JPH0761214A - 燃費にすぐれる空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

燃費にすぐれる空気入りラジアルタイヤ

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JPH0761214A
JPH0761214A JP5211604A JP21160493A JPH0761214A JP H0761214 A JPH0761214 A JP H0761214A JP 5211604 A JP5211604 A JP 5211604A JP 21160493 A JP21160493 A JP 21160493A JP H0761214 A JPH0761214 A JP H0761214A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気入りラジアルタイヤの低燃費化を実現し
てなお、タイヤ車輪のユニフォミティを高め、併せて操
縦安定性を高める。 【構成】 最大充填内圧を350kPaとした空気入り
ラジアルタイヤであり、トレッド部のキャップゴムの、
60℃でのtanδを0.08〜0.22、ベースゴム
の、60℃でのtanδを0.02〜0.07とすると
ともに、サイドウォールゴムの、60℃でのtanδを
0.02〜0.15とし、規格リム8の傾斜ビードシー
ト9に緊密に嵌合される前記ビード部3に、規格リム8
の湾曲フランジ12と、それに対向するビード部外面と
の接触に先立って、傾斜ビードシート9の幅方向外側に
隣接する隅丸凹部10にその全周にわたって密着する膨
出ヒール7を設け、この膨出ヒール7の膨出量dを2m
m以上とするとともに、膨出ヒール7のゴム硬度をJI
S硬度で65度以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車輪のユニフォミテ
ィおよび操縦安定性をともに向上させた、燃費にすぐれ
る空気入りラジアルタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃費の向上を目的とした従来の空気入り
タイヤでは、損失係数の小さいゴムの材料を使用するこ
と、充填内圧を高めること、補強部材の層数を低減させ
ることなどが広く一般に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、損失係数の
小さいゴム材料では、各部のゴムのヒステリジスロスを
低下させるべく、カーボン等の補強材の、ゴム中への配
合割合を減らすことから、それを用いたタイヤでは、各
部の剛性が低下して、ドライ路面での操縦安定性が低下
する不都合があり、また、タイヤ全体の歪によるエネル
ギーロスを低下させるために充填内圧を高める場合に
は、タイヤの縦ばね定数が著しく増加して車輪のユニフ
ォミティが低下するという問題があった。
【0004】この発明は、従来技術の有するこのような
問題点を解決することを課題として検討した結果なされ
たものであり、この発明の目的は、損失係数の小さいゴ
ム材料を用い、タイヤへの充填内圧を高めてなお、従来
技術に比して、ドライ路面での操縦安定性を高め、併せ
て、車輪のユニフォミティを向上させることができる、
燃費にすぐれる空気入りラジアルタイヤを提供するにあ
る。
【0005】これをいいかえれば、この発明では、損失
係数の小さいゴム材料を使用することに起因する、ドラ
イ路面での操縦安定性の低下および、タイヤへの充填内
圧を高めることに起因する、車輪ユニフォミティの低下
は余儀ないものとし、とくには、タイヤのビード部の改
良によって、空気入りタイヤを規格リムに組付けたタイ
ヤ車輪として満足な車輪ユニフォミティを実現して、ラ
ジアルランナウト(以下「RRO」と略す)を小さく
し、また、ラジアルフォースバリエーション(以下「R
FV」と略す)を有効に抑制する。ここで、このユニフ
ォミティの向上は、一方において、タイヤ車輪の転動時
の接地面形状、接地面積、幅方向接地面位置などの、車
輪周方向での変動を十分小ならしめ、そのタイヤ車輪が
発生する力を、周方向のどの位置にても均等化させて、
車両の走行安定性を高めることになるので、この発明に
よれば、操縦安定性および車輪ユニフォミティのそれぞ
れを、前述した低下を補ってなお、余りあるものとする
ことができる。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の空気入りラジ
アルタイヤは、キャップアンドベース構造のトレッド部
に連なる一対のサイドウォール部を設けるとともに、各
サイドウォール部の半径方向内端に連続するビード部を
設け、通常は、少なくとも一枚のカーカスプライからな
るラジアルカーカスおよび、少なくとも二層のベルト層
からなるベルトのそれぞれを埋設した、最大充填内圧が
350kPaのタイヤであって、前記トレッド部のキャ
ップゴムの、60℃でのtanδを0.08〜0.2
2、ベースゴムの、60℃でのtanδを0.02〜
0.07とするとともに、サイドウォールゴムの、60
℃でのtanδを0.02〜0.15とし、規格リムの
傾斜ビードシートに緊密に嵌合される前記ビード部に、
規格リムの幅方向の最外側に位置する湾曲フランジと、
それに対向するビード部外面との接触に先立って、傾斜
ビードシートの幅方向外側に隣接する隅丸凹部にその全
周にわたって密着する膨出ヒールを設け、この膨出ヒー
ルの膨出量を2mm以上とするとともに、膨出ヒールの
ゴム硬度を、JIS硬度で65度以上としたものであ
る。
【0007】ここで、規格リムとは、二つ割りリム、5
°深底リム、15°深底リム、広幅深底リム等の、JA
TMAやTRA等で規格が定められたリムをいうものと
し、この規格リムは、傾斜ビードシートと、この傾斜ビ
ードシートの幅方向の外側に順次に連なる隅丸凹部およ
び、外向きに反曲する湾曲フランジとを具え、場合によ
っては、その湾曲フランジと隅部凹部との間に張出しフ
ランジを具えることもある。またここで、膨出ヒールの
膨出量とは、ビード基点を通る、タイヤ中心軸線への垂
線を基準として測定したときの膨出ヒールの側方迫出量
をいうものとする。
【0008】なお、ここにおいて好ましくは、ビード部
の、傾斜ビードシートに沿う幅方向内端部分に位置する
ビードトウのトウ先ゴムの破断時の伸びを420±50
%とするとともに、300%モジュラスを200±20
kgf/cm2 とする。
【0009】
【作用】この燃費にすぐれる空気入りラジアルタイヤで
は、とくには、低燃費化の観点から、タイヤへの充填内
圧を最大350kPaまで高めて、タイヤの歪に起因す
るロスの低下をもたらすとともに、トレッド部およびサ
イドウォール部のそれぞれに、損失係数の小さい材料を
使用することによって、各部のヒステリシスロスの低下
をもたらす。なおここで、タイヤへの最大充填内圧を3
50kPaを越える値としたときは、車両への乗心地が
大きく悪化することから、ここでは、350kPaを限
度すする。
【0010】またここでは、トレッド部を構成するキャ
ップゴムの、60℃におけるtanδを0.08〜0.
22の範囲とし、ベースゴムの、60℃におけるtan
δを0.02〜0.07の範囲とすることによって、耐
偏摩耗性、耐久性などを低下させることなしに、十分な
低燃費化を図る。これをいいかえれば、キャップゴムの
tanδが0.08未満では偏摩耗が激しくなる一方、
0.22を越えると燃費を十分に向上させることが難し
くなり、ベースゴムのtanδが0.02未満では、溝
底割れ、カットなどによる耐久性の低下が顕在化するこ
とになる一方、0.07を越えると、燃費の向上が困難
となる。
【0011】さらにここでは、サイドウォールゴムの、
60℃におけるtanδを0.02〜0.15として、
サイドクラックその他による耐久性の低下をもたらすこ
となしに、燃費の向上をもたらす。
【0012】ところで、以上のようにしてタイヤの低燃
費化を図った場合には、前述したように、タイヤの充填
内圧を高圧とすることによる縦ばね定数の増加によっ
て、タイヤ車輪のユニフォミティが低下し、また、損失
係数の小さいゴム材料を用いることによる構成各部の剛
性低下によって、ドライ路面での操縦安定性が低下する
ことになるので、このタイヤでは、これらの低下を補っ
てなお、それらの一層の向上をもたらすべく、ビード部
に、タイヤのリム組みに当たって、規格リムの湾曲フラ
ンジと、それに対向するビード部外面との接触に先立っ
て、傾斜ビードシートの幅方向外側に隣接する隅丸凹部
にその全周にわたって密着する膨出ヒールを設ける。
【0013】このことによれば、タイヤのリム組みの進
行に際し、はじめに、膨出ヒールが規格リムの隅丸凹部
に密着し、次いで、その膨出ヒールの圧縮変形下で、ビ
ード部外面が湾曲フランジに接触することになるので、
ビード部外面と湾曲フランジ等との接触状態を全周にわ
たって十分均一なものとして、タイヤの中心軸線を規格
リムの中心軸線に高い精度をもって整合させることがで
き、従って、RRO、すなわち、タイヤ車輪の外周の振
れが小さくなり、また、タイヤ車輪を一定のたわみの下
で回転させたときの半径方向反力の変動、すなわちRF
Vが有効に抑制されて、車輪のユニフォミティが大きく
向上されることになる。そして、このようなユニフォミ
ティの向上はまた、タイヤ車輪の転動時の接地状態を全
周にわたって十分均一ならしめ、タイヤ車輪が発生する
力を周方向のどの位置にてもほぼ一定のものとするの
で、それによって、車両の走行安定性、ひいては操縦安
定性も有効に向上されることになる。
【0014】なおここでは、膨出ヒールの膨出量を2m
m以上とすることによって、膨出ヒールによる隅丸凹部
の完全なる埋込みを担保することができるが、その膨出
量が大きくなりすぎると、ビード部外面の、湾曲フラン
ジに対する動きが大きくなって、リム擦れが激しくなる
おそれがあるので、4mmを限度とすることが好まし
い。また、膨出ヒールのゴム硬度は、JIS硬度で65
度以上とすることによって、膨出ヒールの、隅丸凹部へ
の十分強固な嵌め込み固定をもたらし、またその膨出ヒ
ールの、隅丸凹部に対する全周での均等接触を導くこと
ができるが、その硬度は、硬すぎると、膨出ヒールの、
リムとの間での十分な圧縮変形量を確保することができ
ず、気密性に問題が生じるおそれがあるため、80度ま
でとすることが好ましい。
【0015】加えて、このタイヤにおいて、ビード部
の、傾斜ビードシートに沿う幅方向内端部分に位置する
ビードトウのトウ先ゴムの破断時の伸びを420±50
%とし、300%モジュラスを200±20kgf/c
2 とした場合には、ビード部の倒れ込みを有効に阻止
して、操縦安定性を一層向上させるとともに、タイヤビ
ード部のリム擦れを防止することができる。
【0016】
【実施例】以下この発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1はこの発明の実施例を示すタイヤ幅方向断面
図であり、図中1はトレッド部を示す。このトレッド部
1はキャップゴム層1aとベースゴム層1bとからな
り、かかるトレッド部1の側部には、左右一対のサイド
ウォール部2を連続させて形成し、そして、各サイドウ
ォール部2の半径方向内端にはビード部3を連続させて
設ける。
【0017】そしてここでは、一枚のカーカスプライか
らなるラジアルカーカス4をトロイダルに延在させて設
けて、それの、それぞれの側端部分を、ビード部3に埋
設したビードコア5の周りで内側から外側に巻上げると
ともに、このようなラジアルカーカス4のクラウン部の
外周側で、トレッド部1より内周側に、二層のベルト層
6a,6bからなるベルト6を配設してタイヤを補強す
る。
【0018】また、最大適用内圧を200kPaから3
50kPaまでとするこのタイヤでは、キャップゴム
の、60℃でのtanδを0.08〜0.22の、ま
た、ベースゴムの、60℃でのtanδを0.02〜
0.07の範囲とし、併せて、サイドウォール部2を構
成するサイドウォールゴムの同様のtanδを0.02
〜0.15の範囲とする。ここで、これらのtanδは
いずれも、前述したように、各部のヒステリシスロスの
低下をもたらして燃費を向上させる一方、耐摩耗性、耐
久性等の低下を有効に防止し得る範囲にある。
【0019】さらにこのタイヤでは、タイヤ車輪のユニ
フォミティを向上させるべく、ビード部3のビードヒー
ル部に膨出ヒール7を設ける。図2は、膨出ヒール7を
設けたビード部3、ひいては、タイヤの、規格リムへの
組付け要領を示す要部断面図であり、図中8は規格リ
ム、9はそれの傾斜ビードシート、10は、傾斜ビード
シート9の幅方向外側に隣接して位置する隅丸凹部をそ
れぞれ示し、また、11は、隅丸凹部10から半径方向
外方へ張出す張出しフランジを、12は、その張出しフ
ランジ12の、幅方向および半径方向のそれぞれの外方
に連続して外向きに反曲する湾曲フランジをそれぞれ示
す。なおここで、張出しフランジ11は、規格リム8の
種類によっては省かれることもある。
【0020】ここにおける膨出ヒール7の、タイヤの加
硫成形時における膨出量dは、規格リム8の図示のよう
な幅方向断面内で、傾斜ビードシート9を隅丸凹部側へ
延長して仮想した直線lと、隅丸凹部10に連なる張出
しフランジ11もしくは湾曲フランジ12に接して規格
リム8の中心軸線と直交する仮想直線mとの交点Pに対
応し、タイヤ設計上予定されるビード基点Qを通り、そ
こからタイヤ中心軸線に下した垂線nを基準として定め
るものとし、ここではその膨出量dを2mm以上とす
る。
【0021】しかもここでは、膨出ヒール7のゴム硬度
をJIS硬度で65度以上とし、加えて、ビード部3
の、傾斜ビードシート9に沿う幅方向内端部分に位置す
るビードトウのトウ先ゴム13、図では傾斜ビードシー
ト9に沿う部分を隅丸凹部側へ幾分長く延在させた鈎形
状のトウ先ゴム13の破断時の伸びを420±50%と
するとともに、300%モジュラスを200±20kg
f/cm2 として、そのトウ先ゴム13に硬さと併せて
靱性を付与する。
【0022】以上のように構成してなるタイヤビード部
3には通常、前述したように直線lと直線mとの交点P
から、規格リム8の中心軸線までの距離を半径とする円
の直径で定義されるリム径Dに対して適切な締め代が付
与されており、かかるビード部3を有するタイヤの、規
格リム上への配設は、それぞれのビード部につき、規格
リム3の湾曲フランジ12の外周で、それを部分的に逐
次に乗り越えさせて、両ビード部3を規格リム8のドロ
ップ又はウェル内に一旦落とし込むことによって行わ
れ、その後に続く、タイヤの、リム8への組付けは、そ
のタイヤ内へ、規定内圧に達するまで空気を充填して、
図2に矢印で示すように、ビード部3を、傾斜ビードシ
ート9に沿ってその外面が湾曲フランジ12に接触する
まで外側方向へ押し進めることにより行われる。
【0023】このようなリム組みの進行状況を、図3に
示す、膨出ヒールを有しない従来の空気入りタイヤにつ
いてみるに、ビート部21は、それが傾斜ビードシート
上を外側方向へ移動するにつれて、それに対する締め代
が増加して緊締嵌合の度合いを高められることになる
が、その移動の妨げとなるビード部21の摩擦抵抗は、
その全周にわたって必ずしも均等とはならないので、摩
擦抵抗の大きい部分では、ビードヒール22が隅丸凹部
10に達するより先に、ビード部21の外面が、リム8
の湾曲フランジ12に接触することになり、そこに始ま
る圧縮変形に対する抵抗によってビードヒール22が隅
丸凹部10に接近することになる。しかしながら、この
場合には、ビードヒール22と隅丸凹部10との間にし
ばしば生じる隙間23の発生位置および体積が規格リム
8の周上で不均等となることが多く、このような状態が
一旦発生すると、その隙間内に封じ込められた空気が、
ビード部21の、傾斜ビードシート9に沿うそれ以上の
移動を、それの圧力増加によって拘束するので、リム組
み作業がそのまま打ち切られ勝ちであり、それ故、空気
入りタイヤそれ自体は十分なユニフォミティをもって加
硫成形されているにも拘わらず、タイヤ車輪としてのR
ROが大きくなり、この結果としてRFVが大きくなっ
ていた。
【0024】これに対し、膨出ヒール7を設けた発明タ
イヤでは、上述したようなリム組みの進行に当たり、は
じめに、膨出ヒール7が、規格リム8の隅丸凹部10
に、図2に示すように密着し、次いで、その膨出ヒール
7の圧縮変形下でビード部外面が湾曲フランジ12に接
触し、そこに適度な圧迫が加わった状態でリム組み作業
が終了されることになるので、ビード部外面と規格リム
8との間に、前述したような隙間が発生することがな
く、タイヤの中心軸線が、規格リム8の中心軸線に容易
に、かつ高い精度で整合することになり、従って、タイ
ヤ車輪としてのRROが低減され、RFVが有効に抑制
されることになる。
【0025】かくして、この空気入りタイヤ、とくには
そのビード部構造によれば、タイヤへの充填内圧を高め
ることに起因する車輪のユニフォミティの低下を、タイ
ヤビード部3の、規格リム8への常に適正なる組付けの
実現によって完全にカバーしてなお、有効に向上させる
ことができ、しかも、その車輪ユニフォミティの向上に
基づく、車両の走行安定性の向上により、損失係数の小
さいゴム材料を用いることに起因する操縦安定性の低下
をもまた十二分にカバーすることができる。
【0026】なおここで、膨出ヒール7の膨出量dは、
通常の乗用車用タイヤにおいては2〜4mmとすること
が、ビード部外面のリム擦れを阻止しつつ、車輪ユニフ
ォミティを向上させる上で好ましく、また、その膨出ヒ
ール7のJIS硬度は、65〜80度とすることが、十
分な気密性を確保しつつ、車輪ユニフォミティを向上さ
せる上で好適である。
【0027】そしてさらに、このタイヤでは、トウ先ゴ
ム13の破断時の伸びを420±50%とし、300%
モジュラスを200±20kgf/cm2 とすることに
より、前述したように、ビード部3のリム擦れを防止
し、また、操縦安定性を一層向上させることができる。
ここにおいて、破断時の伸びを370%未満としたとき
は、ビードトウにトウ欠けが生じるおそれが高くなる一
方、それを470%を越える値としたときは、ビード部
3の倒れ込みを有効に阻止することができず、これらの
ことは、300%モジュラスを、220kgf/cm2
を越える値としたとき、および180kgf/cm2
満としたときのそれぞれにおいてもまた同様である。
【0028】〔比較例1〕以下に、発明タイヤと、比較
タイヤと、従来タイヤとのそれぞれについての、転がり
抵抗係数(RRC)指数、車輪ユニフォミティおよびド
ライ路面での操縦安定性に関する比較試験について以下
に説明する。 ◎供試タイヤ サイズが175/70R13のタイヤを5J×13の規
格リムに適用した。なおここでは、ラジアルカーカス
を、1000d/2のPETコードからなる一枚のカー
カスプライで構成して、そのPETコードのタイヤ周方
向に対する角度を90°とし、また、ベルトを、1×4
の金属コードからなる二層のベルト層で構成し、それぞ
れの金属コードを、タイヤ周方向に対して20°の角度
で、層間で相互に公差する方向に延在させた。 ○発明タイヤ トレッド部のキャップゴムの、60℃でのtanδを
0.11、ベースゴムの同様のtanδを0.03とす
るとともに、サイドウォールゴムのtanδを0.07
とし、膨出ヒールの膨出量を2mmとしたもの。なお、
適用内圧は250kPaとした。 ○比較タイヤ キャップゴムのtanδを0.27、ベースゴムのta
nδを0.08とするとともに、サイドウォールゴムの
tanδを0.16とし、ビードヒールを、ヒールが膨
出しない通常形状としたもの。なお、適用内圧は200
kPaとした。 ○従来タイヤ ビードヒールを、ヒールが膨出しない通常形状のものと
した点を除いて、発明タイヤと同一のもの。 ◎試験方法 RRC指数は、外径1707.6mm、幅350mmの
スチール平滑面を有するドラムを0〜180km/hで
回転させるとともに、そのドラムにタイヤを300kg
の力で押圧して、楕行法をもってRRCを測定し、それ
を指数化することにより求め、車輪のユニフォミティ
は、RFVおよびRROのそれぞれを実測することによ
り求め、そして、ドライ路面での操縦安定性は、テスト
コースを、直進走行を主体とした高速走行(100〜1
60km/h)を行ったときの、テストドライバーによ
るフィーリングをもって評価した。 ◎試験結果 それぞれの試験を、8本づづのタイヤについて行って平
均値を求めたところ表1に示す結果となった。なお、表
中の指数値は大きいほどすぐれた結果を示すものとす
る。
【表1】
【0029】〔比較例2〕比較例1の場合と同様のそれ
ぞれの性能に関する他の比較試験について以下に説明す
る。 ◎供試タイヤ サイズが185/65R14のタイヤを6J×14の規
格リムに適用した。ここで、ラジアルカーカスは、10
00d/2のPETコードからなる一枚のカーカスプラ
イで構成し、そのPETコードの、タイヤ周方向に対す
る角度を90°とし、また、ベルトは、1×3の金属コ
ードからなる二層のベルト層で構成し、それぞれの金属
コードを、タイヤ周方向に対して20°の角度で、層間
で相互に交差させて延在させた。 ○発明タイヤ トレッド部のキャップゴムの、60℃でのtanδを
0.11、ベースゴムと同様のtanδを0.03とす
るとともに、サイドウォールゴムのtanδを0.07
とし、膨出ヒールの膨出量を2mmとしたもの。なお、
充填内圧は300kPaとした。 ○比較タイヤ キャップゴムのtanδを0.27、ベースゴムのta
nδを0.08とするとともに、サイドウォールゴムの
tanδを0.16とし、ビードヒールを、ヒールが膨
出しない通常形状としたもの。充填内圧は200kPa
とした。 ○従来タイヤ ビードヒールを、ヒールが膨出しない通常形状のものと
した点を除き、発明タイヤと同一のもの。 ◎試験方法 RRC指数は、タイヤ押圧力を400kgとした点を除
いて、前述の場合と同様にして求め、車輪のユニフォミ
ティおよび、ドライ路面での操縦安定性のそれぞれは、
前述したと同様にして求めた。 ◎試験結果 それぞれの試験の結果を、表1と同様にして表2に示
す。
【表2】
【0030】
【発明の効果】上記比較例からも明らかなように、この
発明によれば、とくには膨出ヒールの存在の故に、低燃
費化を十分に達成してなお、車輪のユニフォミティおよ
び、ドライ路面での操縦安定性を有効に向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すタイヤ幅方向断面図で
ある。
【図2】図1に示すタイヤのリム組み要領を示す要部断
面図である。
【図3】従来タイヤのリム組み要領を示す要部断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ドレッド部 1a キャップゴム層 1b ベースゴム層 2 サイドウォール部 3 ビード部 4 ラジアルカーカス 5 ビードコア 6 ベルト 7 膨出ヒール 8 規格リム 9 傾斜ビードシート 10 隅丸凹部 11 張出しフランジ 12 湾曲フランジ P 交点 Q ビード基点 d 膨出量

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャップアンドベース構造のトレッド部
    と、このトレッド部に連なる一対のサイドウォール部
    と、各サイドウォール部の半径方向内端に連続するビー
    ド部とを具え、最大充填内圧を350kPaとした空気
    入りラジアルタイヤであって、 前記トレッド部のキャップゴムの、60℃でのtanδ
    を0.08〜0.22、ベースゴムの、60℃でのta
    nδを0.02〜0.07とするとともに、サイドウォ
    ールゴムの、60℃でのtanδを0.02〜0.15
    とし、 規格リムの傾斜ビードシートに緊密に嵌合される前記ビ
    ード部に、その規格リムの幅方向の最外側に位置する湾
    曲フランジと、それに対向するビード部外面との接触に
    先立って、傾斜ビードシートの幅方向外側に隣接する隅
    丸凹部にその全周にわたって密着する膨出ヒールを設
    け、この膨出ヒールの膨出量を2mm以上とするととも
    に、その膨出ヒールのゴム硬度を、JIS硬度で65度
    以上としてなる燃費にすぐれる空気入りラジアルタイ
    ヤ。
  2. 【請求項2】 ビード部の、傾斜ビードシートに沿う幅
    方向内端部分に位置するビードトウのトウ先ゴムの破断
    時の伸びを420±50%とするとともに、300%モ
    ジュラスを200±20kgf/cm2 としてなる請求
    項1記載の燃費にすぐれる空気入りラジアルタイヤ。
JP21160493A 1993-08-26 1993-08-26 燃費にすぐれる空気入りラジアルタイヤ Expired - Lifetime JP3213127B2 (ja)

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