JPH0761493B2 - 熱間圧延鋼板の冷却制御装置 - Google Patents

熱間圧延鋼板の冷却制御装置

Info

Publication number
JPH0761493B2
JPH0761493B2 JP63331095A JP33109588A JPH0761493B2 JP H0761493 B2 JPH0761493 B2 JP H0761493B2 JP 63331095 A JP63331095 A JP 63331095A JP 33109588 A JP33109588 A JP 33109588A JP H0761493 B2 JPH0761493 B2 JP H0761493B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
cooling
steel plate
hot steel
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63331095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02179827A (ja
Inventor
裕人 小野
元宏 長田
健 木下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP63331095A priority Critical patent/JPH0761493B2/ja
Publication of JPH02179827A publication Critical patent/JPH02179827A/ja
Publication of JPH0761493B2 publication Critical patent/JPH0761493B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B37/00Control devices or methods specially adapted for metal-rolling mills or the work produced thereby
    • B21B37/74Temperature control, e.g. by cooling or heating the rolls or the product

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Control Of Metal Rolling (AREA)
  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
  • Control Of Heat Treatment Processes (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、上面及び下面の両面から冷却水を吹出して熱
間圧延鋼板を冷却するに際し、当該鋼板が形状不良を起
こさないように、かつ、所望の材質が得られるように、
両面から噴射する冷却水量をそれぞれ最適に制御する熱
間圧延鋼板の冷却制御装置に関する。
(従来技術及び発明が解決しようとする課題) 近年では、熱間圧延された直後の高温の鋼板を水冷によ
り急冷(加速冷却)して焼入れ効果を得、鋼板に高強度
の特性を付す制御冷却と称される工程を備えた鋼板製造
装置が稼動している。
この鋼板製造装置によって、圧延後直ちに制御冷却して
使用性能の優れた鋼板の製造ができるようになった。
しかしながら、このような従来の鋼板製造装置にあって
は、加速冷却する際の鋼板上下面からの冷却のアンバラ
ンスなどにより、従来の空冷によるものよりも板幅方向
に反る形状不良が発生しやすいという欠点がある。この
形状不良の発生は、鋼板の上面と下面から噴射された冷
却水の挙動の相違による冷却速度の差に起因している。
このように鋼板の上下面がそれぞれ異なる冷却速度で冷
却されると、板厚方向に非対称な内部応力が生じ、製品
の形状を劣化させることになる。
この様な、形状不良の発生を防止するものとして、水冷
時における鋼板上下面温度を測定し、温度差より鋼板変
形量を予測し、変形を抑止する様に、鋼板上下面への注
水量を制御する技術がある。この方法は、冷却条件が同
一の場合、即ち、板サイズ,冷却開始温度,冷却終了温
度,冷却水量が一定の場合には、有効な効果が予測され
るが、異なる場合には、有効とは言えない。つまり、従
来は、注水量制御の方法が提示されておらず、又、上下
面への注水量を変化させた時の冷却終了温度への影響を
考慮していない。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みて成されたも
のであり、材質上、予め定められた冷却終了温度を確保
し、かつ、水冷時における熱鋼板上下面の温度差が予め
定められた許容範囲内になるように、上下面から噴射す
る冷却水量を制御する機能を持った熱間圧延鋼板の冷却
制御装置の提供を目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 前記目的を達成するための本発明は、熱鋼板を所定の板
厚にまで圧延を行なう仕上圧延機と、当該仕上圧延機の
後工程に配置され、搬送された熱鋼板に対して上下面両
方向から当該熱鋼板の幅方向に向けて配された複数のノ
ズルから冷却水を噴射して、当該熱鋼板を搬送しながら
冷却する冷却装置とが配置された鋼板製造装置におい
て、前記冷却装置内で搬送される熱鋼板上下面の温度を
検出する複数対の温度検出手段と、予め与えられている
前記熱鋼板の諸物性値に基づいて、前記冷却装置上下面
に配置されたノズルから噴射する冷却水量と前記熱鋼板
上下面の熱伝達率との関係を求める第1演算手段と、前
記温度検出手段により検出された冷却装置入口における
熱鋼板の実績温度及び前記第1演算手段によって求めら
れた冷却水量と前記熱鋼板の熱伝達率との関係から計算
される実績冷却水量での熱伝達率より、前記熱鋼板板厚
方向の温度分布を算出する温度分布算出手段と、当該温
度分布算出手段によって算出された前記熱鋼板上下面の
温度を、前記温度検出手段により検出された冷却中の熱
鋼板の上下面実績温度に一致させるための前記熱鋼板の
熱伝達率の補正値を算出する補正値算出手段と、前記第
1演算手段によって求めた前記熱鋼板の熱伝達率と冷却
水量との関係を、前記補正演算手段によって算出された
補正値によって補正し、この補正が加味された冷却水量
と熱伝達率との関係に基づいて、前記熱鋼板上下面の温
度差が予め定められた温度差となるように、上下面に配
置されたノズルのそれぞれから噴射する冷却水量を制御
する冷却水量制御手段とを有することを特徴とするもの
である。
(作用) 上記のような構成を有する本発明は、以下のように作用
する。
第1演算手段は、予め与えられている熱鋼板の諸物性
値,例えば、材質、板厚、板幅、板長、冷却開始温度、
冷却停止温度等に基づいて、上下面に配置されたノズル
から噴射する冷却水量と前記熱鋼板の熱伝達率との関係
を求める。そして、温度分布算出手段は、前記温度検出
手段により検出された冷却装置入口における熱鋼板の実
績温度及び前記第1演算手段によって求められた冷却水
量と前記熱鋼板の熱伝達率との関係から計算される実績
冷却水量での熱伝達率より前記熱鋼板板厚方向の温度分
布を算出する。補正値算出手段は、当該温度分布算出手
段によって算出された前記熱鋼板上下面の温度分布を、
前記温度検出手段により検出された熱鋼板の実績温度か
ら得られる温度分布に一致させるために前記熱鋼板の熱
伝達率の補正値を算出する。そして、冷却水量制御手段
は、前記第1演算手段によって求めた前記熱鋼板の熱に
伝達率と冷却水量との関係を、前記補正演算手段によっ
て算出された補正値によって補正し、この補正が加味さ
れた冷却水量と熱伝達率との関係に基づいて、前記熱鋼
板上下面の温度分布が予め定められた温度分布となるよ
うに、上下面に配置されたノズルのそれぞれから噴射す
る冷却水量を制御し、また、求められた上下面の冷却水
量に応じて冷却時間を制御する。
したがって、冷却時における熱鋼板の温度分布を、常に
定められた温度分布にすることができ、冷却過程におけ
る熱鋼板上下面の温度差精度及び冷却終了温度精度を向
上させることができる。
(実施例) 第1図は、本発明に係る熱間圧延鋼板の冷却制御装置を
備えた鋼板製造ラインの一部を示したものである。
同図に示すように、鋼板製造ラインには、搬送される熱
鋼板1の温度を維持させる加熱炉2と、熱鋼板1の表面
に形成されたスケールを取除くスケールブレーカー3
と、目標板幅までの幅出し圧延を行なう粗圧延機4とが
順次配設され、熱鋼板1はここまでの工程でスケールが
除かれるとともに所定の幅と厚みに粗形成されることに
なる。そして、粗圧延機4の後工程には、熱鋼板1を目
標板厚まで圧延する仕上圧延機5と、仕上圧延後の熱鋼
板1の形状を矯正する熱間矯正機6と、形状矯正後の熱
鋼板1を加速冷却する冷却装置7とが順次配列され、加
速冷却された後の熱鋼板1は、所望の形状、所望の材質
を有する製品となる。
第2図は、搬送される熱鋼板1の温度や形状を測定する
測定機器の配置状態及び冷却装置の内部構造を示す図で
ある。
仕上圧延機5の後面には仕上後面温度計11が設けられ、
仕上圧延される熱鋼板1の温度を計測する。さらに、冷
却装置7の前面には、冷却装置前面温度計13が設けら
れ、冷却装置7に搬送される直前の熱鋼板1の温度を測
定する。また、冷却装置7の後面には、冷却装置後面温
度計14と形状計15とが設けられ、冷却装置7による冷却
後の熱鋼板1の温度と形状とが測定される。
また、冷却装置7の内部には、図示するように、熱鋼板
1の搬送される経路の上面7A及び下面7Bに冷却水を噴射
するノズル群7c,7c,……が多数配列され、これらのノズ
ル群7cからの冷却水の噴射の制御は、流量制御弁8,8,…
によってZ1〜Z6の6つの冷却ゾーンに分割して行なうよ
うになっている。すなわち、冷却が行なわれる熱鋼板1
の板厚、板長等の諸条件や冷却開始温度,冷却停止温度
等の要因によって使用すべきゾーン数が異なるために、
6つのゾーンに分け、これらの要因に応じて使用ゾーン
数の調整ができるようになっている。各冷却ゾーンの水
量は上面の下面の各々に調整できる。また、冷却装置7
の入側と、3,4ゾーン間と、4,5ゾーン間と、5,6ゾーン
間の板方向中央部の上下面には光ファイバーを応用した
放射温度計対(以下光ファイバー温度計対)20,21,22,2
3が配設され、冷却過程にある熱鋼板1の上下面温度を
検出する。
第3図は、冷却装置7内の温度計の配置状態とノズルの
配置状態を示す図である。
前記したように、光ファイバー温度計対20は冷却装置7
の入口近傍に、光ファイバー温度計対21は、3,4ゾーン
の間に、光ファイバー温度計対22は、4,5ゾーンの間
に、光ファイバー温度計対23は、5,6ゾーンの間にそれ
ぞれ配設されている。各ゾーンのノズル7cから噴射され
る冷却水の水量等の制御は、前記したそれぞれの流量制
御弁8によって行なわれる。
第4図は、本発明に係る熱間圧延鋼板の冷却制御装置の
制御系の概略構成図である。
冷却装置7における冷却の総括的な制御(上下面に配置
されている各ノズルからの水量制御)を行なう冷却制御
用コンピュータ30には、圧延機の総括的な制御を行なう
圧延制御用コンピュータ31と、主に生産管理を行なうビ
ジネスコンピュータ32と、冷却制御用コンピュータ30か
ら出力される各種のデータを入力して表示するととも
に、冷却制御用コンピュータ30に対してオペレーターか
らの制御補正データ等を出力するデータ入出力装置33と
が接続され、冷却制御用コンピュータ30はこれらのコン
ピュータ31,32及びデータ入出力装置33からのデータに
基づいて、後述する各種の制御装置を作動させる。ま
た、冷却制御用コンピュータ30には、冷却データ学習計
算用コンピュータ36が接続され、熱鋼板1を冷却する際
に各ノズルから噴射させる冷却水量や通板速度の設定方
法の学習を行ない、学習の結果を冷却制御用コンピュー
タ30に出力するようになっている。そして、冷却制御用
コンピュータ30は、熱鋼板1の冷却の際に、その周囲の
端部と中央部とで相違する冷却速度の補正を行なうマス
ク制御装置37と、熱鋼板1の冷却の際に第2図に示した
ように各ゾーンに配設されている流量制御弁8を制御す
る冷却水量制御装置38と、熱鋼板1を搬送する際に駆動
される鋼板送り用モータ39の回転速度を制御する通板速
度制御装置40とが接続され、冷却制御用コンピュータ30
は、マスク量,冷却水量,通板速度の演算,制御を行な
う。また、冷却データ学習計算用コンピュータ36には、
形状計15から出力される熱鋼板1の形状データを処理す
る形状データ処理コンピュータ34が接続され、この処理
された形状データは冷却データ学習計算用コンピュータ
36に出力されることになる。形状データ処理コンピュー
タ34には、形状データ処理後の各データ{板幅方向の反
り(C反り)量、鋼板光尾端部の板長方向の反り(L反
り)量、光波版側端部に板長方向に生じる側部波形状の
波高とピッチ、鋼板内部に板長方向に生じる中央部波形
状の波高とピッチ}を表示する表示装置35が接続され、
製品化される鋼板の最終的な形状が表示される。この冷
却データ学習計算用コンピュータ36には、前記した圧延
制御用コンピュータ31,ビジネスコンピュータ32,冷却装
置前面温度計13,冷却装置後面温度計14,冷却装置7内に
配設されている光ファイバー温度計対20〜30,冷却水量
制御装置38及び通板速度制御装置40が接続され、これら
のコンピュータや温度計あるいは装置から出力される実
績データに基づいて、冷却制御を行なうための学習計画
を行なう。
第5図は、本発明に係る熱間圧延鋼板の冷却制御装置の
全体の概略的な動作を示す図である。
本装置の動作は大別して2つの動作よりなる。熱鋼板の
形状不良を起こさず、かつ、所定の材質が得られること
を目的として、冷却対象材が冷却装置に到るまでに行な
う冷却装置に対しての設定と、その設定動作の精度向上
を目的として、冷却後に行なう学習である。
まず、冷却装置の設定について説明する。
圧延制御用コンピュータ31は、冷却対象である熱鋼板1
の圧延実績,すなわち、仕上後面温度計11により入力さ
れた仕上最終圧延開始前温度(以下、仕上温度と略す)
実績,板厚,板幅等の実績を出力し、冷却制御用コンピ
ュータ30は、熱鋼板1における冷却装置7直前の各部の
温度を推定する推定計算を行なう。この推定計算は、圧
延制御コンピュータ31により入力された仕上最終圧延開
始直前熱鋼板1の上表面温度(仕上温度)或いは後述す
るビジネスコンピュータ32により入力された目標仕上温
度を初期値として、板上の代表点における全厚の10分割
11点を計算対象点とし、仕上最終圧延から冷却装置7の
入側までの温度推移を1次元熱伝導差分方程式を解くこ
とによって行なう。尚、代表点は、板長手方向の1点に
ついて行なわれるが、板長を考慮して各部の計算予測到
達時間に差を設け、搬送方向先端部,中央部,尾端部の
3点を設定している。また、この計算を行なうにあたっ
ては、熱伝導による温度変化,仕上圧延機5の仕上最終
圧延による温度変化の影響,変態,熱間矯正機6による
温度変化の影響などを考慮して計算する。
また、ビジネスコンピュータ32は、冷却に関する指示情
報、すなわち目標仕上温度冷却装置7における各ゾーン
毎の下面水量,熱鋼板1が冷却装置7に入る際の目標冷
却開始温度,熱鋼板1が冷却装置7から出た際の目標冷
却停止温度,使用ゾーン数,また板に関する材質成分の
情報、板厚,板幅,板長等のデータを出力し、冷却制御
用コンピュータ30はこれらのデータを入力し、板幅、冷
却停止温度、平均下面水量、使用ゾーン別に予め定めら
れた操業標準値の決定を行なう。
この操業標準値とは、冷却後の鋼板幅方向反り量を許容
値以下とする適正上下水量比を計算する際の初期値、及
び各種マスク量から成る。尚、上下水量比とは、下式で
定義し、下面水量と上下水量比が決定されれば上面水量
を決定することができる。
これは、以下の考え方に基づく。冷却材の材質特性(引
張り強さ、降伏強さ、伸び等)を制御するためには、温
度制御が必要であり、下面水量を予め定める事により、
冷却装置内での板温度降下特性を決定する。一方、板形
状をフラットにするためには冷却中板厚方向の温度分布
を上下対象にするのが望ましく、下面水量に応じて上面
水量を決定する必要がある。そこで、上下水量比をパラ
メーターとして採用した。
そして、冷却制御用コンピュータ30は、冷却装置入側温
度推定計算を行ない、その計算結果と決定された操業標
準値により与えられた上下水量比の初期値及び後述する
温度学習計算によって得られた学習結果により、板温度
推定計算を行なう。
そして、この板温度推定計算の演算結果及び後述する応
力歪学習計算の学習結果によって応力歪推定計算が行な
われる。この応力歪推定計算は複雑であるので、この計
算の詳細については後述することにする。次に、冷却制
御用コンピュータ30は、応力歪推定計算によって得られ
た結果に基づいて、冷却装置7の上下面に配設されてい
るノズルから噴射する冷却水量の最適上下比を計算し、
この最適上下比の決定によって冷却装置7の上面に配設
されているノズルから噴射すべき水量を決定し、その計
算結果を冷却水量制御装置38に出力する。また、板温度
推定計算によって得られた結果に基づいて、熱鋼板1を
冷却装置7に通過させる際の最適通板速度の設定計算を
行なう。この最適通板速度の演算結果は、通板速度制御
装置40に出力され、熱鋼板1は、この演算結果に基づい
た速度で冷却装置7の内部を搬送されることになる。
一方、冷却制御用コンピュータ30は、操業標準値に基づ
いて、鋼板先端、尾端及び側端部のマスク量を決定し、
このマスク量は、マスク制御装置37に出力される。この
マスク量の制御は、熱鋼板1の周部とそれ以外の部分と
での冷却される条件の相違を補正するために行なわれる
ものであり、この補正によって、熱鋼板1のどの部分で
も同様の冷却が行なわれることになる。尚、このマスク
装置及びマスク量の決定は、本願発明とはあまり密接に
関係した制御ではないので、以降においてもその決定の
詳細な説明は省略する。
次に熱鋼板1の冷却後に行なわれる学習について説明す
る。
冷却データ学習用コンピュータ36は、ビジネスコンピュ
ータ32より成分等の板に関する情報と仕上後面温度計11
によって検出され、圧延制御用コンピュータ31により入
力された仕上圧延機5後面の熱鋼板1の実績温度を入力
し、冷却装置7の入側板温度測定計算を行なう。また、
冷却データ学習計算用コンピュータ36は、冷却装置7入
口の光ファイバー温度計対20によって検出された冷却装
置7入側の熱鋼板1の実績上下面温度差と冷却装置前面
温度計13により検出された冷却装置7入側の熱鋼板1の
上表面温度及び前記した板温度設定計算の測定値に基づ
いて入側温度学習を算出し、この学習結果は設定の際の
冷却制御用コンピュータ30によって入側板温度設定計算
を行なう際に用いられることになる。
次に冷却データ学習用コンピュータ36は、通板速度制御
装置40の設定した実績通板速度と、冷却水量制御装置の
設定した上下面の実績水量と、冷却装置前面温度計13に
よって検出された冷却装置7入側の熱鋼板1の実績温度
と、冷却装置入口の光ファイバー温度計対20により検出
された冷却装置7入側の熱鋼板1の実績上下面温度差と
を入力し、水冷中の板温度推定計算を行なう。また、冷
却データ学習計算用コンピュータ36は、冷却装置後面温
度計14によって検出された冷却装置7出側の熱鋼板1の
実績温度、冷却装置7内部に配設されている光ファイバ
ー温度計対21〜23の各ゾーンの間における冷却中の熱鋼
板1の実績上下面温度差及び前記した板温度推定計算の
推定値に基づいて温度学習計算を行なう。この学習結果
は冷却制御用コンピュータ30で行なう冷却設定の際の板
温度設定計算に用いられることになる。そして、冷却デ
ータ学習制御用コンピュータ36は、温度学習計算によっ
て得られた冷却中の温度推定結果に基づいて応力歪推定
計算を行なう。
一方、形状データ処理コンピュータ34は、形状計15によ
って検出した冷却後の熱鋼板1の形状データを入力し、
その形状が理想形状に対してどの位のずれがあるのかを
算出する。冷却データ学習制御用コンピュータ36は、形
状データ処理コンピュータ34によって算出したずれ及び
応力歪推定計算によって得られた応力歪に基づいて応力
歪の学習計算を行なう。この学習計算によって得られた
学習結果は、設定の際の冷却制御用コンピュータ30によ
る応力歪推定計算の際に用いられることになる。また、
冷却データ学習制御用コンピュータ36は、形状データ処
理コンピュータ34で算出された実績形状と理想形状との
ずれに基づいて標準値の上下比初期値の修正が行なわ
れ、この修正値は設定の際の冷却制御用コンピュータ30
における操業標準値決定の際に用いられることになる。
このように、本発明に係る熱間圧延鋼板の冷却制御装置
は、まず、熱鋼板1が冷却装置7に搬送される以前に、
冷却中の板温度と板形状を推定し、冷却装置7での通板
硬度と上下面冷却水量を決定し、冷却停止温度が予め設
定されている温度となり、所定の材質が得られるよう
に、かつ、形状が理想形状となるように、冷却装置の設
定制御を行なう一方、冷却後の熱鋼板1の実績データに
基づいて学習計算を行ない、この学習結果を、以降の熱
鋼板1の製造の際のデータに加味し、品質等の管理を閉
ループ制御によって行なうようにしている。
以上のように構成された本発明に係る熱間圧延鋼板の冷
却制御装置は、第6図以降に示すフローチャートに基づ
いて次のように動作する。尚、このフローチャートの説
明に際し、以上において既に説明されている事項はその
説明を省略する。
まず、熱鋼板1が、冷却装置7に搬送される以前に計算
される冷却設定計算について第6図に沿って説明する。
冷却設定計算は、冷却対象の熱鋼板1の仕上圧延開始
(仕上圧延は通常複数回行なわれる)と仕上圧延終了直
前とデータ入出力装置33よりデータ修正を行ったタイミ
ングで起動される。まず、冷却制御用コンピュータ30
は、設定対象の熱鋼板1の仕上圧延が仕上最終圧延手前
まで行なわれたか否かを判断し、仕上最終圧延より早い
タイミングであれば、ビジネスコンピュータ32より送ら
れてきた目標仕上温度を、仕上最終圧延以降のタイミン
グでは、仕上後面温度計11により検出され、圧延制御用
コンピュータ31により入力された実績仕上温度を仕上温
度と定める。またこの判断は、冷却制御用コンピュータ
30に圧延制御用コンピュータ31が入力したか否かにより
行なわれる(ステップ1)。次に、冷却制御用コンピュ
ータ30は、冷却装置7の入側における熱鋼板1の温度の
推定計算をし(ステップ2)、ビジネスコンピュータ32
から出力される各種のデータ及び修正された標準値に基
づいて操業標準値(上下水量比初期値、マスク量)の決
定を行なう(ステップ3)。次に、冷却制御用コンピュ
ータ30は冷却装置7の入力側における熱鋼板1の温度と
ステップ3において決定した上下比初期値を用いて、簡
易の板温度推定計算を行ない熱鋼板1の通板速度を計算
する(ステップ4)。次に、冷却制御用コンピュータ30
は、ステップ4において決定した通板温度とステップ2
において推定した,冷却装置7の入側における熱鋼板1
の温度と、後述するステップ5の学習計算によって得ら
れた温度の学習値及びステップ3において決定した操業
標準値(上下比初期値)に基づいて精密な板温度の推定
計算を行い、その計算結果と応力歪推定計算の結果得ら
れた学習値に基づいて応力歪の推定計算を行なう。その
応力歪推定計算の結果に基づいて、この応力歪を最少に
すべき冷却水の上下面からの冷却水量の最適上下比を計
算する(ステップ5)。そして、冷却制御用コンピュー
タ30は、ステップ5で計算した最終冷却ゾーンでの板温
と、ビジネスコンピュータ31により入力された目標冷却
停止温度とを照らし合わせて通板速度の修正計算を行な
い(ステップ6)、以上の演算の結果をマスク制御装置
37,通板速度制御装置40,冷却水量制御装置38にそれぞれ
出力し(ステップ7)、熱鋼板1は冷却される。
また、熱鋼板1の冷却後に行なう冷却学習計算について
第7図より説明する。冷却データ学習制御用コンピュー
タ36は実質上下水量比と実績反り量より操業標準値中の
上下比初期値を修正する(ステップ10)。次に冷却デー
タ学習制御用コンピュータ36は、冷却装置7の入側にお
ける熱鋼板1の温度の推定計算をし、その推定温度と冷
却装置入側の実績温度より入側温度学習計算を行なう
(ステップ11)。そして、冷却データ学習制御用コンピ
ュータ36は、実績水量と実績通板温度を用いて、冷却中
の板温度推定計算を行ない(ステップ12)、その推定温
度推移と実績冷却後面温度、実績上下面温度差より冷却
中の温度学習計算を行なう(ステップ13)。更に、冷却
データ学習制御用コンピュータ36は、ステップ13で得ら
れた温度学習値を用いて、温度と形状を計算し実績反り
量と比較して、形状学習計算を行なう(ステップ14)。
次に、第6図に示したメインルーチンのそれぞれのステ
ップの処理について詳細に説明する。
第8図は、メインルーチンにおけるステップ2のサブル
ーチンフローチャートである。
このサブルーチンフローチャートは、熱鋼板1が仕上圧
延機5の仕上最終圧延開始前から冷却装置7の入側まで
搬送される間に、板面上各部の冷却装置7入側での温度
を推定する処理手順を示すものである。
まず、冷却制御用コンピュータ30は、ステップ1で決定
した仕上温度を用いて、熱鋼板1の厚み方向10分割11点
の初期温度分布を下記の方法で決定する。
上表面温度は、仕上温度 上表面と板温最高点との温度差は下式で与えるる。
ΔT=33.8−3.63h(−0.0371+0.00528h)・TF 但し、ΔT=:上表面と板温最高点との温度差 h:板厚 TF:仕上温度 下表面温度は、上表面温度と入側温度学習値より決定
する。
TL=TF+K1ξ(ΔTs con+ΔTs class)+K2 但し、TL:下表面温度 ξ:温度変換係数学習値 ΔTS:入側温度上下面温度差学習値 ξ,ΔTSについては学習の説明で後述する。
K1,K2:調整要素、K1=1.0,K2=00 以上の〜の条件を満たす放射線状の温度分布を決
定し、板厚方向の温度分布を決定する。
第8図に決定方法を示す(ステップ20)。そして、冷却
制御用コンピュータ30は、差分計算用の時間カウンタt
を0にリセットしてスタートさせるとともに、板温度推
定差分演算を開始する。この板温度推定差分演算は、ス
テップ20によって求めた初期温度分布状態に基づいて、
板上の代表点における全厚の10分割11点を計算対象点と
して、下式に示す1次元熱伝導差分方程式を解くことに
よって行なう(ステップ21,22)。
板温度Tから含熱量Qへ変換 T>880Q=3.333+0.16T T≦880Q=−149.05+0.481・T−1.68×10-4・T2 Q(i)t;時刻tの時の要素iの含熱量 T(i)t;同温表示 Δt;差分計算の刻み時間(=const,150msec) ρ;密度 λ;要素iの熱伝導率 Tg;気温 ΔQS;境界条件 Δx;板厚分割厚 含熱量Qから温度Tへ変換(含熱量;比熱をO℃からT
まで積分した値) Q>144.13 T=−20.8+6.25×Q 0<Q≦144.13 ρ,λの与え方は公知であるので詳しい説明は省略す
る。
そして、最終圧下が行なわれる際に前記代表点が、仕上
圧延機5に到達すると(ステップ23)、圧延に伴って発
生する熱量を加算する。この熱量は、塑性加工熱と、摩
擦熱と、ロール抜熱との和である。これらの熱の算出式
も以下に示す公知の式で行なう。
1)塑性加工熱 ΔQp=η・Kfm・ε/(J・P) ΔQp;塑性加工熱(含熱量表示) ηp;効率(=const) Kfm;平均変形抵抗 J;仕事当量(=const) ρ;比重 2)摩擦熱 ΔQf=η・μ・Pm・ΔV/(J・P) ΔQf;摩擦熱(含熱量表示) ηf;効率(=const) μ;摩擦係数(=const) Pm;平均圧延力(仕上最終圧下) ΔV;圧延ロールと鋼板の相対速度差 3)ロール抜熱 ΔQR;ロール抜熱(含熱量表示) ηR;効率 CP;比熱 TR;圧延時間 ΔT;最終圧延前後の温度降下量 各要素についはて、公知であるのでは、詳しい説明は省
略する(ステップ24)。冷却制御用コンピュータ30は、
ステップ21において起動させたタイマーの積算時間に基
づいて、前記代表点が熱間矯正機6に到達する時刻であ
ると判断すると(ステップ25)、熱間矯正機6の通過に
よる温度降下熱,すなわち、抜熱を加算する(ステップ
26)。抜熱量を下記に示す。
HL抜熱加算 1)HL抜熱 ΔTHL;HL通過による温度降下点(抜熱量) 次に、熱鋼板1の先端部が冷却装置7に到達する時刻と
なると、冷却制御用コンピュータ30は、熱鋼板1の先端
部の温度を格納し(ステップ27,28)、熱鋼板1の中央
部が冷却装置7に到達する時刻となると、冷却制御用コ
ンピュータ30は、熱鋼板1の中央部の温度を格納し(ス
テップ29,30)、熱鋼板1の尾端部が冷却装置7に到達
する時刻となると、冷却制御用コンピュータ30は、熱鋼
板1の尾端部の温度を格納する(ステップ31,32)。各
部の到達時間は、搬送距離、搬送速度板長をもとに決定
する。尚、熱鋼板1の移動位置を時刻として捕えるため
のタイマーの積算時間は、Δt時間の刻み時間をもって
積算されるようにしてある(ステップ33)。Δtは0.1s
ec程度とする。そして、これら格納した代表点各部の温
度に変態発熱を加算する。この変態発熱の加算は、中央
部の計算表面温度温度とAr3変態点を比較して行なわれ
る。
まずAr3変態点温度(Tar3)を下式で計算する。
Tar3=B6+B7[C]+B8[Si]+B9[Mn]+B10[Ni] +B11[Cu]+B12[V] B6=868, B7=−396, B8=24.6, B9=−58.7, B10=−50, B11=35, B12=190, [C],[Si],[Mn],[Ni],[Cu],[V]は、
圧延鋼板各成分1/100重量%(ビジコンからの板情報に
含まれている。) 変態発熱の加算は、学習値も考慮して、先端部、中央
部、尾端部、各部毎に下式により行なう(ステップ3
4)。
T(i)=Tc(i)+dTtrs+ΔT (i=1〜11) ΔT;冷却装置入側温度学習値 T(i);冷却装置入側板温度 Tc(i);本体発熱加算を行なう前の入側板温度 dTtrs:変態発熱量(先端、中央、尾端の各部とも共通) 中央部Tc(i)>Tar3の時 dTtrs=O Tc≦Tar3の時 dTtrs=B14(Ts−Tar3)+B15, 第 1 表 B14 B15 h>18mm 0.56 9.09 16<h≦18mm 0.58 0.53 h≦16mm 0.55 −7.98 次に、第6図のメインフローチャートにおけるステップ
3の操業標準値決定を行なう。
ビジネスコンピュータ32から、入力された板幅、目標冷
却開始温度,冷却停止温度,冷却装置7における使用ゾ
ーン数,各ゾーン毎の下面水量,により予め定められた
操業標準値,即ち各ゾーン毎の上下水量比及び側端部マ
スク量,先端マスク量,尾端マスク量を決定する。この
各ゾーン上下水量比はステップ5で行なう最適上下比設
定計算の検索初期値となる。
次に第10図は、第6図に示したメインフローチャートに
おけるステップ4の通板速度設定計算のサブルーチンフ
ローチャートを示す。このサブルーチンフローチャート
は、冷却装置7内での熱鋼板1の最適通板速度を決定す
るためのものである。冷却制御用コンピュータ30は、冷
却装置7内で使用される平均水量を以下のようにして算
出する(ステップ40)。
Qlav:下面平均冷却水量(m3/m2分) Q(i);iゾーン下面水量(m3/m2分) Lz(i);iゾーン冷却長(m) Nz;使用ゾーン数 但し、Lz(i)は、水を流さない冷却ゾーンでLz(i)
=0とする。
上面平均冷却水量については、下式で計算する。
Quav;上面平均冷却水量(m3/m2・分) ηo(i);上下水量比初期値 次に、冷却制御用コンピュータ30は、ステップ2で計算
した冷却装置7の入側での中央部の板温度に対してこの
平均水量で熱鋼板1を目標冷却停止温度まで冷却する場
合の冷却所要時間tcと、温度・時間影響係数を求める。
温度の計算は1次元差分定式により行なう。計算を下に
示す。
(1)板内部 1次元熱伝導差分方程式 (2)上・下表面点 (3)熱負荷 <suffix jは板厚方向に分割したj番目の要素をあらわ
す。
(4)熱伝達係数(上,下面の区分あり) α={αB・(W/K0/K3 αB=EXP{(a0+a1・Ts+a2・Ts2+…+a2・Ts6)/10
00) X=b0+b1・Ts+b2・Ts2+……b6・Ts6) W:水量密度(m3/m2 min) Ts:鋼板表面温度(×10-2℃) αB:基準α L:温度学習値(上・下面の区分前) H:含熱量(Kcal/kg),Ts:鋼材表面温度, ρ:比熱(kg/m2),Tw:水温(℃), Kd:熱伝導率(Kcal/mhr℃), Kd0:0℃での熱伝導率(Kcal/mhr℃), φj:変換温度(℃), Δt:計算分割時間(hr)=1.39×10-6(50msec), Q:表面熱負荷(Kcal/m2 hr), Δy;厚み方向分割長さ(m), Tg:雰囲気温度(℃),C:比熱(Kcal/kg℃), α:熱伝達率(Kcal/m2 hr℃), β12:係数で 水冷時 β=0,β=1 空冷時 β=1,β=0とする。
(5)平均板温度計算 (6)冷却所要時間 tc;Tavが目標冷却停止温度に達するまでのΔtの和 (7)温度・時間影響係数 dT/dt=(Tav0=Taim)/tc dT/dt;温度・時間影響係数 Tav0;冷却装置入側での平均板温 Taim;目標冷却停止温度 温度・時間影響係数とは、前記冷却計算における単位時
間当りの下降温度,すなわち、冷却速度であり、この温
度・時間影響係数によって後述の冷却時間の補正係数が
行なわれる(ステップ41)。そして、上記冷却時間及び
前記使用ゾーンの総長Lzoneに基づいて、通板速度の計
算が行なわれる。Vcc=Lzone/tc Vcc通板速度(ステッ
プ42)。尚、以上の計算によって得られた通板速度は、
全ゾーン一定の水量と仮定して止めた速度であるので、
粗決定である。
次に、第9図は、第6図に示したメインフローチャート
におけるステップ5の最適上下水量比決定のサブルーチ
ンフローチャートを示す。このサブルーチンフローチャ
ートは、冷却装置7内での温度、板形状の推移を計算
し、板幅方向反りを最小とする上下水量比を各冷却ゾー
ン毎に決定させるための処理をおおこなうルーチンであ
る。具体的には、板幅方向反りは、上下面の温度差によ
る板幅方向の熱応力の板厚方向非対称分布により発生す
るものであることから、各冷却ゾーン毎に当該冷却ゾー
ンの出側の板幅方向反り量を推定し、当該冷却ゾーン板
幅方向反りを最少とする、つまり前記した熱応力を板厚
方向に対称にするための上下面における冷却水の噴射量
を決定する。
まず、冷却制御用コンピュータ30は、既に決定している
通板連度を用いて中央部の各冷却ゾーンの出側通過時間
を求める(ステップ50)。そして、冷却制御用コンピュ
ータ30は、前記計算対称点が冷却装置7の入側に到達し
た時点t=0とし、同時に冷却ゾーン数をカウントする
カウンタZの値を1セットする(ステップ51,52)。次
に、冷却制御用コンピュータ30は、入力条件をセットす
る。この入力条件としては、当該ゾーンの入側セット温
度、板幅方向応力、板幅及び操業標準上下水量比の前後
に設けた数種類の上下水量比である(ステップ53)。そ
して、板温度推定計算を、第7図の入側温度推定の処理
と同様にして行ない、当該ゾーンにおける各代表点の板
温度推定計算を行ない、板形状の推定計算を行なう。こ
の形状推定計算は、後で詳細に説明するが、一次元熱弾
塑性式に基づいて行なう。これらの板温度推定計算及び
形状推定計算は、予め定められている刻み時間毎に、代
表点が当該冷却ゾーンを出るまで行なわれる(ステップ
54〜57)。そして、ステップ57までで得られた当該冷却
ゾーンの最適上下水量比を算出し、カウンタZの値を1
だけインクリメントしてステップ53に戻る。そして、計
算された冷却ゾーン数が操業標準値の決定処理によって
決定されたゾーン数nに等しくなったらメインルーチン
に戻る(ステップ58〜60)。
このように、このサブルーチンでは、各ゾーンの入側に
おいて、当該ゾーン出側の板幅方向反り量を推定し、当
該ゾーンで板幅方向反り量を最少とする最適上下水量比
を算出している。
第12図は、第11図において示した形状推定計算のサブル
ーチンフローチャートである。計算は、板厚方向各部の
経過時間に対する温度変化を考慮するため冷却計算で用
いた時間きざみΔt毎に行う。いま、時刻での板幅方向
反り量を求めるとする。
冷却制御用コンピュータ30は、熱鋼板1の線膨張係数、
ヤング率、降伏応力等の各物性値を演算する(ステップ
61)。時刻tにおける時刻t−Δtでの応力状態は既知
であるから、この応力を、応力−歪線上の点に変換す
る。この変換は、熱鋼板1の温度変化によって応力−歪
線図が変化するので、その温度補償を行なうためである
(ステップ62)、ここで応力−歪関係は、 弾性範囲では公知のσ≦E・ε する。
σ:応力 ε:歪 E:時刻tにおける温度に対するヤング率 σγ1,εγ:時刻t1における温度に対する降伏応力、降
伏歪、 εγ:(σγ/E) 次に、冷却制御用コンピュータ30は、鋼板を板厚方向に
10分割し、分割された各要素(i=1〜10)毎に、上記
ステップで求めた各値に基づいて以下に示す連立方程式
を作成する。
ここで、 ΔP(i,t):上面よりi番目の要素に対して、時刻t
−Δtから時刻tまでの間に増加した内力 A:要素の断面積 E(i,t):上面よりi番目の要素の時刻tにおける温
度に対するヤング率 PL(i,t−Δt):上面よりi番目の要素の時刻t−Δ
tにおける長さ Δε(i,t):上面よりi番目の要素の時刻t−Δt
から時刻tまでの間の温度変化に対する熱歪(温度変化
X線膨張係数) X(i);板厚中心から上面よりi番目の要素の厚み中
心までの距離 E(t);時刻tにおける板厚方向平均温度に対するヤ
ング率 また、 で BH:各要素の厚み ρ(t−Δt):時刻 t−Δtにおける鋼板の曲率半
径 上式において要素iが塑性化していればE(i,t)の代
わりに(σ/σγ)=(ε/εγ)より得られる dρ/dε=nσγ・(ε/εγ)n-1・1/εγを用い
る。
(2)式は (2′)式においてi=2〜nまでとするとn=−1ヶ
の連結方程式が得られる。
(2′)式の△P(i,t)の係数をC(i,1),C(i,
2),……C(i,n)、右辺をD(i)とおくとi=2〜
nに対する(2′)式は また、板厚方向の力の釣合いより △P(1,t)+△P(2,t)+……+△P(n,t)=0 (3)式をMatrix表示すると [K]・{P}={F} …(4) (4)式において この連立方程式の解法については、連立方程式を以下に
示す様に△P(i,t)についてマトリックス表示とし、
[K]マトリックス以下では形状マトリックス、{P}
を応力増分マトリックス、[F]を歪マトリックスと呼
ぶ。そして、ステップ63で求めた形状マトリックスに基
づいて歪熱によるう応力計算を行なう。この応力計算は
一般的なマトリックスの解法に従い、[K]の逆マトリ
ックス[K]-1を求め{P}=[1k]-1より応力増分を
{P}を求め、この応力増分ベクトルに、刻み時間毎に
算出された前回の応力を加えるものである(ステップ6
4)。次に、上記応力に基づいて各要素が弾性が塑性か
を判定し、塑性であれば応力値を降伏応力値として、各
要素の応力を決め直す。ここで、弾性から塑性化した
際、及び塑性から弾性化した時には厳密には応力−歪に
ついて収束計算が必要であるが、本発明においては計算
時間きざみを小さくする事により、収束計算を省き、計
算時間の短縮を図っている。
また、前記各要素の応力を決め直すと共に、応力−歪関
係式 より時刻tでの力学的歪を求め、先に求めた熱歪と合わ
せて、時刻tにおける各要素の長(即ち板幅)を求め
る。
さらに、冷却制御用コンピュータ30は、上記演算結果に
基づいて熱鋼板1の板幅方向反り量を算出する。
反り量への演算は、各ゾーン出側で行なう。
ここで板幅方向反り量、上記で求めた板幅方向内の板厚
方向の板非対称を打ち消す方向反ることより次式で求め
る。
第13図は、第6図で説明したメインフローチャートのス
テップ6に示されている通板速度修正計算のサブルーチ
ンフローチャートである。この通板速度修正計算は、ス
テップ4で粗決定された通板速度の評価を行ない、必要
に応じて修正する。
まず、冷却制御用コンピュータ30は、メインルーチンの
ステップ5で求められた冷却装置の最終水冷ゾーン出側
での平均板温度推定値Tlastと、ビジネスコンピュータ3
2から出力された目標冷却停止温度Taimとを比較し(ス
テップ80)、この温度差の絶対値が許容偏差量εよりも
大きいか小さいかの判断をする(ステップ81)、εは10
℃とする。この温度差が許容偏差量よりも小さい場合に
は、相当長を有する熱鋼板1の先端,中央,尾端各部の
温度が、冷却装置7を出た際に一致するように加速率を
演算する(ステップ82)。一方、温度差が許容偏差量以
上である場合には、求められている通板速度の修正計算
を行なう。この修正計算を下式に示す。
V=l zone/[Kv・(Tlast−Taim)/(dT/dT)+tc] Kv;係数=0.6 dT/dt;温度時間影響係数 この修正計算によって得られた速度は、最適上下比設定
計算(ステップ5)を再び行なう。但し修正は5回以内
とし、5回修正後もその条件を満たさない時は、ステッ
プ82を行なう。
第13図は、第12図に示したステップ82におけるサブルー
チンプログラムである。
この加速率の演算は、冷却装置7の出側で熱鋼板1の全
面を一様な温度とするために行なうものである。
まず、冷却制御用コンピュータ30は、ステップ2の入側
温度設定計算で熱鋼板1の長手方向、先端、中央、尾端
各部の冷却装置7の入側の温度を計算している。そし
て、冷却制御用コンピュータ30は、熱鋼板1のステップ
5で用いた中央部の冷却所要時間より先端、尾端各部の
冷却装置7での冷却所要時間を算出し、この冷却所要時
間に基づいて通板速度パターンを演算する。冷却所要時
間の計算式を下に示す。(ステップ90)。
tm=l zone/Vcc tt=tm+(φ/Vcc)・(Tt−Tm) tb=tm+(φ/Vcc)・(Tb−Tm) φ:係数 tt;先端部冷却所要時間 tb;尾端部冷却所要時間 tm;中央部冷却所要時間 Vcc;最終的に決定された通板速度 l zone;有効冷却ゾーン長(水冷する冷却ゾーン長の
和) Tt;先端部冷却装置入側板温(厚み方向の平均値) Tm;尾端部冷却装置入側板温(厚み方向の平均値) Tb;中央部部却装置入側板温(厚み方向の平均値) 次にこの板各点の冷却所要時間を満たす通板速度パター
ンを計算する。通板速度は、板先端の位置と搬送速度の
データの組で与える。
図15に示すように、板先端の位置をxとし、この時の搬
送速度をV(x)とすると板上のその時点で冷却装置入
口にある点A、換言すれば、板先端よりx後方にある点
の水冷時間は、 で与えられる。
次に、先端、中央、尾端部の水冷時間tt、tm、tbは下式
で求められる。
L;板長 V(x)=1/(ax2+bx+c)とし、上記3式に代入し
て、a,b,cを求める。
加速範囲(xの定義域)は下式のように定める。
0≦x≦L+l zone+Δl c2 L;板長 l zone;有効冷却ゾーン長 Δl c2;余複代(=const) 以上により、定められた加速範囲内でxを適当に定めV
(x)の式に代入して板先端の位置とその時点の搬送の
組(速度パターン)を作成する(ステップ91)。そして
この演算結果は、通板速度制御装置40に出力される。
このように加速率を求めるのは、熱鋼板1を搬送しなが
ら冷却を行うため、鋼板先端部と尾端部とでは、冷却装
置7に入る時刻が異なる。すなわち、鋼板長手方向にそ
って、冷却開始温度が異なるため、先端部と尾端部とで
は冷却後の温度が異なってしまい、製品材質も全長に亙
って均一にするために通板速度を尾端部に向かうにした
がって速くすることによって補正するためである。
以上は、冷却対象材である熱鋼板1が冷却装置7に至る
までに行なわれる、冷却設定処理であり、本発明に係る
熱間圧延鋼板の冷却制御装置は、後述する学習機能を備
え、常に最適な状態の下での制御冷却が行なわれるよう
にしている。尚、この学習には、誤差成分として2成
分,つまり、例えば、仕上圧延機5の圧延進行に伴なっ
て変化する連続成分(連続項)と、板厚特性などのよう
に固有の変化をする固有成分(層別項)とを考慮してい
る。以上の設定計算の説明で、学習値として説明してい
るのは、この連続項と層別順の和である。しかし、学習
値を算出する際、この2種の項を正確に分離することは
実際には不可能であるので、計算をするにあたっては、
誤差の配分を固定とし、配分比は調整項目としている。
第16図は、第7図のステップ10の操業標準値(上下水量
比初期値)の精度向上のために、標準値を修正するフロ
ーチャートを示す。
形状データ処理コンピュータ34は、形状計15が検出した
板形状を入力し、この入力した板形状のデータに基づい
て熱鋼板1の実際の板幅方向反り量を算出する(ステッ
プ100,101)。そして、冷却データ学習計算用コンピュ
ータ36は、これらのデータに基づいて操業標準値,すな
わち各ゾーン毎の新上下比初期値を算出し、操業標準値
を更新する。この更新にあたっては、板幅方向反り量は
最適値の近傍で上下比に比例すると仮定し、上下比を修
正するものとする。ただし、実績板幅方向量が基準値
(3mm)以内であればこの修正は行なわない。計算式を
下に示す(ステップ102)。
η(i)new=η(i)old+Δη(i=1〜ηus
e) Δη=K1(Cr−Cair) 但し、η(i)new;更新された上下比初期値 η(i)old;更新前の上下比初期値 Δη;上下比補正値 ηuse;実績最終使用ゾーンNo. Cr;実績C反り量 Cair;目標C反り量 K1;修正係数(=−0.01) 次には、第7図のメインフローチャートにおけるステッ
プ11の冷却装置7の入側温度の学習について第17図に従
って説明する。
冷却装置7の入側温度学習は、冷却装置7の入側温度推
定計算の精度向上を目的として行なわれるものであり、
冷却装置7の入側温度絶対値の補正を行なう入側温度補
正値と冷却装置入側での板厚方向の温度分布の補正を行
なう仕上最終圧延開始前上下面温度差補正値を算出する
ものである。
まず、入側温度推定計算を行なう。本計算は前述のステ
ップの入側温度推定計算と同一の式で計算する。但し、
学習値は下の通りとする。
温度変換係数;当該材の設定計算時用いたデータ。
入側温度上下面温度差学習値;当該材の設定計算時用い
たデータ。
冷却装置入側温度学習値;当該材の設計計算時用いたデ
ータ。
計算結果として計算冷却装置入側上表面温度Tcal(1)
と計算上下面温度差ΔTincalを得る(ステップ110)。
次に学習値を更新する。まず入側温度補正値をを下式に
従い更新する(ステップ111)。
ΔTuIN=Treal(1)−Tcal(1) ΔTuconN=g1・ΔTucon0 +g3・(1−g1)ΔTuIN ΔTuclasN=g2・ΔTuclas0 +(1−g3)(1−g2)ΔTuIN 但し、 ΔTuIN;CLC入側上表面温度推定誤差 Treal(1);CLC入側温度計実測値の表面成分 Tcal(1);CLC入側板温度推定値の表面成分 ΔTuconN,ΔTuconO;CLC入側温度補正値連続項の新と旧
(更新後と前) ΔTuclasN,ΔTuclasO;CLC入側温度補正値層別項の新と
旧(更新後と前) g1,g2;係数(0≦g1,g2≦1.0) g3;係数(0≦g≦1) 次に冷却装置入側温度上下面温度学習値を下式に従って
更新する(ステップ106)。
ΔTs・con=g5・ΔTs・con +g7・(1−g5)・ΔTs CLC real ΔTs・class=g6・ΔTs・class +(1−g7)(1−g6)・ΔTs CLC real ΔTs・con;上下面温度差学習項(連続項) ΔTs・class;上下面温度差学習項(層別項) ΔTs CLC real;CLC入側の上下面温度差(CLC入側での実
測値) g5,g6,g7:係数 上下面温度差とは、下表面板温−上表面板温で定義す
る。
次に温度変換係数を更新する(ステップ113) 但し、 ξNO;上下面温度差変換係数の新と旧(更新後と前) ΔTs FM set;仕上1圧下前の上下面温度差(学習の計
算で初期条件としてsetしたもの) ΔT SCLC cal CLC入側の上下面温度差(CLC入側での計
算結果) g4;上下面温度差変換係数補正値の更新ゲイン 次に、第7図のメインフローチャートのステップ12の冷
却中板温度推定計算のサブルーチンフローチャートを第
18図に示す。
まず冷却装置7の入側での板温度分布を決定する。すな
わち、冷却装置前面温度計13および光ファイバ温度計対
20を用いた実績値を用いて、入側温度分布を決定する。
この決定方法は前述のステップ20の初期温度分布の算出
と同様であり、板厚方向の温度分布が放射線状と仮定し
て行い、上表面温度は、入側温度計13の実測値とする。
また上表面温度と板温最高点の差は、前述ステップ20の
初期温度分布の算出で求めた、入側での板温度最高点と
上表面の温度差の計算式を用い、上表面と下表面の温度
差は、光ファイバー温度計対20の実績上下面温度差とし
て板厚方向の板温度分布を決定(放射線を算出)する
(ステップ120)。
次に冷却装置7の入側から出側までの、板温度推移計算
を行なう。これは、前述ステップ54の板温度推定計算で
使用したモデル(演算式)、最新の学習値を用いて冷却
装置7の入側から出側温度計18までの板温度推定計算を
行なう。但し、形状推定計算は行なわない。そして以下
の各データを保存する(ステップ121)。
1.各冷却ゾーン出側での上表面推定板温Tucal(i);i
は冷却ゾーン対応。
2.各冷却ゾーン出側での下表面推定板温TLcal(i);i
は冷却ゾーン対応。
3.各冷却ゾーン出側での上下表面推定板温の平均値Taca
l(i)。
4.出側温度計18下での上表面推定板温Tucal(Mz) 5.出側温度計18下での下表面推定板温Tlcal(Mz) 6.出側温度計18下での上下表面推定板温の平均値Tacal
(Mz) 但し、Mz=Nuse+1、Nuse+実績使用ゾーン数。
次にモデル誤差を算出する。モデルの板温度推定誤差
は、全て水冷域で発生し、空冷域では、水冷で蓄積した
板温度推定誤差が等しくそのまま含まれていると見な
す。上下表面平均板温を基準値として、モデル推定誤差
を求める(ステップ122)。
Terror=Tmreal−Tacal(Mz) …(29) Tmreal:冷却装置後面温度計実測温度 Terror:冷却装置後面温度計での板温度推定誤差。
次、モデル誤差を配分する。誤差の配分方法については
種々の方法が考えられるが、この実施例では、最も簡単
な構造とし、モデル挙動確認の上でのレベルアップ項目
と見なす。モデル誤差は、水冷時間に比例して増大する
と仮定し、下式で与えられるものとする。また任意の時
間tでのモデル推定誤差をΔTE(t)とする。
ΔTE(t)=terrorit/tclcout(0≦t≦tclcout)又
は、ΔTE(t)=Tterror(tclcout<t)。tclcout
は、実績最終冷却ゾーン尻抜け時間である。各ゾーンの
出側通過時間を上式に代入し、各ゾーン出側でのモデル
推定誤差を算出する。(ステップ123)。
ET(i)=ΔTE(tzoi) ET(i);iゾーン出側での板温度推定誤差 tzoi;iゾーン出側通過時間 tclcout;最終使用ゾーン出側通過時間 次に実績温度推移を決定する。これにおいてはまず各ゾ
ーン出側での実績温度推移を上下表面点について求め
る。実績温度推移決定の基本的な考え方は次通りであ
る。
1)モデル推定の温度推移プロフィール(時間・温度特
性)は、全体的に正しいと見なし、実績温度推移は、モ
デル推定値とモデル誤差より観測できると考える。
2)学習対象を上下表面の熱伝達係数とするため、上下
表面の温度推移を決定する(板中心や、全板平均でない
点に注意)。
3)実績上下表面温度推移は、光ファイバー温度計対21
〜23で計測した上下表面温度差を表現する。
上下表面平均板温を基準とし、上表面実績温度推移は
(1/2)・(上下表面平均推定値+モデル誤差−上下面
温度実績値)として求め、下表面実績温度推移は、(1/
2)・(上下表面平均推定値+モデル誤差+上下面温度
実績値)として求める。これらは、 実下温度+実上温度=推定平均+モデル誤差 実下温度−実上温度=実績上下面温度差 の2式を連立して解くと得られる。
Tur(i)=(1/2)・[Tacal(i)+ET(i)−DTr
(i)] Tlr(i)=(1/2)・[Tacal(i)+ET(i)−DTr
(i)] Tur(i);iゾーン出側上表面実績温度 Tlr(i);iゾーン出側下表面実績温度 DTr(i);iゾーン出側上下表面温度差実績 但し、DTr(1),DTr(2)は、光ファイバー温度計対
が存在しないため、冷却装置入側光ファイバー温度計対
20と3ゾーン出側光ファイバー温度計対21の実績値を時
間に関して内挿して求める(ステップ124)。
次にメインフローチャート第7図のステップ12の冷却中
温度学習計算について説明する。
まず、ステップ124で求めた実績温度推移を真値と見な
して、板温度推定計算の結果が、実績温度推移と一致す
るようにする学習値を求める。学習値は、上下面の熱伝
達係数の補正値とし、上下面について各々、全温度域に
渡って持つ。学習値は、前記した温度計算式に示す様に
指数の型で持つ。まず基本的な考え方を説明する。
1)板温度推定計算の誤差は、全て上下表面熱伝達係数
モデルの誤差にあると仮定し、温度モデルの学習は、熱
伝達係数の補正値の型で持つ。すなわち、温度を横軸と
し、熱伝達係数を縦軸(対数表示)とし、ベースとなる
熱伝達係数曲線(上面又は下面)をもち、熱伝達係数学
習値を得て、該ベースとなる熱伝達係数を学習値で補正
し、これを次の伝熱計算の熱伝達係数に設定する。
2)熱伝達係数学習値を求める問題は、非線形の同定問
題であり、解析的に最適値を求めるのは不可能である。
故に、計算機実験を行ない、入力条件を変化させ出力し
た推定板温度と実績板温度が一致するような学習値を検
索する。
3)上記計算機実験を順次検索計算し、学習値を求め
る。但し同定する入力可変条件が2個(上面補正法と下
面補正法)あり、2次元パラメータの最適化問題とな
る。
第20図に、この温度計算のサブルーチンフローチャート
を示す。まず概要を説明すると、各ゾーン毎に、最適熱
伝達係数補正値[Lud(j),Lld(j)]を求める。Lud
(j),Lld(j)は、9個の異なった条件設定で、当該
ゾーンの板温度推移の計算を行ない、当該ゾーン出側で
の上下表面温度が、実績値と推定値の差の最も小さい条
件を採用する。実績値と推定値の差が、基準値より大の
時、再検索する。この操作を全使用ゾーンに渡って行な
う。また、温度学習値は、各冷却ゾーン毎に算出する
が、学習値更新の際に各冷却ゾーン毎の最適補正値を温
度域毎の補正に変換して、学習値を更新する。第20図に
従って説明する。
まず、補正値初期条件を設定する。検索計算を行なうた
めの、熱伝達係数補正値の条件セットを行なう(ステッ
プ130)。
Lua(i,j)=1.0+Δαu(i) …(35) Lla(i,j)=1.0+Δαl(i) …(36) Lua(i,j):jゾーンの条件iの上面熱伝達係数補正値。
i=1〜9,j≦6。
Lla(i,j):jゾーンの条件iの下面熱伝達係数補正値。
Δαu(i):条件iの時の加算値(上表面)。
Δαl(i):条件iの時の加算値(下表面)。
Δαu(i):Δαl(i)の値を次の表と図21に示
す。
表 条件(i) Δαu(i) Δαl(i) 1 0 0 2 0 Δα 3 Δα Δα 4 Δα 0 5 Δα −Δα 6 0 −Δα 7 −Δα −Δα 8 −Δα 0 9 −Δα Δα 但し、Δα:熱伝達係数変化量(定数) 次に板温度を推定計算する。条件i=1〜9について、
当該ゾーン(j)の板温度推定計算を行なう。計算式
は、前述のステップ121の板温度推定計算で用いる同じ
差分式を用いて、全厚について計算する。但し、学習値
の代わりに、条件1〜9の熱伝達係数補正値を用い、形
状推定計算は行なわない。
条件1に宛ててはLua(i,j),Lla(i,j)を、…条件i
に宛てては、Lua(i,j),Lla(i,j)入力し、全条件と
も共通に、入側板温度および実績水冷時間を用いる。こ
れにより、条件1〜9の演算結果Tucal(1)〜Tucal
(9),Tlcal(1)〜Tlcal(9)が得られる。Tucal
(i);条件iの時の上表面板温度(jゾーン出側)Tl
cal(i);条件iの時の下表面板温度(jゾーン出
側)(ステップ131)。
次に最適解の有無を判定する。条件1〜9について、下
の評価関数値Ia(i)を計算し、評価関数値が基準値よ
り小の値が存在するとき、最適解有りと判定する。
Ia(i)=[Tur(j)−Tucal(i)] +[Tlr(j)−Tlcal(i)] …(37) Ia(i)<Istの時、最適解有りと判定する。
Istは温度誤差2乗基準値(=100)である。
そして、最適解有りと判定すると、当該ゾーン出側板温
度(次ゾーン初期温度)分布を判定する。Ia(i)を最
小とする条件i*の、jゾーン出側板温度を次ゾーンの
初期温度分布とする(ステップ134)。
次に、最適解無しと判定したときには、補正値検索範囲
を修正する。Ia(i)の最小値の回りで、再び検索す
る。熱伝達係数補正値を再び1〜9の条件にセットす
る。但し、探索範囲を狭める。
Lua(i,j)=Lua(l,j)+Δαu(i) …(38) Lla(i,j)=Lla(k,j)+Δαl(i) …(39) Δαu(i):Ka・Δαu(i) 但し、1はIa(i)が最小を満たすi(1:準最適条
件)。Kaは探索範囲修正係数(0<Ka<1)であり、定
数。図22に探索の様子を示す(ステップ133)。
最終ゾーンまで終了すると(ステップ135)、次に最適
学習値を更新する。ステップ134で決定した最適補正値
を、最適学習値ベクトルに変換し、この最適学習値ベク
トルと、旧学習値ベクトルで、ベクトル単位の指数平滑
を行ない、新学習値を決定する。
イ)学習値ベクトルの形 上面、下面で独立に持つ。各成分は表面温度域毎の学習
値に対応する。また連続項と層別項を持つ。
Ludg=[Ludg(1),…Ludg(j),…Ludg(n)]…
(40) Lldg=[Lldg(1),…Lldg(j),…Lldg(n)]…
(41) Ludg(j);鋼板表面温度<TS(j)の温度域に対する
上面学習値、 Lldg(j);鋼板表面温度<TS(j)の温度域に対する
下面学習値 以上により、次の表に示すように学習値を得る。
(ロ)最適補正値の最適学習ベクトルへの変換。
最適補正値は、各冷却ゾーン事に算出しているが、これ
を各温度毎のベクトルに編集する。各冷却ゾーの表面温
度の当該域を学習とする。
各冷却ゾーン間の境界の温度域成分については、両ゾー
ンの平均を取って学習値とする(温度境界値の位置につ
いての加重平均Ludg(j)*を取る)。最適補正値の存
在しない領域は1.0とする。
Ludg*(j)=[Lud(k)*X{TS(j+1)−Tur
(k)] +Lud(k+1)*X{Tur(k)−TS(j)}]/[TS
(j+1) −TS(j)] …(40) j:温度区分のパラメータ k:冷却ゾーンのパラメータ 上下面各々について行なう。連続項と層別項毎に行な
う。第23図に、板温度推移と、算出した最適補正値およ
び最適学習値との関係を示す。
ハ)指数平滑。
学習値の更新では、ベクトル単位で指数平滑を行なう。
これは連続項、層別項の各々について行なう。
Ludgcon(j) =(1−g8)Ludgcon+g8・Ludge(j)* …(41) Ludclass(j) =(1−g9)Ludgcloss+g9・Ludge(j)* …(42) Lldgcon(j) =(1−g8)Ludgcon+g8・Lldge(j)* …(43) Lldclass(j) =(1−g9)Ludgcloss+g9・Lldge(j)* …(42) Ludgcon(j);連続項の上面熱伝達係数学習ベクトル Ludclass(j);層別項の上面熱伝達係数学習ベクトル Lldgcon(j);連続項の下面熱伝達係数学習ベクトル Lldclass(j);層別項の下面熱伝達係数学習ベクトル なお、最適補正値の算出時に実績と推定の温度が収束し
ない冷却ゾーンが発生したとき、それ以前の冷却ゾーン
に関する最適補正値は有効、以降のゾーン分は無効とし
て処理する。更新は、有効ゾーンについてのみ行なう。
次にメインフローチャート第7図のステップ14の応力歪
学習計算について説明する。
第24図は、応力歪学習計算のサブルーチンフローチャー
トである。この処理は、応力歪の推定計算の精度を向上
させるために行うものである。
尚、この学習計算は、板幅方向反り量推定値の誤差は各
ゾーンで等しいとの過程の下に行ない、各冷却ゾーン毎
の板幅方向反り量推定値の補正の形としている。
まず、前述の温度学習計算で算出した最適学習値を用
い、実操業パラメータは実績値を用いて、冷却装置7入
側より、形状計15下までの、温度・形状推定計算を行な
い、推定板幅方向反り量Ccalを算出する(ステップ14
0)。
次に、形状データ処理コンピュータ34で算出した形状計
15の検出した実測形状(実績値)より実績板幅方向反り
量Crealより板幅方向反り量の推定誤差ΔCTを算出する
(ステップ141)。
ΔCT=Creal−Ccal 各ゾーンに誤差ΔC(i)を配分する(ステップ14
2)。
ΔC(i)=ΔCT/Nuse …(47) Nuse;最終使用ゾーNo. 次に学習値を次のΔC(i)conおよびΔC(i)class
に更新する。学習値は連続項ΔC(i)conと層別項Δ
C(i)classを持つ(ステップ133)。
ΔC(i)con=(1−g12)ΔC(i)con +g12・(1−g13)・ΔC(i) …(48) ΔC(i)class=(1−g14)ΔC(i)class +g14・g13・ΔC(i) …(48) B12:連続項の更新ゲイン B13:層別項の更新ゲイン B14:連続項と層別項の配分ゲイン 以上のように、本発明では、熱鋼板1の冷却過程におい
て、材質確保上求められる冷速が得られるように予め設
定されている下面から噴射される冷却水量を基準とし
て、板の上下面での熱伝達率が一致するように、上面か
ら噴射する冷却水量を求め、板幅方向反り量が最小とな
るように制御している。さらに、この制御は学習制御を
含んだものであるので、所望の材質及び形状を容易に得
ることができ、常に安定した品質を有した鋼板の製造が
可能となる。
そして、第25A図(従来の冷却停止温度精度の実績−狙
いデータ)及び第25B図(本発明による冷却停止温度精
度の実績−狙いデータ)に示してあるように、本願発明
によれば、従来に比較して冷却停止温度精度のばらつき
が非常に少なくなっているのがわかる。また、第26A図
(従来の板幅方向反り量データ)及び第26B図(本発明
による板幅方向反り量データ)に示してあるように、本
発明によって、板幅方向反りが改善されているのがわか
る。
さらに、具体的な数値は示さないが、この板幅方向反り
の改善に伴なって、冷却終了後に板幅方向反りの矯正を
行わなければならない程度を示す矯正率も大幅に減少し
た。
また、第27A図(従来の板厚方向硬度分布)及び第27B図
(本発明による板厚方向硬度分布)には、従来の板厚方
向硬度分布状態と、本願発明による板厚方向硬度分布状
態の試験結果が示してある。
この図を見れば明らかなように、上下面での硬度差は極
めて少なくなっており、上面及び下面において均一な材
質が得られているのがわかる。
また、第28A図(従来の板幅方向反り状態)及び第28B図
(本発明による板幅方向反り状態)には、従来のC反り
状態と、本発明による板幅方向反り状態との試験結果が
示されている。
この図を見れば明らかなように、従来のC反り量は最大
値で10mm程度あったものが、本発明では、最大値で1.5m
m程度に抑えられている。従って、形状も非常に平坦な
ものが得られることになる。また、第29A図に鋼板長手
方向の水冷開始温度、第29B図に従来法による長手方向
の水冷終了温度、第29C図に本発明による長手方向の水
冷終了温度を示す。
この図を見れば明らかなように、本発明により、水冷開
始時の長手方向温度偏差が改善され、均一な水冷終了温
度が得られている。
[発明の効果] 以上の説明により明らかなように、本発明では、熱鋼板
上下面の温度分布が予め定められた温度分布となるよう
に、上下面に配置されたノズルのそれぞれから噴射する
冷却水量を制御し、また、求められた上下面の冷却水量
に応じて冷却時間を制御するようにしたので、冷却時に
おける熱鋼板の温度分布を、常に定められた温度分布に
することができ、冷却過程における熱鋼板上下面の温度
差精度及び冷却終了温度精度を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る熱間圧延鋼板の冷却制御装置を
備えた鋼板製造ラインの一部を示す図、 第2図は、搬送される熱鋼板の温度,形状を測定する測
定機器の配置状態及び冷却装置の内部構造を示す図、 第3図は、冷却装置内の温度計の配置状態とノズルの配
置状態を示す図、 第4図は、本発明に係る熱間圧延鋼板の冷却制御装置の
制御系の概略構成図、 第5図は、本発明に係る熱間圧延鋼板の冷却制御装置の
全体の概略的な動作を示す図、 第6図は、本発明に係る熱間圧延鋼板の冷却制御装置の
メインフローチャート、 第7図は、冷却学習計算を行なうフローチャート 第8図は、熱鋼板の入側温度推定を行なうサブルーチン
フローチャート、 第9図は、板温度推定計算を行なう場合に仮定として用
いる温度分布図、 第10図は、熱鋼板の最適通板速度を設定するサブルーチ
ンフローチャート、 第11図は、水量の最適上下比を決定するためのサブルー
チンフローチャート、 第12図は、形状推定計算のサブルーチンフローチャー
ト、 第13図は、通板速度を修正するためのサブルーチンフロ
ーチャート、 第14図は、熱鋼板を均一に冷却するための加速率を計算
するサブルーチンフローチャート、 第15図は、加速率に基づいて水冷時間を計算する場合の
概念図、 第16図は、標準値を修正するためのサブルーチンフロー
チャート、 第17図は、入側温度学習計算のサブルーチンフローチャ
ート 第18図は、冷却実績温度計算のサブルーチンフローチャ
ート、 第19図は、冷却実績温度計算を行なう際の概念図、 第20図は、温度学習計算のサブルーチンフローチャー
ト、 第21図から第23図は、温度学習計算を行なう際の処理の
概念図、 第24図は、応力歪み学習計算のサブルーチンフローチャ
ート、 第25A図及び第25B図は、従来と本発明との冷却停止温度
精度の分布図、 第26A図及び第26B図は、従来と本発明とのC反り高さの
分布図、 第27A図及び第27B図は、従来と本発明との板厚方向硬度
分布状態を示す図、 第28A図及び第28B図は、従来と本発明との熱鋼板の変形
状態を示す図、 第29A図から第29C図は、冷却開始温度と冷却終了温度に
おける従来と本発明との温度分布の比較図である。 1……熱鋼板、5……仕上圧延機、 6……熱間矯正機、7……冷却装置、 7C……ノズル、 8……電磁弁(冷却水量制御手段)、 20〜23……光ファイバー温度計(温度検出手段)、 30……冷却制御用コンピュータ(第1演算手段、温度分
布算出手段)、 31……圧延制御用コンピュータ 32……ビジネスコンピュータ(第1演算手段) 36……冷却データ学習計算用コンピュータ(補正値演算
手段) 38……冷却水量制御装置(冷却水量制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C21D 9/52 102 11/00 104

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱鋼板を所定の板厚にまで圧延を行なう仕
    上圧延機と、当該仕上圧延機の後工程に配置され、搬送
    された熱鋼板に対して上下面両方向から当該熱鋼板の幅
    方向に向けて配された複数のノズルから冷却水を噴射し
    て、当該熱鋼板を搬送しながら冷却する冷却装置とが配
    置された鋼板製造装置において、 前記冷却装置内で搬送される熱鋼板上下面の温度を検出
    する複数対の温度検出手段と、 予め与えられている前記熱鋼板の諸物性値に基づいて、
    前記冷却装置上下面に配置されたノズルから噴射する冷
    却水量と前記熱鋼板上下面の熱伝達率との関係を求める
    第1演算手段と、 前記温度検出手段により検出された冷却装置入口におけ
    る熱鋼板の実績温度及び前記第1演算手段によって求め
    られた冷却水量と前記熱鋼板の熱伝達率との関係から計
    算される実績冷却水量での熱伝達率より、前記熱鋼板板
    厚方向の温度分布を算出する温度分布算出手段と、 当該温度分布算出手段によって算出された前記熱鋼板上
    下面の温度を、前記温度検出手段により検出された冷却
    中の熱鋼板の上下面実績温度に一致させるための前記熱
    鋼板の熱伝達率の補正値を算出する補正値算出手段と、 前記第1演算手段によって求めた前記熱鋼板の熱伝達率
    と冷却水量との関係を、前記補正演算手段によって算出
    された補正値によって補正し、この補正が加味された冷
    却水量と熱伝達率との関係に基づいて、前記熱鋼板上下
    面の温度差が予め定められた温度差となるように、上下
    面に配置されたノズルのそれぞれから噴射する冷却水量
    を制御する冷却水量制御手段とを有することを特徴とす
    る熱間圧延鋼板の冷却制御装置。
JP63331095A 1988-12-28 1988-12-28 熱間圧延鋼板の冷却制御装置 Expired - Fee Related JPH0761493B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63331095A JPH0761493B2 (ja) 1988-12-28 1988-12-28 熱間圧延鋼板の冷却制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63331095A JPH0761493B2 (ja) 1988-12-28 1988-12-28 熱間圧延鋼板の冷却制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02179827A JPH02179827A (ja) 1990-07-12
JPH0761493B2 true JPH0761493B2 (ja) 1995-07-05

Family

ID=18239799

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63331095A Expired - Fee Related JPH0761493B2 (ja) 1988-12-28 1988-12-28 熱間圧延鋼板の冷却制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0761493B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100977373B1 (ko) * 2007-07-19 2010-08-20 신닛뽄세이테쯔 카부시키카이샤 냉각 제어 방법, 냉각 제어 장치, 냉각수량 계산 장치 및 컴퓨터 프로그램을 기록한 컴퓨터로 판독 가능한 기록 매체

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4648804B2 (ja) * 2005-09-08 2011-03-09 新日本製鐵株式会社 高温鋼板の冷却方法
US8920024B2 (en) * 2008-03-31 2014-12-30 Jfe Steel Corporation Steel plate quality assurance system and equipment thereof
EP2361699A1 (de) 2010-02-26 2011-08-31 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren zur Kühlung eines Blechs mittels einer Kühlstrecke, Kühlstrecke und Steuer- und/oder Regeleinrichtung für eine Kühlstrecke
US9566625B2 (en) 2011-06-07 2017-02-14 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Apparatus for cooling hot-rolled steel sheet
EP2929949B1 (en) * 2012-12-06 2018-04-25 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Device for cooling hot-rolled steel sheet
JP6870399B2 (ja) * 2016-04-15 2021-05-12 日本製鉄株式会社 鋼板の製造方法および熱処理設備
EP4275806A1 (en) * 2021-02-18 2023-11-15 JFE Steel Corporation Method for predicting shape of steel sheet, shape control method, manufacturing method, method for generating shape prediction model, and manufacturing equipment

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100977373B1 (ko) * 2007-07-19 2010-08-20 신닛뽄세이테쯔 카부시키카이샤 냉각 제어 방법, 냉각 제어 장치, 냉각수량 계산 장치 및 컴퓨터 프로그램을 기록한 컴퓨터로 판독 가능한 기록 매체

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02179827A (ja) 1990-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0741303B2 (ja) 熱間圧延鋼板の冷却制御装置
JPH0763750B2 (ja) 熱間圧延鋼板の冷却制御装置
WO2009011070A1 (ja) 冷却制御方法、冷却制御装置及び冷却水量計算装置
JPS62158825A (ja) 熱間圧延鋼板の冷却方法
CN104451118B (zh) 一种适合于连续退火过程的带钢板形逐段演变预报方法
CN114888094B (zh) 基于冷却过程残余应力预测的轧制板形补偿方法
JPH0761493B2 (ja) 熱間圧延鋼板の冷却制御装置
CN103920717A (zh) 设定值计算装置及设定值计算方法
JP7040497B2 (ja) 鋼片の加熱炉抽出温度予測方法及び加熱炉抽出温度予測装置
JP4598586B2 (ja) 冷却制御方法、装置、及びコンピュータプログラム
JPH0534093B2 (ja)
JPH0773736B2 (ja) 熱間圧延鋼板の冷却制御装置
CN113423517B (zh) 厚钢板的冷却控制方法、冷却控制装置以及厚钢板的制造方法
JP2501467B2 (ja) 熱間圧延鋼板の冷却制御装置
JP3423500B2 (ja) 熱延鋼板の巻取温度制御装置及びその巻取温度制御方法
JP4349177B2 (ja) 連続式加熱炉の鋼材抽出温度予測方法
JPH02179825A (ja) 熱間圧延鋼板の冷却制御装置
JPH0587800A (ja) 鋼板の材質予測方法
JP7148024B1 (ja) 鋼板の材質予測モデルの生成方法、材質予測方法、製造方法、及び製造設備
US20230221231A1 (en) Hardness prediction method of heat hardened rail, thermal treatment method, hardness prediction device, thermal treatment device, manufacturing method, manufacturing facilities, and generating method of hardness prediction model
JP5803138B2 (ja) 結晶粒径予測方法、結晶粒径予測装置、及び結晶粒径予測プログラム
CN117083133A (zh) 钢板的形状预测方法、形状控制方法、制造方法、形状预测模型的生成方法以及制造设备
JPH06307936A (ja) 熱延冷却工程における温度計測方法および装置
JP2010247234A (ja) 冷却制御方法、装置、及びコンピュータプログラム
JPS62256920A (ja) 鋼材の変態率制御冷却方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees