合と同様にオリゴジナ
ミーが見られ、効果があることが明らかとなった。
【0115】なお、この緑濃菌を含む雑菌に対しては、
本発明による上記の試料に代えて、同寸法の銅板、亜鉛
板(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を
設置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されない
ことから考えると、本発明により処理された繊維品が優
れた効果を発揮することが明らかである。
【0116】ロ)定量的測定の結果;銀単独による処理
の場合には、滅菌率=約89%であり、銀−白金による
複合処理の場合には、滅菌率=約95%であった。
【0117】3−3 かび抵抗試験 (−)であった。
【0118】3−4 輻射率試験 銀単独による処理の場合に比して、銀−白金による複合
処理の場合には、15%の輻射率の増大が認められた。
【0119】実施例4 4ー1 織物に対する加工 実施例2と同様にして、綿繊維100%からなる厚さ約
0.3mmの織物を順次水酸化ナトリウム水溶液により
汚れ除去処理し、塩酸水溶液により処理し、次亜塩素酸
ナトリウムにより処理し、十分に水洗し、硫酸水溶液に
より処理した後、亜ジチオン酸ナトリウム(Na2 2
4 )の10g/lの水溶液に3分間浸漬し、水洗し、
次いでSnCl4 ・2H2 0 20g/lと濃硫酸5m
l/lとの混合水溶液(温度20℃)に緩やかな撹拌下
に10分間浸漬し、十分に水洗した。
【0120】次いで、上記の織物をAgNO3 1.0g
/lの水溶液(温度51℃)に5分間浸漬し、よく水洗
して、銀被覆織物を得た。
【0121】次いで、上記の織物をSnCl2 ・2H2
0 20g/lと濃HCl 15ml/lとの混合水溶
液(温度22℃)に緩やかな撹拌下に3分間浸漬した
後、よく水洗し、さらにヘキサクロロ白金(IV)酸の
水溶液(Ptとして約0.033g/lを溶解、温度2
0℃)に緩やかな撹拌下に3分間浸漬し、よく水洗し、
乾燥して、銀−白金複合被覆を備えた織物を得た。
【0122】4−2 抗菌試験 a)大腸菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0123】b)黄色ぶどう球菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0124】c)緑濃菌を含む雑菌の場合 イ)定性的測定の結果:図1の場合と同様にオリゴジナ
ミーが見られ、効果があることが明らかとなった。
【0125】なお、この緑濃菌を含む雑菌に対しては、
本発明による上記の試料に代えて、同寸法の銅板、亜鉛
板(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を
設置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されない
ことから考えると、本発明により処理された繊維品が優
れた効果を発揮することが明らかである。
【0126】ロ)定量的測定の結果;銀単独による処理
の場合には、滅菌率=約85%であり、銀−白金による
複合処理の場合には、滅菌率=約95%であった。
【0127】4−3 かび抵抗試験の場合 (−)であった。
【0128】4−4 輻射率試験 銀単独による処理の場合に比して、銀−白金による複合
処理の場合には、15%の輻射率の増大が認められた。
【0129】実施例5 5ー1 織物に対する加工 ポリエステル100%からなる厚さ0.3mmの織物を
水酸化ナトリウム150g/lと界面活性剤(商品名;
ママローヤル、ライオン(株)製)3ml/lの水溶液
(温度50℃)に時々ゆっくりと攪拌しつつ15分間浸
漬した後、よく水洗し、次いで2%塩酸水溶液に10分
間浸漬し、水洗した。
【0130】次いで、上記の洗浄済みの織物を緩やかな
撹拌下にSnCl2 ・2H2 0 15g/lと濃塩酸1
5ml/lとの混合水溶液(温度21℃)に4分間浸漬
し、よく水洗した。
【0131】次いで、上記の織物を緩やかな撹拌下にヘ
キサクロロ白金(IV)酸の水溶液(Ptとして約0.
037g/lを溶解;温度18℃)に3分間浸漬した
後、良く水洗して、白金被覆織物を得た。
【0132】次いで、上記の白金被覆織物を緩やかな撹
拌下に再度SnCl2 ・2H2 020g/lと濃塩酸1
5ml/lとの混合水溶液(温度22℃)に3.5分間
浸漬した後、よく水洗した。
【0133】次いで、この織物をAgNO3 1.0g/
lの水溶液(温度61℃)に2分間浸漬した後、よく水
洗し、乾燥して、白金−銀被覆織物を得た。
【0134】5−2 抗菌試験 a)大腸菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0135】b)黄色ぶどう球菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0136】c)緑濃菌を含む雑菌の場合 イ)定性的測定の結果:図1の場合と同様にオリゴジナ
ミーが見られ、効果があることが明らかとなった。
【0137】ロ)定量的測定の結果;銀単独による処理
の場合には、滅菌率=約89%であり、白金−銀による
複合処理の場合には、滅菌率=約96%であった。
【0138】なお、この緑濃菌を含む雑菌に対しては、
本発明による上記の試料に代えて、同寸法の銅板、亜鉛
板(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を
設置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されない
ことから考えると、本発明により処理された繊維品が優
れた効果を発揮することが明らかである。
【0139】5−3 かび抵抗試験の場合 (−)であった。
【0140】5−4 輻射率試験 銀単独による処理の場合に比して、白金−銀による複合
処理の場合には、10%の輻射率の増大が認められた。
【0141】実施例6 6ー1 織物に対する加工 ポリエステル繊維65%と綿繊維35%とからなる厚さ
0.3mmの織物を洗濯用洗剤(商品名;Hiトップ、
ライオン(株)製)の2g/l水溶液(温度50℃)に
時々ゆっくりと攪拌しつつ10分間浸漬して汚れを除去
した後、よく水洗し、次いで緩やかな撹拌下に水酸化ナ
トリウム120g/lの水溶液(温度55℃)に15分
間浸漬し、水洗し、次いで緩やかな撹拌下に1%塩酸水
溶液に15分間浸漬し、水洗した。
【0142】次いで、上記の織物を緩やかな撹拌下にS
nCl2 ・2H2 0 20g/lと濃塩酸15ml/l
との混合水溶液(温度20℃)に3.5分間浸漬し、よ
く水洗した。
【0143】次いで、上記の織物を緩やかな撹拌下にヘ
キサクロロ白金(IV)酸の水溶液(Ptとして約0.
02g/lを溶解;温度30℃)に3分間浸漬した後、
良く水洗して、白金被覆織物を得た。
【0144】次いで、上記の白金被覆織物を緩やかな撹
拌下に再度SnCl2 ・2H2 015g/lと濃塩酸1
5ml/lとの混合水溶液(温度21℃)に4分間浸漬
した後、よく水洗し、次いで、この織物をAgNO
3 1.5g/lの水溶液(温度20℃)に6分間浸漬
し、よく水洗し、乾燥して、白金−銀被覆織物を得た。
【0145】6−2 抗菌試験 a)大腸菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0146】b)黄色ぶどう球菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0147】c)緑濃菌を含む雑菌の場合 イ)定性的測定の結果:図1の場合と同様にオリゴジナ
ミーが見られ、効果があることが明らかとなった。
【0148】ロ)定量的測定の結果;銀単独による処理
の場合には、滅菌率=約89%であり、白金−銀による
複合処理の場合には、滅菌率=約95%であった。
【0149】なお、この緑濃菌を含む雑菌に対しては、
本発明による上記の試料に代えて、同寸法の銅板、亜鉛
板(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を
設置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されない
ことから考えると、本発明により処理された繊維品が優
れた効果を発揮することが明らかである。
【0150】6−3 かび抵抗試験の場合 (−)であった。
【0151】6−4 輻射率試験 銀単独による処理の場合に比して、白金−銀による複合
処理の場合には、12%の輻射率の増大が認められた。
【0152】実施例7 7ー1 不織布に対する加工 ポリプロピレンを素材とする厚さ約2mmの不織布を緩
やかな撹拌下に水酸化ナトリウム150g/lの水溶液
(温度50℃)に10分間浸漬し、水洗し、次いで緩や
かな撹拌下にクロム酸−硫酸水溶液(無水クロム酸約7
5g/l+硫酸約800ml/l+水約200ml/
l)に10分間浸漬し、水洗した後、緩やかな撹拌下に
シュウ酸100g/l+硫酸の混合水溶液(温度60
℃)に2分間浸漬して、付着している6価クロムを3価
クロムに還元し、水洗した。
【0153】次いで、上記の織物を緩やかな撹拌下にS
nCl2 ・2H2 0 25g/lと濃塩酸20ml/l
との混合水溶液(温度21℃)に4分間浸漬し、よく水
洗した。
【0154】次いで、上記の織物を緩やかな撹拌下にヘ
キサクロロ白金(IV)酸の水溶液(Ptとして約0.
045g/lを溶解;温度25℃)に3分間浸漬し、良
く水洗して、白金被覆織物を得た。
【0155】次いで、上記の白金被覆織物を緩やかな撹
拌下に再度SnCl2 ・2H2 015g/lと濃塩酸1
5ml/lとの混合水溶液(温度21℃)に4分間浸漬
した後、よく水洗し、次いで、この織物をAgNO
3 0.5g/lの水溶液(温度38℃)に9分間浸漬
し、よく水洗し、乾燥して、白金−銀複合被覆織物を得
た。
【0156】7−2 抗菌試験 a)大腸菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0157】b)黄色ぶどう球菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0158】c)緑濃菌を含む雑菌の場合 イ)定性的測定の結果:図1の場合と同様にオリゴジナ
ミーが見られ、効果があることが明らかとなった。
【0159】ロ)定量的測定の結果;銀単独による処理
の場合には、滅菌率=約88%であり、白金−銀による
複合処理の場合には、滅菌率=約95%であった。
【0160】なお、この緑濃菌を含む雑菌に対しては、
本発明による上記の試料に代えて、同寸法の銅板、亜鉛
板(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を
設置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されない
ことから考えると、本発明により処理された繊維品が優
れた効果を発揮することが明らかである。
【0161】7−3 かび抵抗試験の場合 (−)であった。
【0162】7−4 輻射率試験 銀単独による処理の場合に比して、白金−銀による複合
処理の場合には、8%の輻射率の増大が認められた。
【0163】実施例8 8ー1 ポリウレタンフォームに対する加工 厚さ約5mmのポリウレタンフォームを緩やかな撹拌下
に炭酸ナトリウム10g/l+水酸化ナトリウム20g
/l+界面活性剤(商品名;ママローヤル、ライオン
(株)製)3ml/lの混合水溶液(温度55℃)に2
5分間浸漬し、水洗して汚れを取り除いた。
【0164】次いで緩やかな撹拌下に上記の織物を5%
塩酸水溶液に15分間浸漬し、水洗した後、緩やかな撹
拌下にSnCl2 ・2H2 0 20g/l+濃塩酸16
ml/lの水溶液(温度22℃)に3.5分間浸漬し、
よく水洗した。
【0165】次いで、上記の織物を緩やかな撹拌下にヘ
キサクロロ白金(IV)酸の水溶液(Ptとして約0.
037g/lを溶解;温度18℃)に3分間浸漬し、良
く水洗して、白金被覆織物を得た。
【0166】次いで、上記の白金被覆織物を緩やかな撹
拌下に再度SnCl2 ・2H2 030g/lと濃塩酸2
2ml/lとの混合水溶液(温度17℃)に3分間浸漬
した後、よく水洗し、次いで、この織物をAgNO3
g/lの水溶液(温度38℃)に4分間浸漬し、よく水
洗し、乾燥して、白金−銀複合被覆織物を得た。
【0167】8−2 抗菌試験 a)大腸菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0168】b)黄色ぶどう球菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0169】c)緑濃菌を含む雑菌の場合 イ)定性的測定の結果:図1の場合と同様にオリゴジナ
ミーが見られ、効果があることが明らかとなった。
【0170】ロ)定量的測定の結果;銀単独による処理
の場合には、滅菌率=約90%であり、白金−銀による
複合処理の場合には、滅菌率=約96%であった。
【0171】なお、この緑濃菌を含む雑菌に対しては、
本発明による上記の試料に代えて、同寸法の銅板、亜鉛
板(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を
設置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されない
ことから考えると、本発明により処理された繊維品が優
れた効果を発揮することが明らかである。
【0172】8−3 かび抵抗試験の場合 (−)であった。
【0173】8−4 輻射率試験 銀単独による処理の場合に比して、白金−銀による複合
処理の場合には、5%の輻射率の増大が認められた。
【0174】実施例9 9ー1 糸に対する加工 綿繊維100%の糸を緩やかな撹拌下に水酸化ナトリウ
ム120g/lの水溶液(温度55℃)に30分間浸漬
し、水洗し、次いで緩やかな撹拌下に3%次亜塩素酸ナ
トリウムム水溶液に30分間浸漬し、水洗した後、緩や
かな撹拌下に1%硫酸水溶液に5分間浸漬し、水洗し
た。
【0175】次いで、上記の糸を緩やかな撹拌下にSn
Cl2 ・2H2 0 20g/lと濃塩酸15ml/lと
の混合水溶液(温度22℃)に3.5分間浸漬し、よく
水洗した。
【0176】次いで、上記の糸を緩やかな撹拌下にヘキ
サクロロ白金(IV)酸の水溶液(Ptとして約0.0
2g/lを溶解;温度18℃)に3分間浸漬し、良く水
洗して、白金被覆糸を得た。
【0177】次いで、上記の白金被覆糸を緩やかな撹拌
下に再度SnCl2 ・2H2 0 20g/lと濃塩酸1
5ml/lとの混合水溶液(温度22℃)に3.5分間
浸漬した後、よく水洗し、次いで、この糸をAgNO3
1g/lの水溶液(温度50℃)に3分間浸漬し、よく
水洗し、乾燥して、白金−銀複合被覆糸を得た。
【0178】次いで、この糸を用いて布(繊度;50d
×75d、密度;152×97)に紡織して、この布に
ついて以下の結果を得た。
【0179】9−2 抗菌試験 a)大腸菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0180】b)黄色ぶどう球菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0181】c)緑濃菌を含む雑菌の場合 イ)定性的測定の結果:図1の場合と同様にオリゴジナ
ミーが見られ、効果があることが明らかとなった。
【0182】ロ)定量的測定の結果;銀単独による処理
の場合には、滅菌率=約90%であり、白金−銀による
複合処理の場合には、滅菌率=約95%であった。
【0183】なお、この緑濃菌を含む雑菌に対しては、
本発明による上記の試料に代えて、同寸法の銅板、亜鉛
板(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を
設置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されない
ことから考えると、本発明により処理された繊維品が優
れた効果を発揮することが明らかである。
【0184】9−3 かび抵抗試験の場合 (−)であった。
【0185】9−4 輻射率試験 銀単独による処理の場合に比して、銀−白金による複合
処理の場合には、10%の輻射率の増大が認められた。
【0186】実施例10 10ー1 藁に対する加工 藁を緩やかな撹拌下に炭酸ナトリウム5g/lの水溶液
(温度35℃)に90分間浸漬し、水洗して汚れを取り
除いた。次いで、上記の藁を緩やかな撹拌下に新たな炭
酸ナトリウム5g/lの水溶液(温度35℃)に90分
間浸漬し、水洗して、さらに汚れを取り除いた。
【0187】次いで、上記の藁を1%塩酸水溶液に2分
間浸漬し、水洗した後、3%次亜塩素酸ナトリウム水溶
液に60分間浸漬し、水洗し、さらに1%硫酸水溶液に
浸漬し、水洗し、亜ジチオン酸ナトリウム10g/lの
水溶液に3分間浸漬し、水洗した。
【0188】次いで、上記の藁を緩やかな撹拌下にSn
Cl2 ・2H2 0 20g/lと濃塩酸15ml/lの
混合水溶液(温度25℃)に5分間浸漬し、よく水洗し
た。次いで、上記の藁を緩やかな撹拌下にヘキサクロロ
白金(IV)酸の水溶液(Ptとして約0.047g/
lを溶解;温度25℃)に3分間浸漬し、良く水洗し
て、白金被覆織物を得た。
【0189】次いで、上記の白金被覆藁を緩やかな撹拌
下に再度SnCl2 ・2H2 0 20g/lと濃塩酸1
5ml/lとの混合水溶液(温度25℃)に3.5分間
浸漬した後、よく水洗し、次いで、この藁をAgNO3
1.5g/lの水溶液(温度28℃)に8分間浸漬し、
よく水洗し、乾燥して、白金−銀複合被覆藁を得た。次
いで、この藁を使用して、ござを織り上げ、このござに
ついて以下の結果を得た。
【0190】10−2 抗菌試験 a)大腸菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0191】b)黄色ぶどう球菌の場合 菌数は300個以下であり、効果に優れていることが明
らかとなった。
【0192】c)緑濃菌を含む雑菌の場合 イ)定性的測定の結果:図1の場合と同様にオリゴジナ
ミーが見られ、効果があることが明らかとなった。
【0193】ロ)定量的測定の結果;銀単独による処理
の場合には、滅菌率=約85%であり、白金−銀による
複合処理の場合には、滅菌率=約95%であった。
【0194】なお、この緑濃菌を含む雑菌に対しては、
本発明による上記の試料に代えて、同寸法の銅板、亜鉛
板(クロメート処理を行っている)またはニッケル板を
設置した場合には、オリゴジナミーが全く形成されない
ことから考えると、本発明により処理された繊維品が優
れた効果を発揮することが明らかである。
【0195】10−3 かび抵抗試験の場合 (−)であった。
【0196】10−4 輻射率試験 銀単独による処理の場合に比して、白金−銀による複合
処理の場合には、3%の輻射率の増大が認められた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法により処理された繊維品の抗菌性を
示す模式図である。
【符号の説明】
1…抗菌処理した試料 3…オリゴジミナー(菌が発育していない白色部分) 5…赤色着色部(菌が発育して赤色に着色した部分)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】さらに、繊維製品に付与された白金の化学
状態および組成についての詳細は、やはり不明である
が、理論的には、錫塩(II)を使用する場合には、吸
着した錫イオンにより白金イオンが金属白金に還元され
ていると考えられる。その場合の化学反応式は Sn2++Pt2+ → Sn4+Pt (金属)、
および 2Sn2++Pt4+→ Sn4+Pt (金属) で示されるものと考えられる。一方、錫塩(IV)を使
用する場合には、吸着イオンがSn4+であるために、
上記の反応式が成立しない。しかしながら、綿繊維の構
成分子であるセルロースのO分子にSn4+イオンが吸
着したことにより、原子価が4価よりも低くなっている
ことも推測されるので、上記の反応式は成立する様に思
われる。なお、X線光電子分光分析の結果では、白金
は、浸漬に使用する水溶液中でのイオン価数に関係な
く、ほとんどが金属の状態にあると判断された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08G 18/82 101:00)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)繊維品またはポリウレタンフォーム
    からなる被処理品を塩化錫(II)、塩化錫(IV)、
    硫酸錫(II)および硫酸錫(IV)の少なくとも1種
    と塩酸および/または硫酸とを含む混合水溶液に浸漬
    し、水洗する工程、(2)被処理品を白金化合物の水溶
    液または含塩酸水溶液に浸漬し、水洗する工程、(3)
    被処理品を再度塩化錫(II)、塩化錫(IV)、硫酸
    錫(II)および硫酸錫(IV)の少なくとも1種と塩
    酸および/または硫酸とを含む混合水溶液に浸漬し、水
    洗する工程、および(4)被処理品を硝酸銀の水溶液に
    浸漬し、水洗し、乾燥する工程を含むことを特徴とする
    繊維品およびポリウレタンフォームに抗菌性および抗か
    び性ならびに低温輻射機能性を付与する方法。
  2. 【請求項2】(1)繊維品またはポリウレタンフォーム
    からなる被処理品を塩化錫(II)、塩化錫(IV)、
    硫酸錫(II)および硫酸錫(IV)の少なくとも1種
    と塩酸および/または硫酸とを含む混合水溶液に浸漬
    し、水洗する工程、(2)被処理品を硝酸銀の水溶液に
    浸漬し、水洗する工程、(3)被処理品を再度塩化錫
    (II)、塩化錫(IV)、硫酸錫(II)および硫酸
    錫(IV)の少なくとも1種と塩酸および/または硫酸
    とを含む混合水溶液に浸漬し、水洗する工程、および
    (4)被処理品を白金化合物の水溶液または含塩酸水溶
    液に浸漬し、水洗する工程を含むことを特徴とする繊維
    品およびポリウレタンフォームに抗菌性および抗かび性
    ならびに低温輻射機能性を付与する方法。
JP5135942A 1993-06-07 1993-06-07 繊維品およびポリウレタンフォームに抗菌性および抗かび性ならびに低温輻射機能性を付与する方法 Withdrawn JPH06346364A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100624559B1 (ko) * 2004-04-30 2006-09-19 오유성 귀금속장신구 및 건강생활용품용 은(銀)합금 발포금속제조방법
ES2310115A1 (es) * 2007-03-08 2008-12-16 Asociacion De Investigacion De La Industria Textil Procedimiento de obtencion de textiles con propiedades antibacterianas y antifungicas.
JP2012254319A (ja) * 2006-07-28 2012-12-27 Becton Dickinson & Co 管アクセスデバイスの抗菌性材料および液
CN109137488A (zh) * 2017-06-27 2019-01-04 刘志红 一种钴-铁-磷非晶合金/聚合物复合纤维及生产方法

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