JPH0762067A - 露光により不透明化する感光性熱硬化性樹脂組成物およびこれを用いるパターン形成方法 - Google Patents

露光により不透明化する感光性熱硬化性樹脂組成物およびこれを用いるパターン形成方法

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JPH0762067A
JPH0762067A JP17784393A JP17784393A JPH0762067A JP H0762067 A JPH0762067 A JP H0762067A JP 17784393 A JP17784393 A JP 17784393A JP 17784393 A JP17784393 A JP 17784393A JP H0762067 A JPH0762067 A JP H0762067A
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JP
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film
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epoxy resin
thermosetting resin
light
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Application number
JP17784393A
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English (en)
Inventor
Koichiro Kawate
恒一郎 川手
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Original Assignee
Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 a)脂肪族エポキシ樹脂100重量部; b)上記脂肪族エポキシ樹脂に対して当量のアミン系また
は酸無水物系硬化剤; c)少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基またはビニル
基を有するエチレン性不飽和モノマー10〜300重量部;
および d)光ラジカル重合開始剤0.1〜5重量部;を含有する感
光性熱硬化性樹脂組成物において、上記脂肪族エポキシ
樹脂と上記硬化剤との混合物の屈折率n1と、上記エチレ
ン性不飽和モノマーの屈折率n2との差が0.05を上回る感
光性熱硬化性樹脂組成物。 【効果】 光を照射することにより露光部分と非露光部
分との間に充分な光学密度の差を形成でき、形成された
不透明部分をその後も光に対して安定に維持できる感光
性樹脂組成物が提供された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱硬化性樹脂組成物に関
し、特に、露光により不透明化する感光性熱硬化性樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】感光性樹脂は、光または放射線のような
照射エネルギーを吸収することにより化学構造が変化
し、それに伴って物性が変化する高分子材料である。光
を吸収することによる主な化学構造の変化には、光架
橋、光重合、光分解、光変性および光応答等がある。感
光性樹脂は産業上広範な用途に用いられており、例え
ば、製版材料、マイクロリソグラフィー用レジスト、印
刷用UVインキ、UV接着剤および歯科用材料等が挙げられ
る。
【0003】一般に、パターン形成用に感光性樹脂を用
いる場合には、光吸収前後における感光性樹脂の溶媒に
対する溶解性の差を利用することが専ら行われている。
つまり、光硬化性樹脂は光を吸収すると不溶化するの
で、露光部分は溶媒で溶出除去されず、残存する。逆
に、光分解性樹脂は光を吸収すると可溶化するので、露
光部分が溶出除去される。
【0004】しかしながら、光を照射することにより露
光部分と非露光部分との間に充分な光学密度の差を形成
でき、形成された不透明部分をその後も光に対して安定
に維持できる感光性樹脂組成物の報告例は無い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、光
を照射することにより露光部分と非露光部分との間に充
分な光学密度の差を形成でき、形成された不透明部分を
その後も光に対して安定に維持できる感光性樹脂組成物
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、a)脂肪族エポ
キシ樹脂100重量部; b)上記脂肪族エポキシ樹脂に対して当量のアミン系また
は酸無水物系硬化剤; c)少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基またはビニル
基を有するエチレン性不飽和モノマー10〜300重量部;
および d)光ラジカル重合開始剤0.1〜5重量部;を含有する感
光性熱硬化性樹脂組成物において、上記脂肪族エポキシ
樹脂と上記硬化剤との混合物の屈折率n1と、上記エチレ
ン性不飽和モノマーの屈折率n2との差が0.05を上回る感
光性熱硬化性樹脂組成物を提供するものであり、そのこ
とにより上記目的が達成される。
【0007】本発明で用いる脂肪族エポキシ樹脂は特に
限定されないが、操作性の観点より1分子中に平均2〜
4個のエポキシ基を有する数平均分子量が100〜1000の
グリシジルエーテル系または脂環式樹脂であることが望
ましい。このような種類のエポキシ樹脂は分子中に二重
結合を有さないので優れた耐熱性及び耐候性を示す硬化
物を提供するからである。脂肪族エポキシ樹脂1分子中
に含まれるエポキシ基の数が平均2個未満となると反応
性に乏しくなるので十分に高い分子量を有する硬化物が
得られない。この分子中に含まれるエポキシ基の数が平
均4個を超えると硬化の進行が過度になるので硬化物が
脆くなる。また、脂肪族エポキシ樹脂の数平均分子量が
100未満では硬化物の機械的強度が不十分となる。1000
を超える数平均分子量を有する脂肪族エポキシ樹脂は一
般に室温で固体状なので他成分との混合が困難であり、
その結果、均一な硬化物が得られない。従って、本発明
に用いるのに適当な脂肪族エポキシ樹脂のエポキシ当量
は25〜500の範囲である。
【0008】このようなエポキシ樹脂は市販されてお
り、例えば、リカレジンHBE-100(新日本理化社製の2,2-
ビス(4-(2,3-エポキシプロポキシ)シクロヘキシル)プロ
パン)、リカレジンDME-100(新日本理化社製の1,4-ジ(2,
3-エポキシプロポキシ)シクロヘキサン)、リカジレンW-
100(新日本理化社製の1,6-ヘキサンジオールグリシジル
エーテル)およびERL4221(UCC社製の3,4-エポキシシクロ
ヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキ
シレート)等が挙げられる。
【0009】本発明で用いうる硬化剤はアミン系または
酸無水物系である。これらはエポキシ樹脂組成物におい
て硬化剤として通常用いられるものであれば特に限定さ
れない。
【0010】本発明に好適に用いうるアミン系硬化剤
は、操作性の観点より分子中に平均1〜4個のアミノ基
を有し、1000以下、好ましくは30〜1000の数平均分子量
を有するモノマー又はオリゴマーである。分子中に含ま
れるアミノ基の数が平均1個未満では反応性が乏しくな
るので十分に高い分子量を有する硬化物が提供されな
い。分子中に含まれるアミノ基の数が平均4個を超える
と硬化の進行が過度になるので得られる硬化物が脆くな
る。また、1000を超える数平均分子量を有するアミン系
硬化剤は一般に室温で固体状なので他成分との混合が困
難であり、その結果、均一な硬化物が得られない。他
方、分子量30未満のアミン系硬化剤は入手困難である。
従って、本発明に用いるのに好ましいアミン系硬化剤の
アミン当量は、15〜500の範囲である。
【0011】好ましいアミン系硬化剤の具体例には、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラ
エチレンペンタミン、ポリプロピレンジアミン、イソホ
ロンジアミン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)メタン、
キシレンジアミン、メタフェニルジアミンおよびジアミ
ノジフェニルスルホン等が挙げられる。
【0012】本発明に好適に用いうる酸無水物系硬化剤
は特に限定されないが、操作性の観点より分子中に平均
1〜4個の酸無水物基を有し、150〜1000の数平均分子
量を有するモノマー又はオリゴマーである。分子中に含
まれる酸無水物基の数が平均1個未満では反応性が乏し
くなるので十分に高い分子量を有する硬化物が提供され
ない。分子中に含まれる酸無水物基の数が平均4個を超
えると硬化の進行が過度になるので得られる硬化物が脆
くなる。また、150未満の分子量を有する酸無水物系硬
化剤は室温で結晶化しやすく、1000を超える数平均分子
量を有する脂肪族エポキシ樹脂は一般に室温で固体状な
ので、ともに、室温における他成分との混合が困難とな
る。その結果、均一な硬化物が得られない。従って、本
発明に用いるのに好ましい酸無水物系硬化剤の酸無水物
当量は、150〜1000の範囲である。
【0013】好ましい酸無水物の具体例には、リカシッ
ドMH-700(新日本理化社製の4-メチルヘキサヒドロ無水
フタル酸)、リカシッドHH(新日本理化社製のヘキサヒド
ロ無水フタル酸)およびHN-200(日立化成工業製のメチル
テトラヒドロ無水フタル酸)等が挙げられる。
【0014】本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物におい
ては、脂肪族エポキシ樹脂に対して当量比が1〜1.5と
なる量で上記硬化剤を用いることが望ましい。硬化物中
に未反応のエポキシ基を残さないためである。
【0015】エチレン性不飽和モノマーは、光ラジカル
重合開始剤の存在下において光重合することによりポリ
マーを形成しうる二重結合を有する化合物をいう。例え
ば、紫外線照射により重合する(メタ)アクリロイル基ま
たはビニル基を有する化合物である。本発明で用いるエ
チレン性不飽和モノマーは、上記脂肪族エポキシ樹脂と
上記硬化剤との混合物の屈折率をn1とした場合に、n1
の差が0.05を上回る屈折率n2を有することが好ましい。
エポキシ樹脂と硬化剤とエチレン性不飽和モノマーとが
混合された初期の組成物は均一である。しかしながら、
この組成物を光照射するとエチレン性不飽和モノマーが
重合して分子量が増大し、生じたポリマーは不溶化す
る。その結果、生じたポリマー粒子相とエポキシ樹脂マ
トリックス相から成る微細な(一般に平均直径1〜1000
μm)不均一構造が生じる。この不均一構造に基づく光散
乱は(n1-n2)2に比例するので、n1との差が0.05を上回る
n2を有するエチレン性不飽和モノマーを用いることによ
り光照射部分と未照射部分との間に十分な光学密度の差
が提供されるのである。各配合成分の屈折率はそれぞれ
アッベの屈折率計を用いて測定することができる。
【0016】本発明の効果は、本質的には硬化物に含ま
れる各成分(すなわち、エポキシ樹脂硬化物およびエチ
レン性不飽和モノマー由来のポリマー)の屈折率の差に
起因するが、硬化前の各成分モノマー等の屈折率の差を
制御することによっても、所望の効果が得られる。
【0017】本発明に好適に用いうるエチレン性不飽和
モノマーの具体例には、t-ブチルアクリレート、2-エチ
ルヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレ
ート、フェノキシエチルアクリレート、トリブロモフェ
ニルアクリレート、イソボロニルアクリレート、ベンジ
ルアクリレート、イソオクチルアクリレート、シクロヘ
キシルアクリレート、n-ブチルアクリレート等及びこれ
らの組み合わせが挙げられる。
【0018】本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物におい
ては、エチレン性不飽和モノマーは脂肪族エポキシ樹脂
100重量部に対して50〜300重量部、特に好ましくは100
〜200重量部の範囲の量で用いられる。エチレン性不飽
和モノマーの使用量が50重量部を下回るか、または300
重量部を超えると適当な不均一構造を有する硬化物が得
られない。その結果、硬化物の光照射部分と未照射部分
との間に十分な光学密度の差を提供することが困難とな
る。なお、本発明において「適当な不均一構造」とは、エ
ポキシ樹脂マトリックス相中に平均直径1〜1000μm、
好ましくは1〜100μmのポリマー粒子相を有する不均一
構造を意味する。
【0019】光ラジカル重合開始剤は、光照射下に上記
エチレン性不飽和モノマーの重合を開始させるために本
発明の感光性熱硬化性樹脂組成物に使用される。光ラジ
カル重合開始剤の種類および使用量は特に限定されず、
当業者に周知のものを適量配合すればよい。例えば、光
開裂型および水素引き抜き型のいずれをも本発明に使用
可能である。具体的には、ダルキュアーD1173(メルクジ
ャパン社製の2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-オ
ン)およびBEE(大阪有機社製のベンゾインエチルエーテ
ル)等が挙げられる。
【0020】上述の脂肪族エポキシ樹脂、硬化剤、エチ
レン性不飽和モノマーおよび光ラジカル重合開始剤を配
合することにより本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物が
得られる。配合方法は特に限定されず、当業者に周知の
方法を用いうる。例えば、ミキサーおよびニーダー等を
用いて成分を混練することにより行いうる。
【0021】本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物を用い
るパターン形成は、例えば、以下に示す手順で行い得
る。まず、本発明の感光性熱硬化性樹脂組成物を透明フ
ィルムに成形する。成形は当業者に周知の全ての方法を
用いて行うことができる。例えば、必要に応じて本発明
の感光性熱硬化性樹脂組成物を加熱して脂肪族エポキシ
樹脂と硬化剤とを一部反応させることにより、この組成
物を数万cpsの粘度まで増粘させ、ついで、これを2枚
の透明フィルムの間に挟むことにより透明な積層フィル
ムを形成することができる。
【0022】ついで、得られる積層フィルムをパターン
に応じたマスクを通して光照射する。積層フィルムの露
光部分においてはエチレン性不飽和モノマーは開始剤の
作用により光重合してポリエチレンとなり、分子量が増
大する結果不溶化する。したがって、露光部分では脂肪
族エポキシ樹脂-硬化剤とポリエチレンとが相分離して
この部分の光学密度の増大が生じる。その際に、得られ
る不透明性の程度(透過光%)は樹脂組成物の種類、組成
およびフィルム厚等の条件を調節することにより種々に
変化させうる。また、例えば、積層フィルムを光照射す
る強度および時間を調節することによっても得られる不
透明性を制御することができる。
【0023】その後、フィルムをさらに加熱して脂肪族
エポキシ樹脂を完全硬化させることにより形成された不
透明なパターンを固定する。最後に、このフィルムをさ
らに紫外線照射することにより残存しているエチレン性
不飽和モノマーを重合させる。尚、この段階では脂肪族
エポキシ樹脂-硬化剤の硬化反応により形成された3次
元架橋構造が存在するので、エチレン不飽和モノマーが
重合することによりポリエチレンが形成されても、その
部分における層分離は生じない。
【0024】本発明の好ましい態様の一例には、上述の
組成物を用いて形成した厚さ0.1〜10mmの表示、装飾及
びライトコントロール用フィルムが挙げられる。フィル
ムの厚さが0.1mm未満では十分な機械的強度が得られ
ず、また、この厚さが10mmを超えると光重合が不均質と
なりうる。
【0025】エポキシ樹脂および硬化剤の種類を当業者
に周知の方法で適宜選択することにより、可撓性および
剛性の所望の硬度を有する本発明のフィルムを調製しう
る。一般に、本発明のフィルムは1×108〜1×1011
弾性率に調製される。
【0026】本発明のフィルムの少なくとも片面上に支
持フィルムを設けることが可能である。支持フィルム
は、機械的支持材、保護材および装飾材としての機能を
果たす他、露光時の酸素遮断材としても機能する点で有
用である。ここで用いる支持フィルムの厚さは10〜500u
mが好適である。支持フィルムの具体例には、ポリエス
テル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル、
ポリ塩化ビニルおよびポリスチレン等が挙げられる。
【0027】上述のように、フィルム状に成形した本発
明の感光性熱硬化性樹脂組成物にスリット状または格子
状のマスクパターンを用いて露光した後、加熱硬化させ
ることにより、光透過率の低い部分を光透過率の高い部
分の中にスリット状または格子状に設けることができ
る。このような高い光透過率を有する部分と低い光透過
率を有する部分とが交互に配列されているフィルムは、
光学的異方性を持たせた表示、装飾またはライトコント
ロール用フィルムとして用いうる。ここで、光透過率の
低い部分とは20%以下の光透過率を有する部分をいい、
また光透過率が高い部分とは70%以上の光透過率を有す
る部分をいう。
【0028】その他、上記の光学的異方性を持たせたフ
ィルムにおいて、光透過率の低い部分と高い部分とを交
互に配置することにより、特開昭61-227029に記載のよ
うなルーバー状フィルムを提供することも可能である。
なお、ルーバー状フィルムを提供する場合は、フィルム
の厚さtと光透過率の低い部分からなるスリット間隔sと
から、次式に従い視野角θが決まる。 t/s=tanθ
【0029】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0030】
【実施例1】2,2-ビス(4-(2,3-エポキシプロポキシ)シ
クロヘキシル)プロパン(「リカレジンHBE-100」、新日本
理化社製)100重量部、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸(「リカシッドMH-700」、新日本理化社製)80重量部、表
1に示す種々のエチレン性不飽和モノマー50重量部、2-
ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン(「ダ
ルキュアーD1173」、メルク・ジャパン社製)2重量部お
よび1,8-ジアザ-ビシクロ-5,4,0-ウンデセン-7(「DBU」、
サンアボット(株)社製)エポキシ硬化促進剤2重量部
を、ミキサーを用いて混合することにより種々の感光性
熱硬化性樹脂組成物を調製した。
【0031】得られた感光性熱硬化性樹脂組成物を90℃
のオーブンに入れ、室温における粘度が約50000cps以上
となるまで増粘させた。これを、2枚のポリカーボネー
トフィルム(厚さ0.5mm)の間に0.1mmの厚さに挟んだ。得
られた積層フィルムを、マスクを通して高圧水銀ランプ
により37mw/cm2の紫外線を照射した。パターンが形成さ
れた積層フィルムを室温に24時間放置した後に、90℃の
オーブン中で再度2時間加熱することにより脂肪族エポ
キシ樹脂を完全硬化させた。その後、この積層フィルム
を高圧水銀ランプにより37mw/cm2の紫外線を全面照射す
ることにより残存エチレン性不飽和モノマーを重合させ
た。
【0032】得られた積層フィルムに形成されたパター
ン部分およびその他の部分の光透過率を測定した。結果
を表1に示す。
【0033】
【表1】 使用したエチレン性 光透過率(%) 不飽和モノマー n2-n1 パターン部分 その他の部分 t-ブチルアクリレート -0.08 10 70 2-エチルヘキシルアクリレート -0.06 14 80 ジシクロペンタニルアクリレート 0.01 62 88 フェノキシエチルアクリレート 0.03 42 73 エポキシ変性トリブロモフェニル アクリレート 0.08 6 81
【0034】パターン部分における光透過性(%)の結果
をn2-n1の値に対してプロットした。このグラフを図1
に示す。これらの結果により、n1とn2との差が0.05を上
回る場合に50%以上の良好な透過率の差が得られること
が示された。
【0035】
【実施例2】エチレン性不飽和モノマーとしてt-ブチル
アクリレートを表2に示すそれぞれの量で用いること以
外は実施例1と同様にして、感光性熱硬化性樹脂組成物
を調製し、評価した。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】 t-ブチルアクリレート 光透過率(%) の使用量(重量部) パターン部分 その他の部分 ゲル化の可否 10 80 88 可 50 10 70 可 100 5 65 可 200 5 60 可 300 − − 否
【0037】これらの結果により、エチレン性不飽和モ
ノマーの配合量が10重量部以下である場合にはパターン
部分とその他の部分との光透過率の差が不十分となり、
300重量部を上回ると感光性熱硬化性樹脂組成物がゲル
化せず、形成したパターンを固定できないことが示され
た。
【0038】
【実施例3】3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(「ERL4221」、
UCC社製)100重量部、4-メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸(「リカシッドMH-700」、新日本理化社製)133重量部、
エトキシ変性トリブロモフェニルアクリレート(「ニュー
フロンティアBR-31」、第一工業製薬(株)社製)50重量
部、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オ
ン(「ダルキュアーD1173」、メルク・ジャパン社製)2重
量部および1,8-ジアザ-ビシクロ-5,4,0-ウンデセン-7
(「DBU」、サンアボット(株)社製)エポキシ硬化促進剤2
重量部を、ミキサーを用いて混合することにより感光性
熱硬化性樹脂組成物を調製した。
【0039】得られた感光性熱硬化性樹脂組成物におい
ては、脂肪族エポキシ樹脂である3,4-エポキシシクロヘ
キシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシ
レートと硬化剤である4-メチルヘキサヒドロ無水フタル
酸との混合物の屈折率n1は1.49であり、エチレン性不飽
和モノマーであるエトキシ変性トリブロモフェニルアク
リレートの屈折率n2は1.57なので、n1とn2との差は0.05
を上回る。
【0040】得られた感光性熱硬化性樹脂組成物を100
℃のオーブンに入れ、室温における粘度が約50000cps以
上となるまで増粘させた。これを、2枚のポリカーボネ
ートフィルム(厚さ0.5mm)の間に0.7mmの厚さに挟むこと
により積層フィルムを得た。
【0041】得られた積層フィルムを、マスクを通して
高圧水銀ランプにより37mw/cm2の紫外線を照射した。照
射は、厚さ0.5mmの鉄板を0.15mm間隔で60枚重ねたスリ
ットをマスクとして用いて、重ねた鉄板の平面に沿って
光が入射し、かつ積層フィルムの平面に垂直に光が入射
するように行った。その結果、積層フィルムには幅0.15
mmの不透明なストライプと、幅0.5mmの透明なストライ
プとが交互に形成された。
【0042】パターンが形成された積層フィルムを100
℃のオーブン中で再度12時間加熱することにより脂肪族
エポキシ樹脂を完全硬化させた。その後、この積層フィ
ルムを高圧水銀ランプにより37mw/cm2の紫外線を全面照
射することにより残存エチレン不飽和モノマーを重合さ
せた。その際にはエポキシ樹脂相の硬化は完全に進行し
ているので透明ストライプ部分における相分離は見られ
なかった。
【0043】その後、ポリカーボネートフィルムを剥離
することによりルーバー状フィルムを得た。
【0044】
【発明の効果】光を照射することにより露光部分と非露
光部分との間に充分な光学密度の差を形成でき、形成さ
れた不透明部分をその後も光に対して安定に維持できる
感光性樹脂組成物が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の種々の感光性熱硬化性樹脂組成物を
用いて形成したパターンを有する積層フィルムのパター
ン部分における光透過性(%)を、n2-n1の値に対してプ
ロットしたグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)脂肪族エポキシ樹脂100重量部; b)該エポキシ樹脂に対して当量のアミン系または酸無水
    物系硬化剤; c)少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基またはビニル
    基を有するエチレン性不飽和モノマー10〜300重量部;
    および d)光ラジカル重合開始剤0.1〜5重量部;を含有する感
    光性熱硬化性樹脂組成物において、該脂肪族エポキシ樹
    脂と該硬化剤との混合物の屈折率n1と、該エチレン性不
    飽和モノマーの屈折率n2との差が0.05を上回る感光性熱
    硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 i)請求項1記載の感光性熱硬化性樹脂組
    成物を透明フィルムに成形する工程; ii)得られた透明フィルムをパターンに応じて露光する
    ことによりフィルム上に不透明なパターンを形成する工
    程; iii)不透明なパターンを形成したフィルムを加熱して該
    感光性熱硬化性樹脂組成物を完全硬化させる工程;およ
    び v)得られたフィルムを全面露光する工程;を包含するパ
    ターン形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の感光性樹脂を用いて形成
    された0.1〜10mmの厚さを有する表示、装飾またはライ
    トコントロール用フィルム。
  4. 【請求項4】 少なくとも片面上に支持フィルムを有す
    る請求項3記載の表示、装飾またはライトコントロール
    用フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の感光性樹脂を用いて形成
    された光学的に異方性を有する表示、装飾またはライト
    コントロール用フィルム。
  6. 【請求項6】 高い光透過率を有する部分と低い光透過
    率を有する部分とが交互に配列されている請求項3〜5
    のいずれか記載の表示、装飾またはライトコントロール
    用フィルム。
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