JPH0761988B2 - 第四級アンモニウム塩の製造方法 - Google Patents

第四級アンモニウム塩の製造方法

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JPH0761988B2
JPH0761988B2 JP2060800A JP6080090A JPH0761988B2 JP H0761988 B2 JPH0761988 B2 JP H0761988B2 JP 2060800 A JP2060800 A JP 2060800A JP 6080090 A JP6080090 A JP 6080090A JP H0761988 B2 JPH0761988 B2 JP H0761988B2
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昌彦 安本
みどり 後藤
徹 土屋
勲 渋谷
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工業技術院長
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は第四級アンモニウム塩チオシアン酸塩の製造方
法に関するものである。
〔従来技術と発明が解決しようとする問題点〕
従来アンモニウムイオンの4個の水素原子をすべて有機
基で置換した構造の第四級アンモニウム塩は陽イオン界
面活性剤などとしての機能を有するものが多く、その用
途は殺菌剤、相間移動触媒、帯電防止剤、均染剤、乳化
破壊剤、分散剤などの多岐にわたって工業的に多数使用
されている。しかし、これらの第四級アンモニウム塩は
いずれもハロゲン化水素などの塩であり、チオシアン塩
酸類の製造方法については例が少なく、第四級アンモニ
ウムロダン塩と有機ハロゲン化合物を反応させる方法
(例えば、特開昭50−149623号)などが知られている。
しかし従来の方法は、使用する出発原料が必ずしも安価
で入手容易なものとは言えないなどの難点があり、未だ
満足すべきものとは言えない。
〔問題を解決するための手段〕
本発明にかかる現状を鑑みて為されたもので、陽イオン
界面活性剤などとしての優れた機能を有する有用な該化
合物を、安価な原料を用い、1段階の反応より、収率良
く製造する方法について鋭意検討を重ねたところ、第四
級アンモニウムのチオシアン酸塩の製造方法を見出し、
本発明を完成するに至った。即ち、本発明は 一般式 R1SCN (2) (式中、R1はアルキル基またはアラルキル基である。)
で示されるチオシアネートを (式中R2、R3、R4はアルキル基、アラルキル基またはア
リール基であり、R2、R3、R4は下図の様に互いに結合し
て環を形成していてもよい。) で示される第三級アミンと共に常圧または高圧下に反応
させることを特徴とする 一般式 (式中、R1はアルキル基またはアラルキル基であり、
R2、R3、R4はアルキル基、アラルキル基またはアリール
基である。R2、R3、R4は下図の様に互いに結合して環を
形成していてもよい。) で表わされる第四級アンモニウムのチオシアン酸塩の製
造方法を提供するものである。
本発明の方法において原料として用いる一般式(2)で
示されるチオシアネート並びに一般式(3)で示される
第三級アミンは何れも容易に得られるものであり、R1
R2、R3、R4の種類を選択することにより容易に目的とす
る置換基を導入する事ができる。
チオシアネートの置換基R1はアルキル基としてはメチ
ル、エチル、プロピル基などが、アラルキル基としては
ベンジル基などがあげられる。また、第三級アミンの置
換基R2、R3、R4はアルキル基としてはメチル、エチル、
プロピル、ブチル、オクチル、ドデシル基など、R2、R3
が結合している例としてピペリジノ、ピロリジノ、ピロ
リル基などが、アラルキル基としてはベンジル基など
が、アリール基としてはフェニール基などが、またR2
R3、R4が環状に結合している第三級アミンの例としてピ
リジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリンなどがあ
げられる。
本反応は原料の第三級アミンの置換基R2、R3、R4が低級
アルキル基、例えばメチル、エチルなどの場合は常圧下
でも反応し、ある程度の収率を得ることが出来るが、置
換基がよりバルキーなものになると、第四級アンモニウ
ムのチオシアン酸塩の収率は著しく減少する。この問題
を解決するためには、この反応が著しい圧力依存性を有
することを利用し、反応をより高圧で行うことが望まし
い。この手法により常圧付近では全く得られない第四級
アンモニウムのチオシアン酸塩類を優れた収率で得るこ
とが出来る。
本発明の方法において一方の原料であるところの第三級
アミンは反応溶媒としても機能するが、原料が溶解しな
い場合には適当な溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、
塩化メチレン、などを用いて反応を行なうことが可能で
ある。
チオシアネートと第三級アミンとの使用割合は、化学量
論的なモル比は1:1であるが、通常はモル比1:10−10:1
の範囲で選択される。
本発明の反応は常圧または加圧下でおこなわれる。本反
応は原料の第三級アミンの置換基R2、R3、R4が低級アル
キル基であるものについては常圧でも反応するが、優れ
た収率を得るためには反応をより高圧で行うことが好ま
しく、第三級アミンがバルキーな置換基を有するもの
は、高圧下でなければ反応は進行しない。一般に反応圧
力は1〜9000気圧の間で選択される。反応温度は特に制
約されないが、熱分解などの好ましくない副反応をさけ
る意味では、20〜160℃の温度の採用が望ましい。
〔発明の効果〕
本発明によって収率よく1段の反応で、第四級アンモニ
ウムチオシアン酸塩を得ることができ、こうして得られ
た化合物は、界面活性剤、触媒、医薬およびそれらの中
間体としての利用が期待できる。従って本発明は工業的
にも利用価値の高いものである。
〔実施例〕
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。各実
施例中に示す部は重量部をあらわし、また、収率に関す
る%は原料のチオシアネートについての理論収率であ
る。
実施例1 ベンジルチオシアネート4.8部とトリエチルアミン5.1部
(モル比1:1.5、以下の実施例についても同様)とをベ
ンゼン15.1部と共に封管中で2気圧、100℃に20時間保
持した、反応時間経過後冷却開封して内容物をベンゼン
で洗い出し、生成した白色の結晶を更にテトラヒドロフ
ランで再結晶精製し、目的とするベンジル−トリエチル
アンモニウムのチオシアン酸塩を3.1部(収率:39%)得
た。
実施例2 ベンジルチオシアネート5.0部とトリエチルアミン5.0部
とをベンゼン13.5部と共にテフロン製カプセル中に封入
し高圧反応管中に収納して約1800気圧に加圧した後、反
応管を加熱して温度を100℃に昇温し、さらに圧力を加
えて2000気圧とし20時間保持した。20時間経過後、反応
管を室温まで冷却してから圧力を常圧とし、カプセルを
開封して内容物を実施例1と同様の手法で分離精製し目
的とするベンジルトリエチルアンモニウムのチオシアン
酸塩を6.2部(収率:74%)得た。
実施例3 メチルチオシアネート3.5部とトリエチルアミン7.1部と
をベンゼン14.9部と共に封管中で2気圧、100℃に20時
間保持した、反応時間経過後冷却開封して内容物を実施
例1と同様の手法で分離精製し、目的とするメチルトリ
エチルアンモニウムのチオシアン酸塩を7.1部(収率:71
%)得た。
実施例4 ベンジルチオシアネート4.0部とトリn−プロピルアミ
ン5.73部とをベンゼン15.0部と共に実施例1と同様の手
順封管中で2気圧、100℃に20時間保持した。反応後実
施例1と同様の手法で分離精製し、目的とするベンジル
トリn−プロピルアンモニウムのチオシアン酸塩を1.5
部(収率:38%)得た。
実施例5 ベンジルチオシアネート6.0部とトリn−プロピルアミ
ン8.7部をベンゼン10.1部と共に実施例2と同様の手順
で4000気圧、100℃に20時間保持した。反応後実施例1
と同様の手法で分離精製し、目的とするベンジルトリn
−プロピルアンモニウムのチオシアン酸塩を11.4部(収
率:97%)を得た。
実施例6 ベンジルチオシアネート4.0部とトリn−ブチルアミン
7.5部をベンゼン13.1部と共に実施例2と同様の手順で2
000気圧、100℃に20時間保持した。反応後実施例1と同
様の手法で分離精製し、目的とするベンジルトリn−ブ
チルアンモニウムのチオシアン酸塩を1.5部(収率:17
%)を得た。
実施例7 ベンジルチオシアネート5.2部とトリn−ブチルアミン
9.4部をベンゼン15.7部と共に実施例2と同様の手順で4
000気圧、100℃に20時間保持した。反応後実施例1と同
様の手法で分離精製し、目的とするベンジルトリn−ブ
チルアンモニウムのチオシアン酸塩を4.7部(収率:41
%)を得た。
実施例8 メチルチオシアネート4.1部とピリジン6.6部とをベンゼ
ン14.0部と共に封管中で2気圧、100℃に20時間保持し
た。反応時間経過後冷却開封して内容物を実施例1と同
様の手法で分離精製し、目的とするN−メチルピリジウ
ムのチオシアン酸塩を3.3部(収率:39%)得た。
実施例9 メチルチオシアネート4.2部とピリジン6.5部をベンゼン
15.1部と共に実施例2と同様の手順で2000気圧、100℃
に20時間保持した。反応後実施例1と同様の手法で分離
精製し、目的とするN−メチルピリジウムのチオシアン
酸塩を8.8部(収率:90%)を得た。
実施例10 ベンジルチオシアネート6.0部とピリジン4.8部とをベン
ゼン13.7部と共に封管中で2気圧、100℃に20時間保持
した。反応時間経過後冷却開封して内容物を実施例1と
同様の手法で分離精製し、目的とするN−ベンジルピリ
ジウムのチオシアン酸塩を5.5部(収率:60%)得た。
実施例11 ベンジルチオシアネート6.0部とピリジン4.9部をベンゼ
ン15.0部と共に実施例2と同様の手順で2000気圧、100
℃に20時間保持した。反応後実施例1と同様の手法で分
離精製し、目的とするN−ベンジルピリジウムのチオシ
アン酸塩を9.1部(収率:96%)を得た。
実施例12 メチルチオシアネート5.1部とN,N−ジメチルアニリン1
2.5部をベンゼン16.5部と共に実施例2と同様の手順で6
000気圧、100℃に20時間保持した。反応後実施例1と同
様の手法で分離精製し、目的とするトリメチルフェニル
アンモニウムのチオシアン酸塩を4.0部(収率:19%)を
得た。
実施例13 メチルチオシアネート5.1部とN,N−ジメチルアニリン1
2.4部をベンゼン12.7部と共に実施例2と同様の手順で8
000気圧、100℃に20時間保持した。反応後実施例1と同
様の手法で分離精製し、目的とするトリメチルフェニル
アンモニウムのチオシアン酸塩を12.4部(収率:92%)
を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 295/02 Z (72)発明者 渋谷 勲 茨城県つくば市東1丁目1番地 工業技術 院化学技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭50−149623(JP,A) 特開 平2−108652(JP,A) 特開 昭48−52751(JP,A) Chemical Abstract s,Vol.71(1969)P.380 34828▲ g▼ Chemical Abstract s,Vol.92(1980)P.395 152989 s Chemical Abstract s,Vol.101 23386

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 R1SCN (2) (式中、R1はアルキル基またはアラルキル基である。)
    で示されるチオシアネートを (式中R2、R3、R4はアルキル基、アラルキル基またはア
    リール基であり、R2、R3、R4は下記の様に互いに結合し
    て環を形成していてもよい。 で示される第三級アミンと共に常圧または高圧下に反応
    させることを特徴とする、 一般式 (式中、R1はアルキル基またはアラルキル基であり、
    R2、R3、R4はアルキル基、アラルキル基またはアリール
    基である。R2、R3、R4は下記の様に互いに結合して環を
    形成していてもよい。) で表わされる第四級アンモニウムのチオシアン酸塩の製
    造方法。
JP2060800A 1990-03-12 1990-03-12 第四級アンモニウム塩の製造方法 Expired - Lifetime JPH0761988B2 (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5912230A (en) * 1991-11-01 1999-06-15 Periodontix, Inc. Anti-fungal and anti-bacterial histatin-based peptides
US5885965A (en) * 1991-11-01 1999-03-23 Periodontix, Inc. Anti-fungal D-amino acid histatin-based peptides
JP5209241B2 (ja) * 2007-07-05 2013-06-12 広栄化学工業株式会社 アンモニウム塩及びそれを含有してなる帯電防止性樹脂組成物
DE102010064044A1 (de) 2010-01-08 2011-07-14 Basf Se, 67063 Verfahren zur Herstellung von Imidazoliumsalzen

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JPH02108652A (ja) * 1988-10-18 1990-04-20 Asahi Chem Ind Co Ltd 第四級オニウム塩の処理方法

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ChemicalAbstracts,Vol.10123386
ChemicalAbstracts,Vol.71(1969)P.38034828▲g▼
ChemicalAbstracts,Vol.92(1980)P.395152989s

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