JPH0760951A - インクジェット記録方法および装置 - Google Patents

インクジェット記録方法および装置

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JPH0760951A
JPH0760951A JP21608393A JP21608393A JPH0760951A JP H0760951 A JPH0760951 A JP H0760951A JP 21608393 A JP21608393 A JP 21608393A JP 21608393 A JP21608393 A JP 21608393A JP H0760951 A JPH0760951 A JP H0760951A
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JP21608393A
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Hisao Yaegashi
尚雄 八重樫
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 記録ヘッドにより記録紙上に画像記録後、イ
ンク中の色材の有する電荷と同符号の電荷を、該記録紙
の画像面に接触する記録装置内の部分、特に排紙手段に
帯電させて該記録紙を搬出する。 【効果】 インク中の色材が接触面に付着するのを防止
できるので、未定着インクによる画像の乱れの発生を効
果的に阻止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録紙上に画像を記録
し定着させるインクジェット記録方法および装置に関
し、特に、未定着インクによる画像の乱れを防止するこ
とができるインクジェット記録方法および装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、低騒音、高
速記録、カラー記録が可能等の利点を有している。イン
クジェット記録方法に使用されるインクには大きく分け
て水系インクと有機溶剤系インクがあるが、一般ユーザ
ーが使用するプリンタにおいては、安全性などの点から
水系インクを使用する場合が多い。しかしながら、水系
のインクを使用したプリンタにおいては、インクが記録
紙で定着するまでに時間がかかるという問題点がある。
特に記録紙として、インクジェット専用のコート紙では
なく、普通紙を用いた場合は定着時間がさらに長くな
る。未定着インクが残っていれば、記録紙搬送ローラー
等との接触により画像が乱れる。
【0003】一方、パソコンやワークステーションの小
型化・軽量化・高速化にともない、プリンタも小型化・
軽量化・高速化が求められ、構造上、定着時間を充分に
確保できるだけのスペースや機構を採用することができ
ないのが実情である。
【0004】未定着インクとの接触による画像の乱れを
防止する手段としては、インク自体の定着速度を上げ
る、紙搬送ローラーなどの記録紙に接触する部分を記録
部から遠ざける、などの方法があるが、インクの乾燥性
を高めて定着速度を上げることは、ノズル内でのインク
の乾燥による目詰りなどを招くし、搬送系を記録部から
遠ざけることはプリンタの大型化を招くためいずれも好
ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述従来技
術の有する問題点に鑑み、記録紙上のインクと接触する
記録装置内の部分に特定の手段を採用することによっ
て、未定着状態のインクと接触しても画像の乱れを生じ
させない記録方法を提供することを目的とする。また本
発明の他の目的は、かかる方法を実施するための装置を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成する本
発明は、記録ヘッドにより記録紙上に画像記録後、イン
ク中の色材の有する電荷と同符号の電荷を、該記録紙の
画像面に接触する記録装置内の部分に帯電させて該記録
紙を搬出することを特徴とするインクジェット記録方法
である。画像記録後の画像面に接触する記録装置内の部
分にインク中の色材と同符号の電荷を印加することによ
り、インク中の色材が接触面に付着するのを防止できる
ので、未定着インクによる画像の乱れの発生を効果的に
阻止することができる。
【0007】また、本発明は、帯電させる部分が、記録
紙の搬出手段である上記のインクジェット記録方法であ
る。この部分は特に画像の乱れと関係するので、この部
分を帯電させることで上記効果は更に顕著となる。
【0008】また、本発明は、画像記録方法が、熱エネ
ルギーによる気泡生成を利用しインクを吐出させるもの
である上記のインクジェット記録方法である。気泡発生
による記録方式では特に多ノズル化、高速化が容易であ
りインクの未定着が問題と成り易いので、この方式に上
記方法を適用することにより効果は顕著となる。
【0009】また、本発明は、記録紙上に画像記録を行
う記録ヘッド、記録紙の搬入および搬出手段、記録紙の
画像面に接触する記録装置内の部分を帯電させる電圧印
加手段を備えたことを特徴とするインクジェット記録装
置である。かかる電荷印加手段を具備する記録装置によ
って上述の記録方法を効果的に実現することができる。
【0010】また、本発明は、記録紙の搬出手段を帯電
させるようにした上記のインクジェット記録装置であ
り、また記録ヘッドが、熱エネルギーによる気泡生成を
利用しインクを吐出させるものである上記のインクジェ
ット記録装置である。前述したように搬出手段を帯電さ
せること、および気泡発生方式のものに適用することに
よって更に効果的な装置とすることができる。
【0011】以下、本発明を詳述する。
【0012】本発明者らは、記録紙上の未定着状態のイ
ンクによる画像の乱れを鋭意研究した結果、インク中の
色材が正または負に帯電している場合に、この電位と同
符号に十分に帯電している物質をインクと接触させる
と、色材は付着せず、色材を含まない無色の液のみが付
着する現象に着目し、本発明に到ったものである。すな
わち、記録紙上の未定着状態のインクと接触する部分
が、インク中の色材と同符号に十分に帯電していれば、
電気的な反発により色材は付着せず、色材を含まない無
色の液が付着するのみであるため、記録紙に再付着して
も目に見える画像は乱れない。
【0013】本発明において対象とされるインクは、電
荷を持つ色材と水を必須成分とし、そのほか必要に応じ
て有機溶媒、各種添加剤によって構成されたものである
が、通常水系インク中の色材は帯電しているので、特別
なインクである必要はない。
【0014】色材としては、カルボン酸基、スルホン酸
基、リン酸基などの電離して負の電荷を有することので
きる基を持つ染料や顔料(例えば、直接染料、酸化染
料、それらのレーキ顔料等)、アンモニウム基などの正
の電荷を有する基をもつ染料や顔料(例えば、塩基性染
料、そのレーキ顔料等)等を挙げることができ、また単
独ではほとんど電荷を持たない色材(例えば、分散染
料、顔料色素等)であっても、カルボン酸基、スルホン
酸基、リン酸基などの電離して負の電荷を有することの
できる基を持つ高分子や界面活性剤(例えば、スチレン
−アクリル酸−アクリルエステル共重合体、スチレン−
アクリル酸共重合体、アルキルベンゼンスルホン酸
等)、アンモニウム基などの正の電荷を有する基をもつ
高分子や界面活性剤(例えば、アルキルトリメチルアン
モニウム塩等)によって分散させたものも用いることが
できる。
【0015】水と混合して使用される水溶性有機溶剤と
しては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル等の炭素数1〜4のアルコール類;ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、
ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコー
ル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチ
レングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子
を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレン
グリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエ
チレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、ト
リエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エー
テル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N
−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン等が挙げられる。これらの多くの水溶性
有機溶剤の中でもジエチレングリコール等の多価アルコ
ール、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチ
ル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテ
ルが好ましい。
【0016】インク中の上記水溶性有機溶剤の含有量
は、インク全重量の10〜50重量%、好ましくは10
〜40重量%の範囲であり、使用する水はインク全重量
の10〜90重量%、好ましくは30〜70重量%の範
囲が適当である。
【0017】又、インクは、上記の成分のほかに必要に
応じて所望の物性値を持つインクとするために、界面活
性剤、消泡材、防腐剤等を添加することができ、さらに
市販の水溶性染料などを添加することもできる。
【0018】界面活性剤としては脂肪酸塩類、高級アル
コール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩
類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活
性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオ
キシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン
ソルビタンアルキルエステル類等の非イオン性界面活性
剤があり、これらの1種または2種以上を適宜選択して
使用できる。
【0019】次に、記録紙としては、インクジェット専
用コート紙の他、PPC用紙等の普通紙を用いることが
できる。
【0020】本発明において、画像面に接触する記録装
置内の部分とは、記録紙に画像を記録する装置の記録部
から記録後の記録紙を搬出する搬出部までで、記録紙の
画像面と物理的に常に又は一時接触する部分をいい、接
触することを必然とする部分のみならず、場合によって
は接触することもあり得る部分も含むものである。例え
ば、紙搬送系、外装等が具体的に該当するが、中でも最
も頻繁に接触する部分は、記録紙の搬送系であり、特に
画像記録後の搬出手段である。例えば、搬出手段として
排紙ローラーと従動ローラーや拍車との組合せを用いる
場合は、画像面が接する従動ローラーや拍車が画像面に
接触する記録装置内の部分に該当する。本発明におい
て、かかる接触部分には、インク中の色材の持つ電荷と
同符号の電荷が帯電している。これにより、インク中の
色材が接触面に付着するのを防止できるので、未定着イ
ンクによる画像の乱れの発生を効果的に阻止することが
できる。インク中の色材と同符号の電荷を帯電させるに
は、例えば、排紙ローラーと従動ローラーや拍車との間
に電圧を印加し、従動ローラーや拍車における電位がイ
ンク中の色材の電荷と同符号になるようにすればよい。
印加する電圧としては、インク組成等によっても異る
が、通常0.1〜10V程度である。かかる電圧が小さ
過ぎる場合は、未定着インクを付着させない効果が小さ
く、また電圧が大き過ぎる場合は、装置の価格上昇を招
く。なお、接触部分を帯電させるためには、その接触部
分を絶縁体で構成し対向するローラー等の間に電圧を印
加すればよい。
【0021】このように記録紙の排出時に接触部分を帯
電させることによって、インクの色材は該部分に付着す
ることを防止することができ、画像の乱れを生ずること
もない。また画像面との接触によって色材以外のインク
中の透明な溶媒等は接触部分に付着するが、画像の乱れ
には影響しない。従って、比較的長い定着時間が必要な
普通紙使用の場合でも画像が乱れることを最少限に抑え
ることができる。
【0022】このような記録方法を実施するための装置
としては、記録紙上に画像記録を行う記録ヘッド、記録
紙の搬入および搬出手段、記録紙の画像面に接触する記
録装置内の部分を帯電させる電圧印加手段を備えたイン
クジェット記録装置であれば特に制限されることなく、
用いることができる。又、記録紙の搬出手段を帯電させ
るようにしたものや、記録ヘッドが、熱エネルギーによ
る気泡生成を利用しインクを吐出させたものでは、未定
着インクによる画像の乱れを更に低減することができ
る。電圧印加手段としては、接触面(例えば従動ローラ
ー)を絶縁体で構成し、記録紙を挟持するようにして対
向し絶縁体で構成した面(例えば排紙ローラー)との間
に電圧を印加できるようにすればよい。電圧は例えばロ
ーラーの中心部を金属製としそこに印加すればよい。そ
の他の構造については、公知技術に基づいて構成するこ
とができる。
【0023】又、本発明の記録装置に、記録ヘッドに対
する回復手段や、予備的な補助手段等を付加すること
は、本発明の記録装置を一層安定にすることができるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング
手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別
の加熱素子、或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なう
手段を付加することも安定した記録を行なうために有効
である。
【0024】又、本発明は、特にインクジェット記録方
式の中でも、熱エネルギ−を利用して飛翔液滴を形成
し、記録を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド、
記録装置に於いて、優れた効果をもたらすものである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許
第4723129号明細書、同第4740796号明細
書に開示されており、本発明はこれらの基本的な原理を
用いて行なうものが好ましい。この記録方式は所謂オン
デマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能
である。
【0025】この記録方式を簡単に説明すると、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じる様
な急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆動
信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せし
め、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。この
様に液体(インク)から電気熱変換体に付与する駆動信
号に一対一対応した気泡を形成出来るため、特にオンデ
マンド型の記録法には有効である。この気泡の成長、収
縮により吐出孔を介して液体(インク)を吐出させて、
少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス
形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれる
ので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成
でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4463359号明細書、同第4345
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国
特許第4313124号明細書に記載されている条件を
採用すると、更に優れた記録を行なうことができる。
【0026】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出孔、液流路、電気熱変換
体の組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されている様に、熱作
用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものも本発
明に含まれる。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスリットを電気熱変換体の吐出孔とする構成を
開示する特開昭59年第123670号公報や熱エネル
ギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成
を開示する特開昭59年第138461号公報に基づい
た構成においても本発明は有効である。更に、本発明が
有効に利用される記録ヘッドとしては、記録装置が記録
できる記録媒体の最大幅に対応した長さのフルラインタ
イプの記録ヘッドがある。このフルラインヘッドは、上
述した明細書に開示されているような記録ヘッドを複数
組み合わせることによってフルライン構成にしたもの
や、一体的に形成された一個のフルライン記録ヘッドで
あっても良い。加えて、装置本体に装着されることで、
装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供
給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、
あるいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリ
ッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効
である。
【0027】更に、記録装置の記録モードとしては黒色
等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせて
構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複色カ
ラーモード又は、混色によるフルカラーモードの少なく
とも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0028】以上の説明では、液体インクを用いて説明
しているが、本発明では室温で固体状であるインクであ
っても、室温で軟化状態となるインクであっても用いる
ことができる。上述のインクジェット装置ではインク自
体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行って
インクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御する
ものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインク
が液状をなすものであれば良い。加えて、熱エネルギー
によるヘッドやインクの過剰な昇温をインクの固形状態
から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せし
めることで積極的に防止するか又は、インクの蒸発防止
を目的として放置状態で固化するインクを用いることも
出来る。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じ
た付与によってインクが液化してインク液状として吐出
するものや記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始
めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初め
て液化する性質を持つインクの使用も本発明には適用可
能である。
【0029】このようなインクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されているような、多孔質シートの凹部又は貫通孔に
液状又は固形物として保持された状態で、電気熱変換体
に対して対向するような形態としても良い。
【0030】本発明において、上述した各インクにたい
して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行する
ものである。
【0031】図3は本発明により得られた記録ヘッドを
インクジェットヘッドカートリッジ(IJC) として装着し
たインクジェット記録装置(IJRA)の一例を示す外観斜視
図である。
【0032】図において、120 はプラテン124 上に送紙
されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行な
うノズル群を具えたインクジェットヘッドカートリッジ
(IJC) である。116 はIJC 120 を保持するキャリッジH
Cであり、駆動モータ117 の駆動力を伝達する駆動ベル
ト118 の一部と連結し、互いに平行に配設された2本の
ガイドシャフト119Aおよび119Bと摺動可能とすることに
より、IJC 120 の記録紙の全幅にわたる往復移動が可能
となる。
【0033】126 はヘッド回復装置でありIJC 120 の移
動経路の一端、例えばホームポジションと対向する位置
に配設される。伝動機構123 を介したモータ122 の駆動
力によって、ヘッド回復装置126 を動作せしめ、IJC 12
0 のキャッピングを行なう。このヘッド回復装置126 の
キャップ部126AによるIJC 120のキャッピングに関連さ
せて、ヘッド回復装置126 内に設けた適宜の吸引手段に
よるインク吸引もしくはIJC 120 へのインク供給経路に
設けた適宜の加圧手段によるインク圧送を行ない、イン
クを吐出口より強制的に排出させることによりノズル内
の増粘インクを除去する等の吐出回復処理を行なう。ま
た、記録終了時等にキャッピングを施すことによりIJC
が保護される。
【0034】130 はヘッド回復装置126 の側面に配置さ
れ、ウレタンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード130 は、ブレード保持部材13
0Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置126
と同様、モータ122 および伝導機構123 によって動作
し、IJC 120 の吐出面との係合が可能となる。これによ
り、IJC 120 の記録動作における適切なタイミングで、
あるいはヘッド回復装置126 を用いた吐出回復処理後
に、ブレード130 をIJC 120 の移動経路中に突出させ、
IJC 120 の移動動作に伴ってIJC 120 の吐出面における
結露、濡れあるいは塵埃等をふきとるものである。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
【0036】実施例1 図1は本発明の一実施例である。記録紙2は搬送ローラ
ー4によって送られ、記録ヘッド1aによって画像が記
録される。画像記録後の記録紙はモーター(図示せず)
によって駆動される排紙ローラー7と記録紙を排紙ロー
ラーに押し当てて十分な搬送力を伝えるための従動ロー
ラー6とによって排紙される。両ローラーは金属に絶縁
性のゴムをコーティングして形成されており、中心の金
属部は軸の内部を通して電源(図示せず)に接続され、
記録紙の画像記録面に接する従動ローラーは排紙ローラ
ーに対して−2Vの電位とした。
【0037】本発明の記録装置に使用するインクは下記
の処方により調合した。(以下、「部」は特記しない限
り重量部を表わす。) [顔料分散液の作成] スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体 2部 (酸価116、重量平均分子量3700) モノエタノールアミン 1部 ジエチレングリコール 5部 イオン交換水 73部 上記成分を混合し、ウォーターバスで70℃に加熱し、
樹脂分を溶解させる。カーボンブラック(MCF88三
菱化成製)14部、イソプロピルアルコール5部を加
え、30分間プレミキシングを行った後、下記の条件で
分散処理を行った。 分散機 サンドグラインダー 粉砕メディア ジルコニウムビーム(1mm径) 粉砕メディア充填率 50体積% 粉砕時間 3時間 さらに、遠心分離処理(12000rpm、20分間)
を行って、顔料分散液を得た。 [黒色インクの作成] 上記分散液 30部 ジエチレングリコール 15部 イソプロピルアルコール 5部 イオン交換水 50部 上記成分を混合し、モノエタノールアミンを加えてpH
を8から10の間に調整し、黒色インクを得た。上記の
処方により作成された黒色インクは、分散剤としてスチ
レン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体によっ
て、カーボンブラックを分散させたものである。したが
って、色材(ここではスチレン−アクリル酸−アクリル
酸エチル共重合体によって包まれたカーボンブラック粒
子)は負に帯電している。
【0038】上記のインクを用いて前述装置により画像
記録を行ったところ、記録紙上の画像は排紙部の通過に
よる目に見える画像の乱れを生じていなかった。
【0039】実施例2 実施例1の従動ローラーに替えて、図2に示す拍車4個
を50mm間隔で設置した記録装置において、実施例1
と同じインクを使用して記録を行った。拍車は金属に絶
縁性の樹脂をコーティングして形成されており、中心の
金属部は軸の内部を通して電源に接続されている。拍車
は排紙ローラーに対して−2Vの電位とした。
【0040】実施例1のインクを用いて前述装置により
画像記録を行ったところ、記録紙上の画像は排紙部の通
過による目に見える画像の乱れを生じていなかった。
【0041】実施例3 実施例2の拍車を金属に絶縁性かつ撥水性の高いフッ素
樹脂をコーティングしたものに変更して実施例1と同じ
インクを使用して記録を行った。拍車は排紙ローラーに
対して−1Vの電位とした。
【0042】実施例1のインクを用いて前述装置により
画像記録を行ったところ、記録紙上の画像は排紙部の通
過による目に見える画像の乱れを生じていなかった。
【0043】比較例 実施例2において、電源をオフし、電界をかけずに記録
に行ったところ、画像が拍車を通過した後に、拍車によ
る筋状の画像の乱れが発生した。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、画像記録後の画像
面に接触する記録装置内の部分にインク中の色材と同符
号の電荷を印加することにより、インク中の色材が接触
面に付着するのを防止できるので、未定着インクによる
画像の乱れの発生を効果的に阻止することができた。ま
た、帯電させる部分を記録紙の搬出手段とすれば、この
部分が特に画像の乱れと関係することから、上記効果は
更に顕著となった。また、画像記録方法が、気泡発生に
よる記録方式では特にインクの未定着が問題と成り易い
ので、この方式に上記方法を適用することにより効果は
顕著となった。
【0045】また、記録紙上に画像記録を行う記録ヘッ
ド、記録紙の搬入および搬出手段、記録紙の画像面に接
触する記録装置内の部分を帯電させる電圧印加手段を備
えたインクジェット記録装置により、上述の記録方法を
効果的に実現することができた。また、搬出手段を帯電
させること、および気泡発生方式のものに適用すること
によって更に効果的な装置とすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる記録部、記録紙排出部の一例を
示す概略断面図である。
【図2】本発明に係わる記録紙排出部の別の例を示す概
略断面拡大図である。
【図3】本発明に係わるインクジェット記録装置の一例
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 インクカートリッジ 1a 記録ヘッド 1b インクタンク 2 記録紙 3 キャリッジ 4 搬送ローラー 5 ピンチローラー 6 従動ローラーまたは拍車 7 排紙ローラー 8 拍車 116 キャリッジ 117 駆動モータ 118 駆動ベルト 119A,119B ガイドシャフト 120 インクジェットヘッドカートリッジ 122 クリーニング用モータ 123 伝動機構 124 プラテン 126 キャップ部材 130 ブレード 130A ブレード保持部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録ヘッドにより記録紙上に画像記録
    後、インク中の色材の有する電荷と同符号の電荷を、該
    記録紙の画像面に接触する記録装置内の部分に帯電させ
    て該記録紙を搬出することを特徴とするインクジェット
    記録方法。
  2. 【請求項2】 帯電させる部分が、記録紙の搬出手段で
    ある請求項1記載のインクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】 画像記録方法が、熱エネルギーによる気
    泡生成を利用しインクを吐出させるものである請求項1
    記載のインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 記録紙上に画像記録を行う記録ヘッド、
    記録紙の搬入および搬出手段、記録紙の画像面に接触す
    る記録装置内の部分を帯電させる電圧印加手段を備えた
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 記録紙の搬出手段を帯電させるようにし
    た請求項4記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 記録ヘッドが、熱エネルギーによる気泡
    生成を利用しインクを吐出させるものである請求項4記
    載のインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008110617A (ja) * 2008-02-04 2008-05-15 Seiko Epson Corp 液体噴射装置

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JP2008110617A (ja) * 2008-02-04 2008-05-15 Seiko Epson Corp 液体噴射装置

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