JPH0761635A - 素材送出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】簡易な構成により所定の送出対象を確実に送出
することができる素材送出装置を提案する。 【構成】送出対象となる素材は傾斜部材８１の傾斜面８
１Ａに摺接することにより押出し部材８２の段差８２Ａ
に位置決めされ、この状態で段差８２Ａに当接しながら
送出方向に押し出される。かくして、素材の厚みが非常
に薄い場合でも素材を段差３７に正確に当接させること
ができ、素材を確実に送出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【目次】以下の順序で本発明を説明する。 産業上の利用分野 従来の技術（図１５〜図１７） 発明が解決しようとする課題（図１６及び図１７） 課題を解決するための手段（図３、図６、図１０〜図１
４） 作用（図６、図１０〜図１４） 実施例 （１）全体構成（図１〜図５） （２）カード送出部及びカードカセツト（図６〜図１
０） （３）実施例の動作（図３、図６及び図１０〜図１４） （４）実施例の効果（図６及び図１０） （５）他の実施例（図３、図６及び図１０） 発明の効果

【０００２】

【産業上の利用分野】本発明は素材送出装置に関し、例
えば所定の搬送台上にカード状の印刷媒体を載置し、当
該印刷媒体上にカラー画像を印刷する印刷装置に適用し
得る。

【０００３】

【従来の技術】従来、カード状の印刷媒体に染料熱転写
方式でカラー画像を印刷するカード印刷装置がある。こ
の種の印刷装置においては、カラー写真等から光学的に
読み取つたカラー画像情報や、ビデオカメラで撮影した
カラー画像情報に基づいて、インクリボンに等間隔で塗
布されているイエロ、マゼンタ、シアン及びブラツク等
の染料を、熱転写ヘツドによつてカード状印刷媒体（以
下カードと呼ぶ）上に順次重ねて熱転写することによ
り、カード上にカラー画像を印刷するようになされてい
る（特開昭62-11370号公報）。

【０００４】すなわち図１５に示すように、この種の印
刷装置１においては、カラー画像情報Ｓ１をヘツド駆動
部２を介して熱転写ヘツド３に供給すると共に、供給リ
ール４に巻回されたインクリボン５を巻取リール６によ
つて所定のタイミングで巻き取るようになされている。

【０００５】また印刷装置１においては、矢印ａで示す
搬送方向に延長するように設けられたボールねじ７に、
搬送台８の下端部に設けられためねじ部９を螺合するよ
うになされており、この結果ボールねじ７を両方向に回
動させることにより搬送台８を矢印ａの方向又はこれと
は逆方向に往復移動し得るようになされている。これに
より印刷装置１においては、搬送台８上に載置したカー
ド１０上に順次イエロ、マゼンタ、シアン及びブラツク
等の染料を熱転写し得、かくしてカード１０上にカラー
画像を印刷し得るようになされている。ここでこの種の
カラー印刷装置においては、カードカセツト内に積層さ
れて収納されたカードを、所定のカード送出装置を用い
て搬送台上に送出するようになされている。

【０００６】このカード送出装置として従来、送出用ロ
ーラを用いたものがある。すなわちこの種のカード送出
装置においては、積層されたカードの側面に当接して上
記カードを搬送台方向に移動させる送出用ローラを設け
ると共に、送出用ローラに対して逆方向に回転する逆転
ローラを設けることにより、カードの重送を防止して所
望の１枚のカードのみを搬送台方向に送出するようにな
されている。すなわちこの種のカード送出装置において
は、カード間の摩擦力と搬送力とを考慮して送出用ロー
ラ及び逆転ローラの駆動力を所定の値に設定することに
より、カードの重送を未然に回避するようになされてい
る。

【０００７】またこの種のカード送出装置においては、
送出用ローラを半月状にしたり、または送出用ローラを
昇降駆動する駆動部を設けることにより、所定のタイミ
ングでカードを送出するようになされたものがある。

【０００８】また従来、図１６及び図１７に示すような
カード送出装置１１がある。このカード送出装置１１に
おいては、回転軸１２に取り付けられた半月状の押出し
板１３が所定のモータによつて回転駆動される回転軸１
２を中心として矢印ｒの方向に回転することにより、カ
ード１０の側面に当接してカード１０を矢印ａの方向に
送出するようになされている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うにローラを用いたカード送出装置においては、ローラ
がカードに対してスリツプし易い問題があると共に、構
成が複雑になる問題がある。

【００１０】また半月状の押出し板１３を用いたカード
送出装置１１においては、送出対象物が厚いものに適用
した場合には、押出し板１３をある程度厚く形成できる
ことにより矢印ｂ（図１７）で示す押出し板１３の鉛直
方向の振れが生じ難いと共に送出対象物に照準を合わせ
やすいことにより、ほぼ正確に所望のカードのみを送出
することができた。

【００１１】ところが、カード送出装置１１において
は、送出対象物として例えば厚みが 1〔mm〕以下の薄い
カードを用いる場合には、これに合わせて押出し板を薄
くする必要があることにより回転振れが生じやすくなる
と共に、送出対象物に照準を合わせることが困難になる
問題がある。この結果カード送出装置１１においては、
押出し板１３が送出対象となるカード１０の下側を通過
し空振りしたり、または２枚のカード１０に当接してカ
ード１０を重送し易い問題がある。ここでカード送出装
置１１において回転振れ等の精度確保しようとした場合
には、構成が複雑かつ高価になる問題がある。

【００１２】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、簡易な構成により所定の送出対象を確実に送出する
ことができる素材送出装置を提案しようとするものであ
る。

【００１３】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、互いに積層された複数の板状の素
材３７のうち所定の１枚を積層位置から積層位置以外の
位置に送出する素材送出装置４１において、送出される
素材３７に摺接する傾斜面８１Ａを有する傾斜部材８１
と、傾斜面８１Ａに連接し、傾斜面８１Ａに対して突出
する方向に形成されかつ送出する素材３７に当接して素
材３７を押し出す段差８２Ａを有する押出し部材８２と
を備え、送出対象となる素材３７を傾斜面８１Ａにより
位置決めした後、押出し部材８２によつて送出するよう
にする。

【００１４】また本発明においては、素材３７の送出方
向ａには、素材３７の厚みに対して若干幅が広く形成さ
れたスリツト８９を有する重送防止部材８８が配設され
るようにする。

【００１５】さらに本発明においては、傾斜部材８１及
び押出し部材８２は、全体として半月状の板状部材４１
でなり、所定方向ｒに回転することにより、素材３７を
傾斜面８１Ａにより位置決めした後、押出し部材８２に
よつて送出するようにする。

【００１６】さらに本発明においては、押出し部材８２
の段差８２Ａは、素材３７の厚みに対して若干低く形成
されるようにする。

【００１７】

【作用】送出対象となる素材３７は傾斜部材８１の傾斜
面８１Ａに摺接することにより押出し部材８２の段差８
２Ａに位置決めされ、この状態で段差８２Ａに当接しな
がら送出方向ａに押し出される。かくして、素材３７の
厚みが非常に薄い場合でも素材３７を段差３７に正確に
当接させることができ、素材３７を確実に送出すること
ができる。

【００１８】

【実施例】以下図面について、本発明の一実施例を詳述
する。

【００１９】（１）全体構成 図１及び図２において、２０は全体としてカード印刷装
置を示し、筐体２１内部に印刷部、カード搬送部、画像
処理部及び各種の駆動機構等が内蔵されている。印刷装
置２０の筐体前面にはカードカセツト挿入口２２が設け
られ、このカード挿入口２２に印刷対象としてのカード
が複数積載されたカードカセツト２３が装填される。ま
た筐体前面にはリボンカセツト挿入口２４が設けられ、
このリボンカセツト挿入口２４に所定のリボンカセツト
２５が挿入される。さらに筐体前面には、電源スイツチ
２６やカード印刷装置２０の動作状態を表示するＬＥＤ
表示部２７等が設けられている。さらにカードカセツト
挿入口２２が設けられた側に対して反対側の筐体側面に
はカード排出口２８が設けられ、このカード排出口２８
から印刷済のカードが排出される。

【００２０】ここで図３は印刷装置２０の搬送部３０及
び印刷部３１を示し、カード搬送部３０は、矢印ａで示
すカード搬送方向に延長するように設けられたボールね
じ３２が搬送台３３の下部に設けられたナツト部３４を
貫通され、これによりボールねじ３２をパルスモータ３
５によつて回転させることにより、搬送台３３を図中実
線で示すカード載置位置から一点鎖線で示すカード排出
位置まで移動させる。このとき搬送台３３は矢印ａで示
す搬送方向に延長するようにな設けられた１対のリニア
シヤフト（図示せず）により摺動自在に支持されている
ことにより、水平な状態で矢印ａの方向又はこれとは逆
方向に移動する。

【００２１】カードカセツト２３の近傍位置にはカード
送出部３６が設けられ、このカード送出部３６によつて
カードカセツト２３内に積重されたカード３７を搬送台
３３の方向に送出する。すなわちカード送出部３６は、
モータ３８と、モータ３８によつて回転駆動される歯車
３９と、歯車３９に歯合する歯車４０と、歯車４０の上
面に固定された半月状のキツク板４１とにより構成さ
れ、キツク板４１を所定のタイミングで回転させること
により、カードカセツト２３内の最下位置のカード３７
を搬送台３３の方向に蹴り出すようになされている。

【００２２】このとき搬送台３３の方向に蹴り出された
カード３７はモータ４２により回転駆動されるカード搬
出用ローラ４３及び４４間に挟まれると共に、伝達機構
（図示せず）を介してモータ４２により回転駆動される
カード搬出用ローラ４５によつて搬送台３３上に載置さ
れるようになされている。ここでカード搬出用ローラ４
３及び４４とカード搬出用ローラ４５との間にはクリー
ニングローラ４６が設けられ、これにより印刷に先だつ
てカード３７の印刷面がクリーニングされる。

【００２３】搬送台３３の上面にはカード保持部４７が
設けられ、これにより印刷装置２０においては、カード
保持部４７によつてカード３７の水平方向の移動を規制
し得るようになされている。

【００２４】また熱転写ヘツド４８の両側の搬送経路に
は、本体シヤーシ（図示せず）に固定された浮上り防止
部材４９及び５０が設けられている。浮上り防止部材４
９及び５０は複数のローラ５１を有し、このローラ５１
が搬送台３３上に載置されたカード３７に当接すること
により、カード３７の搬送中及び印刷中における搬送台
３３からの浮上りを防止することができるようになされ
ている。

【００２５】ここで印刷が終了したカード３７はカード
排出用ローラ５２、５３及び５４によつて搬送台３３上
を矢印ａの方向に摺動されてカード排出口２８を介して
外部に排出されるようになされている。すなわちカード
排出用ローラ５２はモータ５５の駆動力を歯車５６を介
して受けることにより時計方向に回転すると共に、排出
用ローラ５３及び５４はモータ５５の駆動力を互いに歯
合した歯車５６、５７及び５８を介して受けることによ
り時計方向に回転し、この結果搬送台３３上のカードを
矢印ａの方向に摺動し得るようになされている。またこ
のとき搬送台３３の近傍位置に設けられたレバー解除軸
５９によつてカード保持部４７によるカード３７の前方
方向への規制が解除される。

【００２６】なおこのカード印刷装置２０においては、
カード３７の移動状態や搬送台３３の位置が光学センサ
によつて検出され、カード３７や搬送台３３が正しい位
置に位置決め制御される。すなわちセンサＳ２がカード
カセツト２３が装填されたか否かを検出し、センサＳ３
がカードカセツト２３内にカード３７があるか否かを検
出し、センサＳ４がキツク板４１の回転位置を検出し、
センサＳ５がカードカセツト２３からカード３７が搬出
されたか否かを検出し、センサＳ６が搬送台３３上にカ
ード３７が載置されたか否かを検出し、センサＳ７がカ
ード３７が排出されたか否かを検出する。

【００２７】また搬送台３３の側面に形成された検出用
突起６０に基づいて、各センサＳ８、Ｓ９及びＳ１０が
搬送台３３の位置を検出する。すなわちセンサＳ８は搬
送台３３がカード供給位置に到達したか否かを検出し、
センサＳ９は搬送台３３が印刷開始位置に到達したか否
かを検出し、センサＳ１０は搬送台３３がカード排出位
置に到達したか否かを検出する。

【００２８】印刷部３１は供給リール６１に巻回された
インクリボン６２を、リボンガイド６３及び６４によつ
て支持した状態で、直流（ＤＣ）モータ６５により回転
駆動される巻取リール６６によつて巻き取る。供給リー
ル６１にはトルクリミツタ（図示せず）が配置され、一
定のトルクでインクリボン６２にバツクテンシヨンを与
える。また巻取リール６６には光学センサ構成でなる巻
径検出用エンコーダ（図示せず）が配置されている。

【００２９】インクリボン６２には１頁分の染料として
イエロ色染料、マゼンタ色染料及びシアン色染料がそれ
ぞれ所定の長さで塗布されている。またインクリボン６
２は各頁分の染料の先頭位置に頁先頭マークが塗布され
ていると共に、各色染料の先頭位置に各色を識別する色
識別マークが塗布されている。これにより印刷装置２０
では、インクリボン６２の走行経路に設けられた光学セ
ンサ（図示せず）がそれぞれ頁先頭マーク及び色識別マ
ークを検出し、当該検出結果に基づいてインクリボン６
２のテンシヨン制御等を行うようになされている。

【００３０】熱転写ヘツド４８が設けられたヘツドユニ
ツト７０は回動軸７１によつて回動自在に保持された加
圧レバー７２の一端に着脱自在に取り付けられている。
加圧レバー７２の他端はリンク７３を介してカム板７４
に揺動自在に取り付けられている。これによりヘツドユ
ニツト７０は、カム板７４が所定のモータ（図示せず）
によつて回転駆動されることにより昇降され、図３に示
すような中間位置、この中間位置から上昇してインクリ
ボン６２から離間する初期位置、中間位置から下降して
カード３７に当接する最下位置に位置決めされるように
なされている。

【００３１】すなわちヘツドユニツト７０はインクリボ
ン６２を装填する際等には初期位置に移動し、搬送台３
３上にカード３７が載置された際には中間位置に移動
し、搬送台３３が印刷開始位置に到達した際には最下位
置に移動する。カード印刷装置２０においては、このヘ
ツドユニツト７０の昇降状態をカム板７４の切欠部の近
傍に設けられた光学センサＳ１１及びＳ１２によつて検
出する。熱転写ヘツド４８は端面型の構成でなり紙面に
垂直なカード３７の幅方向全体に亘つてカード３７に当
接する。これによりカード３７が矢印ａの方向に移動す
るとカード３７の印刷面全面に亘つて所望の画像を印画
し得るようになされている。

【００３２】ここでこのカード印刷装置２０による実際
の印刷は、図４及び図５に示す印刷動作手順ＳＰ０に従
つて実行される。すなわち先ず印刷動作手順ＳＰ０から
入つて次のステツプＳＰ１において、カード３７をカー
ドカセツト２３より取り出し、次のステツプＳＰ２にお
いてカード３７が取り出されたか否か判断し、否定結果
を得た場合にはステツプＳＰ３に移つて、カード切れ等
を表示するエラー処理を行う。

【００３３】一方カード３７が取り出された場合には、
ステツプＳＰ４に移つてカード３７を搬出し、ステツプ
ＳＰ５においてカード３７が搬出されたか否か判断し、
否定結果を得るとステツプＳＰ４を繰り返し、肯定結果
の場合には次のステツプＳＰ６に移つてカード３７を搬
送台３３上に載置する。続いてステツプＳＰ７におい
て、搬送台３３を熱転写ヘツド４８の位置に位置決め
し、搬送台３３を停止する。なおこのとき熱転写ヘツド
４８は上昇した位置（初期位置）にある。

【００３４】次にステツプＳＰ８において、カム板７４
の駆動モータが駆動され熱転写ヘツド４８を中間位置ま
で下ろし、次のステツプＳＰ９において、インクリボン
６２の１頁分の頭出しを行う。続いてこの実施例の場合
次のステツプＳＰ１０において、インクリボン６２の巻
径を検出し、ステツプＳＰ１１において検出された巻径
に応じてＤＣモータ６５の駆動条件を設定する。

【００３５】続いてステツプＳＰ１２において、再びカ
ム板７４の駆動モータが働いて熱転写ヘツド４８を最下
位置まで下ろし、ステツプＳＰ１３においてＤＣモータ
６５を駆動してインクリボン６２の巻取りを開始し、ス
テツプＳＰ１４において所定ライン数（α）だけ搬送台
３３を移動させる。次にステツプＳＰ１５において１色
分の印画を開始し、ステツプＳＰ１６において１色分の
印画として 965ライン分だけ印画し、次のステツプＳＰ
１７において、１色分の印画を終了しインクリボン６２
を剥離し、搬送台３３を所定ライン数（β）だけ移動さ
せる。

【００３６】続いてステツプＳＰ１８において熱転写ヘ
ツド４８を中間位置まで上げ、次のステツプＳＰ１９に
おいて、３色分の印画が終了したか否か判断し、否定結
果を得ると、次のステツプＳＰ２０において搬送台３３
を 965ラインにα及びβラインを加えたライン数分だけ
戻す。また次のステツプＳＰ２１において次の色のイン
クリボン６２の頭出しを行つた後、上述のステツプＳＰ
１２に戻つて１色分の印画処理を行う。やがてステツプ
ＳＰ１９で肯定結果を得ると、ステツプＳＰ２２におい
て、カード３７を排出し、このようにしてカード３７上
にカラー印画し得るようになされている。

【００３７】（２）カード送出部及びカードカセツト カード送出部３６のキツク板４１は、図６に示すよう
に、歯車４０によつて回転駆動される回転軸８０に取り
付けられており、回転軸４０によつて矢印ｒの方向に回
転される。キツク板４１は傾斜面８１Ａが形成されたす
くい板８１と、傾斜面８１Ａに連接しかつ傾斜面８１Ａ
に対して突出するような段差８２Ａが形成された押出し
板８２とによつて構成されている。またキツク板４１は
全体として半月状に形成されている。ここで段差８２Ａ
はカード３７の厚さよりも若干低く形成されている。

【００３８】これによりキツク板４１は矢印ｒの方向に
回転された際、傾斜面８１に沿つてカード３７を摺接さ
せた後、段差８２Ａに１枚のカード３７のみを当接させ
て送り出すようになされている。このようにキツク板４
１においては、押出し板８２に形成した段差８２Ａによ
つてカード３７を送り出すようにしたことにより、カー
ド３７の厚さに依らず板厚を所望の厚さに選定すること
ができ、これにより回転の際の振れを低減することがで
きる。

【００３９】カードカセツト２３は、図７に示すよう
に、直方体形状の枠体でなり、複数のカード３７を積層
した状態で収納する。またカードカセツト２３の側板に
はスリツト８４が形成され、当該スリツト８５を通して
カードカセツト２３内に収納されたカード３７を搬送台
３３（図３）の方向に排出する。またカードカセツト２
３は錘８６を有し、この錘８６をカードカセツト２３内
に積層されて収納されたカード３７の上から載置する。

【００４０】ここで図８及び図９に示すように、カード
カセツト２３の底板８６には、扇状の開口８７が形成さ
れており、これによりキツク板４１はカードカセツト２
３が装填されると、図１０に示すように、開口８７を通
してカードカセツト２３の内部に進入する。ここでカー
ドカセツト２３に形成されたスリツト８４は、ほぼカー
ド３７の２枚分の幅に形成されており、これによりスリ
ツト３４はカード３７に歪み等があつた場合にも確実に
カード３７を通過させる。これに加えて本体シヤーシ８
８のうち、カード３７の送出方向に当たる位置には、カ
ード３７の１枚分の厚みよりも若干幅が広い重送防止ス
リツト８９が形成されており、これにより重送防止スリ
ツト８９は１枚のカード３７のみを通過させカード３７
の重送を回避し得るようになされている。

【００４１】（３）実施例の動作 以上の構成において、搬送台３３がカード載置位置に到
達すると、キツク板４１が、図１１に示す初期位置から
矢印ｒの方向に回転を開始する。このときすくい板８１
の傾斜面８１Ａにカード３７の下面が摺接する。この状
態でさらにキツク板４１が回転すると、図１２に示すよ
うに、押出し板８２の段差８１Ａとカード３７の後端と
が当接する。従つてカード３７はすくい板８１によつて
すくわれるようにして段差８２Ａに導かれる。この結果
カード３７はキツク板４１の回転に多少の振れがあつた
場合でも、傾斜面８１Ａに沿つて位置決めされて段差８
２Ａに正確に導かれる。

【００４２】押出し板８２の段差８２Ａにカード３７の
後端が当接した状態からさらにキツク板４１が回転する
と、カード３７は、図１３に示すように、押出し板８２
によつて矢印ａで示す搬送台３３の方向に押し出され
る。押し出されたカード３７は、スリツト８４及び８９
（図１０）を通過して、図１４に示すように、カード搬
出用ローラ４３及び４４によつて搬送台３３へと移動さ
れる。

【００４３】このとき例えばカード３７間の摩擦等によ
りキツク板４１によつて２枚のカード３７が送り出され
た場合には、この２枚のカード３７のうち上側のカード
３７は重送防止スリツト８９を通過できないことによ
り、最下位置のカード３７のみが送出される。かくし
て、カード送出部３６はカードカセツト２３内の最下位
置のカード３７のみを確実に送出することができる。

【００４４】（４）実施例の効果 以上の構成によれば、キツク板４１を、傾斜面８１Ａが
形成されたすくい板８１と、傾斜面８１Ａに連接しかつ
傾斜面８１Ａに対して突出するような段差８２Ａが形成
された押出し板８２とにより構成したことにより、カー
ドカセツト２３内の最下位置のカード３７を搬送台３３
の方向に確実に送出することができる。

【００４５】（５）他の実施例 なお上述の実施例においては、本発明を半月状のキツク
板４１に適用した場合について述べたが、本発明はこれ
に限らず、例えばカード３７をカードカセツト２３から
送り出す部材がレバー機構や他の種々の部材である場合
にも適用することができる。この場合にも上述の実施例
と同様に、レバー機構や他の種々の部材にカード３７に
摺接する傾斜面を形成すると共に、この傾斜面に連接し
かつ傾斜面から突出する段差を形成し、カード３７を傾
斜面によつて位置決めした後、段差によつて押し出すよ
うにすれば良い。

【００４６】また上述の実施例においては、カード３７
の重送を防止する重送防止スリツト８９を本体シヤーシ
に形成した場合について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、重送防止スリツトをカードカセツト２３に形成する
ようにしても良い。

【００４７】さらに上述の実施例においては、本発明を
カード印刷装置２０に適用し、カード３７を送出する場
合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばフ
ロツピイデイスク等を送出する場合にも適用することが
でき、要は互いに積層された複数の板状の素材のうち所
定の１枚を積層位置から積層位置以外の位置に送出する
装置として広く適用することができる。

【００４８】

【発明の効果】上述のように本発明によれば、互いに積
層された複数の板状の素材のうち所定の１枚を積層位置
から積層位置以外の位置に送出する素材送出装置におい
て、送出される素材に摺接する傾斜面を有する傾斜部材
と、傾斜面に連接し、傾斜面に対して突出する方向に形
成されかつ送出する素材に当接して素材を押し出す段差
を有する押出し部材とを設け、送出対象となる素材を傾
斜面により位置決めした後、押出し部材によつて送出す
るようにしたことにより、簡易な構成により所定の送出
対象を確実に送出することができる素材送出装置を実現
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による素材送出装置が用いられるカード
印刷装置の一実施例の外観構成を示す斜視図である。

【図２】本発明による素材送出装置が用いられるカード
印刷装置の一実施例の外観構成を示す斜視図である。

【図３】本発明による素材送出装置が用いられるカード
印刷装置の一実施例における搬送部及び印刷部を示す略
線的側面図である。

【図４】実施例のカード印刷装置における印刷動作の説
明に供するフローチヤートである。

【図５】実施例のカード印刷装置における印刷動作の説
明に供するフローチヤートである。

【図６】本発明による素材送出装置の一実施例のキツク
板を示す斜視図である。

【図７】カードカセツトの外観構成を示す斜視図であ
る。

【図８】カードカセツトを鉛直方向に切つて示す断面図
である。

【図９】カードカセツトの底面図である。

【図１０】カードカセツトをカード印刷装置に装填した
状態を示す断面図である。

【図１１】キツク板の動作の説明に供する平面図であ
る。

【図１２】キツク板の動作の説明に供する平面図であ
る。

【図１３】キツク板の動作の説明に供する平面図であ
る。

【図１４】キツク板の動作の説明に供する平面図であ
る。

【図１５】従来のカード印刷装置を示す略線図である。

【図１６】従来のカード送出装置を示す平面図である。

【図１７】従来のカード送出装置を示す断面図である。

【符号の説明】

１、２０……カード印刷装置、３、４８……熱転写ヘツ
ド、４、６１……供給リール、５、６２……インクリボ
ン、６、６６……巻取リール、７、３２……ボールね
じ、８、３３……搬送台、９、３４……ナツト部、１
０、３７……カード、２１……筐体、２８……カード排
出口、３０……搬送部、３１……印刷部、３６……カー
ド送出部、３７……カード、４１……キツク板、４３〜
４５……カード搬出用ローラ、４６……クリーニングロ
ーラ、４７……カード保持部、４９、５０……浮上り防
止部材、５１Ａ〜５１Ｄ……ローラ、５２〜５４……カ
ード排出用ローラ、５９……レバー解除軸、６０……検
出用突起、７０……ヘツドユニツト、７２……加圧レバ
ー、７３……レバー、７４……カム板、８１……すくい
板、８１Ａ……傾斜面、８２……押出し板、８２Ａ……
段差、８４……スリツト、８８……本体シヤーシ、８９
……重送防止スリツト、Ｓ２〜Ｓ１２……センサ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇賀神 智久 東京都板橋区志村２丁目16番20号株式会社 コパル内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】互いに積層された複数の板状の素材のうち
   所定の１枚を積層位置から積層位置以外の位置に送出す
   る素材送出装置において、 上記送出される素材に摺接する傾斜面を有する傾斜部材
   と、 上記傾斜面に連接し、上記傾斜面に対して突出する方向
   に形成されかつ上記送出する素材に当接して上記素材を
   押し出す段差を有する押出し部材と、 を具え、上記送出対象となる素材を上記傾斜面により位
   置決めした後、上記押出し部材によつて送出するように
   したことを特徴とする素材送出装置。
2. 【請求項２】上記素材の送出方向には、上記素材の厚み
   に対して若干幅が広く形成されたスリツトを有する重送
   防止部材が配設されたことを特徴とする請求項１に記載
   の素材送出装置。
3. 【請求項３】上記傾斜部材及び上記押出し部材は、全体
   として半月状の板状部材でなり、所定方向に回転するこ
   とにより、上記送出対象となる素材を上記傾斜面により
   位置決めした後、上記押出し部材によつて送出するよう
   にしたことを特徴とする請求項１に記載の素材送出装
   置。
4. 【請求項４】上記押出し部材の段差は、上記素材の厚み
   に対して若干低く形成されたことを特徴とする請求項１
   に記載の素材送出装置。