JP3213132B2 - 車輪ユニフォミティに優れる空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

車輪ユニフォミティに優れる空気入りラジアルタイヤ

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JP3213132B2 JP22729093A JP22729093A JP3213132B2 JP 3213132 B2 JP3213132 B2 JP 3213132B2 JP 22729093 A JP22729093 A JP 22729093A JP 22729093 A JP22729093 A JP 22729093A JP 3213132 B2 JP3213132 B2 JP 3213132B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車輪ユニフォミティ
に優れる空気入りラジアルタイヤ、なかでも、偏平率が
65%以下の偏平タイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の偏平タイヤにおいては、操縦安
定性の向上を目的として、ケース部材、トレッド部材な
どによって、各部の剛性を、偏平率の大きいタイヤに比
して高くすることが一般的であり、また、このような偏
平タイヤでは、高速耐久性の向上および、操縦安定性の
一層の向上のために、ベルトの外周側に、実質的にタイ
ヤ周方向に延びる有機繊維コードにて構成されて、多く
は、ベルトをその全幅にわたって覆う一枚以上のベルト
補強層を配設することがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、構成各部の
剛性を高めることで、すぐれたコーナリング性能などの
種々の利点をもたらし得るかかる偏平タイヤは、縦ばね
定数もまた必然的に大きくなることによって、タイヤ車
輪のユニフォミティが低下するという不都合があった。
【0004】そしてまた、実質的にタイヤ周方向に延び
る有機繊維コードからなるベルト補強層を配設した場合
には、ジョイント部など不均一要素の増加からユニフォ
ミティが悪化する他、そもそも、偏平タイヤは広い接地
幅を有することに加えて、トレッド部の、周方向断面内
での剛性が高まることに起因して、発生騒音の音圧レベ
ルが大きくなるという問題があった。
【0005】ところで、この発生騒音に関しては、ベル
ト補強層を構成する有機繊維コードを、タイヤ周方向に
対して傾けて延在させて、トレッド部の、周方向断面内
での剛性を下げることによって、それを低減させる試み
もなされているが、このことによれば、トレッド部の、
周方向断面内での剛性を、期待するほどに高めることが
できず、操縦安定性の低下が余儀なくされるという問題
があった。
【0006】そこで、この発明は、高速耐久性および操
縦安定性をともに有効に高めてなお、偏平タイヤに固有
の、車輪ユニフォミティの低下を十二分に防止すること
ができる、車輪ユニフォミティに優れる空気入りラジア
ルタイヤを提供する。これをいいかえれば、この発明で
は、偏平タイヤにおける車輪ユニフォミティの低下は余
儀ないものとし、この一方で、空気入りタイヤを規格リ
ムに組付けたタイヤ車輪として満足な車輪ユニフォミテ
ィを実現して、ラジアルランナウト(以下「RRO」と
略す)を小さくし、また、ラジアルフォースバリエーシ
ョン(以下「RFV」と略す)を有効に抑制することに
よって、車輪ユニフォミティを、前述した低下を補って
余りあるものとする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の一の空気入り
ラジアルタイヤは、とくには、操縦安定性の向上をもた
らすべく、トレッド部に連なる一対のサイドウォール部
を設け、また、これらの各サイドウォール部の半径方向
内端に連続するビード部を設け、そして、少なくとも一
枚のカーカスプライからなるラジアルカーカスおよび、
少なくとも二層のベルト層からなるベルトのそれぞれを
配設し、偏平率を65%以下としたところにおいて、その
ベルトの外周側に、実質的にタイヤ周方向に延びる有機
繊維コードよりなり、多くは、ベルトをその全幅にわた
って覆う少なくとも一層のベルト補強層を配設し、そし
てさらに、規格リムの傾斜ビードシートに緊密に嵌合さ
れる前記ビード部に、その規格リムの、幅方向の最外側
に位置する湾曲フランジと、それに対向するビード部外
面との接触に先だって、傾斜ビードシートの幅方向外側
に隣接する隅丸凹部にその全周にわたって密着する膨出
ヒールを設け、この膨出ヒールの膨出量を2mm以上とす
るとともに、その膨出ヒールのゴム硬度をJIS硬度で
65度以上としたものである。
【0008】また、この発明の他の空気入りラジアルタ
イヤは、とくに、発生騒音の低減を実現すべく、前述し
たところにおいて、ベルト補強層を構成する有機繊維コ
ードの延在方向を、タイヤ周方向に対して30〜90°の角
度で傾斜させたものである。
【0009】なおここで、規格リムとは、二つ割りリ
ム、5°深底リム、15°深底リム、広幅深底リム等の、
JATMAやTRA等で規格が定められたリムをいうも
のとし、この規格リムは、傾斜ビードシートと、この傾
斜ビードシートの幅方向の外側に順次に連なる隅丸凹部
および、外向きに反曲する湾曲フランジとを具え、場合
によっては、湾曲フランジと隅丸凹部との間に張出しフ
ランジを具えることもある。またここで、膨出ヒールの
膨出量とは、ビード基点を通る、タイヤ中心軸線への垂
線を基準として測定したときの膨出ヒールの側方迫出量
をいうものとする。
【0010】
【作用】この発明の、車輪ユニフォミティに優れる空気
入りラジアルタイヤでは、その偏平率を、比較的偏平度
の高い65度以下として、それの各部の剛性を、所要の操
縦安定性をもたらすに十分な程度に高めることに起因す
る、車輪ユニフォミティの低下を、タイヤビード部の改
良に基づく、タイヤ中心軸線とリム中心軸線との常に適
正なる整合を実現することによって、完全に補うことが
でき、のみならず、そのユニフォミティをむしろ有効に
向上させることができる。
【0011】すなわち、発明タイヤでは、ビード部にタ
イヤのリム組みに当って、規格リムの湾曲フランジと、
それに対向するビード部外面との接触に先だって、傾斜
ビードシートに隣接する隅丸凹部にその全周にわたって
密着する膨出ヒールを設けることにより、そのリム組み
の進行に際しては、はじめに、膨出ヒールが隅丸凹部に
密着し、次いで、その膨出ヒールの圧縮変形下で、ビー
ド部外面が湾曲フランジに接触することになるので、ビ
ード部外面と湾曲フランジとの接触状態を全周にわたっ
て十分均一なものとして、タイヤの中心軸線を規格リム
の中心軸線に高い精度をもって整合させることができ、
従って、RRO、すなわち、タイヤ車輪の外周の振れが
小さくなり、また、タイヤ車輪を一定のたわみの下で回
転させたときの半径方向反力の変動、すなわちRFVが
有効に抑制され、高剛性の偏平タイヤにおいてなお、車
輪ユニフォミティが効果的に向上されることになる。
【0012】なおここでは、膨出ヒールの膨出量を2mm
以上とすることによって、膨出ヒールによる隅丸凹部の
完全なる埋込みを担保することができるが、その膨出量
が大きくなりすぎると、リムずれがひどくなるので、4
mmを限度とすることが好ましい。また、膨出ヒールのゴ
ム硬度は、JIS硬度で65度以上とすることによって、
膨出ヒールの、隅丸凹部への十分強固な嵌込み固定をも
たらし、また、その膨出ヒールの、隅丸凹部に対する全
周での均等接触を導くことができるが、その硬度は、硬
すぎると、膨出ヒールの、リムとの間での十分な圧縮変
形量を確保することができず、気密性に問題が生じるお
それがあるため、80度までとすることが好ましい。
【0013】ところで、上述したような車輪ユニフォミ
ティの向上は、一方において、タイヤ車輪の転動時にお
ける接地面形状、接地面積、幅方向接地面位置などの、
車輪周方向での変動を十分小ならしめ、そのタイヤ車輪
が発生する力を、周方向のどの位置にても均等化させ
て、車両の走行安定性を高めることになるので、操縦安
定性の向上をも併せもたらすことができる。
【0014】従って、かかるタイヤにおいて、ベルト層
の外周側に、実質的にタイヤ周方向に延びる有機繊維コ
ードからなるベルト補強層を配設した場合には、遠心力
に起因するトレッド部の迫出しを阻止して、タイヤの高
速耐久性を有効に高めることができ、しかも、操縦安定
性の一層の向上を実現することができる。またここで、
ベルト補強層を構成する有機繊維コードの延在方向を、
タイヤ周方向に対して30〜90度の角度で傾けることによ
って、タイヤ周方向断面内でのトレッド部剛性を低下さ
せて、発生騒音の低減を図った場合には、前述したよう
に、操縦安定性が損われることになるも、この操縦安定
性の低下は、前述した車輪ユニフォミティの向上に基づ
く、操縦安定性の向上をもって十二分に補うことができ
る。
【0015】
【実施例】以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、この発明の実施例を、サイズが205/60
R15のタイヤについて示す幅方向略線断面図であり、図
中1はトレッド部を、2は、このトレッド部1のそれぞ
れの側部に連続する左右一対のサイドウォール部を、そ
して3は、各サイドウォール部2の半径方向内端に連続
するビード部をそれぞれ示す。このタイヤでは、タイヤ
周方向に対してほぼ90°の角度で延びる、たとえば1500
d/2 のポリエステルコードからなる一枚のカーカスプラ
イで、トロイダルに延びるラジアルカーカス4を形成
し、このラジアルカーカス4のそれぞれの側端部分を、
ビード部3に埋設したビードコア5の周りで内側から外
側に向けて巻上げ、また、ラジアルカーカス4のクラウ
ン部の外周側に、タイヤ周方向に対して、たとえば24°
の角度で延在するスチールコードよりなり、層間でコー
ドが相互に交差する二層のベルト層6a,6b にて構成した
ベルト6を配設し、そして、ベルト6のさらに外周側
に、実質的にタイヤ周方向に延びる有機繊維コード、た
とえばナイロンコードからなり、ベルト6をその全幅に
わたって覆う一層のベルト補強層7を配設する。
【0016】またこのタイヤでは、ビード部3のビード
ヒール部に、タイヤ車輪のユニフォミティの向上を目的
とする膨出ヒール8を設ける。図2は、膨出ヒール8を
設けたビード部3、ひいては、タイヤの、規格リムへの
組付け要領を示す要部断面図であり、図中9は規格リ
ム、10はそれの傾斜ビードシート、11は、傾斜ビードシ
ート10の幅方向外側に隣接して位置する隅丸凹部をそれ
ぞれ示し、また、12は、隅丸凹部11から半径方向外方へ
張出す張出しフランジを、13は、その張出しフランジ12
の、幅方向および半径方向のそれぞれの外方に連続して
外向きに反曲する湾曲フランジをそれぞれ示す。なお、
張出しフランジ12は、規格リム9の種類によって省かれ
ることもある。
【0017】ここにおいて、膨出ヒール8とは、規格リ
ム9の、図示のような幅方向断面内で、傾斜ビードシー
ト10を隅丸部側へ延長した仮想の直線lと、隅丸凹部11
に連なる張出しフランジ12、張出しフランジのない規格
リムでは湾曲フランジ13に接して規格リム9の中心軸線
と直交する、これも仮想の直線m との交点Pに対応し、
タイヤ設計上予定されるビード基点Qを通り、そこから
タイヤ中心軸線に下した重線nよりも突出したビードヒ
ールをいうものとし、それの膨出量dは、垂線nからの
膨出代をもって定めることとし、ここではそれを2mm以
上とする。
【0018】しかもここでは、かかる膨脹ヒール8のゴ
ム硬度をJIS硬度で65度以上とし、加えて、ビード部
3 の、傾斜ビードシート10に沿う幅方向内端部分に位置
するビードトウのトウ先ゴム14、図では、傾斜ビードシ
ート10に沿う部分を隅丸凹部側へ幾分長く延在させた鈎
形状のトウ先ゴム14の、破断時の伸びを420 ±50%と
し、300 %モジュラスを200 ±20kgf/cm2 として、その
トウ先ゴム14に、硬さと靱性とを付与する。
【0019】以上のように構成してなるタイヤビード部
3には通常、前述した直線lと直線mとの交点Pから、
規格リム9の中心軸線までの距離を半径とする円の直径
で定義されるリム径Dに対して適切な締め代が付与され
ており、かかるビード部3を有するタイヤの、規格リム
上への配設は、それぞれのビード部3につき、規格リム
9の湾曲フランジ13の外周で、それを部分的に逐次に乗
越えさせて、両ビード部3を規格リム9のドロップ又は
ウェル内に一旦落とし込むことによって行われ、その後
に続く、タイヤの、リム8への組付けは、そのタイヤ内
へ、規定内圧に達するまで空気を充填して、ビード部3
を図2に矢印で示すように、傾斜ビードシート10に沿っ
てその外面が湾曲フランジ13に接触するまで外側方向へ
押し進めることにより行われる。
【0020】このようなリム組み進行状況を、図3に示
す。膨出ヒールを有しない従来の空気入りタイヤについ
てみるに、ビード部21は、それが傾斜ビードシート上を
外側へ移動するにつれて、それに対する締め代が増加し
て緊締嵌合の度合いを高められることになるが、その移
動の妨げとなるビード部21の摩擦抵抗は、その全周にわ
たって必ずしも均等とはならないので、摩擦抵抗の大き
い部分では、ビードヒール22が隅丸凹部11に達するより
先に、ビード部21の外面が、リム9の湾曲フランジ13に
接触することになり、そこに始まる圧縮変形に対する抵
抗によってビードヒール22が隅丸凹部11に接近すること
になる。しかしながら、この場合には、ビードヒール22
と隅丸凹部11との間にしばしば生じる隙間23の発生位置
および体積が規格リム9の周上で不均等となることが多
く、このような状態が一旦発生すると、その隙間内に封
じ込められた空気が、ビード部21の、傾斜ビードシート
10に沿うそれ以上の移動を、それの圧力増加によって拘
束するので、リム組み作業がそのまま打切られ勝ちであ
り、それ故に、空気入りタイヤそれ自体は十分なユニフ
ォミティをもって加硫成形されているにも拘わらず、タ
イヤ車輪としてのRROが大きくなり、この結果として
RFVが大きくなっていた。
【0021】これに対し、膨出ヒール8を設けた発明タ
イヤでは、上述したようなリム組みの進行に当り、はじ
めに、膨出ヒール8が規格リム9の隅丸凹部11に、図2
に示すように密着し、次いで、その膨出ヒール8の圧縮
変形下でビード部外面が湾曲フランジ13に接触し、そこ
に適度な圧迫が加わった状態でリム組み作業が終了され
ることになるので、ビード部外面と規格リム9との間
に、前述したような隙間が発生することがなく、タイヤ
の中心軸線が規格リム9の中心線に容易に、かつ高い精
度で整合することになり、従って、タイヤ車輪としての
RROが低減され、RFVが十分に抑制されることにな
る。
【0022】かくして、この空気入りタイヤ、とくには
そのビード部構造によれば、偏平タイヤに固有の車輪ユ
ニフォミティの低下を、タイヤビード部3の、規格リム
9への常に適正なる組付けの実現により、完全にカバー
することができる。しかもここでは、実質的にタイヤ周
方向に延びる有機繊維コードからなるベルト補強層7に
より、タイヤの高速耐久性を高めるとともに、操縦安定
性の一層の向上をもたらすことができる。
【0023】なおここで、膨出ヒール8の膨出量dは、
通常の乗用車用タイヤにおいては2〜4mmとすること
が、ビード外面のリムずれを阻止しつつ、車輪ユニフォ
ミティを向上させる上で好ましく、また、その膨出ヒー
ル8のJIS硬度は、65〜80度とすることが、膨出ヒー
ルと隅丸凹部との間での気密性を十分に保ちつつ車輪ユ
ニフォミティを向上させる上で好適である。
【0024】加えて、このタイヤでは、トウ先ゴム14の
破断時の伸びを420 ±50%とし、300 %モジュラスを20
0 ±20kgf/cm2 とすることにより、前述したように、ビ
ード部3のリム擦れを防止することができるとともに、
操縦安定性をより一層向上させることができる。なおこ
こで、破断時の伸びを370 %未満としたときは、ビード
トウにトウ欠けが生じるおそれが高くなる一方、それを
470 %を越える値としたときは、ビード部の倒れ込みを
有効に阻止することができず、これらのことは、300 %
モジュラスを、220kgf/cm2を越える値としたときおよび
180kgf/cm2未満としたときのそれぞれにおいてもまた同
様である。
【0025】図4は、この発明の実施例を、サイズが22
5/50 R16のタイヤについて示す断面図であり、これは、
いわゆるアップ・ダウン構造の二枚のカーカスプライに
よってラジアルカーカス4を構成し、二層のベルト層6
a, 6bのスチールコードの延在方向を、タイヤ周方向に
対して26°とするとともに、ベルト6をその全幅にわた
って覆う一層のベルト補強層7の外周側で、これもま
た、実質的にタイヤ周方向に延びる有機繊維コードから
なる側部補強層15を、ベルト補強層7のそれぞれの側端
部分に重ねて配設したものである。その他の構成は図1
で述べたところとほぼ同様であって、ビード部3は、前
述したと同様の膨出ヒール8を有する。
【0026】従って、この例によってもまた、とくには
膨出ヒール8の作用下で、タイヤ車輪のユニフォミティ
を有効に向上させることができる。加えてここでは、側
部補強層15の存在の故に、高速安定性の大幅な向上を達
成することができ、一方、側部補強層の付加によるユニ
フォミティーの悪化も膨出ヒールの存在により十分に補
うことができる。
【0027】ちなみに、図1および図4に示すそれぞれ
のタイヤを、アルミニウム合金製の規格リムにリム組し
てタイヤ車輪とし、RROおよびRFVのそれぞれを測
定して、各10本のタイヤについての平均値を求めたとこ
ろ、図1に示す発明タイヤのRROおよびRFVはそれ
ぞれ、0.39mmおよび4.8kgfであるに対し、膨出ヒールを
省いた点を除いて図1に示すものと同様の構成を有する
比較タイヤのそれらは、それぞれ0.78mmおよび8.5kgfで
あり、また、図4に示す発明タイヤのRROおよびRF
Vはそれぞれ、0.41mmおよび6.3kgfであるに対し、膨出
ヒールを省いた点を除いて図4に示すものと同様の構成
を有する比較タイヤのそれらは、それぞれ0.83mmおよび
10.3kgf であった。
【0028】図5はベルト補強層の他の例を示す部分展
開図であり、この例は、ベルト6の外周側に配設した一
層のベルト補強層16のための有機繊維コード16a の、タ
イヤ周方向に対する延在角度αを30〜90°の範囲で傾け
ることによって、前述したように、タイヤの周方向断面
内での剛性の低下をもたらして、タイヤの発生騒音を低
減させるものである。
【0029】この例によれば、タイヤの発生騒音を有効
に低減させ得る一方で、タイヤの剛性低下の故に、操縦
安定性もまた低下されることになるが、その低下は、ビ
ード部3を改良した発明タイヤによる車輪ユニフォミテ
ィの向上に基づく、車両の走行安定性の向上、ひいて
は、操縦安定性の向上によって十分に補うことができ、
これがため、タイヤ車輪全体としてみたときは、ベルト
補強層コードをタイヤ周方向に延在させた従来の偏平タ
イヤよりもむしろ高い操縦安定性を発揮させることがで
きる。
【0030】なおこの例に示すところにおいて、ベルト
補強層16のそれぞれの側端部分に、実質的にタイヤの周
方向に延びる有機繊維コードからなる、図4で述べたと
同様の側部補強層を付加することもでき、また、ベルト
補強層16の、内周側および外周側の少なくとも一方に、
層間で有機繊維コードが相互に交差する方向に延在する
他のベルト補強層を付加することもできる。
【0031】〔比較例〕以下に、発明タイヤと比較タイ
ヤとの、タイヤ車輪でのRRO,RFVおよび操縦安定
性に関する比較試験について説明する。 ◎供試タイヤ サイズが205/55 R16のタイヤを6.5JJ ×16のリムにリム
組みして用いた。各タイヤの基本的構成態様は図1に示
すものとほぼ同様とし、その細部については表1に示す
通りとした。
【0032】
【表1】
【0033】◎試験結果 各タイヤについての、RROおよびRFVの測定平均値
(n=10)は表2に示す通りとなった。
【0034】
【表2】 また、これらの各タイヤを装着した、国産の2000cc乗用
車両を用いてドライ路面での操縦安定性を、二人のパネ
ラーによってフィーリング評価したところ、表3に示す
通りとなった。
【0035】なお評価は、高速直進性評価重視の高速走
行で行った。
【0036】
【表3】
【発明の効果】上記比較例からも明らかなように、この
発明によれば、とくにはタイヤビード部の改良に基づ
き、従来の一般的に偏平タイヤに比して、車輪ユニフォ
ミティおよび操縦安定性とともに有効に向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すタイヤ幅方向の略線断
面図である。
【図2】図1に示すタイヤのリム組み要領を示す要部断
面図である。
【図3】従来タイヤのリム組み要領を示す要部断面図で
ある。
【図4】この発明の他の実施例を示すタイヤ幅方向の略
線断面図である。
【図5】ベルト補強層の他の例を示す部分展開平面図で
ある。
【符号の説明】
1 トレッド部 2 サイドウォール部 3 ビード部 4 ラジアルカーカス 5 ビードコア 6 ベルト 6a, 6b ベルト層 7,16 ベルト補強層 8 膨出ヒール 9 規格リム 10 傾斜ビードシート 11 隅丸凹部 12 張出しフランジ 13 湾曲フランジ 14 トウ先ゴム 15 側部補強層 16a 有機繊維コード P 交点 Q ビード基点 D リム径 d 膨出量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 15/00,15/024

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレッド部と、このトレッド部に連なる
    一対のサイドウォール部と、各サイドウォール部の半径
    方向内端に連続するビード部とを具えるとともに、少な
    くとも一枚のカーカスプライからなるラジアルカーカス
    と、少なくとも二層のベルト層からなるベルトとを具
    え、偏平率を65%以下とした空気入りラジアルタイヤで
    あって、 前記ベルトの外周側に、実質的にタイヤ周方向に延びる
    有機繊維コードよりなる少なくとも一層のベルト補強層
    を配設し、 規格リムの傾斜ビードシートに緊密に嵌合される前記ビ
    ード部に、その規格リムの、幅方向の最外側に位置する
    湾曲フランジと、それに対向するビード部外面との接触
    に先だって、傾斜ビードシートの幅方向外側に隣接する
    隅丸凹部にその全周にわたって密着する膨出ヒールを設
    け、この膨出ヒールの膨出量を2mm以上とするととも
    に、その膨出ヒールのゴム硬度をJIS硬度で65度以上
    としてなる車輪ユニフォミティに優れる空気入りラジア
    ルタイヤ。
  2. 【請求項2】 トレッド部と、このトレッド部に連なる
    一対のサイドウォール部と、各サイドウォール部の半径
    方向内端に連続するビード部とを具えるとともに、少な
    くとも一枚のカーカスプライからなるラジアルカーカス
    と、少なくとも二層のベルト層からなるベルトとを具
    え、偏平率を65%以下とした空気入りラジアルタイヤで
    あって、 前記ベルトの外周側に、タイヤ周方向に対して30〜90°
    の角度で傾斜して延びる有機繊維コードよりなる少なく
    とも一層のベルト補強層を配設し、 規格リムの傾斜ビードシートに緊密に嵌合される前記ビ
    ード部に、その規格リムの、幅方向の最外側に位置する
    湾曲フランジと、それに対向するビード部外面との接触
    に先だって、傾斜ビードシートの幅方向外側に隣接する
    隅丸凹部にその全周にわたって密着する膨出ヒールを設
    け、この膨出ヒールの膨出量を2mm以上とするととも
    に、その膨出ヒールのゴム硬度をJIS硬度で65度以上
    としてなる車輪ユニフォミティに優れる空気入りラジア
    ルタイヤ。
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