JPH0761943A - ジエチルナフタレン異性体の分離精製法 - Google Patents

ジエチルナフタレン異性体の分離精製法

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JPH0761943A
JPH0761943A JP21015393A JP21015393A JPH0761943A JP H0761943 A JPH0761943 A JP H0761943A JP 21015393 A JP21015393 A JP 21015393A JP 21015393 A JP21015393 A JP 21015393A JP H0761943 A JPH0761943 A JP H0761943A
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Japan
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diethylnaphthalene
liquid
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den
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JP21015393A
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English (en)
Inventor
Kohei Sato
康平 佐藤
Takayuki Masuda
隆之 増田
Fumihiko Matsuda
文彦 松田
Yasuhiro Shimoura
康弘 下浦
Kuniharu Nakayoshi
邦治 中吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Organo Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Organo Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
Japan Organo Co Ltd
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2,6−ジエチルナフタレンや2,7−ジエ
チルナフタレンをジエチルナフタレン異性体混合物中か
ら高純度に分離精製する。 【構成】 液が一方向に流れる充填塔群からなる擬似移
動層の装置を用い、循環系の液流れの上流側から下流側
に向かって、単位充填塔群を、脱離液供給位置、エクス
トラクト成分抜出位置、原液供給位置、ラフィネート成
分抜出位置の各位置をこの順序でそれぞれ所定の位置関
係に定めることで、第1区画、第2区画、第3区画、第
4区画に区画すると共に、系内における上記液の供給位
置、抜出位置の相互の位置関係を維持しながら、これら
の位置を系内の液流れ方向の下流側に一単位充填塔づつ
間欠的に移動させる擬似移動層による分離精製法であっ
て、前記第2区画の単位充填塔数よりも前記第1区画の
単位充填塔数を多くし、さらに脱離液としてエチルベン
ゼンを用いると共に、第1区画の液流速U1 と第2区画
の液流速U2 の比(U1 /U2 )を1.2〜4.0の範
囲内で運転する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジエチルナフタレン
(以下「DEN」と略記する)異性体混合物中に含まれ
る2,6−異性体等を分離精製する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、テレフタル酸あるいはナフタレン
ジカルボン酸又はこれらの誘導体にグリコールを重合反
応させることによりポリエステルを得る方法が広く知ら
れている。このうち、2,6−ナフタレンジカルボン酸
を原料として得られるポリエステルは、テレフタル酸を
原料とするポリエステルに比べて耐熱性,破断強さ,ガ
スバリアー性に優れていることから、ポリエステル製造
原料として2,6−ナフタレンジカルボン酸を効率よく
製造する方法の確立が従来から要望されている。このよ
うに優れた特性をもつポリエステルの製造原料である
2,6−ナフタレンジカルボン酸は、代表的には、ナフ
タレンをエチル化することで得られるような2,6−ジ
アルキルナフタレンを中間体として製造できることが知
られているが、ナフタレンのエチル化反応で得られるエ
チル化反応生成物中には、2,6−DEN,2,7−D
ENを含む数十種の化合物が含まれるため、混合物中か
ら2,6−DENを分離精製する技術が重要となる。
【0003】ところが、2,6−異性体と2,7−異性
体を混合含有する上記エチル化生成物中から2,6−異
性体を分離するには、これらの異性体の沸点、融点に殆
ど差がみられないため、蒸留や晶析によって当該混合物
中から2,6−DENを分離精製することは非常に困難
であることもまた知られている。
【0004】一方、上記晶析法等とは別に、クロマト分
離法により2,6−DENを分離精製する方法が提案
(例えば特開平3−204826号)されている。しか
しこの提案方法には擬似移動層方式について具体的な記
述がなく、そのまま適用しても2,6−DENを高純度
かつ高収率下で得ることは困難である。
【0005】クロマト分離法としては上記固定床方式の
ものと別に、例えば糖の精製などの技術として擬似移動
層方式のクロマト分離法が知られている(例えば特開平
4−334503号公報)。そしてこの擬似移動層方式
は一般的には上記固定床方式に比べて生産性に優れた工
業的な規模の実施に適しているとされる。しかし、擬似
移動層方式の分離法を、2,6−異性体及び2,7−異
性体等を含有するDEN異性体混合物中から2,6−D
ENを分離精製する方法に単純に適用しても良好な結果
は得られず、事実この2,6−DENの分離生成に擬似
移動層を用いることについては具体的な報告はない。
【0006】以上のような従来技術の状況から、2,6
−DENを経由するナフタレンジカルボン酸の製造法は
工業的には非常に優れた方法であるにもかかわらず、
2,6−DENの高濃度,高効率の分離精製法に未だ改
善すべき問題があるため、ポリエステル製造用原料の製
法として工業的に採用されるに至っていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、以上の
ような従来技術の下で、ポリエステルの製造原料として
有用な2,6−ナフタレンジカルボン酸を製造する際の
中間体である2,6−DENを、例えばナフタレンのエ
チル化反応により得られる種々の異性体を含むDEN異
性体混合物中から、収率よくしかも高純度に分離精製す
ることができて、したがって経済的にも安価で工業的規
模での実施に有効な技術の開発を目的として鋭意研究を
進めた。
【0008】その結果、上記擬似移動層方式のクロマト
分離装置を特定の条件で運転することにより、従来法か
らはまったく期待できない高純度,高収率で、DEN異
性体混合物から2,6−DENを連続的に分離精製でき
ることを見出して、本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0009】また本発明は、液晶ポリマーのモノマー原
料として有用な2,7−ナフタレンジカルボン酸の合成
中間体となる2,7−DENを高純度にかつ収率よく製
造することができる方法を提供することを別の目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために上記特許請求の範囲の各請求項に記載
した本発明を完成した。
【0011】本発明の特徴の一つは、2,6−DEN及
び2,7−DENを含有するDEN異性体混合物中か
ら、2,6−DENを分離精製するに際し、これら2,
6−DEN、2,7−DENに対して選択的吸着能力に
有する吸着材を充填した単位充填塔の多数を直列無端の
循環系に連結され、液が一方向に流れる充填塔群からな
る擬似移動層の装置を用い、循環系の液流れの上流側か
ら下流側に向かって、単位充填塔群を、脱離液供給位
置、2,7−DEN精製液(以下「エクストラクト成
分」という場合がある)抜出位置、原料供給位置、2,
6−DEN精製液(以下「ラフィネート成分」という場
合がある)抜出位置の各位置をこの順序でそれぞれ所定
の位置関係に定めることで、第1区画、第2区画、第3
区画、及び第4区画に区画すると共に、系内における上
記液の供給位置、抜出位置の相互の位置関係を維持しな
がら、これらの位置を系内の液流れ方向の下流側に一単
位充填塔づつ間欠的に移動させる擬似移動層による分離
精製法であって、脱離液としてトルエン、キシレン、ト
リメチルベンゼン、エチルベンゼン、エチルメチルベン
ゼン、ジエチルベンゼン及びキュメンから選ばれる一種
または二種以上の疎水性溶媒を用いると共に、第1区画
の液流速U1 と第2区画の液流速U2 の比(U1 /U
2 )を1.2〜4.0の範囲内で運転するようにしたと
ころにある。
【0012】上記において、循環系内に形成される各区
画の役割を説明すると、第1区画は、上流からの系内の
液流れと共に系外から脱離液が供給され、強吸着成分が
吸着材から引き離され、かつ下流で強吸着性成分(2,
7−DEN精製液)の抜出しが行われる脱離帯域の区画
であり、第2区画は、系内の液流れにより強吸着性成分
の純度を高め、かつ弱吸着成分の回収率を上げる精製帯
域の区画、第3区画は、上流からの系内の液流れと共に
系外から原液が供給され、かつ下流で弱吸着性成分の抜
出しが行われる分離帯域の区画、第4区画は、弱吸着性
成分を吸着材に吸着させ高純度化を図り、かつ脱離液の
回収を行なう精製回収帯域の区画である。
【0013】また本発明方法は、脱離液の使用量を特に
考慮しなければ、上記第4区画を省略した例えば特開昭
62−91205号等に記載された所謂3ゾーン方式の
運転によっても目的を満足することができる。
【0014】本発明方法の対象となる原液としてのDE
N異性体混合物は、2,6−DENを含む液であればそ
の製造法に限定されるものではないが、上述のようにナ
フタレンをエチル化することで得られる混合液を対象と
して好ましく適用される。また特に限定されるものでは
ないが、本発明の作用が望ましく発揮される対象原液と
しては、l,3−DENの含有量が少ない方がよく、ま
たより好ましくは重量含有率で2,6−DENを20%
以上含み、2,7−DENは50%以下、l,3−DE
Nは30%以下の原液を挙げることができる。
【0015】本発明の擬似移動層の運転は、原理的には
例えば特開平4−334503号に記載の方法に従って
行なうことができるが、脱離液の選択、及び第1区画と
第2区画の流速の比は上記した範囲とされることが必要
である。
【0016】すなわち、本発明方法では脱離液として、
トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレ
ン、l,2,4−トリメチルベンゼン、l,3.5−ト
リメチルベンゼン、エチルベンゼン、p−エチルメチル
ベンゼン、o−ジエチルベンゼン、m−ジエチルベンゼ
ン、p−ジエチルベンゼン、キュメンなどの炭素数7か
ら10のアルキルベンゼン類から選ばれた1種または2
種以上の疎水性溶媒を用いることが、2,6−DEN,
2,7−DENの吸着材からの脱離性、回収後の脱離液
とジエチルナフタレン類の容易な分離を図る上で必要で
ある。なお、これらの脱離液のうち特に、トルエン、p
−キシレン、エチルベンゼン、及びp−ジエチルベンゼ
ンから選ばれた1種以上の化合物は、脱離能が優れてい
るため好ましく用いられる。
【0017】またエチルベンゼンは、l,3−DENを
含む原液を処理対象とする場合に脱離液として特に好適
に用いられる。これは、一つには、以下に述べるゼオラ
イトを充填材に用いて本発明方法による擬似移動層方式
のクロマト分離を行う場合、2,6−DENとl,3−
DENの充填材ヘの吸着され易さがほぼ同じになり、ラ
フィネート成分である2,6−DEN精製液にl,3−
DENが混入するが、脱離液として上記エチルベンゼン
を用いる場合には、l,3−DENがテーリングを起こ
して、その一部がエクストラクト成分側ヘ流れるように
なり、その分だけ2,6−DENを高純度に得ることが
出来るようになるからである。また、他の利点として
は、例えば原液を製造する方法にナフタレン及び/又は
モノエチルナフタレンにポリエチルベンゼンを酸触媒存
在下に反応させるジエチルナフタレン合成反応を用い、
2,6−DENを分離した残りであるエクストラクト成
分(2,7−DEN精製液)を回収してこの合成反応工
程に戻して再利用することを考えた場合、エチルベンゼ
ンを脱離液に用いていれば、回収液にエチルベンゼンが
含まれてもこの合成法のエチル化剤と同じであるため、
系内への不純物(メチル基などの異種のアルキル基を持
った物質)混入を極力抑える上で格別の考慮を要しない
からである。
【0018】なお脱離液と共に、希釈剤としてn−ヘプ
タン、イソオクタン等の炭素数5〜12のパラフィンを
適量混合して、脱離能力を調整することも出来る。
【0019】また本発明においては、上記第1区画の液
流速U1 と、第2区画の液流速U2の比(U1 /U2
は、1.2〜4.0の範囲内で運転することが必要であ
り、好ましくは1.2〜2.0の範囲内で運転すること
がよい。(U1 /U2 )が1.2未満では、強吸着性成
分を系から抜出す流速が小さくなって、抜出し口から抜
出すのが困難になり、この結果、強吸着性成分が第1区
画から第4区画ヘ回り込み弱吸着性成分側に漏出し、
2,6−DENの純度を下げてしまうという問題があ
り、反対に4.0を越えると、強吸着性成分の抜出し量
が多くなるために脱離液の使用量が多くなり、抜出され
る2,7−DEN(強吸着性成分)の濃度が薄くなると
いう問題があるため好ましくないからである。
【0020】また、本発明においては以上の構成に加え
て更に以下の構成を好ましく採用することができる。す
なわち、吸着材としては、特に、フォージャサイトと同
一のX線回折像を示すゼオライト、すなわちH型のフォ
ージャサイト型ゼオライト、または金属を修飾したフォ
ージャサイト型ゼオライトが好ましく用いられる。
【0021】また更に、本発明においては、弱吸着性成
分の含有量の多い2,6−DEN精製液(ラフィネート
成分)を系外に抜出す流速UR と、強吸着性成分の含有
量の多い2,7−DEN精製液(エクストラクト成分)
を系外に抜出す流速UE の比(UE /UR )を5以下、
好ましくは4以下として運転することがよい。すなわ
ち、本発明の擬似移動層方式の分離法において各区画の
作用を十分に発揮させ、高純度、高濃度の2,6−DE
Nを高回収率で得るために必要な範囲に設定される上記
1 /U2 の流速比は、循環系内外の液の出入収支とあ
る程度の関係があり、U1 /U2 の比が決まれば、UE
/UR も一定の範囲内に制限されることになるが、しか
しその範囲内であってもUE /UR があまり大きくなる
と、ラフィネート成分の抜出し流速UR が小さくなって
第4区画の液流速が速くなり、ラフィネート成分である
2,6−DENの回収率は低下する傾向となる。以上の
ことから、2,6−DENを高収率で得るためには流速
R と流速UE の比(UE /UR )を上記範囲内として
運転することが好ましい。
【0022】また本発明において、擬似移動層の装置を
運転する際に区画された各区画の長さ(単位充填塔数)
は、上記の液流速と同様に、2,6−DENの高純度分
離のためには考慮すべき要素であり、各区画の作用を十
分に果たせるように設定することが望まれる。特に第1
区画の長さが重要であり、第2区画よりも長くすること
が必要であり、第2区画の単位充填塔数を基準とした場
合に、第1区画の単位充填塔数を1.2〜3倍とするこ
とがよく、同じ基準において第3区画の単位充填塔数は
0.5〜2倍、第4区画の単位充填塔数は0〜2倍の範
囲内に納まるように設定するのが好ましい。なお第4区
画の単位充填塔数が0とは上述3ゾーン方式の脱離液を
回収しない場合の運転をいう。各区画とも、ここに示し
た範囲よりも単位充填塔数が多くなると、各区画の作用
を機能させるのに必要な長さ以上になって無駄な部分が
出来、また、逆にこの範囲よりも少ない充填塔数では、
各区画の作用が十分に発揮されない傾向となる。
【0023】
【実施例】以下、図面に示した擬似移動層の装置に基づ
いて本発明方法の実施例を詳細に説明する。
【0024】図1は、本発明方法の実施を好適に実施で
きる擬似移動層方式の装置の構成概要一例を示したもの
である。
【0025】この図において、101〜112は、上述
のフォージャサイト型ゼオライト吸着材を充填した単位
充填塔(合計12塔のカラム)群であり、それぞれの末
端は次の充填塔の他端に配管で連結されて、全体として
無端連結の循環系に構成されている。
【0026】301は原液(f)供給ラインであり、そ
れぞれ供給弁f1〜f12を介して各カラム101〜1
12に原液を供給できるように接続されている。302
は脱離液供給ラインであり、上記原液供給ラインと同様
にそれぞれ供給弁d1〜d12を介して各カラム101
〜112に脱離液を供給できるように接続されている。
【0027】また303は、エクストラクト成分(強吸
着性成分)抜出しラインであり、それぞれ抜出弁c1〜
c12を介して各カラム101〜112からエクストラ
クト成分を抜出しできるように接続されている。304
はラフィネート成分(弱吸着性成分)抜出しラインであ
り、それぞれ抜出弁a1〜a12を介して各カラム10
1〜112からラフィネート成分を抜出しできるように
接続されている。
【0028】そしてこの循環系は、図示状態において、
脱離液供給位置(カラム101)を起点として、上流側
から下流側に向かって、101〜104のカラム群は第
l区画、105〜107のカラム群は第2区画、108
〜110のカラム群は第3区画、111〜112のカラ
ム群は第4区画を形成するように設けられている。
【0029】そして上記のように四つに分けられた各区
画における作用は次のように説明される。
【0030】 第1区画は、強吸着性成分が、脱離液
により吸着材から引き離され、エクストラクト成分とし
て回収される。
【0031】 第2区画は、強吸着性成分が選択的に
吸着され、非選択的に吸着されている弱吸着性成分は吸
着材上から引き離され、強吸着性成分の高純度化がはか
られる。
【0032】 第3区画は、強吸着性成分が選択的に
吸着され、残りの弱吸着性成分はラフィネート成分とし
て回収される。
【0033】 第4区画では、弱吸着性成分が吸着材
に吸着され高濃度化がはかられるとともに、脱離液の回
収が行われる。
【0034】さらに、以上の構成の擬似移動層の装置を
運転する条件として、一定時間毎に各液の供給位置、液
の抜出位置を、液流れ方向に充填塔1塔分だけ移動させ
ることにより擬似的な吸着材の流れをつくりだし、2,
6−DENを分離精製するようになっている。従って、
図lの次の段階では、102〜105のカラム群は第1
区画、106〜l08のカラム群は第2区画、109〜
111のカラム群は第3区画、112〜l0lのカラム
群は第4区画を形成する。なお、図1に示した例おいて
は、全カラム数が12本であり、また各ゾーンのカラム
数も各々の数に特定されているが、本発明がこの例の構
成に限定されないことは当然である。
【0035】本例においては、擬似移動層方式によって
ジエチルナフタレン異性体混合物中から2,6−DEN
を効率的に分離精製するべく、各区画された第1〜第4
区画の流速等が上述した範囲に設定される。すなわち、
第1区画では高純化された強吸着性成分が脱離液により
吸着材から引き離されてエクストラクト成分として回収
されるように、第2区画では強吸着性成分が選択的に吸
着され、かつ非選択的に吸着されている弱吸着成分が吸
着材上から引き離されて強吸着性成分の高純度化と共に
弱吸着成分の回収が図られるように、第3区画では強吸
着性成分が選択的に吸着されて残りの弱吸着性成分
(2,6−DEN)が高純度化されラフィネート成分と
して回収されるように、更に、第4区画では弱吸着性成
分が吸着材に吸着されて高濃度化が図られると共に脱離
液の回収が行われるように設定される。
【0036】なお、本例で説明される本発明の方法によ
れば、原液中の2,7−DEN含有率が高い場合には、
ラフィネート成分(弱吸着性成分)として高純度2,6
−DENが得られると同時に、2,7−ナフタレンジカ
ルボン酸の合成中間体として有用な2,7−DENをエ
クストラクト成分(強吸着性成分)として高純度に得る
ことができる。
【0037】以下、本発明を以下の実施例によりさらに
具体的に説明する。
【0038】実施例1 内径2.2cm、長さ150cmの充填塔l2本を無端
直列に連結した図1の擬似移動層方式のクロマト分離装
置を用い、吸着剤にK修飾Y型ゼオライト、脱離液にp
−キシレンを用い、カラム内温度を80℃に保ちなが
ら、U1 /U2 =l.3、UE /UR =1.5、原液供
給量Uf =0.08(L/L−R/h)という運転条件
で、下記表1の組成をもつ原液の分離精製を行った。
【0039】各ゾーンのカラム(充填塔)数は第1区画
4本、第2区画3本、第3区画3本、第4区画2本に設
定した。
【0040】
【表1】
【0041】本実施例では、吸着材との親和性の強さは
2,6−DEN<2,7−DENであるので、高純度
2,6−DENをラフィネート成分抜出し口から、高純
度2,7−DENをエクストラクト成分抜出し口から取
り出された。
【0042】このような条件で、擬似移動層方式クロマ
ト分離装置を運転した。結果(成分組成)を下記表2に
示す。
【0043】
【表2】
【0044】比較例1 U1 /U2 =1.1とし、他の条件は実施例1と同様に
して、2,6−DENの分離を行なった。結果を下記表
3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】表3に示されるように2,6−DEN(ラ
フィネート成分中)に、2,7−DENが比較的多量に
混在するため、これを更に晶析等で精製しても高純度の
2,6−DEN製品を得るのは困難である。
【0047】比較例2 各区画のカラム数を、第1区画2本、第2区画3本、第
3区画3本、第4区画2本に設定し、他の条件は実施例
1と同様にして、2,6−DENの分離を行なった。結
果を下記表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】実施例2 UE /UR =7とし、他の条件は実施例1と同様にし
て、2,6−DENの分離を行なった。結果を下記表5
に示す。
【0050】
【表5】
【0051】表5に見られるようにラフィネート成分は
2,6−DEN純度が高く、2,7−DENの混在量も
少ない。ただし、本例ではUE /UR を7として運転し
たために2,6−DENの回収率が低下する傾向が認め
られた。
【0052】実施例3 実施例1と同様に、内径2.2cm、長さ150cmの
充填塔l2本を無端直列に連結した擬似移動層方式のク
ロマト分離装置(図1)を用い、吸着剤にK修飾Y型ゼ
オライト、脱離液にエチルベンゼンを用い、カラム内温
度を80℃に保ちながら、U1 /U2 =l.3、UE
R =2.7、原液供給量Uf =0.06(L/L−R
/h)という運転条件で表6組成の原液の分離精製を行
った。各ゾーンの充填塔数は第1区画4本、第2区画3
本、第3区画3本、第4区画2本に設定した。
【0053】
【表6】
【0054】本実施例では、吸着材との親和性の強さは
2,6−DEN<2,7−DENであるので、高純度
2,6−DENをラフィネート成分抜出し口から、高純
度2,7−DENをエクストラクト成分抜出し口から取
出された。
【0055】このような条件で、擬似移動層方式クロマ
ト分離装置を運転した。結果(成分組成)を下記表7に
示す。
【0056】
【表7】
【0057】この結果から分かるように、実施例1と比
較して2,6−DEN精製品の抜出し口であるラフィネ
ート成分中へのl,3−DENの混入率が下がってい
る。
【0058】実施例4 実施例1の条件で3ゾーン方式の運転法により擬似移動
層方式のクロマト分離分離を行った場合の例を下記表8
に示した。なお各ゾーンのカラム(充填塔)数は第1区
画4本、第2区画は3本、第3区画は3本に設定した。
【0059】
【表8】
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、ポリエステル原料とし
て用いられる2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造原
料である2,6−DENを、高純度,高収率で、しかも
連続的に安価に製造することが出来るという効果があ
る。
【0061】また、好ましい原料粗成を用いれば、2,
7−ナフタレンジカルボン酸の製造原料である2,7−
DENを高純度、高収率で製造することができるという
効果があり、その工業的意義は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を好適に適用できる擬似移動層方式
の装置の構成概要一例を示した図である。
【符号の説明】
101〜112:カラム(単位充填塔)、 301:原液供給ライン、302:脱離液供給ライン、 303:エクストラクト成分(強吸着成分)抜出しライ
ン、 304:ラフィネート成分(弱吸着成分)抜出しライ
ン、 a1〜a12:抜出弁、c1〜c12:抜出弁、 d1〜d12:供給弁、f1〜f12:供給弁、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 文彦 埼玉県戸田市川岸1丁目4番9号 オルガ ノ株式会社総合研究所内 (72)発明者 下浦 康弘 福岡県北九州市小倉北区中井4丁目7番8 号 (72)発明者 中吉 邦治 福岡県北九州市小倉北区中井4丁目10番3 号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2,6−ジエチルナフタレン及び2,7
    −ジエチルナフタレンに対して選択的吸着能力を有する
    吸着材を充填した単位充填塔の多数を、配管で直列無端
    の循環系をなすように連結した擬似移動層を用い、該単
    位充填塔群を、該循環系の液流れの上流側から下流側に
    向かって第1区画、第2区画、第3区画、及び第4区画
    に分け、第1区画の最前列に位置する単位充填塔の入口
    位置から脱離液を供給し、第3区画の最前列に位置する
    単位充填塔の入口位置から2,6−ジエチルナフタレン
    及び2,7−ジエチルナフタレンを含む原液を供給し、
    第3区画の最後列に位置する単位充填塔の出口位置から
    弱吸着性成分の含有量の多い2,6−ジエチルナフタレ
    ン精製液を抜出し、第l区画の最後列に位置する単位充
    填塔の出口位置から強吸着性成分の含有量の多い2,7
    −ジエチルナフタレン精製液を抜出し、これらの液供給
    位置及び液抜出位置を、相互の位置関係を維持しつつ原
    液中の各成分の吸着材に対する吸着帯域の移行に伴って
    間欠的に一単位充填塔づつ下流側に繰り下げる操作をす
    る擬似移動層による分離精製法であって、上記第2区画
    の単位充填塔数よりも上記第1区画の充填塔数を多く
    し、さらに上記脱離液としてトルエン、キシレン、トリ
    メチルベンゼン、エチルベンゼン、エチルメチルベンゼ
    ン、ジエチルベンゼン及びキュメンから選ばれる一種ま
    たは二種以上の疎水性溶媒を用いると共に、上記第1区
    画の液流速U1 と第2区画の液流速U2 の比(U1 /U
    2 )をl.2〜4.0の範囲内で運転することを特徴と
    するジエチルナフタレン異性体の分離精製法。
  2. 【請求項2】 2,6−ジエチルナフタレン及び2,7
    −ジエチルナフタレンに対して選択的吸着能力を有する
    吸着材を充填した単位充填塔の多数を配管で直列無端の
    循環系をなすように連結した擬似移動層の装置を用い、
    該単位充填塔群を、該循環系内の液流れの上流側から下
    流側に向かって第1区画、第2区画、及び第3区画に分
    け、第1区画の最前列に位置する単位充填塔の入口位置
    から脱離液を供給し、第3区画の最前列に位置する単位
    充填塔の入口位置から上記2,6−ジエチルナフタレン
    及び2,7−ジエチルナフタレンを含む原液を供給し、
    第3区画の最後列に位置する単位充填塔の出口位置から
    上記吸着材に対する弱吸着性成分の含有量の多い2,6
    −ジエチルナフタレン精製液を抜出し、第l区画の最後
    列に位置する単位充填塔の出口位置から上記吸着材に対
    する強吸着性成分の含有量の多い2,7−ジエチルナフ
    タレン精製液を抜出し、かつこれらの液供給位置及び液
    抜出位置を、相互の位置関係を維持しつつ原液中の各成
    分の吸着材に吸着した帯域の移行に伴って間欠的に一単
    位充填塔づつ下流側に繰り下げる操作をする擬似移動層
    による分離精製法であって、上記第2区画の単位充填塔
    数よりも上記第1区画の充填塔数を多くし、さらに上記
    脱離液としてトルエン、キシレン、トリメチルベンゼ
    ン、エチルベンゼン、エチルメチルベンゼン、ジエチル
    ベンゼン及びキュメンから選ばれる一種または二種以上
    の疎水性溶媒を用いると共に、上記第1区画の液流速U
    1 と第2区画の液流速U2 の比(U1 /U2 )を1.2
    〜4.0の範囲内で運転することを特徴とするジエチル
    ナフタレン異性体の分離精製法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、充填材とし
    て、フォージャサイトと同一の粉末X線解析像を示すゼ
    オライトを用いることを特徴とするジエチルナフタレン
    異性体の分離精製法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    弱吸着性成分の含有量の多い2,6−ジエチルナフタレ
    ン精製液を抜出す流速UR と、強吸着性成分の含有量の
    多い2,7−ジエチルナフタレン精製液を抜出す流速U
    E の比(UE/UR )を5以下にして運転することを特
    徴とするジエチルナフタレン異性体の分離精製法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    脱離液としてエチルベンゼンを用いることを特徴とする
    ジエチルナフタレン異性体の分離精製法。
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